JPH05208428A - 複合合成樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

複合合成樹脂成形体の製造方法

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JPH05208428A
JPH05208428A JP4321409A JP32140992A JPH05208428A JP H05208428 A JPH05208428 A JP H05208428A JP 4321409 A JP4321409 A JP 4321409A JP 32140992 A JP32140992 A JP 32140992A JP H05208428 A JPH05208428 A JP H05208428A
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JP
Japan
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synthetic resin
cavity
thermoplastic synthetic
thermoplastic
composite
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JP4321409A
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English (en)
Inventor
Masanori Narutomi
正徳 成富
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Taisei Purasu Co Ltd
Original Assignee
Taisei Purasu Co Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/16Making multilayered or multicoloured articles
    • B29C45/1657Making multilayered or multicoloured articles using means for adhering or bonding the layers or parts to each other
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/16Making multilayered or multicoloured articles
    • B29C45/1657Making multilayered or multicoloured articles using means for adhering or bonding the layers or parts to each other
    • B29C2045/1668Penetration bonds

Abstract

(57)【要約】 [目的]複合成形体の射出成形の工程数を少なくし、ま
た接合強度を高くする。 [構成]同一の射出成形金型で熱可塑性合成樹脂弾性体
及び硬質熱可塑性合成樹脂の射出成形がなされる。一方
の樹脂の成形時にはスライドコアが第1キャビティを区
画し、この第1キャビティに一方の樹脂が射出される。
他方の樹脂の成形時にはスライドコアが第1キャビティ
と連通する第2キャビティを区画し、この第2キャビテ
ィに他方の樹脂が射出され、両樹脂が熱融着して複合成
形体が作られる。熱可塑性合成樹脂弾性体、次いで硬質
熱可塑性合成樹脂の順序で射出成形すると、硬質樹脂の
溶融体の一部が弾性体の内部に潜り込み、高い接合強度
が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、複合合成樹脂成形体
の製造方法に関する。更に詳しくは弾性に富んだ熱可塑
性合成樹脂弾性体で構成される成形体と、機械的強度に
優れた硬質熱可塑性合成樹脂で構成される成形体とから
なる複合成形体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】優れた機械的強度をもつエンジニアリン
グプラスチックは、負荷のかかる機械部品、あるいは構
造部品などに用いられている。この種の熱可塑性樹脂の
エンジニアリングプラスチックとしては、ポリアミド、
ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレ
ンオキサイド、全芳香族ポリエステルなどが広く知られ
ている。
【0003】一方、熱可塑性弾性体(サーモプラスチッ
