JPH05209002A - 脂質含有のリポ莢膜ポリサッカライドを、脂質非含有のポリサッカライドに変換する方法 - Google Patents

脂質含有のリポ莢膜ポリサッカライドを、脂質非含有のポリサッカライドに変換する方法

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JPH05209002A
JPH05209002A JP4217011A JP21701192A JPH05209002A JP H05209002 A JPH05209002 A JP H05209002A JP 4217011 A JP4217011 A JP 4217011A JP 21701192 A JP21701192 A JP 21701192A JP H05209002 A JPH05209002 A JP H05209002A
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アン・エル・リー
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ウオルター・イー・マンガー
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マーク・エス・リーンストラ
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ロバート・デイ・シトリン
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    • C12P19/04Polysaccharides, i.e. compounds containing more than five saccharide radicals attached to each other by glycosidic bonds

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 リポPRPを、高収率で脂質非含有莢膜ポリ
サッカライドに変換する。 【構成】 グラム陰性菌由来の種特異的莢膜ポリサッカ
ライドを含む、莢膜ポリサッカライドを調製する方法で
あって、脂質に共有的に結合した莢膜ポリサッカライド
を、脂質非含有莢膜ポリサッカライドに変換し、エンド
トキシン汚染物質を除去することから成る。好ましい実
施例では、Haemophilus influenzae b型の培養体由来
の、PRPの粗、または、精製標本を処置することによ
って、リポPRPを脂質非含有PRPに変換する。すな
わち、PRP由来の共有的脂質を、約35℃で、ほぼ中
性pHの、約50容量%の有機酵素活性剤、約0.3%
の洗剤、約 5mMの2価金属陽イオンを含むバッファー中
で、約30分から約4時間、フォスフォリパーゼDを作
用させて分断し、その後、酵素、残留脂質、および、リ
ポポリサッカライドを除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、グラム陰性菌由来の種
特異的莢膜ポリサッカライドを含む細菌培養体から、脂
質非含有の、かつエンドトキシン非含有の、莢膜ポリサ
ッカライドを莢膜ポリサッカライドをほとんど損失する
ことなく製造する方法である。この方法は、グリセロー
ル・ジエステル部分に共有結合している莢膜ポリサッカ
ライドを、脂質非含有ポリサッカライドに変換する。本
発明の好ましい実施態様では、リポポリサッカライド
(LPS)またはエンドトキシンも、共有結合脂質の分
断を受ける莢膜ポリサッカライドから除去される。
【0002】本発明の一実施態様は、脂質非含有ポリリ
ボシル・リビトール・フォスフェート、以後PRPと呼
ぶ、の製造に用いられた。このPRPは、病原性細菌Ha
emophilius influenza b型、これもHibと呼ぶことに
するが、培養体から得た莢膜ポリサッカライドである。
得られたPRPは、Hibによる病気の発症を予防する
免疫反応を誘発するためのワクチン調製用の成分として
適当である。本発明から、同じような共有結合脂質を持
つ他の病原性細菌、例えば、E. coli ないし Neisseria
meningitidis の莢膜ポリサッカライドも同様にして製
造できることが予想できる。
【0003】病原性細菌、Hibはいくつかの病気の原
因となるが、その中でももっとも重要なのは、主に5才
未満の小児に見られる、細菌性髄膜炎や細菌性の全身疾
患である。最近、Hibに対抗するワクチンが、FDA
により人への使用が許可された。1991 Physicians Desk
Reference, pp. 1476-1478 の、Merck & Co., Inc.の
PedvaxHIB, および、pp. 1174-1176 の、Lederle の Hi
b TITERを参照のこと。
【0004】Hibに対するワクチン製造法の一つは、
アメリカ特許 4,695,624, 4,882,317 に記載の方法に示
されている。この方法で用いられるPRPは、Haemophi
lusinfluenzae b型を培養し、培養液からポリサッカラ
イド分画を単離して得る。次に、この単離PRPを、Ne
isseria meningitis b由来の、外膜タンパク複合体に複
合させる。このタンパク複合体は、それ自体は幼児に対
して免疫原性が低いPRPに関して、免疫強化性搬送体
として働く。
【0005】次に、アメリカ特許 4,695,624について述
べると、16欄24行記載のようにHaemophilus influe
nzae b型の800l発酵体を濃縮し、湿ペースト377gを
得る。PRPは、塩化カルシウムの存在下に、各種エタ
ノール濃度による選択的沈澱によって回収する。17欄
1行では、68g の乾燥製品が得られている。これを、以
後、前フェノール粉と呼ぶ。その後の工程としては、フ
ェノール抽出、エタノール沈澱があり、17欄49行に
39g の乾燥製品が得られたことが示されている。最後
に、18欄14行で、34.7g の乾燥製品が得られた。こ
の物を以後後フェノール粉と呼ぶ。後フエノール粉は、
複合させてもよいし、さらに精製してエンドトキシンを
取り除いてもよい。
【0006】エンドトキシンは、細菌由来の免疫原物質
を接種した場合、哺乳類に体温上昇をもたらす主要因子
である。この、いわゆる発熱反応は、リポポリサッカラ
イド、以後、エンドトキシン、発熱原物質、またはLP
Sと同義的に用いることにするが、を含む脂質Aの除去
によって回避することができる。この目的を達するた
め、上記のように獲得した後フェノール産物を、発熱原
物質規制基準に合致するように、さらに精製してもよ
い。本発明の開発までは、これは、選択的エタノール分
画法によっていたが、後フェノール粉に存在するPRP
の約70%が失われた。このやり方では、ちょうど沈澱
を起こさせるのに十分な濃度にエタノールを加えて、後
フェノールPRPからLPSを沈澱させる。この濃度
は、いわゆる曇点であって、アメリカ特許 5,039,610,
U.S.S.N. 595,722に述べられている。エタノールは、曇
点まで添加する。この点は、ちょうど、濁度が2倍にな
る地点である。さらに、0.5-2%エタノールを添加する
と、従来廃棄品としていた、以後低域カットとよぶ沈澱
が得られる。一方、脂質非含有PRPは溶液中に残留す
る。低域カットは、約70%のPRPと、ほとんど全て
のLPSを含む。
【0007】エンドトキシン除去のために行なう、選択
的エタノール分画によって生じるPRPの損失をカバー
する試みとして、アメリカ特許 5,019,502の製法の発明
者たちは、PRPをほとんど失うことなく、LPSを除
去する方法を開発した。この方法では、溶解した後フェ
ノール粉を、疎水性吸着工程に、バッチ法、カラム・ク
ロマトグラフ法いずれかのやり方で、通過させる。この
際、できれば、非イオン性樹脂を用いる。これには、エ
ンドトキシンが結合するが、ポリサッカライドは結合し
ない。
【0008】多孔性スチレン・ジビニルベンゼン・コポ
リマー、例えば、HP20のようなものを用いれば、実
際、定量的にほとんど全てのエンドトキシンを除去し、
しかも一方では、定量的にほとんど全てのPRPを回収
する。この原料を以後、後-HP20 PRP と呼ぶ。しかしな
がら、Hibによって生産されるPRPの相当部分は、
共有的なリポPRPの形で存在する。
【0009】PRPが、Haemophilus influenzae b型に
よって生産されるという可能性は、最初に、Kuo et al.
[J. Bacteriol. 163, 769-773 (1985)]によって認めら
れた。この研究においては、Haemophilus influenzae b
型は、放射性パルミチン酸、および・または、放射性リ
ボースを添加した液性培地で育成した。培養上清から精
製した、ポリリボシル・リビトール・フォスフェート
は、先に、生合成中にPRPに取り込まれていた、放射
性リボース、パルミチン酸の両方を含んでいた。フォス
フォリパーゼA2 (PLA2 )処理をすると、PRPか
ら放射性パルミチン酸の若干量が除去されることが判明
したが、非共有的会合を破壊する方法ではうまくいかな
かった。リポPRPの構造は示されていないが、呈示さ
れているデータは、初期の、ある発表論文に報告されて
いるデータと一致した。この論文では、髄膜炎菌グルー
プA、B,C、および、E. Coli K92 のポリサッカライ
ドに対して、特定構造を提示した [Gotschlich et al.,
J. Biol. Chem. 25b, 8915-8921 (1981)]。本発明にお
いては、特定のフォスフォリパーゼで調べて見たとこ
ろ、リポPRPの構造が明らかにされたが、この構造
は、下記に詳細に記載されるものと合致していた。
【0010】リポPRPは、5,019,502 発明に用いられ
た疎水性樹脂には結合しない。これは、リポPRPが、
分子の大部分のポリサッカライド部分が圧倒的に陰イオ
ン性であるのに対し、共有的脂質に基づく疎水性は僅か
であるからである。したがって、本製法によって得られ
る最終製品は、脂質非含有PRPに加えて、相当部分の
脂質PRPを含む。この脂質PRPは、選択的エタノー
ル分画法か、本発明で開示される方法のいずれかで除去
されるが、前者では、PRPが約70%失われるのに、
後者では、PRPのほとんど全てが脂質非含有PRPと
して回収される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、脂質非含有莢膜ポリサッカライドの回収法を与
えることであり、その方法は、選択的アルコール分画法
によって得た脂質非含有ポリサッカライド分画のみを用
いて調製した複合体と変わらぬ複合体を生産する。本発
明のもう一つの目的は、PRPの高収量製法を与えるこ
とであり、この方法は、脂質PRPを廃棄するのではな
く、脂質PRPを脂質非含有PRPに変換することから
