JP2742873B2 - 変圧器鉄心の組立装置 - Google Patents

変圧器鉄心の組立装置

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JP2742873B2
JP2742873B2 JP34148893A JP34148893A JP2742873B2 JP 2742873 B2 JP2742873 B2 JP 2742873B2 JP 34148893 A JP34148893 A JP 34148893A JP 34148893 A JP34148893 A JP 34148893A JP 2742873 B2 JP2742873 B2 JP 2742873B2
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yoke
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Aichi Electric Co Ltd
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Chubu Electric Power Co Inc
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非晶質磁性合金薄帯か
らなる1ターンカット方式の変圧器鉄心を、該鉄心の破
片が外部に漏出しないように迅速・確実に組立可能とし
た変圧器鉄心の組立装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、配電用変圧器等に用いる変圧器鉄
心には、鉄心材料として非晶質磁性合金薄帯(以下、単
に磁性薄帯という)を使用したものが種々開発されてい
る。この磁性薄帯は磁性合金の融体を超急冷して製造す
るもので、鉄損が非常に小さく優れた磁気特性を備えて
いる。そして、前記磁性薄帯からなる変圧器鉄心により
配電用の変圧器を製造する場合は、以前から磁性薄帯を
連続巻回した接合部を全く有しないノーカット方式の変
圧器鉄心(以下、巻鉄心という)を使用していたが、前
記巻鉄心は、巻線を鉄心に直接巻付けしなければならな
いので、巻線作業は手間がかかるとともに、巻線内側の
絶縁シリンダ内に占める鉄心の占有率を良好に保つうえ
から、鉄心断面を円形に近い段付構造としていたので、
巻鉄心の製造工程が複雑化する。その上、巻線自体も特
殊な治具を用いて巻回していたので、必然的に径寸法が
大きくなり、変圧器全体が大形化し、その重量が嵩むば
かりか、製造コストを必然的に高くする等の問題があっ
た。
【0003】一方、巻線に1ターン毎に切断した磁性薄
帯を順次挿入していく1ターンカット方式の変圧器鉄心
(以下、巻鉄心という)を使用する場合もある。この巻
鉄心は、例えば、磁性薄帯を1ターンカット毎に切断し
た単位鉄心を複数枚(数10枚)にまとめて単位積層鉄
心となし、この単位積層鉄心を更に複数層に積層して単
位積層ブロック(以下、単に積層ブロックと称する)を
形成し、巻鉄心の組立に当たっては、前記積層ブロック
を円形又は矩形状に巻回して単位積層鉄心の両端を順次
階段状にずらしながら突合せ又は重ね合わせて接合し、
つづいて前記積層ブロックを、更に、前記同様に所要層
数巻回・積層して所定の積層厚となした1ターンカット
方式の巻鉄心を形成していた。
【0004】前記のようにして巻回・積層した1ターン
カット方式の巻鉄心は、その突合せ等の接合部を継鉄部
の一方に位置させた状態で矩形状に成形加工し、このあ
と、磁場焼鈍を行う。焼鈍後、前記巻鉄心は各積層ブロ
ック毎に前記継鉄部の接合部を開いてU字状に開放し、
図29で示すように、各積層ブロック1a,1bを巻線
2の鉄心挿入孔2aに順次組込み、各積層ブロック1
a,1bの接合部3を再接合することにより、その磁気
回路と導電回路の鎖交結合を終えて巻鉄心4の組立を行
っていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記従来技
術によって1ターンカット方式の巻鉄心を組立てる場合
には、次に示すような問題があった。
【0006】(1)磁性薄帯は剛性に乏しく、しかも、
焼鈍により非常に脆弱化しているので、前記のように、
各積層ブロック毎に順次巻線に挿入して鉄心組立を行う
場合、前記積層ブロックが巻線と衝突したり、既に巻線
に組込まれている積層ブロックと衝突したり、あるい
は、巻鉄心の組立後その巻鉄心を用いて変圧器組立を行
う際、鉄心の積層端面等に外力が加えられたりすると、
簡単に巻鉄心の角部や積層端面が欠損したり剥落して破
片が生じる。この破片は導電性を有しており、前記巻鉄
心の組立後に巻線の鉄心挿入孔内や積層端面等に残留し
ていると、変圧器の運転中、絶縁油の対流に乗じて油中
を漂遊し、例えば、巻線の層間に侵入して層間短絡事故
を誘発するという問題があった。
【0007】(2)又、前記のように、磁性薄帯は剛性
に乏しいため、巻鉄心の組立に際し積層ブロックを個々
に分割して組立る場合、図29で示すように、矩形成形
時の形状を一旦崩し、各積層ブロックの鉄心をその接合
部において大きく拡開して巻鉄心の組立を行っていたの
で、巻鉄心が自重により変形したり、内部歪等が生じて
磁気特性に悪影響を与えることがあるため、組立作業は
細心の注意をはらって行う必要があり、この種の巻鉄心
の組立作業を円滑に、かつ、効率的に行えない問題があ
った。
【0008】(3)更に、磁性薄帯は極薄に製造されて
