JP5948624B2 - 導電性高分子複合体、及び、その製造方法 - Google Patents

導電性高分子複合体、及び、その製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、集電体上に導電性高分子層を有する導電性高分子複合体、及び、その製造方法に関する。
ポリピロールやポリチオフェンなどの導電性高分子は、電気化学的な酸化還元によって伸縮する現象である電解伸縮を発現することが知られている。この導電性高分子の電解伸縮は、人工筋肉、ロボットアーム、義手やアクチュエータ等の用途へ適用が注目されている。
また、導電性高分子から形成される膜を、マイクロマシン等の小型のアクチュエータに使用するだけでなく、一次電池用電極、二次電池用電極、キャパシタ用電極、太陽電池用電極、及び、エレクトロルミネッセンス素子等に使用されている。特に、二次電池の分野においては、高容量密度化の要求が強く、軽量な導電性高分子を活物質として用いる試みがなされている。
導電性高分子の製造方法には、化学重合法と電解重合法があり、通常、化学重合法で得られる導電性高分子は粉末状であるため、これを電極として使用する場合には、導電性高分子に導電剤や結着剤などを加えたスラリーを調製し、このスラリーを集電体に塗布する工程が必要となる(特許文献1)。このため、作業工程が増え、取り扱い性(作業性)が悪くなり、また、導電性高分子以外の成分を含有するため、十分な導電率の向上を図ることが困難となっている。特に、ポリチオフェンは、電解重合法を用いて膜を製造した場合、非常に脆い膜が形成される。
特開2000−123825
このような中で、作業性(作業効率)や耐久性に優れた、集電体と導電性高分子(層)が一体化した導電性高分子複合体や、前記導電性高分子複合体を用いたアクチュエータ素子や蓄電デバイスの開発が求められている。
そこで、本発明者らは、鋭意検討した結果、下記の導電性高分子複合体を用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の導電性高分子複合体は、集電体上に導電性高分子層を有する導電性高分子複合体であって、前記集電体が、多孔質体であることを特徴とする。
本発明の導電性高分子複合体は、前記集電体が、アルミニウムを含有することが好ましい。
本発明の導電性高分子複合体は、前記導電性高分子層が、導電性高分子、及び、電解質アニオンを含有することが好ましい。
本発明の導電性高分子複合体は、前記電解質アニオンが、フッ素原子を含有することが好ましい。
本発明の導電性高分子複合体は、前記電解質アニオンが、ヘキサフルオロリン酸イオンであることが好ましい。
本発明の導電性高分子複合体は、前記導電性高分子が、前記多孔質体の少なくとも一部を貫通していることが好ましい。
本発明の導電性高分子複合体は、前記導電性高分子層が、更に、フェノール性水酸基含有化合物を含有することが好ましい。
本発明の導電性高分子複合体は、前記フェノール性水酸基含有化合物が、2個以上の水酸基を有することが好ましい。
本発明の導電性高分子複合体は、前記フェノール性水酸基含有化合物が、ヒンダードフェノール系化合物、ビスフェノール系化合物、及び、フェノール樹脂系化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の導電性高分子複合体は、前記導電性高分子を構成する導電性高分子単量体が、ピロール、チオフェン、アニリン、フェニレン、及びこれらの誘導体からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の導電性高分子複合体の製造方法が、前記導電性高分子複合体の製造方法であって、前記集電体上に、導電性高分子を構成する単量体を直接電解重合して、前記導電性高分子層を形成することが好ましい。
本発明の導電性高分子複合体は、作業性に優れ、導電性高分子層と集電体が一体化した、より強度の高い導電性高分子複合体であるため、強度や伸縮動作が要求されるアクチュエータ素子に利用することができ、また、作用電極に、集電体を用いることにより、集電体上で直接、導電性高分子を構成する単量体を電解重合することができ、導電性高分子と集電体が一体化した高強度の導電性高分子複合体を得ることができ、蓄電デバイスにも応用でき、有用である。
(導電性高分子)
本発明に用いられる導電性高分子(層)を構成する単量体(導電性高分子単量体)としては、電解重合法に用いられる電解液に含まれるものであり、電解重合法による酸化により、高分子化して導電性を示す化合物であれば特に限定されるものではない。例えば、単量体としては、ピロール、チオフェン、アニリン、フェニレン等の環式化合物、及びそのアルキル基、オキシアルキル基等の誘導体が挙げられる。その中でもピロール、チオフェン等の複素五員環式化合物及びその誘導体が好ましく、特にピロールやその誘導体を含む導電性高分子の場合、製造が容易であり、導電性高分子として化学的に安定であるため好ましい。また、これまで化学重合法により、製造されていたポリチオフェンに関しては、電解重合法を用いた場合であっても、十分な強度等を有する膜を得られるため、好ましい。上記モノマーは2種以上併用することができる。
