JPH0573294U - 遠心ファン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 防振ユニットと外ボスとの組付解きにおける
偏心を防止し得るようにする。 【構成】 ファンモータ２の回転軸２aが連結されるフ
ァンロータ３を備え、前記回転軸２aを嵌挿する円筒状
の内ボス１４と該内ボス１４外周に溶着固定された略円
筒状の防振ゴム１５とからなる防振ユニット１３を前記
ファンロータ３側に固定された略円筒状の外ボス１６に
圧入して組み立てられた遠心ファンにおいて、前記防振
ゴム１５の外周面１５aおよび外ボス１６の内周面１６a
を、圧入方向に縮径するテーパ面となすとともに、前記
防振ゴム１５の反圧入方向端部外周に、前記外ボス１６
に対して係合するフランジ部２１を一体的に形成してい
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本願考案は、遠心ファンに関し、さらに詳しくはファンモータの回転軸とファ ンロータとの結合構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

例えば、天井埋込式空気調和機においては、図４に示すように、ケーシング１ の天板１aに支持されたファンモータ２の回転軸２aに枢着されたファンロータ３ を備えた遠心ファンＡが用いられている(例えば、特開平２ー２１８８９５号公 報参照)。図４において、符号４はファンロータ３の外周側を囲繞するように配 置された熱交換器、５は熱交換器４の下方に配置されたドレンパン、６はファン モータ２をケーシング天板１aに支持するためのブラケット、７はファンロータ ３の吸込側に設けられた吸込ガイド、８は吹出空気通路である。

【０００３】 そして、前記ファンロータ３は、ファンモータ２の回転軸２aが連結されるハ ブ９と、該ハブ９と対向し且つ中心部に吸込口１１を有するシュラウド１０と、 前記ハブ９とシュラウド１０との外周部間に円周方向等間隔で配置された多数の 羽根１２,１２・・とによって構成されている。

【０００４】 上記のような構成の遠心ファンにおけるファンモータ２の回転軸２aとハブ９ とは、図５に示すように、前記回転軸２aを嵌挿する円筒状の内ボス１４と該内 ボス１４外周に溶着固定された略円筒状の防振ゴム１５とからなる防振ユニット １３を前記ハブ９側に固定された略円筒状の外ボス１６に圧入することにより結 合されている。このことにより、ファンモータ２との共振による電磁音の発生を 防止し得るようにしている。なお、この場合、防振ゴム１５の外周面および外ボ ス１６の内周面は、圧入方向に同径とされている。符号１７は外ボス１６をハブ ９に固定するための取付フランジ、１８は取付フランジ１７をハブ９に固定する ためのリベット、１９は回転軸２aの端部を固定するナット、２０は座金である 。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

上記のような結合構造とする場合、図６に示すように、外ボス１６に防振ユニ ット１３を圧入して組み立てた後、このボス組立品をハブ９にリベット１８によ り取り付けることとなっているが、この時、防振ゴム１５の圧縮による逃がしを 圧入方向端部にとっているため、防振ゴム１５の逃げ量が不均一となると、外ボ ス１６に対して内ボス１４がずれる(即ち、外ボス１６と内ボス１４とが偏心状 態で組み付けられる)おそれがある。すると、ファンロータ３が偏心状態で回転 することとなって、運転状態に支障をきたすおそれがある。

【０００６】 本願考案は、上記の点に鑑みてなされたもので、防振ユニットと外ボスとの組 付時における偏心を防止し得るようにすることを目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

請求項１の考案では、上記課題を解決するための手段として、図面に示すよう に、ファンモータ２の回転軸２aが連結されるファンロータ３を備え、前記回転 軸２aを嵌挿する円筒状の内ボス１４と該内ボス１４外周に溶着固定された略円 筒状の防振ゴム１５とからなる防振ユニット１３を前記ファンロータ３側に固定 された略円筒状の外ボス１６に圧入して組み立てられた遠心ファンにおいて、前 記防振ゴム１５の外周面１５aおよび外ボス１６の内周面１６aを、圧入方向に縮 径するテーパ面となすとともに、前記防振ゴム１５の反圧入方向端部外周に、前 記外ボス１６に対して係合するフランジ部２１を一体的に形成している。

【０００８】 請求項２の考案では、上記課題を解決するための手段として、図面に示すよう に、前記請求項１記載の遠心ファンにおいて、前記フランジ部２１を前記防振ゴ ム１５と一体となすとともに、該フランジ部２１を前記外ボス１６とファンロー タ３との間に挟持させている。

