JPH05209107A - 帯電防止性に優れた樹脂組成物 - Google Patents

帯電防止性に優れた樹脂組成物

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JPH05209107A
JPH05209107A JP1505492A JP1505492A JPH05209107A JP H05209107 A JPH05209107 A JP H05209107A JP 1505492 A JP1505492 A JP 1505492A JP 1505492 A JP1505492 A JP 1505492A JP H05209107 A JPH05209107 A JP H05209107A
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JP1505492A
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Tadao Kimura
忠雄 木村
Yasuo Kobayashi
康男 小林
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Daicel Corp
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Daicel Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐衝撃性の高い永久帯電防止性能を持つ樹脂
組成物を提供する。 【構成】 ABS樹脂またはABS樹脂とAS樹脂との
混合物、ポリアミド樹脂、耐熱アクリル樹脂、帯電防止
剤及び帯電防止助剤から成る樹脂組成物 【効果】 本発明の組成物は耐衝撃性が高く、永久帯電
防止性を持つので、家電製品の部品や、コネクタ−用樹
脂として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐衝撃性に代表される
機械的特性が優れかつ帯電防止性能が経時変化したり水
洗により消失することがない永久帯電防止性能を持つ樹
脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ABS樹脂やAS樹脂との混合物は、従
来その耐衝撃性や易成形性等の優れた特性によりOA機
器・家電製品等に広範な分野で使用されてきた。しか
し、ABS樹脂やAS樹脂との混合物は他の汎用樹脂に
比し帯電しやすいため複写機やファクシミリ、コンピュ
−タ−など静電気による障害を防止したい機器に於いて
使用が制限されている。ABS樹脂やAS樹脂との混合
物に帯電防止性を付与する方法としては例えば、ポリエ
チレングリコ−ルのような親水性高分子化合物や長鎖ア
ルキルアンモニウム塩又はアルキルアミン等の添加型帯
電防止剤を樹脂に練り込む方法、或るいは、樹脂成形品
の表面に帯電防止性能のある界面活性剤を塗布する方法
などがある。
【0003】しかしながらいずれの方法も帯電防止性能
が時間の経過と共に減少するほか、成形品の水洗等によ
り表面に移行していた帯電防止剤が洗い流される結果、
帯電防止性が極端に低下する等の問題点があった。この
ためABS樹脂やAS樹脂との混合物に永久帯電防止性
能を持たせる試みも数多くなされており、例えばABS
樹脂中の親水性エラストマ−成分上にアルキレンオキシ
ド基を有するビニル系単量体をグラフト共重合する方法
(特開昭55−36237号公報)や、アルキレンオキ
シドとエピクロルヒドリンの共重合体を添加する方法
(特開平2−269147号公報)などが開示されてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特開昭55−3623
7号公報に記載された親水性エラストマ−重合体をグラ
フト重合して得られる樹脂は、特殊な重合法を採用する
ため製造方法が複雑で、また得られる樹脂の機械的特性
が十分満足しうるものとはいい難い。また、特開平2−
269147号公報に記載の方法は、機械的特性に優
れ、また、永久制電性や、層状剥離が改良されているも
のの、主要成分のエピクロルヒドリン共重合体は高価な
ものであり、結果として最終組成物の価格も安価なもの
とはいい難い。 よって本発明が解決すべき課題は、複
雑な製造方法によらず、又、高価な帯電防止剤を使用せ
ずに、機械的特性に優れ、層状剥離がなくしかも永久帯
電防止性を有する樹脂組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく鋭
意検討した結果、その解決のためにはABS樹脂または
AS樹脂との混合物、ポリアミド樹脂、及び無水マレイ
ン酸を共重合した耐熱アクリル樹脂からなる樹脂混合物
に、公知の帯電防止剤であるアルキルベンゼンスルホン
酸金属塩と、帯電防止助剤であるポリアルキレングリコ
−ルを添加することにより、永久帯電防止性に優れた樹
脂組成物が得られることを見出し本発明に到達した。
