JP2764477B2 - 巻鉄心変圧器及びその製造方法 - Google Patents

巻鉄心変圧器及びその製造方法

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JP2764477B2
JP2764477B2 JP11414491A JP11414491A JP2764477B2 JP 2764477 B2 JP2764477 B2 JP 2764477B2 JP 11414491 A JP11414491 A JP 11414491A JP 11414491 A JP11414491 A JP 11414491A JP 2764477 B2 JP2764477 B2 JP 2764477B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非晶質磁性合金薄帯か
らなる1ターンカット形の巻鉄心を用いた変圧器及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、配電用変圧器等に用いる巻鉄心に
は、鉄心材料として非晶質磁性合金薄帯(以下、単に磁
性薄帯という。)を用いることが種々検討されている。
この磁性薄帯は磁性合金の融体を超急冷して製造するも
ので、鉄損が非常に小さく優れた磁気特性を備えてい
る。そして、前記磁性薄帯からなる巻鉄心を用いて例え
ば、配電用の変圧器を製造する場合には、磁性薄帯を連
続巻回してなる接合部を全く有しないノーカット方式の
巻鉄心を採用していることが多い。ところが、前記ノー
カット方式の巻鉄心は、巻線を鉄心に直接巻付けしなけ
ればならないので、巻線作業は手間等がかかるととも
に、巻線内側の絶縁シリンダ内に占める鉄心の占有率を
良好に保つうえから、鉄心断面を円形に近い段付構造と
していたので、巻鉄心の製造工程が複雑化する。その
上、巻線自体も特殊な治具を用いて巻回していたので、
必然的に径寸法が大きくなり、変圧器全体が大形化し、
その重量が嵩むばかりか、製造コストを必然的に高くす
る等の問題があった。
【0003】一方、巻線に1ターン毎に切断した磁性薄
帯を順次挿入していく1ターンカット方式の巻鉄心を使
用する場合もある。この巻鉄心は、例えば、磁性薄帯を
1ターン毎に切断した単位鉄心を複数枚(数+枚)にま
とめて単位積層鉄心を形成し、この単位積層鉄心を更に
複数層に積層して単位積層ブロック(以下、単に積層ブ
ロックと称する。)を形成し、巻鉄心の組立に際して
は、前記積層ブロックを円形に巻回して単位積層鉄心の
両端を順次階段状にずらしながら突合せ又は重ね合わせ
て接合し、この積層ブロックを、更に、所要層数前記同
様に巻回積層して所定の積層厚となした1ターンカット
方式の巻鉄心を構成していた。
【0004】前記のように構成した1ターンカット方式
の巻鉄心は、その突合せ等の接合部を継鉄部の一辺に位
置させて矩形状に成形した後、磁場焼鈍を行う。前記焼
鈍後、巻鉄心は各積層ブロック毎に前記継鉄部の接合部
を開き、図25で示すように、各積層ブロック1a,1
bを巻線2の鉄心挿入孔2aに順次組込み、各積層ブロ
ック1a,1bの接合部3を再び接合することにより、
その磁気回路と導電回路の鎖交結合を終えて巻鉄心4の
組立を行っていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来技
術によって1ターンカット方式の巻鉄心を製造する場合
には、次のような種々の問題点があった。
【0006】(1) 磁性薄帯は剛性に乏しく、しか
も、焼鈍により非常に脆弱化しているので、前記のよう
に、各積層ブロック毎に順次巻線に挿入して鉄心組立を
行う場合、前記積層ブロックが巻線と衝接したり、既に
巻線に組込まれている積層ブロックと衝突したり、ある
いは、巻鉄心の組立後その巻鉄心を用いて変圧器組立を
行う際、鉄心の積層端面等に外力が加えられたりする
と、簡単に巻鉄心の角部や積層端面が欠損したり剥落し
て破片が生じる。この破片は前記巻鉄心の組立後に巻線
の鉄心挿入孔内等に残留していると、変圧器の運転中、
絶縁油の対流に乗じて漂遊し、巻線の層間に侵入して層
間短絡事故を誘発するという問題があった。
【0007】(2) 又、前記のように、磁性薄帯は剛
性に乏しいため、巻鉄心組立に当り、積層ブロックを個
々に分割して組立る場合、図25で示すように、矩形成
形時の形状を一旦崩し、各積層ブロック毎に鉄心をその
接合部3側において大きく開拡して鉄心組立を行ってい
たので、既に巻線に挿入した積層ブロックが自重変形を
起こしたり、内部歪等が生じて磁気特性に悪影響を与え
ることがあるため、組立作業は細心の注意をはらって行
う必要があり、この種巻鉄心を用いての変圧器組立作業
を円滑に、かつ、効率的に行えない問題があった。
【0008】(3) 更に、磁性薄帯は極薄に製造され
ており、しかも、焼鈍によって脆弱化しているので、各
積層ブロックを順次巻線に組込んだ場合、自立性に極め
て乏しく、腰砕けの状態になってしまうことが多い。こ
のため、巻線に挿入した前層の積層ブロックを、次層の
積層ブロックが挿入されるまでの間、特殊な治具等を用
いて自立させておく必要があった。従って、巻鉄心の組
立効率が非常に悪く、この種巻鉄心及びこの巻鉄心を用
