JPH05230215A - フッ素含有ポリオルガノシルセスキオキサンとその製造方法 - Google Patents

フッ素含有ポリオルガノシルセスキオキサンとその製造方法

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JPH05230215A
JPH05230215A JP3542592A JP3542592A JPH05230215A JP H05230215 A JPH05230215 A JP H05230215A JP 3542592 A JP3542592 A JP 3542592A JP 3542592 A JP3542592 A JP 3542592A JP H05230215 A JPH05230215 A JP H05230215A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 強靱さ、硬度、耐熱性が高く、かつ耐汚染
性、離型性を向上させた高分子量のフッ素含有ポリオル
ガノシルセスキオキサンとその製造方法を得る。 【構成】 下記一般式(1)において、全側鎖R1の5
0〜99モル%がメチル基であり、1〜20モル%が下
記一般式(2)で示されるフルオロアルキル基であり、
残部が炭素原子数2ないし3個のアルキル基、あるいは
置換または非置換フェニル基であり、R2が炭素原子数
1ないし3個のアルキル基または水素原子であり、mが
整数であり、数平均分子量が10000以上である。 【化1】 【化2】 (但し、一般式(2)において、R3は炭素数1ないし
12個の非置換または置換二価炭化水素基、nは0〜1
0の整数である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ラダー状分子構造を有
し、発水性、離型性、耐熱性、硬度、電気絶縁性、耐汚
染性等の面で優れた特性を示すような高分子量のフッ素
含有ポリオルガノシルセスキオキサンとその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電気、電子産業分野における小型
化、軽量化、高性能化への要求が高まるにつれ、また自
動車産業における軽量化が進展するにつれて、ポリイミ
ドをはじめとする高耐熱性樹脂の市場が拡大発展してき
た。またそれに伴って、耐熱性樹脂に対する要望がます
ます増大するとともに、より高度な耐熱性が求められて
いる。しかしながら、炭素骨格のプラスチックは耐熱性
の点では一定の限界があることは止むを得ないことであ
り、その点では、珪素骨格のプラスチック材料は一層高
度な性能を実現しうる可能性を秘めている。
【0003】特にラダーシリコーンの略称で知られるポ
リオルガノシルセスキオキサンは、シロキサン骨格結合
の分子の動きが固定され、シリカ類似の骨格構造を有し
ており、硬度、耐熱性等の目的に対しては理想的な構造
を有している。とりわけ側鎖がメチル基のポリメチルシ
ルセスキオキサンは、分子構造上においても特に無機的
な性質を示し、硬度、耐熱性が高い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、側鎖の大部分
がメチル基であるポリオルガノシルセスキオキサンは、
末端基のシラノールおよびアルコキシ基の反応性が高い
ため、合成時や保存時にゲル化しやすいことが知られて
いる(第1の問題点)。そのため従来は、高分量のもの
は知られておらず、オリゴマー領域のものが唯一製品化
されているに過ぎなかった(商品名;グラスレジン、米
国OI−NGG社製)。上記のオリゴマーの溶液は、例
えば金属、プラスチック等の基材にコーティングし、溶
剤の揮発後加熱すると、末端基のシラノール基、アルコ
キシ基間での脱水、脱アルコールを伴う縮合反応により
三次元硬化するため、コーティング被膜として用いられ
ている。この被膜は、硬度、耐熱性は高いものの、極め
て脆く、基材の大きな変形に充分追随することができな
いことが第2の問題点である。したがって、実用的には
数ミクロン程度の薄膜としてのみ利用されているのが現
状である。また、上述したように三次元硬化するにあた
り、加熱硬化が不可欠であることが第3の問題点であ
