JPH0521419U - 変圧器の接地端子取付装置 - Google Patents

変圧器の接地端子取付装置

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JPH0521419U
JPH0521419U JP7707191U JP7707191U JPH0521419U JP H0521419 U JPH0521419 U JP H0521419U JP 7707191 U JP7707191 U JP 7707191U JP 7707191 U JP7707191 U JP 7707191U JP H0521419 U JPH0521419 U JP H0521419U
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 非晶質磁性合金薄帯を巻回して形成した巻鉄
心に巻線を施したあと、絶縁物で被覆された巻鉄心を確
実に接地することを目的とする。 【構成】 巻鉄心27の内,外周面に鉄心材料より板厚
の厚い金属材料からなる補強枠を配置し、これら補強枠
を含めて巻線34に組込んだ巻鉄心27の継鉄部を薄葉
の絶縁物39で被覆し、この絶縁物39を通して前記外
側補強枠の重合部付近の間隙に接地端子41の一方を圧
入し、他方を巻鉄心に取付けたクランプに止着すること
によって、絶縁部材で被覆された巻鉄心27の接地をに
行うようにしたことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、非晶質磁性合金薄帯からなる巻鉄心を用いた変圧器における接地端 子の取付装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、配電用変圧器等の静止誘導電気機器に用いる巻鉄心に、鉄心材料として 非晶質磁性合金薄帯(以下、単に磁性薄帯という。)を用いることが徐々に増え てきている。この磁性薄帯は磁性合金の融体を超急冷して製造するもので、鉄損 が非常に小さく優れた磁気特性を備えている。そして、前記磁性薄帯からなる巻 鉄心を用いて例えば、配電用変圧器の巻鉄心を製造する場合には、磁性薄帯を連 続巻回してなる接合部を有しないノーカット方式の巻鉄心を形成し、この巻鉄心 を外部に鉄心締付バンドを締着して矩形状に成形し、かつ、磁場焼鈍を行ったあ と、その脚鉄部に巻線を直接巻回するか、あるいは、磁性薄帯を1ターン毎に切 断した単位鉄心を複数枚(数+枚)にまとめて単位積層鉄心となし、この単位積 層鉄心を更に複数層に積層して単位積層ブロック(以下、単に積層ブロックと称 する。)を形成し、巻鉄心の組立に当たっては、前記積層ブロックを巻いて単位 積層鉄心の両端を順次階段状にずらしながら突合せ又は重ね合わせて接合し、こ の積層ブロックを、更に、所要層数前記同様に積層して所定の積層厚となした1 ターンカット方式の巻鉄心を形成したあと、前記突合せ等の接合部を継鉄部の一 辺に位置させて矩形状に成形して、磁場焼鈍を行う。このあと、巻鉄心は各積層 ブロック毎に前記継鉄部の接合部を開き、各積層ブロックを巻線の鉄心挿入孔に 順次組込み、各積層ブロックの接合部を再接合してから、外周に締付バンドを巻 締めすることにより1ターンカット方式の巻鉄心の組立を行っていた。
【0003】 次に、前記ノーカット方式、あるいは1ターンカット方式で製造した巻鉄心を 用いて変圧器を製造する場合は、前記巻線を施した巻鉄心の上,下部の継鉄部に 、鉄心及び巻線からなる変圧器中身を固定するクランプを取付け、つづいて、変 圧器中身をケースに収納し、前記巻鉄心の上部継鉄部に取付けたクランプの両端 部に設けた中身固定金具を、ケースの内壁面に形成した支持金具に固定ボルトを 用いて固定・支持させたあと、絶縁油をケースに充填して配電用の変圧器を製造 していた。 そして、前記変圧器中身は、ケースにて被覆されているものの、その表面と大 地間に存在する静電容量のため、通常変圧器が課電されているとき、その外表面 はかなりの高電位となっており、人体が触れたり、近づいたりしたとき感電事故 を誘発するおそれがあったので、変圧器のケース外表面には、アース端子を設け 、このアース端子を接地させて前記の問題点を解決していた。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