いた変圧器の量産性を阻む大きな要因となっていた。
【0009】本発明は、前記の問題点を解消し、鉄心組
立時において外力による磁性薄帯の剥離及び欠損防止を
確実にはかり、磁性薄帯の破損に伴う破片の発生を阻止
するとともに、巻鉄心自体に自立性を具備させることに
よって、磁気特性及び生産性に優れた巻鉄心変圧器及び
その製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、磁性薄帯を1
ターンカット方式で巻回した巻鉄心素体の内,外周面
に、磁性薄帯より板厚が厚い、例えば、けい素鋼帯から
なる必要数の補強枠を配置し、この状態で、前記巻鉄心
素体を矩形状に成形加工して磁場焼鈍を行って巻鉄心を
形成し、この磁場焼鈍後、巻鉄心の内周面に配設した複
数の補強枠のうち、最内周部に位置する補強枠の一部を
一旦除去する。つづいて、前記巻鉄心の接合部を有しな
い下部継鉄部には、脚鉄部と繋がる2つのコーナー部
と、このコーナー部間に存在する直線部の3ヶ所に、絶
縁油と良好に適合して耐熱性及び可撓性に優れた多孔性
に富む樹脂製の不織布からなる絶縁部材を、巻鉄心素体
と内,外の補強枠との間に前記継鉄部の積層端面が外部
に露出することなく完全に被うことができるように介在
させて仮止する。
【0011】つづいて、前記巻鉄心の脚鉄部には、焼鈍
により脆弱化しているこの脚鉄部の積層端面の剥離防止
と脚鉄部自体の剛性強化を図るうえから、例えば、常温
硬化性の接着剤を所定の間隔を空けて部分的に塗布し、
この状態で、絶縁紙等薄葉の絶縁物を、その長さ方向の
一方の端部が、前記絶縁部材の下に潜り込ませた状態
で、脚鉄部全体を包み込むように貼着し、この後、粘着
テープで磁性薄帯にストレスを与えない程度に巻締して
絶縁補強部を形成する。
【0012】次に、前記巻鉄心の接合部を利用してこの
接合部を有する上部継鉄部側を、脚鉄部と同一線上の方
向に平面形状がU字形となるように開放し、前記開放さ
れた継鉄部を利用して前記除去した補強枠を備えた巻線
を前記開放された継鉄部から脚鉄部に嵌め込み、このあ
と、開放された前記継鉄部を、その接合部において再度
接合して巻鉄心を矩形状態に再度形成する。この前記開
放された継鉄部の再形成時、接合部を有しない下部継鉄
部と同様に、絶縁部材を最内周の補強枠と巻鉄心との間
に介在させて継鉄部の再接合を行い、更に、接合後は前
記同様に外周面側の補強枠と巻鉄心との間にも前記絶縁
部材を介在させる。
【0013】そして、巻線を組込んだ後、仮止されてい
る絶縁部材を開き、巻鉄心の上,下に位置する継鉄部の
各積層端面に、例えば、常温硬化性の接着剤を塗布し、
この後、前記仮止めを解いた絶縁部材を含め、各継鉄部
に介在させた絶縁部材を、接着剤を塗布した継鉄部の積
層端面に貼着し、この積層端面を外部と完全に遮蔽して
被い包み込むことにより、継鉄部に絶縁被覆部を形成し
て巻鉄心を巻線に組込むための作業を完了するようにし
たことを特徴とする。
【0014】
【作用】本発明によれば、磁性薄帯を巻回した巻鉄心の
内,外周面に、磁性薄帯と異なる材料からなる補強枠を
備え、脚鉄部には磁性薄帯の破損を防ぐために絶縁物を
巻装して絶縁補強部を形成し、更に、継鉄部は、その積
層端面を巻鉄心の内,外の補強枠と巻鉄心の内,外周面
との間に介在させた絶縁被覆部にて外部に露出しないよ
うに包み込むことにより、焼鈍によって脆弱化している
巻鉄心に、その組立時において外力が加えられたり、移
送時に機械的振動等が伝達された場合、前記巻鉄心の
内,外周面及び積層端面側に配設した補強枠や絶縁被覆
部によって緩衝的に受止めることが可能となり、巻鉄心
が損傷して磁性薄帯の破片が発生したり、内部歪が生ず
るのを防ぎ、磁性薄帯の特性を活した磁気特性に優れた
巻鉄心変圧器を提供することができる。
【0015】又、巻鉄心自体は前記のように、衝撃に一
番弱い脚鉄部や継鉄部の積層端面が、絶縁補強部と絶縁
被覆部とにより外部に露出しないように完全に包み込ま
れて被覆されているので、巻鉄心を構成する磁性薄帯が
外力等により剥落して破片が生じても、この破片は巻鉄
心の内部に確実に封じ込めて外部に漏出することが全く
ないので、破片の発生によって生じる層間短絡事故等の
弊害を確実に解消することができる。更に、本発明にお
いては、巻鉄心の内,外周面に磁性薄帯よりも板厚の厚
い、例えば、けい素鋼帯からなる補強枠が配置されてい
るので、巻鉄心は剛性を高めることができることと相ま
って、その自立性を強化することが可能となり、巻鉄心
の組立に際し自重変形や形崩れを確実に防ぐことができ
る。この結果、巻鉄心を適当な厚さの単位積層ブロック
毎に分割して組立てるような必要は全くなく、巻鉄心を
継鉄部の接合部を利用してU字状に拡げた状態で、巻線
の鉄心挿入孔にほぼ1動作で嵌め込んで巻鉄心を組立る
ことができる。しかも、巻鉄心の継鉄部を包み込んでい
る絶縁被覆部は、可撓性に富む多孔質の不織布を使用し
ているので、緩衝性に優れ、巻鉄心の組立後、巻線から
露出している継鉄部の積層端面を完全に被覆することに
より、外力が加えられた場合、これを効果的に吸収して
巻鉄心に加わるストレスの緩和作用をなすことが可能と
なる等、巻鉄心の組立及びこの巻鉄心を用いて変圧器の
組立作業を行う際、磁性薄帯の破損を確実に防いで円滑
