JPH0494679A - 細胞培養支持体材料 - Google Patents

細胞培養支持体材料

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JPH0494679A
JPH0494679A JP2210885A JP21088590A JPH0494679A JP H0494679 A JPH0494679 A JP H0494679A JP 2210885 A JP2210885 A JP 2210885A JP 21088590 A JP21088590 A JP 21088590A JP H0494679 A JPH0494679 A JP H0494679A
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JP
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cells
cell
cell culture
isopropylacrylamide
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JP2210885A
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English (en)
Inventor
Mitsuo Okano
光夫 岡野
Noriko Yamada
山田 則子
Yasuhisa Sakurai
靖久 桜井
Hideaki Sakai
秀昭 坂井
Koichi Nakamura
浩一 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TOKYO JIYOSHI IKA UNIV
Kao Corp
Original Assignee
TOKYO JIYOSHI IKA UNIV
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、生化学、医学および免疫学等における細胞類
の培養用支持体材料に関するものである。
(従来の技術) 従来、細胞培養は、ガラス表面上あるいは種々の処理を
行った合成高分子材料の表面上にて行われていた。例え
ば、ポリスチレンを材料とする表面処理(例えば、γ線
照射、シリコンコーティング等)を行った種々の容器が
細胞培養用容器として普及している。従来、このような
細胞培養用容器を用いて培養・増殖した細胞は、トリプ
シンのような蛋白分解酵素や化学薬品により処理するこ
とで容器表面から剥離・回収されていた。しかしながら
、上述のような処理を施して増殖した細胞を回収する場
合、■処理工程が煩雑になり、不純物混入の可能性が多
くなること、■増殖した細胞が上記処理により変性し、
細胞本来の機能が損なわれる例があること、等の欠点が
指摘されている。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、上記のような問題を解決するためになされた
ものであり、トリプシン、EDTAのような蛋白分解酵
素や化学薬品による処理を施さずに、環境温度を変化さ
せることで、培養・増殖させた細胞を支持体表面から剥
離・回収することが可能となるような細胞培養に使用す
る材料を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本研究者らは、以上のような点に鑑み、鋭意研究を重ね
た結果、細胞支持体表面を特定の水溶性高分子、即ち、
臨界溶解温度(水にある物質を混合するとき、ある温度
では部分的にしか溶けないため2層に分離しているが、
温度を上げるかまたは下げて、ある一定の温度を過ぎる
と完全に溶解して1層になることがある。温度を上げて
完全溶解に達する場合の温度を上@臨界溶解温度、温度
を下げて完全に溶解する場合の温度を下限臨界溶解温度
という。)を示すようなポリマーにより処理することに
より、細胞培養終了後、温度を変化させるだけで増殖細
胞を回収することが可能であり、しかもこの現象は細胞
を培養した培養液中においても可能であることを見い出
した。さらにその剥離した細胞は集合状態を保持、して
いることも見い出した。
即ち、本発明は細胞付着性基材表面上Iこ、水に対する
臨界溶解温度が0〜80℃の範囲にあるホモポリマーも
しくはコポリマーを被覆してなり、その総被覆率が5〜
90%である細胞培養支持体材料を提供するものである
水に対する臨界溶解温度は、通常、水(イオン交換水ま
たは蒸留水)との溶解相図を作成して求める。水との溶
