JP2006066549A - 導電性高分子を電極に含む蓄電素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 キャパシタを含む蓄電素子であって、高い静電容量値を有する蓄電素子を提供する。特に、予備的な充放電を繰り返して行う工程である、ならし工程の必要がない蓄電素子を提供する。
【解決手段】 導電性高分子を含む電極を用いた蓄電素子であって、
前記電極は
(1)基材として多孔質炭素材料を含み、
(2)電解重合により形成された導電性高分子層を実質的に基材上に備え、
(3)前記導電性高分子層は、下式(1)で表されるパーフルオロアルキルスルホニルイミドイオンが、前記導電性高分子層にドープされた
電極であることを特徴とする蓄電素子を用いる。
(C(2n+1)SO)(C(2m+1)SO)N 式(1)
(ここで、n及びmは任意の整数。)
【選択図】 なし

Description

本発明は、導電性高分子を含む電極を用いた蓄電素子であって、前記電極を正極及びまたは負極として用いた蓄電素子に関する。
導電性高分子は、導電性を有するだけではなく、イオンをドーパントとして取り込むことができて、導電性高分子に電圧を印加することによりドーピングと脱ドーピングとを繰り返し行うことができる。このようなドーピング、及び脱ドーピングは、導電性高分子の電気化学的なレドックス過程を伴うために、レドックスキャパシタの反応機構として用いることができる。したがって、導電性高分子は、電極用材料として、キャパシタを含む蓄電素子に用いることが知られている(例えば、非特許文献1)
田村英雄監修、「電子とイオンの機能性化学シリーズ Vol.2 大容量電気二重層キャパシタの最前線」、エヌ・ティー・エス発行、2002年1月1日、初版、p23-30。
しかし、前記ドーパントとしてトリフルオロメタンスルホン酸イオン、PF6、BF4等のアニオンを用いた場合において、導電性高分子を含む電極を用いた蓄電素子は、本来の能力として有する静電容量を十分に引き出すためには、予備的な充放電を繰り返して行う工程である、ならし工程が必要となる。したがって、従来用いられたドーパントを含む導電性高分膜を電極として用いて組み立てたキャパシタ等の蓄電素子は、高い静電容量を得るためには、前もって、ならし工程を行うなど、生産工程が複雑になるという問題を有する。
また、キャパシタ等の蓄電素子は、機械機器等に組み込まれることから、サイズが小さくて高容量であることが好ましい。そのため、従来用いられたドーパントを含む導電性高分膜を電極として用いた場合よりも、放電特性も優れていることが望ましい。
本発明の目的は、キャパシタを含む蓄電素子であって、高い静電容量値を有する蓄電素子を提供することである。特に、本発明の目的は、予備的な充放電を繰り返して行う工程である、ならし工程の必要がない蓄電素子を提供することにある。
そこで本発明者らは、鋭意検討の結果、
導電性高分子を含む電極を用いた蓄電素子であって、
前記電極は
(1)基材として多孔質炭素材料を含み、
(2)電解重合により形成された導電性高分子層を実質的に基材上に備え、
(3)前記導電性高分子層は、下式(1)で表されるパーフルオロアルキルスルホニルイミドイオンが、前記導電性高分子層にドープされた
電極であることを特徴とする蓄電素子、
を用いることにより、高い静電容量を有することを見出し、本発明に至った。また、前記蓄電素子は、優れた放電特性を有し、しかも、蓄電素子組み立て後のならし工程を行わなくても、充放電により、本来有する静電容量を発揮できる。
(C(2n+1)SO)(C(2m+1)SO)N 式(1)
(ここで、n及びmは任意の整数。)
本発明の蓄電素子は、高い静電容量を有するために、コイン型、積層コイン型、円筒型および角形などの公知の形状とすることで、種々の機械機器の補助電源や主電源として用いることができる。さらに、前記蓄電素子は、ならし工程の必要が無いために製造が簡単であり、しかも優れた放電特性をも併せ持つために、補助電源や主電源として有用である。
本発明は、導電性高分子を含む電極を用いた蓄電素子であって、
前記電極は
(1)基材として多孔質炭素材料を含み、
(2)電解重合により形成された導電性高分子層を実質的に基材上に備え、
(3)前記導電性高分子層は、下式(1)で表されるパーフルオロアルキルスルホニルイミドイオンが、前記導電性高分子層にドープされた
電極であることを特徴とする蓄電素子である。
(C(2n+1)SO)(C(2m+1)SO)N 式(1)
(ここで、n及びmは任意の整数。)
(電極)
