JPH05192130A - 細胞培養支持体及びその製造法 - Google Patents

細胞培養支持体及びその製造法

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JPH05192130A
JPH05192130A JP4009092A JP909292A JPH05192130A JP H05192130 A JPH05192130 A JP H05192130A JP 4009092 A JP4009092 A JP 4009092A JP 909292 A JP909292 A JP 909292A JP H05192130 A JPH05192130 A JP H05192130A
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electron beam
cell culture
solvent
examples
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JP4009092A
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Hideaki Sakai
秀昭 坂井
智子 ▲吉▼野
Tomoko Yoshino
Koichi Nakamura
浩一 中村
Mitsuo Okano
光夫 岡野
Noriko Yamada
則子 山田
Yasuhisa Sakurai
靖久 桜井
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TOKYO JIYOSHI IKA UNIV
Kao Corp
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TOKYO JIYOSHI IKA UNIV
Kao Corp
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    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M33/00Means for introduction, transport, positioning, extraction, harvesting, peeling or sampling of biological material in or from the apparatus
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12MAPPARATUS FOR ENZYMOLOGY OR MICROBIOLOGY; APPARATUS FOR CULTURING MICROORGANISMS FOR PRODUCING BIOMASS, FOR GROWING CELLS OR FOR OBTAINING FERMENTATION OR METABOLIC PRODUCTS, i.e. BIOREACTORS OR FERMENTERS
    • C12M23/00Constructional details, e.g. recesses, hinges
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 細胞培養支持体表面上のポリマーフィルムが
凹凸の無い平滑で均一なものであり、そのため細胞培養
支持体を歩留り高く製造出来、且つ細胞の培養状況を顕
微鏡等で調べる際に凹凸像と培養細胞像が重なること無
く明解に観察され細胞の剥離・回収が一層容易に効果的
に行える細胞培養支持体、及びその製造法を提供する。 【構成】 水に対する臨界溶解温度が0〜80℃のポリ
マーを与えるモノマー及び溶媒を含有する溶液を基材上
に塗布し、電子線照射を2回以上行い且つそれらの少な
くとも1回の電子線照射間に於いて溶媒除去工程を含む
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、生化学、医学および免
疫学等における細胞類の培養用支持体、及びその製造法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来細胞培養は、ガラス表面上あるいは