然るに、前記変圧器において、変圧器中身を構成する巻鉄心をケース外表面に 設けたアース端子に接地させる場合、通常は巻鉄心の外周に巻締めされる締付バ ンドがクランプ上で締着されている関係上、巻鉄心の帯電を、締着バンド→クラ ンプ→中身固定金具→ケースを経てアース端子に導いていた。これは、変圧器の 課電時、高圧巻線に印加される高電圧により巻鉄心は静電誘導が生じて帯電し、 この結果、例えば、巻鉄心とクランプ、あるいは低圧巻線との間で放電現象が生 じ、絶縁油や低圧巻線側の絶縁物が劣化、損傷するのを防ぐためである。 しかし、前記変圧器に使用する巻鉄心を磁性薄帯により巻回形成したものを用 いる場合、磁性薄帯は製造上の理由から非常に薄く、しかも、剛性に乏しいとい う欠点があり、更に、焼鈍を行うことによって非常に脆弱化しているため、この 状態で、巻鉄心の組立後その外周に締付バンドを巻締めした場合、前記巻鉄心は その巻締力に耐えることが困難となり、焼鈍を行ったにもかかわらず、局部的な 機械的歪が生じたり、形崩れ等を起して巻鉄心の磁気特性を損うという大きな問 題があった。
【0005】 又、磁性薄帯は前記のように、焼鈍により非常に脆くなっているので、巻線を 巻鉄心に巻回する場合、あるいは、巻鉄心をブロック毎に分解して巻線に組込む ようなとき、更には、巻鉄心の組立後その巻鉄心を用いて変圧器の組立を行う際 、鉄心の積層端面等に外力が加えられたりすると、簡単に巻鉄心の角部や積層端 面が欠損したり剥落して破片が生じる。この破片は前記巻鉄心の組立後に巻線の 鉄心挿入孔内に残留していると、変圧器の運転中、絶縁油の対流に乗じて漂遊し 、巻線の層間に侵入したりすると、層間短絡事故を誘発するという問題があった 。 この結果、磁性薄帯からなる巻鉄心を用いて変圧器を製造する場合、鉄心特性 が低下することはもとより、その製造効率が非常に悪く、磁性薄帯の特性を活用 した変圧器の生産性向上を阻む大きな要因となっていた。
【0006】 本考案は、前記の問題点に鑑み、巻鉄心を薄葉の絶縁物で囲繞した状態で接地 端子を嵌着させることにより、締付バンドを用いることによる弊害を排除すると ともに、巻鉄心の素材である磁性薄帯の剥落現象を確実に解消して、鉄心特性及 び生産性に優れた変圧器の製造を可能とした接地端子取付装置を提供することを 目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本考案は、例えば、1ターンカット方式で巻回した巻鉄心の内,外周面に、磁 性薄帯より板厚の厚いけい素鋼帯からなる補強枠を配設し、この巻鉄心を矩形成 形し、磁場焼鈍を行ってから、巻鉄心の脚鉄部に、この部位を包み込むように薄 葉の絶縁物を巻着し、つづいて、巻鉄心の接合部を有する継鉄部分を、巻鉄心の 形状がU字状となるように開放し、この状態で、開放された継鉄部を利用して巻 線に脚鉄部を嵌挿し、このあと、開放された前記継鉄部を再接合して巻鉄心の組 立を終え、つづいて、巻鉄心の上,下部の継鉄部、即ち、巻線から露出している 部分を薄葉の絶縁物で包み込んで鉄心部分を完全に被覆する。そして、前記被覆 された継鉄部のうち、接合部を有する継鉄部の外周縁において巻鉄心の外周を補 強する補強枠の重合部の隙間に、例えば、銅製で板厚の薄い接地端子を絶縁物の 外側からその半分程の長さ圧入し、この端子の継鉄部から露出している部分をU 字状に折り曲げ、該折曲部分を、巻鉄心の継鉄部にコイル押えを当てがって取付 け・固定したクランプに、止めねじを利用して止着することにより、薄葉の絶縁 物で被われている巻鉄心外周の補強枠に接地端子を接続し、この接地端子を備え た変圧器中身をケースに収納し、クランプ部分に設けた中身固定金具をケースの 内壁部に固定して巻鉄心変圧器を構成するようにしたことを特徴とする。
