JP3051823B2 - 巻鉄心変圧器及びその製造方法 - Google Patents

巻鉄心変圧器及びその製造方法

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JP3051823B2 JP7335872A JP33587295A JP3051823B2 JP 3051823 B2 JP3051823 B2 JP 3051823B2 JP 7335872 A JP7335872 A JP 7335872A JP 33587295 A JP33587295 A JP 33587295A JP 3051823 B2 JP3051823 B2 JP 3051823B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非晶質磁性合金薄帯か
らなる1ターンカット方式の巻鉄心を備えた巻鉄心変圧
器及びその製造方法に関するもので、その目的とすると
ころは、鉄心の破片が巻線内に侵入して絶縁破壊を誘発
するのを確実に阻止するようにした巻鉄心変圧器とその
製造方法を提供することにある。
【0002】
【従来の技術】近年、配電用変圧器には、その鉄心材料
として非晶質(アモルファス)磁性合金薄帯(以下、単
に磁性薄帯という)を使用した変圧器鉄心が種々開発さ
れ実用化されている。前記変圧器鉄心として用いる磁性
薄帯は磁性合金の溶融体を超急冷して製造するもので、
鉄損が非常に小さく優れた磁気特性を備えている。そし
て、前記磁性薄帯を用いて変圧器の鉄心を製造する場合
は、一般に一対の継鉄部のうち、一方の継鉄部にバット
ジョイントやラップジョイント等の接合部を備えた所
謂、1ターンカット方式の巻鉄心が今日では多く製造さ
れている。
【0003】前記1ターンカット方式の巻鉄心は、例え
ば、磁性薄帯を1ターン毎に切断した単位鉄心を複数枚
(20〜30枚)にまとめて単位鉄心素体を設け、この
単位鉄心素体を更に複数層に積層して単位鉄心ブロック
(以下、単に積層ブロックと称する。)を形成し、巻鉄
心の組立に当たっては、前記積層ブロックを円形に巻回
して単位鉄心素体の両端を順次階段状にずらしながら突
合せ又は重ね合わせて接合し、この積層ブロックを、更
に、所要層数前記同様に巻回積層して所定の積層厚とな
した1ターンカット方式で円形に巻回した巻鉄心を構成
していた。
【0004】前記のようにして積層した1ターンカット
方式の巻鉄心は、その突合せ等の接合部を継鉄部の一辺
に位置させて矩形状に成形した後磁場焼鈍を行う。前記
焼鈍後、巻鉄心は各積層ブロック毎に前記継鉄部の接合
部を開き、例えば図15で示すように、各積層ブロック
1a,1bを巻線2の鉄心挿入孔2aに順次組込み、各
積層ブロック1a,1bの接合部3を再び接合すること
により、その磁気回路と導電回路の鎖交結合を終えて巻
鉄心4の組立を行っていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来技
術によって1ターンカット方式の巻鉄心を製造する場合
には、次のような種々の問題点があった。 (1)磁性薄帯は剛性に乏しく、しかも、焼鈍により非
常に脆弱化しているので、前記のように、各積層ブロッ
ク毎に順次巻線に挿入して鉄心組立を行う場合、前記積
層ブロックが巻線と衝接したり、既に巻線に組込まれて
いる積層ブロックと衝突したり、あるいは、巻鉄心の組
立後その巻鉄心を用いて変圧器組立を行う際、鉄心の積
層端面等に外力が加えられたりすると、簡単に巻鉄心の
角部や積層端面が欠損したり剥落して破片が生じる。こ
の破片は前記巻鉄心の組立後に巻線の鉄心挿入孔内に残
留していると、変圧器の運転中、絶縁油の対流に乗じて
漂遊し、巻線の層間に侵入して層間短絡事故を誘発する
という問題があった。