おり、しかも、焼鈍によって脆弱化しているので、各積
層ブロックを順次巻線に挿入して組込んだ場合、自立性
に極めて乏しく、腰砕けの状態になってしまうことが多
く、このため、巻線に挿入した前層の積層ブロックを、
次層の積層ブロックが挿入されるまでのあいだ、特殊な
治具等を用いて自立させておく必要があった。従って、
巻鉄心の組立効率が非常に悪く、この種の巻鉄心の量産
性を阻む大きな要因となっていた。
【0009】本発明は、前記種々の問題に鑑み、非晶質
磁性合金薄帯を1ターンカット方式で巻回形成した変圧
器鉄心において、該鉄心の破片が巻線の層間内に侵入し
たり、絶縁油中に浮遊するのを確実に阻止するととも
に、鉄心自体に剛性を具備させることにより、変圧器鉄
心の組立作業を円滑・良好に行うようにした変圧器鉄心
の組立装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、非晶質磁性合
金薄帯を所定回数巻回し、かつ、上部継鉄部となる位置
に突合せ等からなる接合部を備えて矩形状に成形加工す
ることにより巻鉄心形の変圧器鉄心を形成し、この鉄心
を磁場焼鈍したあと脚鉄部に絶縁部材を巻装して補強を
施す。次に前記鉄心を、複数枚の昇降板を該昇降板毎に
設けたシリンダにて個別に昇降する昇降機構上に乗載す
る。このあと、前記接合部を有する継鉄部側を拡開して
鉄心自体をU字状に開放する。つづいて、前記拡開した
一対の継鉄部を乗載している昇降板を順次シリンダを操
作して降下させ、継鉄部の下面と降下した昇降板との間
に形成される空所の有効利用により、前記拡開された一
対の継鉄部を通してそれぞれ脚鉄部及び該脚鉄部と橋絡
する継鉄部とにまたがって、弾力性に優れた不織布から
なる筒状の絶縁部材を被せて、脚鉄部及びこれと橋絡す
る継鉄部とが外部に露呈しないように完全に被覆する。
【0011】前記筒状の絶縁部材による包み作業に際し
ては、絶縁部材の嵌め込み方向側に位置する昇降板を順
次降下させ、絶縁部材を被せ終えた部位に位置する昇降
板は逆に原位置まで上昇さることにより、変圧器鉄心を
常に水平状態で載置して昇降機構から滑落するのを防
ぐ。前記絶縁部材は被覆後継鉄部側の位置で重合させ、
粘着テープ等にて互いに分離しないように接合する。一
方、筒状の絶縁部材が具備されていない拡開された継鉄
部には、この部位を載置する昇降板を降下させてから幅
広な被覆布を、拡げたままでその中心部分を通して前記
絶縁部材の脚鉄部側の端部に、前記拡開した継鉄部を包
み込むことができるような長さを残してテープ等により
接合する。このあと、前記幅広な被覆布にて拡開した継
鉄部を仮包みするとともに、筒状の絶縁部材の上から脚
鉄部のみに絶縁部材を巻回して脚鉄部を補強する。
【0012】つづいて、前記U字状に開放した変圧器鉄
心を昇降機構上からローラコンベアを備えた鉄心挿入装
置上に、ガイド板を介して移動可能に乗載し、鉄心挿入
装置にあらかじめ固定して載置されている巻線に向けて
前記変圧器鉄心を移動させ、2つの拡開された継鉄部を
先導役としてこれに連なる脚鉄部を前記巻線の鉄心挿入
孔に挿通する。このあと、変圧器鉄心の拡開した継鉄部
を仮包みした被覆布を拡げて巻線側にこれを覆うように
被せ、この状態で、前記継鉄部の再接合を行う。引続き
被覆布を再接合した継鉄部側に戻し、この継鉄部を包み
込むようにして完全に被覆する。最後に、変圧器鉄心の
継鉄部を包み込んでいる各被覆部分に、この被覆部を浸
透する接着剤を塗布して被覆部の継鉄部からの離脱を阻
止して、変圧器鉄心の破片の外部流出を防ぎ、しかも、
鉄心自体の剛性強化をはかるように変圧器鉄心の組立を
可能としたことを特徴とする。
【0013】
【作用】本発明は、以上説明したように、非晶質磁性合
金薄帯を1ターンカット方式で巻回形成した変圧器鉄心
を矩形成形したあと、継鉄部の接合部分を利用して変圧
器鉄心をU字状に開放する継鉄部開放手段と、前記U字
状に開放した変圧器鉄心の一対の脚鉄部と、この脚鉄部
と橋絡する継鉄部にまたがって筒状の絶縁部材を、鉄心
載置用の昇降機構を用いながら被覆して、第1の被覆部
を形成するための第1の被覆部形成手段と、前記拡開し
た継鉄部に、該継鉄部を接合部にて閉鎖したとき、これ
を覆うことのできる幅広な被覆布を取付けて前記拡開し
た継鉄部を被う第2の被覆部を形成するための第2の被
覆部形成手段と、U字状に開放した変圧器鉄心の一対の
脚鉄部を、鉄心挿入装置に乗載して巻線の鉄心挿入孔に
挿入案内する鉄心挿入手段と、前記第2の被覆部を形成
する被覆布を拡げた状態で、拡開した継鉄部を接合部に
て再接合した後、この継鉄部を第2の被覆部により包み
込むための第2の被覆部閉鎖手段と、更に、前記第1,
第2の被覆部を接着剤にて接着・固定する接着・固定手
段とを備えて、変圧器鉄心の組立装置が構成されている
ため、この組立装置により組立られた非晶質磁性合金薄
帯からなる1ターンカット方式の巻鉄心形の変圧器鉄心
は、鉄心の組立後において鉄心の破片が外部に流出する
のを確実に防ぐことができる。
【0014】又、変圧器鉄心を巻線に組込む場合、U字
状に開放した鉄心は、第1,第2の被覆部にて完全に包
み込まれた状態で被覆されているため、巻線への挿入時
焼鈍によって脆くなっている鉄心の一部が挿入時の振動
等により欠落して破片が生じても、この破片は第1,第
2の被覆部内に収容されて外部に漏出することがないの
で、破片が外部に流出することによって生ずる問題を確
実に解決することができる。
【0015】更に、第1,第2の被覆部はそれぞれ変圧
