JPH05192138A - 皮膚細胞培養法及び培養皮膚 - Google Patents

皮膚細胞培養法及び培養皮膚

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JPH05192138A
JPH05192138A JP4009109A JP910992A JPH05192138A JP H05192138 A JPH05192138 A JP H05192138A JP 4009109 A JP4009109 A JP 4009109A JP 910992 A JP910992 A JP 910992A JP H05192138 A JPH05192138 A JP H05192138A
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cells
temperature
skin
culturing
cultured
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JP4009109A
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Hideaki Sakai
秀昭 坂井
智子 ▲吉▼野
Tomoko Yoshino
Koichi Nakamura
浩一 中村
Mitsuo Okano
光夫 岡野
Noriko Yamada
則子 山田
Yasuhisa Sakurai
靖久 桜井
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TOKYO JIYOSHI IKA UNIV
Kao Corp
Original Assignee
TOKYO JIYOSHI IKA UNIV
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 トリプシンやEDTAのような蛋白分解酵素
又は化学薬品等による処理を施さずに環境温度を変化さ
せるだけで、培養・増殖させた皮膚細胞を容易に且つそ
の形態を崩さずに支持体表面から剥離・回収が出来る皮
膚細胞培養法、等を提供することを、目的とする。 【構成】 水に対する上限若しくは下限臨界溶解温度が
0〜80℃であるポリマーで基材表面を被覆した細胞培
養支持体上にて、皮膚細胞を上限臨界溶解温度以下又は
下限臨界溶解温度以上で培養し、その後上限臨界溶解温
度以上又は下限臨界溶解温度以下にすることにより培養
皮膚細胞が剥離されることを、特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、皮膚細胞培養法、及び
それにより得られる培養皮膚に関する。より詳しくは本
発明は、皮膚細胞が膜状に培養され且つその膜状形態を
崩すことなく容易に剥離回収され尚且つその剥離された
皮膚細胞の損傷も殆ど無い皮膚細胞の培養法に関する。
更に本発明は、例えば火傷等の治療の際に行なわれる皮
膚移植に於いて有用な、上記培養法により得られる培養
皮膚に関する。
【0002】
【従来の技術】重大な火傷をした場合、最も気を付けな
ければならないことは火傷した皮膚からの細菌感染であ
る。特に、死滅した皮膚部では雑菌が多量に繁殖しやす
い。そのためそのような死滅した皮膚部は除去して雑菌
が繁殖しないようにしておく必要がある。しかし皮膚を
除去するとそこから細菌が体内に多量に入り込む。その
ため皮膚が除去された部分を適当な材料でマスクして細
菌の侵入を抑えておく必要がある。そのようなマスキン
グ材としては、合成高分子材料及び培養皮膚が使用され
る。しかし合成高分子は拒絶反応等の可能性があり移植
用皮膚としては好ましくない。一方、培養皮膚は本人の
正常な皮膚の一部を所望の大きさまで培養したものであ
るため、これを使用しても拒絶反応等の心配が無く最も
自然なマスキング材と言える。
【0003】従来、そのような細胞培養は、ガラス表面
上あるいは種々の処理を行なった合成高分子の表面上に
て行なわれていた。例えば、ポリスチレンを材料とする
表面処理、例えばγ線照射、シリコンコーティング等を
行なった種々の容器が細胞培養用容器として普及してい
