JPH07220941A - 電気機器用アモルファス鉄心及びその製造方法 - Google Patents

電気機器用アモルファス鉄心及びその製造方法

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JPH07220941A
JPH07220941A JP6013538A JP1353894A JPH07220941A JP H07220941 A JPH07220941 A JP H07220941A JP 6013538 A JP6013538 A JP 6013538A JP 1353894 A JP1353894 A JP 1353894A JP H07220941 A JPH07220941 A JP H07220941A
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winding
core
inner frame
wound
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Masatake Hirai
昌武 平井
Katsumi Hanaoka
克己 花岡
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Daihen Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】形くずれがない高品質の電気機器用アモルファ
ス鉄心及びその製造方法を提供する。 【構成】矩形状の内枠2の外周にアモルファス磁性合金
の薄帯を巻回して巻鉄心4を形成し、内枠2を取り付け
たままの巻鉄心4に整形金具5a〜5d及び6a〜6d
を当てて鉄心の形を整える。形を整えた巻鉄心4を焼鈍
した後、巻鉄心4に樹脂を含浸させる。巻鉄心4に含浸
した樹脂が硬化した後、巻鉄心4の脚部4c及び4dを
それぞれの中央部で内枠2の該当部分とともに切断し、
これにより巻鉄心4を2つの鉄心半部に分割して、内周
側に内枠2を備えたカットコア構造のアモルファス鉄心
を得る。内周に内枠が配置された2つの鉄心半部の脚部
を巻線の窓部内で突き合わせて鉄心を組立てる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気機器用アモルファ
ス鉄心及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アモルファス磁性合金からなる鉄心材料
は、きわめて薄い薄帯(ストリップ)の形で提供される
ため、このアモルファス磁性合金により変圧器の鉄心を
構成する場合には、ほとんどの場合巻鉄心の構造が採用
される。また巻鉄心への巻線の装着を容易にするため、
巻鉄心の左右の脚部をそれぞれの中央部付近で切断する
ことにより2つのほぼコの字形の鉄心半部を形成して、
両鉄心半部の脚部の切断端面を巻線の窓部内で突き合わ
せ接合するいわゆるカットコアの構造が多く採用され
る。
【0003】カットコア構造の巻鉄心を製造する際に
は、先ずアモルファス磁性合金の薄帯を矩形状の巻枠に
所定の巻回厚さが得られるまで巻回して矩形状の巻鉄心
を形成し、必要に応じて該巻鉄心の継鉄部及び脚部の膨
らみを押さえる等の整形作業を行った後、整形された形
状を保つ手段を講じた状態で焼鈍する。次いで焼鈍され
た矩形状の巻鉄心から巻枠を外して、該巻鉄心に液状の
樹脂を含浸させ、該樹脂が硬化した後に左右の脚部を切
断してカットコアとする。
【0004】このカットコア構造の巻鉄心を用いて変圧
器等の電気機器を構成する場合には、2つの鉄心半部の
脚部を巻線の窓部内に挿入して、両鉄心半部の脚部を巻
線の窓部内で突き合わせた後、巻鉄心の外周に鉄心締め
付けバンドを添わせて該締め付けバンドにより鉄心を締
め付け、更に巻線の軸線方向の両端と巻鉄心の継鉄部の
内周との間に板状のスペーサを打ち込んで巻線を鉄心に
対して位置決め固定する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】アモルファス磁性合金
の薄帯を使用した巻鉄心は剛性を有しないため、巻鉄心
から巻枠を外した状態では、その形状が自重により容易
に変化する。そのため、巻鉄心に樹脂を含浸させた後、
該樹脂が硬化するまでの間巻鉄心の形状を矩形状に保持