器鉄心を持ち上げて被覆することなく、変圧器鉄心を載
置している昇降機構の複数の昇降板を、順次シリンダを
駆動して昇降させることにより容易に形成することがで
きるので、破片の流出防止用の被覆部を簡易に形成する
ことができるため、この種の変圧器鉄心の生産性を向上
させることができる利点も備えている。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図28に
より説明する。図1において、11は図示しない巻取機
に駆動連結した巻軸で、この巻軸11に円形の巻取枠1
2を着脱自在に取付け、前記巻取枠12を回転させて、
非晶質磁性合金薄帯(以下、磁性薄帯という)Tを例え
ば、巻取枠12に1回分巻取る毎に切断装置13によ
り、磁性薄帯Tを切断しながら円形に所定回数巻回して
1ターンカット方式の変圧器鉄心の原形となる鉄心素体
14を形成する。なお、前記鉄心素体14の巻回に当た
っては、巻取枠12への巻回時において切断される磁性
薄帯の単板が、前記巻取枠12から脱落しないように、
鉄心素体14の周面にはガイドローラ15を介して図示
しないゴムベルトが巻掛けられている。
【0017】前記のようにして巻回した円形の鉄心素体
14は、その最外周に例えば、図示しない接着テープ等
を貼着し、円形状態を維持させた状態で、巻軸11から
巻取枠12とともに取外す。巻取機から取外した鉄心素
体14は、図2で示すように、その外周面に磁性薄帯T
より板厚の厚い、例えば、けい素鋼帯を1ターンを少し
越えて巻回し、その重合部を接着テープ等により仮止め
して外側の補強枠16を設ける。一方、内周面には巻取
枠12を除去した後、同じく図2で示すように、けい素
鋼帯を用いて平面形状がほぼC形をなした内側補強枠1
7(開口部分aを鉄心素体14の接合部bの位置と対向
させる)と、1ターンを形成しない範囲でリング状とな
した最内補強枠18(先端の突合せ部分cを、内側補強
枠17の開口部分aの反対側に位置させる)とをそれぞ
れ挿入配置して鉄心素体14の円形状態を維持させる。
【0018】なお、前記鉄心素体14の巻回に際して、
巻取枠12の外周に、最内及び内側の各補強枠17,1
8を事前に取付けて磁性薄帯Tを巻回し、巻回後に外側
の補強枠16を形成することにより、鉄心素体14を形
成してもよい。
【0019】次に、前記円形の鉄心素体14を図3で示
すように、成形板19,20を用いて油圧プレス等によ
り、前・後及び左・右方向から同時に押圧して長円形に
変形する。そして、前記鉄心素体14を図3のように、
長円形に押圧保持させた状態で、巻鉄心の継鉄部に相当
する位置において、一対の成形金型21,22を、該金
型21,22に凹設した凹溝23を互いに向い合せて挿
入配置し、この状態で凹溝23,23間に下端を上端に
対して長さ寸法をやや短くしたテーパー状の型板24,
24(図4参照)をプレスにて凹溝23,23間に圧入
しながら、同時に長円加工した鉄心素体14を成形板1
9,20により、更に、押圧状態を続けて図4で示す如
く矩形状に成形加工する。前記鉄心素体14を矩形状に
成形した後、成形板19,20を互いに図示しない締付
ボルト等を用いて固定し、図4のように矩形状に枠組み
して成形保持枠25を形成させることにより、鉄心素体
14は成形板19,20による外部からの押圧を解除し
ても、前記成形保持枠25と、成形金型21,22間に
圧入した型板24との押圧付勢力によって矩形状態を良
好に保持することができる。又、外側補強枠16は1タ
ーンを形成して矩形状に、内側補強枠17はU字状に、
更に、最内補強枠18は1ターンを形成しない範囲で矩
形状に、それぞれ鉄心素体14と同様に成形保持され
る。なお、成形板19,20を用いて成形保持枠25を
形成する代わりに、巻鉄心素体14を矩形成形したあ
と、別に設けた成形保持枠に嵌合・保持させるようにし
てもよい。
【0020】つづいて、図4に示すように、耐熱性の電
線を鉄心素体14の一方の脚鉄部dから前記成形保持枠
25にまたがって巻付けることにより、磁場焼鈍用の励
磁コイル26を設け、このあと、鉄心素体14を焼鈍炉
に入れ、前記励磁コイル26に一定の電流を通電させる
と同時に所定の加熱温度で磁場焼鈍を行う。磁場焼鈍後
は図5のように、鉄心素体14から励磁コイル26を除
去し、かつ、成形保持枠25を解体し、更に、成形金型
21,22の凹溝23,23から型板24を抜取り、該
成形金型21,22とともに鉄心素体14から取外して
前記鉄心素体14の矩形保持状態を解くことにより、巻
鉄心形の変圧器鉄心27を形成する。この変圧器鉄心2
7は、前記磁場焼鈍により矩形状態を維持するだけの形
付が完了し、しかも、内,外の補強枠16〜18の存在
によって良好に矩形状態を維持することが可能となる
(図5参照)。
【0021】次に、前記矩形成形された変圧器鉄心27
(以下単に巻鉄心という)から、1ターンを形成しない
範囲で矩形成形された最内補強枠18のみを一旦取外
し、この状態で、図6に示すように、矩形成形された巻
鉄心27の窓内に、第2の成形金型28,29を継鉄部
e,f側に配置し、この第2の成形金型28,29間に
板状の型板30を凹溝30aを利用して圧入し、巻鉄心
27が外力によって型崩れするのを防ぐ。第2の成形金
型28,29及び型板30によって巻鉄心27に形崩れ
しない処置を施したあと、図6で示すように、巻鉄心2
7の脚鉄部dの積層端面の両側に、例えば、常温硬化性
の接着剤を脚鉄部dの長さ方向に所定の間隔を保って複
数個所塗布して接着部31を形成する。この接着部31
