JPH0548312U - 変圧器のコイル押え装置 - Google Patents

変圧器のコイル押え装置

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JPH0548312U JP10650791U JP10650791U JPH0548312U JP H0548312 U JPH0548312 U JP H0548312U JP 10650791 U JP10650791 U JP 10650791U JP 10650791 U JP10650791 U JP 10650791U JP H0548312 U JPH0548312 U JP H0548312U
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、巻鉄心の窓を利用してコイルの端
面との間に介挿した楔等巻鉄心とコイルとを固定する部
材が、前記窓から抜脱するのを阻止するようにしたこと
を目的とする。 【構成】 巻鉄心Tの窓W内とコイル22の端面との間
に、前記窓W内から突出する長さのスペ−サ23,24
を挿入するとともに、該スペ−サ23,24の一方ある
いは両方と窓W内との間に形成される狭隘な隙間sに
は、窓W内から突出しない長さの楔25を圧入し、巻鉄
心Tの継鉄部T1,T2積層端面に、スペ−サ23,2
4と係合して楔25の抜脱を防ぎ、かつ、前記積層端面
を被うことができる絶縁体27,28をクランプ金具2
9,30にてコイル22端面に圧接して取付けるように
したことを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本考案は、非晶質磁性合金薄帯を用いて巻回した巻鉄心をコイルに挿入して鉄 心組立を行った際、該コイルを巻鉄心に簡素な構造で押圧固定することができる 変圧器のコイル押え装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、低損失の鉄心材料として非晶質磁性合金薄帯(以下、単に磁性薄帯とい う。)を用いて配電用等の変圧器を製造することが種々検討されている。前記磁 性薄帯は、その磁性合金の融体を超急冷して製造するもので、鉄損が非常に小さ く優れた磁気特性を備えている反面、製造上の理由から厚さは非常に薄く、しか も、脆いという欠点があった。そして、前記磁性薄帯を巻回した巻鉄心を用いて 、例えば、変圧器を製造する場合は、磁性薄帯を連続巻回して接合部を全く有し ないノーカット方式の巻鉄心を形成し、この巻鉄心にコイルを直巻するか、ある いは、コイルに1ターン分毎の単位鉄心を挿入して鉄心組立を行う、所謂1ター ンカット方式により巻鉄心を形成していた。そして、図13で示すように、前記 コイル1を備えてノーカット又は、1ターンカット方式により製造した巻鉄心2 は、図14で示すように、その上部及び下部の各継鉄部3,4の外側からコ字形 に形成した上,下部のクランプ金具5,6を当てがい、これを締付バンド7にて 巻鉄心2に締付けることにより、変圧器8を形成していた。
【0003】 そして、前記磁性薄帯を用いて形成した巻鉄心2にコイル1を組込んだ場合、 該コイル1が巻鉄心2に対して揺動しないように固定する必要があった。コイル 1を固定する技術は今日までに種々開発されているが、配電用変圧器等比較的小 形の変圧器においては、図13,14で示すように、コイル1の軸方向の両端面 と巻鉄心2の窓内との間の隙間sにプレスボード等板厚の厚い硬質の絶縁材料か らなるスペ−サ9を介挿するとともに、巻鉄心2の上部側の窓内には、前記スペ −サ9の上に、更に、板状の楔10を圧入してコイル1と巻鉄心2との固定を行 っていた。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