成る。もう一つの目的は、Haemophilus influenzae b型
の培養体から得たPRPの量、質にたいして再現性を持
つ工程を与えることであり、これは、このようにして得
られるPRPから生産される複合ワクチンの一定性を維
持するためである。本発明の、その他の利点、目的は、
下記の詳細な記載から自ずから明らかになろう。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、リポ莢膜ポリ
サッカライドから、共有的に結合している脂質を分断
し、その脂質とエンドトキシン汚染物質を除去するため
の製法である。この脂質を除去するためには、化学的、
または酵素的手段を用いてもよい。共有的に結合する脂
質を含むポリサッカライドの選択的エタノール分画は、
莢膜ポリサッカライドのその分画を、「低域カット」と
いう名の廃棄品として消失する結果を招く。共有的に結
合する脂質の除去を実行することによって、本製法は、
選択的アルコール分画法につきものの莢膜ポリサッカラ
イドの消失を回避し、また一方で、そのポリサッカライ
ドを得た病原体による感染に対して予防する、遊離ない
し複合ポリサッカライド・ワクチンの調製に有効なポリ
サッカライド製品を与える。共有的脂質は、例えば、ヒ
ドロキシラミンによる処置によって除去してもよい。莢
膜ポリサッカライドから共有的脂質を分断するための好
ましい方法は酵素を利用するものである。本発明の好ま
しい実施態様では、ポリリボシル・リビトール・フォス
フェート、PRPの高収量生産が達成される(PRP増
強製法)。
【0013】本発明の製法は、第1図に徴して理解する
ことができる。その特異性が明らかにされたフォスフォ
リパーゼによる研究にもとづいた、リポPRPの仮定構
造が示されている。脂質非含有PRPの構造も、第1図
に示したものと同じである。ただし、PRP反復単位の
リン酸にエステル結合するジアシルグリセロール部分は
ない。さらに、リポPRPにおけるグリセロールの存在
は、Dionex HPLC で確認され、グルコースの存在も確認
されている。
【0014】フォスフォリパーゼA2 (PLA2 ) は、ジア
シルグリセロールの図示したsn-2位置で分断することが
知られている。PRPを、市販のPLA2 (Sigma, Boeh
ringer) 標本と反応させ、脂肪酸の放出を、ガスクロ分
析でモニターすると、パルミトレイン酸 [16:1 cis 9]
の減少はあるが、パルミチン酸[16:1]、ミリスチン酸[1
4:1]はないことが注目された。これらはいずれもリポP
RP中に検出されるものである。
【0015】市販のフォスフォリパーゼB(Sigma )
は、ある一部のパルミチン酸、パルミトレイン酸を除去
することができたが、グルコースやグリセロールは、こ
の酵素では除去されない。さらに、フォスフォリパーゼ
C(Sigma )の活性は、ブロックされるようであるか
ら、グルコースの位置は、第1図に示したようになる。
市販のフォスフォリパーゼD(Sigma, Genencor, Boehr
inger )は、グリセロールやグルコースはもちろん、脂
肪酸をすべて除去する。しかしながら、上記の酵素のい
ずれも従来はそれだけを用いることはできなかったし、
この酵素のいずれも、本法の最適化以前に、PRPから
100%の脂肪酸を除去することはできなかった。本法
は、PLDだけを用いて、脂質の完全除去を実現するた
めの最適法を与える。さらに、共有的脂質の除去を増進
するために、PLDと、PLA2 またはPLBの組合せ
を用いることもできる。本発明のある実施態様では、フ
ォスフォリパーゼA2 とフォスフォリパーゼDを室温で
組み合わせて用い、リポPRPから共有的脂質を完全に
除去し、さらにその後、脂質非含有PRP製品を免疫原
性タンパクと複合させたところ、高い抗PRP免疫応答
とするのに効果的であることが判明した。
【0016】フォスフォリパーゼ所要量の低下は望まし
い。なぜなら、この酵素は高価であるし、また、酵素負
荷の低下は、製品からの酵素の除去を容易にするからで
ある。後フェノール粉PRPからの脂肪酸完全除去は、
700UのフォスフォリパーゼA2 (ブタ由来)、20U のフ
ォスフォリパーゼD(Streptomyces chromofuscus
来)を、有力な酵素刺激剤である、30%ブチル・エー
テル、0.1%DOCと一緒に用いて実行できる。従来
文献に記載されているところであるが、フォスフォリパ
ーゼや、それと同種の酵素は、洗剤、有機溶媒のような
添加物に極端に感受性が高い。特に、Kates の示したと
ころによれば、色素体フォスファターゼCは、エーテル
・メタノール混合物によって大きく刺激されるが、この
混合物は、共同的に相互作用を及ぼし、基質、酵素両相
を、増強酵素活性領域に集合させると考えられている
[Can. J. Biochem. and Physio, 35, 127(1957)] 。わ
れわれは、同じような機構がフォスフォリパーゼ活性を
支配しているのではないかと考え、そのため、エーテル
/メタノール混合体の酵素機能にたいする影響を検討し
た。
【0017】ブチル・エーテル/メタノール混合体は、
フォスフォリパーゼ反応にとってきわめて有力な活性剤
であることが判明した。反応プロトコルは、後フェノー
ルPRP粉を、ブチル・エチルとメタノールの、5対1
(v/v)混合物の存在下に、PLA2 及びPLDと反
応させ、その後、HP20樹脂で処理してエンドトキシ
ンを減少させるのであるが、これにより、PRPから脂
質が完全に除去された。さらに、酵素所要量は、PLA
2 に対しては3.5倍(700Uから 200U )、フォスフォ
リパーゼDに対しては2倍(20U から 10U)に低下し
た。酵素反応後に、HP20処理を用いることのもう一
つ有利な点は、疎水性樹脂が、反応混合物から酵素の若
干量を吸着すること、したがって、下流の酵素クリアラ
ンスの負荷が軽くなることである。
【0018】人間投与用のワクチンを調製したいという
観点からすれば、できるだけ少量の酵素を用いること、
酵素を完全に、もしくは、できるだけ完全に近く除去す
ること、さらに、哺乳類ウィルスで汚染されている可能
性の無い供給源から得た酵素を用いることが望ましい。
ブタPLA2 の使用は望ましくない。というのは、好ま
しくない免疫反応の危険性が増すことがあり、また、哺
乳類由来の製品には、検出不能のウィルスが存在すると
いう、最近指摘されている危険があるからである。Stre
ptomyces violaceoruberから単離したPLA2 を、上記
と同じ反応条件下で評価した。脂質は、Streptomyces
来のフォスフォリパーゼの組合せを用いて成功裡に除去
された。さらに実験を行ない、100mg PRPに対する酵
素の最少必要量は、StreptomycesPLA2 については 1
00から 200U,PLDについては 2から 10Uであることが
認められた。
【0019】フォスフォリパーゼA2 ,D,またはBと
表記される酵素でも、さまざまの供給源があることは注
意すべきである。蛇毒は、PLA2 の豊富な供給源であ
り、一方、PLDは、キャベツ、ピーナッツ、Streptom
ycesから単離されている。特定供給源の選択は、主に、
上記の事項ならびに、市販の酵素標本の比活性によって
決められる。さらに、他のリパーゼでも、十分な二次的
フォスフォリパーゼ様活性を示し、われわれの使用法に
役立つことがある。この、その他のリパーゼを、本目的
のために用いる応用法は、本発明から明白である後フェ
ノール粉PRPから脂質を分断するのに、フォスフォリ
パーゼの組合せか、または、フォスフォリパーゼDのみ
を用いる酵素法は、きわめて再現性が高く、かつ、Haem
ophilus influenzae bの、フェノール不活性化と、チメ
ロザール不活性化両培養体に見られる脂質含有量の変動
に対処することができる。さらに、酵素反応の後にHP
20処理すると、発熱原物質は、後フェノールPRP原
料粉の 60EU/mcg から、酵素反応後の約10EU/mcgへ、さ
らに、HP20処理後の0.0125 EU/mcg へと大きく減少
する。これからして、完全な脂質除去、LPSの際だっ
た減少、高いPRP収量を確保するに、本法は優れたプ
ロトコルであるものと思われる。もちろん、その他の反
応計画も可能である。例えば、リパーゼをPRP単離工
程のもっと初期に、例えば、発酵ブロスに入れたり、あ
るいは、殺菌の直後に組み込むことも可能である。ま
た、各種手順の実行される順序に変更を加えることも、
本開示の範囲内のことである。
【0020】本発明の好ましい実施態様において、リポ
PRPから全脂質を酵素的に除去したが、それは以下の
最適化反応で実現した。これは、PRPを、PRPに対
し約0.3重量パーセントの比のStreptomyces chromof
uscus 由来のフォスフォリパーゼDだけと、反応させる
ものである。この酵素は、Imamura and Horiuti [J.Bio
chem. 85, 79-95 (1979)]の方法で均一になるまで精製
され、Genencor Internationalを通じて市販されている
ものであるが、上記のように、その他の起源のPLDを
用いてもよい。
【0021】PLDの最適条件は、トリトンX−100
の添加を含む。これは、デオキシコール酸、DOCより
も有効な酵素活性剤であるようである。さらに、酵素の
活性はまた、Ca2+の量にも依存する。酵素の活性を増す
ために、4.5mM トリトンX−100とCa2+ (5mM)を添加
した。もっとも他の、2価の金属イオン、例えば、マグ
ネシウムを用いてもよい。反応混合物にカルシウムを添
加すると、リン酸以外のバッファー、例えば、pH 7.4の
10mMトリスを用いる必要が生じる。反応混合物に添加す
る有機溶媒の量を、50%v/vに増し、ブチル・エーテル
を、メチル・第3級ブチル・エーテルに代えると、安全
の心配は低下する。この修正酵素反応条件を用い、その
後にHP20処理を行なうことによって、前フェノール
粉PRPからの脂質の完全除去が達成された。反応は、
前フェノール粉PRPの二つの異なるバッチそれぞれに
ついて、2グラムを用いて繰り返し、前フェノール粉P
RPにたいするPLD処置の再現性と、有効性を確かめ
た。脂質非含有製品について、セファローズCL4Bクロマ
トグラフィーにて分子サイズ定量を行なった。製品のK
d は約0.4-0.5 であり、PRPの免疫原性として受け入
れ可能であった。当然のことながら、他のバッファー条
件、あるいは、同様の洗剤を反応に用いてもよい。これ
については、本技術に熟練している人々の認める通りで
ある。
【0022】PRP増強製法は、Haemophilus b 複合体
ワクチン(髄膜炎菌タンパク複合体)製造施設において
3回実証された。フェノール不活性化H.influenzae発酵
の6ロットを、均一性試験に用いた。発酵ロットは、培
養体純度、H.influenzae不活性化、PRP抗原含有量に
ついてテストした。PRPの3製造ロットを準備し、こ