る。このような細胞培養用容器を用いて培養・増殖した
細胞は、トリプシンのような蛋白分解酵素や化学薬品に
より処理することで容器表面から剥離・回収される。
【0004】しかしながら、上述のような化学薬品処理
を施して増殖した細胞を回収する場合、i)処理工程が煩
雑になり、不純物混入の可能性が多くなること、及びi
i)増殖した細胞が化学的処理により変成若しくは損傷し
細胞本来の機能が損なわれる例があること等の欠点が指
摘されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な問題を解決するためになされたものであり、トリプシ
ンやEDTAのような蛋白分解酵素又は化学薬品等によ
る処理を施さずに環境温度を変化させるだけで、培養・
増殖させた皮膚細胞を容易に且つその形態を崩さずに支
持体表面から剥離・回収が出来る皮膚細胞培養法、及び
その培養法により製造される培養皮膚を提供することを
目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本研究者らは以上のよう
な点を鑑み、鋭意研究を重ねた結果、細胞培養ディッシ
ュの表面を水溶性高分子、中でも特に上限臨界溶解温度
かつ/または下限臨界溶解温度(水にある物質を混合す
る時、ある温度では部分的にしか溶かさないため2層に
分かれているが、温度を上げるかまたは下げてある一定
の温度を過ぎると完全に溶解して1層になることがあ
る。温度を上げて完全溶解に達した場合の温度を「上限
臨界溶解温度」、温度を下げていって完全に溶解した場
合の温度を「下限臨界溶解温度」と言う。)を示すような
ポリマーにより処理することで、環境温度を変化させる
だけでディッシュ表面の親水性、疎水性のバランスを容
易にコントロールでき、細胞培養中と培養終了後、細胞
剥離・回収工程で温度を変化させると増殖細胞が剥離、
引き続いて等張液等で洗浄することだけで増殖細胞を
(具体的には皮膚細胞)回収可能であることを見出した。
【0007】即ち本発明は、水に対する上限若しくは下
限臨界溶解温度が0〜80℃であるポリマーで基材表面
を被覆した細胞培養支持体上にて、皮膚細胞を上限臨界
溶解温度以下又は下限臨界溶解温度以上で培養し、その
後上限臨界溶解温度以上又は下限臨界溶解温度以下にす
ることにより培養皮膚細胞が剥離されることを特徴とす
る皮膚細胞培養法を提供する。更に本発明は、そのよう
な培養法で製造される培養皮膚も提供する。
【0008】細胞培養支持体に於いて基材の被覆に用い
られるポリマーは、水溶液中で上限臨界溶解温度または
下限臨界溶解温度0℃〜80℃、より好ましくは20℃
〜50℃を有するものである。上限または下限臨界溶解
温度が80℃を越えると細胞が死滅する可能性があるの
で好ましくない。また、上限または下限臨界溶解温度が
0℃より低いと一般に細胞増殖速度が極度に低下する
か、または細胞が死滅してしまう為、好ましくない。
【0009】そのような本発明に用いるポリマーはホモ
ポリマーまたはコポリマーであってよい。このようなポ
リマーとしては、例えば特開平2−211865号公報
に記載されたものが挙げられる。このようなポリマー
は、例えば以下のモノマーの単独重合または共重合によ
り得られる。使用し得るモノマーは、例えば(メタ)アク
リルアミド化合物、N−(若しくはN,N−ジ)アルキル
置換(メタ)アクリルアミド誘導体、環状基を有する(メ
タ)アクリルアミド誘導体、又はビニルエーテル誘導
体、等が挙げられ、これらの1種以上使用してよい。更
に、上記以外のモノマー類との共重合、ポリマー同士の
グラフトまたは共重合、あるいはポリマー、コポリマー
の混合物を用いてもよい。また、ポリマー本来の性質を
損なわない範囲で、架橋することも可能である。
【0010】また、被覆を施される基材としては通常細
胞培養に用いられるガラス、改質ガラス、ポリスチレ
ン、ポリメチルメタクリレート等の化合物のみならず、
一般に形態付与が可能である物質、例えば上記以外の高
分子化合物、セラミックス金属類など全て用いることが
できる。
【0011】支持体への被覆方法も上記特開平2−21
1865号公報の方法に従ってよい。即ち、例えば基材