することは非常に難しく、樹脂が硬化した状態で巻鉄心
の形がくずれることが多い。巻鉄心の変形が許容範囲を
超えている場合には、樹脂が硬化した後の巻鉄心の形状
を焼鈍時の形に整えるための整形作業を行う必要がある
が、焼鈍されたアモルファス磁性合金の薄帯はきわめて
脆く、欠け易い状態にあるため、樹脂で固められた巻鉄
心の形を焼鈍時の形に整えることは困難であった。
【0006】また未硬化の樹脂が含浸された巻鉄心は、
樹脂液により鉄心の表面及び積層された薄帯の層間が滑
り易い状態にあって、形がくずれ易いだけでなく、鉄心
が重いとつかみ所がないため、その取扱いが非常に難し
く、樹脂を含浸させた鉄心を加熱炉に搬入する際の作業
能率が低下するという問題があった。
【0007】更に、従来のカットコア構造のアモルファ
ス鉄心では、鉄心の内周部が脆弱なアモルファス磁性合
金薄帯からなるため、鉄心に巻線を装着した後、鉄心の
継鉄部の内周と巻線の端部との間にスペーサを打ち込む
際に鉄心が割れてしまい、その破片が巻線の内部に浸入
して、巻線の絶縁を破壊する原因になるという問題があ
った。
【0008】本発明の目的は、巻線を装着した後鉄心の
継鉄部の内周と巻線の端部との間にスペーサを打ち込ん
だ際に、鉄心が割れることがないようにした電気機器用
アモルファス鉄心を提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、樹脂が含浸された巻
鉄心の取扱いを容易にして、鉄心を樹脂で固める際の作
業性を良好にし、作業能率を向上させることができるよ
うにした電気機器用アモルファス鉄心の製造方法を提供
することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係わるアモルフ
ァス鉄心は、アモルファス磁性合金の薄帯の巻回体から
なっていて上下の継鉄部と左右の脚部とを有するほぼ矩
形の形状に成形された巻鉄心を左右の脚部のほぼ中央部
で切断してほぼコの字形を呈する2つの鉄心半部に分割
した構造を有するものである。
【0011】なお本明細書において、脚部とは、巻線が
巻装されるべき部分をいうが、2つの脚部の内一方のみ
に巻線が巻装される場合もある。また継鉄部とは2つの
脚部間を連結する部分をいう。
【0012】また本明細書において、「上下の継鉄部」
及び「左右の脚部」の「上下」及び「左右」は、単に鉄
心の各部の相対的な位置関係を示すに止まるものであっ
て、鉄心の実際の使用状態での位置関係までを示すもの
ではない。即ち、鉄心の実際の使用状態での位置関係に
は係わりなく、2つある継鉄部の一方を上部継鉄部とす
れば、他方の継鉄部は下部継鉄部となる。また上部継鉄
部として定めた継鉄部を上にして鉄心を見た場合に左側
及び右側にそれぞれ位置する脚部がそれぞれ左側及び右
側の脚部となる。
【0013】本発明においては、ほぼコの字形を呈する
内枠が各鉄心半部のそれぞれの内面に添わせた状態で配
置されて、該内枠がその外側の鉄心半部とともに樹脂で
固められる。内枠としては、巻鉄心の内周に配置された
状態で、該鉄心の自重により変形しない程度の剛性を有
するものを用いる。
【0014】なお本明細書において「ほぼ矩形」といっ
ているのは、直角な角部を有し、4辺が直線状をなす厳
密な意味での矩形でなくてもよく、矩形の各角部が丸み
を帯びていたり、矩形の4辺が多少の膨らみを持ってい
たりしてもよいという趣旨である。同様に、本明細書に
おいて「ほぼコの字形」としているのは、角部が直角を
なし、3辺がそれぞれ直線状をなす厳密な意味でのコの
字形でなくてもよく、コの字形の各角部が丸みを帯びて
いたり、各辺が多少の膨らみを持っていたりしてもよい
(実質的にコの字形と見做せる形であればよい)との趣
旨である。
【0015】本発明に係わるアモルファス鉄心の製造方
法は、アモルファス磁性合金薄帯を巻枠の周囲に巻回し
て外周部の輪郭がほぼ矩形状を呈する巻鉄心を形成する
巻鉄心巻回工程と、形成された巻鉄心を焼鈍する焼鈍工
程と、焼鈍された巻鉄心に樹脂を含浸させて硬化させる
樹脂含浸工程と、樹脂が含浸されて硬化された巻鉄心の
脚部の中央部を切断して該巻鉄心を2つの鉄心半部に分
割する鉄心切断工程とを行ってカットコア構造の電気機
器用アモルファス鉄心を製造する方法である。本発明に
おいては、巻鉄心巻回工程で、巻鉄心の内周に配置され
