JP2004010858A - 導電性高分子微粒子の製造方法及び導電性高分子微粒子 - Google Patents
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Abstract
【課題】極めて簡素な製造プロセスにより粒子径の揃った球状微粒子を製造することができる導電性高分子微粒子の製造方法、及びその粒子径を制御可能な導電性高分子微粒子の製造方法を提供し、更に、それらの方法を用いて製造される導電性高分子微粒子を提供することを目的とする。
【解決手段】N−アルキルアニリン又はその誘導体、N−アルキルピロール又はその誘導体、3−アルキルチオフェン又はその誘導体の少なくとも1種のモノマーを、硝酸イオンより親液性の大きいアニオンを含む溶液中で電解重合することを特徴とする製造方法であり、好ましくは、N−アルキルアニリン、N−アルキルピロール、又は3−アルキルチオフェンの少なくとも1種のモノマーを、前記の溶液中で電解重合する製造方法である。
【選択図】 図2
【解決手段】N−アルキルアニリン又はその誘導体、N−アルキルピロール又はその誘導体、3−アルキルチオフェン又はその誘導体の少なくとも1種のモノマーを、硝酸イオンより親液性の大きいアニオンを含む溶液中で電解重合することを特徴とする製造方法であり、好ましくは、N−アルキルアニリン、N−アルキルピロール、又は3−アルキルチオフェンの少なくとも1種のモノマーを、前記の溶液中で電解重合する製造方法である。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性高分子微粒子の製造方法に係わり、特に、粒子径の揃った球状微粒子の製造に好適な、導電性高分子微粒子の製造方法及びその方法を用いて製造される導電性高分子微粒子に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリアニリンやポリピロール、ポリチオフェン等の導電性高分子は、高い電気伝導性と耐熱性を有し、安定性に優れ、電子部品の電極等に利用されている。ポリアニリン等の導電性高分子を重合する方法としては、高価数の遷移金属塩を酸化剤とする酸化的カチオン重合や、芳香族系のモノマーを電気化学的に酸化重合する電解重合が知られ、電解重合法としては、例えば特開昭61−209225号公報には、複素五員環式化合物(例えば、ピロール)と分子量300以下の芳香族スルホン酸塩を電解質として含む水溶液を用いた電解重合により、電極面に導電性高分子を形成する方法が開示されている。また、特開平02−224316号公報には、多孔質成形体の表面を電解液で濡らし、接触して設けた作用電極を用いて電解重合を行って表面に樹状或いは網目状の導電性高分子を形成させ、次いで、導電性高分子を陽極とした電解重合を行って電解質を形成する固体電解コンデンサの製造方法が開示されている。
【0003】
かかる電解重合により合成された導電性高分子は、そのモルフォロジー(微細表面形態)が用いた電解液によって著しく異なる。例えば、ポリアニリンは、アニリンを酸性水溶液中で電解酸化することにより電極表面に緑色の膜として極めて簡単に得ることができるが、酸の種類によって、繊維状(過塩素酸やテトラフルオロホウ酸水溶液から重合)、粒状(硝酸や塩酸水溶液から重合)、珊瑚状(硫酸水溶液から重合)の微細構造が得られることが知られており、微細構造に係わる従来技術としては、例えば、A. Kitani et al ,Journal of Polymer Science :Part A :Polymer Chemistry,Vol.26,1531−1539(1988) John Wiley & Sons, Inc.などがある。
【0004】
然しながら、上記のアニリン等を硝酸や塩酸水溶液中で電解重合する方法では、本発明の意図する粒子径の揃った球状の微粒子を得ることができなかった。なお、一般的な高分子微粒子の製造方法としては、懸濁重合等により得られた粒子を分級する方法やシード重合法が知られているが、収率が低い問題や製造工程が複雑である問題の他、粒子径の均一性も充分満足できるものではなかった。また、特開2000−230005号公報には、エチレン性不飽和単量体を、ケン化度30〜45モル%のポリビニルアルコールを含む親水性有機溶媒の水溶液中で重合させる方法が開示され、特開2000−103804号公報には、炭素数が1〜10のアルキルメルカプタン系連鎖移動剤を、重合開始剤に対して5〜60倍量添加した分散液中で加熱することにより重合反応を行う単分散微粒子の製造方法が開示されているが、これらの粒子を導電性微粒子として用いる場合には、粒子の表面に金属等の導電性物質からなる単体層を形成する必要があり、また、1〜10μmの高分子微粒子を得るためには、これを種粒子としたシード重合が必要になるといった問題があった。
【0005】
即ち、導電性高分子の粒子径の揃った球状微粒子(以下、「マイクロボール」と略称することがある。)は、導電性以外にも有益な機能を有し、その応用面は極めて広いと思われるにも係わらず、未だその有効な製造方法が開発されていない。マイクロボールは、導電性だけに着目しても、金属微粒子よりコスト的に格段に有利であり、例えば、そのまま導電性塗料や帯電防止材料として利用することも可能である。また、均一なマイクロボールは、効率良く集電体に集積可能であり、高出力密度を有する有用な電池活物質としても応用できる。更に、イオン交換コロイド材料、分散型エレクトロクロミック材料、電極触媒や光・化学触媒、などその応用面は極めて広い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、導電性高分子微粒子に係わる上述した状況に鑑み、極めて簡素な製造プロセスにより粒子径の揃った球状微粒子を製造することができる導電性高分子微粒子の製造方法、及びその粒子径を制御可能な導電性高分子微粒子の製造方法を提供し、更に、それらの方法を用いて製造される導電性高分子微粒子を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するため、請求項1の発明は、N−アルキルアニリン又はその誘導体、N−アルキルピロール又はその誘導体、3−アルキルチオフェン又はその誘導体の少なくとも1種のモノマーを、硝酸イオンより親液性の大きいアニオンを含む溶液中で電解重合することを特徴とする導電性高分子微粒子の製造方法であり、請求項2の発明は、更に好ましい形態として、N−アルキルアニリン、N−アルキルピロール、又は3−アルキルチオフェンの少なくとも1種のモノマーを、硝酸イオンより親液性の大きいアニオンを含む溶液中で電解重合することを特徴とする導電性高分子微粒子の製造方法である。
【0008】
請求項3の発明は、前記アルキル基の好ましい形態に係わり、アルキル基が、メチル基、エチル基、又はブチル基の何れかであることを特徴とする導電性高分子微粒子の製造方法である。
【0009】
請求項4の発明は、前記親液性の大きいアニオンの好ましい形態に係わり、親液性の大きいアニオンを、過塩素酸イオン又は/及びテトラフルオロホウ酸イオンとした導電性高分子微粒子の製造方法である。
