JP2005298764A - ポリピロール膜の製造方法 - Google Patents

ポリピロール膜の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005298764A
JP2005298764A JP2004120722A JP2004120722A JP2005298764A JP 2005298764 A JP2005298764 A JP 2005298764A JP 2004120722 A JP2004120722 A JP 2004120722A JP 2004120722 A JP2004120722 A JP 2004120722A JP 2005298764 A JP2005298764 A JP 2005298764A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polypyrrole film
polypyrrole
electrolytic
electrolytic solution
electrolytic polymerization
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004120722A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuji Zama
哲司 座間
Susumu Hara
進 原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eamex Corp
Original Assignee
Eamex Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Eamex Corp filed Critical Eamex Corp
Priority to JP2004120722A priority Critical patent/JP2005298764A/ja
Priority to PCT/JP2005/005360 priority patent/WO2005100438A1/ja
Publication of JP2005298764A publication Critical patent/JP2005298764A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G73/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a linkage containing nitrogen with or without oxygen or carbon in the main chain of the macromolecule, not provided for in groups C08G12/00 - C08G71/00
    • C08G73/06Polycondensates having nitrogen-containing heterocyclic rings in the main chain of the macromolecule
    • C08G73/0605Polycondensates containing five-membered rings, not condensed with other rings, with nitrogen atoms as the only ring hetero atoms
    • C08G73/0611Polycondensates containing five-membered rings, not condensed with other rings, with nitrogen atoms as the only ring hetero atoms with only one nitrogen atom in the ring, e.g. polypyrroles
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G61/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming a carbon-to-carbon link in the main chain of the macromolecule
    • C08G61/12Macromolecular compounds containing atoms other than carbon in the main chain of the macromolecule
    • C08G61/122Macromolecular compounds containing atoms other than carbon in the main chain of the macromolecule derived from five- or six-membered heterocyclic compounds, other than imides
    • C08G61/123Macromolecular compounds containing atoms other than carbon in the main chain of the macromolecule derived from five- or six-membered heterocyclic compounds, other than imides derived from five-membered heterocyclic compounds
    • C08G61/124Macromolecular compounds containing atoms other than carbon in the main chain of the macromolecule derived from five- or six-membered heterocyclic compounds, other than imides derived from five-membered heterocyclic compounds with a five-membered ring containing one nitrogen atom in the ring