と上記モノマー又はポリマーを、電子線照射(EB)、γ
線照射、紫外線照射、プラズマ処理、コロナ処理、有機
重合反応により、又は塗布、混練等の物理的吸着等によ
り行ってよい。
【0012】本発明に於いては、皮膚細胞の培養は上記
のようにして製造された細胞培養支持体上で行なわれ
る。本発明の細胞培養法に適用される好適な皮膚細胞と
して、例えばヒト表皮角化細胞(ケラチノサイト)、ヒト
真皮線維芽細胞等が挙げられる。培地温度は基材表面に
被覆された前記ポリマーが上限臨界溶解温度を有する場
合はその温度以下、また前記ポリマーが下限臨界溶解温
度を有する場合はその温度以上であれば、何ら制限され
るものではないが、常識的に培養している細胞が増殖し
ないような低温域と培養している細胞が顕著に死滅する
ような高温域との範囲内で行われなくてはならない。本
発明の温度以外の培養条件は、常法に従えば良く、何ら
制限されるものではない。例えば、使用する培地につい
て言えば、常法として知られているウシ胎児血清(FC
S)等の血清が添加されているものでも良く、また、血
清が添加されていない無血清のものでも良い。
【0013】本発明は、前記方法に従い、皮膚細胞の使
用目的に合わせて、培養時間を設定すれば良い。培養し
た細胞を支持体材料から剥離回収するには、細胞の付着
した支持体材料の温度を支持体基材の被覆ポリマーの上
限臨界溶解温度以上もしくは下限臨界溶解温度以下にす
るだけで良く、細胞を培養していた培養液においてもそ
の他の等張液においても可能であり、目的に合わせて選
択することができる。その際、細胞を高収率で剥離、回
収する目的で細胞培養支持体を軽くたたいたり、ゆらし
たりする方法、ピペットを用いて、培地を撹拌する方
法、さらに、細胞機能を損なわない程度の少量のトリプ
シンやEDTA等のような蛋白分解酵素又は化学薬品等
により処理する方法等を単独、あるいは併用して用いて
も良い。更に必要に応じ、培養皮膚細胞は等張液等で洗
浄して剥離回収してもよい。
【0014】上記のような本発明の皮膚細胞培養法によ
り、90%以上の培養皮膚細胞を剥離回収することが出
来る。又そのようにして回収された培養皮膚は、損傷程
度の低いものである。しかも培養後の皮膚細胞群は一般
に膜状(シート状)となり、そのような膜状のまま容易に
回収される。従って本発明の皮膚細胞培養法により得ら
れる培養皮膚は移植用皮膚として好適である。更に本発
明の皮膚細胞培養法に使用される細胞培養支持体は、繰
り返し使用が可能である。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明は、これら実施例に限定されるものではない。
【0016】実施例1、2、及び3 細胞培養支持体基材として、ベクトン・ディキンソン・
ラブウェア(BectonDickinson Labware)社製ファル
コン(FALCON)3002ペトリディッシュを用い、
培養する細胞は、ヒト表皮角化細胞(ケラチノサイト)を
採用した。N−イソプロピルアクリルアミドを、表−1
に示す各濃度でイソプロピルアルコールに溶解して、ペ
トリディッシュ上に、0.07ml添加後、電子線を表−
1に示す各線量で照射することにより、ペトリディッシ
ュ表面上にポリ−N−イソプロピルアクリルアミドを被
覆した。電子線照射後、イオン交換水によりペトリディ
ッシュを洗浄し、残存モノマー及び遊離ポリ−N−イソ
プロピルアクリルアミドを取り除き、クリーンベンチ内
で乾燥し、さらに、エチレンオキサイド(EO)ガス滅菌
さらに十分に脱気を行なうことにより、細胞培養支持体
材料を得た。
【0017】ヒトケラチノサイトの培養は、クラボウ社
製エピパック(EpiPack)を用いて行った。勿ち、得ら
れた細胞培養支持体材料上にて、無血清表皮角化細胞増
殖培地(K−GM;EpiPack)を培地として、正常ヒト表
皮角化細胞(NHEK:EpiPack)を5%二酸化炭素中、
37℃で培養する方法を採用した。十分に細胞が増殖し
たことを確認後、5℃に冷却、放置して、剥離させ、そ
のときの増殖細胞剥離回収率を下式に従って求めた。
【0018】 増殖細胞剥離回収率(%)= {(剥離回収した細胞総数)/(増殖した細胞総数)}×100