れをその後、Haemophilus b 複合体ワクチン(髄膜炎タ
ンパク複合体)の、3個の大規模ロット調製のための原
料として用いた。3ロットのPRP、これは各々2個の
発酵培養体から出発したのであるが、この製品収量は、
選択的エタノール分画による収量よりも約3.5倍高か
った。
【0023】増強法によって調製された3ロットのPR
Pを、その後、Haemophilus b 複合体ワクチン(髄膜炎
菌タンパク複合体)の製造に用いた。誘導された Haemo
philus bポリサッカライド・バルク、Haemophilus b (P
RP-OMPC)複合体バルク、Haemophilus b 複合体ワクチン
(髄膜炎菌タンパク複合体)最終容器の放出テストを行
なったところ、上記の原料は全て、選択的アルコール分
画法によって得られた同様の製品と区別できないことが
判明した。
【0024】低域カットPRPは、選択的エタノール分
画で得られる廃棄沈澱である(LPS,リポPRP,お
よび損失PRPを含む)。この分画法は、アメリカ特許
5,039,610に開示されているPRP生産工程の最終段階
である。前フェノール粉について開発し、その後にHP
20処理を用いる、同じ改良反応条件を用いて、低域カ
ット粉からほぼ完全に脂質を除去することができ、70
%を越えるPRP収量が得られた。
【0025】反応混合物は、フォスフォリパーゼを活性
化する、できれば反応容量の約30から60%存在する
有機溶媒を含んでいなければならない。有機活性剤はで
きれば、ジエチル・エーテルないしメチル・第3級ブチ
ル・エーテルのようなエーテルであることが望ましい。
このエーテルは、もう一つの有機溶媒、例えば、ヘキサ
ン、エタノール、ないしメタノールと、エーテルと2番
目の有機物の比が約20:1から5:1、できればその
比が、エーテルと第2有機物の間で約9:1となるよう
な混合物として与えられると有利である。きわめて好ま
しい実施例においては、メチル・第3級ブチル・エーテ
ルの9部、これは、ジエチル・エーテルよりも揮発性が
小さいので取扱が安全であるが、これを、約1部のアル
コールと混合する。この有機混合物を、PLD反応液に
加え、最終有機濃度約50%とする。有機溶媒を与える
ことは、脂質基質と酵素の最大接触を助けるようであ
る。
【0026】有機酵素活性剤を準備する他に、洗剤、例
えば、デオキシコール酸や、トリトンX−100などの
洗剤を用意するのが望ましい。これは、脂質性の集合体
の分解を助けたり、酵素・基質相互作用を強化する。洗
剤は、約0.1-0.4%の濃度で存在しなければならない。ト
リトンX−100の約0.3%の添加は、まったく好ましい
ものであることが判明した。
【0027】フォスフォリパーゼDは、リポ莢膜ポリサ
ッカライドに対し、十分な量用意しなければならない。
これは、共有脂質を、十分短い時間内に、完全に加水分
解するためである。PRPにたいし、約0.01-10%、でき
れば、約0.1-0.4%のPLDを用意するのが適当である。
当然のことながら、これより酵素の添加が少なければ、
長い反応時間を要し、一方、これよりたくさんの酵素を
添加すれば、反応時間を短縮する。
【0028】反応に撹拌を与えて、全ての反応相が相互
の接触を維持する、すなわち、約0.1から0.4重量
パーセントのPLD,約0.1から10mMの2価の金
属イオン例えばCaCl2 を、上記の試薬に不活性なバ
ッファー例えばトリス中で、約20から45℃の温度
で、できれば、30−40℃で反応させると、約30分
から4時間の反応時間内に、リポPRPから共有脂肪酸
の全てが完全に除去される。
【0029】上記反応条件は、その純度のまちまちなP
RP標本を原料として、共有脂質を含まないPRPを調
製するにはまったく満足すべきものであることが判明し
た。したがって、前フェノール粉、後フェノール粉、お
よび、後HP20製品は全てこの条件下で処理したとこ
ろ、共有脂質を含まないPRPが定常的に生産されるの
が認められた。
【0030】さらに、ある標本中のリポPRPを、遊離
PRPに変換するに当り、そのPRP標本中に存在する
フォスフォリパーゼを、今度は、タンパク様酵素のフェ
ノール抽出で除去できる。完全な除去を確保するため、
フェノール抽出はできれば少なくとも1回から約4回抽
出まで繰り返すのが望ましい。この処置により、添加し
た酵素ばかりでなく、残留タンパク様汚染物質をも除去
することができる。この汚染物質は、下流の複合に干渉
したり、ワクチン受容者にたいし、好ましくない免疫反
応を生ずることがあるからである。
【0031】共有脂肪酸を含まないPRPを生産するた
めに、PRPを酵素的に処置することは、また、LPS
から脂肪酸の若干量を分断する。したがって、エンドト
キシンは、酵素処置の結果、約3倍減少する。しかしな
がら、この程度の減少は、通常、発熱原性規制に合致す
るには十分ではなく、残留LPSを除去するためにさら
に手順が必要である。本技術において既知のいくつかの
手段があり、その中には、アメリカ特許 5,019,502の開
示の中に概括されている、選択的エタノール分画、疎水
性吸着、その他の手段が含まれるが、そのいずれかによ
りさらにエンドトキシンを取り除くことができる。本発
明にとって有効な樹脂は、ほう酸Avidgel (Amicon), ア
ンバーライト XADとアンバークローム(Rohm & Haas
)、オクチル・セルロース(Phoenix Chem. )、シリ
カ C8 (Baker), SP, HP 系列樹脂(例えば、SP207, HP2
0, HP50 )(三菱化成)を含むが、これらに限定される
わけではない。上記樹脂の中では、HP20またはHP
50が好ましい。なぜなら、リポポリサッカライドを減
少させる、使いやすい、入手しやすい、低コスト、ポリ
サッカライドへの結合を避ける傾向があるからである。
できれば、使用前にこの樹脂を、発熱物質非含有水で洗
浄するのが好ましい。さらに好ましくは、この樹脂を、
使用前に酸性溶液、アルカリ性溶液、または極性溶媒
(例えば、エタノールまたはメタノール)で洗浄し、次
に、発熱物質非含有水で洗浄し、次に、3%クエン酸ナ
トリウムと、0.5%デオキシコール酸ナトリウムから
成るバッファーであらかじめ平衡させる。同様に、でき
ればポリサッカライドを、約3%のクエン酸ナトリウム
と約0.5%のデオキシコール酸ナトリウムから成るバ
ッファーに溶解し、次に、上記のように調製した疎水性
樹脂で処理するのが望ましい。約25mMトリス pH 8.0 を
添加するのも、pHの変動を防ぐのに有効である。
【0032】共有脂質を含む莢膜ポリサッカライドは、
エンドトキシン除去の前か、後のいずれかに、遊離ポリ
サッカライドに変換することができる。本発明の一実施
態様においては、ポリリボシル・リビトール・フォスフ
ェート、リポポリサッカライド、各種脂質や蛋白を含
む、H. influenzae b 発酵ブロスから得た粉を、10mM T
ris ,5mM CaCl2 ,4.5mM Triton X-100, pH 7.4に溶解
し、第3級ブチル・エーテル対エタノールの9:1混合
物を、50%濃度まで加える。Streptomyces chromofus
cus 由来のフォスフォリパーゼDを、PRPに対し約
0.3重量パーセント添加し、絶えず撹拌しながら、3
5℃で、約3時間、脂質の分断を起こさせる。反応産物
を、4回フェノール抽出し、添加酵素を含むフェノール
汚染物質を除去し、後フェノール標本を得る。
【0033】次に、この後フェノール標本を、塩基性p
Hの下、洗剤・キレート剤混合液に溶解する。同じバッ
ファーであらかじめ処理した、HP20樹脂ビーズを軌
道振とう器内のPRPに添加し、室温以下で数時間混合
する。次に、ビーズをろ過によって溶液から取り除き、
ろ液を逆ろ過して、洗剤とキレート剤を取り除く。PR
Pを、95%エタノールにより溶液から沈澱させる。沈
澱を遠心し、ペレットを、エタノールとアセトンでトリ
チル化する。得られた産物を真空乾燥する。
【0034】疎水性樹脂ビーズを用いる製法は、PRP
を大きく損失することなく、汚染性のエンドトキシンも
低レベルという結果を与える。この処置によるエンドト
キシンの低下は、最初のエンドトキシン汚染レベルによ
るが、普通、原料粉と最終粉の間で、100-21,000倍であ
る。PRP収量は、通常、少なくとも原料の75%、時
には90%を越えることがある。
【0035】「人・動物非経口薬、生物薬品、医用機器
に対する、最終産物エンドトキシン・テストとしての、
LALテストの適正化に関するガイドライン」、アメリ
カ保健省、1987年12月、に記載されているカブト
ガニ・アメーバ細胞溶解産物(LAL)テストを用い
て、エンドトキシン濃度を定量する。
【0036】本発明の好ましい実施態様では、エンドト
キシン非含有、脂質非含有PRPは、酵素処理の後で、
HP20ないしその他の適当な多孔性のスチレン・ジビ
ニルベンゼン・コポリマー、または、上記のような同様
に疎水性の媒体によるLPSの疎水性吸着を実施して得
る。
【0037】グラム陰性菌の莢膜ポリサッカライドは、
いくつかの既知の方法のいずれを用いても得ることがで
きる。その方法の中には、Haemophilus influenzae b型
に関するアメリカ特許 4,695,624に開示されているも
の、Neisseria meningitidis(髄膜炎菌) A, B, C, X,
Y, W135, 29E のポリサッカライド、Escherichia coli
K1, K12, K13, K89, K92, K100 のポリサッカライドが
含まれる。しかしながら、特に好ましいポリサッカライ
ドは、Hibポリサッカライドから成るグループ、例え
ば、Rosenberg et al., J. Biol. Chem., 236, pp. 284
5-2849(1961), Zamenhof et al., J. Biol. Chem., 20
3, pp. 695-704 (1953)に記載されているようなものか
ら選んだ莢膜ポリサッカライドである。本発明の一実施
態様において、ポリリボシル・リビトール・フォスフェ
ート、これはHaemophilus influenzaeb型由来の莢膜ポ
リサッカライドであるが、これを、アメリカ特許 4,69
5,624に記載されている通りに、病原体の発酵によって
単離する。病原体は、1%チメロゾールの添加、また
は、約0.5%のフェノールの添加によって殺す。細胞
破砕物は、遠心によって除去し、粗ポリサッカライドを
超遠心により濃縮し、これによって、以後粗PRPと呼
ばれるものが得られる。遊離PRPの収量は、もしも酵
素処理が粗PRPにたいして上記酵素法に従って実施さ
れるならば、リポPRPを共有脂質を持たないPRPに
変換するよう最適化される。さらに、リパーゼを直接発
酵液、またはそれ以後の工程のどれかに添加するとさら
に有利なことがある。
【0038】例えば、酵素処理は、下記の処置のいずれ