Abstract

【課題】 電解重合を用い、過塩素酸イオン(ClO )を支持電解質として用いたポリピロール膜の製造方法であって、大きな伸縮率と高い機械的強度とを有するポリピロール膜を得ることができる製造方法を提供する。
【解決手段】 電解重合法を用いたポリピロール膜の製造方法であって、電解重合法に用いられる電解液はピロール及び/又はピロール誘導体をモノマー成分として含み、前記電解重合法は芳香族エステルを溶媒として含む電解液を用い、前記電解液は過塩素酸イオンを含み、作用電極及び対極に電圧を印加することにより作用電極上に導電性高分子膜が形成されることを特徴とするポリピロール膜の製造方法を用いる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電解酸化還元により大きな伸縮をすることができる、過塩素酸イオンをドーパントとして含むポリピロール膜に関する。
ポリピロールなどの導電性高分子は、電気化学的な酸化還元によって伸縮あるいは変形する現象である電解伸縮を発現することが知られている。この導電性高分子の電解伸縮は、伸縮の際に押圧や引張り等の発生力が生じることから、マイクロマシン、人工筋肉、義手・義足、パワードスーツなどのアクチュエータ等の用途として応用が期待され、近年注目されている。このような導電性高分子の製造方法としては、電解重合法により製造されるのが一般的である。電解重合法としては、通常は、電解液中にピロール等のモノマー成分を加え、この電解液中に作用電極及び対向電極を設置して、両電極に電圧を印加することで導電性高分子膜を作用電極上に得る方法が行われる。
電解重合法により得られた導電性高分子は、人工筋肉に用いられている導電性高分子として、1酸化還元サイクル当たりの伸張と発生力とについては、膜に形成されたポリピロールの伸縮率が1%であるときに3MPaの発生力が得られる程度であることが知られている。(例えば、非特許文献1)。
シンセティックメタルズ(Synthetic Metals),90(1997)93−100
上記における電解重合法も該当するのであるが、導電性高分子を得るための電解重合法としては、電解液中に支持電解質を含むのが通常である。前記支持塩としては、公知の電解質を使用することができるが、安価であること、電気化学的に安定であること、及び電解液での混合性が良いことの3つの利点を有することから、製造作業上有利な支持塩である過塩素酸イオン(ClO )を用いることが望ましい。
しかし、導電性高分子をマイクロマシンや人工筋肉、義手・義足などのアクチュエータに用いる場合には、アクチュエータにより大きな変位運動をさせることが目的となるので、1酸化還元サイクル当たりの伸縮率を1%程度から大きく改善する必要がある。また、過塩素酸イオンをドーパントとして含む導電性高分子アクチュエータの伸縮率は3%以下であった。
また、導電性高分子であるポリピロールフィルムは、汎用エンジニアリングプラスチックフィルムと比べて一般には機械的強度が十分ではなく、高い機械的強度が要求されないパッケージ内の電極等の用途には好適であるが、高い機械的強度が要求される外装フィルムやフレキシブル電極等の用途には好適に用いることができない。特に、過塩素酸イオン(ClO )をドーパントとして含む導電性高分子であって、プロピレンカーボネートや酢酸ブチル等の溶媒を用いた電解重合法により得られた導電性高分子は、1酸化還元サイクル当たりの伸縮率と機械的強度とが十分ではない。
本発明の目的は、製造作業上有利な支持塩である過塩素酸イオン(ClO )を用い、しかも、大きな伸縮率と高い機械的強度とを有する導電性高分子を得ることである。
そこで、本発明者らは、鋭意検討の結果、本発明のポリピロール膜の製造方法を用いることにより、上記課題を解決することができることを見出し本発明に至った。本発明は以下である。
本発明は、電解重合法を用いたポリピロール膜の製造方法であって、電解重合法に用いられる電解液はピロール及び/又はピロール誘導体をモノマー成分として含み、前記電解重合法は芳香族エステルを溶媒として含む電解液を用い、前記電解液は過塩素酸イオンを含み、作用電極及び対極に電圧を印加することにより作用電極上に導電性高分子膜が形成されることを特徴とするポリピロール膜の製造方法である。前記製造方法は、過塩素酸イオン(ClO )を支持塩として用いることができるので製造作業性が良好であり、しかも、得られた導電性高分子膜は電解伸縮による大きな伸縮率と高い機械的強度とを有する。なお、本願において、ポリピロール膜は、ピロールのみをモノマー成分とする高分子であるポリピロールの膜状体に限られず、ピロール誘導体、並びにピロールとピロール誘導体とをモノマー成分とする高分子も含む。
また、本発明は、ピロール及び/又はピロール誘導体を重合単位とするポリピロール膜であって、前記ポリピロール膜が電解重合法により得られたポリピロール膜であり、前記電解重合法が芳香族エステルを溶媒として含む電解液を用い、前記電解液が過塩素酸イオンを含むことを特徴とするポリピロール膜である。
また、本発明は、電圧印加により変位する変位部と電解質と対極とを少なくとも備えたアクチュエータ素子であって、前記変位部が上記のポリピロール膜であるアクチュエータ素子である。前記アクチュエータは、ドーパントとして過塩素酸イオン(ClO )含み、しかも大きな1酸化還元サイクルあたりの伸縮率を示し、高い機械的強度を有するので、アクチュエータ素子として好適に用いることができる。特に、前記アクチュエータ素子は、高い機械的強度を有するので、マニピュレータ及びロボットに代表される機械的衝撃が与えられる装置の駆動部に、好適に用いることができる。
上記のように、本発明のポリピロール膜の製造方法は、得られた導電性高分子膜が電解伸縮による大きな伸縮率と高い機械的強度とを有するので、過塩素酸イオン(ClO )を支持電解質として用いることができることから、大きな伸縮率と高い機械的強度とを有する導電性高分子を従来の製造方法よりも容易に得ることができる。また、本発明のポリピロール膜は、大きな1酸化還元サイクルあたりの伸縮率を示し、高い機械的強度を有するので、アクチュエータ素子として好適であり、特にマニピュレータ及びロボットに代表される機械的衝撃が与えられる装置の駆動部用いられるアクチュエータ素子として、更に好適である。