る。実際には、使用する基材によっては適用温度の制約
があり、さらに硬化に長時間を要することは、コストと
プロセス面での困難を伴うことにもつながっている。
【0005】一方、特願平3−221898号において
は、高分子量であり、かつメチル基を側鎖の主体とする
ポリオルガノシルセスキオキサンを安定に製造しうると
ともに、溶液を基材にコーティングし、溶剤を揮発させ
るだけで、加熱硬化をしなくても、強靱さ、硬度、耐熱
性、絶縁性を示す被膜が得られることが開示されてい
る。したがって、このポリオルガノシルセスキオキサン
は、種々の材料の耐熱性保護膜、電気絶縁膜、耐熱性離
型材などの用途に適しているが、一方で耐汚染性、離型
性に乏しいという問題点も有している。
【0006】本発明は、上記課題に鑑みてなれたもの
で、高分子量であり、かつ側鎖が主としてメチル基から
なるポリオルガノシルセスキオキサンの特性を生かしつ
つ、さらに耐汚染性、離型性等を向上させたフッ素含有
ポリオルガノシルセスキオキサンとその製造方法を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決する手段】上記目的を達成するために鋭意
検討を進めた結果、特定の骨格構造と高分子量を有する
ポリオルガノシルセスキオキサンにより上記目的が果た
されることを見い出し、本発明を完成するに至った。す
なわち、本発明は、下記一般式(1)で示されるポリオ
ルガノシルセスオキサンにおいて、全側鎖R1の50〜
99モル%がメチル基であり、1〜20モル%が下記一
般式(2)で示されるフルオロアルキル基であり、残部
が炭素原子数2ないし3個のアルキル基、あるいは置換
または非置換フェニル基であり、R2が炭素原子数1な
いし3個のアルキル基または水素原子であり、mが整数
であり、数平均分子量が10000以上であることを特
徴とするフッ素含有ポリオルガノシルセスキオキサンで
ある。
【化3】
【化4】 (但し、一般式(2)において、R3は炭素数1ないし
12個の非置換または置換二価炭化水素基、nは0〜1
0の整数である。)
【0008】また、本発明は、トリアルコキシシランま
たはトリクロロシランの初期加水分解縮合物を原料とし
て、有機溶剤中、固形分濃度0.5〜30重量%の濃度
で、アルカリを触媒として、60〜140℃にさらに縮
合させて、上記フッ素含有ポリオルガノシルセスキオキ
サンを製造する方法である。
【0009】以下、本発明を詳しく説明する。本発明の
フッ素含有ポリオルガノシルセスキオキサンは、上記一
般式(1)で示されるポリオルガノシルセスキオキサン
において、全側鎖R1の50〜99モル%、好ましくは
80〜95モル%がメチル基である。メチル基が50モ
ル%未満では、耐熱性、硬度が不十分となり、また99
モル%を越えると、フルオロアルキル基の比率が少なく
なって、離型性、耐汚染性等の特長が発揮できないため
である。
【0010】また、全側鎖R1の1〜20モル%、好ま
しくは3〜10モル%が、上記一般式(2)で示される
フルオロアルキル基である。フルオロアルキル基が1モ
ル%未満では、離型性、耐汚染性の特長が十分発現せ
ず、一方20モル%を越えると、耐熱性、硬度の面で不
満足となるためである。
【0011】また、側鎖R1の上記メチル基、フルオロ
アルキル基以外の残りの基は、炭素原子数2ないし3個
のアルキル基か、置換または非置換フェニル基である。
炭素原子数4以上のアルキル基は、耐熱性に悪影響を及
ぼすため好ましくない。
【0012】また、末端基R2は、炭素原子数1ないし
3個のアルキル基または水素原子であり、これらは原料
のトリアルコキシシランまたはトリクロロシランに由来
するものである。炭素原子数が4個以上のトリアルコキ
シシランを原料とする場合では、加水分解、縮合速度が
遅く非実用的である。末端基を例えばトリメチルクロロ
シラン、トリメチルメトキシシランなどを用いてキャッ
ピングして保存安定性を高めて使用することも可能であ
る。
【0013】本発明のフッ素含有ポリオルガノシルセス
キオキサンの数平均分子量は、GPC装置と標準分子量
物質を用いることにより測定されるものであり、数平均
分子量としては10000以上であることが必要であ
る。数平均分子量が10000未満では、溶液を基材に
