JPH082986Y2 - 変圧器のコイル押え装置 - Google Patents

変圧器のコイル押え装置

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JPH082986Y2
JPH082986Y2 JP1991106507U JP10650791U JPH082986Y2 JP H082986 Y2 JPH082986 Y2 JP H082986Y2 JP 1991106507 U JP1991106507 U JP 1991106507U JP 10650791 U JP10650791 U JP 10650791U JP H082986 Y2 JPH082986 Y2 JP H082986Y2
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wound
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徹 永田
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Aichi Electric Co Ltd
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  • Coils Of Transformers For General Uses (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、非晶質磁性合金薄帯を
用いて巻回した巻鉄心をコイルに挿入して鉄心組立を行
った際、該コイルを巻鉄心に簡素な構造で押圧固定する
ことができる変圧器のコイル押え装置の改良に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、低損失の鉄心材料として非晶質磁
性合金薄帯(以下、単に磁性薄帯という。)を用いて配
電用等の変圧器を製造することが種々検討されている。
前記磁性薄帯は、その磁性合金の融体を超急冷して製造
するもので、鉄損が非常に小さく優れた磁気特性を備え
ている反面、製造上の理由から厚さは非常に薄く、しか
も、脆いという欠点があった。そして、前記磁性薄帯を
巻回した巻鉄心を用いて、例えば、変圧器を製造する場
合は、磁性薄帯を連続巻回して接合部を全く有しないノ
ーカット方式の巻鉄心を形成し、この巻鉄心にコイルを
直巻するか、あるいは、コイルに1ターン分毎の単位鉄
心を挿入して鉄心組立を行う、所謂1ターンカット方式
により巻鉄心を形成していた。そして、図13で示すよ
うに、前記コイル1を備えてノーカット又は、1ターン
カット方式により製造した巻鉄心2は、図14で示すよ
うに、その上部及び下部の各継鉄部3,4の外側からコ
字形に形成した上,下部のクランプ金具5,6を当てが
い、これを締付バンド7にて巻鉄心2に締付けることに
より、変圧器8を形成していた。
【0003】そして、前記磁性薄帯を用いて形成した巻
鉄心2にコイル1を組込んだ場合、該コイル1が巻鉄心
2に対して揺動しないように固定する必要があった。コ
イル1を固定する技術は今日までに種々開発されている
が、配電用変圧器等比較的小形の変圧器においては、図
13,14で示すように、コイル1の軸方向の両端面と
巻鉄心2の窓内との間の隙間sにプレスボード等板厚の
厚い硬質の絶縁材料からなるスペ−サ9を介挿するとと
もに、巻鉄心2の上部側の窓内には、前記スペ−サ9の
上に、更に、板状の楔10を圧入してコイル1と巻鉄心
2との固定を行っていた。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】然るに、前記コイル1
と巻鉄心2とを固定する場合は、前記のように、コイル
1の軸方向端面と、巻鉄心2の窓内との間に生ずる隙間