(製造方法)
本発明は、電解重合法を用いたポリピロール膜の製造方法であって、電解重合法に用いられる電解液はピロール及び/又はピロール誘導体をモノマー成分として含み、前記電解重合法は芳香族エステルを溶媒として含む電解液を用い、前記電解液は過塩素酸イオンを含み、作用電極及び対極に電圧を印加することにより作用電極上に導電性高分子膜が形成されることを特徴とするポリピロール膜の製造方法である。
本発明のポリピロール膜の製造方法において、電解重合法に用いられる電解液には、ピロール及び/又はピロール誘導体をモノマー成分として含み、溶媒として芳香族エステルを含み、さらに過塩素酸イオンを含む。
前記電解液は、過塩素酸イオンを含み、かつ溶媒として芳香族エステルを含むことにより、導電性高分子であるポリピロール膜の製造作業性が容易であり、しかも1酸化還元サイクル当たりの大きな伸縮率と高い機械的物性とを兼ね備えたポリピロール膜を得ることができる。前記電解液に溶媒として芳香族エステルが含まれない場合には、1酸化還元サイクル当たりの大きな伸縮率と高い機械的物性とを兼ね備えたポリピロール膜を得ることは難しい。
前記芳香族エステルとしては、芳香環を有し、1以上エステル結合を分子中に有していれば特に限定されるものではない。前記芳香族エステルは、例えば、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、及びサリチル酸メチルからなる群から選ばれた芳香族エステルを用いることができ、電解液のイオン導電率が大きいことから安息香酸メチル、フタル酸ジメチルが好ましい。理由は定かではないが、支持塩に過塩素酸イオンを含む塩を用いても、前記芳香族エステルを溶媒として電解液に用いることにより、ポリピロール鎖間の相互作用を高めて、緻密な構造となるので、1酸化還元サイクル当たりの大きな伸縮率と高い機械的物性とを兼ね備えたポリピロール膜を得ることができるものと考えられる。
前記芳香族エステルは、電解液中に溶媒として含まれていれば、特に限定されるものではないが、電解液中に、電解液全量に対して60〜90重量%含まれれば、1酸化還元サイクル当たりの大きな伸縮率と高い機械的物性とを兼ね備えたポリピロール膜を得ることができる。
本発明のポリピロール膜の製造方法において、電解液中に含まれる過塩素酸イオンは、電解液中に安定に溶解していれば、電解液全量中における含有量が特に限定されるものではなが、良好なイオン伝導度を保つために電解液中に0.1〜35重量%含まれるのが好ましく、1〜20重量%含まれるのがより好ましい。過塩素酸イオンを含む電解液は過塩素酸塩を電解液に溶解することにより得ることができる。該過塩素酸塩は、電解液に溶解することができ、爆発等の危険の少ないものであれば特に限定されるものではなく、テトラアルキルアンモニウム塩を用いることができるが、テトラ−n−ブチルアンモニウム塩を用いることが入手が容易で溶解度が大きいために好ましい。過塩素酸イオンを含む電解液を用いて電解重合を行うことにより、過塩素酸イオンをドーパントとして含むポリピロール膜が得られる。
本願発明の導電性高分子の製造方法において、電解重合における作用電極は、電解重合に用いることができる電極であれば特に限定されるものではない。前記作用電極として、金属電極やITOガラス電極などの非金属電極を用いることにより、高い機械的物性を備えたポリピロール膜を得ることができる。前記金属電極は、金属を主とする電極であれば特に限定されるものではないが、Pt、Ti、Ni、Au、Ta、Mo、Cr及びWからなる群より選ばれた金属元素についての金属単体の電極またはこれらの合金の電極を好適に用いることができる。前記製造方法により得られた導電性高分子の伸縮率及び発生力が大きく、且つ電極を容易に入手できることから、金属電極に含まれる金属種がNi、Tiであることが特に好ましい。なお、前記合金としては、例えば、商品名「INCOLOY alloy 825」、「INCONEL alloy 600」、「INCONEL alloy X−750」(以上、大同スペシャルメタル株式会社製)を用いることができる。また、非金属電極としては、ITOガラス電極等の公知の電極を用いることができる。前記電解重合における作用電極としてITOガラス電極を用いて得られたポリピロール膜は、60MPa以上の引張り強度を示すことができる。なお、電解重合における作用電極としては、ポリピロール膜の量産性の観点から、金属電極であることが好ましい。
本発明の導電性高分子の製造方法において、電解重合法に用いられる電解液に含まれる導電性高分子のモノマー成分としては、電解重合により高分子化して導電性を示すピロール及び/またはピロール誘導体であれば特に限定されるものではない。前記ピロール誘導体は、電解重合によりポリピロールを得ることができれば特に限定されるものではなく、1−メチルピロール、1−フェニルピロール、3−メチルピロール、3,4−ジメチルピロール、3−フェニルピロールなどを用いることができる。前記モノマー成分としては、製造が容易であり、導電性高分子として安定であるために、ピロールが好ましい。また、上記モノマーは2種以上併用することができる。
本発明の導電性高分子の製造方法において、電解重合法に用いられる電解液には、前記有機化合物溶媒と前記トリフルオロメタンスルホン酸イオン及び/または中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンとの溶液中に、導電性高分子の単量体を含み、さらにポリエチレングリコールやポリアクリルアミドなどの公知のその他の添加剤を含むこともできる。
本発明の導電性高分子の製造方法において用いられる電解重合法は、導電性高分子単量体の電解重合として、公知の電解重合方法を用いることが可能であり、定電位法、定電流法及び電気掃引法のいずれをも用いることができる。例えは、前記電解重合法は、電流密度0.01〜20mA/cm2、反応温度―20〜80℃で行うことができ、良好な膜質の導電性高分子を得るために、電流密度0.1〜2mA/cm、反応温度−10〜40℃の条件下で行うことが好ましく、反応温度が0〜30℃の条件であることがより好ましい。