【0006】即ち、本発明は、 (a)ABS樹脂又はABS樹脂とAS樹脂の混合物 50〜95重量部 (b)ポリアミド樹脂 3〜40重量部 (c)無水マレイン酸を共重合した耐熱アクリル樹脂 2〜10重量部 から成る熱可塑性樹脂組成物100 重量部に対し(d)下
式[I]aで示されるアルキルスルホン酸金属塩、又
は、下式 [I]bで示されるアルキルベンゼンスルホン酸金属塩 0.5 〜6 重量部
【化4】
【化5】 但し、 R1 ;炭素数6 〜20の長鎖アルキル基 n ;アルキルスルホン酸陰イオン又は、アルキルベン
ゼンスルホン酸陰イオンの数 Mn+;アルカリ金属又はアルカリ土類金属の陽イオン
で、nはそのイオンの価数 (e)下式[II]で示されるポリアルキレングリコール 1 〜 8重量部
【化6】 但し、 R2 ;H又はCH3 m;50〜5000の整数 を添加してなる帯電防止性に優れた樹脂組成物を提供す
るものである。以下に本発明を具体的に説明する。
【0007】[発明の構成] <(a)ABS樹脂又はABS樹脂とAS樹脂の混合物
>本発明に用いるABS樹脂(a)は、ジェン系ゴム
20〜50重量部の存在下、芳香族ビニル系単量体、50〜89
重量部% シアン化ビニル単量体、11〜50重量%及びこ
れらと共重合可能な他のビニル系単量体、0 〜30重量%
から成る単量体混合物50〜80重量部を共重合したグラフ
ト共重合体を意味する。ここでいうジェン系ゴムとは、
ポリブタジェン(PBD)、スチレン−ブタジエン共重
合ゴム、ブタジェン−アクリロニトリル共重合ゴム等が
挙げられる。
【0008】本発明で用いるAS樹脂(a)とは次ぎ
のようなものを言う。芳香族ビニル系単量体、50〜89重
量% シアン化ビニル単量体、11〜50重量%及びこれら
と共重合可能な他のビニル系単量体、0 〜30重量%から
なる単量体混合物を共重合したものである。上記のAB
S樹脂及びAS樹脂に於ける芳香族ビニル系単量体とし
ては、スチレン(ST)、α−メチルスチレン、p−メ
チルスチレン等が例示され、これらの併用も可能であ
る。また、シアン化ビニル系単量体としては、アクリロ
ニトリル(AN)、メタクリロニトリルなどが例示され
るがANがより好ましい。芳香族ビニル単量体、及び、
シアン化ビニル系単量体と共重合可能なビニル系単量体
としては、メチル(メタ)アクリ−ト、ブチルアクリ−
ト等が例示される。
【0009】本発明の帯電防止性に優れた樹脂組成物を
得るためには、ABS樹脂及びAS樹脂中の各成分の構
成割合が上記の範囲にあることが好ましい。ABS樹脂
中のジェン系ゴムの量が50重量部を越えると最終組成物
の成形性が悪くなる。又、ゴムの量が20重量部未満では
最終組成物の機械的物性、特に耐衝撃性性が低くなる。
又、ABS樹脂中でマトリクス樹脂を形成する単量体混
合物中の芳香族ビニル系単量体の量が89重量%を越える
とABSの物性が低下し、一方シアン化ビニル単量体の
量が50重量%を越えると樹脂組成が不均一になり樹脂が
着色しやすい。芳香族ビニル単量体、シアン化ビニル単
量体と共重合しうる他のビニル単量体は30重量%以下に
することが必要である。30重量%を越えるとABS樹脂
の特性、特に耐衝撃性や流動性が低下する。
【0010】AS樹脂中の芳香族ビニル単量体の量が50
重量%未満であるとAS樹脂が脆くなり、また89重量%
を越えると、樹脂の熱安定性が悪くなる。一方、シアン
化ビニル単量体の量が11重量%未満であると、AS樹脂
の耐薬品性が低く、また50重量%を越えると成形性が悪
くなる。また、第三成分単量体の量は、多くとも30重量
%以下にすべきで、それ以上共重合させると流動性など
が悪くなる。
【0011】ABS樹脂の製造方法としては公知の乳化
重合法、塊状縣濁重合法或いは溶液重合法が挙げられる
が、特にゴムラテックスを用いる乳化重合法ABS樹脂
が、後のブレンド作業性が良いと言うことからより好ま
しい。AS樹脂の製造方法としては、乳化重合法、懸濁
重合法、塊状重合法などがあるが、どの重合法でもよ
い。本発明においてABS樹脂()とAS樹脂()
との混合比率は、重量基準で/=100 /0〜20/80
の範囲が好ましい。/の比が100 /0 〜20/80の範
囲を外れると、最終組成物の物性バランス特に耐衝撃性
と弾性率のバランスが悪くなり、好ましくない。
【0012】<(b)ポリアミド樹脂>本発明で用いる
ポリアミド樹脂としては、アミノ末端基を0.010 〜0.10
0mmol/ g含有し、96%硫酸に1 g/ d l の濃度で溶解
した溶液の相対粘度(ηrel )が25℃で2.0 〜7.0 であ
るポリアミド樹脂が好ましい。 本発明に用いられるポ
リアミド樹脂は、その種類に何ら制限はないが、例えば
ポリε−カプロラクタム(ポリアミド−6 )、ポリヘキ
サメチレンアジパミド(ポリアミド−6,6 )、ポリアミ
ド−4,6 等が例示され、その単独使用又は併用ができ
る。。但し本ポリアミド樹脂中のアミノ末端基の量が0.