本発明の蓄電素子に用いられる電極は、基材が多孔質炭素材料を含み、実質的に該基材上に導電性高分子層を備えた構造を有する。前記電極は、導電性高分子層が実質的に多孔質炭素材料上に形成されていれば良く、シート状である場合には多孔質炭素材料の一方の面に導電性高分子層が形成されていても、多孔質炭素材料の全面に形成されていてもよい。前記多孔質炭素材料上に導電性高分子層を備えることにより、該導電性高分子層は、後述する導電性高分子の多孔性に加えて、基材に起因した多孔性が付与されて、表面がより多孔となりやすくなる。
前記導電性高分子層の表面における多孔性を容易に得るために、前記多孔質炭素材料と前記導電性高分子層とは、直接接していることが好ましい。また、前記電極は、多孔質炭素材料を含む基材と導電性高分子層との間に、該多孔質炭素材料の多孔性を阻害しないように中間層を設けて、前記導電性高分子層が電解重合により表面積が大きくなるように形成されることで、基材である多孔質炭素材料上に実質的に導電性高分子層が形成されても良い。
前記基材は、多孔質炭素材料を含むが、形状が特に限定されるものではなく、板状、シート状、柱状、筒状、編目状等の形状であっても良い。実質的に基材上に導電性高分子層を形成することができれば、特に限定されるものではない。
本発明の電極の基材として用いる多孔質炭素材料は、特に限定されるものではないが、比表面積が大きいものが効率の良い電気化学反応を起こさせるために好ましい。前記多孔質炭素材料は、コンパクトな電気化学セルを構築させるため、薄い活性炭繊維ペーパーに代表される基材厚さが薄い炭素ペーパーあるいは炭素シートが望ましい。また、前記基材を薄くする必要が無い場合においては、炭素繊維を編んだクロス、炭素フェルトを用いることができる。
また、前記多孔質炭素材料は、上記以外にも用いることができる。例えば、中空状のカーボンファイバーを炭素によって互いに結着してなる多孔質炭素板、セルロース繊維の炭化物を炭化させた炭素繊維、植物繊維製シートや合成繊維を焼成または熱処理して炭化させた多孔質炭素材料なども用いることができる。
前記多孔質炭素材料は、複数多孔質炭素材料を組み合わせて使用しても良い。すなわち、前記多孔質炭素材料としては、カーボンペーパー、カーボン繊維体、多孔質炭素シート、活性炭シートからなる群より少なくとも1種以上選ばれた多孔質炭素材料を用いることができる。本発明の電極に用いられる多孔質炭素材料は、導電性高分子層を炭素材料上に接した状態で形成することができれば、特に限定されるものではない。
また、本発明の電極の基材は、多孔質炭素材料を含み、さらに白金、金等の通電性を示す金属層を含んでいてもよい。前記基材が金属層と多孔質炭素材料との複層構造を有している場合には、前記金属層である金属板の上に多孔質炭素材料の層が形成されているものであってもよい。また、多孔質炭素材料上に、白金、金等の通電性を有する金属をスパタリングして、多孔質炭素材料層の一の面に通電性の金属層を形成しても良い。これらの金属層を前記電極の基材が有する場合には、前記金属層が、前記多孔質炭素材料が抵抗値を有するために通電性が低くても、基材全体に電圧を印加することができるので、電解重合法により導電性高分子を容易に形成することができる。
前記多孔質炭素材料は、該多孔質炭素材料に形成される導電性高分子層の表面積を大きくするために多孔であれば特に限定されるものではない。しかし、前記多孔質炭素材料の比表面積が1〜2000m/gであることが、前記導電性高分子層の比表面積がより大きくなり、ドーパントの出入りがより多くなることから、好ましい。
また、前記多孔質炭素材料は、気孔率5〜90%であることが、該多孔質炭素材料上に形成される導電性高分子層が大きな表面積を得やすいために好ましい。前記多孔質炭素材料は、開口径が0.01〜100μmであることが、該多孔質炭素材料上に形成された導電性高分子層をより厚くしても、該導電性高分子層が大きな表面積を得やすいために好ましい。
本発明の電極は、得る際において、多孔質炭素材料または金属層を有する多孔質炭素材料を電解重合時において電極と使用している。そのため、前記多孔質炭素材料及び/または前記金属層は、通電性を有していることから、導電性高分子層に対する補助電極として機能することができる。補助電極として前記多孔質炭素材料及び/または前記金属層に電圧を印加することにより、前記導電性高分子層は、全体に容易に電圧を印加することができる。