【0008】 本考案によれば、巻線から露出している巻鉄心の継鉄部分が薄葉の絶縁物で被 覆されていても、接地端子は前記被覆絶縁物の外側から巻鉄心の外周に備えた補 強枠の重合部付近に必然的に生じている狭隘な間隙を利用して圧入するとともに 、継鉄部から露出している部分をクランプにねじ止め等により止着するように構 成されているので、たとえ、巻鉄心が絶縁物で完全に被われている場合でも、接 地端子の取付けを簡単に行うことができるため、巻鉄心の帯電を、従前の鉄心締 付用の締付バンドを用いることなく前記接地端子→クランプ→中身固定金具→ケ ースを経てアース端子に容易に導くことが可能になるとともに、巻鉄心締付用の 締付バンドを使用していないことにより、締付バンドを用いることによる弊害を 確実に排除することができる。 又、巻鉄心自体は、磁性薄帯を巻回した鉄心の内,外周面に、磁性薄帯と異な る材料で形成した所要の補強枠が備えられ、又、巻鉄心の脚鉄部には、薄葉の絶 縁物を囲撓して磁性薄帯の欠損、剥離等を防止する手段が施されているため、焼 鈍によって脆弱化している巻鉄心を、その組立時、あるいは、巻鉄心を用いて変 圧器組立等を行う場合、前記巻鉄心に外力が加えられたり、移送時において機械 的振動等が伝達されても、巻鉄心の内,外周面及び積層端面にそれぞれ配設した 絶縁部材により緩衝的に受止められて、巻鉄心が損傷したり、内部歪が生ずるの を良好に防ぐことが可能となり、電気的特性に優れた変圧器を提供することがで きる。
【0009】
【実施例】
以下、本考案を1ターンカット方式の巻鉄心に実施した例を図1ないし図17 により説明する。 図1において、11は図示しない巻取機に駆動連結した巻軸で、この巻軸11 に円形の巻取枠12を着脱自在に取付け、前記巻取枠12を回転させて、非晶質 磁性合金薄帯(以下、磁性薄帯という)Tを巻取枠12に1回分巻取る毎に切断 装置13により、磁性薄帯Tを切断しながら円形に所定回数巻回して1ターンカ ット形巻鉄心の原形となる巻鉄心素体14を形成する。なお、前記巻鉄心素体1 4の巻回に当っては、巻取枠12への巻回時において切断される磁性薄帯の単板 が、前記巻取枠12から脱落しないように、巻鉄心素体14の周面にはガイドロ ーラ15を介して図示しないゴムベルトが巻掛けられている。
【0010】 前記のようにして巻回した円形の巻鉄心素体14は、その最外周に例えば、図 示しない接着テープ等を貼着して巻軸11から巻取枠12とともに取外す。巻取 機から取外した巻鉄心素体14は、図2で示すように、その外周面に磁性薄帯T より板厚の厚い、例えば、けい素鋼帯を1ターンを少し越えて巻回し、その重合 部を接着テープ等により仮止めして外側の補強枠16を設ける。一方、内周面に は巻取枠12を除去した後、同じく図2で示すように、けい素鋼帯を用いて平面 がほぼC形をなした内側補強枠17(開口部分aを巻鉄心素体14の接合部bの 位置と対向させる。)と、1ターンを形成しない範囲でリング状となした最内補 強枠(先端の突合部分cを、内側補強枠17の開口部分aの反対側に位置させる 。)18とをそれぞれ挿入配置して巻鉄心素体14の円形状態を維持させる。