・良好な組立作業が行い得、磁性薄帯からなる巻鉄心の
生産性を著しく向上させることができる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図21に
より説明する。図2において、11は図示しない巻取機
に駆動連結した巻軸で、この巻軸11に円形の巻取枠1
2を着脱自在に取付け、前記巻取枠12を回転させて、
非晶質磁性合金薄帯(以下、磁性薄帯という)Tを巻取
枠12に1回分巻取る毎に切断装置13により、磁性薄
帯Tを切断しながら円形に所定回数巻回して1ターンカ
ット形巻鉄心の原形となる巻鉄心素体14を形成する。
なお、前記巻鉄心素体14の巻回に当っては、巻取枠1
2への巻回時において切断される磁性薄帯の単板が、前
記巻取枠12から脱落しないように、巻鉄心素体14の
周面にはガイドローラ15を介して図示しないゴムベル
トが巻掛けられている。
【0017】前記のようにして巻回した円形の巻鉄心素
体14は、その最外周に例えば、図示しない接着テープ
等を貼着し、円形状態を維持させながら、巻軸11から
巻取枠12とともに取外す。巻取機12から取外した巻
鉄心素体14は、図3で示すように、その外周面に磁性
薄帯Tより板厚の厚い、例えば、けい素鋼帯を1ターン
を少し越えて巻回し、その重合部を接着テープ等により
仮止めして外側の補強枠16を設ける。一方、内周面に
は巻取枠12を除去した後、同じく図3で示すように、
けい素鋼帯を用いて平面がほぼC形をなした内側補強枠
17(開口部分aを巻鉄心素体14の接合部bの位置と
対向させる。)と、1ターンを形成しない範囲でリング
状となした最内補強枠(先端の突合部分cを、内側補強
枠17の開口部分aの反対側に位置させる。)18とを
それぞれ挿入配置して巻鉄心素体14の円形状態を維持
させる。
【0018】なお、前記巻鉄心素体14の巻回に際し
て、巻取枠12の外周に、最内及び内側の各補強枠1
7,18を事前に取付けて磁性薄帯Tを巻回し、巻回後
に外側の補強枠16を形成することにより、巻鉄心素体
14を形成してもよい。
【0019】次に、前記円形の巻鉄心素体14を図4で
示すように、成形板19,20を介して油圧プレス等に
より、前・後及び左・右方向から同時に押圧して長円形
に変形する。そして、前記巻鉄心素体14を図4のよう
に、長円形に押圧保持させた状態で、巻鉄心の継鉄部に
相当する位置において、一対の成形金型21,22を、
該金型21,22に凹設した凹溝23を互いに向い合せ
て挿入配置し、この状態で、凹溝23,23間に下端を
上端に対して長さ寸法をやや短くしたテーパー状の型板
24,24(図5参照)をプレスにて凹溝23,23間
に圧入しながら、同時に長円加工した巻鉄心素体14を
成形板19,20により更に押圧を続行させて、図5で
示すように、矩形状に成形する。前記巻鉄心素体14を
矩形状に成形した後、成形板19,20を互いに図示し
ない締付ボルトを用いて固定し、図4のように矩形状に
枠組して成形保持枠25を形成させることにより、巻鉄
心素体14は成形板19,20の押圧を解除しても、前
記成形保持枠25と、成型金型21,22間に圧入した
型板24の押圧付勢力により、矩形状に良好に保持する
ことができる。又、外側補強枠16は1ターンを形成し
て矩形状に、内側補強枠17はU字状に、更に、最内補
強枠18は1ターンを形成しない範囲で矩形状に、それ
ぞれ巻鉄心素体14と同様に成形保持される。なお、成
形板19,20を用いて成形保持枠25を形成する代わ
りに、巻鉄心素体14を矩形成形したあと、別に設けた
成形保持枠に嵌合・保持させるようにしてもよい。
【0020】つづいて、図5に示すように、耐熱性の電
線を巻鉄心素体14の一方の脚鉄部dから前記成形保持
枠25にまたがって巻付けることにより、磁場焼鈍用の
励磁コイル26を設け、このあと、巻鉄心素体14を不
活性ガスを充満させた焼鈍炉に入れ、前記励磁コイル2
6に一定の電流を通電させると同時に所定の加熱温度で
磁場焼鈍を行う。磁場焼鈍後は図6のように、巻鉄心素
体14から励磁コイル26を除去し、かつ、成形保持枠
25を解体し、更に、成型金型21,22の凹溝23,
23から型板24を抜取り、該成型金型21,22とと
もに巻鉄心素体14から除去することによって前記巻鉄
心素体14の矩形保持状態を解き、巻鉄心27を形成す
る。前記のように、磁場焼鈍を行うと巻鉄心27は、矩
形状態を維持するだけの形付が完了し、かつ、内,外の
補強枠16〜18の存在によって良好に矩形状態を保持
することが可能となる(図6参照)。
【0021】次に、前記巻鉄心27から一旦、最内補強
枠18及び内,外の補強枠16,17を図7のように取
外し、該巻鉄心27の特性試験を行う。この場合、巻鉄
心27の型崩れを防ぐために、図6のように、内,外の
補強枠16,17等を巻鉄心27に具備させたまま前記
特性試験を実施してもよいことは勿論である。つづい
て、前記特性試験を終えた巻鉄心27に内,外の補強枠
16,17のみを再配置する。前記補強枠16,17を
再配置する場合は、図8に示すように、巻鉄心27の接
合部bを有する上部継鉄部eの反対側に位置する下部継
鉄部fを絶縁被覆部50によりあらかじめ仮止め状態で
被覆しておく。
【0022】前記絶縁被覆部50の形成に際して、前記