解相図は臨界溶解温度を求めるポリマーの種々の濃度(
重量分率、容積分率、モル分率、モル比等いずれの単位
を用いても構わない。)の水溶液を調製し、各々の温度
を上下させ、■目視により2相分離を確認する方法の他
、■臨界タンパク光の観測による方法、■散乱光強度の
観測による方法、■透過光レーザー光の観測による方法
、等一般に知られている方法のいずれかを用いて、また
、組み合わせて用いて作成される。
被覆に用いられる物質は水溶液中で臨界溶解温度を有す
る化合物であればすべて用いることができるが、好まし
くは0〜80℃、より好ましくは0〜50℃の臨界溶解
温度を有するものである。
臨界溶解温度が80’Oを越えると細胞が死゛滅する可
能性があるので好ましくない。また、臨界溶解温度がO
′Cより低いと一般に細胞増殖速度が極度に低下するか
、または細胞が死滅してしまうため好ましくない。
本発明に用いるホモポリマーまたはコポリマーは、以下
の七ツマ−の重合または共重合により得られる。使用し
得る七ツマ−は、これらの化合物に限定されるものでは
ないが、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミドな
どの(メタ)アクリルアミド化合物、N−エチルアクリ
ルアミド(単独重合体の下限臨界溶解温度72℃)、N
−n−プロピルアクリルアミド(同21’C)、N−n
−プロピルメタクリルアミド(同27℃)、N−イソプ
ロピルアクリルアミド(同32℃)、N−イソプロピル
アクリルアミド(同43℃)、N−シクログロピルアク
リルアミド(同45°O)、N−シクロプロピルメタク
リルアミド(同60℃り、N−二トキシエチルアクリル
アミド(同約35℃)、N−エトキシエチルメタクリル
アミド(同約45℃)、N−テトラヒドロフルフリルア
クリルアミド(同約28℃)、N−テトラヒドロフルフ
リルメタクリルアミド(同約35℃)等のN−アルキル
置換(メタ)アクリルアミド誘導体、N、N−ジメチル
(メタ)アクリルアミド、N−エチル−N−メチルアク
リルアミド(単独重合体の下限臨界溶解温度56℃)、
N、Nジエチルアクリルアミド(同32℃)等のN、N
ジアルキル置換(メタ)アクリルアミド誘導体、さらに
、N−アクリロイルピロリジン(単独重合体の下限臨界
溶解温度56℃)、N−アクリロイルピペリジン(同約
6℃)等を代表とする1−(1オキソ−2−プロペニル
)−ピロリジン類、1(l−オキソ−2−プロペニル)
−ピペリジン類、4−(1−オキソ−2−プロペニル)
−七ルホリン、1−(1−オキソ−2−メチル−2−プ
ロペニル)−ピロリジン、1−(I−オキソ−2−メチ
ル−2−プロペニル)−ピペリジン、4−(1−オキソ
2−メチル−2−プロペニル)−七ルホリン等の環状基
を有する(メタ)アクリルアミド誘導体、メチルビニル
エーテル(単独重合体の下限臨界溶解温度35℃)等の
ビニルエーテル誘導体等である。また、増殖細胞の種類
によって臨界溶解温度を調節する必要がある場合や、被
覆物質と細胞培養支持体との相互作用を高める必要が生
じた場合や、細胞支持体の親木、疎水性のバランスを調
整する場合などに、上記以外の七ツマー類との共重合体
、ポリマー同士のグラフトまたはブロック共重合体、あ
るいはホモポリマー、コポリマーの混合物を用いてもよ
い。また、ポリマー本来の性質が損なわれない範囲で架
橋することも可能である。
被覆を施される細胞付着性基材は細胞が付着する材質な
らばいずれでも良く、その材質としては通常細胞培養に
用いられるガラス、改質ガラス、ポリスチレン、ポリメ
チルメタクリレート等の高分子化合物、あるいはセラミ
ックス、金属等が挙げられる。その際、基材表面はオゾ
ン処理、プラズマ処理、スパッタリング等の処理技術を
用いて親水化を施されたものでも良い。形状は、ペトリ
ディッシュに限定されることはなく、プレート、ファイ
バー、(多孔質)粒子、また、一般に細胞培養等に用い
られる容器の形状(フラスコ等)を付与されていても構
わない。
本発明においては、このような細胞付着性基材表面上に
、上記0〜80℃の臨界溶解温度を有するホモポリマー
もしくはコポリマーを被覆するが、その被覆とは基材表
面を上部から観察して、被覆されている部分の総面積が
付着性基材表面総面積の5〜90%に相当するものであ
り、細胞の剥離性を考えると10〜70%が好ましい。
被覆部分を上部から観察して、その形態は何ら限定され
るものではないが、例えば、ラインとスペースからなる
パターン、水玉模様状のパターン、格子状のパターン、
