JP3313988B2 - 送風機 - Google Patents

送風機

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JP3313988B2
JP3313988B2 JP29158096A JP29158096A JP3313988B2 JP 3313988 B2 JP3313988 B2 JP 3313988B2 JP 29158096 A JP29158096 A JP 29158096A JP 29158096 A JP29158096 A JP 29158096A JP 3313988 B2 JP3313988 B2 JP 3313988B2
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shaft
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、送風機、特にフ
ァンをモータ回転軸へ容易且つ確実に取り付けできるよ
うにした送風機に関する。
【0002】
【従来の技術】図7は、従来の送風機を示し、ファンb
の取付状態を説明するためにファンbの取付部分を示し
た要部断面図である。そして図8は、図7におけるファ
ンbを上から下に見下ろした状態の(半分を示す)平面
図である。これらの図において、モータaの回転により
図の上側から下方向に入った空気が横方向へ送風(排
出)されるようにしたファンbが回転軸cに取り付けら
れる。
【0003】図例のファンbは、円形板状の基板fの外
周縁部に沿って複数の羽根eが垂直に配列された、いわ
ゆるシロッコファンである。ファンbとモータaの回転
軸cとの固定は、まずファンbにおける基板fとブッシ
ュdとは、ブッシュdの下端に形成された筒状部hの下
端が図に示すように塑性変形され、基板fの固定中心部
に設けた孔部mに加締められて固定される。その際、図
9に示すように、孔部mには、その周縁部に弧状の切欠
部iが形成されており、この切欠部iに筒状部hの上記
変形部分が食い込んで回り止めとされる。そして基板f
と一体になったブッシュ(スリーブ)dに回転軸cが差
し込まれ、回転軸cの側壁に設けた凹部jに係合するよ
うにネジgを回転軸cに向けて締めつけることにより、
ファンbは回転軸cに対して回転方向及び軸方向に固定
される。なお、ファンbを覆うファンカバーは図示省略
してある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記構成の送風機では
次のような問題点があった。ネジgを用いてファンbを
固定するため、モータaの振動等によりネジgが緩み易
く、ひとたびファンbが緩むと、回転軸cに対してがた
つきが生じ、またファンbが回転軸cから外れてしまう
という不都合があった。また、ネジgが回転軸cに対し
て直角に位置付けられるため、ファンb内でのネジgの
ねじ締め作業が困難で煩雑であった。そのために生産性
の向上を図る上でも障害となっていた。
【0005】本発明は上記の課題を解決するためになさ
れたものであって、本発明の目的は、モータ回転軸へフ
ァンを固定するに際し、十分な締結力が得られ、ファン
の緩みが生じない、送風機を提供することにある。ま
た、ファンのモータ回転軸への取り付けが容易で作業性
の向上が図れる送風機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に講じた請求項1記載の発明は、『モータ回転軸の
側を径小とする段部を備えた軸端部に、ファンがその羽
根を取り付ける基板で固定手段により固定される送風機
であって、前記固定手段は、前記モータ回転軸の挿入孔
と、その挿入孔の周囲の食い込み部とを備え、モータ回
転軸の材質より硬い材質で形成された係止部材と、前記
軸端部の軸線方向へのカシメ加工により前記軸端部が前
記食い込み部に食い込んで形成される塑性変形部と、前
記基板と前記係止部材とが回転しないようにする回転止
め手段と、からなり、前記軸端部の塑性変形部と前記フ
ァンの基板との間に前記係止部材が挟持される』ことを
特徴とする。
【0007】この手段を採用するものでは、回転軸の軸
端を係止部材の食い込み部へ軸線方向に押圧力を加える
カシメ加工により食い込ませ、その塑性変形部により、
係止部材は回転軸に対して固定される。そして係止部材
は、回転止め手段によってファンの基板に固定されるた
め、結局ファンは回転軸に対して回転止め且つ抜け止め
状態で固定される。従って、ファンを回転軸に固定する
ために、係止部材を用いることにより、ファンと回転軸
とを安定固定させることができる一方、カシメ加工は取
扱が容易な軸線方向のカシメ加工とされるから、回転軸