種々の処理を行った合成高分子材料の表面上にて行われ
ていた。例えば、ポリスチレンを材料とする表面処理
(例えばγ線照射、シリコンコーティング等)を行った種
々の容器が、細胞培養用支持体として普及している。従
来、このような細胞培養用支持体を用いて培養・増殖し
た細胞は、トリプシンのような蛋白分解酵素や化学薬品
により処理することで支持体表面から剥離・回収されて
いた。
【0003】しかしながら、上述のような処理を施して
増殖した細胞を回収する場合、処理工程が煩雑にな
り、不純物混入の可能性が多くなること、増殖した細
胞が上記処理により変性し、細胞本来の機能が損なわれ
る例があること、等の欠点が指摘されている。
【0004】そこで本発明者等は上記欠点を解消するた
めに、トリプシンやEDTAのような蛋白分解酵素や化
学薬品等による処理を施さずに、環境温度を変化させる
だけで、培養・増殖させた細胞を支持体表面から剥離・
回収することが可能な細胞培養に使用する支持体材料を
以前に提案した(特開平2−211865号公報)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記公報の
発明を更に発展させ、細胞培養支持体表面上のポリマー
層が凹凸の無い平滑で均一なものであり、そのため細胞
培養支持体を歩留り高く製造出来、且つ細胞の培養状況
を顕微鏡等で調べる際に凹凸像と培養細胞像が重なるこ
と無く明解に観察され細胞の剥離・回収が一層容易に効
果的に行える細胞培養支持体、及びその製造法を提供す
ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、基材上に塗布したモノマーの溶媒溶液を電子線照射
してポリマー層とする際に、先ず予備的な電子線照射を
行い、その後基材上の溶媒量を適当量になるまで除去
し、その後再び電子線照射を行えば、優れた功を奏する
ことを見出し本発明を成すに至った。
【0007】即ち本発明は、水に対する臨界溶解温度が
0〜80℃のポリマーを与えるモノマー及び溶媒を含有
する溶液を基材上に塗布し、電子線照射を2回以上行い
且つそれらの電子線照射の間隔の少なくとも1回に於い
て溶媒除去工程を含むことを特徴とする細胞培養支持体
の製造法を、提供する。本発明は更に、そのような製造
法により製造された細胞培養支持体も提供する。
【0008】本発明の細胞培養支持体に於いて基材表面
は、水に対する臨界溶解温度0〜80℃のポリマーによ
り被覆される。そのようなポリマーとしては、例えば特
開平2−211865号公報に記載されたものが挙げら
れ、これを参照によりここに全て導入しその開示とす
る。尚 「臨界溶解温度」とは、2層分離している2種の
物質が或る温度になると互いに完全溶解し均一層となる
その温度のことを言う。特に、温度を上げて完全溶解に
達する場合の温度を「上限臨界溶解温度」、温度を下げて
完全溶解する場合の温度を「下限臨界溶解温度」と言うこ
とがある。上記ポリマーの水に対する臨界溶解温度は、
0〜80℃、好ましくは0〜50℃である。臨界溶解温
度が80℃を越えると細胞が死滅する可能性があるので
好ましくない。また臨界溶解温度が0℃より低いと、一
般に細胞増殖速度が極度に低下するか、または細胞が死
滅してしまうため好ましくない。
【0009】上記ポリマーは、例えば単独重合体の臨界
溶解温度が0〜80℃であるようなモノマーの単独若し
くは共重合により調製される。そのようなモノマーの具
体例としては例えば、(メタ)アクリルアミド化合物、N
−(若しくはN,N−ジ)アルキル置換(メタ)アクリルア
ミド誘導体、環状基を有する(メタ)アクリルアミド誘導
体、及びビニルエーテル誘導体等が挙げられ、これらの
1種以上を使用してよい。又、増殖細胞の種類によって
臨界溶解温度を調節する必要がある場合や、被覆物質と
細胞培養支持体との相互作用を高める必要が生じた場合
や、細胞支持体の親水・疎水性のバランスを調整する必
要がある場合などは、上記以外の他のモノマー類を更に
加えて共重合してよい。更に、本発明に使用する上記ポ
リマーとその他のポリマーとのグラフトまたはブロック
共重合体、あるいは本発明のポリマーと他のポリマーと
の混合物を用いてもよい。また、ポリマー本来の性質が