クエラストマー、TPE)の成形体も特に生産性のよい
射出成形技術により成形され、多くの用途に使用されて
いる。この種の熱可塑性弾性体としては、スチレン−ブ
タジエン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、塩化
ビニル系、アクリル酸エステル系などが知られている。
【0004】これらのエンジニアリングプラスチック及
び熱可塑性弾性体は、複雑な成形品でも射出成形するこ
とができ、かつ大量生産にも適しており、各種の機械部
品、構造部品として製造されている。近年、合成樹脂
(プラスチック)製部品や部材の性能の高度化、機能の
高度化の要求が厳しく、その中で前記したエンジニアプ
ラスチックと熱可塑性弾性体との複合化が試みられてい
る。そして、その複合化に際し両者に共通した成形手段
である射出成形技術により、両者を相互に熱融着させて
複合化することが最も効果的である。
【0005】しかし、一般に熱可塑性のエンジニアリン
グプラスチックとそれ以外の熱可塑性樹脂とは、熱融着
性が必ずしも良くない。特に、ゴム弾性に優れた熱可塑
性弾性体(TPE)との接着性が悪く、両者を強固に接
合させることができない。そこで、この発明の発明者
は、特開平3−100045号公報において、硬度の高
い合成樹脂で構成される成形体との熱融着性に優れた新
規な熱可塑性弾性体組成物を提案した。
【0006】この熱可塑性弾性体組成物を用いた複合合
成樹脂成形体は、各種の機械部品、構造部品に適用する
ことが可能であるが、その適用例としてこの発明者は合
成樹脂工業用ファスナー(特開平3−272308号公
報)、アイフード(特開平4−51126号公報)等種
々の構造部品を提案した。
【0007】しかし、前記各公報に開示されている成形
方法は、第1の金型で一方の樹脂を射出成形した後、そ
の成形体を第2の金型に挿入し、他方の樹脂を射出成形
して複合成形体を製造する方法である。したがって、成
形時の工数が必然的に多くなり、製造時間も長くなる。
また、2つの金型を使用するので、コストアップの要因
にもなる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この発明は以上のよう
な技術的背景で発明されたものであり次の目的を達成す
るためになされたものである。
【0009】この発明の目的は、例えば熱可塑性合成樹
脂弾性体と硬質熱可塑性合成樹脂のように2つの熱可塑
性合成樹脂からなる複合合成樹脂成形体を1台の射出成
形金型で成形可能な製造方法を提供することにある。
【0010】この発明の他の目的は、熱可塑性合成樹脂
弾性体と硬質熱可塑性合成樹脂との接合強度が高い複合
合成樹脂成形体の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明の要旨は、第1
熱可塑性合成樹脂と第2熱可塑性合成樹脂とからなる複
合合成樹脂成形体の製造方法において、射出成形金型内
に区画されるキャビティに進退自在であって、前記キャ
ビティに進入して前記キャビティ内に少なくとも第1キ
ャビティを区画し、前記キャビティから後退して前記第
1キャビティと連通する第2キャビティを区画するスラ
イドコアを有する前記射出成形金型を用い、前記キャビ
ティに前記スライドコアを進入させて、前記第1キャビ
ティに第1ゲートを通じて前記一方の樹脂を射出する第
1工程と、第1工程の終了後、前記キャビティから前記
スライドコアを後退させて、前記第2キャビティに第2
ゲートを通じて前記他方の樹脂を射出し、前記第1熱可
塑性合成樹脂と前記第2熱可塑性合成樹脂とを熱融着さ
せる第2工程とからなる複合合成樹脂成形体の製造方法
である。
【0012】前記第1熱可塑性合成樹脂が熱可塑性合成
樹脂弾性体であり、前記第2熱可塑性合成樹脂が硬質熱
可塑性合成樹脂である。
【0013】前記第1工程で前記熱可塑性合成樹脂弾性
体を射出成形し、前記第2工程で前記硬質熱可塑性合成
樹脂を射出成形し、成形時に前記硬質熱可塑性合成樹脂
の溶融体の一部を前記熱可塑性合成樹脂弾性体の内部に
潜り込ませる。
【0014】さらにこの発明は、第1熱可塑性合成樹脂
と第2熱可塑性合成樹脂とからなる複合合成樹脂成形体
の製造方法において、射出成形金型内に区画されるキャ
ビティに進退自在であって、前記キャビティに進入して
前記キャビティ内に第1キャビティと第2キャビティと
を区画するスライドコアを有する前記射出成形金型を用
い、前記キャビティに前記スライドコアを進入させて、
前記第1,第2キャビティに第1、第2ゲートを通じて
それぞれ前記第1熱可塑性合成樹脂及び前記第2熱可塑
性合成樹脂を同時に射出する第1工程と、第1工程の終
了後、前記キャビティから前記スライドコアを後退させ