010mmol/g 〜0.100mmol/g であることが好ましい。この
量は 1H−NMRや滴定法によって定量できるが、アミ
ノ末端基含有率が0.010mmol/g 以下では次項で述べる耐
熱アクリル樹脂との反応性に乏しいため最終組成物の物
性、特に耐衝撃性が低い。一方アミノ末端基含有量が0.
100mmol/g 以上では、最終組成物の成形性(溶融流動
性)や熱安定性が悪い。更にこのポリアミド樹脂の重合
度は96%硫酸に1g/dl の濃度で溶解した溶液の相対粘度
(ηrel )が25℃で2.0 〜7.0 であることが好ましい。
ηrel が2.0 以下では最終組成物の物性、特に耐衝撃性
が低く、逆に、7.0 以上では最終組成物の溶融粘度が高
すぎて成形が容易でない。
【0013】<(c)無水マレイン酸を共重合した耐熱
アクリル樹脂>本発明で用いられる、無水マレイン酸を
共重合した耐熱アクリル樹脂(以下HRAと記す)とは
以下のようなものを言う。即ち、メチルメタクリレ−ト
単量体(MMA)単位60〜98重量%、スチレン単量体
(ST)単位1 〜25重量%及び無水マレイン酸単量体
(MAH)単位1 〜15重量%から成るランダム共重合体
である耐熱変形性に優れたアクリル樹脂である。
【0014】このHRAにおける単量体組成は、MMA
が60重量%未満の場合には最終組成物の相溶性が悪い。
98重量%以上になると最終組成物の帯電防止性が十分で
ない。MAHが1 重量%未満及びST単位が1 重量%未
満では耐熱性向上効果に乏しい。MAH単位が15重量%
を越えると最終組成物の熱安定性が悪くなる。ST単位
が25重量%を越えるときもHRAの耐熱性が下がるため
最終組成物の耐熱性も低くなり好ましくない。
【0015】<(d)アルキルスルホン酸金属塩又はア
ルキルベンゼンスルホン酸金属塩>本発明で用いる
(d)アルキルスルホン酸金属塩又はアルキルベンゼン
スルホン酸金属塩とは次のものをいう。即ち、下式
[I]a、[I]bで示される構造のものである。
【0016】
【化7】
【化8】 但し、 R1 ;炭素数6 〜20の長鎖アルキル基 n ;アルキルスルホン酸陰イオン又は、アルキルベン
ゼンスルホン酸陰イオンの数 Mn+;アルカリ金属又はアルカリ土類金属の陽イオン
で、nはそのイオンの価数 R1 は炭素数 6〜20の長鎖飽和アルキル基を意味し、そ
の具体例としてはヘキシル、オクチル、デシル(ラウリ
ル)、ステアリル等、のアルキル基が挙げられる。又、
n+は使用するアルカリ金属塩又は、アルカリ土類金属
塩の陽イオンであり、具体例としてはK+ 、Na+ 、C
2+、Mg2+等が挙げられる。式[I]a、bに於い
て、R1 の炭素数が6 未満又は20を越えると帯電防止性
能が十分発現しない。より好ましいのは炭素数が8 のオ
クチル基から同16のステアリル基までである。尚、nの
数は1 又は2 が望ましい。
【0017】<(e)ポリアルキレングリコール>本発
明で用いられる帯電防止助剤である(e)ポリアルキレ
ングリコールとは下式[II]で示される構造のものを
いう。
【0018】
【化9】 但し、 R2 ;H又はCH3 m;50〜5000の整数 式中R2 はH又はCH3 から選ばれ、炭素数が2以上の
アルキル基を持つものは帯電防止助剤としての性能に乏
しい。一方、mは50〜5000の整数であり、その間の数字
ならば任意に選択できるが、より好ましのは400 〜4500
の整数である。mが50以下の場合、帯電防止助剤として
の性能は十分であるが樹脂マトリクスとの親和性(相溶
性)に乏しいため帯電防止性能の経時変化が大きくな
る。また、mが5000を越えると帯電防止助剤としての性
能が十分でない。
【0019】[最終組成物の製造]本発明の最終組成物