然るに、前記コイル1と巻鉄心2とを固定する場合は、前記のように、コイル 1の軸方向端面と、巻鉄心2の窓内との間に生ずる隙間sにスペ−サ9や楔10 を圧入していたが、巻鉄心2の材料を従来のけい素鋼帯に対して磁性薄帯を使用 した場合、この磁性薄帯は、けい素鋼帯に比べて約1/10と薄く、しかも、例 えば、円形に巻回した状態から矩形成形して歪取焼鈍を行ったとき、矩形状に形 付けできるものの、磁性薄帯自体に靱性が残存している。このため、前記磁性薄 帯を用いて、例えば、1ターンカット方式の巻鉄心2を形成した際、図13で示 すように、接合部aを備えた上側の継鉄部3には、その上部を強く押さえると、 接合部aの存在により下側の継鉄部4に比べて弾性力が残存している。これは巻 鉄心2にコイル1を組込む場合、1ターンカット方式の巻鉄心2では、接合部a を有する継鉄部3側を、前記接合部aの位置で一旦開放してコイル1を脚鉄部に 挿入したあと、前記開放した継鉄部3を接合部aの位置で再接合するものの、一 度開いたものを原状復帰させることは前記靱性の関係から非常に難しく、この結 果は、継鉄部3は接合部aにて再接合できるが、弛み等により、ガサガサして締 りのない状態となることが多い。
【0005】 従って、前記の状態でコイル1の軸方向両端面と巻鉄心2の窓内との間の隙間 sにスペ−サ9や楔10を嵌入してコイル1と巻鉄心2との固定を行っても、巻 鉄心2の継鉄部3側に弾性力が残存していることにより、例えば、コイル1組立 を終えた巻鉄心2を移動する場合に生ずる振動や、巻鉄心2に外力が加えられた ときの衝撃力によって楔10がコイル1の軸方向と直交する方向から抜脱してし まい、巻鉄心2にコイル1を円滑・良好に押圧・固定することができなくなるお それがあった。これは、巻鉄心2の上部継鉄部3の窓内とスペ−サ9との間隙s に楔10を圧入しても、楔10自体が巻鉄心2の窓内の端部とは点に近い状態で 接触していることと、巻鉄心2の窓から外方にスペ−サ9と平行に導出されてい ることにより、前記巻鉄心2の移動時等に発生する振動によって簡単に抜脱して しまい、コイル1の押圧・固定が充分に行えないばかりか、巻鉄心2の固定が不 充分となる結果、その鉄心特性を損なうという大きな問題があった。
【0006】 又、前記変圧器に使用する巻鉄心2を磁性薄帯により巻回形成したものを用い る場合、磁性薄帯は製造上の理由から非常に薄く、しかも、剛性に乏しいという 欠点があり、しかも、焼鈍を行うことによって非常に脆弱化しているので、この 状態で、巻鉄心2の組立後その外周を締付バンドにより巻締めを行った場合、前 記巻鉄心2はその巻締力に耐えることが困難となり、焼鈍を行ったにもかかわら ず、局部的な機械的歪が生じたり、形崩れ等を起しやすく、巻鉄心2の磁気特性 を損なうという問題もあった。
【0007】 更に、磁性薄帯は前記のように、焼鈍により非常に脆くなっているので、巻鉄 心2をコイル1に組込むようなとき、あるいは、巻鉄心2の組立後その巻鉄心2 を用いて変圧器8の組立る場合、巻鉄心2の積層端面等に外力が加えられたりす ると、簡単に巻鉄心2の角部や積層端面が欠損したり剥落して破片が生じる。こ の破片は前記巻鉄心2の組立後にコイル1の鉄心挿入孔内に残留していると、変 圧器の運転中、絶縁油の対流に乗じて漂遊し、コイル1の層間に侵入したりする と、層間短絡事故を誘発するという問題があった。