【0019】その際、細胞の数は剥離回収した細胞及び
剥離されずにペトリディッシュ上に残った細胞をそれぞ
れトリプシン−EDTA処理を行ない、細胞を個々の状
態にしてから計測を行なうことにより求めた。結果を表
−1に示す。
【0020】実施例4 ベクトン・ディキンソン・ラブウェア社製ファルコン3
002ペトリディッシュを用いて、実施例1と同様な操
作により表−1に示す条件下にペトリディッシュ表面上
に、ポリ−N−イソプロピルアクリルアミドを被覆し、
洗浄、乾燥、さらにEOガス滅菌を行なうことにより、
細胞培養支持体材料を得た。ヒトケラチノサイトの培養
も、実施例1と同様な方法を採用した。十分に細胞が増
殖したことを確認後、5℃に冷却しながら、50U/ml
ディスパーゼ溶液による処理を併用して、増殖細胞を剥
離させ、K−GM培地で十分に洗浄した。実施例1に示
した方法により求めた増殖細胞剥離回収率を表−1に示
す。
【0021】実施例5 ペクトン・ディキンソン・ラブウェア社製ファルコン3
002ペトリディッシュを用いて、実施例1と同様な操
作により表−1に示す条件下にペトリディッシュ表面上
に、ポリ−N−イソプロピルアクリルアミドを被覆し、
洗浄、乾燥、さらにEOガス滅菌を行なうことにより、
細胞培養支持体材料を得た。ヒトケラチノサイトの培養
は、培養温度を30℃とすること以外は、実施例1と同
様な方法を採用した。十分に細胞が増殖したことを確認
後、5℃に冷却、放置して、増殖細胞を剥離させた。実
施例1に示した方法により求めた増殖細胞剥離回収率を
表−1に示す。
【0022】実施例6及び7 被覆物質としてN−イソプロピルアクリルアミドの代わ
りにN,N−ジエチルアクリルアミドを表−1に示す濃
度で使用した点以外は実施例1、2、3と同様にして表
−1に示す条件下に細胞培養支持体材料を得、ヒトケラ
チノサイトを培養し、これを剥離回収した。増殖細胞剥
離回収率を表−1に示す。
【0023】実施例8及び9 被覆物質としてN−イソプロピルアクリルアミドの代わ
りに、N−n−プロピルアクリルアミドを表−1に示す
濃度で使用した点以外は実施例1、2、3と同様にして
細胞培養支持体材料を得、ヒトケラチノサイトを30℃
で培養し、これを5℃で剥離回収した。増殖細胞剥離回
収率を表−1に示す。
【0024】実施例10及び11 被覆物質として、N−イソプロピルアクリルアミドの代
わりに、N−エトキシエチルアクリルアミドを表−1に
示す濃度で使用した点以外は実施例1、2、3と同様に
して表−1に示す条件下に細胞培養支持体材料を得、ヒ
トケラチノサイトを37℃で培養し、これを5℃で剥離
回収した。増殖細胞剥離回収率を表−1に示す。
【0025】比較例1、2及び3 細胞支持体としてベクトン・ディキンソン・ラブウェア
社製ファルコン3002ペトリディッシュを用い、比較
例1は全く表面処理を行なわずに実施例1、2、3と同
様の実験を行なった。また、比較例2、3は電子線照射
のみを行ない、実施例1、2、3と同様の実験を行なっ
た。ヒトケラチノサイトの培養は実施例1、2、3と同
様の方法を採用した。続いて、十分細胞が増殖したのを
確認後、5℃に冷却し放置して、増殖細胞を剥離させ、
増殖細胞剥離回収率を求めた。結果を表−1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】以上の結果より、細胞培養支持体基材表面
上に、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジエ
チルアクリルアミド、N−n−プロピルアクリルアミド
または、N−エトキシエチルアクリルアミドで表面処理
を行なった実施例1〜11では表−1に示されるよう
に、基材表面上に被覆されたそれぞれのポリマーの、下
限臨界溶解温度より十分に低い温度(5℃)で処理すると
いう簡便な操作だけで、増殖した細胞のほぼ90%以上
が剥離可能であり、また、その際に得られる皮膚細胞
は、シート状の集合状態を維持しており、人工皮膚とし
て利用できる可能であることを意味する。
【0028】一方、比較例1、2、3で示されるよう
に、表面処理を施さない場合は、表−1に示されるよう
に、培養温度を低下させても増殖皮膚細胞の剥離現象は