【0006】(2)又、前記のように、磁性薄帯は剛性
に乏しいため、巻鉄心の組立に当り、積層ブロックを個
々に分割して組立る場合、図15で示すように、矩形成
形時の形状を崩し、各積層ブロックの鉄心を大きく開拡
して鉄心組立を行っていたので、自重変形を起こした
り、内部歪等が生じて磁気特性に悪影響を与えることが
あるため、組立作業は細心の注意をはらって行う必要が
あり、この種巻鉄心の組立作業を円滑に、かつ、効率的
に行えない問題があった。
【0007】(3)更に、磁性薄帯は極薄に製造されて
おり、しかも、焼鈍によって脆弱化しているので、各積
層ブロックを順次巻線に組込んだ場合、自立性に極めて
乏しく、腰砕けの状態になってしまうことが多く、この
ため、巻線に挿入した前層の積層ブロックを、次層の積
層ブロックが挿入されるまでのあいだ、特殊な治具等を
用いて自立させておく必要があった。従って、巻鉄心の
組立効率が非常に悪く、この種巻鉄心の量産性を阻む大
きな要因となっていた。
【0008】本発明は、前記の問題点に鑑み、鉄心組立
時における磁性薄帯の剥落及び欠損防止を確実にはかる
とともに、巻鉄心の巻線への組立作業を、磁気特性を損
うことなく迅速・容易に行うことにより、巻鉄心変圧器
の生産性を向上させるようにした、巻鉄心変圧器とその
製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の問題点
を解決するために、磁性薄帯を1ターンカット方式で円
形に巻回した巻鉄心素体を矩形成形してこれを磁場焼鈍
して巻鉄心を形成する。つづいて、前記巻鉄心の一対の
脚鉄部と接合部を有しない継鉄部とに、例えば、層間絶
縁紙等の薄葉の絶縁物を磁性薄帯にストレスを与えない
程度に巻回・貼着して形成した絶縁補強部により巻鉄心
の自立性を高める。
【0010】一方、前記巻鉄心を嵌挿する巻線において
は、その巻回に先立ち巻線の絶縁筒を形成する際、該絶
縁筒の両端部において、巻鉄心の一対の継鉄部の半分以
上を被覆できる面積を備えて、スリーブ状に形成した可
撓性及び伸縮性に富む繊維材料からなる被覆布を、前記
絶縁筒の両端部に、継鉄部を半分以上被覆できる自由端
の長さを残して止着し、前記被覆布の自由端を巻線機の
巻軸に仮止する等して前記絶縁筒の外周に、筒状の被覆
布の基端を挟持しながら順次コイル導線を巻回して巻線
を形成する。
【0011】そして、前記巻線の巻回が終了したら、巻
線の両端部から突出するスリーブ状の被覆布を、その可
撓性を利用して巻線側に折り返し、巻線の外周に挿着す
る。この結果、巻線の軸方向の両端部は前記巻線側に折
り返した被覆布自体の伸縮性を利用してより完全に包被
されて外部に露出することはない。
【0012】前記のようにして巻線を巻回したあと、こ
の巻線に巻鉄心を組込む場合は、先づ、矩形状に形成し
た巻鉄心を、その接合部を利用して平面形状がU字状と
なるように拡開する。前記U字状に拡開した巻鉄心の分
離された一対の継鉄部に、先端を先細となした挿入保護
板を被せ、この状態で、前記巻鉄心を、例えば、ローラ
コンベア上に載置した平面形状がU字形に形成された鉄
心滑動体上に乗載する。この際、巻鉄心はその脚鉄部と
これに連なる接合部を有しない継鉄部に設けた絶縁補強
部と、分離した継鉄部に被せた挿入保護帽とによって、
鉄心滑動体上に形崩れ等を起すことなくU字形の形状を
保って載置されている。
【0013】つづいて、ローラコンベア上に乗載した巻
鉄心は、分離された継鉄部を、あらかじめ、巻線固定台
上に2個並置した巻線側に向けて、鉄心滑動体を前記巻
線側に移動させ、巻鉄心の分離した継鉄部を利用して一
対の脚鉄部を巻線の鉄心挿入孔に1動作で挿入する。こ
のあと、分離した継鉄部をローラコンベア上で再接合を
行って巻鉄心の組立を終える。
【0014】前記巻鉄心の組立を終えたら、鉄心滑動体