(ポリピロール膜)
本発明は、上記製造方法により得られたポリピロール膜である。即ち、本発明は、ピロール及び/又はピロール誘導体を重合単位とするポリピロール膜であって、前記ポリピロール膜が電解重合法により得られたポリピロール膜であり、前記電解重合法が芳香族エステルを溶媒として含む電解液を用い、前記電解液が過塩素酸イオンを含むことを特徴とするポリピロール膜である。前記ポリピロール膜は、電解重合時における電解液中に過塩素酸イオンをと溶媒として芳香族エステルを含む電解重合法により得られたポリピロール膜であることから、1酸化還元サイクル当たりの大きな伸縮率と高い機械的物性とを兼ね備えたポリピロール膜として得られる。
本発明のポリピロール膜における電解重合の電解液中の芳香族エステルは、上記製造方法の場合と同様である。つまり、前記芳香族エステルは、特に限定されるものではないが、安息香酸メチル、フタル酸ジメチルが好ましく、電解液中、電解液全量に対して60〜99重量%含まれれば良い。
本発明のポリピロール膜における電解重合の電解液中の過塩素酸イオンは、上記製造方法の場合と同様である。つまり、前記ポリピロール膜は、電解液中に0.1〜35重量%含まれるのが好ましく、1〜15重量%含まれるのがより好ましい。
本発明のポリピロール膜における電解重合の作用電極は、上記製造方法の場合と同様である。つまり、Pt、Ti、Ni、Au、Ta、Mo、Cr及びWからなる群より選ばれた金属元素についての金属単体の電極またはこれらの合金の電極を好適に用いることができる。
また、本発明のポリピロール膜における電解重合法は、芳香族エステル、過塩素酸イオン、及び作用電極を除く、その他の条件について、上記製造方法の場合と同様である。
本発明のポリピロール膜は、電解重合法により、作用電極上に形成される。作用電極上に形成されたポリピロール膜は、作用電極から剥離してアクチュエータ素子に用いられるが、作用電極が構造上伸縮可能である場合には作用電極を備えた状態で、アクチュエータ素子に用いることもできる。作用電極上に形成されたポリピロール膜を剥離する方法としては、特に限定されるものではないが、アセトンやプロピレンカーボネート等の極性溶媒中に浸漬し、付着した電解液を洗浄後にピンセット等を用いて剥がすことができる。
(アクチュエータ素子)
本発明は、電圧印加により変位する変位部と電解質と対極とを少なくとも備えたアクチュエータ素子であって、前記変位部が上記のポリピロール膜であり、前記ポリピロール膜及び前記対極に電圧を供給するためのリード線が接続されているアクチュエータ素子である。変位部としてピロール及び/又はピロール誘導体を重合単位とするポリピロール膜であって、前記ポリピロール膜が電解重合法により得られたポリピロール膜であり、前記電解重合法が芳香族エステルを溶媒として含む電解液を用い、前記電解液が過塩素酸イオンを含むことを特徴とするポリピロール膜を備えていることから、前記アクチュエータ素子は、引張り強度が60MPa以上である高い機械的強度を有し、しかも電解伸縮による最大の伸縮率として、1酸化還元当たりの伸縮率が10%以上の伸縮をすることができる。前記アクチュエータ素子は、高い機械的強度と大きな伸縮率を有することから、マニピュレータ及びロボットに代表される機械的衝撃が与えられる装置の駆動部に、好適に用いることができる。
前記アクチュエータ素子は、電圧印加により変位する変位部、電解質、及び対極を少なくとも備えている。前記変位部及び前記対極を、前記変位部及び前記対極のそれぞれに電圧を印加できるように、前記電解質を挟むように設置することができる。このように前記変位部と前記対極を設置することにより、前記変位部及び前記対極に電圧を印加することで、前記変位部と前記対極との間の電解質中においてイオンの移動が生じ、ポリピロール膜においてドーピング及び脱ドーピングが生じる。この変位部におけるポリピロール膜のドーピング及び脱ドーピングにより、アクチュエータ素子は駆動することができる。
前記電解質は、前記ポリピロール膜がドーピング及び脱ドーピングを行うことができるイオンを含むものであれば特に限定されるものではなく、電解液、高分子電解質、ゲル電解質等の電解質を所望により用いることができる。また、前記変位部、前記電解質、及び前記対極を筐体中に収納し、変位部の変位を外部に取り出すためにロッドを備えたアクチュエータ素子の構成とすることができる。例えば、前記電解質が電解液である場合には、筐体中に前記変位部、前記電解質、及び前記対極を封入した素子構成を採用することが好ましい。前記変位部及び前記対極に電圧を印加する方法としては、特に限定されるものではなく、公知の方法により行うことができる。例えば、前記変位部及び前記対極のそれぞれにリード線を接続し、該リード線を電源に接続し、該電源から電圧を印加することで、前記変位部及び前記対極に電圧を印加することができる。
前記アクチュエータ素子は、機械的強度が高く、電解伸縮における1酸化還元サイクル当たりの伸縮率が大きいことから、マニピュレータ及びロボットに代表される機械的衝撃が与えられる装置の駆動部に、好適に用いることができる。
以下に、本願発明の実施例及び比較例を示すが、本願発明は以下に限定されるものではない。
(実施例1)
表1に記載されたモノマー及びドーパントイオンの塩を表1に記載の溶媒に公知の撹拌方法により溶解し、導電性高分子のモノマーを0.25mol/lとして、かつ過塩素酸イオンを表1の濃度として含む電解液を調製した。この電解液に作用電極としてチタン電極(Ti電極)を用い、対向電極として白金電極(Pt電極)を用いて、重合電流密度が表1に記載の値である定電流法により電解重合を行った。この電解重合により、表1に記載の導電率及び膜厚を有する実施例1のポリピロール膜が得られた。
(実施例2及び3)
表1に記載されたモノマー、ドーパントイオン、溶媒、及び作用電極を用いたこと以外は実施例1と同様にしてポリピロール膜を得た。
(比較例1)
溶媒として、表1に記載の溶媒を用いたこと以外は実施例1と同様にして比較例1のポリピロールフィルムを得た。
Figure 2005298764