継鉄部fのコーナー部においては、図14,図15で示
すコーナー覆布51,52を用いて被覆する。即ち、図
14で示すコーナー覆布51は、平面形状が恰度三味線
の撥状をなし、基部の舌片51aを継鉄部f内側のコー
ナー部に接着剤等により貼着して扇形の広幅部分を図8
に点線で示すように、継鉄部fのコーナー部外側に向け
て折畳むことにより、継鉄部fコーナー部の積層端面上
を覆う。一方、図15で示すコーナー覆布52は、扇形
状に形成され、要部分は継鉄部fの内側コーナー部に沿
って切欠52aが設けられており、外周側は、外側コー
ナー部の縁部と合致する位置(図15の(B)で示す点
線部分)で前記コーナー部に沿ってほぼ直角に折曲す
る。なお、コーナー部に沿って弧状に折曲する場合、折
り曲げを容易にするために、折曲部分52bに切込52
cを適当数設けるとよい(図15の(B)参照)。前記
のようにして形成したコーナー覆布52は、折曲部分5
2bを継鉄部fの外側コーナー部の周面に接着剤等を用
いて貼着したあと、扇形部分52dを継鉄部fコーナー
部の積層端面上に折畳んで、前記コーナー覆布51の上
に折り重ねる(図8及び図13(B)参照)。前記のよ
うに、継鉄部fの一方のコーナー部積層端面をコーナー
覆布51,52により包み込むように被覆したあと、も
う一方の継鉄部fコーナー部も同様にしてコーナー覆布
51,52にて包み込む。このように、継鉄部fのコー
ナー部を覆布51,52により被覆した後、残る継鉄部
fの直線部分は、図8で示すように、コーナー覆布52
の縁部と重合させた状態で、帯状に形成した直線部覆布
53を、1ターンを少し越えてた範囲で巻回して前記継
鉄部fの直線部全体を包み込んで覆う。なお、前記コー
ナー覆布51,52及び直線部覆布53は、前記のよう
にして、継鉄部fを被覆した時点では、接着テープ等を
用いて継鉄部fに再度開放できるよう仮止めする。又、
各コーナー覆布51〜53は巻鉄心27の継鉄部fとの
なじみを良好にする関係から、耐熱性及び可撓性に優
れ、かつ、絶縁油と良好に適合する多孔性に富む樹脂性
の不織布、例えば、日本バイリーン株式会社で製造して
いる商品名「バイリーン」を使用している。しかし、本
発明は前記不織布に限定することなく、通常の絶縁紙か
らなる絶縁部材を用いて巻鉄心27の継鉄部fを被覆す
る絶縁被覆部を形成するようにしてもよいことは勿論で
ある。
【0023】次に、前記絶縁被覆部50を巻鉄心27の
継鉄部fに仮止めした後、図8で示すように、巻鉄心2
7の内周面側には前記焼鈍後一旦取外したU字状の内側
補強枠17を、その開口部分aを接合部bが位置する継
鉄部e側に向けて配設し、又、同様に、外側補強枠16
を巻鉄心27の外周面に当てがい、1ターンを形成させ
た状態で接合部bを備えた継鉄部eの外周で自由端を重
合して仮止めする(図8参照)。この結果、巻鉄心27
の継鉄部fを仮止め状態で被覆する各コーナー覆布51
〜53は、前記内,外補強枠16,17の配設により、
継鉄部fの積層端面を被った状態で、継鉄部fの内,外
周面に良好に挟持させることができる。なお、巻鉄心2
7の内,外周面にあらかじめ補強枠16,17を配置し
た状態で、鉄心特性の試験を行った場合は、コーナー覆
布51〜53を補強枠16,17と継鉄部fの内,外周
面との間に介挿して該継鉄部fを包み込むように被覆し
てもよい。前記の状態で、図9のように、矩形成形され
た巻鉄心27の窓内に、第2の成形金型28,29を継
鉄部e,f側に配置し、この第2の成形金型28,29
間に板状の型板30を凹溝30aを利用して圧入し、巻
鉄心27が外力等によって形崩れするのを防止する。第
2の成形金型28,29及び型板30によって巻鉄心2
7に形崩れしない処置を施したあと、図9で示すよう
に、巻鉄心27の脚鉄部dの積層端面の両側に、例え
ば、常温硬化性の接着剤を脚鉄部dの長さ方向に所定の
間隔を保って複数個所塗布して接着部31を形成する。
この接着部31を形成したあと、接着剤が硬化する前
に、脚鉄部d側に延出している絶縁被覆部50の端部と
重合する長さ寸法を備え、かつ、幅寸法でコ字状に折曲
した一対の比較的薄葉な絶縁紙の内側部分に前記同様の
接着剤を塗布し、この絶縁紙を図10及び図13(A)
で示すように、脚鉄部dの内,外周面の方向から脚鉄部
d全域を包み込むようにして脚鉄部dの積層端面上で、
貼着する。
【0024】前記絶縁紙は、該絶縁紙自体に塗布した接
着剤と、既に脚鉄部dの積層端面側に塗布した接着剤と
が良好に馴染み、脚鉄部dに移動不能に貼着することが
できる。このようにして、巻鉄心27の脚鉄部dに、脚
鉄部dの積層端面が、外部からの衝撃、あるいは、治具
等が当って焼鈍によって脆くなっている磁性薄帯が欠損
したり、剥落するのを防ぐための絶縁補強部32を形成
するものである。なお、必要に応じて絶縁補強部32が
脚鉄部dから剥離したり、位置ずれを起こすのを防ぐた
めに、脚鉄部dに貼着した絶縁紙の外側から、巻鉄心2
7にストレスを与えない程度の巻締力で粘着テープ33
を巻回接着させて絶縁補強部を形成するようにしてもよ
い。又、絶縁紙はコ字状に折曲する代りに、脚鉄部dに
1〜2回程度巻回したあと、この絶縁紙の外周から前記
のように、粘着テープを巻回接着させる等して絶縁補強
部を形成するようにしてもよい。更に、脚鉄部dに接着
