JPH0521283A - コンデンサ及びその製造方法 - Google Patents

コンデンサ及びその製造方法

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JPH0521283A
JPH0521283A JP16995391A JP16995391A JPH0521283A JP H0521283 A JPH0521283 A JP H0521283A JP 16995391 A JP16995391 A JP 16995391A JP 16995391 A JP16995391 A JP 16995391A JP H0521283 A JPH0521283 A JP H0521283A
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正雄 福山
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康夫 工藤
Toshikuni Kojima
利邦 小島
Satonari Nanai
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、導電性高分子を電極に用い周波数
特性の優れた小型、大容量のコンデンサ及びその製造方
法に関するもので、高温下に長時間放置した際にも容
量、損失、インピーダンス等の劣化が小さいという優れ
た信頼性特性を有するコンデンサを実現することを目的
とする。 【構成】 NO2基、CN基、SO2NH2基、CX3基、
COR基、SOR基、COOH基、COOR基、SCO
R基、CONH2基(但しRはアルキル基、Xはハロゲ
ン)の中から少なくとも一つから選ばれる置換基のみを
有する芳香族誘導体と重合性モノマーと支持電解質とを
少なくとも含有した電解液から電解重合法により得られ
た導電性高分子を、誘電体皮膜上に積層形成し電極とし
て用いる。このことにより、導電性高分子の高温下での
諸特性の安定化が図られ、優れた安定性を有するコンデ
ンサの実現が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、導電性高分子層を電極
として用いたコンデンサ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電気機器等の回路のディジタル
化、小型化に伴い、回路に使われるコンデンサには高周
波域でのインピーダンスが低く、小型かつ大容量である
ことが強く要望されるようになってきた。このような状
況の中、導電性固体を電解質とした大容量固体電解コン
デンサの開発が盛んに行われている。
【0003】従来、固体電解質として二酸化マンガンを
用いたタンタル固体電解コンデンサが良く知られている
が、二酸化マンガンの抵抗が高いために高周波領域で十
分に低いインピーダンスを得ることができなかった。こ
の他、固体電解コンデンサとしては、二酸化マンガン層
の代わりに、導電性が高く陽極酸化性に優れた有機半導
体、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタンコンプ
レックス塩(TCNQ塩)を固体電解質に使うものが提
案されているが、TCNQ塩を塗布する際に比抵抗の上
昇が起こることや、陽極金属箔との接着性に劣る弱いと
いった問題があった。
【0004】そこで、ピロール、チオフェンなどの複素
環式化合物モノマーと支持電解質とを含ませた溶液を用
いて電解重合することにより、支持電解質のアニオンを
ドーパントとして含む導電性高分子層を固体電解質に使
うものが提案されている。電解重合電導性高分子はTC
NQ塩と比較しても電気伝導度が非常に大きく、また接
着性の優れた皮膜が容易に作製できるため、理想的なイ
ンピーダンスの周波数特性が実現できる。さらに、導電
性高分子を用いるとコンデンサのチップ化も可能であ
り、導電性高分子を用いた固体電解コンデンサが注目さ
れている。
【0005】さらに最近では、電着によって作製したポ
リイミド薄膜を誘電体とし、この上に積層形成した導電
性高分子を電極とした無極性のコンデンサも提案されて
いる(電気化学協会第58回大会講演要旨集 p252)。
このように、導電性高分子を固体電解コンデンサの電解
質として用いるだけでなく、あらゆるコンデンサの電極
として用いることが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、導電性
高分子は一般に、高温下に長時間放置すると電気伝導
度、機械的強度、接着性等の諸特性の劣化が起こり、こ
れを電極に用いて作製したコンデンサも、高温下に長時
間放置するとこれら特性が劣化してしまうという課題を
有していた。
【0007】本発明は上記の課題に鑑み、コンデンサの
電極として電解重合により作製した導電性高分子層を備
えることで、高温下での寿命特性に優れたコンデンサ及
びその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、誘電体皮膜上に導電性高分子が積層形成