【0011】 次に、前記円形の巻鉄心素体14を図3で示すように、成形板19,20を介 して油圧プレス等により、前・後及び左・右方向から同時に押圧して長円形に変 形する。そして、前記巻鉄心素体14を図3のように、長円形に押圧保持させた 状態で、巻鉄心の継鉄部に相当する位置において、一対の成形金型21,22を 、該金型21,22に凹設した凹溝23を互いに向い合せて挿入配置し、この状 態で、凹溝23,23間に下端を上端に対して長さ寸法をやや短くしたテーパー 状の型板24,24(図4参照)をプレスにて凹溝23,23間に圧入しながら 、同時に長円加工した巻鉄心素体14を成形板19,20により更に押圧を続行 し、図4で示すように、矩形状に成形する。前記巻鉄心素体14を矩形状に成形 した後、成形板19,20を互いに図示しない締付ボルトを用いて固定し、図4 のように矩形状に枠組して成形保持枠25を形成させることにより、巻鉄心素体 14は矩形状に良好に保持することができる。
【0012】 つづいて、図4に示すように、耐熱性の電線を巻鉄心素体14の一方の脚鉄部 dから前記成形保持枠25にまたがって巻付けることにより、磁場焼鈍用の励磁 コイル26を設け、このあと、巻鉄心素体14を不活性ガスを充満させた焼鈍炉 に入れ、前記励磁コイル26に一定の電流を通電させると同時に、所定の加熱温 度で磁場焼鈍を行う。磁場焼鈍後は図5のように、巻鉄心素体14から励磁コイ ル26を除去し、かつ、成形保持枠25を解体し、更に、成型金型21,22の 凹溝23,23から型板24を抜取り、該成型金型21,22とともに巻鉄心素 体14から除去することによって前記巻鉄心素体14の矩形保持状態を解き、巻 鉄心27を形成する。 前記のように、磁場焼鈍を行うと巻鉄心27は、図5のように矩形状態を維持 するだけの形付が完了し、かつ、内,外の補強枠16〜18の存在によって良好 に矩形状態を保持することが可能となる。
【0013】 次に、前記矩形成形された巻鉄心27から、1ターンを形成しない範囲で矩形 成形された最内補強枠18のみを一旦取外し、この状態で、図5で示すように、 矩形成形された巻鉄心27の窓内に、第2の成形金型28,29を継鉄部e,f 側に配置し、この第2の成形金型28,29間に板状の型板30を凹溝30aを 利用して圧入し、巻鉄心27が外力によって型崩れするのを防止する。第2の成 形金型28,29及び型板30によって巻鉄心27に形崩れしない処置を施した あと、図6で示すように、巻鉄心27の脚鉄部dの積層端面の両側に、例えば、 常温硬化性の接着剤を脚鉄部dの長さ方向に所定の間隔を保って複数個所塗布し て接着部31を形成する。この接着部31を形成したあと、接着剤が硬化する前 に、脚鉄部dの長さ寸法を備え、かつ、幅寸法でコ字状に折曲した比較的薄葉な 絶縁紙の内側部分に前記同様の接着剤を塗布し、この絶縁紙を脚鉄部dの積層端 面の上下方向から脚鉄部d全域を包み込むように巻回して貼着する。
【0014】 前記絶縁紙は、該絶縁紙自体に塗布した接着剤と、既に脚鉄部dの積層端面側 に塗布した接着剤とが良好に馴染み、脚鉄部dに移動不能に貼着することができ る。このようにして、巻鉄心27の脚鉄部dに、脚鉄部dの積層端面が、外部か らの衝撃、あるいは、治具等が当って焼鈍によって脆くなっている磁性薄帯が欠 損したり、剥落するのを防ぐための絶縁補強部32を形成するものである。なお 脚鉄部dに接着部31を形成するのは、絶縁補強部32が移動するのを防ぐため のものであり、従って、脚鉄部d全体に接着部31を設ける必要はない。そして 、前記脚鉄部dに絶縁補強部32を形成したあと、第2の成型金具28,29及 び型板30を巻鉄心27から除去する。