(電解質アニオン(ドーパント))
前記電解重合法の際に前記単量体と共に電解液に配合される電解質アニオン(ドーパント)としては、電解重合に用いられる溶媒中で溶解する化合物であれば特に限定されるものではない。前記電解質アニオンを構成するものとしては、例えば、ハロゲン、ハロゲン酸、硝酸、硫酸、ヒ酸、アンチモン酸、ホウ酸、リン酸、カルボン酸、スルホン酸、スルホイミド、スルホメチド等の誘導体や色素化合物が挙げられる。また、前記電解質アニオンを構成するものとしては、具体的には、過塩素酸、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸、ヘキサフルオロヒ酸、ヘキサフルオロアンチモン酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、ベンジルエチル-[4'-(4''-(ベンジルエチルアミノ)-ジフェニルメチレン)-2',5-シクロヘキサジエニリデン]アンモニウム-2'''、3、3'''-トリスルホン酸、3-ヒドロキシ-4-[2-スルホ-4-(4-スルホフェニルアゾ)フェニルアゾ]-2,7-ナフタレンジスルホン酸を例示することができる。これらと共に、対イオンを伴う塩としては、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、イミダゾリウム塩、ヨードニウム塩等の誘導体が挙げられる。更に詳しくは、前記塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、テトラブチルアンモニウム塩、テトラブチルホスホニウム塩、1,3-ジメチルイミダゾリウム塩、4-イソプロピル4’-メチルジフェニルヨードニウム塩を例示することができる。前記電解質アニオンを構成するものの中でも、フッ素原子を含有するもの(支持電解質)を使用することが好ましく、アルキル化されたスルホニル基を有する化合物及びその誘導体がより好ましく、トリフルオロメタンスルホン酸イオン(もしくはビス(トリフルオメタンスルホニル)イミドイオン)や、中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンを含む支持電解質を用いることが更に好ましい。また、上記支持電解質は2種以上併用することができる。なお、前記支持電解質が電離することにより、前記電解質アニオンを生成することができ、前記電解質アニオンが、本発明で使用される導電性高分子層中に、ドーパントとして、作用することになる。また、前記電解質に加えて、イオン性液体等も配合することができる。
前記トリフルオロメタンスルホン酸イオンは、化学式CFSO で表される化合物である。また、中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンは、ホウ素、リン、アンチモン及びヒ素等の中心原子に複数のフッ素原子が結合をした構造を有している。中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンとしては、特に限定されるものではないが、テトラフルオロホウ酸イオン(BF )、ヘキサフルオロリン酸イオン(PF )、ヘキサフルオロアンチモン酸イオン(SbF )、及びヘキサフルオロヒ酸イオン(AsF )を例示することができ、中でも、ヘキサフルオロリン酸イオン(PF )を用いることは特に好ましい態様である。前記中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンは、1種類のアニオンを用いても良く、複数種のアニオンを同時に用いても良く、さらには、トリフルオロメタンスルホン酸イオンと複数種の中心原子に対しフッ素原子を複数含むアニオンとを同時に用いても良い。
前記電解質アニオンは、電解液中の含有量が特に限定されるものではないが、電解液中に0.1〜35重量%含まれるのが好ましく、1〜20重量%含まれるのがより好ましい。前記範囲内において、前記支持電解質を用いて電解重合を行うことにより、アクチュエータにおける電解伸縮において、1酸化還元サイクル当たりの伸縮率が優れ、更に、蓄電デバイスにおいて、容量密度に優れた導電性高分子(層)を得ることができる。
(フェノール性水酸基含有化合物)