【０００９】

【作用】

請求項１の考案では、上記手段によって次のような作用が得られる。

【００１０】 即ち、防振ユニット１３を外ボス１６内に圧入する際に、防振ゴム１５の外周 テーパ面１５aと外ボス１６の内周テーパ面１６aとに沿って圧入されるため、両 者は周方向に均一に圧入されるとともに、フランジ部２１と外ボス１６との係合 により圧入度が規制される(即ち、フリー方向への動きが制限される)こととなる 。

【００１１】 請求項２の考案では、上記手段によって次のような作用が得られる。

【００１２】 即ち、防振ゴム１５と一体のフランジ部２１が、外ボス１６とファンロータ３ との間に介在せしめられるため、ファンモータ２との共振がより効果的に防止さ れることとなる。

【００１３】

【考案の効果】

請求項１の考案によれば、ファンモータ２の回転軸２aが連結されるファンロ ータ３を備え、前記回転軸２aを嵌挿する円筒状の内ボス１４と該内ボス１４外 周に溶着固定された略円筒状の防振ゴム１５とからなる防振ユニット１３を前記 ファンロータ３側に固定された略円筒状の外ボス１６に圧入して組み立てられた 遠心ファンにおいて、前記防振ゴム１５の外周面１５aおよび外ボス１６の内周 面１６aを、圧入方向に縮径するテーパ面となして、防振ユニット１３が、防振 ゴム１５の外周テーパ面１５aと外ボス１６の内周テーパ面１６aとに沿って圧入 され得るようにしたので、両者は周方向に均一に圧入されることとなり、内ボス １４とファンロータ３との同軸度を容易且つ正確に達成できるという実用的な効 果がある。

【００１４】 また、請求項１の考案によれば、防振ゴム１５の反圧入方向端部外周に、前記 外ボス１６に対して係合するフランジ部２１を一体的に形成して、防振ユニット １３の圧入度が規制される(即ち、フリー方向への動きが制限される)ようにした ので、圧入時における作業性が向上するとともに、内ボス１４とファンロータ３ との同軸度がより一層正確に達成できるという実用的な効果がある。

【００１５】 請求項２の考案によれば、請求項１記載の遠心ファンにおいて、防振ゴム１５ と一体にに形成されるフランジ部２１を外ボス１６とファンロータ３との間に挟 持させて、ファンモータ２との共振をより効果的に防止し得るようにしたので、 防振効果がより一層向上するという実用的な効果がある。

【００１６】

【実施例】

以下、添付の図面を参照して、本願考案の幾つかの好適な実施例を説明する。

【００１７】 以下に説明する実施例の遠心ファンは、従来技術の項において説明した天井埋 込式空気調和機(図４参照)の送風装置として使用されるターボファンであり、フ ァンモータ２と、該ファンモータ２の回転軸２aが連結されるファンロータ３と によって構成されている。

【００１８】 そして、前記ファンロータ３は、前記ファンモータ２の回転軸２aに連結され る断面略Ｖ字状のハブ９と、該ハブ９と対向し且つ中心部に吸込口１１を有する シュラウド１０と、前記ハブ９とシュラウド１０との外周部間に円周方向等間隔 で配置された多数の羽根１２,１２・・とからなっている。

【００１９】 実施例１ 図１および図２には、本願考案の実施例１にかかる遠心ファンにおけるファン モータ回転軸２aとファンロータ３との結合部の構造が示されている。本実施例 は、請求項１および２の考案に対応するものである。

【００２０】 ファンモータ回転軸２aとファンロータ３とは、回転軸２aを嵌挿する円筒状の 内ボス１４と該内ボス１４外周に溶着固定された略円筒状の防振ゴム１５とから なる防振ユニット１３を前記ハブ９側に固定された略円筒状の外ボス１６に圧入 することにより結合されている。該外ボス１６の反圧入方向端部外周には、ハブ ９に対する取付部となる取付フランジ１７が一体に形成されている。

【００２１】 そして、前記防振ゴム１５の外周面１５aおよび外ボス１６の内周面１６aは、 圧入方向に縮径するテーパ面とされている。また、前記防振ゴム１５の反圧入方 向端部外周には、前記外ボス１６の取付フランジ１７とハブ９との間に挟持され るフランジ部２１が一体に形成されている。該フランジ部２１は、外ボス１６の 取付フランジ１７と係合して防振ユニット１３の圧入度を規制するとともに、外 ボス１６とハブ９との間の防振作用をもなす。上記構成により、ファンモータ２ との共振による電磁音の発生を防止し得るようにしている。１８は取付フランジ １７をハブ９に固定するためのリベット、１９は回転軸２aの端部を固定するナ ット、２０は座金、２２は取付フランジ１７に形成されたリベット孔、２３はハ ブ９に形成されたリベット孔、２４はフランジ部２１に形成された貫通孔である 。