を巻鉄心の巻線への挿入方向と反対方向に引出す。つづ
いて、巻線の軸方向両端部を被覆して巻線の外周に挿着
されている可撓性に富むスリーブ状の被覆布を、その可
撓性を利用して巻線の外周から巻鉄心の継鉄部側に引き
戻し、前記引戻した被覆布の自由端をそのまま巻鉄心の
継鉄部を包み込むようにして被覆する。そして、巻鉄心
の継鉄部を被覆したら、被覆布の重合する自由端を粘着
テープ等の締着部材を用いて封着する。このあと、巻線
の軸方向両端部と巻鉄心の継鉄部との間の隙間に、絶縁
スペーサを嵌入して巻線を巻鉄心の窓内において固定
し、更に、巻鉄心の各継鉄部にクランプ部材を取付けた
後、これをケース内に収容し、絶縁油を所定量すること
により巻鉄心変圧器の製造を終える。
【0015】
【作用】本発明は前記したように、巻鉄心の組立に際し
ては、あらかじめ、巻線の軸方向両端部を可撓性及び伸
縮性に優れた繊維材料からなるスリーブ状の被覆布を、
巻線の外周側に可撓性を利用して折り返して挿着させて
あるため、この巻線の鉄心挿入孔にU字状に拡開した巻
鉄心の脚鉄部を挿入して巻鉄心の組立を行う場合、焼鈍
によって脆くなっている巻鉄心の一部が組立時の衝撃に
よって欠損し、磁性薄帯の破片が生じても、その破片は
巻線の軸方向両端部が被覆布によって完全に包被されて
いるので、巻線の層間内に侵入するのを良好に阻止する
ことができる。
【0016】その上、巻鉄心を巻線に挿入して組立を行
ったあとに、前記巻線側に被覆されている筒状の被覆布
を巻線側から戻し、これを、逆に巻線から露出している
巻鉄心の継鉄部を完全に被覆して巻鉄心変圧器の組立を
行うようにしたので、前記被覆布により巻鉄心の継鉄部
を包被することにより、巻線側は何の被覆がなくても、
巻鉄心側が被覆布で完全に包被されているため、巻鉄心
に外力が加えられてその一部が剥落したとしても、その
破片は被覆布内に封じ込められて外部に漏出することが
全くないので、変圧器の運転中に磁性薄帯の破片が絶縁
油中に浮遊し、これが巻線の層間に侵入して層間短絡事
故を誘発するという問題を確実に解決することができ
る。従って、巻線自体は絶縁油の流通が良好となり、巻
線の冷却を円滑に行い得るという利点もある。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図14に
よって説明する。図1において、11は非晶質磁性合金
薄帯(以下、単に磁性薄帯という)を所定長さに切断
し、これを巻回して巻鉄心を形成するための切断・巻回
装置を示し、前記切断・巻回装置11は、磁性薄帯12
を巻回した複数(本発明においては5個)のドラム13
と、前記複数のドラム13から巻き戻された磁性薄帯1
2を複数枚重ね合わせた状態で切断装置14まで給送す
る送りローラ15と、送りローラ15より給送された磁
性薄帯12を切断する前記切断装置14と、この切断装
置14により切断した磁性薄帯12を巻取軸16に巻取
り用のベルト17を介して順次円形状に巻回する鉄心巻
取機18とを備えて構成されている。
【0018】次に、前記切断・巻回装置11により1タ
ーンカット方式の内側及び外側巻鉄心を形成する場合に
ついて説明する。まず、複数のドラム13から巻き戻し
た磁性薄帯12を複数枚重ね合わせて積層し、これを送
りローラ15により所定の長さ寸法づつ順次切断装置1
4の位置まで給送して切断し、つづいて、前記所定の長
さ寸法で切断された各鉄心素板19を階段状に複数層積
層して鉄心素板群20を形成し、この鉄心素板群20を
鉄心巻取機18の巻取軸16に、巻取り用のベルト17
を介して順次円形状に巻回して図示しない環状鉄心を形
成する。そして、前記環状鉄心を巻取軸16から取外し
てこれを図示しない成形治具にて矩形成形し、磁場焼鈍
を行うことによって、図2で示す巻鉄心12を形成す