軸端のカシメ固定が確実に行え、しかも作業性が良い。
【0008】請求項2記載の発明は、『モータ回転軸の
先端側を径小とする段部を備えた軸端部に、ファンが、
その羽根を取り付ける基板で固定手段により固定される
送風機であって、前記固定手段は、前記モータ回転軸の
挿入孔と、その挿入孔の周囲の食い込み部とを備え、モ
ータ回転軸の材質より硬い材質で形成された係止部材
と、前記軸端部の軸線方向へのカシメ加工により前記軸
端部が前記食い込み部に食い込んで形成される塑性変形
部と、前記係止部材における回転方向の前方側の側縁部
と、前記モータ回転軸の回転作用力による前記係止部材
の回転により前記側縁部に当接する前記基板の当接部と
の係合により、前記基板と前記係止部材との相対回転を
阻止する回転止め手段と、からなり、前記軸端部の塑性
変形部と前記ファンの基板との間に前記係止部材が挟持
されること』を特徴とする。
【0009】この手段を採用するものでは、モータ回転
軸の軸端を係止部材の食い込み部へ軸線方向に押圧力を
加えるカシメ加工により食い込ませ、その塑性変形部に
より、係止部材は回転軸に対して固定される。そして係
止部材は、係止部材の側縁部と、この側縁部に当接する
基板の当接部との係合によって固定されるため、結局フ
ァンは回転軸に対して回転止め且つ抜け止め状態で固定
される。そしてこの係止部材の側縁部とは、係止部材の
主体を成す部位の側壁を言う他、その主体から軸線方向
に伸びて設けられた部位の側壁をも含める。また基板の
当接部とは、前記回転作用力による係止部材の回転によ
り、前記側縁部に当接する基板の部位であり、この作用
力の方向線上において設けられた基板の孔部の内周壁、
突状部の側壁等を言う。このものでは、そのような回転
止め手段を備えたから、簡単でしかも確実な基板の回転
止めが行え、従ってこのような係止部材を用いることに
より、ファンと回転軸とを安定且つ確実に固定させるこ
とができる一方、作業性も良い。
【0010】請求項3記載の発明は、上記請求項1又は
請求項2記載について限定し、『前記ファンが固定され
る前記回転軸に形成された段部には、前記係止部材との
間で前記ファンの基板を挟持させる座金が設けられたこ
と』を特徴とする。この手段を採用するものでは、座金
は、回転軸の段部に係止されて保持される一方、軸端の
塑性変形部で固定された係止部材とで(ファンの)基板
を挟持する。このため座金により、基板を挟着保持する
面積を実質上増大させることができ、ファンが回転軸に
対して確実に固定されると共に回転軸の段部を大きくす
る必要がない。従って、軸径が小さくて済む。
【0011】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1及び請求
項2記載の発明によれば、ファンの緩みが生じ難く、フ
ァンは回転軸に対して強固に固定することができる。そ
して軸線方向のカシメ加工のみでファンを回転軸に固定
でき、作業性が容易となりコストダウンが図れる。請求
項3記載の発明によれば、ファンを確実に固定すること
ができ、しかも回転軸の軸径が小さくて済みコストダウ
ンも容易となる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施例の形態
を、図示例と共に説明する。図1、図2は本発明の送風
機を示し、モータ1とファン2の取付部位を示す。図1
は図2の平面図における矢視X−O−Xの正面断面図で
ある。これらの図において、モータ1の本体1aから、
回転軸10が延びて設けられ、回転軸10にはシロッコ
ファンであるファン2が固定される。
【0013】ファン2は、例えば円形板状に形成された
アルミ合金製の基板21に、複数の羽根22,22が円
周方向に沿って垂直状に配置される。羽根22,22
は、リング状の押え板23と基板21との間で挟着さ
れ、その際、各羽根22の端部に設けられた係止片22
aが、押え板23と基板21とにそれぞれ設けた係止孔
23a,21aに挿通され、捩り変形させて抜け止め固
定される。基板21の回転中心部には、回転軸10が挿
通する孔部25が穿設され、さらに孔部25の半径方向
外側には孔部25に対して点対称的に二つの方形状の孔
部24が穿設されている。
【0014】回転軸10は、例えば、直径8mmのステ
ンレス材で形成され、軸端12側を細く削って径小部1
4とした。これにより段部15が形成され、モータ1の
本体1a側を径大部13とした。径小部14は、基板2
1の孔部25の径よりも僅かに小さく、がたつきが無い
範囲で挿通が容易なように設けられている。また、回転
軸10の端部12には、上方に開口した凹部16が設け
られ、この凹部16の周囲に環状突部17が形成されて
いる。(図4参照) 回転軸10に対するファン2の取付は、図1に示すよう