た状態で該巻鉄心の自重を受けた際に変形しない程度の
剛性を有する矩形状の内枠を巻枠に取り付けて、該内枠
の上にアモルファス磁性合金の薄帯を巻回することによ
り巻鉄心を形成する。また焼鈍工程及び樹脂含浸工程で
は巻鉄心の内周に内枠を配置したままの状態にしてお
き、鉄心切断工程では、巻鉄心の左右の脚部を内枠とと
もに切断する。
【0016】内枠は、アルミニウムやステンレス鋼板等
の非磁性材料(強磁性材料以外の材料)からなっている
ことが好ましいが、用途によっては、鉄等の強磁性材料
からなっていてもよい。
【0017】
【作用】上記のように、巻鉄心を巻回する工程で巻枠に
内枠を取り付けて、該内枠の上に巻鉄心を巻回し、該内
枠を鉄心の内周に残しておくようにすると、内枠により
鉄心の自重を支えてその変形を防止しつつ各種の作業を
行うことができるため、必要に応じて行われる鉄心の整
形作業及び整形された鉄心を焼鈍する焼鈍作業を容易に
行うことができる。
【0018】また樹脂含浸工程において、未硬化の樹脂
が含浸された状態では鉄心の表面及び積層された薄帯の
層間が滑りやすいため、鉄心の形がくずれ易い状態にあ
るが、本発明のように、巻鉄心の内周に剛性を有する内
枠を配置しておくと、該内枠の部分で鉄心を支えること
により、鉄心を変形させることなく、安定に保持して運
搬できるため、未硬化の樹脂が含浸された鉄心を加熱炉
内に搬入する作業を容易に行うことができ、焼鈍工程が
終了した時点で形のくずれがない品質が良好な鉄心を得
ることができる。そのため、樹脂含浸工程が終了した後
にあらためて鉄心の形を整える整形作業を行う必要がな
い。
【0019】更に上記のように、鉄心の内周側に剛性を
有する内枠を配置しておくと、鉄心が自重により歪むの
を防ぐことができるため、その磁気特性が低下するのを
防ぐことができる。
【0020】また2つの鉄心半部の脚部を巻線の窓部内
に挿入して突き合わせ接合した後、巻線を鉄心に対して
位置決め固定する際に用いるスペーサは、剛性を有する
内枠と巻線の端部との間に打ち込むことになるため、該
スペーサを打ち込む際に脆弱なアモルファス磁性合金薄
帯が欠けてその破片が巻線の内部に侵入するのを防ぐこ
とができ、該破片により巻線の絶縁破壊が生じるのを防
ぐことができる。
【0021】
【実施例】本発明の実施例では、先ずアモルファス磁性
合金の薄帯を用いて巻鉄心を巻回する巻鉄心巻回工程を
行う。この工程では、図1に示すように横断面(軸線と
直角な面に沿って切断した断面)がほぼ矩形状を呈する
ように形成された巻枠(マンドレル)1を用意してその
外周に同じく横断面がほぼ矩形状を呈する内枠2を嵌合
させ、巻枠1の中心に設けられた孔1aに図示しない鉄
心巻回装置の巻回軸(回転軸)を挿入して、該巻枠1と
巻回軸とを結合する。なお種々の内径寸法を有する巻鉄
心を巻回し得るようにするため、通常巻枠1としては、
内枠2の内面に当接して該内枠を支える部分の径方向位
置を自在に調整し得る拡縮装置を備えたものが用いられ
る。この拡縮装置の機構は従来の巻鉄心巻回装置や巻線
機等で用いられているもので、既に周知であるのでその
詳細な説明は省略する。
【0022】内枠2としては、アルミニウムやステンレ
ス鋼板等の非磁性材料からなるものを用いるのが好まし
いが、用途によって、多少の損失の増加が許容される場
合には、該内枠として鉄等の強磁性材料からなるものを
用いてもよい。巻鉄心の内周に内枠2を配置した状態
で、鉄心の重量により内枠2が変形しない程度の剛性を
持つように、該内枠2の強度を設定しておく。
【0023】上記のように巻枠1の外周に内枠2を嵌合
させ、巻枠1を巻回軸に取り付けた後、内枠2の外周に
アモルファス磁性合金の薄帯3の始端部を固定して巻回
軸を回転させることにより、内枠2の外周に薄帯を巻回
して巻鉄心4を形成する。所定の巻回厚が得られたとこ
ろで巻回軸を停止させて、アモルファス磁性合金薄帯3
を切断し、内枠2の外周に巻回された薄帯の終端部を接
着テープにより巻鉄心の外周に固定する。巻鉄心4を内
枠2とともに巻枠1から取り外して、巻鉄心巻回工程を
終了する。本発明では、内枠2を鉄心の一部として扱
い、巻鉄心の内周に内枠を配置したままの状態で焼鈍工
程から巻鉄心の脚部を切断してカットコアを形成する工
程までの全ての工程を行う。また鉄心の内周に内枠を残
したままの状態で該鉄心を巻線に装着する。