損なわれない範囲で架橋することも可能である。
【0010】上記ポリマーの調製は、上記モノマーと適
当な溶媒とを含む溶液を基材上に塗布し、その後2回以
上の電子線照射によりこのモノマーを重合さすことによ
り行われる。上記適当な溶媒としてはモノマーを溶解す
るものであれば特に限定されるものではないが、常圧下
に於いて沸点120℃以下、特に60〜110℃のもの
が好ましい。沸点が高すぎると電子線エネルギーの重合
効率が低下する。好ましい溶媒としては、具体的にはメ
タノール、エタノール、n(若しくはi)−プロパノー
ル、2(若しくはn)−ブタノール、及び水等が挙げら
れ、それらの1種以上使用してよい。その他の溶媒、例
えば1−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、
2−ブトキシエタノール、及びエチレン(若しくはジエ
チレン)グリコール又はそのモノエチルエーテル、等も
1種以上使用してよい。上記溶液にはその他添加剤とし
て、硫酸等で代表される酸類、モール塩等を配合してよ
い。上記溶液のモノマー濃度は特に限定されないが、最
終的に得られる細胞培養支持体の性能面と、基材上への
上記溶液の塗布性を考慮すると、例えば20〜70wt%
が好ましい。
【0011】上記溶液が塗布される基材の材質は、通常
細胞培養に用いられるガラス、改質ガラス、ポリスチレ
ン、ポリメチルメタクリレート等の高分子化合物、等が
挙げられる。これらの基材は、表面親水化処理(例えば
オゾン処理、プラズマ処理、スパッタリング処理等)が
施されていてよい。上記溶液の基材への塗布量は操作
上、支障が生じなければ何ら制限されるものではない。
上記溶液の基材への塗布法としては公知のいずれの方法
でもよく、例えばスピンコーター若しくはバーコーター
等による塗布法、噴霧塗布法等が挙げられる。
【0012】前記モノマーの溶媒溶液を上記基材に塗布
後、電子線照射を2回以上行い、ポリマー層を得る。電
子線総照射量は、5〜40Mrad、特に10〜35Mradが
好ましい。照射量が5Mrad未満だと、細胞の剥離回収性
が十分得られない。逆に40Mradを超過すると、基材が
変色や亀裂等の劣化を起こす。更に上記電子線総照射量
の内、後述の溶媒除去工程後に於ける電子線総照射量は
5Mrad以上、特に10Mrad以上であるのが好ましい。溶
媒除去工程後の電子線総照射量が5Mrad未満だと細胞の
剥離回収性が十分得られない。尚、電子線照射量は次
式; 電子線照射量(Mrad)= f×電子流(mA)/ラインスピード(m/min) [式中、fは電子線照射装置に固有のスカラー値であ
る。]によって求められる。その他電子線照射条件とし
ては、電子線発生部の真空度5×10-4Torr以下、電子
線加速電圧150〜600kV、照射部の酸素濃度200
0ppm以下、が好ましい。
【0013】本発明に於いては、上記複数回行う電子線
照射に於いて、電子線照射の間隔の少なくとも1つに於
いて溶媒除去工程を含むことを特徴とする。溶媒除去工
程は、例えば全ての電子線照射の間隔に於いて実施して
もよいし、或る1つの電子線照射の間隔に於いてのみ実
施してもよく、その回数は限定されない。溶媒除去は、
基材上の残存溶媒量が5×10-3ml/cm2以下、特に4
×10-3ml/cm2以下となる迄、行うのが好ましい。残
存溶媒量が5×10-3ml/cm2を超過すると、凹凸の無
い平滑なポリマー層が得られない。溶媒除去法としては
当業者に周知の方法、例えば恒温恒湿槽内に於ける放置
乾燥、窒素気流下での乾燥、真空乾燥、残存モノマーの
重合に影響しない範囲内での加熱乾燥等であってよい。
【0014】その後、通常の後処理、即ち洗浄、乾燥、
滅菌等を行って本発明の細胞培養支持体を得る。洗浄
は、例えば基材上に被覆されたポリマーを膨潤させるに
十分な温度の脱イオン水を用いて行ってよく、又超音波
をかけながら行ってもよい。
【0015】上記のようにして得られた本発明の細胞培
養支持体による細胞の培養は、ポリマーの上限臨界温度
以下又は下限臨界温度以上の培養温度で行われる。所定
の培養期間終了後、培養細胞を支持体から剥離回収する
には、周囲温度をポリマーの上限臨界温度以上又は下限
臨界温度以下に調節するだけでよく、培養液中でも又そ