て、前記第2キャビティに前記第2ゲートを通じてさら
に前記第2熱可塑性合成樹脂を射出し、前記第2熱可塑
性合成樹脂の溶融体の一部を前記第1熱可塑性合成樹脂
の内部に潜り込ませることを特徴とする複合合成樹脂成
形体の製造方法である。
【0015】前記第1熱可塑性合成樹脂が熱可塑性合成
樹脂弾性体であり、前記第2熱可塑性合成樹脂が硬質熱
可塑性合成樹脂である。
【0016】前記熱可塑性合成樹脂弾性体の硬度がJI
SのAスケールで50〜95度であり、前記硬質熱可塑
性合成樹脂がJISのAスケールで60以上の硬度から
選択される。
【0017】
【作用】同一の射出成形金型で第1熱可塑性合成樹脂及
び第2熱可塑性合成樹脂の射出成形がなされる。一方の
樹脂の成形時にはスライドコアが少なくとも第1キャビ
ティを区画し、この第1キャビティに一方の樹脂が射出
される。他方の樹脂の成形時にはスライドコアが第1キ
ャビティと連通する第2キャビティを区画し、この第2
キャビティに他方の樹脂が射出され、両樹脂が熱融着し
て複合樹脂成形体が作られる。熱可塑性合成樹脂弾性
体、次いで硬質熱可塑性合成樹脂の順序で射出成形する
と、硬質熱可塑性合成樹脂の溶融体の一部が熱可塑性合
成樹脂弾性体の内部に潜り込み、高い接合強度が得られ
る。
【0018】
【実施例】具体的な実施例の説明をする前に、この発明
による複合樹脂成形体の製造方法の概略を図8を参照し
て説明する。
【0019】製造方法(a) この方法では、スライドコア100はキャビティ101
に進入することによって、第1キャビティ101a及び
第2キャビティ101bを区画するが、第2キャビティ
は全容積分形成されない((1))。スライドコア10
0によって区画された第1キャビティ101aに熱可塑
性合成樹脂弾性体102を射出する((2))。次にキ
ャビティ101からスライドコア100を後退させて全
第2キャビティ101bを区画し、この第2キャビティ
に硬質熱可塑性合成樹脂103を射出する((3))。
射出された硬質熱可塑性樹脂103の溶融体は、熱可塑
性弾性体102を圧縮して内部に潜り込む。すなわち、
硬質熱可塑性樹脂は、第2キャビティ101bの容積以
上の量が射出される。
【0020】製造方法(b) この方法では、第2キャビティの容積に等しい体積をも
つスライドコア100が用いられている。したがって、
スライドコア100はキャビティに進入することによっ
て第1キャビティ101aのみ区画する((1))。第
1キャビティ101a、次いでスライドコア100を後
退させて第2キャビティ101bに各樹脂を射出する
((2),(3))点は、製造方法(a)と同様であ
る。
【0021】製造方法(c) この方法では、製造方法(a)と同様なスライドコアが
用いられるが、樹脂の射出順序は異なっている。すなわ
ち、キャビティへのスライドコア100の進入によって
第1,第2キャビティ101a,101bが区画される
が((1))、第1,第2キャビティ101a,101
bにそれぞれ熱可塑性合成樹脂弾性体102及び硬質熱
可塑性合成樹脂103を同時に射出する((2))。そ
の際、硬質熱可塑性合成樹脂103は全量の80%程度
射出する。次に、スライドコア100を後退させ、第2
キャビティ101bに残り20%の硬質熱可塑性合成樹
脂を射出する。射出された硬質熱可塑性樹脂103の溶
融体は、熱可塑性弾性体102を圧縮して内部に潜り込
む。すなわち、硬質熱可塑性樹脂は2度目の射出時に、
キャビティ101内に挿入されたスライドコア100の
体積以上の量が射出される。
【0022】上述の製造方法(a)、(b)、(c)の
説明では、第1熱可塑性合成樹脂として熱可塑性合成樹
脂弾性体、第2熱可塑性合成樹脂として硬質熱可塑性合
成樹脂を用いている。第1,第2熱可塑性合成樹脂とも
に、硬質熱可塑性合成樹脂を用いてもよい。
【0023】第1実施例 この発明の実施例を図面にしたがって説明する。以下に
示す実施例は、この発明をエアバッグ用カバーに適用し
た例である。
【0024】図1はエアバッグ用カバーの外観を示す斜
軸投影図である。図2はステアリングホイールにエアバ
ッグ用カバーを取付けた状態を示す図である。エアバッ
グ用カバー1の全体は箱型をしたものである。このエア
バッグ用カバー1の内部にはエアバッグ(図示しない)
が折り畳んで収納されている。エアバッグ用カバー1の
上部をここでは開口部3と呼ぶ。開口部3には引き裂き
線4がH字状に設けられている。引き裂き線4はある応
力限度で破れる構造になっており、その形は適宜種々の
ものが採用されている。開口部3は名の如くその引き裂
き線4の部分が引き裂けることにより開口するものであ
る。
【0025】開口部3は通常は乗員の手、肌に常時接触