【0010】
請求項5の発明は、粒子サイズの制御方法に係わり、前記電解重合を、両電極間に印加する電位方向を変えることにより実現する酸化工程と還元工程とを有し、該酸化工程と還元工程を所定時間毎に交互に繰り返す電解重合としたことを特徴とする導電性高分子微粒子の製造方法である。
【0011】
請求項6〜請求項8の発明は、本発明の導電性高分子微粒子であって、請求項6の発明は、前記本発明の製造方法で製造された導電性高分子微粒子であり、請求項7の発明は、その微粒子が、概ね均一なサイズの球状微粒子であることを特徴とする導電性高分子微粒子であり、更に、請求項8の発明は、その微粒子が、1〜10μmの範囲で所定のサイズに制御して製造された微粒子であることを特徴とする導電性高分子微粒子である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明者は、上述のように、その応用面が極めて広いと思われるマイクロボールの有効な製造方法の確立を目指し、鋭意、研究を重ねた結果、極めて簡素な製造プロセスにより粒子径の揃った球状微粒子を製造することができる方法を見出し、更には、その粒子径を制御可能な製造方法を見出し、本発明を完成させるに至ったものである。
【0013】
即ち、本発明の導電性高分子微粒子の製造方法は、電解重合により導電性高分子を生成し得るアニリン類、ピロール類、又はチオフェン類の特定の部位に特定の疎水性置換基を導入したモノマーを、特定の電解液中で電解重合する方法であって、N−アルキルアニリン又はその誘導体、N−アルキルピロール又はその誘導体、3−アルキルチオフェン又はその誘導体の少なくとも1種のモノマーを、硝酸イオンより親液性の大きいアニオンを含む溶液中で電解重合することを特徴とする製造方法であり、好ましくは、N−アルキルアニリン、N−アルキルピロール、又は3−アルキルチオフェンの少なくとも1種のモノマーを、前記の溶液中で電解重合する製造方法である。
【0014】
本発明の重合反応では、種々の実験的な検討により、ミセル形成類似の反応が生じているものと考えられる。即ち、電解重合の進行に伴って生成した多数のオリゴマーは、溶解度が減少して次々に析出し、析出したオリゴマーは、疎水基と親水基を同時に有する重合体であり、溶液に馴染まない疎水基(又は親水基)の部分が集まり、親水基(又は疎水基)の部分が外側に向いたミセル状の集合体を形成する。ミセル状の集合体を形成した導電性高分子のオリゴマーは、極めて反応し易く、相互に反応して球状微粒子が生成されるものと考えられる。
【0015】
かかる重合機構を有する製造方法によれば、析出したオリゴマーは、ほぼ同一の分子量と形状を有し、均一性の高い導電性高分子微粒子を得ることができる。なお、上述の、ミセル形成類似の反応の説明でも明らかなように、微粒子の球状性、均一性を高めるためには、導入する疎水性(又は親水性)の置換基、及びそれを導入する部位に関し、立体構造や電子構造を乱し難く、リニアな構造を持ち易いことが、非常に重要な条件となる。また、親液性の大きいアニオン、即ち、導電性高分子内部の正電荷に取り込まれ難いアニオン、換言すれば、ポリマーから放出され易く、ポリマーが中性になり易いアニオンを含む溶液中で電解重合することがミセル状の集合体を形成する上で重要である。
【0016】
疎水性の置換基としては、本発明で用いるアルキル基の他、芳香環等もあるが、芳香環等では、立体障害などの理由により、本発明の目的とする粒子径の揃った球状微粒子を製造することができない。アルキル基を導入する特定の部位は、粒子径の揃った球状微粒子を得るために、電子的な構造を乱さず、且つリニアな構造を持ち易いことが必要であり、本発明で用いるその特定の部位は、かかる条件を満たす部位として決定したものである。
【0017】
導入するアルキル基としては、特に本発明を限定するものではないが、立体構造や電子構造を乱し難く、リニアな構造を持ち易い等の観点から、メチル基、エチル基、又はブチル基が好ましく、更には、最も分子量が低いメチル基が好ましい。なお、アルキル基を導入した導電性高分子は、そのアルキル基の炭素数の増大と共に電気伝導度は顕著に低下することが知られており、電気伝導度が高いマイクロボールを製造する上でもメチル基が好ましいが、特に、半導体的な電気伝導度のマイクロボールが要求されるような場合には、メチル基以外のアルキル基を用いることが好ましい。
【0018】
かかるモノマーの具体例としては、N−メチルアニリン、N−メチルピロール、3−メチルチオフェン、N−エチルアニリン、N−エチルピロール、3−エチルチオフェン、N−ブチルアニリン、N−ブチルピロール、3−ブチルチオフェン、N−メチル−2−アミノフェノール、N−メチル−o−アニシジン、3−アルキルスルホピロール、3−ヒドロキシアルキルピロール、3−アルキルスルホチオフェン、3−ヒドロキシアルキルチオフェン等を挙げることができ、特に、N−メチルアニリン、N−メチルピロールが好ましい。
【0019】
次に、本発明の電解重合に用いる電解液について説明する。本発明で用いる電解液は、硝酸イオンより親液性の大きいアニオンを含む溶液であって、その親液性の大きいアニオンとしては、特に、過塩素酸イオン、又はテトラフルオロホウ酸イオンが好ましい。アニオンの親液性の序列は、ホフマイスター(Hofmeister)系列で表され、その序列は、過塩素酸イオン=テトラフルオロホウ酸イオン>チオシアン酸イオン>ヨウ化物イオン>硝酸イオン>臭化物イオン>塩化物イオン>……>硫酸イオン>……であり、過塩素酸イオンとテトラフルオロホウ酸イオンが序列の最大で、最も親液性が高い。なお、硝酸イオンでは、本発明の目的とする粒子径の揃った球状微粒子を製造することができない。
【0020】
以上のような実施の形態により、本発明は、電解重合により導電性高分子を生成し得るアニリン類、ピロール類、又はチオフェン類の特定の部位に特定の疎水性置換基を導入したモノマーを、特定の電解液中で電解重合するという極めて簡素な製造プロセスにより、粒子径の揃った導電性高分子の球状微粒子を製造することができる。
【0021】
次に、導電性高分子微粒子の粒子径を制御する方法について、その好ましい実施の形態を説明する。即ち、上記の電解重合に際し、両電極間に印加する電位方向を変えることにより実現する酸化工程と還元工程とを設け、酸化工程と還元工程を所定時間毎に交互に繰り返すことにより重合を行い、この酸化工程と還元工程の所定時間を変えることにより、導電性高分子微粒子の粒子径を制御することができる。ポリマー(オリゴマー)は、酸化されるとその分子内に正電荷ができ、これを補償するために、溶液中のアニオンが取り込まれる(ド−ピング反応)。例えば、ポリ(N−メチルアニリン)をPNMA、アニオンをA−、e−を電子とし、nを整数とすると、次式の反応になる。
「数1」
PNMA + nA−⇔ PNMAn+(A−)n+ ne−(1)