の他の等張液中でも実施可能である。
【0016】
【作用】前述のように本発明の細胞培養支持体の製造法
に於いては、モノマーを溶解している溶媒を或る程度除
去した後に電子線照射される。そのため、電子線照射の
際の溶媒の瞬間的な蒸発若しくは突沸を全く若しくは殆
ど抑え、その結果基材上の溶液層の厚さが均一となり、
溶液の被覆むらの発生が防がれる。従って本発明の製造
法に於いては歩留りが高く、そのようにして得られる細
胞培養支持体は支持体表面(即ちポリマー層)に凹凸が殆
ど無い。従って本発明の細胞培養支持体は、培養細胞が
表面の凹凸に隠れて観察しにくいということがない。
【0017】
【発明の効果】本発明の細胞培養支持体は、トリプシン
やEDTAのような蛋白分解酵素や化学薬品等による処
理を経ずに、周囲温度を変化させるだけで細胞培養支持
体から培養細胞を剥離・回収することができるので、
処理工程が簡略化される、不純物等の混入の可能性が
完全になくなる、化学的処理等による細胞膜の損傷が
なく細胞本来の機能が損なわれない、剥離した細胞が
集合状態を保持している、細胞の培養・回収を繰返し
行なう事が出来る等の有利な点を持つ。更に、本発明の
細胞培養支持体は支持体表面が平滑であり凹凸が無く、
従って顕微鏡下での細胞像に凹凸像が重なることが無
く、培養細胞の顕微鏡による観察が容易に且つ明解に行
われる。又、本発明の細胞培養支持体の製造法に於いて
は、製品の品質が安定し、歩留りも良好となる上に細胞
の種類に応じて最適な従モノマー種/配合量を選択する
ことも可能となる。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例により、より具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。
【0019】実施例1、2、3、4 基材として、ベクトン・ディキンソン・ラブウェア(Be
cton Dickinson Labware)社製ファルコン(FALC
ON)3002ペトリディッシュを用い、培養細胞とし
て、ウシ大動脈血管内皮細胞を採用した。
【0020】ペトリディッシュ基材表面への被覆を行な
う前に、まず、イソプロピルアルコールを用いて、ペト
リディッシュ表面を洗浄した。窒素気流下で十分に乾燥
した後、あらかじめ表−1に示す各濃度に調製したN−
イソプロピルアクリルアミドのイソプロピルアルコール
溶液の表−1に示す各量を各々ペトリディッシュ上に塗
布し、水平な台の上に静置させ、均一に展開させた。こ
のものに対し、それぞれ表−1に示す線量で2回に分割
して電子線を照射した。その際、電子線発生部の真空度
は1×10-6Torr以下、電子線加速電圧は200K
V、照射部の酸素濃度は、1000ppm以下とした(以下
の各実施例、各比較例においても同様)。また、2段目
の電子線を照射する前に、恒温恒湿槽(温度25℃,湿度
60%)中で放置し、徐々に溶媒であるイソプロピルア
ルコールを除去した。残存溶媒量は、使用したファルコ
ン3002ペトリディッシュに対する重量変化より求め
た。結果を表−5に示す。電子線照射後、5℃のイオン
交換水を用いて、ペトリディッシュを洗浄し、残存モノ
マー及びペトリディッシュ表面に結合していないコポリ
マーもしくはホモポリマーを取り除いた。クリーンベン
チ内で乾燥させ、さらにエチレンオキサイド(EO)ガス
滅菌を行ない、さらに十分に脱気を行なうことより、最
終的な製品である細胞培養支持体材料を得た。
【0021】このものの被覆面の平滑性を光学顕微鏡下
で表面に凹凸の有無を調べることにより検討した。結果
を表−5に示す。
【0022】ウシ大動脈血管内皮細胞の培養は、得られ
た細胞培養支持体材料上にて、ウシ胎児血清(FCS)を
10%含むダルベッコー改変イーグル培地(DMEM)を
培養として、5%二酸化炭素中、37℃で行なった。十
分に細胞が増殖したのを確認した後、培養液を5℃に冷
却し、30分間放置して、付着/増殖細胞を剥離させ、
増殖細胞剥離回収率を下式に従って求めた。結果を表−
5に示す。
【0023】 増殖細胞剥離回収率(%)= 100×剥離回収した細胞総数/増殖させた細胞総数
【0024】その際、剥離回収した細胞総数および、増
殖させた細胞総数を計測するためには、細胞を個々の状