を形成したあと、図7で示すように、例えば、接着剤が
硬化する前に比較的薄葉な絶縁紙を脚鉄部dの周面に複
数回巻回し、その最終端を接着剤により巻回面に貼着し
て絶縁補強部32を形成する。この絶縁補強部32によ
って巻鉄心27の脚鉄部dが外部からの衝撃、あるい
は、治具等が衝接する等して、焼鈍により脆くなってい
る磁性薄帯Tが欠損したり、剥落するのを防ぐ。そし
て、前記脚鉄部dに絶縁補強部32を形成したあと、第
2の成形金具28,29及び型板30を巻鉄心27から
除去する(図7参照)。
【0022】前記のように、巻鉄心27の脚鉄部dに絶
縁補強部32を形成することにより、巻鉄心27の脚鉄
部dは、その積層端面が剥落するのを防ぐことができる
とともに、内,外の補強枠16,17が存在しているこ
とと相まって、脚鉄部d自体の剛性強化をはかることが
可能となる。そして、絶縁補強部32を備えた巻鉄心2
7は、図8で示す昇降機構33上に、図示しないクレー
ンあるいはチェーンブロック等を用いて乗載する。前記
昇降装置33は巻鉄心27の脚鉄部d及び継鉄部e,f
に不織布からなる絶縁部材を被覆するために使用するも
ので、その概略構造を図8及び図21によって説明す
る。
【0023】前記昇降機構33は大別すると、図8に示
すように、複数枚に分割されて前記巻鉄心27を乗載す
る昇降板34と、個々の昇降板34毎にその長さ方向の
両端部において、該昇降板34を支持して昇降させる一
対のシリンダ35,35とからなり、この一対のシリン
ダ35,35は、図21で示すように、昇降板34の長
さ方向の両端部において、ピストン35a,35aをそ
れぞれ昇降板34と連結させた状態で、一対のシリンダ
35,35毎に設けた流路切換スイッチ35bと、配管
系統の駆動源側に設置した流量調節弁36を介して駆動
源(エアコンプレッサ)37と直列に配管接続されてい
る。このため、各昇降板34を個別に駆動する一対のシ
リンダ35,35は、前記シリンダ35,35毎に設け
た流路切換スイッチ35bを個別に操作(供給側)して
圧縮空気をシリンダ35,35に供給すると、このシリ
ンダ35,35のピストン35a,35aが押上げられ
て昇降板34を一定の高さ上昇させ、又、切換スイッチ
35bを排気側に切換えることにより、シリンダ35,
35内の空気は外部に排出されて昇降板34を降下させ
る。この結果、複数枚に分割された昇降板34は、該当
する昇降板34を昇降させる流路切換スイッチ35bを
切換操作することによって、圧縮空気が供給又は排気さ
れたシリンダ35,35のみを駆動させ、前記シリンダ
35,35を備えた昇降板34のみを個々に昇降させる
ことができる。
【0024】前記のように、昇降機構33の昇降板34
上に載置した巻鉄心27は、この状態で、外側補強枠1
6の重合部(継鉄部eの外周側)の仮止を解き、その開
放端側を巻鉄心27の脚鉄部dとほぼ同一線上となる位
置まで拡げる。この場合、外側補強枠16は自体の焼鈍
温度の約半分の温度(磁性薄帯の焼鈍温度)で焼鈍され
る関係上、材料自体にまだ弾性力が相当残存しているの
で、外側補強枠16の開放は容易に行うことができる。
【0025】一方、前記外側補強枠16の重合部を開放
した巻鉄心27は、その接合部bが位置する継鉄部e
を、前記接合部bの位置で拡開して該継鉄部eを開離す
る。即ち、巻鉄心27を図7に示す矩形状態から図9で
示すように、継鉄部eを脚鉄部dとほぼ同一線上の位置
に達するまで、巻鉄心27の平面形状がU字状となるよ
うに開放する。この場合、巻鉄心27を形成する磁性薄
帯Tは外側補強枠16を構成する、例えば、けい素鋼帯
に比べその板厚が約1/10以下であるため、巻鉄心2
7自体に内部歪みをほとんど生じさせることなく、容易
に外側補強枠16の開放位置まで拡げることが可能とな
る。又、前記の継鉄部eの開放作業は、巻鉄心27の脚
鉄部dに形成した絶縁補強部32と、巻鉄心27の外周
面に配置した補強枠16及び内周面に配置したU字状の
内側補強枠17とにより、巻鉄心27は剛性が十分に保
持されているので、前記継鉄部eの拡開に際して自重変
形したり、形崩れ等を起こすことなく、円滑・良好に巻
鉄心27をU字状に開放・保持することができる。
【0026】前記のように、巻鉄心27をその継鉄部e
側において開放したあと、前記拡開した継鉄部eには図
9に2点鎖線で示すように、先端を先細状にすぼめた例
えば、黄銅板等の金属板によりとんがり帽子形に形成し
た挿入保護帽38を前記拡開した一対の継鉄部e,eの
尖端部分に被せ、巻鉄心27の後述する巻線への挿入時
に、前記継鉄部e,eの尖端が巻線の軸方向端面と衝接
して破損したり、互いに相対する方向に傾倒して巻線へ
の挿入作業を困難にするという問題の解決をはかってい
る。
【0027】前記拡開した一対の継鉄部eに挿入保護帽
38を被せたあと、巻鉄心27の継鉄部e部分を載置し
ている昇降機構33の複数枚の昇降板34を、図12で
示すように降下させる。この場合は、前述のように、昇
降機構33の各昇降板34の位置毎に設置した各流路切
換スイッチ35bを切換操作し、シリンダ35内の圧縮
空気を外部に排出させて所定のシリンダ35のピストン
35aを没入させて昇降板34を降下させる。図12で
は拡開した継鉄部eから脚鉄部dの一部を載置していた
6枚の昇降板34を降下させ、該昇降板34と継鉄部e
との間に所要間隔の空所gを形成する。このあと、空所
gを利用して不織布からなる筒状の絶縁部材39aを、
その長さ方向にしわをよせて縮めた状態で、前記一対の