【0015】 前記のように、巻鉄心27の脚鉄部dに絶縁補強部32を形成すると、巻鉄心 27の脚鉄部dは、その積層端面が剥落するのを防ぐことができるとともに、内 ,外の補強枠16,17が存在していることにより、脚鉄部dの剛性を強化する ことができる。このような状態で、外側補強枠16の重合部(巻鉄心27の上部 継鉄部eの上端面)の仮止を解く。この場合、前記補強枠16は自体の焼鈍温度 より約半分の磁性薄帯Tの焼鈍温度で焼鈍されている関係上、材料自体の弾性力 が残存していることにより、容易に開放でき巻鉄心27の脚鉄部dとほぼ同一線 上の位置まで拡げる。一方、磁性薄帯Tを巻回した巻鉄心27は、その接合部b が位置する継鉄部eを、図7の矩形状態から図8で示すように、継鉄部eを脚鉄 部dとほぼ同一線上の位置まで、平面形状がU字状となるように開放する。前記 の継鉄部eの開放作業は、巻鉄心27の脚鉄部dに形成した絶縁補強部32、巻 鉄心27の外周面に配置した補強枠16及び内周面に配置したU字状の内側補強 枠17によって、巻鉄心27は剛性が十分に保持されているので、自重変形や形 崩れ等を起こすことなく、円滑・良好に巻鉄心27をU字状に開放することがで きる。
【0016】 一方、巻鉄心27に組込まれる巻線34には、図8で示すように、巻鉄心27 の脚鉄部dに絶縁補強部32を形成するときに除去した最内補強枠18を、鉄心 挿入孔35の最内側に、図8で示すように、矩形状に成形した状態で嵌め込んで おく。前記の状態で、U字状に開放した巻鉄心27は、開放した継鉄部eの接合 部bを図8のように、巻線34の鉄心挿入孔35と相対向させて巻線34の鉄心 挿入孔35に巻鉄心27の接合部bを備えた継鉄部e側から挿入すると、巻鉄心 27は前記補強枠18が絶縁補強部32と摺接して継鉄部eから脚鉄部dにかけ てほぼ1動作で巻線34に組込むことができる。
【0017】 前記U字状に開放した巻鉄心27を図9で示すように、巻線34に嵌め込んだ あと、巻線34の軸方向の端部と、最内補強枠18との間の空所には、図10で 示すように、絶縁物からなるスペーサ36,37を挿入し、つづいて、開放され た巻鉄心27の継鉄部eをその最内層部分より、順次開放前の状態(内側)に折 り曲げ、その開放部片gを図10で示すように、互いに接合して、接合部bを再 度形成する。そして、巻鉄心27の外周の配置した外側補強枠16の自由端を、 接合部bが位置する継鉄部e外周面において重合し、この部位の端部をスポット 溶接等により止着して、図11,12で示すように、巻鉄心27の巻線34への 組立作業を終える。前記外側補強部16の重合部を止着したあと、スペ−サ36 と最内補強枠18との間の隙間に、楔38を嵌入して巻線34を巻鉄心27の窓 内において固定する。 そして、前記外側補強枠16はその自由端同志を、巻鉄心27の接合部bを有 する継鉄部eとの外周面において、互いに重ね合せて止着することにより、図1 1で示すように、重合部r端縁と継鉄部e上端面との間に狭隘な間隙sを形成す ることができる。
【0018】 前記のように、巻鉄心27を図12で示すように巻線34に挿入して組立てた あと、図12で示すように、巻鉄心27の継鉄部e,f全域を薄葉の絶縁物39 により、図13で示す如く包み込んで覆う。そして、前記薄葉の絶縁物39は、 弧状部分を備えた巻鉄心27の継鉄部e,fと良好になじませて包み込むことが できるように、耐熱性及び可撓性に優れ、しかも、絶縁油とは良好に適応する多 孔性に富む合成繊維からなる不織布、例えば、商品名「バイリーン」(日本バイ リーン株式会社製)を使用している。