る。なお、図2において、23は巻鉄心22の内側に配
置した内側補強枠であり、24は同じく巻鉄心22の外
側に配置した外側補強枠で、それぞれけい素鋼帯によっ
て形成されている。又、図1に示す21は切断装置1
4,送りローラ15,鉄心巻取機18等を自動制御する
コントローラである。
【0019】次に、前記矩形状に成形した巻鉄心22の
一対の脚鉄部a,aと接合部bを有しない一方の継鉄部
cのそれぞれの積層端面に、例えば、常温硬化性のエポ
キシ樹脂等からなる接着剤を、脚鉄部a,a,継鉄部c
の長さ方向に所定の間隔を保って複数個所塗布し、この
後、比較的薄葉な絶縁紙を、前記接着剤を塗布した脚鉄
部a,aと継鉄部cとにそれぞれ図2で示すように、複
数回巻回して貼着することにより、絶縁補強部25,2
5,26を形成する。この絶縁補強部25,25,26
によって巻鉄心22に外力が加えられた場合、焼鈍によ
って脆くなっている磁性薄帯12が欠けたり、剥落する
のを良好に防ぐことができるとともに、巻鉄心22自体
の形崩れを防ぎ、その剛性強化をはかって自立性を高め
ることができる。
【0020】つづいて、巻鉄心22に絶縁補強部25,
25,26を形成したら、図3で示すように、巻鉄心2
2の接合部bが位置する継鉄部dを外側補強枠24の固
定を解いて、前記接合部bを利用して外方に向けて開
く。即ち、巻鉄心22を矩形状態から図3で示すよう
に、平面形状がU字状となるように拡開する。なお、巻
鉄心22の開放作業に当り、前記脚鉄部a,aとこれに
連なる継鉄部cには、それぞれ絶縁補強部25,25,
26が設けられて剛性が十分維持されているので、前記
接合部を有する継鉄部dの開放時において、巻鉄心22
は自重変形したり、形崩れ等を起すことなく、U字状に
円滑・良好に開放することができる。
【0021】前記のようにして継鉄部dをその接合部b
において開放した後、前記継鉄部dの尖端部分に図3で
示すように、先端を先細状に形成した黄銅等からなる挿
入保護帽22aを被せ、巻鉄心22の開放した継鉄部d
の先端が、後述する巻線27への挿入時に巻線27の鉄
心挿入孔(図7参照)28の入口等と衝接して欠損した
り、内,外方向に傾倒して巻線27への挿入作業を困難
にするという問題の解決をはかっている。
【0022】次に前述した巻線27の構造を図4ないし
8において説明する。まず、図4において、29は巻線
27の中心を構成する絶縁筒を示し、この絶縁筒29は
一般に層間絶縁紙とかプレスボード等からなるシート状
の絶縁物を所定回数巻回して形成するもので、本発明に
おいては図4,5,8で示すように、絶縁筒29の巻回
途中に、例えば、ポリエステル繊維等からなる可撓性及
び伸縮性に優れた合成繊維の布地をスリーブ状(筒状)
に縫製した被覆布30の軸方向の一方の開口端(基端)
を図5で示すように、絶縁筒29の両端部に挿着する。
この後、被覆布30の一方を両端部に被着した絶縁筒2
9の外側に、前記被覆布30の挿着(基端)部分を包み
込むようにして絶縁筒29の材料を任意に巻回する等し
て絶縁筒29を形成することにより、前記被覆布30の
基端を絶縁筒29の開口端に挟着する。
【0023】前記のように、絶縁筒29にスリーブ状の
被覆布30を取付ける場合、即ち、絶縁筒29の両側開
口端から突出する被覆布30の自由端となる長さ寸法
は、巻鉄心22の継鉄部c,dを半分以上包み込むこと
ができる長さにあらかじめ突出させておく。なお、被覆
布30は絶縁筒29の巻回途中で挟着する代りに、絶縁
筒29を形成したあと、その開口端に所要の突出長さを
残して被着するようにしてもよい。
【0024】被覆布30の基端を装着した絶縁筒29の
外周には、コイル導線を所要回数順次巻回して図6に示
すように巻線27を形成する。巻線27を巻回したら図