拡開した継鉄部eの先端から図10,12で示す如く通
して図12のように、巻鉄心27の脚鉄部dに巻装した
絶縁補強部32の一部を覆う位置まで嵌め込む。この位
置まで絶縁部材39aを嵌め込むと、図12で示すよう
に、巻鉄心27の脚鉄部dを載置している昇降板34に
妨げられてこれ以上通すことができなくなる。
【0028】このため、図12で示すように、絶縁部材
39aと対応する昇降板34はそのままとし、拡開した
継鉄部eと対応する昇降板34は切換スイッチ35bの
切換操作によりシリンダ35を駆動して上昇させ、前記
拡開した継鉄部eを再び載置するとともに、図13で示
すように、脚鉄部dを載置している昇降板34の一部を
逆に降下させ、前記昇降板34の降下によって生じる空
所gを利用して、前記絶縁部材39aを絶縁補強部32
上で縮めた部分を図14の右方向に拡げるようにして該
補強部32に被せる。このあと、図14,15で示すよ
うに、絶縁部材39aを被せる方向に位置する昇降板3
4を、前記のように、流路切換スイッチ35bを順次操
作して巻鉄心27の脚鉄部d及びこれを橋絡する他方の
継鉄部fを載置している昇降板34を順次降下させ、既
に、絶縁部材39aを通した部分に位置する昇降板34
は逆に上昇させることにより、巻鉄心27をバランスよ
く昇降機構33上に載置して絶縁部材39aを、図11
で示すように、U字状に開放した巻鉄心27の脚鉄部d
から脚鉄部fにまたがって円滑に被せることができ、こ
れによって第1の被覆部39を形成する。なお、前記絶
縁部材39aは継鉄部f側で重合する部分を粘着テープ
等により止着して被覆位置がずれたり、絶縁部材39
a,39a同士が分離しないようにする。
【0029】前記のようにして、第1の被覆部39を形
成した後、ひきつづき、拡開された一対の継鉄部e,e
に第2の被覆部40を形成する。この第2の被覆部40
の形成に際しては、最初に図16に示すように、幅広な
不織布からなる被覆布40aを2枚重ね合わせ、挿入保
護帽38を被せた拡開した継鉄部eと対応する位置に、
該継鉄部eが通り抜けする窓孔41を設けるとともに、
この窓孔41の周縁に脚鉄部dの基部を囲繞する鍔縁4
2を形成する。そして、前記被覆布40aは図16のよ
うに、窓孔41を巻鉄心27の継鉄部e側と対向させて
図17に示すように、窓孔41に継鉄部eを通し、該継
鉄部eの基部、即ち、脚鉄部d側に位置する第1の被覆
部39の基部に鍔縁42を重合させる。この場合、被覆
布40aを継鉄部eに通しやすくするために、あらかじ
め、図12で示すように、継鉄部eを載置する昇降板3
4を降下させておく。第1の被覆部39の基部周縁に重
合した鍔縁42は、図17,18で示すように、鍔縁4
2と第1の被覆部39とにまたがって接着テープ43等
を巻着する等して、被覆布40aを広げた状態で巻鉄心
27に取付ける。
【0030】前記被覆布40aを取付けた後、この被覆
布40aが巻鉄心27から離脱するのを防ぐとともに、
脚鉄部dの剛性強化をはかるうえから、図19で示すよ
うに、脚鉄部dに絶縁紙を数回巻付ける等して第2の絶
縁補強部32aを形成する。つづいて、前記幅広な被覆
布40aを拡開した継鉄部e側に向けて、該継鉄部eが
被覆できるように折りたたみ、図20で示すように、挿
入保護帽38の先すぼみとなした尖端部を残して継鉄部
e全体を仮包みすることにより、第2の被覆部40を形
成する。この場合、昇降機構33の継鉄部eと対応する
昇降板34が図14のように降下させてあるので、仮包
み作業を簡易に行うことができる。図20中・44は仮
包みした被覆布40aの自由端側を止着するゴムバンド
である。前記のように、U字状に開放した巻鉄心27に
第1,第2の被覆部39,40を形成したら、前記巻鉄
心27をU字状に開放した状態で、図示しないクレーン
又はチェーンブロック等の搬送手段を用いて、次に説明
する鉄心挿入装置45上に乗載する。なお、巻鉄心27
は第1,第2の被覆部39,40,第1,第2の絶縁補
強部32,32a、挿入保護帽38により剛性を強くし
て被覆されているので、U字状に開放したままでも形崩
れ等を起すことなく、迅速・容易に鉄心挿入装置45に
搬送することができる。
【0031】鉄心挿入装置45は図22で示すように、
ローラコンベア46と、U字状に開放した巻鉄心27を
ローラコンベア46上において乗載するガイド板47
と、ローラコンベア46の途中に設けた巻線48の固定
装置49とによって概略構成されており、巻鉄心27を
乗載するガイド板47は、拡開された継鉄部eをはじめ
脚鉄部d及び脚鉄部dを橋絡する他方の継鉄部fが乗載
できるように巻鉄心27と同形のU字状に形成されてい
る。又、ローラコンベア46の途中に設置されている巻
線48の固定装置49は、図22に示すように、巻線4
8の鉄心挿入孔48aと、コンベア46のローラ部分と
が同じ高さ位置となるよう高さ調整手段(図示せず)を
介してローラコンベア46の途中に収容設置した巻線載
置台50と、この載置台50の幅方向(コンベア46の
長さ方向と直交する方向)の両側に、その幅方向に沿っ
て移動可能に取付けた一対の巻線支持板51とによって
形成されている。そして、前記巻線48は巻鉄心27の
組立に先立って事前に巻線載置台50上に載置してお
く。即ち、巻線48はその鉄心挿入孔48aをコンベア
46の進行方向側に向けて載置台50上に一対並置し、
この状態で、載置台50の両端部に取付けた一対の巻線
支持板51を巻線48の外周面の一側に当接させ、この