するところである。そのため、人間にとって柔らかく感
触の良いTPEで作られている。今、車が何かと衝突し
た場合は、その衝突をセンサーにて感知し、この信号に
よってガス発生器が作動してに点火しエアバッグを膨脹
させる。エアバッグにより内圧を受けたエアバッグ用カ
バー1の引き裂き線4がH字状に裂け、そこからエアバ
ッグが飛び出して突出する。
【0026】この時、裂けたエアバッグ用カバー1の開
口部3の破細片等が通常は飛び散るようなことはない。
それは、開口部3が比較的柔らかい材料であるTPEで
作られているからである。エアバッグ用カバー1の開口
部3の下部には、略垂直方向に角筒形状をし、かつ板状
の取付部5が一体に設けられている。
【0027】この取付部5には、複数の取付孔6が適宜
の場所に形成されている。もともと、エアバッグ用カバ
ー1はエアバッグ装置又は車体などに取付けられる必要
がある。エアバッグ用カバー1は取付孔6を介してリベ
ット、ビス、ボルト等の固着具によりエアバッグ装置又
は車体などに取付けられる。
【0028】そのためリベット、ビス、ボルト等との間
で引っ張り応力が作用するので、取付部5は機械強度的
に十分耐え得ることを要求される。したがって取付部5
の材質は、通常比較的硬く、かつ機械的強度が強いRT
Pから選択して採用される。取付部3の材質である硬い
RTPと開口部3の材質であるTPEとは、一体に強固
に熱圧融着、すなわち材料が融けた状態で圧力をかけて
接合される。
【0029】次にこのエアバッグ用カバー1を製造する
ための金型装置の一例について述べる。
【0030】射出成形金型10 前記したエアバッグ用カバー1の射出成形金型10につ
いて述べる。図3は、エアバッグ用カバー1の開口部3
を成形するときの射出成形金型10の断面図である。図
4は、取付部5を成形するときの射出成形金型10の断
面図であり、図5は、型開きの状態を示す射出成形金型
10の断面図である。この実施例では、射出成形金型1
0としてホットランナ金型が用いられている。
【0031】射出成形金型10は、固定側取付板11に
設けられた固定側型板12と、可動側取付板13に設け
られた可動側型板14とからなっている。固定側型板1
2は、キャビティ15(図5参照)が形成された中央型
板12aとその周囲に配置された側部型板12bとから
なっている。可動側取付板13は、可動盤34に一体に
設けられている。
【0032】可動側型板14は、第1,第2ホットラン
ナ16,17が内部に形成されたホットランナブロック
すなわちマニホルド18を有している。マニホルド18
には支持金具19を介して型板本体20が連結され、こ
の型板本体20に主コア21が固定されている。
【0033】マニホルド18は、第1,第2ホットラン
ナ16,17に対応して設けられたガイドロッド22,
23を有し、このガイドロッド22,23の端部は可動
側取付板13に固定されている。バンドヒータ24,2
5は、ホットランナ16,17内を流れる樹脂を加熱す
るためのものである。
【0034】ガイドロッド22,23の可動側取付板1
3への取付部には、図示しない射出成形機のノズルが当
接するスプルーブッシュ26,27が設けられている。
ガイドロッド22,23は、固定のガイド板28に設け
られたガイド孔50,51に挿入されている。可動側型
板14は、このガイド板28によって案内され、固定側
型板12に当接する形締め位置(図3,図4の状態)
と、固定側型板12から離間する型開き位置(図5の状
態)との間を移動する。
【0035】型板本体20には、第1,第2ホットラン
ナ16,17と連通するノズル29,47が設けられて
いる。主コア21は側面にテーパ面30が形成され、こ
のテーパ面30に係合可能に、補助コア31が設けられ
ている。この主コア21および補助コア31は、型締め
時に第1キャビティ部分40を区画する。ノズル29の
延長で第1キャビティ部分40の入口はゲートAになっ
ている。
【0036】補助コア31には、テーパ面30と同角度
で傾斜した連結ロッド32の一端が固定されている。連
結ロッド32の他端は、ガイド板28に設けられた摺動
子33に固定され、この摺動子33は可動側型板14の
移動方向と直角方向にガイド板28に対して摺動自在と
なっている。また、連結ロッド32の中間部は、可動盤
34に設けた係合部材35と係合自在となっている。
【0037】したがって、可動側型板14が、図3,図
4に示す型締め位置から図5に示す型開き位置に移動す
ると、主コア21と補助コア31との係合が解除され、
他方連結ロッド35が係合部材32に押圧されて摺動子
33が摺動することから、補助コア31はキャビティ1
5内を中心に向けて移動することになる。逆に可動側型
板14が型開き位置から型締め位置に移動すると、主コ