本発明の導電性高分子複合体の導電性高分子層には、フェノール性水酸基含有化合物を含有することが好ましく、2個以上の水酸基を有するフェノール性水酸基含有化合物であることがより好ましく、ヒンダードフェノール系化合物、ビスフェノール系化合物、及び、フェノール樹脂系化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることが、更に好ましく、ヒンダードフェノール系化合物、及び/又は、フェノール樹脂系化合物が特に好ましい。前記フェノール性水酸基含有化合物を、前記導電性高分子と共に配合することにより、詳細な理由は明らかではないが、水酸基やベンゼン環が存在することにより、複素五員環化合物等と相互作用することにより、強度(耐久性)が増大し、更に作業性(取り扱い性)の向上を図ることができるものと推測される。また、ポリチオフェン等は、通常、化学重合法により製造されるが、化学重合法により得られるポリチオフェン膜(層)は、粉末状であるため、結着剤等を使用して固着する必要がある。また、電解重合法によりポリチオフェン膜を製造した場合には、膜の強度が弱く、非常に脆いものとなる。しかし、前記フェノール性水酸基含有化合物と共に、電解重合法によりポリチオフェン膜を製造した場合、強度が大幅に増大し、結着剤等を使用することなく、耐久性に優れたポリチオフェン膜等を得ることができ、非常に有用である。
具体的なフェノール性水酸基化合物として、例えば、フェノール、クレゾール、メトキシフェノール、t−ブチルフェノール、4,4'-イソプロピリデンジフェノール、テルペンビスフェノール、ビニルフェノール、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等 が挙げられ、2個以上のフェノール性水酸基含有化合物がより好ましい。また、その中でも高分子量のフェノール性水酸基含有化合物は、導電性高分子中での安定性において優れているため好ましい。また、その中でも、更に好ましくはヒンダードフェノール系化合物、ビスフェノール系化合物、及び、フェノール樹脂系化合物からなる群より選択される少なくとも1種を使用する事ができ、具体的には、フェノール樹脂系化合物として、下記式(1)のポリパラビニルフェノール、ヒンダードフェノール系化合物として、下記式(2)のペンタエリスリチルテトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(分子量1177.7)や、下記式(3)の2,2−チオジエチレン−ビス(3-(3,5-ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)(分子量642.9)、下記式(4)の1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン(分子量775.2)、下記式(5)のオクタデシル-3-(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(分子量530.9)、ビスフェノール系化合物として、下記式(6)の4,4'−イソプロピリデンジフェノール(分子量228.29)等が挙げられる。

Figure 0005948624
前記フェノール性水酸基含有化合物は、電解液中の含有量が特に限定されるものではないが、電解液中に0.01〜3.0重量%含まれるのが好ましく、0.05〜1.5重量%含まれるのがより好ましく、0.1〜1.0重量%が特に好ましい。前記範囲内であると、最終的得られる導電性高分子層(膜)の強度が向上し、アクチュエータ等に使用できる実使用レベルを維持でき、有用である。
(その他の添加剤)
前記電解重合法に用いられる電解液には、前記単量体や電解質アニオン(ドーパント)(もしくは支持電解質)のほかに、さらにポリエチレングリコールやポリアクリルアミドなどの公知のその他の添加剤を配合することができる。
(電解液の溶媒)
前記電解重合時の電解液に含まれる溶媒としては、特に限定されるものではないが、例えば、前記電解重合により得られる導電性高分子をアクチュエータ素子に使用する場合、1酸化還元サイクル当たりの伸縮率が3%以上の導電性高分子を容易に得ることができ、また、前記導電性高分子を蓄電デバイスに使用する場合、その容量密度を30Ah/kg以上に容易に調整するため、前記電解質アニオン(ドーパント)(もしくは支持電解質)以外に、エーテル結合、エステル結合、カーボネート結合、ヒドロキシル基、ニトロ基、スルホン基及びニトリル基のうち少なくとも1つ以上の結合あるいは官能基を含む有機化合物及び/またはハロゲン化炭化水素を電解液の溶媒として含むことが好ましく、更に好ましくは、エステル結合をもつ溶媒を1種類以上含むことが、有効である。これらの溶媒を2種以上併用することもできる。