巻線支持板51を載置台50に締付ボルト51a等を用
いて締着することにより、巻線48は前記巻線支持板5
1に強固に挟持されて載置台50上に固定される。
【0032】又、前記巻線48には、巻鉄心27の脚鉄
部dに絶縁補強部32を形成する際に除去した1ターン
を形成しない最内補強枠18を、図22で示すように、
鉄心挿入孔48aの最内側に矩形成形した状態で、前記
巻線48を載置台50に固定したときに嵌め込んでお
く。前記巻線48の固定を終えたら、巻鉄心27自体を
適宜に移動して拡開した継鉄部eを、対応する巻線48
の鉄心挿入孔48aに対して挿入できるように位置合せ
を行う。このあと、前記一対の継鉄部eの外側に、例え
ば、けい素鋼帯からなる挿入保護板52を図22で示す
ように、脚鉄部d側に向けて当てがう。この状態で、ガ
イド板47を介してU字状に開放した巻鉄心27を、ロ
ーラコンベア46上を滑動させながら巻線48側に移動
し、巻鉄心27の一対の脚鉄部d,dをガイド板47と
ともに巻線48の鉄心挿入孔48aに1動作で嵌め込
む。
【0033】前記巻鉄心27の挿入に際しては、その拡
開された継鉄部e,脚鉄部dに磁性薄帯Tの剥離防止と
剛性強化を兼ねた第1,第2の絶縁補強部32,32a
及び第1,第2の被覆部39,40が形成されており、
しかも、巻線48側にはその鉄心挿入孔48a内に最内
補強枠18が配置されているため、前記継鉄部e及び脚
鉄部dはほぼ1動作で鉄心挿入孔48a内に嵌挿するこ
とができる。このように、前記巻鉄心27の組込みに当
り、巻鉄心27自体には第1,第2の被覆部39,40
が設けられているので、巻線48への挿入に際し、自重
変形したり、磁性薄帯Tを剥落させたりすることもな
く、迅速・容易にローラコンベア46上を滑動させて巻
線34への挿入作業を行うことができる。
【0034】巻鉄心27の脚鉄部dを巻線48に嵌め込
んだ後、挿入保護板52とガイド板47を巻線48の鉄
心挿入孔48aから抜き取り、巻鉄心27を図23,2
4に示す状態となす。前記の状態において、巻鉄心27
の巻線48から貫通突出する継鉄部eを仮包みした第2
の被覆部40を形成する幅広な被覆布40aはその仮止
めを解いて図23で示すように、原形状態に拡げ、この
あと、図16に示す重合部40bを図示しないテープに
より接合して巻線48の継鉄部eが突出する方向に位置
する端面側に図24で示すように被せる。前記のよう
に、第2の被覆部40の仮包みを解いた後、更に、拡開
した巻鉄心27の継鉄部eに被せた挿入保護帽38もあ
わせて抜き取る。この後、前記継鉄部eの最内層部分か
ら、順次拡開前の状態(内側方向)に折り曲げ、その接
合部端縁hを図25で示すように、互いに再接合するこ
とにより、巻鉄心27の接合部bを再度形成する。
【0035】前記のように、拡開した継鉄部eを再接合
し、その外側補強枠16の自由端を重合してスポット溶
接等により止着して図26で示すように、巻鉄心27と
しての体裁を整えたら、次に、前記巻線48の端面側に
被せておいた第2の被覆部40を形成する被覆布40a
を前記再接合を終えた継鉄部e側に戻す。前記被覆布4
0aを再接合を行った継鉄部e側に戻したら、この被覆
布40aを、継鉄部eを包み込むように折りたたみ、そ
の折り重ね部を図27で示すように、継鉄部eの外周面
においてテープ等により止着することにより、前記巻鉄
心27の継鉄部eを完全に被覆する。即ち、前記被覆布
40aを継鉄部eの巻回端面から外周面にかけて被覆す
ることにより、第2の被覆部40を形成するものであ
る。前記第2の被覆部40を形成したら巻鉄心27の外
周面に、巻線48の鉄心挿入孔48aを通して図27で
示すように、接着絶縁紙等帯状の絶縁物54を巻付け、
巻鉄心27の外周面が外力によって損傷したり、第1,
第2の被覆部39,40の包み込み部分の止着部が剥離
するのを確実に防ぐ。
【0036】つづいて、巻線48の軸方向の端部と、巻
鉄心27の最内層との間の隙間に、図28で示すよう
に、絶縁スペーサ53,53aを挿入したあと、巻鉄心
27の継鉄部e,fを被覆している第1,第2の被覆部
39,40の前記継鉄部e,fの巻回端面と対応する部
位、即ち、巻回端面を被覆している第1,第2の被覆部
39,40の被覆部分に、例えば、即乾性の接着剤を塗
布し、継鉄部e,fの巻回端面の剛性強化と磁性薄帯T
の破片が外部に漏出するのを防ぐことにより、図28に
示すように、巻鉄心27の組立を終えるものである。
【0037】本発明は、以上説明したように、変圧器鉄
心の材料となる磁性薄帯Tを1ターンカット方式で巻回
し、これを矩形成形して磁場焼鈍した巻鉄心27を、継
鉄部eの接合部bを利用してU字状に開放する継鉄部開
放手段と、複数枚に分割した昇降板34を個々に昇降可
能に構成した昇降機構33に前記U字状に開放した巻鉄
心27を乗載し、前記昇降板34を個別に順次昇降させ
て、巻鉄心27の拡開した継鉄部eを通して一対の脚鉄
部d,dと、これに連なる継鉄部fとに、筒状の絶縁部
材39aを、前記巻鉄心27の水平状態を維持しながら
被覆して第1の被覆部39を形成する手段と、前記拡開
した継鉄部eに、この継鉄部eを完全に覆う被覆布40
aを取付けて前記継鉄部eが再接合されたとき、これを
被覆する第2の被覆部40を形成するための手段と、前
記U字状に開放した巻鉄心27を、ローラコンベア46
及び巻鉄心27と同形状に設けたガイド板47、更に、
一対の巻線48を固定する固定装置49とを備えて構成
した鉄心挿入装置45上に前記ガイド板47を介して乗