(評価)
実施例1〜3及び比較例1のポリピロール膜を、アセトンを用いて作用電極から剥離して、動作電解質(PF)を含んだ1mol/lのPF水溶液(動作電解液)に保持した。保持されたポリピロール膜について、下記の測定方法により、それぞれ1酸化還元サイクル当たりの伸縮率を測定した。また、実施例1〜3及び比較例1のポリピロール膜について、下記の測定方法を用いて引張強度を測定した。結果を表1に示す。なお、引張強度については、下記の評価基準により評価した。
〔伸縮率の測定方法〕
実施例1〜3及び比較例1で得られた膜状の導電性高分子成形品を長さ15mm、幅2mmの動作電極とし、白金プレートを対向電極とし、それぞれ電極の端部に、動作電極を前記電解液中に保持し、リードを介して電源と接続して、電位(−0.9〜+0.7V v.s. Ag/Ag)を1サイクル印加して変位量(変位した長さ)を測定した。動作電極が1サイクルの印加(1酸化還元サイクル)で伸長と収縮とをすることにより得られた変位の差を、動作電極の元の長さで割ることにより、最初の酸化還元サイクルである1酸化還元サイクル当たりの伸縮率を求めた。
(伸縮率の測定方法)
実施例1〜3及び比較例1で得られたポリピロール膜をそれぞれ長さ20mmの短冊状に裁断した後に、タブ間隔が約4mmとなるようにアルミタブ加工を施して5mm幅短冊である試験片をそれぞれ作成した。各試験片を用いて、JIS K7127のフィルム引張試験(強さ)に準拠して、試験速度0.5mm/minで引張強度を公知の装置を用いて測定した。なお、引張強度の測定には、試験機「INSTRON5582型」を用いて測定した。
(評価基準)
○:引張り強度が従来の汎用エンジニアリングプラスチックと同等であり、引張強度が優れ、高強度が要求される用途に好適である。
×:引張り強度が従来のポリピロールフィルムと同程度であり、高強度が要求される用途に好適ではない。
(結果)
実施例1〜3のポリピロール膜は、1酸化還元サイクル当たりの伸縮率が11.2〜13.5%であるので、電解伸縮による伸縮の最大値が11.2%以上であり、さらに機械的強度(引張り強度)も60.1MPa以上であった。従って、実施例1〜3のポリピロール膜は、電解重合時に、溶媒として芳香族エステルを用いていることから、製造作業性の良好な過塩素酸イオンを電解質に用いても、電解伸縮における1酸化還元サイクル当たりの伸縮率に優れ、しかも機械的強度に優れていた。
一方、比較例1のポリピロール膜は金属電極を用いているが、芳香族エステルを溶媒として用いなかったことから、実施例1〜3のポリピロール膜に比べて機械的強度が低下した。
本発明のポリピロール膜の製造方法は、電解液中に過塩素酸イオンを含むことから、ポリピロールの製造作業性が他のマイナスイオンを支持電解質に含む電解液を用いたポリピロール膜の製造方法に比べて、製造作業性が良好である。さらに、本発明のポリピロール膜の製造方法は、電解液中に過塩素酸イオンを含み、さらに電解液中に芳香族エステルを含むことから、電気化学的な酸化還元による伸縮における1酸化還元サイクル当たりの伸縮率が大きく、機械的強度が高いポリピロール膜を得ることができる。
上記製造方法により得られたポリピロール膜は、電気化学的な酸化還元による伸縮における1酸化還元サイクル当たりの伸縮率が大きく、機械的強度が高いことから、アクチュエータ素子として好適に用いることができる。さらに、前記ポリピロール膜を変位部に用いたアクチュエータ素子は、電気化学的な酸化還元による伸縮における1酸化還元サイクル当たりの伸縮率が大きく、機械的強度が高いことから、マニピュレータ及びロボットに代表される機械的衝撃が与えられる装置の駆動部に用いられるアクチュエータ素子として好適に用いることができる。