【0019】 そして、前記薄葉の絶縁物39の包み込みに際しては、それぞれの継鉄部e, fにおいて積層端面と外周縁とが一体的に包み込むことができる面積で前記絶縁 物39を矩形状に裁断し、次に裁断された絶縁物39を例えば、継鉄部eの外周 面に当てがいながらコ字状に折り曲げ、その折り曲げ片を継鉄部e側に当接させ るとともに、継鉄部e外周縁側に食み出す部分は、図13で示すように、継鉄部 eの積層端面側からその外周縁側に向けて折曲し、その折曲部を外周縁において 粘着テープを貼着することにより、継鉄部eを前記薄葉の絶縁物39にて完全に 被覆する。 前記継鉄部eの絶縁物39による被覆が完了したら、もう一方の継鉄部fも前 記同様に絶縁物39を用いて被覆する。そして、絶縁物39を前記継鉄部e,f に被覆する場合、事前に継鉄部e,fの積層端面等に接着剤等を適宜塗布してか ら包み込み作業を始めることにより、絶縁物39の継鉄部e,fに対する被覆作 業を円滑・良好に行うことができる。又、絶縁物39の包み込み後、絶縁物39 の上から絶縁ワニス等を塗布して継鉄部e,fに被覆した絶縁物39が抜脱する のを防ぐようにしてもよい。
【0020】 前記のようにして、巻鉄心27の継鉄部e,fに薄葉の絶縁物39を被覆した あと、引き続き、図13で示すように、巻鉄心27の外周面には、巻線34の鉄 心挿入孔35を通して接着剤を塗布した帯状の接着絶縁紙40を巻着し、この接 着絶縁紙40の介在によって巻鉄心27の脚鉄部dと巻線34との間に、プレス ボード等絶縁紙よりやや肉厚なガイド板(図示せず)を巻鉄心27の幅方向の中 心位置に圧入することにより、巻鉄心27と巻線34は、前記ガイド板の側方に 空隙を形成した状態で、巻線34の軸方向側に介挿したスペーサ36(楔38) ,37と、半径方向側に介挿した前記図示しないガイド板とによって、上下、左 右方向に揺動することなく固定・支持することができる。 この結果、磁場焼鈍によって脆弱化している巻鉄心27は、その脚鉄部dが絶 縁補強部32に、継鉄部e,fは薄葉の絶縁物39によってそれぞれ被覆されて おり、しかも、巻鉄心27の内,外周面には補強枠16,17,18が配設され ているので、外力による衝撃や振動等によって生ずる磁性薄帯Tの破片が外部に 漏出するのを確実に阻止することができるとともに、補強枠16,17,18の 存在によって剛性強化をはかることが可能となる。
【0021】 次に、前記巻鉄心27の上部継鉄部e側の外周面に配置した外側補強枠16の 重合部r端縁と継鉄部e上端面との間に形成されている間隙sに、図14で示す ように、接地端子41を絶縁物39を破って約1/3の長さ分だけ圧入する。そ して、接地端子41の圧入後、絶縁物39の破損部分に接着剤等を塗布して破損 部分から磁性薄帯Tの破片が外部に散出するのを防ぐようにする。 このあと、前記外側補強枠16の間隙sに圧入した接着端子41は、図15で 示すように、巻鉄心27の継鉄部e表面に突出している部分を、薄葉の絶縁物3 9上において水平な突出部分Pを一部のこしてU字状に曲成して後述するクラン プとの係合部tを形成する。
【0022】 接地端子41を前記のようにしてU字状に曲成したあと、図16で示すように 、巻線34に組込んだ巻鉄心27を引起し、この状態で、巻鉄心27の積層端面 に絶縁物からなる板状の巻線押え42を巻線34の軸方向の上,下端面に当接さ せて当てがう。この場合、前記巻線押え42は図16のように、その高さ寸法が 巻鉄心27の継鉄部e,fの外周面から少し突出する高さ寸法で形成されており 、又、接地端子41は前記巻線押え42の接地端子41が突出する位置に切欠い た切欠孔43に、突出部分pを係合させてU字状の係合部tを巻線押え42の外 側に引出すことができるように形成されている。
【0023】 そして、前述したクランプを巻鉄心27に取付ける場合は、巻鉄心27の幅寸 法より幅広でコ字形に成形加工した上部クランプ44及び下部クランプ45を、 それぞれ巻鉄心27の該当する継鉄部e,fに図17で示す如く遊合する。この 場合、図17で示すように、接地端子41はU字状の係合部tを備えているので 、上部クランプ43の遊合時、その一方の折曲片を接地端子41の係合部tに良 好に係合させて取付けることができる。