前記有機化合物としては、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン(以上、エーテル結合を含む有機化合物)、γ−ブチロラクトン、酢酸エチル、酢酸nブチル、酢酸-t-ブチル、1,2−ジアセトキシエタン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸ブチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ベンジル-2-エチルへキシル(以上、エステル結合を含む有機化合物)、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート(以上、カーボネート結合を含む有機化合物)、エチレングリコール、1−ブタノール、1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1−オクタノール、1−デカノール、1−ドデカノール、1−オクタデカノール(以上、ヒドロキシル基を含む有機化合物)、ニトロメタン、ニトロベンゼン(以上、ニトロ基を含む有機化合物)、スルホラン、ジメチルスルホン(以上、スルホン基を含む有機化合物)、及びアセトニトリル、ブチロニトリル、ベンゾニトリル(以上、ニトリル基を含む有機化合物)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンを例示することができる。なお、前記有機化合物は、前記の例示以外にも、分子中にエーテル結合、エステル結合、カーボネート結合、ヒドロキシル基、ニトロ基、スルホン基及びニトリル基のうち、2つ以上の結合あるいは官能基を任意の組み合わせで含む有機化合物であってもよい。それらは、例えば、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−フェノキシエタノールなどである。
また、前記ハロゲン化炭化水素としては、炭化水素中の水素が少なくとも1つ以上ハロゲン原子に置換されたもので、電解重合条件で液体として安定に存在することができるものであれば、特に限定されるものではない。前記ハロゲン化炭化水素としては、例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタンを挙げることができる。前記ハロゲン化炭化水素は、1種類のみを前記電解液中の溶媒として用いることもできるが、2種以上併用することもできる。また、前記ハロゲン化炭化水素は、上記有機化合物と混合して用いてもよく、有機溶媒との混合溶媒を前記電解液中の溶媒として用いることもできる。
(作用電極)
本発明における導電性高分子層を得るためには、前記導電性高分子単量体と共に、重合用作用電極を用いることにより、前記作用電極上に、導電性高分子層(膜)を製造することができる。
前記重合作用電極の種類としては、金属を用いた金属電極や、非金属電極などを用いることができる。例えば、Au、Pt、Al、Ti、Ni、Pd、Ta、Mo、Cr及びWからなる群より選択される金属元素の単体、もしくは合金の電極(SUSなど)や、カーボン電極やITOガラス電極といった非金属電極、これら異種金属またはカーボンなどの非金属をメッキやスパッタリング、被覆する等の処理で組み合わせた電極を好適に用いることができる。前記得られる導電性高分子の伸縮率及び発生力が大きく、且つ、電極を容易に入手できることから、Al、NiやTiなどの金属元素を含む金属電極を用いることが特に好ましい。また、蓄電デバイスとして使用する場合には、AlやAl合金等のように、比重の小さいものは、重合用作用電極としてだけではなく、直接、集電体(集電極)に適用することができ、好ましい態様である。
前記重合作用電極の形状としては、特に制限されないが、例えば、平面状や棒状であれば、容易に導電性高分子層を形成できるため、好ましい形状である。
前記重合用作用電極の導電率としては、1.0×10S/cm以上が好ましく、より好ましくは、1.0×10S/cm以上であり、特に好ましくは1.0×10S/cm以上である。前記導電率が1.0×10S/cm以上であることにより、さらに、長さ方向または高さ方向にサイズを大きくしたものの場合であっても、伸縮等の変位をするのに十分な電位を素子全体にかけることができ、有効である。
(集電体)
本発明で用いられる集電体は、多孔質体である。前記集電体が多孔質体であることにより、導電性高分子を貼付する際に、孔中に導電性高分子が入り込むことにより、導電性高分子(層)と集電体が、一体化でき、強度向上を図ることができ好ましい態様となる。
また、前記集電体(多孔質体)の形状としては、例えば、金属繊維シートやペーパー(箔等も含む)、金属メッシュ、発泡メタル、パンチメタルシート、絶縁性の多孔質体の表面にスパッタリング等により、金属層又はカーボン層を被覆したもの等、導電性を有する多孔質体を使用することができる。従って、シート状やペーパー状等の板状(平面上)の多孔質体に限られるものではない。また、前記集電体の形状としては、前記重合用作用電極に使用される形状であっても構わないが、多孔質体であることが必要である。また、集電体の導電率としては、前記重合用作用電極と、同程度のものを使用することが好ましい。