ア21が補助コア31と係合し、補助コア31が押圧さ
れてキャビティ15内を中心から離間する方向に移動す
る。
【0038】主コア21の周囲にスライドコア36,3
7が設けられ、このスライドコア36,37は主コア2
1に対して可動側型板14の移動方向と直角方向に摺動
自在となっている。スライドコア36,37の後端に係
合部材38,39が係合している。この係合部材38,
39は図示しない駆動シリンダのロッド41,42に連
結されている。
【0039】スライドコア36,37は、この駆動シリ
ンダの駆動により、主コア21に近接する位置(図3)
と離間する位置(図4)との間を移動し、離間位置にお
いて第2キャビティ部分46を区画する。ノズル47の
延長で第2キャビティ46の入口はゲートBになってい
る。スライドコア36の内部にピン43が設けられ、こ
のピン43はバネ44によりスライドコア36から主コ
ア21に向けて突出する方向に常時付勢されている。ピ
ン43により取付部5の取付孔6が穿孔される。次にエ
アーバック用カバー1をこの射出成形金型10で製造す
るための製造方法について述べる。
【0040】製造方法 以下に示す製造方法は、図8の製造方法(a)に対応し
ている。
【0041】図5に示す型開き状態から、可動側型板1
4を固定側型板12に向けて移動させ、図3に示す型締
め状態にすると、第1キャビティ部分40が形成され
る。図示しない射出成形機のノズルをスプルーブッシュ
26に当接させ、加熱溶融されたTPEを第1ホットラ
ンナ16、ノズル29及びゲートAを経て第1キャビテ
ィ部分40に射出し、開口部3を形成する(第1工
程)。このときスライドコア36,37は主コア21に
近接した位置にあり、第2キャビティ部分は全容積分区
画(形成)されていない。
【0042】次に、開口部3のTPEが冷却しない段階
で駆動シリンダの作動により、図4に示すように、スラ
イドコア36,37を主コア21から離間した位置に移
動させ、第2キャビティ部分46を区画する。そして、
図示しない射出成形機のノズルをスプルーブッシュ27
に当接させ、加熱溶融されたRTPを第2ホットランナ
17、ノズル47及びゲートBを経て、第2キャビティ
部分46に射出し、取付部5を成形する(第2工程)。
【0043】このとき、開口部3のTPEと取付部5の
RTPは高圧力で接合する。言い換えると、両者は当接
面積の小さい出合い位置で高圧で混合、融合され複雑な
接合面45を作る。この発明はこのところが注目すべき
ところである。従来の2層構造のエアバッグ用カバーと
異なって異種の樹脂間の接触面積がこのように小さい。
したがって、射出された樹脂の圧力はこの接合部分に集
中され、両者が高圧で融着がされる状況となる。したが
って、この接合面45は、機械的な引張強度にも強く、
信頼性の高い製品が得られる。
【0044】取付部5の成形時には、ピン43が第2キ
ャビティ部分46に突出し、したがってピン43が占め
る部分には樹脂が充填されず、取付孔6が形成される。
最後に、図5に示すように可動側型板14を移動させ、
型開きを行う。その際、補助コア31がキャビティ15
の中心に向けて移動するので、開口部3の端部が内側へ
折曲げられた形状即ちアンダーカットであっても、成形
品の取出しが容易に行える。なお、エアバッグ用カバー
1の引き裂き線4は、第1キャビティ部分40に突起を
設けることにより形成する。
【0045】前記実施例では、あらかじめ射出成形金型
10の第1キャビティ40及び第2キャビティ46の体
積の量、言い換えると開口部4、取付部5の体積の量に
等しい量だけ射出する方法が採られている。しかし、開
口部4を構成するTPEで第1キャビティ40及び第2
キャビティ46、すなわちエアバッグ用カバー1の全体
積に等しい量だけまず射出し、この後取付部5に等しい
体積量、約全体積の10%程度のRTPを射出しても成
形できる。この成形方法は、より緻密な成形体が得られ
る。なお、逆の場合は、成形できない。この理由は、さ
だかではないが、先に射出されるTPEが軟らかいた
め、これを後で射出されるRTPが圧縮するように成形
されるためと推定される。
【0046】なお、射出成形条件は、樹脂の種類によっ
て異なるが概略次の条件内で選定する。ノズル温度13
0〜240℃、シリンダー温度130〜220℃、ダイ
温度140〜230℃、金型温度30〜50℃、射出圧
力400〜1000kg/cm2 である。
【0047】次に、エアバッグ用カバーを製造する場合
の使用樹脂について述べる。
【0048】使用樹脂 前記したRTPとTPEは、互いに相溶性、すなわちプ
ライマーなどを使用することなく射出成形金型10内で
熱融着するものでなくてはならない。エアバッグ用カバ