塗布後溶剤が揮散した後も、被膜がべたついたり、耐溶
剤性や表面硬度が不充分となるので好ましくない。
【0014】次に、本発明のフッ素含有ポリオルガノシ
ルセスキオキサンを製造する方法について説明する。ま
ず、対応する原料のトリアルコキシシランまたはトリク
ロロシランを加水分解縮合して初期縮合物とする。この
初期加水分解縮合での触媒は、酸またはアルカリのいず
れの触媒も使用可能であり、反応のコントロールのしや
すさからは酸触媒が好ましい。
【0015】次いで、この初期縮合物を、有機溶剤中、
固形分濃度0.5〜30重量%の濃度で、アルカリを触
媒として、60〜140℃に加熱し、数平均分子量が1
0000以上となるように、さらに縮合を進める。
【0016】縮合時の有機溶剤としては、メタノール、
エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコ
ール類、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジエ
チレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノブチルエーテル等のエーテル類、メチルエチ
ルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン等のケト
ン類、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸ブチル等のエステ
ル類、トルエン、キシレン、ベンゼン、クロルベンゼン
などの芳香族炭化水素類、ジクロロエタン、トリクロロ
エタン、トリクロロエチレンなどのハロゲン化炭化水
素、その他ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシ
ド等の溶剤が例示される。
【0017】縮合時の触媒としては、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化セシウム
などアルカリ金属の水酸化物、トリエチルアミン、ジエ
チレントリアミン、n−ブチルアミン、p−ジメチルア
ミノエタノール、トリエタノールアミンなどのアミン
類、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイドのよう
な四級アンモニウム塩類を使用することができる。
【0018】また、縮合時、上記初期縮合物の濃度は、
上記の有機溶剤に対して、固形分濃度は0.5〜30重
量%となるようにする。30重量%を越える固形分濃度
では、縮合の進行とともにゲル化が生じやすくなるし、
またゲル化が避けられても、生成物の保存安定性が乏し
く保管時にゲル化が起こりやすい。一方0.5重量%未
満の固形分濃度では、縮合反応の速度が遅く実用的では
ない。
【0019】また、縮合反応の温度は60〜140℃と
する。60℃未満では反応を効率的に進めることができ
ず、また140℃を越えると逆にゲル化を抑制すること
が難しいためである。
【0020】縮合反応の停止は、反応溶液を中和するこ
とにより行ない、その際に生じる塩は必要に応じて濾過
または水洗等により除去する。また微量の水が問題とな
る場合は、脱水剤を用いて取り除くことができる。縮合
反応のもう一つの副生成物であるアルコールは加熱ある
いは減圧蒸留によって容易に除去することができる。こ
のようにして、本発明のフッ素含有ポリオルガノシルセ
スキオキサンをゲル化することなく安定に製造すること
ができる。
【0021】このようにして製造されたフッ素含ポリオ
ルガノシルセスキオキサンには、必要に応じて各種の添
加剤、例えば充填剤、染料、顔料、安定剤、紫外線吸収
剤、防カビ剤、界面活性剤、レベリング剤などを添加し
て用いることもできる。
【0022】また、このフッ素含有ポリオルガノシルセ
スキオキサンを使用するに当たっては、溶剤に溶かして
溶液とし、濃縮や稀釈等により濃度や溶剤組成を修正し
て用いることもできるし、溶剤を全て除いたフィルムや
粉末状として取り出すこともできる。
【0023】また、このフッ素含有ポリオルガノシルセ
スキオキサンの溶液を基材表面に塗布し、溶剤を揮散さ
せるだけで、強靱で、硬く、また500℃の耐熱性を有