本発明の電極における導電性高分子層は、電解重合により実質的に基材上に形成されたものであれば、特に限定されるものではない。前記導電性高分子層を形成する導電性高分子は、公知の導電性高分子を用いることができ、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリフェニレンなどを用いることができるが、製造が容易であり、電気化学的に安定であることから、ピロール及び/又はピロール誘導体をモノマーとして用いたポリピロールであることが好ましい。
特に、前記ポリピロールは、前記電解重合法にもちいられる電解液が、(1)エーテル結合、エステル結合、カーボネート結合、ヒドロキシル基、ニトロ基、スルホン基及びニトリル基のうち少なくとも1つ以上の結合あるいは官能基を含む有機化合物及び/又はハロゲン化炭化水素を溶媒として含み、且つ、(2)前記電解液中に前記パーフルオロアルキルスルホニルイミドイオンを含み、
前記電解重合は前記多孔質炭素材料を作用極として用いた電解重合法により得られた導電性高分子であることが好ましい。この電解重合方法により得られた導電性高分子は、良好な膜質と電気化学的特性を持つ膜として得ることができ、極性有機溶媒によって大きく膨潤をすることができ、しかも、導電性高分子膜の表面が多孔状となるために高い静電容量を有するので、蓄電素子用の電極として優れている。
前記有機化合物としては、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン(以上、エーテル結合を含む有機化合物)、γ−ブチロラクトン、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、酢酸-t-ブチル、1,2−ジアセトキシエタン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香酸ブチル、フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル(以上、エステル結合を含む有機化合物)、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート(以上、カーボネート結合を含む有機化合物)、エチレングリコール、ブタノール、1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1−オクタノール、1−デカノール、1−ドデカノール、1−オクタデカノール(以上、ヒドロキシル基を含む有機化合物)、ニトロメタン、ニトロベンゼン(以上、ニトロ基を含む有機化合物)、スルホラン、ジメチルスルホン(以上、スルホン基を含む有機化合物)、及びアセトニトリル、ブチロニトリル、ベンゾニトリル(以上、ニトリル基を含む有機化合物)を例示することができる。なお、ヒドロキシル基を含む有機化合物は、特に限定されるものではないが、多価アルコール及び炭素数4以上の1価アルコールであることが、静電容量が良いために好ましい。なお、前記有機化合物は、前記の例示以外にも、分子中にエーテル結合、エステル結合、カーボネート結合、ヒドロキシル基、ニトロ基、スルホン基及びニトリル基のうち、2つ以上の結合あるいは官能基を任意の組合わせで含む有機化合物であってもよい。
前記導電性高分子は、導電性高分子を得るために前記電解重合において、電解液中に下式(1)で表されるパーフルオロアルキルスルホニルイミドイオンを含む。
(C(2n+1)SO)(C(2m+1)SO)N 式(1)
(ここで、n及びmは任意の整数。)
この場合において、前記電解液は、良好な膜質と電気化学的特性を持つ膜を得るために、エーテル結合、エステル結合、カーボネート結合、ヒドロキシル基、ニトロ基、スルホン基及びニトリル基のうち少なくとも1つ以上の結合あるいは官能基を含む有機化合物及び/またはハロゲン化炭化水素を溶媒を用いることが好ましい。
なお、前記のnおよびmは、それぞれ1以上の任意の整数であり、nとmとが同じ整数であってもよく、nとmとが異なる整数であっても良い。例えばトリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基、ウンデカフルオロペンチル基、トリデカフルオロヘキシル基、ペンタデカフルオロヘプチル基、ヘプタデカフルオロオクチル基などを挙げることができる。前記パーフルオロアルキルスルホニルイミドイオンを含む塩としては、例えば、ビストリフルオロメチルスルホニルイミド塩、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド塩、ビス(ヘプタデカフルオロオクチルスルホニル)イミド塩を用いることができる。
前記パーフルオロアルキルスルホニルイミドイオンは、電解重合法における電解液中の含有量が特に限定されるものではないが、十分な電解液のイオン導電性を確保するために、パーフルオロアルキルスルホニルイミド塩として、電解液中に1〜40重量%含まれるのが好ましく、2.8〜20重量%含まれるのがより好ましい。