(1)式において、酸化すると反応は右側に進み、還元すると反応は左側に進む。電解酸化重合では、右側に反応が進んでいる状態だが、酸化を止め還元状態にすると、左側への反応が生じて、ポリマーは、一旦、取り込んだアニオンを放出し、電気的に中性になる。中性になるということは、疎水性が増加することを意味し、これは、前述のミセル状の集合体を形成するオリゴマーの析出条件が変わり、ミセル状の集合体を形成するオリゴマーの水に馴染まない疎水基の部分が長くなることを意味する。このため、例えば、還元工程を設けることにより、酸化工程のみの場合と比較して、球状微粒子のサイズを大きくすることができる。
【0022】
かかる電解重合は、例えば、電位走査法を用い、その還元時間によってマイクロボールサイズを制御することができ、還元時間を長くする(電位走査速度を遅くする)ことにより、マイクロボールサイズを大きくすることができる。定電位重合の場合には、一定時間、酸化電位を保持した後に、所定時間、還元電位に保持するという、酸化工程と還元工程を交互に繰り返すことにより、マイクロボールサイズを制御することができる。同様に、定電流重合の場合には、一定時間、酸化電流を流した後に、所定時間、還元電流を流すという、酸化工程と還元工程を交互に繰り返すことにより、マイクロボールサイズを制御することができる。
【0023】
この製造方法によれば、本発明を限定するものではないが、概ね均一なサイズの球状微粒子を、1〜10μmの範囲で所定のサイズに制御して製造することができ、更には、ほぼ完全な球状微粒子を、1〜5μmの範囲で所定のサイズに制御して製造することができる。サイズを小さくすることには、個別のモノマー、或いは使用するアニオン等により異なるが、ミセル状の集合体を形成するオリゴマーの析出条件による限界があり、サイズを大きくするのは、サイズの均一性は保持できるが、球形に歪が生じ易くなる方向である。
【0024】
以上のような実施の形態により、本発明は、両電極間に印加する電位方向を変えることにより実現する酸化工程と還元工程とを設け、この酸化工程と還元工程を所定時間毎に交互に繰り返すという極めて簡素な製造プロセスにより、粒子径の揃った導電性高分子の球状微粒子を、その粒子径を制御して製造することができる。
【0025】
電解重合を行なう際に用いられる電極は、電解重合を進行させるために必要な電流或いは電位が得られ、且つ、電解重合反応に際し重合系内に印加される電位によって物理的及び化学的変化が生じない材質から形成された電極であれば、その形状や構造はいかなるものでもよい。
【0026】
アニオンの使用量は、モノマー100molに対し、100〜10,000molの範囲が好ましく、200〜1,000molの範囲で用いるのが更に好ましい。電解重合に使用される溶液には、導電性高分子のモノマー、親液性の大きいアニオンの他、電解質塩等を添加して使用することができる。反応温度は、室温が可能であり、加温等を要さず電解重合を行なうことができる。印加方法は、電位走査法、定電位法、定電流法の何れの方法でもよく、重合雰囲気は、窒素、アルゴン等の不活性ガス下が望ましいが、空気中、開放系下でもよい。重合終了後は、電極からの剥離、沈降分離、遠心分離、デカンテーション等の操作により、重合体スラリーを回収し、更に、洗浄、乾燥を行うことで微粒子を得ることができる。
【0027】
以上のような実施の形態により、本発明は、極めて簡素な製造プロセスにより粒子径の揃った球状微粒子を製造することができると共に、その粒子径を制御して製造することができ、更に、それらの方法を用いて製造される導電性高分子微粒子を提供することができる。本発明の導電性高分子微粒子は、上述のように、その期待される応用面は極めて広く、産業上で極めて有効であるのみならず、基礎科学上も有用なものである。
【0028】
【実施例】
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0029】
先ず、本実施例で使用した電解重合実験システムの概要について説明する。電解セルは、パイレックス(登録商標)・ガラス製の単室セル(50ml)であり、単室セルに内蔵された電解電極は、白金板電極(表面積:陽極1cm2、陰極8cm2)である。参照電極は、銀/塩化銀電極(北斗電工(株)製HX−R1)、或いは飽和カロメル電極(ビー・エー・エス(株)製11−2056番)である。印加は、関数発生器(北斗電工(株)製HB−104)を有する定電流・定電位装置(北斗電工(株)製HA−501)で行った。
【0030】
印加条件は、電位走査法において、電位走査範囲が−0.2〜1.0V、電位走査速度が5、10、20、50、100、200mV/sであり、定電位法において、酸化電位が0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1.0V、還元電位が0、−0.1、−0.2Vである。定電流法では、酸化電流が0.1、0.5、1.0、1.5、2.0、3.0、5.0mA/cm2、還元電流が−0.1、−0.5、−1.0、−1.5、−2.0、−3.0、−5.0mA/cm2である。重合時間は、10、20、30、60、120分であり、概ね20分程度で、多量の導電性高分子微粒子を生成することができた。
【0031】
本実施例で使用した導電性高分子のモノマーは、和光純薬工業(株)製のN−メチルアニリン(試薬特級、純度98%)であり、酸は、同様に、和光純薬工業(株)製の試薬特級(例えば、過塩素酸:純度60%、テトラフルオロホウ酸:純度42%)である。モノマー濃度は0.2mol/lであり、酸濃度は0.8mol/lである。なお、電解重合は、窒素雰囲気下、室温で行った。
【0032】
以下、実験結果について説明する。
【0033】
先ず、第一の実施例として、定電位法による実施例について説明する。
【0034】
図1は、N−メチルアニリンを、使用する酸を変えて、定電位(0.8V)で電解酸化重合したときの、電解時間〜電解電流曲線の一例であり、黒▲は硝酸水溶液中、白△は塩酸水溶液中、黒●は硫酸水溶液中、白○は過塩素酸水溶液中で電解重合したものである。なお、テトラフルオロホウ酸水溶液中(以下、「水溶液」を省略することがある。)の場合は、過塩素酸とほぼ同じ曲線になるので、図示を省略している。過塩素酸、及びテトラフルオロホウ酸を用いたものが本発明の実施例であり、硝酸、塩酸、及び硫酸を用いたものが比較例である。
【0035】
図1に示すように、硝酸、塩酸、硫酸中で行った場合と、過塩素酸、テトラフルオロホウ酸中で行った場合では、電解時間〜電解電流曲線が顕著に異なる。何れの場合も、電解重合初期に電解電流はピークを示しているが、これは、電極表面上にポリ(N−メチルアニリン)膜が形成された過程に対応する。然しながら、硝酸、塩酸、硫酸中で行った場合、電解時間に伴って、電解電流は増加していくのが観察されるが、過塩素酸、テトラフルオロホウ酸中で行った場合には、電解電流は電解時間と共に増加せず、むしろ減少している。電解時間に伴う電解電流の増加は、核成長を意味し、既に電析している膜の上に更にポリ(N−メチルアニリン)が成長していることを示している。対照的に、電解時間に伴う電解電流の減少は、既に電析している膜の上にはポリ(N−メチルアニリン)が余り成長していないことを意味している。
【0036】