6で示すように、巻線27の軸方向両端部から突出する
被覆布30の突出端(自由端)の開口部を、外側方向に
大きく拡げ、この拡げた状態で、その基端を中心として
被覆布30を巻線27の背部(外周)側に折り返して、
その開口端を前記巻線27の外周に仮止めした状態で添
着する等して保持させる。この結果、図7で示すよう
に、巻線27の軸方向の両端面は、前記スリーブ状の被
覆布30を巻線27側に折り返して巻線27の外周に仮
止めすることにより、外部と遮蔽した状態で完全に被覆
することができる。
【0025】巻線27の軸方向両端面を被覆布30によ
り被覆したら、この巻線27を図9に示すように、ロー
ラコンベア31の途中に設けた巻線固定装置32に一対
並列に乗載して固定する。この巻線固定装置32は巻線
27,27が巻鉄心22を組込む際に揺動するのを防ぐ
ようにしたもので、載置台33上に乗載した一対の巻線
27を係止板34(図9では1枚のみ図示)により挟持
固定するもので、この係止板34は図9で示すように、
巻線27,27を挟持した状態で載置台33上に乗載・
固定される。又、前記載置台33は図示しない昇降手段
により、ローラコンベア31のローラ部分31aの頂部
を基準として一定の寸法で昇降するように構成されてい
る。巻線27を載置台33に載せて固定したら、載置台
33を運転してローラ部分31aの頂部と巻線27の鉄
心挿入孔28の下面とを同一高さとなるように調整す
る。
【0026】一対の巻線27,27を巻線固定装置32
に固定したら、つづいて、U字状に開放した巻鉄心22
を図示しないクレーン等を用いて吊り上げ、ローラコン
ベア31上に事前に載せておいた平面形状がU字状の鉄
心滑動板35上に乗載する(図9参照)。この場合、開
放した継鉄部d側を図9に示すように、巻線27側に位
置させておくことは云うまでもない。巻鉄心22を鉄心
滑動板35上に載せたら、開放した継鉄部dの挿入保護
帽22aの外側にガイドカバー36を被せ、この状態
で、鉄心滑動板35をローラコンベア31上を滑動させ
て巻鉄心22を巻線27側に移動させ、巻鉄心22の脚
鉄部a,aを巻線27の鉄心挿入孔28に1動作で嵌め
込む(図10参照)。
【0027】この際、巻鉄心22の脚鉄部a,aと接合
部bを有しない継鉄部cには絶縁補強部25,25,2
6が設けてあるので、巻鉄心22は自重変形したり磁性
薄帯12の欠損等を生じさせることなく、迅速・容易に
巻線27,27への組込みを行うことができる。前記巻
線27,27への脚鉄部a,aの挿入が終了したら、図
10で示すように、巻線22から突出している巻鉄心2
2の継鉄部dに被せてあるガイドカバー36(図10で
は除去ずみ)と挿入保護帽22aを、巻鉄心22の挿入
方向側から引き抜く等して図11で示すように取り外
す。この後、巻鉄心22の開放された継鉄部dの最内層
部分より順次図12で示すように、開放前の状態(内
側)に折り曲げ、その接合端縁を図13で示すように再
接合し、更に、外側補強枠24を重合しその部分をスポ
ット溶接により固定することによって巻鉄心22を矩形
状に再組立する。
【0028】前記のように、巻鉄心22をU字状に開い
て巻線27,27に挿入したり、挿入後に前記開放した
継鉄部dを再接合する作業等においては、巻鉄心22を
構成する磁性薄帯12が焼鈍によって非常に脆くなって
いるため、前記作業等を行う場合、磁性薄帯12の一部
が欠損したりして破片が生じたとしても、巻線27,2
7の軸方向の両端面は被覆布30によって包被されてい
るので、磁性薄帯12の破片が巻線27,27の層間に
侵入するということは全くなく、破片の侵入によって巻
線27が層間短絡するという問題を確実に解決すること
ができる。
【0029】巻鉄心22の再組立を終えたら、巻鉄心2
2を巻線27とともに、巻線固定装置32の固定を解い