又、前記上,下部のクランプ44,45 は、巻線押え42が巻鉄心27の外周面から、突出する長さで形成されているの で、巻鉄心27はその外周面が上,下クランプ44,45と接衝することなく、 浮上した状態で各クランプ44,45に遊合保持させることができる。 前記のように、上,下部のクランプ44,45を巻鉄心27に遊合したあと、 図17のように、下部クランプ45の下側からクランプ締付バンド46を、下部 クランプ45に穿孔した透孔47に挿通し、巻鉄心27の脚鉄部dに巻線34と の間において圧入した図示しないガイド板によって形成される空隙を垂直に貫通 し、そのまま、上部クランプ45の透孔48から巻鉄心27の上方に突出させ、 この突出端を上部クランプ44上で締着させることによって、前記上,下部クラ ンプ44,45を巻線34に巻線押え42を介して締付バンド46にて強固に固 定・支持する。この結果、巻鉄心27は巻線押え42の介在によって上,下部ク ランプ44,45の取付けによる機械的応力を全く受けることなく巻線34に揺 動不能に保持することができる。
【0024】 前記上,下部のクランプ44,45を取付けたあと、接地端子41の係合部t の自由端を上部クランプ44の折曲部に止ねじ50を用いて止着することにより 、変圧器中身51の組立を完了する。この結果、前記接地端子41は、巻鉄心2 7の継鉄部e,f全域が薄葉の絶縁物39で被覆されていても、その上から巻鉄 心27外周の外側補強枠16の間隙sに圧入して上部クランプ44に止着されて いるので、巻鉄心27と上部クランプ44とを導電可能に接続することができる 。 前記のようにして構成された変圧器中身51は図17で示すように、上部クラ ンプ44の長さ方向の両端部に取付けた中身固定金具52を、図示しないケース の内壁部に形成される取付座に締付ボルトを用いて締着することにより、ケース 内に収納した変圧器中身51をケースと確実に固定することができる。 従って、巻鉄心27の帯電は、該巻鉄心27に圧着した接地端子41→上部ク ランプ44→中身固定金具52→ケース→ケースに設けたアース端子に良好に導 かれて大地に流すことができる。又、巻鉄心27は脚鉄部dに設けた絶縁補強部 32と継鉄部e,fを被う薄葉の絶縁物39とによって、鉄心部分が外部に露出 しないように完全に覆われているので、外力が巻鉄心27に加えられて磁性薄帯 Tが万一欠損したとしても、その破片は外部に散逸することなく、巻鉄心27内 にとどめておくことができるため、磁性薄帯Tの破片による弊害を良好に防ぐこ とができる。
【0025】
【考案の効果】
本考案は以上説明したようにして構成されているので、次に示すような効果を 有する。 (1)、本考案は、接地端子の接続に際し、薄葉の絶縁物で覆われている巻鉄心 の継鉄部に、前記絶縁物を通して接地端子自体を直接巻鉄心と接触させてクラン プと電気的に接続する構造が採用されているので、焼鈍によって脆弱化している ことにより欠損を防ぐ上から絶縁物で被って破片の外部散逸を阻止するように構 成した変圧器鉄心を確実に、しかも、良好に接地させることができる。 (2)、しかも、接地端子は巻鉄心の内,外周面を補強する補強枠のうち、外側 補強枠の重合部端縁と巻鉄心の外周面との間に必然的に形成されている間隙に板 状の接地端子の一方を、巻鉄心を被覆する絶縁物を通して圧入し、他方はクラン プに接続するだけでよいので、接地端子の取付作業は特別な治具や部品を用いる ことなく、迅速・確実に行うことができる。 (3)、又、巻鉄心はその鉄心材料の特長から焼鈍を行うと非常に脆弱となるた め、本考案は従来のように、巻鉄心を直接締付バンドを用いてクランプに固定す るようにした場合と異なり、脚鉄部には絶縁補強部を、継鉄部には薄葉絶縁物を それぞれ被覆させて完全に外部と遮断した状態で締付バンドにてクランプを取付 けるようにしてあるため、外力により磁性薄帯が、欠損し、破片が生じたとして も、破片は前記巻鉄心を被覆する絶縁物の内側にとじ込めておくことができるの で、破片の存在による変圧器への悪影響を確実に解消することができるとともに 、巻鉄心が絶縁物で被われていても、接地端子は前記のように、巻鉄心の外側補 強枠に嵌着する構造が採用されていることにより、変圧器の接地を迅速・確実に 行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】非晶質磁性合金薄帯の巻取状態を示す概略図で