されている電極を具備し、前記導電性高分子が、NO2
基、CN基、SO2NH 2基、CX3基、COR基、SO
R基、COOH基、COOR基、SCOR基、CONH
2基(但しRはアルキル基を表し、Xはハロゲンを表
す)の少なくとも一つから選ばれる置換基のみを有する
芳香族誘導体と重合性モノマーと支持電解質とをからな
るように構成され、また、本発明のコンデンサの製造方
法では、上記構成の電解液から電解重合法により導電性
高分子を得るように構成されている。
【0009】本発明で使用される芳香族誘導体は、上記
から選ばれる特定の置換基のみを有するものであれば、
置換基の数、位置によって限定されない。具体的には、
ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、トリニトロベンゼ
ン、ニトロナフタレン、ニトロアントラセン、シアノベ
ンゼン、ベンゼンスルホンアミド、トリフルオロトルエ
ン、トリブロモトルエン、アセトフェノン、メチルフェ
ニルスルオキシド、安息香酸、テレフタル酸、安息香酸
メチル、安息香酸エチル、フェニルチオアセテート、ベ
ンズアミド、ニトロアセトフェノン、ニトロ安息香酸、
ニトロテレフタル酸、ニトロベンズアミド、シアノ安息
香酸等が挙げられる。
【0010】なお、上記の芳香族誘導体は単独で用いて
も、両者を混合して用いてもよい。また、芳香族誘導体
は電解液中の添加濃度が多い方が効果があり、0.00
5mol/リットル以上であると好適である。
【0011】なお、本発明のコンデンサは、二つの電極
のうち少なくとも一つに上記の導電性高分子を用いるも
のであるが、コンデンサの大容量化を図るためには電極
の実効表面積を大きくするとさらに好ましい。この方法
としては、エッチングされた金属や焼結体を用いると好
適であり、例えば、アルミニウム、タンタル等のエッチ
ド箔や焼結体が最適である。
【0012】本発明に使用する重合性モノマーとして
は、ピロール、または、その誘導体(例えば、N−メチ
ルピロール)が挙げられるが、他に、例えばチオフェ
ン、フラン等でもよい。
【0013】なお、支持電解質としては、過塩素酸塩、
スルホン酸塩、カルボン酸塩、リン酸塩等の一般に用い
られるものであればどのようなものでもよいが、アルキ
ル置換基を有するナフタレンスルホン酸塩もしくはアル
キルリン酸エステルが好適である。さらに具体的には、
モノメチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、トリイソ
プロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム、モノイソプ
ロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム、ジブチルナフ
タレンスルホン酸ナトリウム、プロピルリン酸エステ
ル、ブチルリン酸エステル、ヘキシルリン酸エステル等
が挙げられる。
【0014】なお、上記したモノマーや支持電解質をそ
れぞれ単独で用いてもよいし、例えば、支持電解質を複
数種混合して用いたり、ピロール、チオフェン等をそれ
ぞれの誘導体と混合して用いるなど上記モノマーを複数
種併用するようにしてもよい。
【0015】さらに、導電性高分子を複合化するため
に、電解液に所望の添加剤を入れるようにしてもよい。
また、本発明は、上記例示の化合物や処理工程に限定さ
れず、例示以外の代替可能な化合物や処理工程を用いて
もよいことはいうまでもない。
【0016】
【作用】本発明のコンデンサ及びその製造方法では、上
記構成により、導電性高分子層を構造の整ったものとで
き、酸化開始点のような劣化の開始点となるものが少な
くなっている。導電性高分子を高温下に長時間放置した
際に起きる諸特性の劣化は、空気中の酸素と導電性高分
子が作用する酸化による劣化が支配的であるので、劣化
開始点の少ない本発明のコンデンサの導電性高分子層は
高温下に長時間放置しても電気伝導度、機械的強度、接
着性等の諸特性の劣化は少ない。この結果、本発明のコ
ンデンサは電極に導電性高分子を用いているにもかかわ
らず、高温下で安定性に優れたコンデンサをとすること
ができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明にかかるコンデンサ及びその製
造方法の具体的実施例を挙げ、本発明を詳細に説明す
る。
【0018】(実施例1)図1に本発明のコンデンサ素
子の断面図を示す。
【0019】まず、陽極リードをつけた縦7mm×横10
mmのアルミニウムエッチド箔1に3%アジピン酸アンモ
ニウム水溶液を用い、約70℃、印加電圧70Vの条件
で陽極酸化を40分間行うことにより、エッチド箔1の
表面に誘電体皮膜2を形成した。ついで、これを硝酸マ
ンガン30%水溶液に浸漬し、自然乾燥させた後、30
0℃で30分間加熱し熱分解処理を行い、誘電体皮膜2
上にマンガン酸化物層3の導電層を積層形成した。
【0020】次に、このような導電層を設けたエッチド
箔を、ニトロベンゼン(0.15M)、ピロール(0.