て、ローラコンベア31から吊上手段により吊上げて一
旦図示しない作業台の上に移して起立させるか、あるい
は、巻鉄心22を巻線固定装置32の載置台33上に起
立させる。この場合は、例えば、接合部bを有する継鉄
部d側を上向きとする。巻鉄心22を起立させたら、そ
れぞれの巻線27,27側に折り返して仮止めされてい
る被覆布30,30の自由端側を、図13,14で示す
ように、巻線27,27の外周からそれぞれ巻鉄心22
の接合部bを有する継鉄部d側に、該継鉄部dを包み込
むようにして引き戻し、これら引き戻した被覆布30,
30の各自由端同士を継鉄部dの接合部b付近で重合さ
せることにより、前記継鉄部dを外部に露出させること
なく、良好に包被することができる。
【0030】継鉄部dを被覆布30で包被したら、被覆
布30,30の重合部を粘着テープ37により貼着する
か、あるいは、接着剤を塗布する等して重合部を通じて
継鉄部dと外部とが連通することのないように封着す
る。巻鉄心22の一方の継鉄部dを被覆布30,30で
包被したら、巻鉄心22を反転させ、反対側の継鉄部c
を上側に位置させて、前記のように巻線27,27の外
周から引き戻した被覆布30,30を、前記同様にし
て、継鉄部cに被覆する。
【0031】この結果、巻線27に組込んだ巻鉄心22
は、巻線27,27から突出する継鉄部c,dが、あら
かじめ、巻線27,27の絶縁筒29の両端に基端を止
着したスリーブ状の被覆布30,30の自由端側におい
て、完全に包被することができるので、巻鉄心22の組
立後巻線27から突出している継鉄部c,dに外力が加
えられてその一部が欠落しても、その欠落によって生じ
た破片はすべてスリーブ状の被覆布30内に保持されて
外部に漏出することは全くない。従って、巻線27,2
7の軸方向の両端面が開放状態となっていても、前記鉄
心材料である磁性薄帯12の破片が被覆布30内に封じ
込められているので、巻線27が破片によって悪影響を
受けることは全くない。
【0032】巻鉄心22の継鉄部c,dを被覆布30で
包被した後は、図14で示すように、巻線27の軸方向
端面と巻鉄心22の継鉄部c,dとの間に絶縁スペーサ
38を挿着して巻線27,27を巻鉄心22に固定する
ことにより巻鉄心22の組立を終える。この後、巻鉄心
22の継鉄部c,dに、それぞれクランプ部材(図示せ
ず)を、巻線27,27の両端面との間に巻線押えを介
して止着し、この巻鉄心22をケースに収容固定し、絶
縁油をケースに定量充填することによって巻鉄心変圧器
の製造を終える。
【0033】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように、巻線の
巻回時にあらかじめ巻鉄心の継鉄部を被覆するスリーブ
状の可撓性及び伸縮性に優れた繊維材料からなる被覆布
を装着し、この被覆布の自由端側をあらかじめ巻線に巻
鉄心を組込むまでは、巻線側に折り返して巻線外周に仮
止させておくことにより、巻線の軸方向両端部を良好に
包被することが可能となるため、巻線に巻鉄心を挿入す
る際に生じる磁性薄帯の破片が巻線内に侵入するのを確
実に阻止することができ、これにより、巻線の層間短絡
事故を良好に回避することができる。
【0034】又、巻鉄心の組立後は巻線側に仮止してあ
る被覆布の自由端側を巻鉄心の継鉄部側に戻して該継鉄
部を良好に包囲することができるため、巻鉄心の組立後
に外力等によって生じた磁性薄帯の破片は、前記継鉄部
を包被する被覆布に封じ込めておくことができるので、
変圧器の運転中に前記破片が絶縁油中に浮遊して巻線に
悪影響を与えるという問題を確実に解消することができ
る。
【0035】更に、前記被覆布は可撓性に優れているの
で、巻線への被着あるいは巻鉄心への包囲作業に当って