かによる部分的精製の後、下記の処置のいずれかのもの
の一部の後、または、下記の処置のいずれかの等価的な
変法の後にまで遅らせることもできる。その処置とは、
48%エタノール(v/v)に不溶の汚染物質を除去し
て前フェノール粉を生産する、エタノールを61%まで
添加して、ポリサッカライドを回収する、約 1M CaCl2
に再度溶解し、23%エタノール(v/v)に不溶の汚
染物質をさらに除去する、その後、37%エタノール
(v/v)でPRPを回収し、最後に、無水アルコール
でトリチル化する。もしくは、前フェノール粉を、0.44
8M酢酸ナトリウム・バッファーに溶解し、0.448M酢酸ナ
トリウム pH 6.9 でバッファーした72%フェノールで
約4回抽出して、後フェノール粉を生産した後、逆ろ過
により水相からフェノールを除去し、次に、CaCl2 を約
0.05M まで添加して、エタノールを約67%まで添加し
て、PRPを沈澱として回収し、次に、0.05M CaCl2
再度溶解し、20%エタノールに不溶の汚染物質を除去
し、37%エタノールに不溶のペレットとして後フェノ
ールPRPを回収し、無水アルコールでトリチル化す
る。もしくは、PRPを「低域カット」から、フォスフ
ォリパーゼによる処理、上記のように実行するタンパ
ク、エンドトキシンの除去によって、回収してもよい。
もしくは、何らかの適当な手段、できれば、上記、なら
びに、アメリカ特許 5,019,502, 5,039,610や、U.S.S.N
595,722 に記載されているように、HP20樹脂によ
る処置によって、エンドトキシン非含有PRPを生産し
た後であってもよい。
【0039】本発明の製法に従って調製されるポリサッ
カライドは、現在の分析法では、選択的アルコール分画
法により、エンドトキシンおよび脂質含有莢膜ポリサッ
カライド除去によって生産されたポリサッカライドと化
学的には区別できない。
【0040】下記の第I表で、PLD処置によって生産
されるPRPの物理化学的性質を、選択的アルコール分
画法によって生産されるPRPの性質と比較する。
【0041】
【表1】
【0042】PRP生産工程における手順の一つ一つに
ついて、それを最適化する綿密な研究を行なった。この
研究の結果から、第3図に示される条件が得られた。
【0043】A.酵素反応条件の最適化 一連の実験を行い、低域カット粉からの脂質除去にたい
する酵素活性の感度を、メチル・第3級ブチル・エーテ
ル含有量、トリトン量、温度、基質濃度、酵素量、反応
時間の関数として定めた。これは、作業条件において受
容可能な限界を定めるためである。いずれの場合におい
ても、望ましい条件は、脂肪酸減少の最大レベル、もし
くは、その近傍にある。
【0044】B.HP20処置の最適化 HP20によるLPS除去手順中に、どのようにしたら
pHのコントロールをよりよく維持できるかについて研
究を行なった。これは、PRPバックボーン構造の加水
分解の発生をできるだけ抑えるためである。この研究で
は、樹脂を2容量のDOC/クエン酸ナトリウム溶液で
あらかじめ平衡させ、新鮮バッファー液に接触時のpH
変動や、トリス・バッファーDOC/クエン酸ナトリウ
ム溶液の使用、およびpHの連続的モニターを含む。準
備の平衡をしなかったり、クエン酸ナトリウム/DOC
溶液をバッファーしないと、pHは3時間のバッチ吸着
の間に、9.2-9.5 という高さまで変動した。予備平衡し
た場合は、pH上昇は8.8までに止まった。樹脂を予備
平衡し、さらに溶液を25mMトリスでバッファーすること
によって、pH変動はさらに抑えられ、<8.5の十分コン
トロールされたpHが、バッチ吸着中ずっと維持され
た。PRPのHP20処理のその他の条件についても調
べた。脂肪酸のGC分析からも、LALデータからも、
エンドトキシン除去の最適条件は、以前用いられていた
2.5mg PRP/ml ではなく、5-10mg PRP/ml で得られた。
この結果からまた、0.5% DOC, 3%クエン酸、50mM Tris,
pH 8.0から成る溶液の方が優れていることが明らかに
なった。その結果、その後のHP20処理は全て、50mM
Tris, 0.5% DOC, 3% クエン酸、pH 8.0溶液を、PRP
濃度 5-10mg/mlで用いて、樹脂を予備平衡させて行なっ
た。
【0045】C.逆ろ過手順の評価 HP20処置後、PRP産物を、Tris, DOC,クエン酸ナ
トリウムを含む溶液に投じ、さらに、その産物を、逆ろ
過によって新たな水溶液に交換しなければならない。2
基の Pellicon 装置、一つは再生セルロースを持ち、他
方はポリスルフォン膜を持つものについて、ポリスルフ
ォン中空繊維カートリッジと共に、HP20処理PRP
溶液の逆ろ過に対する効果について調べた。再生セルロ
ース膜は、いずれのポリスルフォン膜よりも高い、DO
C排除率を示した。一方、Pelliconポリスルフォン膜の
方が、有意に大きい流量を示した。この流量、DOC排
除率データから、Prostack装置の方が、現在用いられて
いる中空繊維膜技術よりも効果的であることが示唆され
た。膜面積、処理時間、要求コストを比較して、ポリス
ルフォン膜を含む Prostack 装置が、最高の性能を果た
すと結論された。
【0046】前記の研究から、酵素反応、4Xフェノー
ル抽出、HP20処理、逆ろ過、アルコール沈澱から成
る、PRP強化製法の最適条件を求め、各手順について
分析し、その動作限界を定めた。強化法は第3図にまと
めた。
【0047】本製法に従って調製したポリサッカライド
は、遊離ないし複合細菌莢膜ポリサッカライドを含むワ
クチンの調製に有効である。複合ポリサッカライド、特
に、PRP-OMPC複合体は、幼児の病気予防に有効である
が、一方、遊離PRPは、十分な免疫反応を惹起しな
い。本製法に従って調製したポリサッカライドを用いて
複合体を調製するのは、アメリカ特許 4,695,624の開示
と、ここに呈示される実施例に倣うことによって実行で
きる。この特許は、引用することによってここに組み込
むこととする。
【0048】本発明の開示は、下記の実施例を参考にす
ることによってさらに理解されよう。ただし、この実施
例は、開示の範囲を限定するものと考えてはならない。
【0049】
【実施例】実施例1 Haemophilus influenzae b型莢膜ポリサッカ
ライドの調製 発酵 段階A−−接種体、および、種の開発Haemophilus influenzae b型(ニューヨーク州立大学か
ら恵与された、Ross 768から培養したもの,ATCC 9006
)の解凍試験管を、無菌の、Haemophilus 接種体培養
液(下記参照) 1ml中に懸濁し、この懸濁液を、19個
のチョコレート寒天プレート(BBL)に拡散する。恒
温槽で37℃で20時間インキュベーションの後、各プ
レートの生育物を、Haemophilus 接種体培養液 1-2mlに
再懸濁し、プールした。
【0050】
【表2】
【0051】段階B−−2lの、無障壁エーレンマイヤ
ー・フラスコ 「段階A」(上記)で得られた再懸濁細菌の3分の1を
用いて、2lフラスコ3個に接種した。各フラスコは、
約 1.0l の Haemophilus種・生産完全培養液(下記参
照)を含んでいる。次に、このフラスコを、200 rpm の
回転撹拌器上で、37℃で、約5時間インキュベートし
た。インキュベーション期間終了時のOD660 値は、通
常、0.37であった。
【0052】
【表3】
【0053】塩類とソイ・ペプトンは、小量の熱い発熱
物質非含有水に溶解し、熱い発熱物質非含有水を加え
て、正しい最終容量にした。次に、この発酵器ないしフ
ラスコを、約25分121℃で滅菌し、冷却後、酵母抽
出逆ろ過物(1)、グルコース(2)、NAD(3)、
ヘミン(4)を、無菌的にフラスコないし発酵器に加
え、接種に備えた。
【0054】(1)酵母抽出逆ろ過物−−100gビール酵
母抽出物(Amber )を、1リットルの蒸留水に溶解し、
H10X50カートリッジ付き Amicon DC-30 中空繊維で超ろ
過し、分子量 50,000 の分子を除去した。ろ過物を収集
し、0.22m 膜で濾して、滅菌産物として得た。
【0055】(2)グルコースは、ガラス蒸留水に溶解
した、滅菌25%溶液として調製した。
【0056】(3)20mg/ml を含むNAD保存液を、Mi
llipore フィルター(0.22m )でろ過して滅菌し、接種
直前に無菌的に加えた。
【0057】(4)ヘミン3Xの保存液を、200mg を0.
1M NaOH に溶解して調製した。容量は、蒸留・滅菌水で
100mlにして調節した。この溶液は、121℃で20分
加熱して滅菌し、最終培養液に無菌的に加え、接種に備
えた。
【0058】段階C−−70l種発酵器 「段階B」産物3リットルを用いて、41.4l の、Haemop
hilus 種・生産完全培養液(上記のように調製)と、17
mlの UCON B625消泡剤を含む、70リットルの発酵器に
接種する。pHは、7.4からスタートした。
【0059】発酵を、37℃、100 rpm の撹拌により維
持し、光学密度とpH定量でモニターした。これを、通
常 O.D. 0.39に達するまで続けた(約5.5時間)。
【0060】段階D−−800l生産発酵器 「段階C」の産物、約40リットルを用いて、必要容量
に合わせ、570リットルの生産培養液(上記のように
調製)と、72mlの UCON LB625 消泡剤を含む800リッ
トル発酵器に接種した。
【0061】発酵は、37℃、100 rpm の撹拌で維持し
た。その間、O.D.、pHレベルは、O.D.が2時
間間隔で変化しなくなるまで、約2時間に1回チェック
した。同じになった時、発酵を停止させた(最終O.
D.は、通常、12時間後で 0.54 であった)。
【0062】収穫と非活性化 バッチの約600リットルを、12リットルの 1% チメ
ロサールを含む「キル・タンク」に取り込むことによっ
て、非活性化した。
【0063】澄明化 4℃で8時間非活性化した後、バッチを、4インチ・ボ
ール Sharples 遠心器で遠心した。この際、流量は、産
物澄明度を維持するように調節した(1.3 から3.0 l/分
の間を変動)。遠心後(15,000 rpm)に得られた上清
を、産物回収に用いた。
【0064】超遠心による単離と濃縮 2個の生産発酵から得た上清液をプールし、10本の
(50,000 ダルトン、カットオフ)中空繊維カートリッ
ジ(275平方フィートの膜面積)を備えた、Romicon
超ろ過装置により2−8℃で濃縮した。これにより、約
4.5時間後、1200リットルが32.5リットルに
濃縮された。ろ液は廃棄した。
【0065】48%、61%エタノール沈澱 32.5リットルの Romicon保持液に、95%エタノー
ル30リットルを撹拌しながら4℃で1時間に渡って滴
下し、最終的に容量で48%エタノールとした。この混
合液をさらに4℃で、2時間撹拌した。これは、完全な
沈澱を確保するためである。上清を、4インチ Sharple