ー1は、あらゆる環境で使用されるものであり、極限環
境下、例えば−45℃〜+105℃でも機械的強度に著
しい変化があってはならない。更に、取付部5に使用さ
れるRTPは、エアバッグの膨脹時の引張応力などで取
付孔6が破損することがあってはいけない。
【0049】以上の観点から、RTPは、ナイロン、ポ
リプロピレン、ABS、ポリカーボネートなどが強度や
耐摩耗上から適当である。硬度は、60(JIS,A硬
度)以上の硬いRTPを用いるが、望ましくは90〜1
00度が良い。
【0050】TPEは、人間の肌に接するものであるか
ら感触が柔らかく、硬度50〜95(JIS,A硬
度)、望ましくは80〜85以下のものを用いる。しか
し、極限の環境下でも軟化又はガラス化、すなわち脆化
するものであってはならない。また、引き裂き線4の部
分で引き裂かれるとき、破片等が生じてはならない。
【0051】以上の点から、TPEは、ウレタン系エラ
ストマー、オレフィン系エラストマー、ジエン系エラス
トマー、可塑化ポリ塩化ビニル、ポリエステルエラスト
マーなどが適用される。特に注目されるのは、本発明者
が提案したTPEにポリエーテルブロックアミド又はポ
リエステル系熱可塑性エラストマーを含有させたものを
使用すると、ほとんどの材料と接着または溶着可能とな
る。
【0052】この場合、TPE100重量部に対してポ
リエーテルブロックアミド25〜185重量部、特に好
ましくは、TPE100重量部に対して、ポリエーテル
ブロックアミド40〜60重量部を力学的にブレンドし
均一に分散されたものを使用すると良い(米国特許第
5,002,625号明細書)。
【0053】同様に、本発明者が提案したTPE100
重量部に対してポリエステル系熱可塑性エラストマー2
5〜185重量部、特に好ましくは、TPE100重量
部に対してポリエステル系熱可塑性エラストマー40〜
60重量部を力学的にブレンドし均一に分散されたもの
を使用すると良い(日本国特許公開3−100045
号)。
【0054】第2実施例 図6,7は、射出成形金型の第2実施例を示す。図6
は、射出成形金型の断面図であり、図7は射出成形後の
エアーバック用カバー1の断面図である。この射出成型
金型10aの構造、機能は基本的には第1実施例と同一
である。エアーバック用カバー1の上下の向きが逆にな
っている点で前記第1実施例と異なるのみである。
【0055】射出成形機のノズルをスプルーブッシュ2
6aに当接させ、加熱溶融されたTPEをノズル29a
からから第1キャビティ40aに射出する。次に、取付
部5を構成するために、加熱溶融されたRTPをノズル
47aからから第2キャビティ46aに射出する。
【0056】図7は、成形されたエアーバック用カバー
1の断面図である。開口部3と取付部5とが互いに入り
込んで広い接合面45により接合されている。この理由
は、正確には明らかではないが比較的柔らかいTPEに
これより硬いRTPが食い込むためと推定される。この
食い込み時に、まだ冷えていなく流動しやすいTPEの
中心部分のみに、RTPが注入されるため図7のような
構造になると推定される。
【0057】その他の実施例 以上述べた実施例はその発明の本質が逸脱しない範囲で
あれば、他の種々の変形例が可能なことは言うまでもな
い。例えば、製造方法は図8の(a)に限らず、
(b),(c)を採用してもよい。前記した実施例で
は、開口部3、取付部5は同じ色の合成樹脂を用いた。
しかし、取付部5は、外部からは見えないところなの
で、開口部3と異なる色にして、接合部45の接合位
置、接合状態を人間の目でチェックできるようにしても
良い。こうすれば、より利便性の高いエアーバック用カ
バーができる。
【0058】また、前記実施例のノズル29,47は主
コア21の上面又は下面に配置したが角部など他の位置
に配置しても良い。更に、同一のノズルから異なる樹脂
を射出できるタイプの公知の射出成形機を用いても良
い。したがって、この発明において使用されている第
1、第2ノズルの呼び方は、必ずしも2個のノズル又は
同一箇所に設けられていることを意味しない。
【0059】また、エアーバック用カバー1の開口部3
の形状によっては、前記射出成形金型10における補助
コア31は必ずしも設けなくてもよい。
【0060】さらに、この発明はエアーバック用カバー
に限らず、熱可塑性合成樹脂弾性体と硬質熱可塑性合成
樹脂とからなる種々の複合成形体に適用できる。
【0061】
【発明の効果】以上詳記したように、この発明は一台の
射出成形金型で複合合成樹脂成形体の製造が可能である
ので、工程数が少なくて済む。また、熱可塑性合成樹脂
弾性体、硬質熱可塑性合成樹脂の順で射出成形すると、