また、前記多孔質体の表面が、研磨等により、表面が荒らされている多孔質体を使用することも好ましい態様である。前記多孔質体の表面粗さとしては、特に制限されないが、例えば、♯400〜1500程度のサンドペーパーにより、表面粗さを調製したもの使用することが好ましく、♯600〜1000程度のサンドペーパーにより、表面粗さを調製したものが、より好ましい。なお、表面粗さを調製する方法としては、研磨に限られず、例えば、化学エッチング、電解エッチング、およびこれらエッチング方法の併用、サンドブラスト等により、調製することも可能である。
また、本発明においては、多孔質体の集電体を重合用作用電極として使用することも可能である。前記集電体を重合用作用電極として使用することにより、重合用作用電極から、導電性高分子層を剥離する工程を必要としなくなり、工程数の減少や作業効率の向上等が図れ、好ましい態様である。また、多孔質体の集電体を使用することにより、導電性高分子(層)が、孔中に入り込み、導電性高分子(層)と集電体が、より一体化することができ、強度向上を図ることができ好ましい態様となる。また、前記表面を荒らした集電体を使用することにより、例えば、前記集電体上に直接導電性高分子を電解重合により形成する際に、導電性高分子の集電体に対する固着(食いつき(付着))が、より良好になり、集電体と導電性高分子層が一体化した導電性高分子複合体が、得られやすくなり、強度等の面において、より良好となる。
また、本発明の導電性高分子複合体(集電体及び導電性高分子層)は、前記導電性高分子が、前記多孔質体の少なくとも一部を貫通していることが好ましい態様である。前記集電体が多孔質体であり、前記集電体に存在する孔が、例えば、表裏において貫通している場合(例えば、金属メッシュやパンチメタルシート等)に、その貫通孔を導電性高分子が貫通して導電性高分子層を形成していることが好ましい。前記導電性高分子(層)が貫通していることにより、より強固に集電体と導電性高分子(層)が食いつき(付着した状態)、一体化し強度の高い導電性高分子複合体となるため、様々な分野に応用することができる。
(電解重合条件)
本発明で使用する導電性高分子(層)は、導電性高分子単量体を公知の電解重合法を用いることにより得ることができ、例えば、定電位法、定電流法及び電気掃引法のいずれをも用いることができる。例えば、前記電解重合法は、電流密度0.01〜20mA/cm2、重合時間0.4〜100時間、反応温度−70〜80℃で行うことができ、良好な膜質の導電性高分子を得るために、電流密度0.1〜2mA/cm、重合時間4〜20時間、反応温度−40〜40℃の条件下で行うことが好ましく、反応温度が−30〜30℃の条件であることがより好ましい。
(アクチュエータ素子)
本発明の導電性高分子複合体を用いて、アクチュエータ素子として使用することができる。前記導電性高分子複合体をアクチュエータ素子に応用する方法としては、特に限定されないが、例えば、集電体と導電性高分子層からなる導電性高分子複合体を、導電性高分子層側を貼り合わせて、集電体が両外側に配置されるようにし、両集電体の内、一方を正極とし、他方を負極に繋いで、電圧を印加することにより、バイモルフ型のアクチュエータ素子を製造することができる。また、その他には、伸縮性を有する集電体を用いた場合、対極と組み合わせることによる直動型アクチュエータ素子の製造等も可能である。
前記アクチュエータ素子の大きさとしては、特に限定なく製造することができるが、使用される集電体(基体)の大きさに合わせて、微小なものから、巨大なものまでを製造することができる。たとえば、集電体(基体)として金属製コイル状部材を用いる場合には、コイルの外径が、400μm〜10cmのものに導電性高分子層を形成して、アクチュエータ素子を製造することもできる。
(アクチュエータ素子の電解伸縮)
また、前記導電性高分子複合体を用いたアクチュエータ素子を電解液(動作電解液)中で、電気化学的酸化還元により伸縮させる電解伸縮方法により駆動させることができる。前記導電性高分子複合体を電解伸縮させることにより、1酸化還元サイクル当たりにおいて優れた伸縮率を得ることができ、特定時間あたりにおいて、高い変位量を得ることができる。なお、伸縮率としては、アクチュエータ素子をもちいる用途によって異なるが、好ましくは、3%以上、より好ましくは、5%以上、特に好ましくは、10%以上である。3%未満であると、実用的なアクチュエータ素子の変位量(伸縮量)を得るためには、アクチュエータ素子の大型化が必要となるため、好ましくない。また、前記伸縮率だけではなく、電気化学的酸化還元により、アクチュエータ素子を電解伸縮方法させ、高い変位角 (変位量)を得ることができる。なお、前記変位角としては、アクチュエータ素子をもちいる用途によって異なるが、好ましくは5度以上であり、より好ましくは、20度以上である。