観察されなかった。
【0029】実施例12 実施例3で得られた細胞培養支持体材料を用い、1×1
6個の細胞を4日間培養した。培養終了後、実施例
1、2、3と同様な操作で細胞を剥離した。剥離細胞の
損傷度合を確認するため、これを遠心分離(600G、
5分)により培養液中より回収し、得られた細胞を1×
106個用い、ベクトン・ディキンソン・ラブウェア社
製ファルコン3002ペトリディッシュ上で再び培養し
た。培養は実施例1、2、3と同様の方法を採用した。
結果を表−2に示す。
【0030】比較例4 比較例1と同様な細胞培養支持体材料を用い、同様な細
胞培養方法に従い、1×106個の細胞を4日間培養し
た。培養した細胞を0.05%トリプシン−0.02%E
DTA処理し、剥離させた細胞の損傷度合を確認するた
め、これを遠心分離(600G、5分)することにより回
収し、得られた細胞を1×106個用い、ベクトン・デ
ィキンソン・ラブウェア社製ファルコン3002ペトリ
ディッシュ上で再び培養した。培養は実施例1、2、3
と同様の方法を採用した。結果を表−2に示す。
【0031】
【表2】
【0032】剥離回収細胞の損傷度合については、表−
2に示されるように、実施例12では培養開始時の10
倍まで再増殖させることが可能であるが、比較例4では
5倍までしか再増殖させることができなかった。このこ
とは、本発明の剥離回収細胞は従来のそれよりも損傷度
が小さいことを意味する。
【0033】
【発明の効果】本発明の皮膚細胞培養法により、90%
以上の培養皮膚細胞を剥離回収することが出来る。又そ
のようにして回収された培養皮膚は、損傷度合の低いも
のである。しかも培養後の皮膚細胞群は一般に膜状(シ
ート状)となり、そのような膜状のまま容易に回収され
る。従って本発明の皮膚細胞培養法により得られる培養
皮膚は、移植用皮膚として好適である。更に本発明の皮
膚細胞培養法に使用される細胞培養支持体は、繰り返し
使用が可能である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年2月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】以上の結果より、細胞培養支持体基材表面
上に、N−イソプロピルアクリルアミド、N,N−ジエ
チルアクリルアミド、N−n−プロピルアクリルアミド
または、N−エトキシエチルアクリルアミドで表面処理
を行なった実施例1〜11では表−1に示されるよう
に、基材表面上に被覆されたそれぞれのポリマーの、下
限臨界溶解温度より十分に低い温度(5℃)で処理すると
いう簡便な操作だけで、増殖した細胞のほぼ90%以上
が剥離可能であり、また、その際に得られる皮膚細胞
は、シート状の集合状態を維持しており、人工皮膚とし
て利用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 浩一 和歌山県和歌山市園部1030の15 (72)発明者 岡野 光夫 千葉県市川市国府台6−12−12 (72)発明者 山田 則子 東京都板橋区前野町6−10 前野町ハイツ 1−601 (72)発明者 桜井 靖久 東京都杉並区永福3−17−6

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水に対する上限若しくは下限臨界溶解温
    度が0〜80℃であるポリマーで基材表面を被覆した細
    胞培養支持体上にて、皮膚細胞を上限臨界溶解温度以下
    又は下限臨界溶解温度以上で培養し、その後上限臨界溶
    解温度以上又は下限臨界溶解温度以下にすることにより
    培養皮膚細胞が剥離されることを特徴とする皮膚細胞培
    養法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の培養法で製造される培養
    皮膚。
JP4009109A 1992-01-22 1992-01-22 皮膚細胞培養法及び培養皮膚 Pending JPH05192138A (ja)

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