【0008】 本考案は、前記の問題点に鑑み、磁性薄帯を巻回した巻鉄心を有する変圧器に おいて、前記巻鉄心に具備されたコイルの巻鉄心に対する押圧を迅速・確実に行 い、コイルの弛みによる弊害を排除し、鉄心特性が良好で信頼性に優れた変圧器 のコイル押え装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本考案は、前記の目的を達成するために、磁性薄帯を巻回してなる巻鉄心にコ イルを具備した変圧器において、コイルの軸方向の端面と、該端面と対応する巻 鉄心の窓内の端部との間に、巻鉄心の幅寸法より長い絶縁性のスペ−サを介挿す るとともに、前記巻鉄心の継鉄部側において、スペ−サと巻鉄心の窓内端部との 隙間に、巻鉄心の幅寸法と同一もしくは寸法をやや短くした楔を圧入してコイル と巻鉄心との固定を行い、つづいて、コイルから外方に突出する巻鉄心の上,下 継鉄部の各積層端面には、巻鉄心の窓内からコイルの端面上に突出するスペ−サ のみと係合する係合孔を備えて巻鉄心の積厚寸法よりやや長くした高さ寸法を有 する肉厚で、かつ、コイル押えを兼用する機械的強度に優れたプレスボード等か らなる絶縁体を配置し、この状態で、巻鉄心の上,下継鉄部の外周側から、コ字 状に曲成した上,下の各クランプ金具を、前記絶縁体を巻鉄心の積層端面との間 で挟持させた状態で配置し、これら上,下の各クランプを締付バンドによりコイ ルの軸方向両端に絶縁体を介して押圧・固定するように構成したので、その作用 は次のとおりである。
【0010】
【作用】
本考案は、前述したように構成されているので、例えば、巻鉄心にコイルを具 備させてから巻鉄心を次工程に移動するようなときに生ずる振動等によって巻鉄 心の窓内に圧入した楔は、前記振動等により窓内の外に抜脱しようとするが、前 記楔が抜脱しようとする巻鉄心の積層端面側には、コイル押えを兼ねた絶縁板の 存在により、前記楔が抜脱するのを確実に防ぐストッパーの役目を果しているた め、楔の弛みや抜脱に伴って鉄心特性が低下するという弊害を確実に防ぐことが できる。
【0011】 又、前記楔が抜脱するのを阻止するストッパーの役目を果す絶縁体は、巻鉄心 の積層端面を被覆する大きさに設けられているので、前記絶縁体の存在によって 、焼鈍により脆くなっている巻鉄心の積層端面に外力が加えられるのを効果的に 保護して、磁性薄帯の破片が発生するのを抑制することができるとともに、絶縁 体をコイルの軸方向端面とクランプ金具との間に介在させることにより、前記絶 縁体の高さ寸法が巻鉄心継鉄部の積層厚に比べて長く形成してあるため、この結 果、前記クランプ金具を巻鉄心の外周と当接させることなく固定することが可能 となる。従って、巻鉄心は締付バンドによる締付力が加えられることが全くない ので、巻鉄心に機械的な歪や損傷を与えるといった問題を確実に解決することが できる利点もある。
【0012】
【実施例】
以下、本考案を図1ないし図12において、1ターンカット方式の巻鉄心に実 施した例について説明する。 図1において、例えば、非晶質磁性合金薄帯(以下、磁性薄帯という)11を 円形状の巻枠12に所定回数連続して巻取り、円形状の巻層体13を形成する。 次に図2で示すように、巻層体13から巻枠12を取外し、この巻層体13の一 部を2分割した締付板14,14とボルト15とで締付・固定し、この状態で、 図示しない切断装置により締付板14,14及び巻層体13を切断線16に沿っ て切断する。つづいて、前記2分割した締付板14,14の一方を巻層体13か ら取外し、図3のように、切断された巻層体13を直線状に展開して展開積層体 17を形成する。そして、該積層体17の上,下面には、巻鉄心の内側及び外側 の補強枠X,Yを形成するための板状のけい素鋼帯が、内側補強枠Xは1ターン を形成しない範囲で、外側補強枠Yは1ターンを少し越えた長さ寸法でもって前 記展開積層体17と一体に積層する。