なお、アクチュエータ素子を電解伸縮させる方法として、特に制限されないが、たとえば、駆動作用電極と駆動対向電極を電解液中で、0.1〜10Vの電圧を印加することにより、前記駆動作用電極及び/又は駆動対向電極を電解伸縮させることができ、アクチュエータ素子として、活用することができる。
前記導電性高分子複合体の電解伸縮が行われる電解液である動作電解液としては、前記電解重合時に使用する電解液と同様のものを使用することができるが、例えば、主溶媒としては水やエタノール、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、ペンタエチレングリコールジメチルエーテル、ヘキサエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコール等を単独、又は2種以上の混合溶媒に電解質を含む液体であることが、濃度調製が容易であるため、好ましい。また、前記動作電解液に含まれる電解質としては、前記電解重合時に使用する支持電解質などを使用することができ、特に制限される訳ではないが、例えば、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドテトラブチルアンモニウム、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム、ヘキサフルオロリン酸テトラブチルアンモニウム、ヘキサフルオロリン酸リチウム、テトラフルオロホウ酸テトラブチルアンモニウム、テトラフルオロホウ酸リチウム、の使用がより好ましい態様である。また、前記電解質に加えて、イオン性液体等も使用することができる。
前記電解伸縮方法に用いる電解液の温度は、特に限定されるものではないが、上記の導電性高分子をより速い速度で電解伸縮させるために、20〜100℃であることが好ましく、さらに好ましくは50〜80℃である。
(蓄電デバイス)
また、前記導電性高分子複合構造体を蓄電デバイスとして、使用することができる。前記蓄電デバイスには、前記電極を正極または負極のどちらか一方に用いることができ、前記電極を正極に用いることが好ましく、前記電極を負極及び正極に用いることがより好ましい。前記電極を正極に用いた場合には、前記蓄電デバイスは、リチウム電池、リチウムイオン電池、レドックスキャパシタ等となるため、高い容量密度を得ることができる。
前記蓄電デバイスは、電解質を含むことになるが、前記電解質は、公知の電解質を使用することができ、前記電解重合時に使用する電解質アニオン(ドーパント)して機能し得るアニオンを含むものであれば、特に限定されるものではなく、前記電解重合時に使用する電解液を用いることができる。前記電解液に含まれる溶媒は、特に限定されるものではなく、水、若しくは極性有機溶媒を用いることができる。前記極性有機溶媒は、化学的に安定であり、電気化学反応の反応場として用いることができるものであれば、特に限定されるものではなく、前記電解重合時に使用する電解液の溶媒や、前記動作電解液で使用される溶媒を例示することができる。前記極性有機溶媒としては、電解液のイオン伝導度が大きいために、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトンが好ましい。なお、前記集電体に使用する金属種等に合わせて、使用する溶媒を選択する。
以下に、本発明の実施例及び比較例を示すが、本発明は以下に限定されるものではない。
(実施例1)
(1)フタル酸ジエチルと酢酸エチル(混合体積比80:20)の混合溶媒を用いて、モノマーであるピロール(東京化成工業株式会社製)を0.1mol/L、ヘキサフルオロリン酸テトラブチルアンモニウム(TBAPF6)(東京化成工業株式会社製)0.2mol/L及び、ペンタエリスリチルテトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(東京化成工業株式会社製)0.15重量%になるように溶解し、重合電解液とした。
(2)続いて、厚さ0.03mmのアルミニウム箔(重合作用電極:集電体)表面にカーボン層を厚さ0.001mmコーティングし固定することで多孔質カーボン層をアルミニウム箔上に形成した後、電流密度0.15mA/cmで、16時間、20℃、定電流電解重合した。この際に、集電体とポリピロール(層)が一体化した導電性高分子複合体を得た。得られた導電性高分子複合体の充放電性能の評価における内部抵抗は6Ω、−0.7V〜+0.8Vの電圧範囲で測定した結果、容量密度は95Ah/kgであった。また、アクチュエータ素子として40度の湾曲が確認された。
(実施例2)
(1)フタル酸ジエチルと酢酸エチル(混合体積比80:20)の混合溶媒を用いて、モノマーであるピロール(東京化成工業株式会社製)を0.1mol/L、ヘキサフルオロリン酸テトラブチルアンモニウム(TBAPF6)(東京化成工業株式会社製)0.2mol/L及び、ペンタエリスリチルテトラキス(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(東京化成工業株式会社製)0.15重量%になるように溶解し、重合電解液とした。