5M)、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリ
ウムのアルコール溶液(0.1M)および水からなる電
解重合液中に配置し、重合開始用電極を導電層に近接さ
せ、重合開始用電極に1.5Vの定電圧を50分間印加
して電解重合反応を行い、電解重合ポリピロール層4を
形成した。水洗し乾燥してから、電解重合層の上にカー
ボン層5と銀ペイント層6を順次設けコンデンサを得
た。作製個数は10個である。
【0021】上記のようにして得られたコンデンサを2
0Vで1時間エージングをした後、初期の容量、損失係
数(120Hz)及びインピーダンス(400kHz)
を測定した。その後、高温下(125℃)に1000時
間暴露した後に再度、容量、損失係数(120Hz)及
びインピーダンス(400kHz)を測定した。測定値
の平均値を(表1)に示し、評価した。
【0022】(比較例1)比較のために電解重合液にニ
トロベンゼンを添加しない以外は実施例1と同じ条件
で、比較用のコンデンサを10個作製し、同様な測定を
行った。測定値の平均値を比較例1として(表1)に示
す。両者を比べれば、本発明のコンデンサの方が、高温
下の安定性が遥かに優れていることがよくわかる。
【0023】(実施例2)ニトロベンゼンに代えてシア
ノベンゼンを電解重合液に添加する以外は実施例1と同
様にして、本発明のコンデンサを10個作製した。得ら
れたコンデンサを20Vで1時間エージングをした後、
初期の容量、損失係数(120Hz)及びインピーダン
ス(400kHz)を測定した。その後、高温下(12
5℃)に1000時間暴露した後に再度、容量、損失係
数(120Hz)及びインピーダンス(400kHz)
を測定した。測定値の平均値を(表1)に示す。
【0024】比較例1と比べれば、本発明によるコンデ
ンサの方が、高温下の安定性が遥かに優れていることが
よくわかる。
【0025】(実施例3)ニトロベンゼンに代えてベン
ゼンスルホンアミドを電解重合液に添加する以外は実施
例1と同様にして、本発明のコンデンサを10個作製し
た。得られたコンデンサを20Vで1時間エージングを
した後、初期の容量、損失係数(120Hz)及びイン
ピーダンス(400kHz)を測定した。その後、高温
下(125℃)に1000時間暴露した後に再度、容
量、損失係数(120Hz)及びインピーダンス(40
0kHz)を測定した。測定値の平均値を(表1)に示
す。
【0026】比較例1と比べれば、本発明のコンデンサ
の方が、高温下の安定性が遥かに優れていることがよく
わかる。
【0027】(実施例4)ニトロベンゼンに代えてトリ
フルオロトルエンを電解重合液に添加する以外は実施例
1と同様にして、本発明のコンデンサを10個作製し
た。得られたコンデンサを20Vで1時間エージングを
した後、初期の容量、損失係数(120Hz)及びイン
ピーダンス(400kHz)を測定した。その後、高温
下(125℃)に1000時間暴露した後に再度、容
量、損失係数(120Hz)及びインピーダンス(40
0kHz)を測定した。測定値の平均値を(表1)に示
す。
【0028】比較例1と比べれば、本発明のコンデンサ
の方が、高温下の安定性が遥かに優れていることがよく
わかる。
【0029】(実施例5)ニトロベンゼンに代えてアセ
トフェノンを電解重合液に添加する以外は実施例1と同
様にして、本発明のコンデンサを10個作製した。得ら
れたコンデンサを20Vで1時間エージングをした後、
初期の容量、損失係数(120Hz)及びインピーダン
ス(400kHz)を測定した。その後、高温下(12
5℃)に1000時間暴露した後に再度、容量、損失係
数(120Hz)及びインピーダンス(400kHz)
を測定した。測定値の平均値を(表1)に示す。
【0030】比較例1と比べれば、本発明のコンデンサ
の方が、高温下の安定性が遥かに優れていることがよく
わかる。
【0031】(実施例6)ニトロベンゼンに代えてメチ
ルフェニルスルオキシドを電解重合液に添加する以外は
実施例1と同様にして、本発明のコンデンサを10個作
製した。得られたコンデンサを20Vで1時間エージン
グをした後、初期の容量、損失係数(120Hz)及び
インピーダンス(400kHz)を測定した。その後、
高温下(125℃)に1000時間暴露した後に再度、
容量、損失係数(120Hz)及びインピーダンス(4
00kHz)を測定した。測定値の平均値を(表1)に
示す。