そして、前記展開積層体17の締付板14 ,14にて拘束される一方の切断面は、展開積層体17の長さ方向に対して直角 となっており、又、自由端となっている他方の切断面は、展開積層体17の長さ 方向に対して傾斜しており、これによって長さが順次大きくなる多数枚の磁性薄 帯11を直線状に積層した状態にする。そして、前記図3の状態から図4で示す ように、磁性薄帯11を複数組に分割し、かつ、それぞれ1枚毎に所定寸法で長 さ方向に順次ずらし、これにより、多数の磁性薄帯11が積層され、かつ、両端 を階段状にずらした積層ブロック18を形成する。前記積層ブロック18は矩形 状に成形加工すべき所定の厚み毎に巻鉄心をその径方向に複数に分割できるよう にした単位積層ブロックを構成するもので、図4のように、前記巻鉄心の各層毎 にその周長及び厚さに応じた寸法を有する複数組の前記単位積層ブロック81, 82,83を形成する。
【0013】 次に前記積層ブロック18を矩形成形する場合は、図5で示すように、2分割 した矩形状の成形金型19の外周に沿って前記単位積層ブロック81,82,8 3をその内側となる部分から順次重ね合わせ、四方から押圧板20を押し当てて 図示しないプレスにより押圧することによって、単位積層ブロック81,82, 83を矩形状に成形加工して巻鉄心Tを形成する。前記矩形成形した積層ブロッ ク18は、外側補強枠Yの重合部分を粘着テープ等図示しない周知の結束手段に より固定して矩形状態を維持させ、この状態で、図示しない励磁コイルを巻装し て焼鈍炉に入れ、励磁コイルに通電を行いながら所要温度で歪取り焼鈍を行う。 焼鈍後は図6で示すように、巻鉄心Tの各単位積層ブロック81,82,83を 、その接合部bにおいて開放して巻鉄心TをU字状に整形し、この状態で、同図 のように、前記U字状をなす各単位積層ブロック81,82,83をコイル22 の鉄心挿入孔121にそれぞれ挿入して組込み、この後、図7で示すように、コ イル22の軸方向端面と巻鉄心Tの継鉄部T1,T2が位置する窓W内端部との 間に巻鉄心Tを形成する磁性薄帯11の幅寸法より長くした所定厚さの絶縁性の スペ−サ23,24を突出させて介在させた状態で、巻鉄心Tの内側となる単位 積層ブロック81,82,83から順次開放された両端部を内側に折り曲げ、傾 斜面をなす両端面を互いに突き合わせ等を行い、前記接合部bを再接合すること によって図8に示すように、再度矩形状の巻鉄心Tを組立てる。そして、巻鉄心 Tの最外周に配置したけい素鋼帯からなる外側補強枠Yの重合部は、その解離防 止をはかるために、例えば、耐油性の接着テープを貼着するか、あるいは、スポ ット溶接等を行って固定する。なお、前記絶縁スペーサ23,24は接着剤を塗 布してコイル22の端面に貼着するようにしてもよい。
【0014】 そして、前記コイル22を用いて巻鉄心Tの組立を行ったあと、図7,8で示 すように、巻鉄心Tの上部継鉄部T1側において、前記スペ−サ23と窓W内の 上端部との間に形成される狭隘な隙間sに、図9で示すように、巻鉄心Tを構成 する磁性薄帯11の幅寸法に相当する長さ寸法で形成した楔25を、接着剤を塗 布して窓W内から突出しないように圧入する。この楔25の圧入に際しては、隙 間sが絶縁性スペ−サ23とけい素鋼帯からなる内側補強枠Xとによって形成さ れているので、楔25は焼鈍により非常に脆くなっている磁性薄帯からなる巻鉄 心Tに機械的歪を与えたりコイル22端面の絶縁を損傷することなく、円滑・良 好に圧入することができる。この結果、巻鉄心Tはコイル22に揺動することな く固定することができる。なお、楔25は下部継鉄部T2側にも圧入するように してもよい。