前記電解重合法に用いられる電解液には、前記有機化合物溶媒と前記パーフルオロアルキルスルホニルイミドイオンとの溶液中に、導電性高分子の単量体を含み、さらにポリエチレングリコールやポリアクリルアミドなどの公知のその他の添加剤を含むこともできる。
本発明の蓄電素子は、前記電極を正極または負極のどちらか一方に用いることができるが、前記電極を正極に用いることが好ましく、前記電極を負極及び正極に用いることがより好ましい。前記電極を正極に用いた場合には、本発明の蓄電素子は、極性有機溶媒によって大きく膨潤することができ、しかも基材として多孔性炭素材料を用いているために基材に起因する多孔性をも有するために、その表面積が大きく、用いられた蓄電素子が高い静電容量を与えることができる。また、前記電極を負極として用いた場合には、前記正極の場合の同様に、その表面積が大きく、用いられた蓄電素子が高い静電容量を与えることができる。しかも、前記負極が、ドーパントとして、アニオンである前記パーフルオロアルキルスルホニルイミドイオンを含むことにより、アニオンの脱吸着が容易であるためか、予備的な充放電を繰り返して行う工程である、ならし工程を用いる必要がない。さらに、前記電極を、正極及び負極の両方に用いた場合には、両電極が、通常の導電性高分子を用いた電極に比べて表面積が大きいために、得られる蓄電素子は静電容量が高く、しかも、ならし工程の必要もないので、製造も容易である。本発明の蓄電素子は、前記電極を正極または負極のどちらか一方に用いた場合であっても、従来のドーパントを用いたポリピロール膜を電極用いた場合に比べて、2倍以上の静電容量を有する。さらに、前記電極を正極及び負極の両方に用いた場合には、本発明の蓄電素子は、従来のドーパントを用いたポリピロール膜を電極用いた場合に比べて、2〜10倍以上の静電容量を有する。
なお、本発明の蓄電素子は、実質的に基材上に導電性高分子層が形成された前記電極を正極または負極のどちらか一方に前記電極を用いた場合には、他の一方に、活性炭電極等の公知の蓄電素子に用いることができる電極を使用することもできる。
(キャパシタの電解質)
本発明の蓄電素子は、電解質を含む。前記電解質は、公知の電解質であり、上述の導電性高分子のドーパントして機能し得るアニオンを含むものであれば特に限定されるものではなく、電解液またはゲル電解質を用いることができる。前記電解液または前記ゲル電解質に含まれる溶媒は、特に限定されるものではなく、水、若しくは極性有機溶媒を用いることができる。前記極性有機溶媒は、化学的に安定であり、電気化学反応の反応場として用いることができるものであれば、特に限定されるものではなく、上述の電解重合の電解液の溶媒として列挙した有機溶媒を例示することができる。前記極性有機溶媒としては、電解液のイオン伝導度が大きいために、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトンが好ましい。
前記電解質に含まれ、ドーパントとして用いられるアニオンは、特に限定されるものではないが、トリフルオロメタンスルホン酸イオン及び/または中心原子に対してフッ素原子を複数含むアニオンを含むことができる。また、電解質中に含まれる前記アニオンは、作用極及び/または対極においてドーパントとして用いられるアニオンと同一または同種のアニオンを含むことができる。特に、本発明の蓄電素子の電極は、作用極と対極とにおいて用いられるドーパントが同種であり、作用極と対極とに用いられるドーパントを電解質中に含むことが好ましい。作用極及び/または対極においてドーパントとして用いられるアニオンと同一または同種のアニオンを含むことにより、電圧印可によるドーピングの際に、電極に含まれる導電性高分子層中のアニオンと同一または同種のアニオンが電解液から供給量が十分に確保されるために、好ましい。
つまり、前記電解質中に含まれるアニオンとしては、前記パーフルオロアルキルスルホニルイミドイオンが好ましい。前記パーフルオロアルキルスルホニルイミドイオンとしては、前記電極に含まれる導電性高分子膜を得る際に用いられる電解液中に含まれるパーフルオロアルキルスルホニルイミドイオンに比べてイオン半径が同程度であることが、継続使用によって静電容量の変化がほとんど無いので好ましい。
(その他の蓄電素子の構成)