部31を形成するのは、絶縁補強部32が移動するのを
防ぐためのものであり、従って、脚鉄部d全体に接着部
31を設ける必要はない。一方、前記絶縁補強部32を
形成する場合は、絶縁補強部32の長さ方向の端部を脚
鉄部d側に延出している絶縁被覆部50の端部と巻鉄心
27の積層端面上で重合させるために、前記絶縁被覆部
50の仮止めを一旦解き、絶縁補強部32の長さ方向の
端部を絶縁被覆部50の下側に潜り込ませて前記絶縁補
強部32を形成する。この際、絶縁被覆部50の脚鉄部
d側に延出している端部は、継鉄部fのコーナー部の
内,外周面に位置する部位が、接着剤等にて接着されて
解離することができないため、絶縁被覆部50を形成す
るコーナー覆布51,52の絶縁補強部32と重合する
部分の端部を、継鉄部fの積層端面と、内,外周面との
境界(角部)において設けた切込み51b,52e(図
14,図15参照)により、継鉄部fの積層端面から少
し引き離して絶縁補強部32の端部と重合させる。この
結果、巻鉄心27の脚鉄部dと継鉄部fの積層端面は、
前記絶縁補強部32と絶縁被覆部50によって外部と完
全に遮蔽して被うことができる。脚鉄部dに絶縁補強部
32を形成したあと、第2の成型金具28,29及び型
板30を巻鉄心27から除去する(図10参照)。
【0025】前記のように、巻鉄心27の脚鉄部dに絶
縁補強部32を形成することにより、巻鉄心27の脚鉄
部d及び継鉄部fは、その積層端面が外力等にて剥落す
るのを防ぐことができるとともに、内,外の補強枠1
6,17が存在していることと相まって、脚鉄部d自体
の剛性強化をはかることができる。このような状態で、
外側補強枠16の重合部(巻鉄心27の上部継鉄部eの
上端面)の仮止を再度解く。この場合、前記補強枠16
は自体の焼鈍温度より約半分の磁性薄帯Tの焼鈍温度で
焼鈍されている関係上、材料自体の弾性力が残存されて
いることにより、容易に開放でき巻鉄心27の脚鉄部d
とほぼ同一線上の位置まで拡げることができる。一方、
磁性薄帯Tを巻回した巻鉄心27は、その接合部bが位
置する継鉄部eを、前記接合部bの位置で開放する。即
ち、巻鉄心27を図10の矩形状態から図11で示すよ
うに、継鉄部eを脚鉄部dとほぼ同一線上の位置まで平
面形状がU字状となるように開く。この場合、磁性薄帯
Tは外側補強枠16を構成する、例えば、けい素鋼帯に
比べその板厚は約1/10以下であるため、巻鉄心27
自体に内部歪みをほとんど生じさせることなく、容易に
外側補強枠16の開放位置まで拡げることができる。
又、前記の継鉄部eの開放作業は、巻鉄心27の脚鉄部
dに形成した絶縁補強部32、巻鉄心27の外周面に配
置した外側補強枠16及び内周面に配置したU字状の内
側補強枠17によって、巻鉄心27は剛性が十分に保持
されており、しかも、脚鉄部d及び下部継鉄部fは、そ
の積層端面が絶縁補強部32と絶縁被覆部50とにより
外部と完全に遮蔽された状態で包み込まれて被覆されて
いるため、巻鉄心27は自重変形や形崩れ、あるいは、
積層端面に剥落現象等を発生させることなく、円滑・良
好に巻鉄心27の接合部bを有する継鉄部e側を開くこ
とができる。
【0026】一方、巻鉄心27に組込まれる巻線34に
は、図11,12で示すように、巻鉄心27の特性試験
の際に取外しておいた1ターンを形成しない範囲で矩形
状に形成した最内補強枠18を、鉄心挿入孔35の最内
側に、図11で示すように、矩形状に成形した状態で事
前に嵌め込んでおく。前記の状態で、U字状に開放した
巻鉄心27を、その開放した継鉄部eの接合部bを図1
1,12のように、巻線34の鉄心挿入孔35と相対向
させながら、巻線34の鉄心挿入孔35に巻鉄心27を
接合部bを備えた継鉄部e側から一気に嵌め込む。この
場合、巻鉄心27は脚鉄部dに磁性薄帯Tの剥離防止と
剛性強化を兼ねた絶縁補強部32が構成されており、し
かも、巻線34側にはその鉄心挿入孔35内に最内補強
枠18が配置されていることと相まって、例えば、巻鉄
心27を図11において巻線34側に押動して嵌め込ん
だ場合、巻鉄心27は、最内補強枠18及び外側補強枠
16がガイドの役目を果し、巻鉄心27の磁性薄帯Tが
巻線34と衝接することなく前記補強枠18が絶縁補強
部32と、又、外側補強枠16が鉄心挿入孔35とそれ
ぞれ摺接して継鉄部eから脚鉄部dにかけてほぼ1動作
で巻線34に嵌挿して巻鉄心27の組込を行うものであ
る。このように、巻鉄心27の組込みに際し、巻鉄心2
7には脚鉄部dに絶縁補強部32が設けられているの
で、巻線34の嵌め込みに当り、自重変形したり、磁性
薄帯Tが剥落するということもなく、迅速・容易に巻線
34への嵌め込み作業を行うことができる(図16参
照)。
【0027】前記U字状に開いた巻鉄心27を図16で
示すように、巻線34に嵌め込んだ後、巻線34の軸方
向の端部と、最内補強枠18との間の空所には、図17
で示すように、絶縁物からなるスペーサ36,37(ス
ペ−サ36は37に比べ板厚の薄いものを用いる。)を
挿入し、つづいて、開放された巻鉄心27の継鉄部eの
最内層部分から、順次開放前の状態(内側)に折り曲
げ、その開放部片gを図17に示すように、互いに再接
合することにより、接合部bを再度形成する。その際、
即ち、図17で示すように、例えば、最初に開放部片g