する被膜を形成させることができる。さらに、この被膜
を加熱硬化することにより、一層硬度、耐溶剤性等の向
上を図ることも可能である。
【0024】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて、本発明
をさらに詳しく説明する。なお、実施例および比較例中
のポリオルガノシルセスキオキサンの基本物性測定は下
記の方法により行なった。 〔数平均分子量〕GPC法による。装置は、島津製作所
製CR−3Aを使用し、カラムは昭和電工(株)製ショ
ウデックスKF801、KF802、KF803、KF
804を連結して使用し、標準試料ポリスチレンとの比
較換算により求めた。 〔赤外線吸収スペクトル〕島津製作所製IR−435を
使用し、透過率測定により赤外線吸収スペクトルを調べ
た。 〔X線回析〕理学電機(株)製RIGAKU ROD−
Bシステム(X線源はCuターゲット)を使用した。
【0025】実施例1 撹拌機、温度計、滴下漏斗および還流冷却器を備えた内
容量1lのフラスコに、メチルトリエトキシシラン48
1.4g(2.7モル)、3,3,3−トリフルオロプロピ
ルトリメトキシシラン43.6g(0.2モル)、フェニ
ルトリメトキシシラン19.8g(0.1モル)、塩酸
0.0004モル、水108g(6モル)を仕込んだ
後、フラスコ内の温度を50℃まで昇温し、撹拌しなが
ら30分間保持した。続いて70℃に昇温し、2時間反
応させた後、エバポレーターを用いて水およびアルコー
ルを除いたところ、反応物約260gを得た。次に、こ
れをメチルイソブチルケトンに、固形分濃度が15重量
%になるように溶解し、トリエチルアミン0.0082
モルを滴下し、80℃で3時間反応せしめた後、塩酸
0.0087モルを加えて中和した。この反応物の分子
量をGPCにより求めたところ、数平均分子量は320
00であった。GPC溶出曲線から見られるこの反応物
の分子量分布は、一般のシリコーン系化合物に比して狭
かった。また、この溶液をシリコンウェハー上にスピン
コートし、溶剤を完全に除去した後のフィルムの赤外線
吸収スペクトルでは、Si−O−Siの伸縮振動が10
30cm-1と1100cm-1とに大きく分岐し、ポリシルセ
スキオキサンの構造が確認された。なお、このスペクト
ルの帰属については、第3回無機高分子講演要旨集第3
5頁の記載を引用、準拠した。また、上記フィルムのX
線回析図は、4.5Åに明瞭な回析ピークを有してお
り、Brownらがポリシルセスキオキサンに対して測
定した値に一致した。上記フィルムは、鉛筆硬度Bの比
較的硬い被膜であり、薄い金属板にコーティングした被
膜では、180゜の折曲げにも追従しうる柔軟性を示し
た。また、これを400℃で1時間熱処理を行なった
が、何ら損傷は見られず、鉛筆硬度は4Hに向上した。
【0026】実施例2 実施例1と同じ実験装置に、メチルトリエトキシシラン
445.7g(2.5モル)、3,3,3−トリフルオロプ
ロピルトリメトキシシラン87.2g(0.4モル)、フ
ェニルトリメトキシシラン19.8g(0.1モル)、塩
酸0.0003モル、水90g(5モル)を仕込んだ
後、フラスコ内の温度を50℃まで昇温し、撹拌しなが
ら40分間保持した。続いて75℃に昇温し1時間反応
させた後、エバポレーターを使用して水およびアルコー
ルを除いたところ、反応物約250gを得た。次に、こ
れをn−ブタノールに固形分濃度20重量%になるよう
に溶解し、n−ブチルアミン0.008モルを滴下し、
80℃で3時間反応せしめた後、塩酸0.0085モル
を加えて中和した。この反応物の分子量をGPCにより
求めたところ、数平均分子量は15000であった。こ
の溶液中にアルミ板を浸漬し、引き上げて、溶剤を揮発
させたところ、膜厚8μmの被膜ができた。この被膜に
対する水滴の接触角は105゜であり、良好な発水性を
示した。また、金型に塗布して、ポリウレタンの成形時
の離型剤として用いたところ、120サイクルの成形後
も良好な離型性を示した。
【0027】比較例1 実施例1において、縮合時の固形分濃度を0.2重量%
とする以外は実施例1と同様の操作、処方によりポリオ
ルガノシルセスキオキサンを合成した。80℃、3時間