s 遠心器で15,000 rpmで1回遠心して(流速=0.27l/
分)収集した。不溶のペレットは廃棄し、澄明な液体
を、95%エタノール、20.8リットルを1時間に渡
り添加して、61%エタノールとした。この混合液をさ
らに3時間撹拌し、完全な沈澱を確保した。
【0066】第2ペレットの回収 得られた48%エタノール溶解性、61%エタノール不
溶性沈澱を、4インチSharples遠心器、15,000 rpm(流
速= 0.62l/ 分)で収集し、61%エタノール上清液を
廃棄した。粗産物収量は、0.377kg の湿ペーストであ
り、これを粗PRPと呼ぶことにする。
【0067】塩化カルシウム抽出 61%エタノール不溶性原料の 377g を、Daymax拡散容
器中で、2−8℃で、冷ガラス蒸留水6.5リットルと
混合した。この混合液に、冷 2M CaCl2 ・ H2O 6.5l
を加え、その混合液(最終濃度= 1.0M CaCl2 )を、4
℃で、15分抽出した。次に、容器を、 1M CaCl2 ・ H
2 O 2lですすぎ、最終的に15リットルの容量とする。
【0068】23%エタノール沈澱 上記のCaCl2 抽出物15リットルを、95%エタノール
4.48リットルを撹拌しながら、4℃で、30分に渡
り滴下して、23%エタノールとした。さらに17時間
撹拌後、混合液を、K2超遠心器で25,000 rpm(流速、
165ml/分)、4℃、6.5時間で遠心した。上清液を、
チーズ布で傾斜採取し、脂質様の浮遊性物質を除去し、
また、不溶のペレットは廃棄した。
【0069】37%エタノール沈澱と粗製品ペーストの
収集 23%エタノール可溶上清液を、95%エタノールを撹
拌しながら30分に渡り滴下して、37%エタノールと
した。次にこの混合液を、1時間撹拌しながら放置し、
さらに、撹拌なしで14時間放置した。これは、完全な
沈澱を確保するためである。次に、得られた混合液を、
4インチ Sharples 装置で、15,000 rpm(流速= 0.2l/
分)で遠心し、ペレット状の粗ポリサッカライド(以
後、前フェノール粉と呼ぶ)を収集した。
【0070】トリチル化 遠心によって得たペレットを、1リットルの無水アルコ
ールを含む、1ガロンの Waring 混合器に移し、最高速
度で、30秒ブレンドした。ブレンドは、30秒実行、
30秒休息とし、硬い、白い粉が得られるまで続けた。
この粉を、テフロン・フィルター円盤を備えたブフナー
漏斗に集め、そのままで、無水アルコール1リットルず
つ2回、アセトン2リットルずつ2回で、この順序で洗
浄した。次に、この材料を4℃で、24時間真空乾燥
し、製品68g(乾燥重量)を得た。
【0071】フェノール抽出 トリチル化手順で得られた、68グラムの乾燥材料を、
0.488M酢酸ナトリウム、pH 6.9 12リットル中に、Da
ymax拡散容器を用いて、再懸濁した。この酢酸ナトリウ
ム溶液を、直ちに、新鮮なフェノール水溶液4.48リ
ットルで抽出した。抽出は、下記のように行なった。90
0ml の、0.488M酢酸ナトリウム pH 6.9を、20リット
ルの圧力容器中で、フェノール(Mallinckrodt 結晶)
の5ポンド瓶に加え、完全な溶液が得られるまで混合し
た。各フェノール抽出物を、K2超遠心器(Electronuc
leonics )で、30,000 rpmで21/2 時間、4℃で遠心し
た。これは、乳化顆粒を分断するためである。流出水溶
液を、さらに3回、新鮮なフェノール水溶液3.2リッ
トルで、同様に抽出した。フェノール相は廃棄した。
【0072】逆ろ過 上記のフェノール抽出物(17.6リットル)から得た
水相を、冷ガラス蒸留水で希釈し、3個のH10P10カート
リッジを用いて、Amicon DC-30超ろ過器により4℃で逆
ろ過した。Amicon装置をすすぎ、すすぎ液を保持液に加
えた。これにより、最終容量は、17.5l になった。超ろ
過液は廃棄した。
【0073】67%エタノール沈澱 2.0M CaCl2 の 0.438リットルを、前手順で得た透析物
17.5 リットルに加え(CaCl2 の最終濃度は 0.05Mであ
った)、さらに、この溶液に、95%エタノール 35,88
リットルを急速に撹拌している中に1時間に渡り滴下し
て、67%エタノールとした。撹拌4時間後、4℃でさ
らに12時間放置した後、澄明な上清液をサイフォンで
除去し、沈澱を、4インチ Sharples 遠心器(15,000 r
pm)で、4℃で、45分遠心して収集した。得られたポ
リサッカライド・ペレットを、1ガロンのWaringブレン
ダーにおいて、2リットルの無水アルコールにより、3
0秒オン・30秒オフ法を用いて、トリチル化し、これ
を、テフロン・フィルター円盤を組み込んだブフナー漏
斗に収集し、そのままで、無水アルコール1リットルず
つ4回、その後、アセトン1リットルずつ2回で洗浄し
た。次に、標本をその重量を測定した皿で、真空中で4
℃で20時間乾燥した。産物は、39グラムの乾燥粉
(以後後フェノール粉と呼ぶ)であった。
【0074】実施例2 フェノール殺Haemophilus infl
uenzae b型由来粗PRPの調製 実施例1と同じ発酵工程に従う。ただし、1%チメロサ
ールの代わりに、病原体は、0.5%フェノール添加に
よって殺し、また、フェノール中での細胞のインキュベ
ーションは1時間で、その後、最低1時間、キル・タン
クに移した。以下は実施例1と同じ操作に従い、前フェ
ノール粉を得た。
【0075】実施例3 低域カットの調製と、それから
の脂質非含有PRPの回収 実施例1による後フェノール粉の製造に次いで、残留エ
ンドトキシンを、選択的アルコール分画によって除去
し、エンドトキシン非含有PRP標本と、低域カットと
呼ばれるエンドトキシン含有分画を得た。これは、次の
ようにして実行した。すなわち、後フェノール粉を0.05
M CaCl2 に、2.5g/lとなるように溶解し、エンドトキシ
ン、PRPの両方に、2価の対抗イオンを得た。次に、
アルコールを26%(v/v)となるように加えた。温
度を2から4℃範囲の定常値に平衡させた後、アルコー
ルを少しずつ添加し、これをPRPが沈澱し始める(曇
点)まで続けた。これにより濁度が発生したが、これを
濁度プローブによってモニターした。
【0076】エタノール(95%)を曇点で加え、それ
から、さらに1.9%を加えた。生じた沈澱を「低域カ
ット」と呼ぶ。このアルコールを加えたら、溶液を直ち
に遠心し、低域カットを取り出し、それからリポPRP
を本発明の製法によってさらに処理し、さらに下に記述
するやり方で脂質非含有PRPを収穫した。この上清
に、さらにアルコールを38%(v/v)になるまで添
加した。所望の沈澱を、静置および・または遠心によっ
て収集し、乾燥させて、最終的に粉にした。曇点の 1.2
-2.0% 上での、この手順における通常の回収量は、後フ
ェノール粉の25−45%であった。PRPの残りは、
低域カットにある。
【0077】選択的エタノール分画手順を実行した後に
得られる低域カット物質は、沈澱性のリポポリサッカラ
イド、およびリン酸ポリリボシルリビトールを含んでい
るが、これをさらに、750ml バッファー(10mM Tris ,
5mM CaCl2 ,4.5mM Triton X-100,pH 7.4と、等容量の
メチル・第3級ブチル・エーテル対エタノールの9対1
混合物)に溶解した、低域カットの 20g/l溶液に、3000
UのフォスフォリパーゼDを加えて反応処理した。反応
は2.5時間進行させ、その後、その材料を、水性産物
2.6部当り1部のフェノール(酢酸ナトリウムに溶解
した72%溶液)を用いて、4回フェノール抽出した。
【0078】PLD処理の低域カットから、エンドトキ
シンは、0.5%デオキシコール酸ナトリウムおよび3
%クエン酸ナトリウムと、pH8で混合して、除去し
た。HP20を、1グラムのポリサッカライドにつき3
0グラムの樹脂の割合で、加えた(この樹脂は、使用前
に、発熱物質非含有水で洗浄した)。ばらばらのビーズ
を、軌道振とう器上で、4℃、3時間、その溶液と混合
した。混合後、ビーズを、溶液からステンレス・スティ
ールのフィルター漏斗に移した。次に、ろ過物を、ポリ
サッカライド推定濃度≦2.5mg/mlを維持しながら、Pell
icone ポリスルフォン 10,000 分子量カットオフ膜(1
平方フィート表面面積)対10倍容量発熱物質非含有水
で逆ろ過し、洗剤とキレート剤を除去した。保持液を回
収し、2M塩化カルシウムを加え、最終的に、0.05M の塩
化カルシウム濃度を得た。ポリサッカライドは、過剰な
95%エタノールにより、溶液から沈澱させた。この沈
澱を、13,000xgで30分遠心し、ペレットを無水アルコ
ールとアセトンでトリチル化し、さらに真空乾燥した。
最後の粉末を標本容器に移し、−70℃に凍結した。
【0079】樹脂で処理した材料は、下記のようなエン
ドトキシン・レベル、ポリサッカライド・レベル、リポ
PRP(GCによる脂肪酸)レベルの低下を示した。
【0080】
【表4】
【0081】本製法は一貫して、約68%の製品回収率
を与える。これは、原料に対する最終産物の重量比であ
る。本産物は、物理化学的性質において、選択的アルコ
ール分画法によって得たPRP製品と区別できない。
【0082】実施例4 前フェノールPRP粉の脱脂質 A.フォスフォリパーゼD反応 前フェノールPRP粉(20グラム、実施例2ないし3
に従って調製されたもの)を、1.33リットルの 10m
M Tris,5mM CaCl2 ,4.5mM Triton X-100,pH7.4に溶
解した。この溶解したPRPに、メチル・第3級ブチル
・エーテル対エタノールの、9:1混合物1.33リッ
トルを加えた。フォスフォリパーゼD(Genencor, 合計
3,000単位、比活性 70u/mg ,15単位/100mg PRP)を加
えた。反応を、240 rpm で撹拌し、35℃で3時間進行
させた。
【0083】反応後、有機相と水相を、25ー35℃で
30分分離させ、下の水相を保存した。有機相は、0.26
6 リットルの水で再度抽出し、30分間静置してから最
初の抽出液と結合し、合計1.560 リットルの水容量を得
た。
【0084】フェノール(1.5キログラムを、0.448M
酢酸ナトリウム、pH 6.9の 590mlと平衡させたもの)を
暗黒中で溶解した。この水相を、2.6部の水性後フェ
ノール標本当り1部のフェノールを用いて、4回抽出し
た。
【0085】B.HP20処理 HP20(三菱化成,300g)を、50mM Tris ,0.5% DO
C,3%クエン酸ナトリウム、pH 8.0(HP20平衡バッ
ファー)の 1300ml に予備平衡させた。後フェノール標
本の 1060ml に対して、1060mlの、100mM Tris,1% DO
C,6%クエン酸ナトリウム、pH 8.0を加え、全容量2120m
lを得た。次に、この標本を、予備平衡させたHP20
樹脂と撹拌しながら4℃で2時間混合した。樹脂をろ過
