JP2006066549A - 導電性高分子を電極に含む蓄電素子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 導電性高分子を含む電極を用いた蓄電素子であって、
前記電極は
(1)基材として多孔質炭素材料を含み、
(2)電解重合により形成された導電性高分子層を実質的に基材上に備え、
(3)前記導電性高分子層は、下式(1)で表されるパーフルオロアルキルスルホニルイミドイオンが、前記導電性高分子層にドープされた
電極であることを特徴とする蓄電素子を用いる。
(CnF(2n+1)SO2)(CmF(2m+1)SO2)N− 式(1)
(ここで、n及びmは任意の整数。)
【選択図】 なし
Description
導電性高分子を含む電極を用いた蓄電素子であって、
前記電極は
(1)基材として多孔質炭素材料を含み、
(2)電解重合により形成された導電性高分子層を実質的に基材上に備え、
(3)前記導電性高分子層は、下式(1)で表されるパーフルオロアルキルスルホニルイミドイオンが、前記導電性高分子層にドープされた
電極であることを特徴とする蓄電素子、
を用いることにより、高い静電容量を有することを見出し、本発明に至った。また、前記蓄電素子は、優れた放電特性を有し、しかも、蓄電素子組み立て後のならし工程を行わなくても、充放電により、本来有する静電容量を発揮できる。
(CnF(2n+1)SO2)(CmF(2m+1)SO2)N− 式(1)
(ここで、n及びmは任意の整数。)
前記電極は
(1)基材として多孔質炭素材料を含み、
(2)電解重合により形成された導電性高分子層を実質的に基材上に備え、
(3)前記導電性高分子層は、下式(1)で表されるパーフルオロアルキルスルホニルイミドイオンが、前記導電性高分子層にドープされた
電極であることを特徴とする蓄電素子である。
(CnF(2n+1)SO2)(CmF(2m+1)SO2)N− 式(1)
(ここで、n及びmは任意の整数。)
本発明の蓄電素子に用いられる電極は、基材が多孔質炭素材料を含み、実質的に該基材上に導電性高分子層を備えた構造を有する。前記電極は、導電性高分子層が実質的に多孔質炭素材料上に形成されていれば良く、シート状である場合には多孔質炭素材料の一方の面に導電性高分子層が形成されていても、多孔質炭素材料の全面に形成されていてもよい。前記多孔質炭素材料上に導電性高分子層を備えることにより、該導電性高分子層は、後述する導電性高分子の多孔性に加えて、基材に起因した多孔性が付与されて、表面がより多孔となりやすくなる。
前記電解重合は前記多孔質炭素材料を作用極として用いた電解重合法により得られた導電性高分子であることが好ましい。この電解重合方法により得られた導電性高分子は、良好な膜質と電気化学的特性を持つ膜として得ることができ、極性有機溶媒によって大きく膨潤をすることができ、しかも、導電性高分子膜の表面が多孔状となるために高い静電容量を有するので、蓄電素子用の電極として優れている。
(CnF(2n+1)SO2)(CmF(2m+1)SO2)N− 式(1)
(ここで、n及びmは任意の整数。)
この場合において、前記電解液は、良好な膜質と電気化学的特性を持つ膜を得るために、エーテル結合、エステル結合、カーボネート結合、ヒドロキシル基、ニトロ基、スルホン基及びニトリル基のうち少なくとも1つ以上の結合あるいは官能基を含む有機化合物及び/またはハロゲン化炭化水素を溶媒を用いることが好ましい。
なお、前記のnおよびmは、それぞれ1以上の任意の整数であり、nとmとが同じ整数であってもよく、nとmとが異なる整数であっても良い。例えばトリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基、ウンデカフルオロペンチル基、トリデカフルオロヘキシル基、ペンタデカフルオロヘプチル基、ヘプタデカフルオロオクチル基などを挙げることができる。前記パーフルオロアルキルスルホニルイミドイオンを含む塩としては、例えば、ビストリフルオロメチルスルホニルイミド塩、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミド塩、ビス(ヘプタデカフルオロオクチルスルホニル)イミド塩を用いることができる。
なお、本発明の蓄電素子は、実質的に基材上に導電性高分子層が形成された前記電極を正極または負極のどちらか一方に前記電極を用いた場合には、他の一方に、活性炭電極等の公知の蓄電素子に用いることができる電極を使用することもできる。
本発明の蓄電素子は、電解質を含む。前記電解質は、公知の電解質であり、上述の導電性高分子のドーパントして機能し得るアニオンを含むものであれば特に限定されるものではなく、電解液またはゲル電解質を用いることができる。前記電解液または前記ゲル電解質に含まれる溶媒は、特に限定されるものではなく、水、若しくは極性有機溶媒を用いることができる。前記極性有機溶媒は、化学的に安定であり、電気化学反応の反応場として用いることができるものであれば、特に限定されるものではなく、上述の電解重合の電解液の溶媒として列挙した有機溶媒を例示することができる。前記極性有機溶媒としては、電解液のイオン伝導度が大きいために、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトンが好ましい。
本発明の蓄電素子は、素子の構成に応じて、セパレータを用いることができる。前記蓄電素子は、電解質としてゲル電解質を用いた場合には、該ゲル電解質がセパレータとしての機能をも合わせ持つことができる際には、セパレータを用いない素子構成とすることもできる。また、本発明の蓄電素子は、電極、電解質、及びセパレータ以外においても、公知の蓄電素子の構成部品を用いることがでる。前記構成部品としては、例えば、集電板、リード、ターミナル、ガスケット、ケース、パッキン、封止剤などを例示することができる。