の再接合を行った直後において、この再接合を行った継
鉄部eの最内層と、最内補強枠18との間には、継鉄部
fを絶縁被覆部材50で被ったときと同様に、図14で
示すコーナー覆布51の舌片51aをそれぞれ挟持(接
着剤又は粘着テープを用いて止着する)させるととも
に、継鉄部eの直線部分に相当する部位にも、同様に直
線部覆布53を該継鉄部eに巻掛可能に挟持・介挿させ
る。この場合、各覆布51,53は残余の開放部片gの
再接合作業の邪魔にならないよう、例えば、巻線34の
外周面側に仮止めしておくとよい。前記のように、コー
ナー覆布51及び直線部覆布53を挟持させた後、残り
の開放部片gの再接合を行い、継鉄部eの最外周の接合
作業が終了した時点で、この継鉄部e最外周部のコーナ
ー部に、コーナー覆布52の折曲部分52bを接着剤に
より貼着する(図19参照)。なお、継鉄部eの再接合
後は、外側補強枠16の自由端を重合して止着するまで
の間、接合部bの最外周をテープ等で仮止を行い、接合
部bが解離するのを防ぐ。
【0028】前記のようにして、巻鉄心27の継鉄部e
の再接合が終了した時点で、もう一方の継鉄部fに仮止
されていた絶縁被覆部50の仮止めを解き、絶縁被覆部
50を構成しているコーナー覆布51,52及び直線部
覆布53を、図19で示すように、折畳み部分を継鉄部
e,fの積層端面Zから引離す方向に拡げる。そして、
前記積層端面Z及び各覆布51〜53のそれぞれ相対応
する位置に接着剤を塗布し、この後、図13(B)で示
すように、最初に、前記コーナー覆布51の扇形部分を
各継鉄部e,fのコーナー部分に位置する積層端面上に
折畳み貼着する。つづいて、もう一方のコーナー覆布5
2の扇形部分52dを前記コーナー覆布51の上に折り
重ねて貼着する。前記のように、各継鉄部e,fのコー
ナー部の積層端面にコーナー覆布51,52を折り重ね
て貼着してから、残る直線部覆布53の自由端を継鉄部
e,fの直線部積層端面上で重ね合せて貼着する。な
お、直線部覆布53は、あらかじめ継鉄部e,fの直線
部分に1ターンを少し越えて巻掛けてあるため、自由端
側を除く巻掛部分と対応する継鉄部e,fの積層端面に
は、直接接着剤を塗布することができないので、覆布5
3の自由端側をその対応する積層端面に貼着して継鉄部
e,fに巻付けた後、前記巻掛部分(覆布53部分)の
外側から接着剤を塗布して前記巻掛部分をその対応する
継鉄部e,fの積層端面に貼着することにより、絶縁被
覆部50を形成する。又、必要がある場合は、各コーナ
ー覆布51,52及び直線部覆布53を継鉄部e,fに
貼着した後、各覆布51〜53の上から接着剤を塗布し
て、覆布51〜53と各継鉄部e,fの積層端面との接
着効果を更に高めるようにしてもよい。
【0029】更に、前記各コーナー覆布51,52及び
直線部覆布53は、それぞれ継鉄部e,fの積層端面に
貼着した場合、各縁部がそれぞれ相対応する部材の縁部
と重合する寸法で形成されており、しかも、各覆布51
〜53にて形成した絶縁被覆部50と絶縁補強部32と
の縁部も互いに重合するように形成してあるため、図1
8で示すように、巻鉄心27の各継鉄部e,fに、前記
のようにして絶縁被覆部50を形成することにより、継
鉄部e,fの積層端面は、前記絶縁被覆部50により完
全に包み込まれて外部と確実に遮蔽された状態で被うこ
とができる。つづいて、巻鉄心27の外周に配置した外
側補強枠16の自由端を接合部が位置する継鉄部eの外
周面において重合し、この部位をスポット溶接等にて止
着することにより、図20,21で示すように、巻鉄心
27の巻線34への組立作業を終える。前記外側補強部
16の重合部を止着したあと、スペ−サ36と最内補強
枠18との間の隙間に、楔38を嵌入して巻線34を巻
鉄心34の窓内において固定することは勿論である。前
記巻鉄心27の接合部bの再接合に際しては、脚鉄部d
が、絶縁補強枠32及び内,外の補強枠16,17,1
8にて強固に固定保持されているので、変形やずれ等を
起こすこともなく再接合作業を精度よく、かつ、磁性薄
帯Tの破片を生じさせることもなく、迅速・確実に行う
ことができるとともに、楔38の嵌入に当っては、最内
補強枠18が介在させてあるため、嵌入時の衝撃等を緩
和させ、接合部bや絶縁被覆部50を形成する絶縁部材
が衝撃によって悪影響が及ぶのを回避することができ
る。又、巻鉄心27の積層端面は、絶縁補強部32と、
前記絶縁被覆部50とによって完全に包み込まれて被覆
され、かつ、巻鉄心27の内,外周面は補強枠16〜1
8にて囲繞されているため、巻鉄心27は外力が加えら
れたり、振動等によって、磁性薄帯Tが欠損を生じた
り、剥落するようなことは全くない。又、万一、磁性薄
帯Tの欠損等により破片が生じたとしても、巻鉄心27
の外表面は絶縁被覆部50等によって完全に外部と遮蔽
された状態で包み込まれているので、破片が外部に漏出
して絶縁低下等の悪影響を及ぼすような事態を確実に解
決することができる。更に、絶縁補強部32及び絶縁被
覆部50は、それぞれ巻鉄心27の脚鉄部d及び継鉄部
e,fに、これらにストレスを与えることなく包み込む
ように形成されているので、磁性薄帯Tを損傷するよう
なこともなく、磁気特性に優れた巻鉄心27を製造する
ことが可能となる。