Claims (10)

  1. 電解重合法を用いたポリピロール膜の製造方法であって、
    電解重合法に用いられる電解液はピロール及び/又はピロール誘導体をモノマー成分として含み、
    前記電解重合法は芳香族エステルを溶媒として含む電解液を用い、
    前記電解液は過塩素酸イオンを含み、
    作用電極及び対極に電圧を印加することにより作用電極上に導電性高分子膜が形成される
    ことを特徴とするポリピロール膜の製造方法。
  2. 前記電解重合法に用いられる作用電極は金属電極である請求項1に記載のポリピロール膜の製造方法。
  3. 前記芳香族エステルが、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、及びサリチル酸メチルからなる群よりいずれか1つ以上選ばれることを特徴とする請求項1または2に記載のポリピロール膜の製造方法。
  4. 前記電解液が0.05〜1.0mol/Lの濃度で過塩素酸イオンを含む請求項1乃至3のいずれかに記載のポリピロール膜の製造方法。
  5. ピロール及び/又はピロール誘導体を重合単位とするポリピロール膜であって、
    前記ポリピロール膜が電解重合法により得られたポリピロール膜であり、
    前記電解重合法が芳香族エステルを溶媒として含む電解液を用い、
    前記電解液が過塩素酸イオンを含むことを特徴とするポリピロール膜。
  6. 前記電解重合法に用いられる作用電極が金属電極である請求項5に記載のポリピロール膜。
  7. 前記芳香族エステルが、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸プロピル、安息香酸ブチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、及びサリチル酸メチルからなる群よりいずれか1つ以上選ばれることを特徴とする請求項5または6に記載のポリピロール膜。
  8. 引張り強度が60MPa以上である請求項5乃至7のいずれかに記載のポリピロール膜。
  9. ポリピロール膜中にドーパントとして過塩素酸イオンを含む請求項5乃至8のいずれかに記載のポリピロール膜。
  10. 電圧印加により変位する変位部と電解質と対極とを少なくとも備えたアクチュエータ素子であって、前記変位部が請求項5乃至9のいずれかに記載のポリピロール膜であるアクチュエータ素子。
JP2004120722A 2004-04-15 2004-04-15 ポリピロール膜の製造方法 Pending JP2005298764A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004120722A JP2005298764A (ja) 2004-04-15 2004-04-15 ポリピロール膜の製造方法
PCT/JP2005/005360 WO2005100438A1 (ja) 2004-04-15 2005-03-24 ポリピロール膜の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004120722A JP2005298764A (ja) 2004-04-15 2004-04-15 ポリピロール膜の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005298764A true JP2005298764A (ja) 2005-10-27