sにスペ−サ9や楔10を圧入していたが、巻鉄心2の
材料を従来のけい素鋼帯に対して磁性薄帯を使用した場
合、この磁性薄帯は、けい素鋼帯に比べて約1/10と
薄く、しかも、例えば、円形に巻回した状態から矩形成
形して歪取焼鈍を行ったとき、矩形状に形付けできるも
のの、磁性薄帯自体に靱性が残存している。このため、
前記磁性薄帯を用いて、例えば、1ターンカット方式の
巻鉄心2を形成した際、図13で示すように、接合部a
を備えた上側の継鉄部3には、その上部を強く押さえる
と、接合部aの存在により下側の継鉄部4に比べて弾性
力が残存している。これは巻鉄心2にコイル1を組込む
場合、1ターンカット方式の巻鉄心2では、接合部aを
有する継鉄部3側を、前記接合部aの位置で一旦開放し
てコイル1を脚鉄部に挿入したあと、前記開放した継鉄
部3を接合部aの位置で再接合するものの、一度開いた
ものを原状復帰させることは前記靱性の関係から非常に
難しく、この結果は、継鉄部3は接合部aにて再接合で
きるが、弛み等により、ガサガサして締りのない状態と
なることが多い。
【0005】従って、前記の状態でコイル1の軸方向両
端面と巻鉄心2の窓内との間の隙間sにスペ−サ9や楔
10を嵌入してコイル1と巻鉄心2との固定を行って
も、巻鉄心2の継鉄部3側に弾性力が残存していること
により、例えば、コイル1組立を終えた巻鉄心2を移動
する場合に生ずる振動や、巻鉄心2に外力が加えられた
ときの衝撃力によって楔10がコイル1の軸方向と直交
する方向から抜脱してしまい、巻鉄心2にコイル1を円
滑・良好に押圧・固定することができなくなるおそれが
あった。これは、巻鉄心2の上部継鉄部3の窓内とスペ
−サ9との間隙sに楔10を圧入しても、楔10自体が
巻鉄心2の窓内の端部とは点に近い状態で接触している
ことと、巻鉄心2の窓から外方にスペ−サ9と平行に導
出されていることにより、前記巻鉄心2の移動時等に発
生する振動によって簡単に抜脱してしまい、コイル1の
押圧・固定が充分に行えないばかりか、巻鉄心2の固定
が不充分となる結果、その鉄心特性を損なうという大き
な問題があった。
【0006】又、前記変圧器に使用する巻鉄心2を磁性
薄帯により巻回形成したものを用いる場合、磁性薄帯は
製造上の理由から非常に薄く、しかも、剛性に乏しいと
いう欠点があり、しかも、焼鈍を行うことによって非常
に脆弱化しているので、この状態で、巻鉄心2の組立後
その外周を締付バンドにより巻締めを行った場合、前記
巻鉄心2はその巻締力に耐えることが困難となり、焼鈍
を行ったにもかかわらず、局部的な機械的歪が生じた
り、形崩れ等を起しやすく、巻鉄心2の磁気特性を損な
うという問題もあった。
【0007】更に、磁性薄帯は前記のように、焼鈍によ
り非常に脆くなっているので、巻鉄心2をコイル1に組
込むようなとき、あるいは、巻鉄心2の組立後その巻鉄
心2を用いて変圧器8の組立る場合、巻鉄心2の積層端
面等に外力が加えられたりすると、簡単に巻鉄心2の角
部や積層端面が欠損したり剥落して破片が生じる。この
破片は前記巻鉄心2の組立後にコイル1の鉄心挿入孔内
に残留していると、変圧器の運転中、絶縁油の対流に乗
じて漂遊し、コイル1の層間に侵入したりすると、層間
短絡事故を誘発するという問題があった。
【0008】本考案は、前記の問題点に鑑み、磁性薄帯
を巻回した巻鉄心を有する変圧器において、前記巻鉄心
に具備されたコイルの巻鉄心に対する押圧を迅速・確実
に行い、コイルの弛みによる弊害を排除し、鉄心特性が
良好で信頼性に優れた変圧器のコイル押え装置を提供す
ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本考案は、前記の目的を
達成するために、磁性薄帯を巻回してなる巻鉄心にコイ
ルを具備した変圧器において、コイルの軸方向の端面