【0024】図2は上記の巻鉄心巻回工程により巻回さ
れた矩形状の巻鉄心4の継鉄部及び脚部の膨らみを押さ
える整形作業を行っている状態を示したもので、巻鉄心
4は上下の継鉄部4a,4bと、左右の脚部4c,4d
とを有している。巻鉄心の整形作業を行う際には、継鉄
部4a,4b及び脚部4c,4dの外周にそれぞれ板状
の整形金具5a,5b及び5c,5dを当てがい、内枠
2の内周の整形金具5a,5b及び5c,5dにそれぞ
れ対応する位置に板状の整形金具6a,6b及び6c,
6dを当てがう。各整形金具としては巻鉄心の幅寸法よ
りも幅が広いものを用い、巻鉄心の幅方向の両端から突
出した、対応する成形金具の幅方向の両端を相互にボル
ト7により締結して、対応する整形金具を互いに近付け
る方向に締め付けることにより、巻鉄心の各部の形状を
整える。
【0025】次いで巻鉄心を整形金具とともに(整形金
具を取り付けたままの状態で)焼鈍炉に搬入して巻鉄心
を焼鈍し、歪みを除去する。
【0026】なお場合によっては(例えば鉄心の積層厚
が薄く、脚部及び継鉄部の膨らみが小さい場合には)、
焼鈍に先立って行われる整形作業を省略することもあ
る。
【0027】焼鈍が終了した後、整形金具5a〜5d及
び6a〜6dを取り外し、樹脂含浸工程を行う。この樹
脂含浸工程では、巻鉄心4を内枠2とともに熱硬化性の
樹脂液の中に浸漬し、巻鉄心及び内枠の外面に樹脂液を
付着させるとともに、巻鉄心の層間及び内枠2と巻鉄心
4の内周との間に樹脂液を浸透させる。巻鉄心4は内枠
2によりその重量が支えられて形状が保持されているた
め、樹脂の含浸を行う工程で巻鉄心が変形することはな
い。巻鉄心に樹脂を含浸させた後、巻鉄心を加熱炉内に
搬入して含浸させた樹脂を硬化させる。この樹脂含浸工
程では樹脂が未硬化の状態にあるときに巻鉄心の層間が
滑り易く、鉄心が変形しやすい状態にあるが、本発明に
係る鉄心では、鉄心の内周に配置された内枠2の部分で
鉄心を安定な姿勢で保持することができるため、鉄心の
形くずれを生じさせることなく樹脂が含浸された鉄心を
加熱炉に搬入することができる。
【0028】鉄心に含浸させた樹脂が硬化した後、巻鉄
心4の脚部4c,4dの中央部を内枠2の該当部分とと
もに砥石切断機により切断し、これにより巻鉄心4をほ
ぼコの字形の2つの鉄心半部4A及び4Bに分割してカ
ットコアとする。この状態では、鉄心半部4A及び4B
の内面にコの字形の内枠2A及び2Bが配置された状態
にあるが、本発明においては、この内枠2A及び2Bを
鉄心の一部として扱う。
【0029】鉄心の脚部を切断した後、切断面に薄帯の
かえりが存在すると鉄心半部の脚部を突き合わせて鉄心
を形成した際にコアショート(接合部において薄帯の積
層間で磁路がつながる状態)が生じるため、切断面のエ
ッチング処理を行って切断面に存在する薄帯のかえりを
除去することが好ましいが、場合によってはこのエッチ
ング処理は省略してもよい。
【0030】図4は本発明に係わる鉄心を用いて内鉄形
の変圧器を構成した例を示したもので、この例では、鉄
心半部4A及び4Bの脚部が内枠2A及び2Bとともに
巻線8,8の窓部内に挿入されて突き合わせ接合されて
ほぼ矩形状の鉄心が構成されている。この鉄心の外周に
添わせて鉄心締め付けバンド9が配置され、この締め付
けバンド9の両端が緊締具10により締め付けられて鉄
心半部4A及び4Bの接合部jが締め付けられている。
また内枠2Aと巻線8,8の上端との間及び内枠2Bと
巻線8,8の下端との間にそれぞれキーパまたはかち込
み材とも呼ばれる板状のスペーサ11,11が打ち込ま
れて、巻線8,8が鉄心に対して位置決め固定されてい
る。このように本発明に係わるアモルファス鉄心を用い
れば、巻線8を位置決め固定する際にスペーサ11を内
枠2A,2Bと巻線の端部との間に打ち込むことになる
ため、該スペーサを打ち込む際に巻鉄心が割れることが
ない。
【0031】上記の実施例では、樹脂含浸工程において
整形金具を取り外した状態で樹脂の加熱硬化を行わせる
ようにしたが、樹脂を加熱硬化する際に樹脂が膨らむ恐
れがある場合には、巻鉄心4に樹脂を含浸させた後に、
再び整形金具5a〜5d及び6a〜6dを取り付けて、
これらの整形金具を取り付けた状態で樹脂の加熱硬化を
行わせる。この場合には、整形金具5a〜5d及び6a
〜6dに離型剤を塗布しておく。