態にしなければならない。従って、剥離回収した細胞総
数は、5℃に冷却、放置した後、回収した細胞塊に対
し、トリプシン−EDTA処理を行ない細胞を個々の状
態にして行なった。また増殖させた細胞総数は、上記方
法で剥離回収した細胞総数に、5℃に冷却、放置しても
剥離しなかった細胞をトリプシン−EDTA処理にて、
個々の状態に剥離させた細胞総数を加え合わせることに
より求めた。
【0025】
【表1】
【0026】実施例5、6 ファルコン3002ペトリディッシュを用いて、電子線
照射方法を照射総線量を変えずに表−2の各条件とする
点以外は、実施例2と同様にして、細胞培養支持体材料
を得た。溶媒除去の操作は、実施例1,2,3,4と同様
な方法で、3段目の電子線照射前に行なった。残存溶媒
量、及び、被覆面の平滑性を実施例1、2、3、4と同
様に検討した結果を表−5に示す。その支持体上で実施
例1、2、3、4と同様にウシ大動脈血管内皮細胞を培
養し、これを剥離回収して、増殖細胞剥離回収率を求め
た。結果を表−5に示す。
【0027】
【表2】
【0028】実施例7、8、9 ファルコン3002ペトリディッシュを用いて、電子線
照射方法を表−3の各条件とする点以外は、実施例3と
同様にして、細胞培養支持体材料を得た。溶媒除去の操
作は、実施例1、2、3、4と同様な方法で、2段目の
電子線照射前に行なった。残存溶媒量、及び、被覆面の
平滑性を実施例1、2、3、4と同様に検討した結果を
表−5に示す。その支持体上で実施例1、2、3、4と
同様にウシ大動脈血管内皮細胞を培養し、これを剥離回
収して、増殖細胞剥離回収率を求めた。結果を表−5に
示す。
【0029】
【表3】
【0030】実施例10、11 ファルコン3002ペトリディッシュを用いて、N−イ
ソプロピルアクリルアミドの代わりに、N−エトキシエ
チルアクリルアミド(実施例10)、N−n−プロピルメ
タクリルアミド(実施例11)を使用する点以外は、実施
例3と同様にして、細胞培養支持体材料を得た。溶媒除
去の操作は、実施例1、2、3、4と同様な方法で、2
段目の電子線照射前に行なった。残存溶媒量、及び、被
覆面の平滑性を実施例1、2、3、4と同様に検討した
結果を表−5に示す。その支持体上で、実施例1、2、
3、4と同様に、ウシ大動脈血管内皮細胞を培養し、こ
れを剥離回収して、増殖細胞剥離回収率を求めた。結果
を表−5に示す。
【0031】比較例1 基材としてベクトン・ディキンソン・ラブアェア社製フ
ァルコン3002ペトリディッシュを用いてここでは、
N−イソプロピルアクリルアミドを使用せずに、実施例
2と同じ条件で電子線を照射し、そのものを細胞培養支
持体材料として用いた以外は、実施例1、2、3、4と
同様な実験を行なった。結果を表−5に示す。
【0032】比較例2、3 基材として、ファルコン3002ペトリディッシュを用
いて表−4に示す各条件を細胞培養支持体材料を調整す
る以外は、実施例1,2,3,4と同様な実験を行なっ
た。結果を表−5に示す。
【0033】
【表4】
【0034】
【表5】
【0035】実施例1、2、3、4の結果より、電子線
処理工程中に、溶媒除去工程を設け、ペトリディッシュ
上のモノマー溶液中の溶媒残量を基材表面に対し、0〜
5×10-3ml/cm2とし、かつ、それ以後に、5Mrad以
上の電子線が照射されることで、表−5に示すように顕
微鏡レベルで平滑な被覆面を有する細胞培養支持体材料
が得られ、また、その材料を使用することで培養した細
胞は90%以上の高収率で剥離、回収することが可能で
あることが分かった。このことは、実施例5,6で示さ
れるように、電子線総線量を変えずに、照射回数を変え
た場合、実施例7、8、9で示されるように、本発明で
の電子線総線量の範囲内で照射線量を変えた場合、さら
に、実施例10、11で示すように、使用するモノマー
種を変えた場合においても同様の結果が得られることが
分かる。
【0036】一方、比較例1に示されるようにファルコ
ン3002ペトリディッシュそのものでは、増殖した細
胞を温度を低下させるだけで、剥離、回収することはで
きなかった。また、比較例2に示されるように、ペトリ
ディッシュ上のモノマー溶液中の溶媒残量が、基材表面