と、該端面と対応する巻鉄心の窓内の端部との間に、巻
鉄心の幅寸法より長い絶縁性のスペ−サを介挿するとと
もに、前記巻鉄心の継鉄部側において、スペ−サと巻鉄
心の窓内端部との隙間に、巻鉄心の幅寸法と同一もしく
は寸法をやや短くした楔を圧入してコイルと巻鉄心との
固定を行い、つづいて、コイルから外方に突出する巻鉄
心の上,下継鉄部の各積層端面には、巻鉄心の窓内から
コイルの端面上に突出するスペ−サのみと係合する係合
孔を備えて巻鉄心の積厚寸法よりやや長くした高さ寸法
を有する肉厚で、かつ、コイル押えを兼用する機械的強
度に優れたプレスボード等からなる絶縁体を配置し、こ
の状態で、巻鉄心の上,下継鉄部の外周側から、コ字状
に曲成した上,下の各クランプ金具を、前記絶縁体を巻
鉄心の積層端面との間で挟持させた状態で配置し、これ
ら上,下の各クランプを締付バンドによりコイルの軸方
向両端に絶縁体を介して押圧・固定するように構成した
ので、その作用は次のとおりである。
【0010】
【作用】本考案は、前述したように構成されているの
で、例えば、巻鉄心にコイルを具備させてから巻鉄心を
次工程に移動するようなときに生ずる振動等によって巻
鉄心の窓内に圧入した楔は、前記振動等により窓内の外
に抜脱しようとするが、前記楔が抜脱しようとする巻鉄
心の積層端面側には、コイル押えを兼ねた絶縁板の存在
により、前記楔が抜脱するのを確実に防ぐストッパーの
役目を果しているため、楔の弛みや抜脱に伴って鉄心特
性が低下するという弊害を確実に防ぐことができる。
【0011】又、前記楔が抜脱するのを阻止するストッ
パーの役目を果す絶縁体は、巻鉄心の積層端面を被覆す
る大きさに設けられているので、前記絶縁体の存在によ
って、焼鈍により脆くなっている巻鉄心の積層端面に外
力が加えられるのを効果的に保護して、磁性薄帯の破片
が発生するのを抑制することができるとともに、絶縁体
をコイルの軸方向端面とクランプ金具との間に介在させ
ることにより、前記絶縁体の高さ寸法が巻鉄心継鉄部の
積層厚に比べて長く形成してあるため、この結果、前記
クランプ金具を巻鉄心の外周と当接させることなく固定
することが可能となる。従って、巻鉄心は締付バンドに
よる締付力が加えられることが全くないので、巻鉄心に
機械的な歪や損傷を与えるといった問題を確実に解決す
ることができる利点もある。
【0012】
【実施例】以下、本考案を図1ないし図12において、
1ターンカット方式の巻鉄心に実施した例について説明
する。図1において、例えば、非晶質磁性合金薄帯(以
下、磁性薄帯という)11を円形状の巻枠12に所定回
数連続して巻取り、円形状の巻層体13を形成する。次
に図2で示すように、巻層体13から巻枠12を取外
し、この巻層体13の一部を2分割した締付板14,1
4とボルト15とで締付・固定し、この状態で、図示し
ない切断装置により締付板14,14及び巻層体13を
切断線16に沿って切断する。つづいて、前記2分割し
た締付板14,14の一方を巻層体13から取外し、図
3のように、切断された巻層体13を直線状に展開して
展開積層体17を形成する。そして、該積層体17の
上,下面には、巻鉄心の内側及び外側の補強枠X,Yを
形成するための板状のけい素鋼帯が、内側補強枠Xは1
ターンを形成しない範囲で、外側補強枠Yは1ターンを
少し越えた長さ寸法でもって前記展開積層体17と一体
に積層する。そして、前記展開積層体17の締付板1
4,14にて拘束される一方の切断面は、展開積層体1
7の長さ方向に対して直角となっており、又、自由端と
なっている他方の切断面は、展開積層体17の長さ方向
に対して傾斜しており、これによって長さが順次大きく
なる多数枚の磁性薄帯11を直線状に積層した状態にす
る。そして、前記図3の状態から図4で示すように、磁
性薄帯11を複数組に分割し、かつ、それぞれ1枚毎に