してカラムに落し、このカラムを、200ml の HP20 平衡
バッファーですすいだ。次に、HP20の全通過量を1
リットルに濃縮し、10リットルの冷発熱物質非含有水
に対して逆ろ過した。
【0086】C.製品回収 この1リットル標本にたいして、25mlの 2M CaCl2 を加
えた。4℃、30分の遠心で沈澱を収集し、次に、ペレ
ットを100%エタノール 20ml でトリチル化した。エ
タノールはろ過して取り去り、PRP粉はアセトンで乾
燥し、脱リポPRP合計9.6グラムを得た。これは、
下記のような特徴を持っていた。
【0087】
【表5】
【0088】実施例5 フォスフォリパーゼA2 ,フォ
スフォリパーゼD処理PRPの製造、 NEISSERIA MENINGITIDIS B の OMPC との複合、その複
合体の免疫原性 A.酵素処理 HP20処理後フェノール粉(3g)を、600ml のリン酸
バッファー、pH 7.1,0.1%デオキシコール酸、33% エー
テルに、5mg/ml PRPの濃度となるように溶解した。フォ
スフォリパーゼA2 (ブタ、70 u/mg PRP,比活性 600 u
/mg )とフォスフォリパーゼD(Streptomyces chromof
uscus , 0.2u/mg PRP, 比活性 70u/mg)(いずれも Bo
ehringer Mannheim, Inc.から入手)を加え、撹拌しな
がら、25℃で3時間反応を進行させた。有機相は廃棄
したが、水相は 300mlに濃縮し、3000mlの水に対して逆
ろ過した。この標本を 600mlおよび、CaCl2 の最終濃度
が5mMになるように希釈し、PRPを、エタノールを4
0%まで添加して沈澱させ、2.6gのPRPを得、これを
複合に用いた。
【0089】B.PLA2 /PLD処理PRPの誘導 上記のようにPLA2 ,PLDで処理した後HP20P
RP(1.9g)を、57mlの滅菌水に溶解した。シュウ酸二
水化物(0.31g )を、15.5mlの滅菌水に溶解し、先の溶
解PRPをゆっくりと加えた。40%テトラ−n−ブチ
ルアンモニウム・ヒドロキシド(5ml )でpH5に調節
し、1%テトラ−n−ブチルアンモニウム・ヒドロキシ
ド(2ml )を加え、pHをシュウ酸溶液にて 6.98 に調
節した。次にこの溶液をろ過し、フィルターをすすぎ、
標本全容量として178ml の PRP-Bu4N を得た。
【0090】この溶液に67mlの DMFを加え、回転蒸留器
により容量を68mlに減らした。DMF 67ml をさらに3
回加え、その度に67mlに濃縮した。カルボニル・ジイミ
ダゾール(0.22g )をDMFに溶解し、N2 雰囲気下に
PRP溶液にゆっくりと加え、35分熟するにまかせ
た。1,4−ブタンジアミン・ジヒドロクロリド(Bu
2 )(15.96g)を456ml 滅菌水に溶解し、50% NaOH,
5ml を添加してpHを 10.39に調節した。次に、このB
uA2 をゆっくり PRP-CDZに加え、約12℃に維持し
た。
【0091】約5分後、68%リン酸(50ml)を加え、
68%リン酸を 5ml滴下して、pHを7.02に調節した。
この点での容量は 530mlであった。
【0092】この標本を、Amicon超ろ過装置において、
10,000 MW カットオフを用いて95mlに濃縮し、1520ml p
H7リン酸バッファーに対して逆ろ過した。超ろ過装置を
25mlずつのリン酸バッファーで3回洗い、これをPRP-Bu
A2保打液と合せ、全量102mlとした。ホウ酸ナトリウム
(3.95%,31.8ml) を、次にPRP-BuA2に加えた。
【0093】pHを、2.5N NaOH 2ml により9.2に調
節した。次に、ブロモアセチル・クロリド(1.71ml)を
ゆっくりと添加し、その間、pHは2.5N NaOH を用いて
9.2に維持した。次に、pHを68%リン酸(0.5ml
)で7.0に調節した。PRP-BuA2-BrAc は、Amicon超
ろ過装置で95mlに濃縮し、次に、1520ml pH 7 リン酸バ
ッファーに対して逆ろ過を行い、容量を38mlに調節し
た。装置は、リン酸バッファーで洗い、洗浄液を合わせ
て、79.5mlのPRP-BuA2 -BrAcを得た。
【0094】C.OMPC−SHの調製Neisseria meningitidis b型由来の OMPC (1.16g) を、
116ml の滅菌水に溶解し、600ml のホウ酸バッファーに
対して逆ろ過し、最終容量 159mlを得た。EDTA(0.8g),
ジチオトレイトール(DTT)(0.12g) を滅菌ホウ酸バッフ
ァーに溶解し、溶解したタンパクに加えた。N−アセチ
ルホモシステイン・チオラクトン(1.03g )を滅菌水に
溶解し、さらに、タンパク、EDTA、DTTの混合物
に加え、22時間反応させた。
【0095】次に、このチオール化タンパクを 116mlに
濃縮し、pH 8のリン酸バッファー 1440ml に対して逆ろ
過し、濃縮により最終容量 127mlとした。この時点でタ
ンパク定量すると、6.75mg/ml タンパクであり、Ellman
アッセーでは、タンパクのミリグラム当り 0.3μモルS
Hであった。
【0096】D.誘導PRPとOMPC−SHの複合化 PRP-BuA2-BrAc 溶液のpHを、2.5N NaOH で7.9に調
節した。pH調節したPRP-BuA2-BrAc の72mlに、上記B
節で調製したチオール化OMPCの全てを加え、N2 雰囲気
下で複合化を19時間進行させた。
【0097】この複合体を170ml に濃縮し、 pH 7 のリ
ン酸バッファー 1700ml に対して、さらにpH 8のリン酸
バッファー 1640ml に対して逆ろ過し、複合体最終容量
231mlを得た。
【0098】複合体上の未反応のブロモセチル基を、N
−アセチルシステアミン(pH 8のリン酸バッファーに
0.95gを溶解させたもの)を加えてキャップし、反応を
18時間進行させた。次に、キャップした複合体を 170
mlに濃縮し、2550mlのTEDバッファーに対して逆ろ過
した。複合体を一晩熟成させ、もう一度2550mlのTED
バッファーに対して逆ろ過した。最終標本容量 285mlを
回収した。
【0099】平行して行なった実験で、選択的アルコー
ル分画法によって製造された 2.31gのPRPを、上記の
ように複合化して330ml の複合体を得た。この2個の複
合体の物理化学的性質を平行的に分析してみると、サイ
ズ排除性クロマトグラフィー、発熱物質、PRP/タン
パク、免疫原性分析において、両者は区別できなかっ
た。
【0100】E.アカゲザル幼児におけるこの複合体の
免疫原性 酵素処理、脂質非含有PRP複合体ワクチンは、Vella
and Ellis [PediatricRes. 29, 10 (1981)], Vella et
al., [Pediatrics Supplement, 85, 668(1990)]の定量
法によるアカゲザル幼児に対するテストにおいて、十分
に免疫原性を持つことが判明した。この脂質非含有複合
体は、選択的アルコール分画法によって調製されたPR
Pから調製されたものとほぼ等しい免疫原性を示した。
水性(15mcg )、水酸化アルミニウム(1mcg)(第4、
5表)のいずれの処方においても、42日後であった。
第5表に示したように、水性酵素処理脂質非含有ワクチ
ンは、3匹の動物において、10.9 mcg/ml というGMT
(幾何平均抗体価)をもたらした。
【0101】
【表6】
【0102】
【表7】
【0103】実施例6 「低域カット」からの脂質非含有PRPの回収 低域カット(15g )を、750ml のバッファー(10mM Tri
s ,5mM CaCl2 ,4.5mM Triton X-100,pH 7.4)に溶解
した。フォスフォリパーゼD(20U 東洋醸造/100mg PR
P, 70 U/mgで3,000U)を加えた。メチル・第3級ブチル
・エーテル対エタノール(9:1 )(750ml )の混合物を
加え、240rpmで撹拌した。反応を、35℃で2.5時間
進行させた。PLDをさらに2964単位加え、それから、
反応液を室温で20分静置して、相に分離させた。PR
P水相を保持した。有機相を150ml の水で抽出し、156m
l 以下の相は最初の水相に加えた。
【0104】水相の 950mlを、酢酸ナトリウムで平衡さ
せたフェノールで、フェノール:水=1:2.6 の割合で、
4回抽出した。
【0105】次に、このフェノール抽出PRPをクエン
酸/DOC(0.5% DOC, 3%クエン酸ナトリウム、5mM Tr
is, pH 8.0)で予備平衡させたHP20樹脂450グラ
ムと、室温で2時間処理した。ビーズをろ過し、水相を
保持した。ビーズ沃液のバッファー 292mlを水相全体と
合わせ、逆ろ過した(Pellicon, 1平方フィート、10,0
00 mw カットオフ膜)。このPRPを1lに濃縮し、エ
タノールを40%まで加えて、沈澱させた。沈澱をろ過
で収集し、95%エタノール中でトリチル化し、アセト
ン中で乾燥した。
【0106】本実施例において得られたPRPは、調べ
た全てのパラメータにおいて、選択的アルコール分画に
よって得られたPRPと等しいことが判明した。
【0107】実施例7 Haemophilus influenzae b型のフェノール非活性化 1ml当り約109 生物体を含む、H.influenzae培養体
を、発酵サイクルの終了時に、発酵培養体にフェノール
を最終濃度約0.5%(w/v)になるように加えて、
非活性化する。フェノール濃度の確認後、培養体を撹拌
中の「キル・タンク」に移す。ここで、培養体をフェノ
ールに37℃で最短1時間暴露する。後述の実験室実験
では、0.5%フェノールの存在下、7分後に培養体の
活性は10 -8となったが、生産規模での非活性期間は、高
度の安全性を実現するために1時間に延長した。
【0108】培養体非活性化実験(実験室規模)H.influenzae 培養体は、37℃の振とう培養器で、静止
相まで培養した。1ml当り約109 個の細胞を含む培
養体を小分けし、37℃で、0.2, 0.3, 0.4, 0.5, 0.6%
(w/v)フェノールに暴露した。0.2%, 0.3%のフェノール
濃度では、10分間の暴露時間内に培養体を非活性化す
る効果はほとんどなかった。しかしながら、0.4%, 0.5%
フェノールでは、かなりの割合の非活性化が得られた。
0.5%フェノールでは7分後、プレート・アッセーでは、
生細胞は検出されなかった。このアッセーでは、フェノ
ール存在下に約10 CFU/ml の下限感度を持つことが証
明されている。0.4%, 0.5%両フェノール濃度における非
活性動態は、2相性であることが判明した。0.6%フ
ェノールでは、非活性化はきわめて急速であって、フェ
ノール暴露後、30秒後には生細胞は検出されなかっ
た。
【0109】生産規模における非活性化実験 1ml当り約109 個の生物体を含む反応器を、約0.