硬質樹脂が軟質樹脂に潜り込み、高い接合強度が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、エアバッグ用カバーの外観を示す斜軸
投影図である。
【図2】図2は、ハンドルにエアバッグ用カバーを取付
けた状態を示す図である。
【図3】図3は、開口部を形成する時の射出成形金型の
断面図である。
【図4】図4は、取付部を成形する時の射出成形金型の
断面図である。
【図5】図5は、型開き状態の射出成形金型の断面図で
ある。
【図6】図6は、射出成形金型の第2実施例の断面図で
ある。
【図7】図7は、エアバッグの断面図である。
【図8】図8は、この発明による製造方法の概略を説明
するための図である。
【符号の説明】
1…エアバック用カバー 3…開口部 4…引き裂き線 5…取付部 6…取付孔 10…射出成形金型 16…第1ホットランナ 17…第2ホットランナ 26,27…スプルーブッシュ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1熱可塑性合成樹脂と第2熱可塑性合成
    樹脂とからなる複合合成樹脂成形体の製造方法におい
    て、 射出成形金型内に区画されるキャビティに進退自在であ
    って、前記キャビティに進入して前記キャビティ内に少
    なくとも第1キャビティを区画し、前記キャビティから
    後退して前記第1キャビティと連通する第2キャビティ
    を区画するスライドコアを有する前記射出成形金型を用
    い、 前記キャビティに前記スライドコアを進入させて、前記
    第1キャビティに第1ゲートを通じて前記一方の樹脂を
    射出する第1工程と、 第1工程の終了後、前記キャビティから前記スライドコ
    アを後退させて、前記第2キャビティに第2ゲートを通
    じて前記他方の樹脂を射出し、前記第1熱可塑性合成樹
    脂と前記第2熱可塑性合成樹脂とを熱融着させる第2工
    程とからなる複合合成樹脂成形体の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記第1熱可塑性合成樹脂が熱可塑性合成樹脂弾性体で
    あり、前記第2熱可塑性合成樹脂が硬質熱可塑性合成樹
    脂である複合合成樹脂成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項2において、 前記第1工程で前記熱可塑性合成樹脂弾性体を射出成形
    し、 前記第2工程で前記硬質熱可塑性合成樹脂を射出成形
    し、成形時に前記硬質熱可塑性合成樹脂の溶融体の一部
    を前記熱可塑性合成樹脂弾性体の内部に潜り込ませるこ
    とを特徴とする複合合成樹脂成形体の製造方法。
  4. 【請求項4】第1熱可塑性合成樹脂と第2熱可塑性合成
    樹脂とからなる複合合成樹脂成形体の製造方法におい
    て、 射出成形金型内に区画されるキャビティに進退自在であ
    って、前記キャビティに進入して前記キャビティ内に第
    1キャビティと第2キャビティとを区画するスライドコ
    アを有する前記射出成形金型を用い、 前記キャビティに前記スライドコアを進入させて、前記
    第1,第2キャビティに第1、第2ゲートを通じてそれ
    ぞれ前記第1熱可塑性合成樹脂及び前記第2熱可塑性合
    成樹脂を同時に射出する第1工程と、 第1工程の終了後、前記キャビティから前記スライドコ
    アを後退させて、前記第2キャビティに前記第2ゲート
    を通じてさらに前記第2熱可塑性合成樹脂を射出し、前
    記第2熱可塑性合成樹脂の溶融体の一部を前記第1熱可
    塑性合成樹脂の内部に潜り込ませることを特徴とする複
    合合成樹脂成形体の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項4において、 前記第1熱可塑性合成樹脂が熱可塑性合成樹脂弾性体で
    あり、前記第2熱可塑性合成樹脂が硬質熱可塑性合成樹
    脂である複合合成樹脂成形体の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項2,3,5から選択される1項にお
    いて、 前記熱可塑性合成樹脂弾性体の硬度がJISのAスケー
    ルで50〜95度であり、前記硬質熱可塑性合成樹脂が
    JISのAスケールで60以上の硬度から選択されるこ
    とを特徴とする複合合成樹脂成形体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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