は、 (a)ABS樹脂又はABS樹脂とAS樹脂の混合物 50〜95重量部 (b)ポリアミド樹脂 3〜40重量部 (c)耐熱アクリル樹脂 2〜10重量部 から成る熱可塑性樹脂組成物100 重量部に対し、 (d)アルキルスルホン酸金属塩又はアルキルベンゼンスルホン酸金属塩 0.5〜 6重量部 (e)ポリアルキレングリコール 1〜 8重量部 を添加するものである。
【0020】上記の組成物中、(a)ABS樹脂又はA
BS樹脂とAS樹脂の混合物が50重量部以下では、最終
組成物の物性、特に耐衝撃性が低く、本組成物の用途に
適さない。また、95重量部以上では、最終組成物の帯電
防止性能が十分発現しない。 (b)ポリアミド樹脂の使用量は 3〜40重量部が望まし
い。 3重量部以下では最終組成物の帯電防止性や耐薬品
性が十分でなく、また、40重量部を越えると耐衝撃性な
どの物性が低下する。 (c)耐熱アクリル樹脂(HRA)の使用量は熱可塑性
樹脂総量中、 2〜10重量部にすべきである。 2重量部以
下では、最終組成物の耐衝撃性が低く、また、10重量部
を越えると、成形時の分解が起きやすい。 上記(a)+(b)+(c)=100 重量部に対し、帯電
防止剤の(d)アルキルスルホン酸金属塩又はアルキル
ベンゼンスルホン酸金属塩の使用量は 0.5〜 6重量部が
望ましい。 0.5重量部以下であると帯電防止性能が十分
発現せず、また、 6重量部以上用いると樹脂の外観や成
形性が悪くなる。同様に帯電防止助剤として用いる
(e)ポリアルキレングリコールは、(a)+(b)+
(c)=100 重量部に対し 1〜 8重量部にすべきであ
る。 1重量部以下であると最終組成物の帯電防止性能が
十分でなく、 8重量部を越えると最終組成物の相溶性や
成形性が悪くなる。以上、(a)、(b)、(c)、
(d)及び(e)各成分のブレンドには押出機、ニ−ダ
−、ロ−ル等を利用して、溶融混練すれば良い。好まし
い方法は、ヘンシェルミキサ−等を用いて粉末状原料を
混合し、これを押出機を用いて加熱・溶融させて押出
し、ペレット化する方法によって得られる。
【0021】本発明の最終組成物には、通常使用されて
いる各種の添加剤、例えば可塑剤、酸化防止剤、安定
剤、無機充填剤、ガラス繊維等の補強材、顔料、染料等
を添加選択しても良い。更に本発明の樹脂組成物に難燃
剤を添加することもできる。難燃剤としてはリン系化合
物、またはテトラブロモビスフェノ−ルA等のハロゲン
化合物が用いられる。これら添加剤の充填量は最終樹脂
組成物100 重量部当たり、50重量部以下に抑える必要が
ある。これ以上添加すると最終組成物の物性が低下する
と共に帯電防止性も低下する可能性がある。
【0022】
【実施例】以下に本発明の実施例を示して具体的に説明
する。しかしながら本発明はこれら実施例に限定される
ものではない。なお例中の部及び%は全て重量基準であ
る。本発明で使用した(a)ABS樹脂又はAS樹脂、
(b)ポリアミド樹脂、(c)耐熱アクリル樹脂、
(d)アルキルスルホン酸金属塩又はアルキルベンゼン
スルホン酸金属塩及び(e)ポリアルキレングリコ−ル
の種類を表1〜6に示す。また、表7に本発明の実施に
於て採用した樹脂の物性評価方法を示す。尚、成形品の
外観の評価は、カラ−プレ−トの表面のフラッシュの有
無で評価し、◎は良好な外観、○はフラッシュがわずか
観察される、×はフラッシュが強く観察されるケ−スを
示す。また、押出作業性は、特に押出時のベントアップ
やサ−ジングの有無で評価し、NPは問題なし、Pはベ
ントアップ等で作業性が良くなかったことを示す。
【0023】(実施例1)ABS樹脂(−1)を67
部、ポリアミド樹脂(b−1)を28部、HRAを 5重量