(2)続いて、線径0.03mm、♯300のメッシュ状のSUS304(重合作用電極:集電体)上に、電流密度0.15mA/cmで、16時間、20℃、定電流電解重合した。この際に、集電体とポリピロール(層)が一体化した導電性高分子複合体を得た。得られた導電性高分子複合体の充放電性能の評価における内部抵抗は6Ω、−0.7V〜+0.8Vの電圧範囲で測定した結果、容量密度は95Ah/kgであった。
(実施例3)
(1)フタル酸ジエチルとプロピレンカーボネート(混合体積比80:20)の混合溶媒を用いて、モノマーである3−メチルチオフェン(東京化成工業株式会社製)を0.1mol/L、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドテトラブチルアンモニウム(TBATFSI)0.2mol/L及び、フェノール樹脂(ポリp−ビニルフェノール、丸善石油化学株式会社製)を0.8重量%になるように溶解し、重合電解液とした。
(2)続いて、厚さ0.02mm、孔径0.35mm、開口率15%のアルミニウム箔(重合作用電極:集電体)を、♯600のサンドペーパーで研磨し洗浄後カーボンを0.01μm蒸着させたものを重合電極とし、電流密度0.15mA/cmで、16時間、−10℃、定電流電解重合した。この際に、集電体とポリ3−メチルチオフェン(層)が一体化した導電性高分子複合体を得た。得られた導電性高分子複合体の充放電性能の評価における内部抵抗は6Ω、0V〜+1.0Vの電圧範囲で測定した結果、容量密度は、42Ah/kgであった。
(実施例4)
(1)フタル酸ジエチルと酢酸エチル(混合体積比80:20)の混合溶媒を用いて、モノマーであるピロール(東京化成工業株式会社製)を0.1mol/L、ヘキサフルオロリン酸テトラブチルアンモニウム(TBAPF6)(東京化成工業株式会社製)0.2mol/Lになるように溶解し、重合電解液とした。
(2)続いて、厚さ0.02mmのアルミニウム箔(重合作用電極:集電体)面を化学エッチングによりスポンジ状に多孔質化したものに、カーボンを0.01μm蒸着させ、重合電極とし、電流密度0.15mA/cmで、16時間、20℃、定電流電解重合した。この際に、集電体とポリピロール(層)が一体化した導電性高分子複合体を得た。得られた導電性高分子複合体の充放電性能の評価における内部抵抗は6Ω、−0.7V〜+0.8Vの電圧範囲で測定した結果、容量密度は95Ah/kgであった。
(比較例1)
(1)フタル酸ジエチルと酢酸エチル(混合体積比80:20)の混合溶媒を用いて、モノマーであるピロール(東京化成工業株式会社製)を0.1mol/L、ヘキサフルオロリン酸テトラブチルアンモニウム(TBAPF6)(東京化成工業株式会社製)0.2mol/Lになるように溶解し、重合電解液とした。
(2)続いて、厚さ0.3mmのニッケル板(重合作用電極:集電体)を、♯600のサンドペーパーで研磨し洗浄後、電流密度0.15mA/cmで、16時間、20℃、定電流電解重合した。この際に、集電体からポリピロール(層)が剥がれ、一体化した導電性高分子複合体を得ることができなかった。得られた導電性高分子層の充放電性能の評価における内部抵抗は42Ωであった。
(比較例2)
(1)フタル酸ジエチルと酢酸エチル(混合体積比80:20)の混合溶媒を用いて、モノマーであるピロール(東京化成工業株式会社製)を0.1mol/L、ヘキサフルオロリン酸テトラブチルアンモニウム(TBAPF6)(東京化成工業株式会社製)0.2mol/Lになるように溶解し、重合電解液とした。
(2)続いて、厚さ0.02mmのアルミニウム箔(重合作用電極:集電体)重合電極とし、電流密度0.15mA/cmで、16時間、20℃、定電流電解重合した。この際に、集電体からポリピロール(層)が剥がれ、一体化した導電性高分子複合体を得ることができなかった。得られた導電性高分子層の充放電性能の評価における内部抵抗は60Ωであった。
(評価方法)
<変位角の測定>
実施例1をアクチュエータ素子に用いた場合、下記の方法により1酸化還元サイクル当たりの湾曲角度(変位角度)を測定した。
前記得られたアクチュエータ素子を動作電極とし、動作電極を前記電解液中に保持した。白金プレートを対向電極とし、それぞれ電極の端部に、リードを介して電源と接続して、周波数0.5Hz、電位(1.2〜3.0Vp−p v.s. Ag/Ag)を1サイクル印加して変位量(変位した角度)を測定した。なお、前記変位角度は、アクチュエータ素子の往復変位運動における屈曲ないし変位した状態での、アクチュエータ素子の先端の変位凸面の接線方向と重力方向とのなす角を、室温にて、右側変位、左側変位とも測定し、これを平均して変位角(変位角度)とした。なお、測定温度条件は、20℃であった。
<充放電性能>