本発明の蓄電素子は、素子の構成に応じて、セパレータを用いることができる。前記蓄電素子は、電解質としてゲル電解質を用いた場合には、該ゲル電解質がセパレータとしての機能をも合わせ持つことができる際には、セパレータを用いない素子構成とすることもできる。また、本発明の蓄電素子は、電極、電解質、及びセパレータ以外においても、公知の蓄電素子の構成部品を用いることがでる。前記構成部品としては、例えば、集電板、リード、ターミナル、ガスケット、ケース、パッキン、封止剤などを例示することができる。
以下、本発明の実施例及び比較例を示すが、本発明は下記に限定されるものではない。
(実施例1)
導電性高分子モノマーであるピロール及びビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドテトラブチルアンモニウム塩を溶媒である安息香酸メチルに公知の撹拌方法にて溶解し、モノマー濃度が0.25mol/lであり、かつ前記塩濃度が0.2mol%である電解液を調製した。この電解液に、作用電極として多孔質炭素材料であるカーボンペーパー(商品名「TGP−H−030」、東レ株式会社製)を用い、対向電極として白金電極を用いて、0.2mA/cmの重合電流密度の定電流法により6時間電解重合を行った。前記電解重合により、導電性高分子層の膜厚が15〜30μmである、基材上に導電性高分子層を有する電極を得た。この電極を正極及び負極とし、プロピレンカーボネートを溶媒とするビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムの1モル/L溶液を電解液とし、公知のキャパシタの組み立て方法に基づき、以下の手順にて、実施例1の蓄電素子を得た。
(1)上記の電解重合にて得られた導電性高分子層を有する電極を、10mm角に切断した後に、10分間前記電解液に浸漬した。
(2)セパレータとして用いることができる市販のフッ素樹脂メッシュシート(材質:ETFE、厚さ100μm)を11mm角に切断してセパレータとし、上記手順(1)で得られた電極を2枚用いて、電極−フッ素樹脂メッシュシート−電極の順に積層させた。
(3)上記手順(2)で得られた積層体を0.3mLの電解液と共にセル(商品名「HSセル」、宝泉(株)社製)に封入した。
(実施例2)
安息香酸メチルに替えてフタル酸ジメチルを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2の蓄電素子を得た。
(実施例3)
ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドテトラブチルアンモニウム塩に替えてビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミドテトラブチルアンモニウム塩を用い、且つ、安息香酸メチルに替えてフタル酸ジメチルを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3の蓄電素子を得た。
(比較例)
ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドテトラブチルアンモニウム塩に替えてテトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートを用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例の蓄電素子を得た。
本発明の実施例及び比較例のそれぞれについて、静電容量(mF/cm)、放電特性、について測定した。静電容量及び放電特性の結果を表1に示す。また、実施例1及び比較例についてならし効果を測定した。ならし効果の結果を表2に示す。
〔評価方法〕
(静電容量)
交流インピーダンス法(印加電圧±1V、1分後)にて、0.1Hz、1.0Hz、及び10Hzの各周波数においての静電容量をLCRメーター(商品名「HIOK3522−50−LCR」、日置電機(株)社製)で測定した。
(放電特性)
下記の充電条件及び放電条件にて、充放電装置(商品名「HJ−201B」、北斗電工(株)社製)を用いて定電流充放電法(CC−CV法)により、放電特性を測定した。
充電条件:1mA、10分
放電条件:0.1mA定電流放電
(ならし効果)
組み立てられて充電及び/または放電が行われていない実施例1及び比較例のそれぞれの蓄電素子について、充電の後に放電を行うのを1サイクルとし、5サイクルの充放電を行った。各サイクルの充放電について、放電は、順に、10分0.2mA充電、12時間0.2mA充電、12時間0.2mA充電、そして10分0.2mA充電を行った。放電については、各サイクル共に、0.1mAで0Vまで放電した。なお、測定に際しては充放電装置(商品名「HJ−201B」、北斗電工(株)社製)を用いた。