次に、得られたポリ(N−メチルアニリン)の表面を走査型電子顕微鏡(日立 S−510 SEM system)で観察した結果、比較例である硝酸中、塩酸中、及び硫酸中で重合して得られたポリ(N−メチルアニリン)は、核成長したため、不均一で歪な粒状のモルフォロジーを示していたのに対し、本発明の実施例である過塩素酸中、及びテトラフルオロホウ酸中で重合して得られたポリ(N−メチルアニリン)は、平滑で緻密な膜上に均一でほぼ完全な球形微粒子が見られた。
【0037】
図2は、本発明の実施例の代表として、過塩素酸中で重合して得られたポリ(N−メチルアニリン)の表面のSEM写真であり、平滑で緻密な膜上に均一でほぼ完全な球形微粒子が形成されたことを示している。なお、テトラフルオロホウ酸中でも、過塩素酸中と同様に、均一でほぼ完全な球形微粒子が得られている。球形微粒子は、核成長では形成されないので、これは電極表面近傍の重合溶液から沈積してできたものと考えられる。
【0038】
図3は、過塩素酸中で重合したケースで、電極表面近傍の重合溶液中から取得した微粒子のSEM写真であり、図3に示すようにマイクロボールが確認でき、これは、微粒子が電極表面近傍の重合溶液から沈積するという形成メカニズムを裏付けるものである。
【0039】
図1、図2及び図3は、本発明の実施例である過塩素酸、又はテトラフルオロホウ酸中で重合した場合には、電解重合初期に電極表面上に核発生しにくい緻密な膜が形成され、電極表面近傍の重合溶液中での酸化反応が優勢となり、そこで生成したオリゴマーが互いにカップリングしあって高分子が生成するときに、溶解度が減少して次々に析出してミセル状の集合体を形成し、更に、相互に反応して球状微粒子が生成されるという、ミセル形成類似の反応メカニズムを示唆するものである。
【0040】
このことは、硝酸、塩酸、硫酸中で重合して得られたポリ(N−メチルアニリン)の分子量が約2,600,000であるのに対し、過塩素酸、テトラフルオロホウ酸中で重合して得られたポリ(N−メチルアニリン)の分子量が600,000程度であることによっても支持される。即ち、比較例の硝酸中等で重合した場合の核成長は、固相重合のため、高い分子量の物が得られるが、本発明の実施例である過塩素酸中等で重合した場合のミセル形成類似の反応では、析出条件にもよるが、低い分子量の微粒子が生成される。
【0041】
なお、かかる重合機構により得られる微粒子は、析出したオリゴマーがほぼ同一の分子量と形状を有し、それが集合・反応して得られる微粒子であり、均一性が高くほぼ完全な球状微粒子となることが予測されるが、上記の実験結果は、これを裏付けるものである。
【0042】
次に、第二の実施例として、サイズを制御してマイクロボールを作成した実施例について説明する。
【0043】
マイクロボールの形成が、上述のミセル形成に類似した反応の場合、ポリ(N−メチルアニリン)の疎水性を変化させることにより析出条件を変え、マイクロボールのサイズを制御することが可能になると予測され、ポリ(N−メチルアニリン)の疎水性は、酸化・還元状態により変えることができる。即ち、ポリ(N−メチルアニリン)は、酸化すると高分子内に正電荷が生じてそれを補償するためにアニオンを取り込み、逆に、還元して電気的に中性にするとアニオンを放出し、疎水性が増大する。
【0044】
図4は、過塩素酸中、電位走査法で生成したマイクロボールのSEM写真であり、(a)電位走査速度200mV/s、(b)電位走査速度20mV/s、の2面図である。図4に示すように、電位走査速度200mV/sの場合は、概ね2μmのマイクロボールが生成され、電位走査速度20mV/sの場合、概ね5μmのマイクロボールが生成されている。即ち、本実施例は、還元時間を長くした場合(電位走査速度を遅くした場合)、マイクロボールサイズが大きくなることを示し、サイズを制御してマイクロボール製造できることを実証したものである。
【0045】
なお、一般的に、ポリアニリンは、電位を高くし過ぎると、酸化的劣化を生じて分解劣化し、これに伴ってモルフォロジーも破壊されてしまうことが知られており(例えば、S. Choi and S. Park , Journal of the Electrochemical Society, Vol.149,E26−E34(2002)など)、モノマーの酸化重合は、ポリマーが分解劣化しない電位で行う必要がある。
【0046】
本実施例によれば、N−メチルアニリンを、過塩素酸又はテトラフルオロホウ酸の水溶液中、室温で電解重合するという、極めて簡素な製造プロセスにより粒子径の揃ったほぼ完全な球状の導電性高分子ポリ(N−メチルアニリン)微粒子を製造することができると共に、電位走査法でその電位走査速度を変えることにより、その粒子径を制御して製造することができる。
以上、本発明の実施例を説明したが、特許請求の範囲で規定された本発明の精神と範囲から逸脱することなく、その形態や細部に種々の変更がなされても良いことは明らかである。
例えば、実施例では、導電性高分子のモノマーとしてN−メチルアニリンを用いた例について説明したが、例えば、N−メチルピロールなども好適に用いることができ、また、電解重合するモノマー濃度も、一例であって、何ら本発明を限定するものではない。更にまた、サイズの制御法として電位走査法を用いた例について説明したが、定電位法や定電流法でも、一定時間、酸化電位を保持した後に、所定時間、還元電位に保持するという、酸化工程と還元工程を交互に繰り返すことにより、マイクロボールのサイズを制御することができる。
【0047】
【発明の効果】
本発明は、電解重合により導電性高分子を生成し得るアニリン類、ピロール類、又はチオフェン類の特定の部位に特定の疎水性置換基を導入したモノマーを、特定の電解液中で電解重合するという極めて簡素な製造プロセスにより、粒子径の揃った導電性高分子の球状微粒子を製造することができる効果がある。また、両電極間に印加する電位方向を変えることにより実現する酸化工程と還元工程とを設け、この酸化工程と還元工程を所定時間毎に交互に繰り返すという極めて簡素な製造プロセスにより、その粒子径を制御して製造することができる効果がある。更にまた、それらの方法を用いて製造される、粒子径の揃った導電性高分子の球状微粒子を提供できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】N−メチルアニリンを、使用する酸を変えて、定電位(0.8V)で電解酸化重合したときの、電解時間〜電解電流曲線の一例であり、黒▲は硝酸、白△は塩酸、黒●は硫酸、白○は過塩素酸、の水溶液中で電解重合したものである。
【図2】過塩素酸中で電解重合して得られたポリ(N−メチルアニリン)の表面をSEMで観察したものである。
【図3】塩素酸中で重合したケースで、電極表面近傍の重合溶液中から取得した微粒子のSEM写真である。
【図4】過塩素酸中、電位走査法で生成したマイクロボールのSEM写真であり、(a)電位走査速度200mV/s、(b)電位走査速度20mV/s、の2面図である。