実施例1〜4、比較例1及び2を蓄電デバイスに用いた場合、下記の方法により充放電性能(内部抵抗、及び、容量密度)を評価した。
導電性高分子複合体(または導電性高分子層。なお比較例の場合、前記導電性高分子複合体を得ることができなかった。)を、面積1.8cmの短冊試験片を作製した。続いて、厚み0.03mmのSUS304集電板、厚さ0.5mm活性炭シート、厚さ0.05mmのセパレータ、前記短冊試験片にカットした導電性高分子複合体(導電性高分子層の場合、厚み0.03mmのSUS304集電板が必要)を積層した後、密閉容器中に封入し、有機電解液を浸透させて測定セルを作製した。前記有機電解液には、リチウムイオン二次電池で、一般に使用されるエチレンカーボネートとジエチレンカーボネートの混合溶媒(混合比1:1)に、1mol/Lのビストリフルオロメタンスルフォニルイミドのリチウム塩(LiTFSI)を溶解したものを使用した。セパレータは、一般的に市販されている多孔質ポリプロピレンフィルムを使用した。電池の組み立て方法は、特に限定されないが、ここでは、乾燥Arガス雰囲気のグローブボックス内で行った。充放電評価は、北斗電工株式会社製「HJ1001SD8」を使用した。なお、定電流0.5mA/cmの充放電条件にて、性能評価を行った。なお、内部抵抗は、放電開始時の降下電圧と電流値より算出した。
前記内部抵抗としては、好ましくは20Ω以下であり、より好ましくは、10Ω以下である。また、前記容量密度としては、好ましくは、30Ah/kg以上であり、より好ましくは、40Ah/kg以上である。前記範囲内であれば、蓄電デバイスとして有効である。
Figure 0005948624
上記表1の結果より、実施例1〜4においては、容量密度が高く、内部抵抗が小さく抑えられているため、蓄電デバイスとして有用であることが確認できた。また、実施例1において、駆動性能として、変位角を測定しているが、その変位角も40度と大きく、アクチュエータ素子にも使用できることが確認できた。一方、比較例1及び2においては、集電体として、多孔質のものを使用しなかったため、得られた導電性高分子(層)が集電体より剥離する結果となった。また、集電体と導電性高分子(層)が一体化していないため、集電体上に導電性高分子(層)を積層する必要があり、このため内部抵抗の高いものしか、得ることができなかった。
本発明の導電性高分子複合体を用いることにより、従来の伸縮性を有する導電性高分子の成形品に比べて、優れた強度を有し耐久性に優れたものとなるため、マイクロマシン、人工筋肉などのアクチュエータ等の用途として好適である。更に、蓄電デバイスであるキャパシタや電池に使用する際に、充放電特性に優れ、その生産工程において作業性に優れたものとなる。

Claims (8)

  1. 集電体上に導電性高分子層を有する導電性高分子複合体であって、
    前記集電体が、多孔質体であり、
    前記導電性高分子層が、電解重合されたものであり、
    前記導電性高分子層が、フェノール性水酸基含有化合物を含有し、
    前記フェノール性水酸基含有化合物が、ヒンダードフェノール系化合物、ビスフェノール系化合物、及び、フェノール樹脂系化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする導電性高分子複合体。
  2. 前記集電体が、アルミニウムを含有することを特徴とする請求項1に記載の導電性高分子複合体。
  3. 前記導電性高分子層が、導電性高分子、及び、電解質アニオンを含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の導電性高分子複合体。
  4. 前記電解質アニオンが、フッ素原子を含有することを特徴とする請求項3に記載の導電性高分子複合体。
  5. 前記電解質アニオンが、ヘキサフルオロリン酸イオンであることを特徴とする請求項3又は4に記載の導電性高分子複合体。
  6. 前記導電性高分子が、前記多孔質体の少なくとも一部を貫通していることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の導電性高分子複合体。
  7. 前記導電性高分子を構成する導電性高分子単量体が、ピロール、チオフェン、アニリン、フェニレン、及びこれらの誘導体からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴する請求項3〜6のいずれかに記載の導電性高分子複合体。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の導電性高分子複合体の製造方法であって、
    前記集電体上に、導電性高分子を構成する単量体を直接電解重合して、前記導電性高分子層を形成することを特徴とする導電性高分子複合体の製造方法。
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