【0032】図4に示した例では内鉄形の変圧器を構成
したが、本発明に係わる鉄心を2つ用いて、該2つの鉄
心のそれぞれの一方の脚部を隣合わせに配置して、隣合
わせに配置した2つの鉄心の脚部にコイルを巻装するこ
とにより、外鉄形の変圧器を構成することもできる。ま
たリアクトル等の変圧器以外の静止誘導電気機器に本発
明に係わる鉄心を用いることもできる。
【0033】
【発明の効果】以上のように、本発明の製造方法によれ
ば、巻鉄心を巻回する工程で巻枠に内枠を取り付けて、
該内枠の上に巻鉄心を巻回した後、該内枠を鉄心の内周
に残しておくので、鉄心を変形させることなく焼鈍を行
うことができる。また鉄心に含浸された樹脂を加熱硬化
させる際には、樹脂が含浸された鉄心の内周に配置され
た内枠の部分を保持することにより、鉄心を変形させる
ことなく安定に保持して運搬することができるため、未
硬化の樹脂が含浸された鉄心を加熱炉内に搬入する作業
を容易に行うことができるだけでなく、変形や損傷がな
い品質の良好なアモルファス鉄心を得ることができる。
【0034】更に本発明によれば、鉄心が巻線と組み合
わされた状態で鉄心の内周側に剛性を有する内枠が配置
されるので、鉄心が自重により歪むのを防いで、その磁
気特性が低下するのを防ぐことができる。
【0035】また本発明の鉄心を用いれば、2つの鉄心
半部の脚部を巻線の窓部内に挿入して突き合わせ接合し
た後巻線を鉄心に対して位置決め固定する際に用いるス
ペーサは、剛性を有する内枠と巻線の端部との間に打ち
込むことになる。そのため、スペーサを打ち込む際に脆
弱なアモルファス磁性合金薄帯が欠けてその破片が巻線
の内部に侵入するのを防ぐことができ、該破片により巻
線の絶縁破壊が生じるのを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における巻鉄心巻回工程で巻鉄
心を巻回している状態を示した説明図である。
【図2】本発明の実施例における焼鈍工程において巻回
された巻鉄心の整形を行っている状態の正面図である。
【図3】本発明に係わる鉄心を構成する2つの鉄心半部
を示した正面図である。
【図4】本発明に係わる鉄心を用いて構成した変圧器の
一例を示した正面図である。
【符号の説明】
2 内枠 3 アモルファス磁性合金の薄帯 4 巻鉄心 4a,4b 継鉄部 4c,4d 脚部 5a〜5d 整形金具 6a〜6d 整形金具

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アモルファス磁性合金の薄帯の巻回体か
    らなっていて上下の継鉄部と左右の脚部とを有するほぼ
    矩形の形状に成形された巻鉄心を左右の脚部のほぼ中央
    部で切断してほぼコの字形を呈する2つの鉄心半部に分
    割した構造を有するアモルファス鉄心において、 ほぼコの字形を呈する内枠が各鉄心半部のそれぞれの内
    面に添わせた状態で配置されて、該内枠がその外側の鉄
    心半部とともに樹脂で固められ、 前記内枠は、鉄心の自重により変形しない程度の剛性を
    有していることを特徴とする電気機器用アモルファス鉄
    心。
  2. 【請求項2】 アモルファス磁性合金薄帯を巻枠の周囲
    に巻回して外周部の輪郭がほぼ矩形状を呈する巻鉄心を
    形成する巻鉄心巻回工程と、前記巻鉄心を焼鈍する焼鈍
    工程と、焼鈍された巻鉄心に樹脂を含浸させて硬化させ
    る樹脂含浸工程と、樹脂が含浸されて硬化された巻鉄心
    の脚部の中央部を切断して該巻鉄心を2つの鉄心半部に
    分割する鉄心切断工程とを行ってカットコア構造の電気
    機器用アモルファス鉄心を製造する方法において、 前記巻鉄心巻回工程では、巻鉄心の内周に配置された状
    態で該巻鉄心の自重を受けた際に変形しない程度の剛性
    を有する矩形状の内枠を巻枠に取り付けて、該内枠の上
    にアモルファス磁性合金の薄帯を巻回して巻鉄心を形成
    し、 前記焼鈍工程及び樹脂含浸工程では巻鉄心の内周に内枠
    を配置したままの状態にしておき、 前記鉄心切断工程では、前記巻鉄心の左右の脚部を内枠
    とともに切断することを特徴とする電気機器用アモルフ
    ァス鉄心の製造方法。
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