【0030】図22は巻鉄心27の継鉄部e,fに形成
する絶縁被覆部55の他の実施例を示すもので、図2
3,24にてその詳細を説明する。図24において、巻
鉄心27の継鉄部fの各コーナー部内側に、内側補強枠
17と最内補強枠18との間において、コーナー部の積
層端面を被うコーナー覆布56の舌片(コーナー覆布5
1の舌片51aと同じもの)を挟着して広幅部分56a
を積層端面上に折り曲げておき、又、継鉄部fの直線部
分においては、あらかじめ、内側補強枠17と最内補強
枠18との間に継鉄部fに巻回できる長さで直線部覆布
57を挟持・介挿する。そして、前記コーナー覆布56
及び直線部覆布57は、巻鉄心27の脚鉄部dに絶縁補
強部32を形成する前に、それぞれ内側補強枠17の所
定位置に基部を貼着して自由端側を継鉄部fの積層端面
上に乗載し仮止めをしておく、この場合、当然のことな
がら、継鉄部fの覆布56,57が存在していない積層
端面外部に露出している。前記のようにした後は、図2
2で示すように、第1実施例で説明したように、脚鉄部
dに絶縁補強部32を形成し、つづいて、接合部bを有
する継鉄部e側を開き、巻線34を巻鉄心27の脚鉄部
dに組込み、再度継鉄部eの接合部bを閉合して巻鉄心
27を組立てる。前記継鉄部eの再閉合に際しては、継
鉄部fで行ったときと同様に、コーナー覆布56及び直
線部覆布57を最内補強枠18と継鉄部eの最内層との
間に挟持・介挿させておく。
【0031】前記のように、第2実施例において、巻鉄
心27の継鉄部eの再接合後、継鉄部e,fの積層端面
に、既に積層端面に乗載されている覆布56,57を持
上げて接着剤を塗布してから前記覆布56のみを再度継
鉄部e,fの積層端面に貼着する。この後、前記貼着し
た覆布56の上から接着剤を十分に塗布し、この状態
で、図24で継鉄部fに実施した例で示すように、例え
ば、継鉄部fの外周面に折曲部分58aを仮止したヨー
ク覆布58を積層端面の上に最内補強枠18の位置まで
被うようにして貼着し、つづいて、直線部覆布57を継
鉄部e,fの内側から外周面側にまたがって図23で示
すように巻回し、その自由端を継鉄部e,fの外周面側
で重合止着する。なお、必要に応じて、ヨーク覆布58
及び直線部覆布57の上から更に、接着剤を塗布して、
これら覆布58,57を継鉄部fの積層端面に強固に貼
着し、継鉄部fの包み込み作業を確実に行うようにして
もよい。なお、覆布57,58による包み込みは、上部
継鉄部eも同様にして行う。そして、最後に、巻鉄心2
7の外周面に、例えば、接着絶縁紙59を巻回・貼着し
てヨーク覆布58の折曲部分58aを被覆することによ
り、継鉄部e,fに絶縁被覆部55を形成して巻鉄心2
7を組立るようにしても本発明は成立するものである。
更に、本発明の第2実施例において、ヨーク覆布58を
2分割して継鉄部e,fに貼着する代わりに、一枚のヨ
ーク覆布をコ字状に加工して継鉄部e,fの外側補強枠
16の外から継鉄部e,fの積層端面の上下部を被うよ
うに貼着してもよい。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、非晶質磁性合金薄帯か
らなる巻鉄心は、その内,外周面に補強枠を配設し、脚
鉄部を前記補強枠を含めて絶縁補強部にて被覆し、一方
継鉄部は非晶質磁性合金薄帯を包囲して絶縁被覆部が形
成されているので、巻鉄心の組立に際し、前記磁性薄帯
が剥落して外部に飛散するという弊害を確実に解消し、
磁気特性及び絶縁性能に優れた巻鉄心を提供することが
できる。又、特に継鉄部は非晶質磁性合金薄帯と補強枠
との間、あるいは、補強枠の外側から非晶質磁性合金薄
帯を包囲するように形成した絶縁被覆部が、緩衝性能に
富む不織布等の絶縁部材を使用しているので、巻鉄心に
加わる外力を緩衝的に受止めて巻鉄心が損傷するのを著
しく抑制することができる。しかも、非晶質磁性合金薄
帯は巻線から突出している継鉄部を完全に包み込んで形
成されているので、非晶質磁性合金薄帯の破片が外部に
離脱するのを確実に阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の巻鉄心の製造途中を示す斜視図であ
る。
【図2】非晶質磁性合金薄帯の巻取状態を示す概略図で
ある。
【図3】円形状に巻回された巻鉄心素体の平面図であ
る。
【図4】巻鉄心素体の成形途中を示す説明図である。
【図5】巻鉄心素体を矩形成形して焼鈍処理を行う状態
を示す説明図である。
【図6】焼鈍処理を施して矩形状に形付けた巻鉄心の平
面図である。
【図7】以下、本発明の巻鉄心の製造工程の要部を示す
もので、本図は巻鉄心から補強枠を除去した状態を示す
平面図である。
【図8】巻鉄心の一方の継鉄部に絶縁被覆部を仮止めし
た状態を示す説明図である。
【図9】巻鉄心の脚鉄部に形成する絶縁補強部の形成途
中を示す説明図である。
【図10】継鉄部の一方に仮止めした絶縁被覆部と連接
して脚鉄部に絶縁補強部を形成した状態を示す巻鉄心の
平面図である。
【図11】U字状に開放した巻鉄心と、この巻鉄心に組
込まれる巻線との組込関係を示す説明図である。
【図12】同じく、巻鉄心と巻線との組込関係を示す斜
視図である。
【図13】図中(A)は図10のX−X線における断面
図を示し、(B)は同じく図10のY−Y線における断