部の計100 重量部に対し、帯電防止剤(d−1)として
ラウリルスルホン酸ソーダ(花王(株)製 商品名エレ
クトロストリッパ− PC−3)を 2部、更に帯電防止
助剤(e−1)としてポリエチレグリコール(三洋化成
製 商品名PEG20000,R2 =H、mはおよそ454)
を2.5 部各々秤量し、酸化防止剤と滑剤を各々0.1 部加
えたのちV型ブレンダ−を用い20分間ドライブレンドし
た。ブレンド後の樹脂混合物を大阪精機(株)製40mmφ
単軸押出機を用い250 ℃で混練押出した。
【0024】押出し時は特にベントアップもサ−ジング
も観察されなかった。押出ストランドは、水槽で冷却さ
れペレット化された。このペレットは、熱風乾燥機中90
℃× 4時間乾燥された後、日精樹脂工業(株)製射出成
形機TS−100 型で物性評価用試験片を成形した。成形
条件はシリンダー温度が230 ℃、金型温度は55℃、成形
サイクルは射出15秒、冷却30秒であった。
【0025】試験片は、引張試験用ASTMダンベル
(2号)、曲げ試験とアイゾット衝撃試験用1/4"バ−及
び表面固有抵抗測定用カラ−プレ−トである。これら成
形試験片のうちASTMダンベルと1/4"バ−は23℃×60
%RHの空調室に一夜放置してのち物性を評価した。ま
た、カラ−プレ−トについては、成形1時間後に表面固
有抵抗を測定したのち1ケ月空調室に放置して再び表面
固有抵抗を測定した。こうして測定された物性と表面固
有抵抗の結果を表10に示す。この例は成形直後の表面
固有抵抗が5×1012Ω・cmであり、かつ1ケ月後のそれ
は5×1012Ω・cmとほぼ同じレベルを維持していた。
また、この組成物の物性もEL、ISが共に高く、成形
品の外観、押出作業性も申し分なかった。
【0026】(実施例2〜5)ABS樹脂(a)、A
S樹脂(a)、ポリアミド樹脂(b)、耐熱アクリル
樹脂(c)、帯電防止剤(d)及び帯電防止助剤(e)
の組合わせと組成比を本発明の範囲内でかえて表9に示
す処方の樹脂組成物を実施例1と同様に作った。実施例
2〜5の組成物には、その物性や表面固有抵抗値に若干
の差はあるものの、いずれもその物性は優れておりま
た、成形品の外観や押出作業性についても問題はなく、
帯電防止性の樹脂組成物として良好なものであった。そ
の物性測定結果は表10にまとめて示した。
【0027】(比較例1)本例は、本発明の組成物に於
いてポリアミド樹脂(b)を使用しなかった場合の例を
示す。組成物のブレンド混練及び成形等は実施例1に準
じて行った。この最終組成物の物性は決して悪くない
が、成形1ケ月後の表面固有抵抗値(RS)は、4×10
14Ω・cmと成形直後の表面固有抵抗値 6×1012寄りも
100倍高くなっていた。従って、この組成物は永久帯
電防止性を有せず、本発明の組成物にはポリアミド樹脂
(b)が不可欠である。その物性測定結果は表10にま
とめて示した。
【0028】(比較例2〜5) (比較例2)はポリアミド樹脂(b)を、(比較例3)
は耐熱アクリル樹脂(c)を、(比較例4)は帯電防止
剤(d)を、(比較例5)は帯電防止助剤(e)を含ま
ないが、その他のブレンド、押出、及び成形などの条件
は(実施例1)と同様に行った。表9にその配合処方
を、表10にその物性測定結果と成形品の外観及び押出
作業性の観察結果を示した。(比較例2)は成形直後の
表面固有抵抗値が高く、(比較例3)は、EL、ISが
低い上押出作業時にベントアップするなどの問題点があ
った。(比較例4)は帯電防止剤が含まれていないので
その経時変化が大きく、(比較例5)は経時変化がある
うえ、水洗すると帯電防止効果が消失した。
【0029】(実施例6〜10) (実施例6)はABS樹脂(a3)とAS樹脂(a