導電性高分子モノマーであるピロール及びビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドテトラブチルアンモニウム塩を溶媒である安息香酸メチルに公知の撹拌方法にて溶解し、モノマー濃度が0.25mol/lであり、かつ前記塩濃度が0.2mol%である電解液を調製した。この電解液に、作用電極として多孔質炭素材料であるカーボンペーパー(商品名「TGP−H−030」、東レ株式会社製)を用い、対向電極として白金電極を用いて、0.2mA/cm2の重合電流密度の定電流法により6時間電解重合を行った。前記電解重合により、導電性高分子層の膜厚が15〜30μmである、基材上に導電性高分子層を有する電極を得た。この電極を正極及び負極とし、プロピレンカーボネートを溶媒とするビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウムの1モル/L溶液を電解液とし、公知のキャパシタの組み立て方法に基づき、以下の手順にて、実施例1の蓄電素子を得た。
(1)上記の電解重合にて得られた導電性高分子層を有する電極を、10mm角に切断した後に、10分間前記電解液に浸漬した。
(2)セパレータとして用いることができる市販のフッ素樹脂メッシュシート(材質:ETFE、厚さ100μm)を11mm角に切断してセパレータとし、上記手順(1)で得られた電極を2枚用いて、電極−フッ素樹脂メッシュシート−電極の順に積層させた。
(3)上記手順(2)で得られた積層体を0.3mLの電解液と共にセル(商品名「HSセル」、宝泉(株)社製)に封入した。
安息香酸メチルに替えてフタル酸ジメチルを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2の蓄電素子を得た。
ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドテトラブチルアンモニウム塩に替えてビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)イミドテトラブチルアンモニウム塩を用い、且つ、安息香酸メチルに替えてフタル酸ジメチルを用いたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3の蓄電素子を得た。
ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドテトラブチルアンモニウム塩に替えてテトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートを用いたこと以外は実施例1と同様にして、比較例の蓄電素子を得た。
(静電容量)
交流インピーダンス法(印加電圧±1V、1分後)にて、0.1Hz、1.0Hz、及び10Hzの各周波数においての静電容量をLCRメーター(商品名「HIOK3522−50−LCR」、日置電機(株)社製)で測定した。
下記の充電条件及び放電条件にて、充放電装置(商品名「HJ−201B」、北斗電工(株)社製)を用いて定電流充放電法(CC−CV法)により、放電特性を測定した。
充電条件:1mA、10分
放電条件:0.1mA定電流放電
組み立てられて充電及び/または放電が行われていない実施例1及び比較例のそれぞれの蓄電素子について、充電の後に放電を行うのを1サイクルとし、5サイクルの充放電を行った。各サイクルの充放電について、放電は、順に、10分0.2mA充電、12時間0.2mA充電、12時間0.2mA充電、そして10分0.2mA充電を行った。放電については、各サイクル共に、0.1mAで0Vまで放電した。なお、測定に際しては充放電装置(商品名「HJ−201B」、北斗電工(株)社製)を用いた。
実施例1〜3の蓄電素子は、比較例の蓄電素子と比べて静電容量が極めて高く、0.1Hz及び1.0Hzでの電圧印可による静電容量は、比較例蓄電素子の静電容量に比べて約6〜約10倍であった。また、実施例1及び実施例2の蓄電素子に含まれる電解質中のアニオンが、導電性高分子の電解重合に用いられたドーパントイオンと同じであることから、10Hzでの電圧印可による静電容量は、実施例3の蓄電素子の場合に比べて高い値を示した。また、実施例1〜3の蓄電素子は、比較例に比べて、3倍以上の放電時間を示した。実施例1〜3の蓄電素子は、従来の蓄電素子である比較例に比べて、いずれも静電容量及び放電特性に優れていた。
Claims (7)
- 導電性高分子を含む電極を用いた蓄電素子であって、
前記電極は
(1)基材として多孔質炭素材料を含み、
(2)電解重合により形成された導電性高分子層を実質的に基材上に備え、
(3)前記導電性高分子層は、下式(1)で表されるパーフルオロアルキルスルホニルイミドイオンが、前記導電性高分子層にドープされた
電極であることを特徴とする蓄電素子。
(CnF(2n+1)SO2)(CmF(2m+1)SO2)N− 式(1)
(ここで、n及びmは任意の整数。) - 前記導電性高分子層はピロール及び/又はピロール誘導体をモノマーとして用いて得られたポリピロールを含む層であり、
前記導電性高分子層は電解重合により得られた導電性高分子を含み、
前記電解重合に用いられる電解液は
(1)エーテル結合、エステル結合、カーボネート結合、ヒドロキシル基、ニトロ基、スルホン基及びニトリル基のうち少なくとも1つ以上の結合あるいは官能基を含む有機化合物及び/又はハロゲン化炭化水素を溶媒として含み、且つ
(2)前記電解液中に前記パーフルオロアルキルスルホニルイミドイオンを含み、
前記電解重合は前記多孔質炭素材料を作用極として用いる
ことを特徴とする請求項1に記載の蓄電素子。 - 前記多孔質炭素材料が、カーボンペーパー、カーボン繊維体、多孔質炭素シート、活性炭シートからなる群より少なくとも1種以上選ばれた多孔質炭素材料であることを特徴とする請求項1又は2に記載の蓄電素子。
- 前記多孔質炭素材料の比表面積が1〜2000m2/gである請求項1〜3のいずれかに記載の蓄電素子。
- 前記多孔質炭素材料が気孔率5〜90%である請求項1〜4のいずれかに記載の蓄電素子。
- 前記多孔質炭素材料の開口径が0.01〜100μmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の蓄電素子。
- 正極及び/負極に前記電極を用いた請求項1〜6のいずれかに記載の蓄電素子。
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- 2004-08-25 JP JP2004245866A patent/JP2006066549A/ja active Pending
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