所定寸法で長さ方向に順次ずらし、これにより、多数の
磁性薄帯11が積層され、かつ、両端を階段状にずらし
た積層ブロック18を形成する。前記積層ブロック18
は矩形状に成形加工すべき所定の厚み毎に巻鉄心をその
径方向に複数に分割できるようにした単位積層ブロック
を構成するもので、図4のように、前記巻鉄心の各層毎
にその周長及び厚さに応じた寸法を有する複数組の前記
単位積層ブロック81,82,83を形成する。
【0013】次に前記積層ブロック18を矩形成形する
場合は、図5で示すように、2分割した矩形状の成形金
型19の外周に沿って前記単位積層ブロック81,8
2,83をその内側となる部分から順次重ね合わせ、四
方から押圧板20を押し当てて図示しないプレスにより
押圧することによって、単位積層ブロック81,82,
83を矩形状に成形加工して巻鉄心Tを形成する。前記
矩形成形した積層ブロック18は、外側補強枠Yの重合
部分を粘着テープ等図示しない周知の結束手段により固
定して矩形状態を維持させ、この状態で、図示しない励
磁コイルを巻装して焼鈍炉に入れ、励磁コイルに通電を
行いながら所要温度で歪取り焼鈍を行う。焼鈍後は図6
で示すように、巻鉄心Tの各単位積層ブロック81,8
2,83を、その接合部bにおいて開放して巻鉄心Tを
U字状に整形し、この状態で、同図のように、前記U字
状をなす各単位積層ブロック81,82,83をコイル
22の鉄心挿入孔121にそれぞれ挿入して組込み、こ
の後、図7で示すように、コイル22の軸方向端面と巻
鉄心Tの継鉄部T1,T2が位置する窓W内端部との間
に巻鉄心Tを形成する磁性薄帯11の幅寸法より長くし
た所定厚さの絶縁性のスペ−サ23,24を突出させて
介在させた状態で、巻鉄心Tの内側となる単位積層ブロ
ック81,82,83から順次開放された両端部を内側
に折り曲げ、傾斜面をなす両端面を互いに突き合わせ等
を行い、前記接合部bを再接合することによって図8に
示すように、再度矩形状の巻鉄心Tを組立てる。そし
て、巻鉄心Tの最外周に配置したけい素鋼帯からなる外
側補強枠Yの重合部は、その解離防止をはかるために、
例えば、耐油性の接着テープを貼着するか、あるいは、
スポット溶接等を行って固定する。なお、前記絶縁スペ
ーサ23,24は接着剤を塗布してコイル22の端面に
貼着するようにしてもよい。
【0014】そして、前記コイル22を用いて巻鉄心T
の組立を行ったあと、図7,8で示すように、巻鉄心T
の上部継鉄部T1側において、前記スペ−サ23と窓W
内の上端部との間に形成される狭隘な隙間sに、図9で
示すように、巻鉄心Tを構成する磁性薄帯11の幅寸法
に相当する長さ寸法で形成した楔25を、接着剤を塗布
して窓W内から突出しないように圧入する。この楔25
の圧入に際しては、隙間sが絶縁性スペ−サ23とけい
素鋼帯からなる内側補強枠Xとによって形成されている
ので、楔25は焼鈍により非常に脆くなっている磁性薄
帯からなる巻鉄心Tに機械的歪を与えたりコイル22端
面の絶縁を損傷することなく、円滑・良好に圧入するこ
とができる。この結果、巻鉄心Tはコイル22に揺動す
ることなく固定することができる。なお、楔25は下部
継鉄部T2側にも圧入するようにしてもよい。
【0015】次に、前記のようにして構成した巻鉄心T
を用いて図10,図12で示す変圧器35を組立る手順
について説明する。先ず、最初に巻鉄心Tのコイル22
から突出している上,下の継鉄部T1,T2の積層端面
に接着剤を事前に塗布した絶縁紙(図示せず)を貼着し
て継鉄部T1,T2の積層端面を被う。この場合、必要
に応じてシリコンゴムやウレタンゴム等弾力性に優れた
絶縁部材を用いて前記継鉄部T1,T2の積層端面を被
うようにしてもよいことは勿論である。つづいて、前記
絶縁処理を施した継鉄部T1,T2の積層端面の外側に