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性高分子微粒子の製造方法に係わり、特に、粒子径の揃った球状微粒子の製造に好適な、導電性高分子微粒子の製造方法及びその方法を用いて製造される導電性高分子微粒子に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリアニリンやポリピロール、ポリチオフェン等の導電性高分子は、高い電気伝導性と耐熱性を有し、安定性に優れ、電子部品の電極等に利用されている。ポリアニリン等の導電性高分子を重合する方法としては、高価数の遷移金属塩を酸化剤とする酸化的カチオン重合や、芳香族系のモノマーを電気化学的に酸化重合する電解重合が知られ、電解重合法としては、例えば特開昭61−209225号公報には、複素五員環式化合物(例えば、ピロール)と分子量300以下の芳香族スルホン酸塩を電解質として含む水溶液を用いた電解重合により、電極面に導電性高分子を形成する方法が開示されている。また、特開平02−224316号公報には、多孔質成形体の表面を電解液で濡らし、接触して設けた作用電極を用いて電解重合を行って表面に樹状或いは網目状の導電性高分子を形成させ、次いで、導電性高分子を陽極とした電解重合を行って電解質を形成する固体電解コンデンサの製造方法が開示されている。
【0003】
かかる電解重合により合成された導電性高分子は、そのモルフォロジー(微細表面形態)が用いた電解液によって著しく異なる。例えば、ポリアニリンは、アニリンを酸性水溶液中で電解酸化することにより電極表面に緑色の膜として極めて簡単に得ることができるが、酸の種類によって、繊維状(過塩素酸やテトラフルオロホウ酸水溶液から重合)、粒状(硝酸や塩酸水溶液から重合)、珊瑚状(硫酸水溶液から重合)の微細構造が得られることが知られており、微細構造に係わる従来技術としては、例えば、A. Kitani et al ,Journal of Polymer Science :Part A :Polymer Chemistry,Vol.26,1531−1539(1988) John Wiley & Sons, Inc.などがある。
【0004】
然しながら、上記のアニリン等を硝酸や塩酸水溶液中で電解重合する方法では、本発明の意図する粒子径の揃った球状の微粒子を得ることができなかった。なお、一般的な高分子微粒子の製造方法としては、懸濁重合等により得られた粒子を分級する方法やシード重合法が知られているが、収率が低い問題や製造工程が複雑である問題の他、粒子径の均一性も充分満足できるものではなかった。また、特開2000−230005号公報には、エチレン性不飽和単量体を、ケン化度30〜45モル%のポリビニルアルコールを含む親水性有機溶媒の水溶液中で重合させる方法が開示され、特開2000−103804号公報には、炭素数が1〜10のアルキルメルカプタン系連鎖移動剤を、重合開始剤に対して5〜60倍量添加した分散液中で加熱することにより重合反応を行う単分散微粒子の製造方法が開示されているが、これらの粒子を導電性微粒子として用いる場合には、粒子の表面に金属等の導電性物質からなる単体層を形成する必要があり、また、1〜10μmの高分子微粒子を得るためには、これを種粒子としたシード重合が必要になるといった問題があった。
【0005】
即ち、導電性高分子の粒子径の揃った球状微粒子(以下、「マイクロボール」と略称することがある。)は、導電性以外にも有益な機能を有し、その応用面は極めて広いと思われるにも係わらず、未だその有効な製造方法が開発されていない。マイクロボールは、導電性だけに着目しても、金属微粒子よりコスト的に格段に有利であり、例えば、そのまま導電性塗料や帯電防止材料として利用することも可能である。また、均一なマイクロボールは、効率良く集電体に集積可能であり、高出力密度を有する有用な電池活物質としても応用できる。更に、イオン交換コロイド材料、分散型エレクトロクロミック材料、電極触媒や光・化学触媒、などその応用面は極めて広い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、導電性高分子微粒子に係わる上述した状況に鑑み、極めて簡素な製造プロセスにより粒子径の揃った球状微粒子を製造することができる導電性高分子微粒子の製造方法、及びその粒子径を制御可能な導電性高分子微粒子の製造方法を提供し、更に、それらの方法を用いて製造される導電性高分子微粒子を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するため、請求項1の発明は、N−アルキルアニリン又はその誘導体、N−アルキルピロール又はその誘導体、3−アルキルチオフェン又はその誘導体の少なくとも1種のモノマーを、硝酸イオンより親液性の大きいアニオンを含む溶液中で電解重合することを特徴とする導電性高分子微粒子の製造方法であり、請求項2の発明は、更に好ましい形態として、N−アルキルアニリン、N−アルキルピロール、又は3−アルキルチオフェンの少なくとも1種のモノマーを、硝酸イオンより親液性の大きいアニオンを含む溶液中で電解重合することを特徴とする導電性高分子微粒子の製造方法である。
【0008】
請求項3の発明は、前記アルキル基の好ましい形態に係わり、アルキル基が、メチル基、エチル基、又はブチル基の何れかであることを特徴とする導電性高分子微粒子の製造方法である。
【0009】
請求項4の発明は、前記親液性の大きいアニオンの好ましい形態に係わり、親液性の大きいアニオンを、過塩素酸イオン又は/及びテトラフルオロホウ酸イオンとした導電性高分子微粒子の製造方法である。
【0010】
請求項5の発明は、粒子サイズの制御方法に係わり、前記電解重合を、両電極間に印加する電位方向を変えることにより実現する酸化工程と還元工程とを有し、該酸化工程と還元工程を所定時間毎に交互に繰り返す電解重合としたことを特徴とする導電性高分子微粒子の製造方法である。
【0011】
請求項6〜請求項8の発明は、本発明の導電性高分子微粒子であって、請求項6の発明は、前記本発明の製造方法で製造された導電性高分子微粒子であり、請求項7の発明は、その微粒子が、概ね均一なサイズの球状微粒子であることを特徴とする導電性高分子微粒子であり、更に、請求項8の発明は、その微粒子が、1〜10μmの範囲で所定のサイズに制御して製造された微粒子であることを特徴とする導電性高分子微粒子である。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明者は、上述のように、その応用面が極めて広いと思われるマイクロボールの有効な製造方法の確立を目指し、鋭意、研究を重ねた結果、極めて簡素な製造プロセスにより粒子径の揃った球状微粒子を製造することができる方法を見出し、更には、その粒子径を制御可能な製造方法を見出し、本発明を完成させるに至ったものである。
【0013】
即ち、本発明の導電性高分子微粒子の製造方法は、電解重合により導電性高分子を生成し得るアニリン類、ピロール類、又はチオフェン類の特定の部位に特定の疎水性置換基を導入したモノマーを、特定の電解液中で電解重合する方法であって、N−アルキルアニリン又はその誘導体、N−アルキルピロール又はその誘導体、3−アルキルチオフェン又はその誘導体の少なくとも1種のモノマーを、硝酸イオンより親液性の大きいアニオンを含む溶液中で電解重合することを特徴とする製造方法であり、好ましくは、N−アルキルアニリン、N−アルキルピロール、又は3−アルキルチオフェンの少なくとも1種のモノマーを、前記の溶液中で電解重合する製造方法である。