の反応後の反応物のGPCによる数平均分子量は300
0であった。この溶剤を固形分濃度15%となるように
濃縮し、実施例1と同様にシリコンウェハー上にスピン
コートし、溶剤を完全に除去したが、フィルムはべたつ
き、硬度は全く得られなかった。
【0028】比較例2 実施例1において、縮合時の固形分濃度を35重量%と
する以外は実施例1と同様の操作、処方によりポリオル
ガノシルセスキオキサンを合成した。80℃3時間の反
応後の反応物の数平均分子量は150000であった。
常温で一昼夜保存した後、この溶液はゲル化を生じた。
【0029】比較例3 実施例1において、縮合時の反応温度を50℃とする以
外は実施例1と同様の操作、処方によりポリオルガノシ
ルセスキオキサンを合成した。3時間の反応後の反応物
の数平均分子量は7000であり、本発明のフッ素含有
ポリオルガノシルセスキオキサンの分子量域には達して
いなかった。
【0030】比較例4 実施例1において、縮合時の溶剤をシクロヘキサノー
ル、縮合時の反応温度を145℃とする以外は実施例1
と同様の操作、処方により反応を行なったところ、反応
1時間後にゲル化し、沈澱を生じた。
【0031】比較例5 実施例2における3,3,3−トリフルオロプロピルトリ
メトキシシランを全てフェニルトリメトキシシランで置
き換えた以外は、実施例2と同様の操作、処方により反
応を行なって、数平均分子量13000のポリオルガノ
シルセスキオキサンを得た。このものから実施例2と同
様にして被膜を作り、水滴の接触角を測定したところ9
1゜と実施例2よりかなり小さく、発水性が低下してい
ることがわかった。また、実施例2と同様に、ポリウレ
タンの成形に対する離型剤として評価したところ、30
サイクルの離型性は著しく低下していた。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のフッ素含
有ポリオルガノシルセスキオキサンとその製造方法によ
れば、高分子量のフッ素含有ポリオルガノシルセスキオ
キサンを製造することができ、従来のポリオルガノシル
セスキオキサンのようにオリゴマー領域のものしか得ら
れなかったり、逆にゲル化したりという問題を回避する
ことができる。また、本発明のフッ素含有ポリオルガノ
シルセスキオキサンは、その溶液を基材にコーティング
して溶剤を揮発させるだけで、強靱でかつ強度が高く、
また400℃の温度にも耐える高耐熱性の被膜を形成す
ることができる。また、このように被膜形成時に加熱硬
化する必要がないことから、コーティングプロセスの簡
便化が図れるだけでなく、加熱硬化が許されないような
種類の基材の表面コーティングにも適用することがで
き、広範な用途に使用し得る。また、本発明のフッ素含
有ポリオルガノシルセスキオキサンは、離型剤としても
優れた性能を示す他、耐汚染性、発水性等の特性も良好
である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で示されるポリオルガ
    ノシルセスオキサンにおいて、全側鎖R1の50〜99
    モル%がメチル基であり、1〜20モル%が下記一般式
    (2)で示されるフルオロアルキル基であり、残部が炭
    素原子数2ないし3個のアルキル基、あるいは置換また
    は非置換フェニル基であり、R2が炭素原子数1ないし
    3個のアルキル基または水素原子であり、mが整数であ
    り、数平均分子量が10000以上であることを特徴と
    するフッ素含有ポリオルガノシルセスキオキサン。 【化1】 【化2】 (但し、一般式(2)において、R3は炭素数1ないし
    12個の非置換または置換二価炭化水素基、nは0〜1
    0の整数である。)
  2. 【請求項2】 トリアルコキシシランまたはトリクロロ
    シランの初期加水分解縮合物を原料として、有機溶剤
    中、固形分濃度0.5〜30重量%の濃度で、アルカリ
    を触媒とし、60〜140℃に加熱して縮合することを
    特徴とするフッ素含有ポリオルガノシルセスキオキサン
    の製造方法。
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