2)を各々59部と17部(比率78/22)に、ポリアミド樹
脂を19部使用した例であり、その他の条件は(実施例
1)と同様に行った。この組成物の配合処方を表11
に、物性評価結果を表12に示すが、ISは若干低いも
のの、表面固有抵抗は低く、その経時変化もなかった。
成形品の外観も良好で押出作業性にも問題はなかった。
【0030】(実施例7)はABS/AS(a1/a
1)の比率を31/69にした例であり、この場合ABS
樹脂が少ないためISが低く、伸びも小さいが、弾性率
が高く、実用上有利である。表面固有抵抗値も低く、成
形品の外観、押出作業性とも問題はなかった。
【0031】(実施例8)は帯電防止助剤(e−3)の
添加量を7部と、多量添加した場合の例である。この場
合組成物のEL、ISは低いが、帯電防止性、成形品の
外観、押出作業性とも問題はなかった。
【0032】(実施例9)はポリアミド樹脂(b−2)
を多くし、帯電防止剤(d−1)、同助剤(e−1)を
少なく添加した例である。物性、帯電防止性、成形品の
外観、押出作業性とも問題はなかった。
【0033】(実施例10)はHRAを最大量添加した
例である。ISが高く性能的に優れているが若干溶融流
れが低かったが帯電防止性、成形品の外観、押出作業性
とも問題はなかった。
【0034】(比較例6〜9) (比較例6)はABS及びAS樹脂を全く用いないでポ
リアミド樹脂だけを用いた場合である。ELは高いがI
Sは低く、また押出し作業性も良くなかった。(比較例
7)はABS樹脂とAS樹脂の混合物の量が40部と本
発明の範囲外である。帯電防止性能面では良好であった
が、成形品の外観や、押出し作業性に問題があった。。
【0035】(比較例8)は帯電防止剤及び同助剤を多
量に用いた例である。成形品の外観と押出し作業性が悪
かった。
【0036】(比較例9)はHRAを本発明の範囲外で
多量使用した例である。ポリアミド樹脂との反応のた
め、押出し作業時のベントアップ等が問題であった。
【0037】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
【0038】
【発明の効果】本発明の組成物は、耐衝撃性強度に代表
される機械的性質が優れ、かつ、表面固有抵抗値が低い
ため、電気・電子部品や、OA機器、ファミコンなどの
コネクタ−など永久帯電防止性能が要求される安価な樹
脂材料として広汎に適用することが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 77:00 33:12 71:02)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ABS樹脂又はABS樹脂とAS樹脂の混合物 50〜95重量部 (b)ポリアミド樹脂 3〜40重量部 (c)無水マレイン酸を共重合した耐熱アクリル樹脂 2〜10重量部 から成る熱可塑性樹脂組成物100 重量部に対し (d)下式[I]aで示されるアルキルスルホン酸金属塩、又は、下式 [I]bで示されるアルキルベンゼンスルホン酸金属塩 0.5 〜6 重量部 【化1】 【化2】 但し、 R1 ;炭素数6 〜20の長鎖アルキル基 n ;アルキルスルホン酸陰イオン又は、アルキルベン
    ゼンスルホン酸陰イオンの数 Mn+;アルカリ金属又はアルカリ土類金属の陽イオン
    で、nはそのイオンの価数 (e)下式[II]で示されるポリアルキレングリコール 1 〜 8重量部 【化3】 但し、 R2 ;H又はCH3 m;50〜5000の整数 を添加してなる帯電防止性に優れた樹脂組成物
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