ある。
【図2】円形状に巻回された巻鉄心素体の平面図であ
る。
【図3】巻鉄心素体の成形途中を示す説明図である。
【図4】巻鉄心素体を矩形成形して焼鈍処理を行う状態
を示す説明図である。
【図5】焼鈍処理を施して矩形状に形付けした巻鉄心の
平面図である。
【図6】巻鉄心の脚鉄部に形成する絶縁補強部の形成途
中を示す説明図である。
【図7】脚鉄部に絶縁補強部を形成した巻鉄心の平面図
である。
【図8】U字状に開放した巻鉄心に巻線を組込む場合を
示す説明図である。
【図9】U字状に開放した巻鉄心に巻線を挿入した状態
を示す説明図である。
【図10】巻鉄心の組立途中を示す説明図である。
【図11】巻線を巻鉄心に組込んだ状態を示す説明図で
ある。
【図12】同じく巻鉄心の組立完了状態を示す斜視図で
ある。
【図13】巻線に組込んだ巻鉄心の継鉄部全域を被覆し
た状態を示す説明図である。
【図14】巻鉄心に本考案の接地端子を取付ける状態を
分解して示す斜視図である。
【図15】本考案における接地端子の取付状態を示す巻
鉄心の斜視図である。
【図16】巻鉄心変圧器の組立途中を示す斜視図であ
る。
【図17】本考案における接地端子の取付状態を示す巻
鉄心変圧器の斜視図である。
【符号の説明】
16 内側補強枠 17 外側補強枠 18 最内補強枠 27 巻鉄心 34 巻線 39 絶縁物 41 接地端子 44 上部クランプ 45 下部クランプ 46 締付バンド 50 止ねじ 51 変圧器中身

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非晶質磁性合金薄帯を所定回数巻回して
    形成した巻鉄心に巻線を巻装してなる変圧器において、
    前記巻鉄心の巻線部分から露出している部位を薄葉の絶
    縁物で被覆し、この絶縁物で被覆した巻鉄心に接地端子
    の一方端を圧入し、該接地端子の他方端となる自由端を
    巻鉄心の継鉄部に取付けられるクランプに止着するよう
    にしたことを特徴とする変圧器の接地端子取付装置。
  2. 【請求項2】 前記接地端子は、巻鉄心の外周に配置し
    たけい素鋼帯等非晶質磁性合金薄帯より板厚の厚い材料
    からなる外側補強枠の自由端同志が互いに重合する端縁
    と、巻鉄心外周面との間に形成される隙間に圧入して止
    着するようにしたことを特徴とする請求項1記載の変圧
    器の接地端子取付装置。
JP7707191U 1991-08-29 1991-08-29 変圧器の接地端子取付装置 Expired - Fee Related JPH0745939Y2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0897046A (ja) * 1994-09-28 1996-04-12 Aichi Electric Co Ltd 巻鉄心変圧器及びその製造方法
WO2004088818A1 (ja) * 2003-03-31 2004-10-14 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. 信頼性の高いアース構造を有するモータ及びそのモータを搭載した電気機器
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