【0014】
本発明の重合反応では、種々の実験的な検討により、ミセル形成類似の反応が生じているものと考えられる。即ち、電解重合の進行に伴って生成した多数のオリゴマーは、溶解度が減少して次々に析出し、析出したオリゴマーは、疎水基と親水基を同時に有する重合体であり、溶液に馴染まない疎水基(又は親水基)の部分が集まり、親水基(又は疎水基)の部分が外側に向いたミセル状の集合体を形成する。ミセル状の集合体を形成した導電性高分子のオリゴマーは、極めて反応し易く、相互に反応して球状微粒子が生成されるものと考えられる。
【0015】
かかる重合機構を有する製造方法によれば、析出したオリゴマーは、ほぼ同一の分子量と形状を有し、均一性の高い導電性高分子微粒子を得ることができる。なお、上述の、ミセル形成類似の反応の説明でも明らかなように、微粒子の球状性、均一性を高めるためには、導入する疎水性(又は親水性)の置換基、及びそれを導入する部位に関し、立体構造や電子構造を乱し難く、リニアな構造を持ち易いことが、非常に重要な条件となる。また、親液性の大きいアニオン、即ち、導電性高分子内部の正電荷に取り込まれ難いアニオン、換言すれば、ポリマーから放出され易く、ポリマーが中性になり易いアニオンを含む溶液中で電解重合することがミセル状の集合体を形成する上で重要である。
【0016】
疎水性の置換基としては、本発明で用いるアルキル基の他、芳香環等もあるが、芳香環等では、立体障害などの理由により、本発明の目的とする粒子径の揃った球状微粒子を製造することができない。アルキル基を導入する特定の部位は、粒子径の揃った球状微粒子を得るために、電子的な構造を乱さず、且つリニアな構造を持ち易いことが必要であり、本発明で用いるその特定の部位は、かかる条件を満たす部位として決定したものである。
【0017】
導入するアルキル基としては、特に本発明を限定するものではないが、立体構造や電子構造を乱し難く、リニアな構造を持ち易い等の観点から、メチル基、エチル基、又はブチル基が好ましく、更には、最も分子量が低いメチル基が好ましい。なお、アルキル基を導入した導電性高分子は、そのアルキル基の炭素数の増大と共に電気伝導度は顕著に低下することが知られており、電気伝導度が高いマイクロボールを製造する上でもメチル基が好ましいが、特に、半導体的な電気伝導度のマイクロボールが要求されるような場合には、メチル基以外のアルキル基を用いることが好ましい。
【0018】
かかるモノマーの具体例としては、N−メチルアニリン、N−メチルピロール、3−メチルチオフェン、N−エチルアニリン、N−エチルピロール、3−エチルチオフェン、N−ブチルアニリン、N−ブチルピロール、3−ブチルチオフェン、N−メチル−2−アミノフェノール、N−メチル−o−アニシジン、3−アルキルスルホピロール、3−ヒドロキシアルキルピロール、3−アルキルスルホチオフェン、3−ヒドロキシアルキルチオフェン等を挙げることができ、特に、N−メチルアニリン、N−メチルピロールが好ましい。
【0019】
次に、本発明の電解重合に用いる電解液について説明する。本発明で用いる電解液は、硝酸イオンより親液性の大きいアニオンを含む溶液であって、その親液性の大きいアニオンとしては、特に、過塩素酸イオン、又はテトラフルオロホウ酸イオンが好ましい。アニオンの親液性の序列は、ホフマイスター(Hofmeister)系列で表され、その序列は、過塩素酸イオン=テトラフルオロホウ酸イオン>チオシアン酸イオン>ヨウ化物イオン>硝酸イオン>臭化物イオン>塩化物イオン>……>硫酸イオン>……であり、過塩素酸イオンとテトラフルオロホウ酸イオンが序列の最大で、最も親液性が高い。なお、硝酸イオンでは、本発明の目的とする粒子径の揃った球状微粒子を製造することができない。
【0020】
以上のような実施の形態により、本発明は、電解重合により導電性高分子を生成し得るアニリン類、ピロール類、又はチオフェン類の特定の部位に特定の疎水性置換基を導入したモノマーを、特定の電解液中で電解重合するという極めて簡素な製造プロセスにより、粒子径の揃った導電性高分子の球状微粒子を製造することができる。
【0021】
次に、導電性高分子微粒子の粒子径を制御する方法について、その好ましい実施の形態を説明する。即ち、上記の電解重合に際し、両電極間に印加する電位方向を変えることにより実現する酸化工程と還元工程とを設け、酸化工程と還元工程を所定時間毎に交互に繰り返すことにより重合を行い、この酸化工程と還元工程の所定時間を変えることにより、導電性高分子微粒子の粒子径を制御することができる。ポリマー(オリゴマー)は、酸化されるとその分子内に正電荷ができ、これを補償するために、溶液中のアニオンが取り込まれる(ド−ピング反応)。例えば、ポリ(N−メチルアニリン)をPNMA、アニオンをA−、e−を電子とし、nを整数とすると、次式の反応になる。
「数1」
PNMA + nA−⇔ PNMAn+(A−)n+ ne−(1)
(1)式において、酸化すると反応は右側に進み、還元すると反応は左側に進む。電解酸化重合では、右側に反応が進んでいる状態だが、酸化を止め還元状態にすると、左側への反応が生じて、ポリマーは、一旦、取り込んだアニオンを放出し、電気的に中性になる。中性になるということは、疎水性が増加することを意味し、これは、前述のミセル状の集合体を形成するオリゴマーの析出条件が変わり、ミセル状の集合体を形成するオリゴマーの水に馴染まない疎水基の部分が長くなることを意味する。このため、例えば、還元工程を設けることにより、酸化工程のみの場合と比較して、球状微粒子のサイズを大きくすることができる。
【0022】
かかる電解重合は、例えば、電位走査法を用い、その還元時間によってマイクロボールサイズを制御することができ、還元時間を長くする(電位走査速度を遅くする)ことにより、マイクロボールサイズを大きくすることができる。定電位重合の場合には、一定時間、酸化電位を保持した後に、所定時間、還元電位に保持するという、酸化工程と還元工程を交互に繰り返すことにより、マイクロボールサイズを制御することができる。同様に、定電流重合の場合には、一定時間、酸化電流を流した後に、所定時間、還元電流を流すという、酸化工程と還元工程を交互に繰り返すことにより、マイクロボールサイズを制御することができる。
【0023】
この製造方法によれば、本発明を限定するものではないが、概ね均一なサイズの球状微粒子を、1〜10μmの範囲で所定のサイズに制御して製造することができ、更には、ほぼ完全な球状微粒子を、1〜5μmの範囲で所定のサイズに制御して製造することができる。サイズを小さくすることには、個別のモノマー、或いは使用するアニオン等により異なるが、ミセル状の集合体を形成するオリゴマーの析出条件による限界があり、サイズを大きくするのは、サイズの均一性は保持できるが、球形に歪が生じ易くなる方向である。
【0024】