載し、巻線48の鉄心挿入孔48aに脚鉄部dを挿入案
内する鉄心挿入手段と、拡開した継鉄部eを再接合した
後この継鉄部eを、第2の被覆部40を形成する被覆布
40aで包み込む第2の被覆部閉鎖手段と、更に、第
1,第2の被覆部39,40を接着剤にて巻鉄心の端面
に接着固定する手段とを具備して変圧器鉄心の組立装置
を構成したものである。
【0038】従って、本発明の変圧器鉄心組立装置によ
り磁性薄帯Tを使用した巻鉄心27を製作する場合、磁
性薄帯Tの破片が外部に漏れ出ることなく、破片を内部
に封じ込めた状態で、即ち、破片を密封した状態で巻鉄
心27を製作することが可能となる。又、前記破片が外
部に漏れ出るのを防ぐ第1,第2の被覆部39,40の
製作に当っては、U字状に開放した巻鉄心27を乗載し
ている昇降機構33が、昇降板34を細分割して個別に
昇降させ、この昇降板34と巻鉄心27との間に、絶縁
部材39a及び被覆布40aを通すための空所を形成さ
せることができるので、巻鉄心27を絶縁部材39a等
で被覆する作業が簡単に行い得るため、巻鉄心27の組
立作業の能率を確実に向上させることができる。
【0039】更に、U字状に開放した巻鉄心27は鉄心
挿入装置45により、ガイド板47を利用して巻線48
の鉄心挿入孔48aに1動作で脚鉄部dの挿入が行い得
るとともに、拡開した継鉄部eの再接合に当っては、第
2の被覆部40を形成する被覆布40aを巻線48側に
被せての再接合ができるため、継鉄部eの再接合時に発
生する破片が巻線48の層間に飛散するのを確実に阻止
して巻鉄心27の組立作業を円滑に行うことができる。
又、巻鉄心27の各継鉄部e,fは、この部位を被覆す
る第1,第2の各被覆部39,40が接着剤にて固化さ
れているので、巻鉄心27としての剛性強化がはかれる
とともに、一対の脚鉄部d,dにおいても絶縁部材39
a等からなる第1の被覆部39と第1,第2の絶縁補強
部32,32aとによって剛性が強化でき、しかも、こ
の部位は接着剤をほとんど用いていないので、絶縁油を
巻鉄心27内に良好に流通させることが可能となる。
【0040】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成した
ので、次に示すような効果を有する。 (1)本発明は磁性薄帯の破片が外部に漏れ出るのを防
ぐ第1,第2の被覆部を形成する場合、U字状に開放し
た巻鉄心を乗載する昇降機構は、昇降板を個別に分割し
てこれらをそれぞれシリンダを駆動させて個々に昇降可
能に構成したので、巻鉄心と昇降板との間は、所要の昇
降板のみを降下させることにより容易に空所を形成する
ことができるため、この空所を利用して筒状の絶縁部材
や幅広な被覆布は、容易に巻鉄心の継鉄部,脚鉄部に遊
嵌することが可能となる結果、第1,第2の被覆部の形
成作業を円滑に、かつ、迅速・確実に行うことができ、
巻鉄心の組立作業を効率的に行うことができる。その
上、巻鉄心は複数の昇降板上に乗載されているので、所
要数の昇降板を降下させても昇降機構から滑落すること
なく、常に水平に乗載させておくことができるため、巻
鉄心の組立作業を安全に行うことができる。
【0041】(2)又、巻鉄心の組立に際しては、U字
状に開放した巻鉄心が絶縁材料からなる第1,第2の被
覆部にて完全に近い状態で被覆されているので、巻線へ
の組込みに当っては、ガイド板を介してローラコンベア
によりほぼ1動作に近い状態で巻線まで滑動させての鉄
心組立が、破片を外部に飛散させることなく、かつ、巻
線の鉄心挿入孔と衝接しても巻鉄心自体の破損を最少限
に抑制して巻鉄心の組立が行えるので、巻鉄心の組立作
業は労力を余り要することなく迅速・容易に行うことが
できる。 (3)更に、U字状に開放した巻鉄心の再接合に際して
は、拡開した継鉄部を被覆する第2の被覆部形成用の被
覆布を巻線側に被せて継鉄部を再接合する手段を採用し
ているため、組立途中に鉄心の破片が巻線内に侵入する
のを確実に防ぐことができるとともに、前記被覆布を用
いて再接合した継鉄部を被覆して第2の被覆部を形成す
るようにしたことと相まって、本発明は、巻線内への鉄
心の破片が侵入するのを防ぐことができることはもとよ
り、破片自体を第1,第2の被覆部内に封じ込めてある
ため、前記破片が外部に漏れて絶縁油中を浮遊するとい
う事態を確実に阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】非晶質磁性合金薄帯の巻取状態を示す概略図で
ある。
【図2】円形状に巻回された鉄心素体の平面図である。
【図3】鉄心素体の成形途中を示す説明図である。
【図4】鉄心素体を矩形成形して焼鈍処理を行う状態を
示す説明図である。
【図5】焼鈍処理を施して矩形状に形付けた変圧器鉄心
の平面図である。
【図6】以下本発明の組立装置の要部を示すもので、本
図は変圧器鉄心の脚鉄部に形成する絶縁補強部の形成途
中を示す説明図である。
【図7】脚鉄部に絶縁補強部を形成した変圧器鉄心の平
面図である。
【図8】昇降機構に変圧器鉄心を乗載した状態を示す説
明図である。
【図9】U字状に開放した変圧器鉄心の拡開された継鉄
部に挿入保護帽を被せた状態を示す変圧器鉄心の平面図
である。
【図10】同じく挿入保護帽を被せた変圧器鉄心に筒状
の絶縁部材を嵌め込む途中を示す変圧器鉄心の平面図で
ある。
【図11】第1の被覆部を形成した変圧器鉄心の平面図
である。
【図12】筒状の絶縁部材を変圧器鉄心に嵌め込む初期
の段階を昇降機構の動作とあわせて説明する説明図であ
る。