は、簡易に行うことができるとともに、巻線への止着に
際しても基端を絶縁筒の製造時に絶縁筒内に挟持させる
か、あるいは、巻線と絶縁筒との間に挟持させることに
よって容易に装着することができるため、スリーブ状の
被覆布の止着作業は特別な手段を用いることなく、簡単
に行うことができ至便である。その上、被覆布は巻鉄心
の組立後は巻線側を包被することがないので、巻線の冷
却が容易に行えるという利点も備えている。
【図面の簡単な説明】
【図1】非晶質磁性合金薄帯を切断し、巻回する装置を
示す概略構成図である。
【図2】矩形状に成形加工した巻鉄心を示す平面図であ
る。
【図3】巻鉄心をU字状に拡開した状態を示す平面図で
ある。
【図4】被覆布と絶縁筒とを分解して示す斜視図であ
る。
【図5】絶縁筒に被覆布を挟着した状態を示す絶縁筒の
製作途中を説明する斜視図である。
【図6】巻線を巻回した状態を示す斜視図である。
【図7】被覆布を巻線側に折り返した状態を示す巻線の
斜視図である。
【図8】巻線の要部を縦断して示す断面図である。
【図9】巻鉄心を巻線に組込む前の状態を説明するため
の斜視図である。
【図10】巻鉄心を巻線に組込んだ状態を示す斜視図で
ある。
【図11】巻線に巻鉄心を挿入した状態を示す平面図で
ある。
【図12】巻線に挿入した巻鉄心を再接合している状態
を示す平面図である。
【図13】巻鉄心を巻線に組込み再接合が完了した状態
を示す斜視図である。
【図14】巻鉄心の完成状態を示す斜視図である。
【図15】従来の巻鉄心を巻線に組込む状態を示す説明
図である。
【符号の説明】
22 巻鉄心 27 巻線 29 絶縁筒 30 被覆布 a,a 脚鉄部 b 接合部 c,d 継鉄部

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非晶質磁性合金薄帯を巻回し、かつ、そ
    の少なくとも1ケ所を切断して突合せ等の接合部を備え
    てなる矩形状の巻鉄心と、前記巻鉄心の脚鉄部に嵌挿し
    た巻線とを備えてなる巻鉄心変圧器において、前記巻線
    の軸方向の両端部に、巻鉄心の継鉄部を包被できる長さ
    を自由端として残した可撓性の繊維材料からなるスリー
    ブ状の被覆布の基端を止着し、前記被覆布の自由端を巻
    鉄心の組立後、前記巻鉄心の継鉄部を包被して巻鉄心を
    構成するようにしたことを特徴とする巻鉄心変圧器。
  2. 【請求項2】 前記スリーブ状の被覆布は、その基端を
    巻線の絶縁筒内で挟着するか、あるいは、絶縁筒と巻線
    との間で挟着して取付けるようにしたことを特徴とする
    請求項1記載の巻鉄心変圧器。
  3. 【請求項3】 非晶質磁性合金薄帯を巻回し、その少な
    くとも1ケ所を切断して突合せ等の接合部を備えてなる
    矩形状の巻鉄心と、前記巻鉄心の脚鉄部に嵌挿した巻線
    とを備えてなる巻鉄心変圧器において、巻鉄心の継鉄部
    を被覆できる長さを残して可撓性の繊維材料によりスリ
    ーブ状に形成した被覆布の基端を止着して巻線を巻回す
    る工程と、巻線を巻回した後前記被覆布の自由端を一旦
    巻線の外周側に仮止めして巻線の軸方向端面を被覆する
    工程と、矩形状に成形加工した巻鉄心をその接合部を有
    する継鉄部を開いてU字状に拡開する工程と、前記U字
    状に拡開した巻鉄心を巻線に挿入し、かつ、拡開した継
    鉄部を再接合する工程と、更に、前記巻線の外周に自由
    端を仮止めした被覆布を継鉄部側に戻して前記被覆布の
    自由端を利用して巻鉄心の継鉄部を被覆する工程とを備
    えたことを特徴とする巻鉄心変圧器の製造方法。
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