以上のような実施の形態により、本発明は、両電極間に印加する電位方向を変えることにより実現する酸化工程と還元工程とを設け、この酸化工程と還元工程を所定時間毎に交互に繰り返すという極めて簡素な製造プロセスにより、粒子径の揃った導電性高分子の球状微粒子を、その粒子径を制御して製造することができる。
【0025】
電解重合を行なう際に用いられる電極は、電解重合を進行させるために必要な電流或いは電位が得られ、且つ、電解重合反応に際し重合系内に印加される電位によって物理的及び化学的変化が生じない材質から形成された電極であれば、その形状や構造はいかなるものでもよい。
【0026】
アニオンの使用量は、モノマー100molに対し、100〜10,000molの範囲が好ましく、200〜1,000molの範囲で用いるのが更に好ましい。電解重合に使用される溶液には、導電性高分子のモノマー、親液性の大きいアニオンの他、電解質塩等を添加して使用することができる。反応温度は、室温が可能であり、加温等を要さず電解重合を行なうことができる。印加方法は、電位走査法、定電位法、定電流法の何れの方法でもよく、重合雰囲気は、窒素、アルゴン等の不活性ガス下が望ましいが、空気中、開放系下でもよい。重合終了後は、電極からの剥離、沈降分離、遠心分離、デカンテーション等の操作により、重合体スラリーを回収し、更に、洗浄、乾燥を行うことで微粒子を得ることができる。
【0027】
以上のような実施の形態により、本発明は、極めて簡素な製造プロセスにより粒子径の揃った球状微粒子を製造することができると共に、その粒子径を制御して製造することができ、更に、それらの方法を用いて製造される導電性高分子微粒子を提供することができる。本発明の導電性高分子微粒子は、上述のように、その期待される応用面は極めて広く、産業上で極めて有効であるのみならず、基礎科学上も有用なものである。
【0028】
【実施例】
次に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
【0029】
先ず、本実施例で使用した電解重合実験システムの概要について説明する。電解セルは、パイレックス(登録商標)・ガラス製の単室セル(50ml)であり、単室セルに内蔵された電解電極は、白金板電極(表面積:陽極1cm2、陰極8cm2)である。参照電極は、銀/塩化銀電極(北斗電工(株)製HX−R1)、或いは飽和カロメル電極(ビー・エー・エス(株)製11−2056番)である。印加は、関数発生器(北斗電工(株)製HB−104)を有する定電流・定電位装置(北斗電工(株)製HA−501)で行った。
【0030】
印加条件は、電位走査法において、電位走査範囲が−0.2〜1.0V、電位走査速度が5、10、20、50、100、200mV/sであり、定電位法において、酸化電位が0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1.0V、還元電位が0、−0.1、−0.2Vである。定電流法では、酸化電流が0.1、0.5、1.0、1.5、2.0、3.0、5.0mA/cm2、還元電流が−0.1、−0.5、−1.0、−1.5、−2.0、−3.0、−5.0mA/cm2である。重合時間は、10、20、30、60、120分であり、概ね20分程度で、多量の導電性高分子微粒子を生成することができた。
【0031】
本実施例で使用した導電性高分子のモノマーは、和光純薬工業(株)製のN−メチルアニリン(試薬特級、純度98%)であり、酸は、同様に、和光純薬工業(株)製の試薬特級(例えば、過塩素酸:純度60%、テトラフルオロホウ酸:純度42%)である。モノマー濃度は0.2mol/lであり、酸濃度は0.8mol/lである。なお、電解重合は、窒素雰囲気下、室温で行った。
【0032】
以下、実験結果について説明する。
【0033】
先ず、第一の実施例として、定電位法による実施例について説明する。
【0034】
図1は、N−メチルアニリンを、使用する酸を変えて、定電位(0.8V)で電解酸化重合したときの、電解時間〜電解電流曲線の一例であり、黒▲は硝酸水溶液中、白△は塩酸水溶液中、黒●は硫酸水溶液中、白○は過塩素酸水溶液中で電解重合したものである。なお、テトラフルオロホウ酸水溶液中(以下、「水溶液」を省略することがある。)の場合は、過塩素酸とほぼ同じ曲線になるので、図示を省略している。過塩素酸、及びテトラフルオロホウ酸を用いたものが本発明の実施例であり、硝酸、塩酸、及び硫酸を用いたものが比較例である。
【0035】
図1に示すように、硝酸、塩酸、硫酸中で行った場合と、過塩素酸、テトラフルオロホウ酸中で行った場合では、電解時間〜電解電流曲線が顕著に異なる。何れの場合も、電解重合初期に電解電流はピークを示しているが、これは、電極表面上にポリ(N−メチルアニリン)膜が形成された過程に対応する。然しながら、硝酸、塩酸、硫酸中で行った場合、電解時間に伴って、電解電流は増加していくのが観察されるが、過塩素酸、テトラフルオロホウ酸中で行った場合には、電解電流は電解時間と共に増加せず、むしろ減少している。電解時間に伴う電解電流の増加は、核成長を意味し、既に電析している膜の上に更にポリ(N−メチルアニリン)が成長していることを示している。対照的に、電解時間に伴う電解電流の減少は、既に電析している膜の上にはポリ(N−メチルアニリン)が余り成長していないことを意味している。
【0036】
次に、得られたポリ(N−メチルアニリン)の表面を走査型電子顕微鏡(日立 S−510 SEM system)で観察した結果、比較例である硝酸中、塩酸中、及び硫酸中で重合して得られたポリ(N−メチルアニリン)は、核成長したため、不均一で歪な粒状のモルフォロジーを示していたのに対し、本発明の実施例である過塩素酸中、及びテトラフルオロホウ酸中で重合して得られたポリ(N−メチルアニリン)は、平滑で緻密な膜上に均一でほぼ完全な球形微粒子が見られた。
【0037】
図2は、本発明の実施例の代表として、過塩素酸中で重合して得られたポリ(N−メチルアニリン)の表面のSEM写真であり、平滑で緻密な膜上に均一でほぼ完全な球形微粒子が形成されたことを示している。なお、テトラフルオロホウ酸中でも、過塩素酸中と同様に、均一でほぼ完全な球形微粒子が得られている。球形微粒子は、核成長では形成されないので、これは電極表面近傍の重合溶液から沈積してできたものと考えられる。
【0038】
図3は、過塩素酸中で重合したケースで、電極表面近傍の重合溶液中から取得した微粒子のSEM写真であり、図3に示すようにマイクロボールが確認でき、これは、微粒子が電極表面近傍の重合溶液から沈積するという形成メカニズムを裏付けるものである。
【0039】
図1、図2及び図3は、本発明の実施例である過塩素酸、又はテトラフルオロホウ酸中で重合した場合には、電解重合初期に電極表面上に核発生しにくい緻密な膜が形成され、電極表面近傍の重合溶液中での酸化反応が優勢となり、そこで生成したオリゴマーが互いにカップリングしあって高分子が生成するときに、溶解度が減少して次々に析出してミセル状の集合体を形成し、更に、相互に反応して球状微粒子が生成されるという、ミセル形成類似の反応メカニズムを示唆するものである。