【図13】筒状の絶縁部材を半分ほど変圧器鉄心に被せ
た状態を昇降機構の動作とあわせて説明する説明図であ
る。
【図14】筒状の絶縁部材がほとんど変圧器鉄心に嵌め
込まれた状態を昇降機構の動作とあわせて説明する説明
図である。
【図15】筒状の絶縁部材を変圧器鉄心に嵌め終えた状
態を昇降機構の動作とあわせて説明する説明図である。
【図16】幅広な被覆布を変圧器鉄心の拡開した継鉄部
に取付ける状態を分解して示す斜視図である。
【図17】拡開した継鉄部の基部に第2の被覆部を形成
する被覆布を止着した状態を示す変圧器鉄心の斜視図で
ある。
【図18】同じく平面図である。
【図19】同じく被覆布の基部と第1の被覆部とを固定
する絶縁紙を脚鉄部に巻回した変圧器鉄心の平面図であ
る。
【図20】被覆布を拡開した継鉄部に巻回した状態を示
す変圧器鉄心の平面図である。
【図21】昇降機構の概略構成を示す説明図である。
【図22】変圧器鉄心を巻線に挿入するための鉄心挿入
装置の斜視図である。
【図23】変圧器鉄心を巻線に挿入した状態を示す斜視
図である。
【図24】U字状に開放した変圧器鉄心を巻線に挿入し
た状態を示す平面図である。
【図25】U字状に開放した変圧器鉄心の組立途中を示
す平面図である。
【図26】変圧器鉄心の拡開した継鉄部の組立を終えた
状態を示す斜視図である。
【図27】第1,第2の各被覆部を保護する絶縁板の取
付途中を説明する説明図である。
【図28】変圧器鉄心の組立を終えた状態を示す斜視図
である。
【図29】従来の巻鉄心の組立途中を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
27 巻鉄心 32 絶縁補強部 33 昇降機構 34 昇降板 39 第1の被覆部 39a 絶縁部材 40 第2の被覆部 45 鉄心挿入装置 47 ガイド板 48 巻線 b 接合部 d 脚鉄部 e,f 継鉄部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白石 真澄 愛知県春日井市愛知町1番地 愛知電機 株式会社内 審査官 酒井 朋広 (56)参考文献 特開 平4−326502(JP,A) 特開 平6−342727(JP,A) 実開 平1−123315(JP,U) 実開 平5−66944(JP,U)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非晶質磁性合金薄帯を1ターンカット方
    式で巻回し、これを矩形状に成形加工した変圧器鉄心の
    接合部を有する継鉄部側を拡開してU字状に開放する継
    鉄部開放手段と、前記U字状に開放した変圧器鉄心の脚
    鉄部と接合部を有しない継鉄部とにまたがって筒状の絶
    縁部材を被せて被覆部を形成する第1の被覆部形成手段
    と、拡開された継鉄部に、この継鉄部を再接合したとき
    被覆できる広さの被覆布を取付けてなる第2の被覆部形
    成手段と、第1,第2の被覆部を備えた前記鉄心をガイ
    ド板に乗載して巻線の鉄心挿入孔に挿入案内するための
    鉄心挿入手段と、拡開された継鉄部を被覆布を拡げた状
    態で再接合した後前記被覆布にて被覆する第2の被覆部
    閉鎖手段と、更に、前記第1,第2の被覆部を継鉄部の
    巻回端面において接着剤により接着・固定する手段とを
    備えて構成したことを特徴とする変圧器鉄心の組立装
    置。
  2. 【請求項2】 前記第1の被覆部形成手段は、U字状に
    開放した変圧器鉄心を乗載する複数枚に分割した昇降板
    と、この昇降板を個別に昇降させるシリンダと、該シリ
    ンダと駆動源との間にシリンダ駆動用の流路切換スイッ
    チを備え、前記複数の昇降板を適宜昇降させて該昇降板
    と変圧器鉄心との間に空所を形成するようにしたことを
    特徴とする請求項1記載の変圧器鉄心の組立装置。
  3. 【請求項3】 前記第2の被覆部形成手段は、拡開され
    た継鉄部に、該継鉄部を被覆する広さの被覆布を、前記
    継鉄部を貫通させて第1の被覆部の基部に止着し、この
    被覆布を、再接合した継鉄部を包み隠すように被覆して
    形成するようにしたことを特徴とする請求項1記載の変
    圧器鉄心の組立装置。
  4. 【請求項4】 前記鉄心挿入手段は、第1,第2の被覆
    部を具備してU字状に開放した変圧器鉄心を乗載するU
    字状のガイド板と、該ガイド板を介して変圧器鉄心を巻
    線の鉄心挿入孔に滑動させるローラコンベアと、このロ
    ーラコンベアの途中に巻線を変圧器鉄心と対応させて固
    定する固定装置とを備えて形成するようにしたことを特
    徴とする請求項1記載の変圧器鉄心の組立装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の被覆部形成手段は、複数枚の
    昇降板を昇降機構により、拡開した変圧器鉄心の継鉄部
    から脚鉄部及び接合部を有しない継鉄部にかけて個々に
    昇降させて前記昇降板と変圧器鉄心との間に空所を設
    け、U字状に開放した変圧器鉄心の脚鉄部と接合部を有
    しない継鉄部とに、筒状の絶縁部材を前記空所から挿入
    ・被覆して第1の被覆部を形成するようにしたことを特
    徴とする請求項2記載の変圧器鉄心の組立装置。
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