5%フェノールにし、CFU/mlを、暴露時間の関数として
定量した。サンプリングのやり方に制限されて、1分お
きに2回の測定しかできなかった。この反応器は、フェ
ノールの完全な拡散のために、6分の混合時間を要する
が、最初の3分で、107 の減少が観察された。5分
後、プレート・アッセーで、生細胞は検出されなかっ
た。このアッセーでは、フェノール存在下に、約10 C
FU/ml の下限感度を持つことが証明されている。
【0110】実施例8 フォスフォリパーゼDの除去 PRP強化製法は、PRPの最終粉末からPLDを有効
に除去するために設けられた。PRPに存在する残留酵
素の量は、後述のいくつかの方法で推定された。その方
法の中には、最終PRP標本における、PLDや酵素活
性の直接定量、工程処理中標本におけるPLD分析、工
程の各手順におけるPLDスパイク回収実験がある。さ
らに、免疫定量に用いるために、PLDに対して抗体を
育成しようという試みもなされた。上記の方法をそれぞ
れ後述する。
【0111】PRP最終粉末におけるPLDの直接定量 クーマッシー染色と組み合わせた SDS-PAGE (PLD標
本は、銀ではよく染まらない)による、PRP最終粉末
におけるPLDの直接定量により、PLDの残留濃度
は、検出限界(<250ng PLD/ レーン)よりも低いことが
明らかになった。ゲルへの負荷を最大にして、残留PL
D濃度は、<5ng/mg PRP すなわち<0.0005%に相当する。
この検出限界は、<1ng/ 用量に等しい。
【0112】PRP最終粉末を、残留PLD酵素活性に
ついても定量したが、活性は検出されなかった。酵素活
性の検出限界は、6ng PLD/ml (6x10-4 U PLD/ml )で、
これは、<64pg 活性PLD/mg PRP に相当する。さらに
実験を行なって、PLDをフェノールに暴露すると、こ
の酵素は非活性化されることが明らかになった。
【0113】工程処理中の標本におけるPLDの直接分
析 工程製造中の標本について、直接、残留PLDをクーマ
ッシー染色による SDS-PAGE によって定量した。最初の
フェノール抽出後、PRPにおけるPLD濃度は、検出
限界以下になった。この限界は、<5ng PLD/mg PRP とい
うPLD濃度に相当する。このことから直接測定によ
り、最初のフェノール抽出はPLD濃度を、ほとんど1
3 減少させたことが示された(反応混合液における〜
2.4mcg PLD/mg PRP から、第1フェノール抽出液におけ
る5ng PLD/mg PRP未満への減少)。さらに3回のフェノ
ール抽出で処理することによって、HP20処理、アル
コール沈澱は、それ以上にPLD除去を実現することに
なる。もっとも、その濃度はあまりに低すぎて、直接定
量することはできなかった。
【0114】PLDスパイク回収実験 工程処理中の標本における残留PLD濃度は、低すぎて
直接定量することができないので、広範なシリーズのス
パイク回収実験を実験室で行い、各分離手順当りに除去
されるPLD量を推定した。3種の異なる分離手順が、
酵素除去に有効であるとされた。
【0115】先ず、フェノール抽出のPLD除去の有効
性を調べた。20mg PRP/ml に 8mg/ml から濃縮したPL
D溶液に対し、4回フェノール抽出し、それぞれの水相
について、SDS-PAGEによりPLDをモニターした。単一
のフェノール抽出後、PLD濃度は、クーマッシー染色
によるSDS-PAGEによる250ng PLD/レーンという検出限界
を下回った。この限界は、800倍の減少、すなわち、
ほぼ103 の除去を表す。もう一つの実験では、1バッ
チのPLDをフルオレセン−5−イソチオシアネート
(FITC)で蛍光的に標識した。このFITC標識PLD
を用いて、酵素の分配係数をフェノールにおける酵素濃
度の関数として蛍光分光計によって測定した。この方法
では、PLD検出レベルがさらに10倍増加した。この
方法によってもまた、1回のフェノール抽出が酵素レベ
ルを少なくとも102 減少させることが確認された。
【0116】PLD除去にたいするHP20処理の効果
を調べるために、5mg PRP/mlのPLDのHP20にたい
する吸着等温式を測定した。等温式の急峻な勾配は、こ
の樹脂がPLDに対して強い親和性を持つことを示して
おり、その親和性は、HP20処理という特定の条件下
ではPLDに対して少なくとも102 の除去に相当す
る。4回のフェノール抽出に続くこの手順での残留酵素
は既にきわめて低いが、上記データからかりに何かの残
留酵素があったとしても、それはさらにHP20樹脂に
対する選択的吸着により除去されることが明かである。
【0117】最後に、小規模のスパイク実験では、酵素
の90%が、アルコール沈澱により上清に残留してい
た。したがって、この最終手順はさらに10倍除去の可
能性をもたらす。
【0118】上記研究から、酵素の大部分は(>99.99%
)、4回のフェノール抽出によって除去されることが
示された。PRP存在下における水相とフェノール相間
の酵素の分配係数は102 と定量されているので、4回
のフェノール抽出で理論的には108 倍の除去をもたら
し得る。しかしながら、103 倍除去という控えめな推
定値をこの手順に与えた。吸着等温測定に基づき、HP
20吸着では、102 倍除去と推定した。10倍PLD
減少を、アルコール分画操作に割り当てた。以上まとめ
ると、全酵素につき106 倍除去という内輪の推定を、
このPRP増強製法に割り当てた。実際の除去率は、理
論的には、1011という高い値を取り得る。
【0119】下の表は、上記除去実験の所見をまとめた
ものである。最終行は、各定量法に対し、用量当りの残
留PLDの計算値を示す。計算はすべて、300mcgのPR
Pは、複合反応を経過して15mcg 用量を生ずるという前
提に基づいている。これは、用量当りの残留酵素量を推
定するに当り、控えめなやり方である。
【0120】
【表8】
【0121】実施例9 増強法PRPとアルコール分画法PRPの比較分析 増強法によって製造されたPRPのロットは全て、広範
な分析テストにかけた。これは選択的アルコール分画法
によって製造されたPRP標本との、化学的、物理的相
似性を調べるためである。この分析の結果は、下記に述
べる。
【0122】A.NMR分析 増強PRP法によって調製されたPRPの、3個の生産
レベル相当ロットと、選択的アルコール分画法によって
製造された代表的な1ロットとを、プロトンNMR分析
したところ、この標本同士はほとんど等価であることが
判明した。この標本のスペクトラムは、δH=3.72から
5.2の領域で同一パターンを示した。
【0123】B.炭水化物組成分析 PRP標本の組成対比を、PRP標本中のサッカライド
成分の同一性、相対量を定量することによって評価し
た。これは、PRP標本の酸性加水分解と、それに続く
炭水化物成分(リビトールとリボース)の定量によって
行なった。定量は、パルス式電流検出による高pHアニ
オン交換クロマトで行なった。増強PRPデモ用3ロッ
ト、選択的アルコール分画法の代表的PRP2ロットを
分析した。リビトール対リボースのピーク面積比に基づ
く両標本の比較分析から、この5ロットはほとんど同一
であることが判明した。さらに、微量成分ピークも、5
標本全てにおいてほぼ等しかった。この成分レベルは、
リビトールないしリボースに比べ、1モル%未満であっ
た。
【0124】C.脂肪酸分析 選択的アルコール分画製品PRPと増強法PRP製品に
ついて、脂肪酸の比較分析を行なった。前者の製法によ
るPRP製品は、変動する少量の脂肪酸を含んでおり、
一方、増強法PRP標本は、≦0.002% (w/w)の脂肪酸を
含んでいる。分析は、脂肪酸メチルエステルの毛細管ガ
スクロ分析によった。
【0125】D.分子サイズ分析 セファローズ4B分析 PRP標本の分子サイズを、屈折率検出によるセファロ
ーズ4Bカラム・クロマトによってここに定量した。こ
れによって、相対的溶出量(Kd)という形で、PRP
標本の相対的分子サイズの尺度が得られる。代表的標本
のKdを下に示す。この分析からは、五つのPRP標本
には、分子サイズに目立った差は認められなかった。
【0126】
【表9】
【0127】HPSEC総合較正分析 セファローズ4B分析に加えて、上記PRP標本それぞ
れの分子サイズ及び多分散性を、オンラインの比粘度、
屈折率検出による、高速サイズ排除クロマトによって調
べた。この分析は、酢酸アンモニウムを展開相とする、
TSK G4000 PWXLカラムを用いて行ない、各PRP標本ご
とに相対的分子量(Mp)、多分散指数(PI)を計算
することができる。増強法PRPの3個のデモ用ロット
と、選択的アルコール分画法PRPの2個の代表的ロッ
トの分析によって得られたクロマトグラムを、下にまと
めた。合計29個の選択的アルコール分画製造PRPロ
ットの分析による平均結果も表の中に示す。
【0128】
【表10】
【0129】上記の結果から、増強法によって製造され
たPRP標本の方が、選択的アルコール分画法によって
製造されたPRP標本よりもやや大きく、多分散性も高
いとしてよいであろう。
【0130】上記の分析の他に、上記増強法PRP標本
の各々に相当する誘導PRP、ならびに、選択的アルコ
ール分画法誘導PRPの代表的標本について、分子サイ
ズを分析した。PRP誘導体標本(ブロモアセチル・ブ
タンジアミン形)の分子サイズ、多分散性を、セファロ
ーズ4Bクロマトと、HPSEC-総合較正法によって調べ
た。この分析の結果を下に示す。
【0131】
【表11】
【0132】上記の結果から、誘導によってPRPのサ
イズは減少すること、増強法PRP誘導体、選択的アル
コール分画法PRP誘導体の分子サイズは、ほとんど等
しいことが明かである。
【0133】E.相対的抗原性分析 PRP抗原含有量は、通常、比濁速度分析によって定量
する。ある標本の抗原濃度のポリサッカライド濃度に対
する比は、その標本の相対的抗原性を与える。増強PR
Pの3個のデモ用ロットと、選択的アルコール分画法P
RPの2個の代表的ロットについて、このような分析を
行なった結果を下に示す。この5個の標本において、相
対的抗原性は実験誤差範囲内で等価であった。
【0134】
【表12】
【0135】実施例10 動物免疫原性テスト結果 A.アカゲザル幼児における免疫原性 アカゲザル幼児は従来から、ヒト幼児におけるH.influe
nzae複合体ワクチンの免疫原性を表す、前臨床免疫原性
モデルとして使用されている。Haemophilus b複合体ワ
クチン(髄膜炎菌タンパク複合体)は、この種において
広範に調べられており、きわめて免疫原性の高いことが
分っている(Vella et al., Pediatrics, 85, 668, 199
0; Vella and Ellis, Pediatric Research 29, 10, 199
1 )。1年にごく少数のサルしか入手できないので、わ
れわれは、各ワクチンをテストするのに、グループ当り
3−6匹のサルを使用できるにとどまった。系統外種で
あるので、Haemophilus b 複合体ワクチン(髄膜炎菌タ
ンパク複合体)に対する、個々の幼児ザルの抗PRPレ
ベルには、約100倍にも上る変動が観察された。グル
ープ・サイズの小さいことと、系統外種であるために、
このアカゲザル幼児は、上記ワクチンの免疫原性に関す
る、定量的というよりはむしろ定性的モデルとなる。わ
れわれは、陽性反応を投与後2回の濃度が>1mcg 抗-PRP
/ml であるとした。これは、PRP, PRP-D, またはHbOCワ
クチンでは実現できない濃度である。Haemophilus b 複
合体ワクチン(髄膜炎菌タンパク複合体)では、一貫し
てこの濃度を実現している。
【0136】増強PRP法によるPRPから調製したHa
emophilus b 複合体ワクチン(髄膜炎菌タンパク複合
体)に対する、アカゲザル幼児の抗PRP反応は、もと
の研究や、定常製造ロットのもの、選択的アルコール分
画法によって調製された生産ロットのものとほぼ等しか
った。テストに用いたのは、実験室で増強法によって製
造したPRPを用いて得た、実験調製複合体、増強PR
Pの3ロットから造られた4個の複合体ロットである。
全部で、合計24匹のサルを、増強PRP法由来のPR
Pで調製した(髄膜炎菌タンパク複合体)Haemophilus
b 複合体ワクチンで免疫化した。24匹のサル全てが、
投与後2回濃度で、>1mcg 抗-PRP/ml を実現した。上記
データから、増強法によるPRPから調製した Haemoph
ilus b複合体ワクチン(髄膜炎菌タンパク複合体)と、
選択的アルコール分画法によるPRPから調製したもの
とは、この定性的免疫原性モデルにおいて、免疫原的に
等しいことが証明された。
【0137】B.マウス免疫原性データ 増強法PRPから調製したHaemophilus b 複合体ワクチ
ン(髄膜炎菌タンパク複合体)の能力試験についても、
BALB/cマウスについて行なった。遺伝的に純系種であ
り、かつほぼ無制限に入手できるので、このマウスにお
ける能力試験は、本ワクチンの免疫原性にたいする定量
性モデルとなる。このモデルにおいて、ワクチンの連続
5倍希釈液を調製し、これを各グループ8匹、各ワクチ
ン・ロットに対して合計40匹のマウスに注射する。5
0%マウス(ED50)の血清が抗PRPに対して陽性とな
るように、血清変換するのに有効な用量を、40匹のマ
ウスから成る各組について計算する(ED50が低ければ低