【0032】比較例1と比べれば、本発明のコンデンサ
の方が、高温下の安定性が遥かに優れていることがよく
わかる。
【0033】(実施例7)ニトロベンゼンに代えて安息
香酸を電解重合液に添加する以外は実施例1と同様にし
て、本発明のコンデンサを10個作製した。得られたコ
ンデンサを20Vで1時間エージングをした後、初期の
容量、損失係数(120Hz)及びインピーダンス(4
00kHz)を測定した。その後、高温下(125℃)
に1000時間暴露した後に再度、容量、損失係数(1
20Hz)及びインピーダンス(400kHz)を測定
した。測定値の平均値を(表1)に示す。
【0034】比較例1と比べれば、本発明のコンデンサ
の方が、高温下の安定性が遥かに優れていることがよく
わかる。
【0035】(実施例8)ニトロベンゼンに代えて安息
香酸エチルを電解重合液に添加する以外は実施例1と同
様にして、本発明のコンデンサを10個作製した。得ら
れたコンデンサを20Vで1時間エージングをした後、
初期の容量、損失係数(120Hz)及びインピーダン
ス(400kHz)を測定した。その後、高温下(12
5℃)に1000時間暴露した後に再度、容量、損失係
数(120Hz)及びインピーダンス(400kHz)
を測定した。測定値の平均値を(表1)に示す。
【0036】比較例1と比べれば、本発明のコンデンサ
の方が、高温下の安定性が遥かに優れていることがよく
わかる。
【0037】(実施例9)ニトロベンゼンに代えてフェ
ニルチオアセテートを電解重合液に添加する以外は実施
例1と同様にして、本発明のコンデンサを10個作製し
た。得られたコンデンサを20Vで1時間エージングを
した後、初期の容量、損失係数(120Hz)及びイン
ピーダンス(400kHz)を測定した。その後、高温
下(125℃)に1000時間暴露した後に再度、容
量、損失係数(120Hz)及びインピーダンス(40
0kHz)を測定した。測定値の平均値を(表1)に示
す。
【0038】比較例1と比べれば、本発明のコンデンサ
の方が、高温下の安定性が遥かに優れていることがよく
わかる。
【0039】(実施例10)ニトロベンゼンに代えてベ
ンズアミドを電解重合液に添加する以外は実施例1と同
様にして、本発明のコンデンサを10個作製した。得ら
れたコンデンサを20Vで1時間エージングをした後、
初期の容量、損失係数(120Hz)及びインピーダン
ス(400kHz)を測定した。その後、高温下(12
5℃)に1000時間暴露した後に再度、容量、損失係
数(120Hz)及びインピーダンス(400kHz)
を測定した。測定値の平均値を(表1)に示す。
【0040】比較例1と比べれば、本発明のコンデンサ
の方が、高温下の安定性が遥かに優れていることがよく
わかる。
【0041】(実施例11)ニトロベンゼンに代えてp
−ニトロ安息香酸を電解重合液に添加する以外は実施例
1と同様にして、本発明のコンデンサを10個作製し
た。得られたコンデンサを20Vで1時間エージングを
した後、初期の容量、損失係数(120Hz)及びイン
ピーダンス(400kHz)を測定した。その後、高温
下(125℃)に1000時間暴露した後に再度、容
量、損失係数(120Hz)及びインピーダンス(40
0kHz)を測定した。測定値の平均値を(表1)に示
す。
【0042】比較例1と比べれば、本発明のコンデンサ
の方が、高温下の安定性が遥かに優れていることがよく
わかる。
【0043】(実施例12)トリイソプロピルナフタレ
ンスルホン酸ナトリウムに代えてn−ブチルリン酸エス
テルを用いた以外は実施例1と同様にして、本発明のコ
ンデンサを10個作製した。得られたコンデンサを20
Vで1時間エージングをした後、初期の容量、損失係数
(120Hz)及びインピーダンス(400kHz)を
測定した。その後、高温下(125℃)に1000時間
暴露した後に再度、容量、損失係数(120Hz)及び
インピーダンス(400kHz)を測定した。測定値の
平均値を(表1)に示す。
【0044】(比較例2)比較のために電解重合液へニ
トロベンゼンを添加しない以外は実施例12と同じ条件
で、比較用のコンデンサを10個作製し、同様な測定を
行った。測定値の平均値を比較例2として(表1)に示
す。両者を比べれば、本発明のコンデンサの方が、高温
下の安定性が遥かに優れていることがよくわかる。
【0045】(実施例13)ピロール(0.5M)、ト
リイソプロピルナフタレンスルホン酸ナトリウム(0.