に対し、本発明での範囲以上である場合では、培養した
細胞を低温処理することで剥離、回収することは可能で
あるものの材料の被覆面は凹凸が存在し、本発明を十分
に、満足しないことが分かる。さらに、比較例3に示さ
れるようにペトリディッシュ上の溶媒残量は本発明の範
囲内であるが、それ以後に、5Mrad以下の電子線のみ
照射した場合には、ペトリディッシュ上の被覆量が不十
分で、培養した細胞を低温処理することで、剥離、回収
することはできなかった。
【0037】実施例12 実施例3で得られた剥離細胞の損傷度合を確認するた
め、これを遠心分離(600G、5分)により回収し、得
られた2×105個の細胞をペクトン・ディキンソン・
ラブウェア社製 ファルコン3002 ペトリディッシ
ュ上で再び培養させた。細胞の培養は実施例1、2、
3、4と同様の方法を採用した。結果を表−6に示す。
【0038】実施例13 実施例8で得られた剥離細胞の損傷度合を確認するた
め、これを遠心分離(600G、5分)により回収し、得
られた2×105個の細胞をペクトン・ディキンソン・
ラブウェア社製 ファルコン3002 ペトリディッシ
ュ上で再び培養させた。細胞の培養は実施例1、2、
3、4と同様の方法を採用した。結果を表−6に示す。
【0039】比較例4 比較例1で培養した付着細胞を0.05%トリプシン−
0.02%EDTA処理し、剥離させた細胞の損傷度合
を確認するため、これを遠心分離(600G、5分)する
ことにより回収し、得られた2×105個の細胞をペク
トン・ディキンソン・ラブウェア社製 ファルコン30
02 ペトリディッシュ上で再び培養させた。細胞の培
養は実施例1、2、3、4と同様の方法を採用した。結
果を表−6に示す。
【0040】
【表6】
【0041】実施例12、13と比較例4の結果から、
剥離回収細胞の損傷度合については、表−6に示すよう
に、実施例12,13では培養開始時の10倍まで再増
殖させることが可能であるが、比較例4では5倍までし
か再増殖させることができなかった。このことは、本発
明の剥離回収細胞は従来のそれよりも損傷度が小さいこ
とを意味する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 浩一 和歌山県和歌山市園部1030の15 (72)発明者 岡野 光夫 千葉県市川市国府台6−12−12 (72)発明者 山田 則子 東京都板橋区前野町6−10 前野町ハイツ 1−601 (72)発明者 桜井 靖久 東京都杉並区永福3−17−6

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水に対する臨界溶解温度が0〜80℃の
    ポリマーを与えるモノマー及び溶媒を含有する溶液を基
    材上に塗布し、電子線照射を2回以上行い且つそれらの
    電子線照射の間隔の少なくとも1回に於いて溶媒除去工
    程を含むことを特徴とする細胞培養支持体の製造法。
  2. 【請求項2】 溶媒除去工程後に基材上の残存溶媒量が
    5×10-3ml/cm2以下であり、溶媒除去工程後の電子
    線総照射量が5Mrad以上であることを特徴とする請求項
    1記載の製造法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の製造法により製造
    される細胞培養支持体。
JP4009092A 1992-01-22 1992-01-22 細胞培養支持体及びその製造法 Pending JPH05192130A (ja)

Priority Applications (1)

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JP4009092A JPH05192130A (ja) 1992-01-22 1992-01-22 細胞培養支持体及びその製造法

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JP4009092A JPH05192130A (ja) 1992-01-22 1992-01-22 細胞培養支持体及びその製造法

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