【0040】
このことは、硝酸、塩酸、硫酸中で重合して得られたポリ(N−メチルアニリン)の分子量が約2,600,000であるのに対し、過塩素酸、テトラフルオロホウ酸中で重合して得られたポリ(N−メチルアニリン)の分子量が600,000程度であることによっても支持される。即ち、比較例の硝酸中等で重合した場合の核成長は、固相重合のため、高い分子量の物が得られるが、本発明の実施例である過塩素酸中等で重合した場合のミセル形成類似の反応では、析出条件にもよるが、低い分子量の微粒子が生成される。
【0041】
なお、かかる重合機構により得られる微粒子は、析出したオリゴマーがほぼ同一の分子量と形状を有し、それが集合・反応して得られる微粒子であり、均一性が高くほぼ完全な球状微粒子となることが予測されるが、上記の実験結果は、これを裏付けるものである。
【0042】
次に、第二の実施例として、サイズを制御してマイクロボールを作成した実施例について説明する。
【0043】
マイクロボールの形成が、上述のミセル形成に類似した反応の場合、ポリ(N−メチルアニリン)の疎水性を変化させることにより析出条件を変え、マイクロボールのサイズを制御することが可能になると予測され、ポリ(N−メチルアニリン)の疎水性は、酸化・還元状態により変えることができる。即ち、ポリ(N−メチルアニリン)は、酸化すると高分子内に正電荷が生じてそれを補償するためにアニオンを取り込み、逆に、還元して電気的に中性にするとアニオンを放出し、疎水性が増大する。
【0044】
図4は、過塩素酸中、電位走査法で生成したマイクロボールのSEM写真であり、(a)電位走査速度200mV/s、(b)電位走査速度20mV/s、の2面図である。図4に示すように、電位走査速度200mV/sの場合は、概ね2μmのマイクロボールが生成され、電位走査速度20mV/sの場合、概ね5μmのマイクロボールが生成されている。即ち、本実施例は、還元時間を長くした場合(電位走査速度を遅くした場合)、マイクロボールサイズが大きくなることを示し、サイズを制御してマイクロボール製造できることを実証したものである。
【0045】
なお、一般的に、ポリアニリンは、電位を高くし過ぎると、酸化的劣化を生じて分解劣化し、これに伴ってモルフォロジーも破壊されてしまうことが知られており(例えば、S. Choi and S. Park , Journal of the Electrochemical Society, Vol.149,E26−E34(2002)など)、モノマーの酸化重合は、ポリマーが分解劣化しない電位で行う必要がある。
【0046】
本実施例によれば、N−メチルアニリンを、過塩素酸又はテトラフルオロホウ酸の水溶液中、室温で電解重合するという、極めて簡素な製造プロセスにより粒子径の揃ったほぼ完全な球状の導電性高分子ポリ(N−メチルアニリン)微粒子を製造することができると共に、電位走査法でその電位走査速度を変えることにより、その粒子径を制御して製造することができる。
以上、本発明の実施例を説明したが、特許請求の範囲で規定された本発明の精神と範囲から逸脱することなく、その形態や細部に種々の変更がなされても良いことは明らかである。
例えば、実施例では、導電性高分子のモノマーとしてN−メチルアニリンを用いた例について説明したが、例えば、N−メチルピロールなども好適に用いることができ、また、電解重合するモノマー濃度も、一例であって、何ら本発明を限定するものではない。更にまた、サイズの制御法として電位走査法を用いた例について説明したが、定電位法や定電流法でも、一定時間、酸化電位を保持した後に、所定時間、還元電位に保持するという、酸化工程と還元工程を交互に繰り返すことにより、マイクロボールのサイズを制御することができる。
【0047】
【発明の効果】
本発明は、電解重合により導電性高分子を生成し得るアニリン類、ピロール類、又はチオフェン類の特定の部位に特定の疎水性置換基を導入したモノマーを、特定の電解液中で電解重合するという極めて簡素な製造プロセスにより、粒子径の揃った導電性高分子の球状微粒子を製造することができる効果がある。また、両電極間に印加する電位方向を変えることにより実現する酸化工程と還元工程とを設け、この酸化工程と還元工程を所定時間毎に交互に繰り返すという極めて簡素な製造プロセスにより、その粒子径を制御して製造することができる効果がある。更にまた、それらの方法を用いて製造される、粒子径の揃った導電性高分子の球状微粒子を提供できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】N−メチルアニリンを、使用する酸を変えて、定電位(0.8V)で電解酸化重合したときの、電解時間〜電解電流曲線の一例であり、黒▲は硝酸、白△は塩酸、黒●は硫酸、白○は過塩素酸、の水溶液中で電解重合したものである。
【図2】過塩素酸中で電解重合して得られたポリ(N−メチルアニリン)の表面をSEMで観察したものである。
【図3】塩素酸中で重合したケースで、電極表面近傍の重合溶液中から取得した微粒子のSEM写真である。
【図4】過塩素酸中、電位走査法で生成したマイクロボールのSEM写真であり、(a)電位走査速度200mV/s、(b)電位走査速度20mV/s、の2面図である。
Claims (8)
- N−アルキルアニリン又はその誘導体、N−アルキルピロール又はその誘導体、3−アルキルチオフェン又はその誘導体の少なくとも1種のモノマーを、硝酸イオンより親液性の大きいアニオンを含む溶液中で電解重合することを特徴とする導電性高分子微粒子の製造方法。
- N−アルキルアニリン、N−アルキルピロール、又は3−アルキルチオフェンの少なくとも1種のモノマーを、硝酸イオンより親液性の大きいアニオンを含む溶液中で電解重合することを特徴とする導電性高分子微粒子の製造方法。
- 前記アルキル基は、メチル基、エチル基、又はブチル基であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の導電性高分子微粒子の製造方法。
- 前記親液性の大きいアニオンは、過塩素酸イオン又は/及びテトラフルオロホウ酸イオンであることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の導電性高分子微粒子の製造方法。
- 前記電解重合は、両電極間に印加する電位方向を変えることにより実現する酸化工程と還元工程とを有し、該酸化工程と還元工程を所定時間毎に交互に繰り返す電解重合であることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の導電性高分子微粒子の製造方法。
- 請求項1乃至請求項5の何れかに記載の製造方法で製造された導電性高分子微粒子。
- 前記微粒子は、概ね均一なサイズの球状微粒子であることを特徴とする請求項6記載の導電性高分子微粒子。
- 前記微粒子は、1〜10μmの範囲で所定のサイズに制御して製造された微粒子であることを特徴とする請求項6又は請求項7記載の導電性高分子微粒子。
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