1M)と水からなる電解液に代えて、チオフェン(0.
5M)、p−トルエンスルホン酸テトラブチルアンモニ
ウム(0.1M)とアセトニトリルとからなる電解液を
用いた以外は実施例1と同様にして、本発明のコンデン
サを10個作製した。得られたコンデンサを20Vで1
時間エージングをした後、初期の容量、損失係数(12
0Hz)及びインピーダンス(400kHz)を測定し
た。その後、高温下(125℃)に1000時間暴露し
た後に再度、容量、損失係数(120Hz)及びインピ
ーダンス(400kHz)を測定した。測定値の平均値
を(表1)に示す。
【0046】(比較例3)比較のために電解重合液へニ
トロベンゼンを添加しない以外は実施例13と同じ条件
で、比較用のコンデンサを10個作製し同様な測定を行
った。測定値の平均値を比較例3として(表1)に示
す。両者を比べれば、本発明のコンデンサの方が、高温
下の安定性が遥かに優れていることがよくわかる。
【0047】
【表1】
【0048】なお、以上の実施例では弁金属を用いた固
体電解コンデンサに関してのみ示したが、本発明は電極
に用いる導電性高分子を改善したものであるので、上記
の特定の導電性高分子を電極に用いたコンデンサであれ
ばどのようなものでも良いことは明らかである。
【0049】また、上記の実施例では電解重合導電製高
分子を誘電体皮膜上に形成する際に電解重合用導電層を
形成した場合のみ示したが、このことが本発明の必須条
件でないことはいうまでもない。
【0050】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明のコンデン
サ及びその製造方法では、NO2基、CN基、SO2NH
2基、CX3基、COR基、SOR基、COOH基、CO
OR基、SCOR基、CONH2基(但しRはアルキル
基を表し、Xはハロゲンを表す)から選ばれる少なくと
も一つの置換基のみを有する芳香族誘導体と重合性モノ
マーと支持電解質とを少なくとも含有した電解液から電
解重合法により得られた導電性高分子を、誘電体皮膜上
に積層形成し電極として用いることにより、導電性高分
子を電極として用いているにもかかわらず高温下でも優
れた電気伝導性等の諸特性の安定性を有するコンデンサ
を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるコンデンサの断面図
【符号の説明】
1 アルミニウムエッチド箔 2 誘電体皮膜 3 マンガン酸化物層 4 電解重合ポリピロール層 5 カーボン層 6 銀ペイント層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 七井 識成 神奈川県川崎市多摩区東三田3丁目10番1 号 松下技研株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体皮膜上に導電性高分子が積層形成
    されている電極を具備し、前記導電性高分子が、NO2
    基、CN基、SO2NH2基、CX3基、COR基、SO
    R基、COOH基、COOR基、SCOR基、CONH
    2基(但しRはアルキル基を表し、Xはハロゲンを表
    す)の少なくとも一つから選ばれる置換基のみを有する
    芳香族誘導体と重合性モノマーと支持電解質とをからな
    ることを特徴とするコンデンサ。
  2. 【請求項2】 アルキル基の少なくとも一つの水素が、
    ハロゲンに置き換わったアルキル基である請求項1記載
    のコンデンサ。
  3. 【請求項3】 重合性モノマーが、ピロールまたはその
    誘導体である請求項1記載のコンデンサ。
  4. 【請求項4】 支持電解質が、アルキル置換基を有する
    ナフタレンスルホン酸塩もしくはアルキルリン酸エステ
    ルである請求項1記載のコンデンサ。
  5. 【請求項5】 導電性高分子層を電解重合法により形成
    することを特徴とする請求項1記載のコンデンサの製造
    方法。
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Cited By (2)

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