いほど、能力は高い)。PRP増強法によるPRPから
調製した、Haemophilus b 複合体ワクチン(髄膜炎菌タ
ンパク複合体)の、異なる4個のロットについて得たED
50値は、従来からヒト幼児において免疫原性を持つこと
が判明している、基準コントロールのHaemophilus b 複
合体ワクチン(髄膜炎菌タンパク複合体)と同一範囲に
ある。上記データから、定量性モデルにおける免疫的等
価性が証明された。
【0138】実施例11 増強PRP法に使用されたH. influenzae の発酵ロット
について、その培養体純度、H.influenzae非活性化、P
RP抗原含有量をテストしたが、その結果はすべて満足
すべきものであった。
【0139】増強法によって調製された3ロットのPR
Pを、その後、Haemophilus b 複合体ワクチン(髄膜炎
菌タンパク複合体)の製造に用いた。誘導されたHaemop
hilus b ポリサッカライド・バルクを、完全な対照設定
テストにかけたところ、テスト結果はすべて、増強法P
RPから得られた原料は、選択的アルコール分画法によ
る同様の原料と区別できないことを示した。
【0140】最終容器原料のテスト結果から、増強法に
よるPRPから調製された、Haemophilus b 複合体ワク
チン(髄膜炎菌タンパク複合体)は、アルコール分画に
よるPRPから調製した製品と同質であることが確認さ
れた。
【図面の簡単な説明】
【図1】脂質PRPの推定構造式である。(1)−
(4)フォスフォリパーゼA1 ,A2 、C,D、(5)
グルコース領域
【図2】選択的アルコール分画法によるPRP生産と、
リポPRPを酵素的にPRPに変換し、その後、酵素除
去、LPS除去した場合のPRP生産を、比較した図で
ある。(1)発酵(2x650L),(2)濃縮、(3)エタノ
ール分画、(4)フェノール抽出、(5)後フェノール
粉、(6)選択的エタノール分画、(7)PRP製品、
(8)PRP強化製法、(9)酵素反応、(10)フェ
ノール抽出、(11)酵素除去、(12)HP20処
置、(13)LPS除去、(14)PRP製品、(1
5)低域カット製品
【図3】リポPRPを脂質非含有PRPに変換し、か
つ、エンドトキシンを除去するために最適化した工程を
示す図である。(1)フェノール非活性化前フェノール
PRP粉、(2)酵素処理反応条件−−0.3%(w/
wPRP)フォスフォリパーゼD(S. chromofuscus )
45% MTBE+ 5% EtOH,0.3%トリトン、5mM CaCl2 ,10mM
トリス、pH 7.4,2-3 時間、35℃、静置、傾斜採取
(3)エーテル層を除去する、(4)4回フェノール抽
出、(5)酵素を除去する、(6)HP20吸着、(7)L
PSを除去する、(8)Prostack逆ろ過、(9)アルコ
ール沈澱、(10)脂質非含有PRP製品、(11)収
量:>80%
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年8月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】本発明の一実施態様は、脂質非含有ポリリ
ボシル・リビトール・フォスフェート、以後PRPと呼
ぶ、の製造に用いられた。このPRPは、病原性細菌
aemophilius influenza b型、
これもHibと呼ぶことにするが、培養体から得た莢膜
ポリサッカライドである。得られたPRPは、Hibに
よる病気の発症を予防する免疫反応を誘発するためのワ
クチン調製用の成分として適当である。本発明から、同
じような共有結合脂質を持つ他の病原性細菌、例えば、
E. coliないしNeisseria menin
gitidisの莢膜ポリサッカライドも同様にして製
造できることが予想できる。なお、Haemophil
ius influenza b型は、ATCC 97
95,10211,31441,31512 又は33
533 として寄託されており、入手可能である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0049
【補正方法】変更
【補正内容】
【0049】
【実施例】実施例1 Haemophilus influenz
ae b型莢膜ポリサッカライドの調製発酵 段階A−−接種体、および、種の開発Haemophilus influenzae b型
(ニューヨーク州立大学から恵与された、Ross 7
68から培養したもの)の解凍試験管を、無菌のHae
mophilus接種体培養液(下記参照) 1mlに
懸濁し、この懸濁液を、19個のチョコレート寒天プレ
ート(BBL)に拡散する。恒温槽で37℃で20時間
インキュベーションの後、各プレートの生育物を、Ha
emophilus 接種体培養液1−2mlに再懸濁
し、プールした。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:19) 7804−4B (C12P 19/04 C12R 1:36) 7804−4B (72)発明者 ウオルター・イー・マンガー アメリカ合衆国、ペンシルバニア・19438、 ハーレイズビル、グリーン・バンク・ウエ イ・106 (72)発明者 マーク・エス・リーンストラ アメリカ合衆国、ペンシルバニア・19446、 ランズデイル、ボニー・レイン・405 (72)発明者 ロバート・デイ・シトリン アメリカ合衆国、ペンシルバニア・19444、 ラフアイエツト・ヒル、エマーソン・ドラ イブ・237

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 細菌由来の、脂質非含有のものだけでな
    く、リポ莢膜ポリサッカライドをも含む粗ないし精製標
    本から、脂質およびエンドトキシン非含有莢膜ポリサッ
    カライドを、ほとんど莢膜ポリサッカライドを失うこと
    なく調製する方法であって、ほとんど全てのリポ莢膜ポ
    リサッカライドを脂質非含有莢膜ポリサッカライドに変
    換する際、脂質をリポ莢膜ポリサッカライドから分断
    し、遊離脂質とエンドトキシン汚染物質を除去し、脂質
    非含有莢膜ポリサッカライドを回収する前記方法。
  2. 【請求項2】 脂質がリポ莢膜ポリサッカライドからフ
    ォスフォリパーゼによって分断される、請求項1記載の
    方法。
  3. 【請求項3】 莢膜ポリサッカライドが、Haemophilus
    influenzae b型、Neisseria meningitidis(髄膜炎菌)
    A, B, C, X, Y, W135 または 29E群、もしくは、Escher
    ichia coli K1, K12, K13, K89, K92 またはK100の培養
    体から得られる、請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 莢膜ポリサッカライドが、Haemophilus
    influenzae b型の培養体由来のPRPとリポPRPの混
    合物である、請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 PRPとリポPRPを含む混合物を、フ
    ォスフォリパーゼD単独で、またはフォスフォリパーゼ
    2 もしくはフォスフォリパーゼBと共に、エーテルを
    酵素活性剤として含む有機相中で処理することから成
    る、請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 有機相が、エチル・エーテル、ブチル・
    エーテル、またはメチル・第3級ブチル・エーテルから
    選ばれたエーテル第1成分並びに、メタノール、エタノ
    ール、またはヘキサンから選ばれた第2成分の混合物か
    ら成り、上記第1成分と上記第2成分が、約 20:1 から
    5:1の間の比率で存在する、請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 フォスフォリパーゼが、非哺乳類生物か
    ら得たものである、請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 PRPとリポPRPから成る混合物を、
    フォスフォリパーゼDだけで処理することから成る、請
    求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 PRPとリポPRPから成る混合物を、
    重量基準で 0.01 %から 10%のフォスフォリパーゼDと
    反応させることから成る、請求項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 脂質非含有、エンドトキシン非含有の
    ポリリボシル・リビトール・フォスフェート(PRP)
    を、ほとんどPRPを損失することなく調製する方法で
    あって、リポPRP(Haemophilus influenzae b型培養
    体由来の粗ないし精製ポリサッカライド標本中に存在す
    る)を、フォスフォリパーゼD(PRPに対する、フォ
    スフォリパーゼの比率約0.3重量パーセント)と、反
    応混合液(エーテル性有機溶媒混合物を反応容量の30
    −60%含み、該有機溶媒は、ジエチル・エーテル、ブ
    チル・エーテル、またはメチル・第3級ブチル・エーテ
    ルから選ばれたエーテルが、第2の有機物(ヘキサン、
    エタノール、またはメタノールから選ばれたもの)と混
    在している)中で、洗剤(デオキシコール酸、またはTr
    iton X-100から選ばれ、0.1%から0.4%の間の濃
    度で存在する)の存在下に、CaCl2 (約0.1から約10
    mM)を添加して、上記の試薬と競合しないバッファー
    (pHは7.0から8.0の間)中で、20℃から45
    ℃の温度で、約30分から約4時間、反応させることか
    ら成る、前記方法。
  11. 【請求項11】 エーテル性有機溶媒混合物が、約9:
    1の比率のメチル・第3級ブチル・エーテルとエタノー
    ルの混合物であり、その混合物の濃度が反応容量の約5
    0%である、請求項10記載の方法。
  12. 【請求項12】 PRPのフェノール抽出(これは、添
    加フォスフォリパーゼDを含むタンパク様汚染物質を除
    去するためである)と、フォスフォリパーゼD処理の前
    か後で実行される(PRPやリポPRPを吸収しない)
    疎水性吸着(これは、遊離脂質およびエンドトキシンを
    除去するためである)にPRPを付すことからさらに成
    る、請求項11記載の方法。
  13. 【請求項13】 ほとんどPRP損失のない、脂質非含
    有PRPの製法であって、次の諸手順から成る方法: a)Haemophilus influenzae b型を、適当な培養液で培
    養する、 b)Haemophilus influenzae b型を、チメロサールない
    しフェノールで殺す、 c)殺されたHaemophilus influenzae b型の培養液を澄
    明にする、 d)澄明にした培養液を濃縮して、作業可能な容量にす
    る、 e)エタノールを最終濃度約48%エタノールになるま
    で添加して、培養液中の汚染物質を沈澱し、PRPを含
    む上清と汚染物ペレットを得、ペレットは廃棄する、 f)エタノールを最終濃度約61%まで加えて、PRP
    を沈澱し、粗PRPペレットを得る、 g)このPRPペレットに水を加えて溶解し、次に、塩
    化カルシウムを最終濃度1.0Mになるまで加える、 h)エタノールを最終濃度23%まで加えて、汚染物質
    の不溶性ペレットとPRPを含む上清を得る、 i)エタノールを最終濃度37%まで加えて、PRPを
    沈澱する、 j)PRPペレットを無水アルコールでトリチル化し、
    乾燥してPRPのフェノール処理前粉状物を得る、 k)PRP粉の可溶化試料をフェノール抽出する、 l)CaCl2 を 0.05Mに、アルコールを約67%になるま
    で加えてPRPを沈澱させ、無水アルコール中でトリチ
    ル化し、フェノール処理後粉状物を得る、 m)フェノール処理後粉状物の可溶化試料から、疎水性
    吸着によりエンドトキシンを除去する、 n)粗PRP、前フェノール粉、または後フェノール粉
    中のPRPを、次の手順に進行する前に、フォスフォリ
    パーゼと反応させる。
  14. 【請求項14】 フォスフォリパーゼがPRPに対し約
    0.3重量パーセントのフォスフォリパーゼDであり、
    粗PRP、前フェノール粉、または後フェノール粉が、
    10mM Tris ,5mM CaCl2 , 45%メチル・第3級ブチル・
    エーテル、5%エタノール、0.3% Triton X-100 に溶解し
    ており、これらが約35℃で、30分から約4時間まで
    反応させられる、請求項13記載の方法。
JP4217011A 1991-08-16 1992-08-14 脂質含有のリポ莢膜ポリサッカライドを、脂質非含有のポリサッカライドに変換する方法 Pending JPH05209002A (ja)

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