は、図9で示すように、スペ−サ23,24と対応する
下端(上端)面に、該スペ−サ23,24と係合するコ
字状の係合孔26を切欠いたプレスボードや合成樹脂等
からなる板状の絶縁体27,28を、図10のように、
当接させて係合孔26にスペ−サ23,24を係合させ
る。そして、この状態で、巻鉄心Tの外周方向から上,
下継鉄部T1,T2に対して、コ字形に成形加工した上
部及び下部のクランプ金具29,30を絶縁体27,2
8の外側から遊合する。
【0016】 この際、前記絶縁体27,28はその高
さ寸法がコイル22の軸方向の端面から継鉄部T1,T
2の外周縁までの高さ寸法より長く形成されていること
により、巻鉄心Tは図10に示すように、絶縁体27,
28の介在によって、上,下部のクランプ金具29,3
0とは外周縁が接衝することなく、浮上した状態でコイ
ル22に保持されることとなる。前記のようにして、
上,下部のクランプ金具29,30を巻鉄心Tに遊合し
たあと、下部クランプ金具30側から図10のように、
締付バンド31を、透孔(図12参照)32を利用して
コイル22の鉄心挿入孔121と巻鉄心Tの脚鉄部T3
との間を貫通させ、図12で示すように、上部クランプ
金具29の透孔32から引出して該クランプ金具29上
で結着する。この結果、前記上,下部のクランプ金具2
9,30は、締付バンド31の締付力により絶縁体2
7,28を介してコイル22の軸方向端面側に押圧保持
されるものの、前記絶縁体27,28の介挿によって前
記締付力が巻鉄心Tに作用しないように構成されている
ため、巻鉄心Tには締付バンド31の締付力が全く作用
することがないので、巻鉄心Tはその磁性薄帯11が備
えた優れた磁気特性を有効に保持することができる。し
かも、前記上,下部のクランプ金具29,30を締付バ
ンド31の締付力を利用してコイル22側に押圧保持さ
せることにより、前記コイル22は巻鉄心Tの窓Wに嵌
着したスペーサ23,24及び楔25の存在と相まっ
て、前記巻鉄心Tに揺動不能に固定・支持することがで
きる。
【0017】その上、絶縁体27,28はクランプ金具
29,30とコイル22の軸方向端面との間で強固に押
圧保持されているので、巻鉄心T継鉄部T1,T2の積
層端面を、前記コイル22を固定・支持する絶縁体2
7,28により、外部とは遮蔽された状態で被覆するこ
とができるため、巻鉄心Tに外力が加えられた場合で
も、継鉄部T1,T2積層端面は前記絶縁体27,28
の存在により保護されており、磁性薄帯11が外力によ
り欠落して破片が生じるという事態を確実に解消するこ
とができる。更に、巻鉄心Tの窓W内の端部とスペ−サ
23との間の狭隘な隙間sに圧入した楔25は、図11
で示すように、前記隙間sが絶縁体27を継鉄部T1の
積層端面に当接させることによって閉鎖することが可能
となるため、巻鉄心Tを移動させたり、変圧器35の組
立に際し、巻鉄心T自体に外部から振動や衝撃力が伝達
されて前記楔25が窓W内から抜脱しようとしても、図
12のように、絶縁体27がスペ−サ23と係合して窓
Wを完全に閉じているので、楔25の抜脱によってコイ
ル22の固定が弛み巻鉄心Tの鉄心特性に悪影響を与え
るという問題も全く生じない。
【0018】
【考案の効果】本考案は以上説明したように構成されて
いるので、コイルを具備した巻鉄心を変圧器の組立に際
して移動させたり、変圧器の組立中において、前記巻鉄
心に振動や衝撃力が伝播されたとしても、巻鉄心の窓内
に圧入した楔は、巻鉄心の継鉄部積層端面を前記窓を被
うように当接した絶縁体によってその移動が完全に阻止
されているので、巻鉄心をコイルに固定・支持する楔の
抜脱に伴う鉄心特性の低下を確実に回避することができ
る。
【0019】 又、本考案は、前記楔を窓内に圧入する
ことによって巻鉄心とコイルとの固定を強固に行うこと