に、回転軸10に挿通され段部15に係止された座金4
と係止部材3とにより挟着され、軸端12を塑性変形さ
せることにより固定される。
【0015】次に、ファン2を回転軸10へ固定する手
順について、図4を参照して説明する。図4 (a)に示す
ように、まずモータ1を回転軸10が上方に向くように
して治具(図示しない)に固定する。その際、図示省略
するが、治具はモータ1の本体1aの下端に突出した回
転軸10の下端を軸線方向に受け止め、後に説明するカ
シメ装置5からの押圧力が、上方から回転軸10の軸端
12に対して下方向へ作用しても、本体1aの内部の構
成部品に損傷を与えないよう配慮されている。そして回
転軸10には、径小部14にリング状の座金4を嵌め込
み、段部15上に係止させ、その後、ファン2の基板2
1(の孔部25)を外嵌させる。なお、座金4は鉄鋼材
により形成されている。
【0016】更に図4 (b)において、係止部材3を基板
21の上から回転軸10に外嵌させる。係止部材3は図
3に示すように、中心孔31の内周円に沿って、突部3
3と切欠状の食い込み部32とが交互に(回転角度90
度間隔で四箇所)設けられ、また外周部には、外方に張
り出すと共にその先端部が軸線方向に曲折された一対の
突状部34が形成されている。尚、係止部材3の中心孔
31の径(突部33の内径)は径小部14の径よりがた
つきなく挿通可能な程度に大きく形成されている。そし
て、係止部材3は回転軸10より硬いステンレス材によ
り形成されている。
【0017】係止部材3を回転軸10の径小部14に挿
入させると、食い込み部32と径小部14との間には、
食い込み部32に相当する間隙kが生成される。また、
基板21には、係止部材3の突状部34に対応する一対
の孔部24が穿設され、これら孔部24は回転軸10の
軸心を中心とする点対称状に配置されると共に、突状部
34と略同一半径寸法に設定されている。従って、回転
軸10の径小部14へ係止部材3を挿入させると、係止
部材3の突状部34と基板21の孔部24とが容易に係
合する。突状部34と孔部24との係合は、図5に示す
ように、突状部34の(側縁部としての)側壁34a
が、孔部24の(当接部としての)内壁24aに当接す
ることで係合される。これにより係止部材3のファン2
に対する回転止めがなされる。尚、この場合、ファン2
は回転軸10により、図2及び図5における反時計方向
へ回転駆動されるため、回転方向の前方側である側壁3
4aと内壁24aとが当接して係合し、回転軸10の回
転作用力により係止部材3が基板21上を回転しようと
しても、上記係合により回転が阻止される。よって、フ
ァン2がこれとは逆に時計方向に回転駆動される場合に
は、係止部材3と基板21とは、図5に示す(側縁部と
しての)側壁34bと(当接部としての)内壁24bと
で当接し両者が係合する。また、これらと回転軸10を
挟んで対峙する他方の側壁34c、34dと内壁24
c、24dとの関係についても同様であることは言うま
でもない。そしてファン2の回転方向に対応する回転方
向の前方側に上記係合が少なくともひとつ設けられてい
ればよい。
【0018】再び図4に戻り、その後、図4 (c)に示す
ように、先端部が緩やかな突状をなす加締装置5を用
い、凹部16へ向けて所定の押圧力で降下させる。そし
て、環状突部17は半径方向外方へ塑性変形し、図4
(d)に示すように、放射状の膨出変形部17aが形成さ
れ、これにより係止部材3は基板21と座金4を挟着さ
せた状態で回転軸10の軸方向への抜け止め固定され
る。その際、回転軸10は係止部材3よりも硬度が小さ
いため、塑性変形による膨出変形部17aが、係止部材
3の切欠部32の間隙kに食い込む。膨出変形部17a
の上記食い込みは、係止部材3の中心孔31の周方向に
4箇所形成されるから、回転方向にも結合力を有し、軸
線方向への抜け止め固定に加え、回転軸10と係止部材
3は回転止め固定される。また、上記突状部34の側壁
34aと孔部24の内壁24aとの係合により、係止部
材3はファン2に回転止め固定されているから、結局、
ファン2は係止部材3を介して回転軸10に抜け止め且
つ回転止め状態で固定される。更にファン2の基板21
は、回転軸10の段部15に係止された座金4に保持さ
れるため、環状突部17を塑性変形させるカシメ加工の
際、軸線方向に作用する押圧力により、基板21が保持
される面積が増えるから、基板21の変形が防止され
る。
【0019】尚、ファン2と係止部材3との回転止め手
段として、上記実施例では、係止部材3に突状部34を
設け、基板21に孔部24を設けて係合させたが、図示
省略するが、これとは逆に、係止部材3に孔部、基板2