【0015】 次に、前記のようにして構成した巻鉄心Tを用いて図10,図12で示す変圧 器35を組立る手順について説明する。先ず、最初に巻鉄心Tのコイル22から 突出している上,下の継鉄部T1,T2の積層端面に接着剤を事前に塗布した絶 縁紙(図示せず)を貼着して継鉄部T1,T2の積層端面を被う。この場合、必 要に応じてシリコンゴムやウレタンゴム等弾力性に優れた絶縁部材を用いて前記 継鉄部T1,T2の積層端面を被うようにしてもよいことは勿論である。つづい て、前記絶縁処理を施した継鉄部T1,T2の積層端面の外側には、図9で示す ように、スペ−サ23,24と対応する下端(上端)面に、該スペ−サ23,2 4と係合するコ字状の係合孔26を切欠いたプレスボードや合成樹脂等からなる 板状の絶縁体27,28を、図10のように、当接させて係合孔26にスペ−サ 23,24を係合させる。そして、この状態で、巻鉄心Tの外周方向から上,下 継鉄部T1,T2に対して、コ字形に成形加工した上部及び下部のクランプ金具 29,30を絶縁体27,28の外側から遊合する。
【0016】 この際、前記絶縁体27,28はその高さ寸法がコイル22の軸方向の端面か ら継鉄部T1,T2の外周縁までの高さ寸法より長く形成されていることにより 、巻鉄心Tは図10に示すように、絶縁体27,28の介在によって、上,下部 のクランプ金具29,30とは外周縁が接衝することなく、浮上した状態でコイ ル22に保持されることとなる。前記のようにして、上,下部のクランプ金具2 9,30を巻鉄心Tに遊合したあと、下部クランプ金具30側から図10のよう に、締付バンド31を、透孔(図12参照)32を利用してコイル22の鉄心挿 入孔121と巻鉄心Tの脚鉄部T3との間を貫通させ、図12で示すように、上 部クランプ金具29の透孔32から引出して該クランプ金具29上で結着する。 この結果、前記上,下部のクランプ金具29,30は、締付バンド31の締付力 により絶縁体27,28を介してコイル22の軸方向端面側に押圧保持されるも のの、前記絶縁体27,28の介挿によって前記締付力が巻鉄心Tに作用しない ように構成されているため、巻鉄心Tには締付バンド31の締付力が全く作用す ることがないので、巻鉄心Tはその磁性薄帯11が備えた優れた磁気特性を有効 に保持することができる。しかも、前記上,下部のクランプ金具27,28を締 付バンド31の締付力を利用してコイル22側に押圧保持させることにより、前 記コイル22は巻鉄心Tの窓Wに嵌着したスペ−サ23,24及び楔25の存在 と相まって、前記巻鉄心Tに揺動不能に固定・支持することができる。
【0017】 その上、絶縁体27,28はクランプ金具29,30とコイル22の軸方向端 面との間で強固に押圧保持されているので、巻鉄心T継鉄部T1,T2の積層端 面を、前記コイル22を固定・支持する絶縁体27,28により、外部とは遮蔽 された状態で被覆することができるため、巻鉄心Tに外力が加えられた場合でも 、継鉄部T1,T2積層端面は前記絶縁体27,28の存在により保護されてお り、磁性薄帯11が外力により欠落して破片が生じるという事態を確実に解消す ることができる。更に、巻鉄心Tの窓W内の端部とスペ−サ23との間の狭隘な 隙間sに圧入した楔25は、図11で示すように、前記隙間sが絶縁体27を継 鉄部T1の積層端面に当接させることによって閉鎖することが可能となるため、 巻鉄心Tを移動させたり、変圧器35の組立に際し、巻鉄心T自体に外部から振 動や衝撃力が伝達されて前記楔25が窓W内から抜脱しようとしても、図12の ように、絶縁体27がスペ−サ23と係合して窓Wを完全に閉じているので、楔 25の抜脱によってコイル22の固定が弛み巻鉄心Tの鉄心特性に悪影響を与え るという問題も全く生じない。
【0018】
【考案の効果】