面図である。
【図14】図中(A)はコーナー覆布51を示す斜視図
であり、(B)は同じく展開図である。
【図15】図中(A)はコーナー覆布52を示す斜視図
であり、(B)は同じく展開図である。
【図16】U字状に開放した巻鉄心に巻線を挿入した状
態を示す説明図である。
【図17】巻鉄心の組立途中を示す説明図である。
【図18】巻鉄心を巻線に組込み、接合部を有する継鉄
部に絶縁被覆部材を取付けた状態を示す説明図である。
【図19】絶縁被覆部の形成途中を示す巻鉄心の要部拡
大断面図である。
【図20】巻鉄心を巻線に組込んだ状態を示す平面図で
ある。
【図21】本発明により完成した巻鉄心の斜視図であ
る。
【図22】本発明の他の実施例を示す巻鉄心の斜視図で
ある。
【図23】図22で示す巻鉄心の要部を拡大して示す縦
断面図である。
【図24】同じく、図22で示す巻鉄心の要部を拡大し
て示す斜視図である。
【図25】従来の巻鉄心の組立途中を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
16 内側補強枠 17 外側補強枠 18 最内補強枠 27 巻鉄心 32 絶縁補強部 34 巻線 50 絶縁被覆部 51 コーナー覆布 52 コーナー覆布 55 絶縁被覆部 58 ヨーク覆布 b 接合部 d 脚鉄部 e 上部継鉄部 f 下部継鉄部
フロントページの続き (72)発明者 井戸 哲成 愛知県春日井市愛知町1番地 愛知電機 株式会社内 審査官 朽名 一夫 (56)参考文献 特開 平2−266504(JP,A) 特開 平4−103621(JP,A) 特開 平4−219906(JP,A) 特開 平4−245412(JP,A) 特開 平2−198111(JP,A) 実開 昭60−179024(JP,U) 実開 昭60−169820(JP,U) 実開 平2−42413(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01F 27/24 - 27/26

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非晶質磁性合金薄帯を所定回数巻回し、
    かつ、その少なくとも1ケ所を切断して突合せの接合
    部を備えた巻鉄心において、前記巻鉄心の内,外周面に
    は非晶質磁性合金薄帯より板厚の厚い金属材料からなる
    補強枠を配設し、前記補強枠を備えた巻鉄心の脚鉄部に
    は、これを包み込むようにして絶縁補強部を形成し、前
    記巻鉄心の継鉄部には前記絶縁補強部と一部を重合させ
    て該継鉄部の非晶質磁性合金薄帯を包み込むようにして
    絶縁被覆部を形成し、前記絶縁補強部及び絶縁被覆部を
    備えた巻鉄心の脚鉄部に巻線を嵌装するようにしたこと
    を特徴とする巻鉄心変圧器。
  2. 【請求項2】 前記絶縁被覆部は、巻鉄心の継鉄部にお
    いて、内,外補強枠と非晶質磁性合金薄帯との間に絶縁
    部材を前記非晶質磁性合金薄帯を包み込むように配設し
    て構成したことを特徴とする請求項1記載の巻鉄心変圧
    器。
  3. 【請求項3】 前記絶縁被覆部は、一対の絶縁部材を備
    えてこれら絶縁部材の一方の絶縁部材の一方端を巻鉄心
    の継鉄部内側に貼着してその他方端となる自由端を前記
    継鉄部の積層端面上に配置し、もう一方の絶縁部材は、
    その一方端を継鉄部外側に貼着して他方端の自由端を継
    鉄部の積層端面の既に配置されている前記絶縁部材の自
    由端上に重合して配置し、前記巻鉄心の積層端面上に配
    置した一対の絶縁部材の自由端同士を重合貼着して非晶
    質磁性合金薄帯を包み込むように構成したことを特徴と
    する請求項2記載の巻鉄心変圧器。
  4. 【請求項4】 非晶質磁性合金薄帯を所定回数巻回し、
    かつ、その少なくとも1ケ所を切断して突合せの接合
    部を有する静止誘導電気機器の巻鉄心において、前記巻
    鉄心を、その外周面に非晶質磁性合金薄帯より板厚を厚
    くして形成した補強枠を備え、内周面には同じく板厚を
    厚くして形成した複数の補強枠を備えて矩形成形する工
    程と、前記矩形成形した巻鉄心を磁場焼鈍する工程と、
    磁場焼鈍を行った巻鉄心の最内側の補強枠のみを一旦除
    去する工程と、前記最内側の補強枠を除去した巻鉄心の
    脚鉄部と下部継鉄部に絶縁補強部及び絶縁被覆部を個別
    に、かつ、互いに対応する縁部を重合させて形成する工
    程と、前記接合部を有する巻鉄心の継鉄部側を開いて巻
    鉄心をU字状に開放する工程と、U字状に開放した巻鉄
    心の脚鉄部に前記除去した最内側の補強枠を備えた状態
    で巻線を組込み、かつ、前記開放された継鉄部を再接合
    する工程と、更に、巻線を嵌装した巻鉄心の上部継鉄部
    の積層端面に絶縁部材の一部を絶縁補強部と重合させて
    非晶質磁性合金薄帯を包み込むようにして絶縁被覆部を
    形成する工程とを備えたことを特徴とする巻鉄心の製造
    方法。
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