1に突状部を設けて係合させても良い。この他、図6に
示すように、突状部34を持たない平板状の係止部材3
0を用いることもできる。このものでは、ファン2の基
板21に切り起こされた突状部21b,21cを設け、
これら突状部21b,21cに係止部材30の両側壁3
8,39を係合させる。即ち、(側縁部としての)側壁
38と突状部21bの(当接部としての)内壁21bb
とが当接して係合し、そして(側縁部としての)側壁3
9と突状部21cの(当接部としての)内壁21ccと
が当接して係合する。この場合も、先の実施例と同様
に、ファン2の回転方向に対応して、少なくとも回転方
向の前方側に一つの係合が設けられていれば良い。また
図示省略するが、ボルト、リベット等を用いたほかの係
合手段でも良い。さらに、カシメ加工による押圧力によ
って、係止部材3と基板21とが圧接された状態での摩
擦力によって回転止めとしても良い。
【0020】本実施例では、軸端12の膨出変形部17
aが食い込む食い込み部32を上記実施例のように切欠
状にすることに代えて、突状部34の突出方向と反対の
上面のみが凹んだ凹部形状とされていても構わない。ま
たファン2の基板21を受け止めて挟着する座金4は、
段部15を大きく設定できるならば廃止することもでき
るが、この座金4の直径又は座金4を取り付けない場合
の径大部13の直径は膨出変形部17aの直径以上であ
ることが望ましい。また係止部材3の食い込み部32
は、図例の4箇所に限らず、例えば角度60度間隔で6
箇所、角度120度間隔で3箇所としても良い。
【0021】この他、図例ではファン2としてシロッコ
ファンを用いたが、軸流型ファンやプロペラファンなど
の種々のファンに対して適用でき、回転軸10に対して
軸線方向に固定されるものであれば、特に限定されるこ
とはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の送風機の要部断面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1の送風機に組み込まれる部品の斜視図であ
る。
【図4】図1の送風機を組み立て順序を説明する工程図
である。
【図5】図1の要部拡大斜視図である。
【図6】図1の変形例を示す要部斜視図である。
【図7】従来の送風機の要部断面図である。
【図8】図7の平面図である。
【図9】図8における要部拡大平面図である。
【符号の説明】
1・・・モータ 21・・・基板 2・・・ファン 17・・・環状突部 3,30・・・係止部材 17a・・膨出変形部 10・・・回転軸 34・・・突状部 尚、各図中、同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータ回転軸の先端側を径小とする段部
    を備えた軸端部に、ファンが、その羽根を取り付ける基
    板で固定手段により固定される送風機であって、 前記固定手段は、前記モータ回転軸の挿入孔と、その挿
    入孔の周囲の食い込み部とを備え、モータ回転軸の材質
    より硬い材質で形成された係止部材と、 前記軸端部の軸線方向へのカシメ加工により前記軸端部
    が前記食い込み部に食い込んで形成される塑性変形部
    と、 前記基板と前記係止部材とが回転しないようにする回転
    止め手段と、からなり、 前記軸端部の塑性変形部と前記ファンの基板との間に前
    記係止部材が挟持される送風機。
  2. 【請求項2】 モータ回転軸の先端側を径小とする段部
    を備えた軸端部に、ファンが、その羽根を取り付ける基
    板で固定手段により固定される送風機であって、 前記固定手段は、前記モータ回転軸の挿入孔と、その挿
    入孔の周囲の食い込み部とを備え、モータ回転軸の材質
    より硬い材質で形成された係止部材と、 前記軸端部の軸線方向へのカシメ加工により前記軸端部
    が前記食い込み部に食い込んで形成される塑性変形部
    と、 前記係止部材における回転方向の前方側の側縁部と、前
    記モータ回転軸の回転作用力による前記係止部材の回転
    により前記側縁部に当接する前記基板の当接部との係合
    により、前記基板と前記係止部材との相対回転を阻止す
    る回転止め手段と、からなり、 前記軸端部の塑性変形部と前記ファンの基板との間に前
    記係止部材が挟持される送風機。
  3. 【請求項3】 前記ファンが固定される前記回転軸に形
    成された段部には、前記係止部材との間で前記ファンの
    基板を挟持させる座金が設けられた請求項1又は請求項
    2記載の送風機。
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