ができるとともに、楔が巻鉄心の窓孔から抜脱するのを
防ぐ絶縁体は、その下端面に形成した係合孔に絶縁スペ
ーサを係合した状態で、巻鉄心の継鉄部外周縁の外側に
突出させて前記継鉄部の積層端面を被うことができるよ
うに具備されているので、巻鉄心に取付けられるクラン
プ金具は、巻鉄心と直接当接することなく、絶縁体を絶
縁スペーサを介してコイル側に押圧した状態で巻鉄心に
取付けることができるため、前記クランプ金具の取付け
に伴う力が巻鉄心に全く加わることがないので、前記楔
の抜脱に伴うコイルの固定の弛みによる弊害の回避と相
まって、鉄心特性を著しく向上させた信頼性に優れた変
圧器を提供することができる。
【0020】 更に、本考案においては、巻鉄心の継鉄
部の積層端面が板状の絶縁体によって、外部と遮断され
た状態で完全に被覆されているので、焼鈍によって非常
に脆くなっている巻鉄心が、変圧器の組立時に外力が加
えられたり、輸送時に生ずる振動等によって、巻鉄心の
欠損、剥落等によって生ずる品質低下や磁性薄帯の破片
が油中に浮遊することによって発生するコイルの絶縁低
下等を確実に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】非晶質磁性合金薄帯の巻回状態を示す説明図で
ある。
【図2】巻層体の切断状態を示す説明図である。
【図3】巻層体を展開した状態を示す展開積層体の説明
図である。
【図4】展開積層体を単位積層ブロックに分割した状態
を示す説明図である。
【図5】展開積層体の矩形成形状態を示す説明図であ
る。
【図6】巻鉄心をコイルに挿入した状態を示す説明図で
ある。
【図7】巻鉄心の組立途中を示す説明図である。
【図8】巻鉄心を巻線に組立てた状態を示す正面図であ
る。
【図9】本考案における巻鉄心とコイルとを固定する態
様を示す斜視図である。
【図10】本考案装置によって変圧器を組立てた状態を
示す正面図である。
【図11】図10のA−A線において切断した本考案装
置の要部拡大断面図である。
【図12】本考案装置を用いて製作した変圧器の斜視図
である。
【図13】従来の巻鉄心とコイルとの固定状態を示す巻
鉄心要部の斜視図である。
【図14】従来のコイル固定装置を採用した変圧器の斜
視図である。
【符号の説明】
11 非晶質磁性合金薄帯 22 コイル 23 スペ−サ 24 スペ−サ 27 絶縁体 28 絶縁体 29 クランプ金具 30 クランプ金具 35 変圧器 T 巻鉄心 s 隙間 W 窓孔

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非晶質磁性合金薄帯を巻回してなる巻鉄
    心に具備したコイルの軸方向端面と、前記巻鉄心の継鉄
    部側に位置する窓内の端部との間に、巻鉄心の窓内から
    前記コイルの軸方向端面上に突出する長さを備えた絶縁
    スペーサを遊嵌し、この絶縁スペーサと前記巻鉄心の窓
    内端部との間の狭隘な隙間には、前記窓内において絶縁
    スペーサをコイル側に押圧して巻鉄心とコイルとを固定
    する楔を圧入し、更に、前記巻鉄心の継鉄部の積層端面
    両側には、下端面に前記絶縁スペーサと係合する係合孔
    を形成した絶縁体を当接し、前記絶縁体を巻鉄心に取付
    けられるクランプ金具によりコイル側に圧接して、楔が
    絶縁スペーサと窓内端部の隙間から抜脱しないように巻
    鉄心の積層端面に保持させたことを特徴とする変圧器の
    コイル押え装置。
JP1991106507U 1991-11-29 1991-11-29 変圧器のコイル押え装置 Expired - Fee Related JPH082986Y2 (ja)

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