Family

ID=35149959

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004120722A Pending JP2005298764A (ja) 2004-04-15 2004-04-15 ポリピロール膜の製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2005298764A (ja)
WO (1) WO2005100438A1 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007186637A (ja) * 2006-01-16 2007-07-26 Eamex Co 導電性高分子アクチュエータ素子
JP2008010407A (ja) * 2006-05-31 2008-01-17 Honda Motor Co Ltd 導電性高分子膜の製造方法及び装置

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7557433B2 (en) 2004-10-25 2009-07-07 Mccain Joseph H Microelectronic device with integrated energy source
JP4644130B2 (ja) * 2006-01-24 2011-03-02 イーメックス株式会社 導電性高分子アクチュエータ素子の製造方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01164804A (ja) * 1987-12-21 1989-06-28 Canon Inc アクチユエータ
JPH0521283A (ja) * 1991-07-10 1993-01-29 Matsushita Electric Ind Co Ltd コンデンサ及びその製造方法
JPH05326338A (ja) * 1992-05-21 1993-12-10 Nippon Chibagaigii Kk 固体電解コンデンサ及びその製造方法
JPH10306144A (ja) * 1997-05-08 1998-11-17 Toshio Kunugi ピロール系高分子フィルムまたは繊維の高感度伸縮方法
JP2000336154A (ja) * 1999-03-23 2000-12-05 Mitsubishi Chemicals Corp 導電性高分子の製造方法
JP2004010858A (ja) * 2002-06-11 2004-01-15 Yamaguchi Technology Licensing Organization Ltd 導電性高分子微粒子の製造方法及び導電性高分子微粒子
JP2005187510A (ja) * 2003-12-24 2005-07-14 Achilles Corp 膜状導電性高分子およびその製造方法