本考案は以上説明したように構成されているので、コイルを具備した巻鉄心を 変圧器の組立に際して移動させたり、変圧器の組立中において、前記巻鉄心に振 動や衝撃力が伝播されたとしても、巻鉄心の窓内に圧入した楔は、巻鉄心の継鉄 部積層端面を前記窓を被うように当接した絶縁体によってその移動が完全に阻止 されているので、巻鉄心をコイルに固定・支持する楔の抜脱に伴う鉄心特性の低 下を確実に回避することができる。
【0019】 又、本件考案は、前記楔の抜脱を阻止する絶縁体が、コイルから露出する巻鉄 心の継鉄部外周縁の外側に突出させた状態でその積層端面を被うことができるよ うに形成されており、しかも、巻鉄心に取付けられるクランプ金具は、巻鉄心と 接衝することなく、前記絶縁体をコイル側に圧接した状態で該巻鉄心に具備させ ることが可能であるため、前記クランプ金具の取付けに伴う力が巻鉄心に全く加 わることがないので、前記楔の抜脱に伴う弊害の回避と相まって、鉄心特性を著 しく向上させた信頼性に優れた変圧器を提供することができる。
【0020】 その上、本考案はコイルから露出している巻鉄心の継鉄部積層端面が前記絶縁 体によって完全に被覆されているので、変圧器の組立時に外力が加えられたり、 輸送時に生ずる振動等によって、巻鉄心の欠損、剥落等によって生ずる巻鉄心の 品質低下や磁性薄帯の破片の存在によって発生する弊害を確実に防ぐことができ る。
【図面の簡単な説明】
【図1】非晶質磁性合金薄帯の巻回状態を示す説明図で
ある。
【図2】巻層体の切断状態を示す説明図である。
【図3】巻層体を展開した状態を示す展開積層体の説明
図である。
【図4】展開積層体を単位積層ブロックに分割した状態
を示す説明図である。
【図5】展開積層体の矩形成形状態を示す説明図であ
る。
【図6】巻鉄心をコイルに挿入した状態を示す説明図で
ある。
【図7】巻鉄心の組立途中を示す説明図である。
【図8】巻鉄心を巻線に組立てた状態を示す正面図であ
る。
【図9】本考案における巻鉄心とコイルとを固定する態
様を示す斜視図である。
【図10】本考案装置によって変圧器を組立てた状態を
示す正面図である。
【図11】図10のA−A線において切断した本考案装
置の要部拡大断面図である。
【図12】本考案装置を用いて製作した変圧器の斜視図
である。
【図13】従来の巻鉄心とコイルとの固定状態を示す巻
鉄心要部の斜視図である。
【図14】従来のコイル固定装置を採用した変圧器の斜
視図である。
【符号の説明】
11 非晶質磁性合金薄帯 22 コイル 23 スペ−サ 24 スペ−サ 27 絶縁体 28 絶縁体 29 クランプ金具 30 クランプ金具 35 変圧器 T 巻鉄心 s 隙間 W 窓孔

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 巻鉄心に具備したコイルの軸方向端面
    と、巻鉄心の継鉄部側に位置する窓内の端部との間に、
    巻鉄心の窓内から突出する長さを備えた絶縁スペ−サを
    介在させるとともに、前記コイルの端部側に位置するス
    ペ−サと窓内の端部との間の狭隘な隙間には、更に、前
    記窓内から突出しない長さで形成した楔を圧入し、前記
    巻鉄心の継鉄部の積層端面に、前記絶縁スペ−サと係合
    させた絶縁体を当接し、この絶縁体を巻鉄心に取付けら
    れるクランプ金具によりコイル側に圧接して巻鉄心の積
    層端面側に保持させるようにしたことを特徴とする変圧
    器のコイル押え装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015046456A (ja) * 2013-08-28 2015-03-12 株式会社ダイヘン アモルファス巻鉄心変圧器

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