なお、表1及び表2においてTBATFSIは、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドテトラブチルアンモニウム塩を表す。TBAC2は、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミドテトラブチルアンモニウムを表す。TBABF4はテトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートを表す。
Figure 2006066549
Figure 2006066549
(結果)
実施例1〜3の蓄電素子は、比較例の蓄電素子と比べて静電容量が極めて高く、0.1Hz及び1.0Hzでの電圧印可による静電容量は、比較例蓄電素子の静電容量に比べて約6〜約10倍であった。また、実施例1及び実施例2の蓄電素子に含まれる電解質中のアニオンが、導電性高分子の電解重合に用いられたドーパントイオンと同じであることから、10Hzでの電圧印可による静電容量は、実施例3の蓄電素子の場合に比べて高い値を示した。また、実施例1〜3の蓄電素子は、比較例に比べて、3倍以上の放電時間を示した。実施例1〜3の蓄電素子は、従来の蓄電素子である比較例に比べて、いずれも静電容量及び放電特性に優れていた。
ならし特性において、実施例1の蓄電素子は、1〜5サイクル目までの静電容量における最大値に対する最小値の割合は94%(0.72/0.77×100)であり、静電容量の変化は少なかった。これに対して、比較例の蓄電素子は、1〜5サイクル目までの静電容量における最大値に対する最小値の割合は44%(0.11/0.25×100)となり、静電容量の変化は大きかった。
本発明の蓄電素子は、小型且つ軽量であることから、公知のキャパシタの用途に用いることができ、携帯用機械機器の電源用及び大容量の据え置き型電源用の蓄電素子として好適に用いることができる。本発明の蓄電素子は、特に、次世代低公害車の駆動電源、並びに自動車電装品の電源、自然エネルギー発電の貯蔵用及び/または補助用電源、植え込み可能な医療装置用の電源、携帯用電子機器のメモリバックアップ用電源、携帯可能な時計用電源、急速充電用蓄電器、電動玩具並びに持ち運び可能な家庭用電気製品用電源に好適に用いることができる。


Claims (7)

  1. 導電性高分子を含む電極を用いた蓄電素子であって、
    前記電極は
    (1)基材として多孔質炭素材料を含み、
    (2)電解重合により形成された導電性高分子層を実質的に基材上に備え、
    (3)前記導電性高分子層は、下式(1)で表されるパーフルオロアルキルスルホニルイミドイオンが、前記導電性高分子層にドープされた
    電極であることを特徴とする蓄電素子。
    (C(2n+1)SO)(C(2m+1)SO)N 式(1)
    (ここで、n及びmは任意の整数。)
  2. 前記導電性高分子層はピロール及び/又はピロール誘導体をモノマーとして用いて得られたポリピロールを含む層であり、
    前記導電性高分子層は電解重合により得られた導電性高分子を含み、
    前記電解重合に用いられる電解液は
    (1)エーテル結合、エステル結合、カーボネート結合、ヒドロキシル基、ニトロ基、スルホン基及びニトリル基のうち少なくとも1つ以上の結合あるいは官能基を含む有機化合物及び/又はハロゲン化炭化水素を溶媒として含み、且つ
    (2)前記電解液中に前記パーフルオロアルキルスルホニルイミドイオンを含み、
    前記電解重合は前記多孔質炭素材料を作用極として用いる
    ことを特徴とする請求項1に記載の蓄電素子。
  3. 前記多孔質炭素材料が、カーボンペーパー、カーボン繊維体、多孔質炭素シート、活性炭シートからなる群より少なくとも1種以上選ばれた多孔質炭素材料であることを特徴とする請求項1又は2に記載の蓄電素子。
  4. 前記多孔質炭素材料の比表面積が1〜2000m/gである請求項1〜3のいずれかに記載の蓄電素子。
  5. 前記多孔質炭素材料が気孔率5〜90%である請求項1〜4のいずれかに記載の蓄電素子。
  6. 前記多孔質炭素材料の開口径が0.01〜100μmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の蓄電素子。
  7. 正極及び/負極に前記電極を用いた請求項1〜6のいずれかに記載の蓄電素子。





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