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6088036A (ja) * 1983-10-21 1985-05-17 Agency Of Ind Science & Technol 導電性ポリピロ−ルの製造方法
JP3132219B2 (ja) * 1992-03-10 2001-02-05 住友化学工業株式会社 導電性樹脂複合体の製造方法
US5916627A (en) * 1997-12-31 1999-06-29 Kemet Electronics Corp. Conductive polymer using self-regenerating oxidant
JP4507297B2 (ja) * 1998-07-06 2010-07-21 株式会社村田製作所 導電性重合体、固体電解コンデンサ及びそれらの製造方法
JP4049217B2 (ja) * 2002-10-02 2008-02-20 イーメックス株式会社 導電性高分子成形品及び積層体を用いた装置
JP2004285352A (ja) * 2003-03-04 2004-10-14 Eamex Co 変形性高強度ポリピロールフィルム及びその製造方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01164804A (ja) * 1987-12-21 1989-06-28 Canon Inc アクチユエータ
JPH0521283A (ja) * 1991-07-10 1993-01-29 Matsushita Electric Ind Co Ltd コンデンサ及びその製造方法
JPH05326338A (ja) * 1992-05-21 1993-12-10 Nippon Chibagaigii Kk 固体電解コンデンサ及びその製造方法
JPH10306144A (ja) * 1997-05-08 1998-11-17 Toshio Kunugi ピロール系高分子フィルムまたは繊維の高感度伸縮方法
JP2000336154A (ja) * 1999-03-23 2000-12-05 Mitsubishi Chemicals Corp 導電性高分子の製造方法
JP2004010858A (ja) * 2002-06-11 2004-01-15 Yamaguchi Technology Licensing Organization Ltd 導電性高分子微粒子の製造方法及び導電性高分子微粒子
JP2005187510A (ja) * 2003-12-24 2005-07-14 Achilles Corp 膜状導電性高分子およびその製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007186637A (ja) * 2006-01-16 2007-07-26 Eamex Co 導電性高分子アクチュエータ素子
JP2008010407A (ja) * 2006-05-31 2008-01-17 Honda Motor Co Ltd 導電性高分子膜の製造方法及び装置

Also Published As

Publication number Publication date
WO2005100438A1 (ja) 2005-10-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Hara et al. Highly stretchable and powerful polypyrrole linear actuators
Hara et al. Free-standing gel-like polypyrrole actuators doped with bis (perfluoroalkylsulfonyl) imide exhibiting extremely large strain
Rosi et al. Hydrogel-polymer electrolytes based on polyvinyl alcohol and hydroxyethylcellulose for supercapacitor applications
JP2002100405A (ja) ゲル状高分子固体電解質用樹脂組成物およびゲル状高分子固体電解質
JP2007204682A (ja) アクチュエータ素子
Zama et al. Comparison of conducting polymer actuators based on polypyrrole doped with BF4−, PF6−, CF3SO3−, and ClO4−
JP5948624B2 (ja) 導電性高分子複合体、及び、その製造方法
El Aggadi et al. Electropolymerization of aniline monomer and effects of synthesis conditions on the characteristics of synthesized polyaniline thin films
JP5915826B2 (ja) フェノール化合物含有導電性高分子
WO2005100438A1 (ja) ポリピロール膜の製造方法
JP4943707B2 (ja) 導電性高分子アクチュエータ素子
JP5388192B2 (ja) 導電性高分子アクチュエータ材料
JP4727182B2 (ja) 導電性高分子アクチュエータ素子の駆動方法
Zama et al. The correlation between electrically induced stress and mechanical tensile strength of polypyrrole actuators
JP2007023173A (ja) 導電性高分子アクチュエータ素子
JP2006274229A (ja) 導電性高分子アクチュエータ素子の駆動方法
US8715531B2 (en) Actuator
JP6481356B2 (ja) アクチュエータ素子用電解質及びアクチュエータ素子
JP2007185016A (ja) 導電性高分子アクチュエータ素子
JP4644130B2 (ja) 導電性高分子アクチュエータ素子の製造方法
Song et al. Electrochemical polymerisation of poly (3-bromothiophene)/WO3 nanocomposite films
JP2010186937A (ja) キャパシタ用電極材料およびそれを用いた電気二重層キャパシタ
US5120407A (en) Electrochemical polymerization of five-membered heterocyclic monomers
Wickramasinhage et al. Gel actuators based on polymeric radicals
Kaneto et al. Mechanisms of Contraction Force in Conducting Polymer Polypyrrole Softactuator

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20060227

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060228

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070307

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100226

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100817