【００２２】 次に、ファンモータ回転軸２aとファンロータ３とを結合する際の手順を説明 する。

【００２３】 本実施例の場合、図２に示すように、ファンロータ３を外ボス１６に組み付け るに際して、防振ユニット１３を同時に圧入し、その後リベット１８により強固 に結合する。その際、防振ユニット１３は、防振ゴム１５の外周テーパ面１５a と外ボス１６の内周テーパ面１６aとに沿って周方向に均一に圧入されるととも に、防振ゴム１５のフランジ部２１と外ボス１６(具体的には、取付フランジ１ ７)との係合により、防振ユニット１３の圧入度が規制される(即ち、フリー方向 への動きが制限される)こととなる。従って、内ボス１４とファンロータ３との 同軸度を容易且つ正確に達成できるのである。

【００２４】 実施例２ 図３には、本願考案の実施例２にかかる遠心ファンにおけるファンモータ回転 軸２aとファンロータ３との結合部の構造が示されている。本実施例は、請求項 １に対応するものである。

【００２５】 本実施例の場合、防振ゴム１５に形成されるフランジ部２１は、実施例１の場 合より小径とされており、外ボス１６の反圧入方向端部内周に形成された段部１ ６bに係合せしめられることとなっている。その他の構成は実施例１と同様なの で説明を省略する。なお、本実施例の場合、フランジ部２１を防振ゴム１５と別 な材料により一体的に形成するようにしてもよい。

【００２６】 本実施例の場合、フランジ部２１による防振効果は実施例１に比べて劣るもの の、その他の作用効果においては実施例１と同様である。

【００２７】 なお、上記説明では、ターボファンを実施例としているが、本願考案は、ター ボファン以外の遠心ファンにも適用可能である。

【００２８】 本願考案は、上記各実施例の構成に限定されるものではなく、考案の要旨を逸 脱しない範囲において適宜設計変更可能なことは勿論である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本願考案の実施例１にかかる遠心ファンにおけ
るファンモータ回転軸とファンロータとの結合部を示す
縦断面図である。

【図２】本願考案の実施例１にかかる遠心ファンにおけ
るファンモータ回転軸とファンロータとの結合手順を示
す分解縦断面図である。

【図３】本願考案の実施例２にかかる遠心ファンにおけ
るファンモータ回転軸とファンロータとの結合部示す縦
断面図である。

【図４】一般的な遠心ファンの使用例である天井埋込式
空気調和機の縦断面図である。

【図５】従来例にかかる遠心ファンにおけるファンモー
タ回転軸とファンロータとの結合部示す縦断面図であ
る。

【図６】従来例にかかる遠心ファンにおけるファンモー
タ回転軸とファンロータとの結合手順を示す分解縦断面
図である。

【符号の説明】

２はファンモータ、２aは回転軸、３はファンロータ、
９はハブ、１３は防振ユニット、１４は内ボス、１５は
防振ゴム、１５aは外周テーパ面、１６は外ボス、１６a
は内周テーパ面、１７は取付フランジ、２１はフランジ
部。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ファンモータ(２)の回転軸(２a)が連結
   されるファンロータ(３)を備え、前記回転軸(２a)を嵌
   挿する円筒状の内ボス(１４)と該内ボス(１４)外周に溶
   着固定された略円筒状の防振ゴム(１５)とからなる防振
   ユニット(１３)を前記ファンロータ(３)側に固定された
   略円筒状の外ボス(１６)に圧入して組み立てられた遠心
   ファンであって、前記防振ゴム(１５)の外周面(１５a)
   および外ボス(１６)の内周面(１６a)を、圧入方向に縮
   径するテーパ面となすとともに、前記防振ゴム(１５)の
   反圧入方向端部外周には、前記外ボス(１６)に対して係
   合するフランジ部(２１)を一体的に形成したことを特徴
   とする遠心ファン。
2. 【請求項２】 前記フランジ部(２１)を前記防振ゴム
   (１５)と一体となすとともに、該フランジ部(２１)を前
   記外ボス(１６)とファンロータ(３)との間に挟持させた
   ことを特徴とする前記請求項１記載の遠心ファン。