その他特殊な形のパターン、あるいはこれらが混ざって
いる状態等の微細なパターンが好ましい。また、その被
覆部の大きさ、さらに横から見た形は何ら限定されるも
のではない。さらに、その被覆部分と非被覆部分の配置
は規則的であっても、不規則的であっても良いが、その
2者は微細に分散されていることが好ましい。
被覆率は、X線光電子分光法(XPS)による元素分析
、被覆部もしくは非被覆部への染料や蛍光物質の染色に
よる分析、さらに接触角測定等による表面分析を単独あ
るいは併用して求めることができる。
細胞付着性基材への被覆方法は、細胞付着性基材と上記
被覆物質を■化学的な反応によって結合させる方法、■
物理的な相互作用を利用する方法、を単独でまたは併用
して行うことかできる。被覆時に七ツマ−を用いて重合
させる場合、そのモノマーは気体、液体、固体いずれの
状態でも阜い。
また、ホモポリマー又はコポリマーを用いて被覆する場
合、そのポリマーは、液体、固体状態のいずれの状態で
も良い。これらのものを■化学的な反応によって結合さ
せる場合、電子線照射(EB)、γ線照射、紫外線照射
、プラズマ処理、コロナ処理、さらに細胞付着性基材と
被覆材料が適当な反応性官能基を有する場合は、ラジカ
ル反応、アニオン反応、カチオン反応等の一般に用いら
れる有機反応を用いることができる。■物理的な相互作
用による方法としては、被覆材料自身または細胞付着性
基材との相溶性の良いマトリックス(例えば細胞付着性
基材を形成するキモツマ−1またはこれと相溶性の良い
モノマーと被覆材料とのグラフトポリマー、ブロックポ
リマー等)を媒体とし、塗布、混練等の物理的吸着を用
いる方法等があるがこれらに限られるわけではない。
本発明での微細に被覆する方法とは、例えば、■被覆時
にマスクとなるものを置き非被覆部を設ける方法、■被
覆物質を噴霧し部分的に被覆部を作成する方法、あるい
は、■被覆物質をあらかじめ溶媒中に分散、あるいは乳
化させ、これを塗布することで部分的に被覆部を作成す
る方法、■被覆物質をあらかじめ溶液状態にしておき、
被覆時に溶媒の蒸発速度と重合速度をコントロールして
部分的な被覆部を作成する方法、■被覆物質を細胞付着
性基材上に部分的に結晶化させ、その結晶部を化学的な
反応によって結合させ、部分的な被覆部を作成する方法
、■被覆時に走査型電子ビム等で代表されるような走査
型機器を利用し部分的な被覆部を作成する方法、さらに
、■被覆後に超音波等により洗浄し部分的な被覆部を作
成する方法、■被覆物質をオフセット印刷し、部分的に
被覆部を作成する方法、等を単独または併用する方法が
挙げられるが、本発明は細胞付着性基村上に被覆部と非
被覆部とが上記割合で存在していればその方法は何ら制
限されるものではない。
また、細胞支持体上にて培養した細胞を支持体から剥離
させ回収するには、上限臨界溶解温度以上もしくは下限
臨界溶解温度以下にするだけで良く、細胞を培養してい
た培養液においてもその他の等張渡においても可能であ
り、目的に合わせて選択することができる。
本発明の細胞培養支持体材料によれば、細胞増殖時には
、細胞は非被覆部である細胞付着性基村上に接着し、増
殖をする。細胞剥離時には、被覆部である臨界溶解温度
が0〜80℃の範囲にあるホモポリマーもしくはコポリ
マーにおいて水分子の占める体積分率が上昇するため細
胞は剥離することになる。
本発明の作用をポリ−N−イソプロピルアクリルアミド
を例にとって説明する。ポリ−N−イソプロピルアクリ
ルアミドは水溶液中で約32℃に下限臨界溶解温度を有
することが知られている。
例えば、一般に細胞培養用ペトリディッシュ材料として
用いられるポリスチレン上でN−イソプロピルアクリル
アミドを電子線照射(EB)により重合を行うと、下限
臨界溶解温度である32℃以上ではポリ−N−イソプロ
ピルアクリルアミドの占有体積は小さくなり、ポリマー
中の水分子を排除するため、支持体表面は疎水性を示し
、逆に320C以下ではポリ−N−イソプロピルアクリ
ルアミドの占有体積は大きくなるのでポリマー中の水分
子の占める体積分率が上昇するため、支持体表面は親水
性を示すようになる。
通常の細胞培養では、トリプシン、EDTA等の蛋白分
解酵素、化学薬品で処理することにより培養・増殖後の
細胞を支持体表面から剥離・回収するが、上述したよう
な物性を有するポリ−N−イソプロピルアクリルアミド
を表面コーティングされた支持体では、温度を制御する
ことにより支持体表面の親木・疎水性がコントロールで
き細胞の細胞支持体への接着性が変化する。そのため、
温度を変化させるだけで培養・増殖後の細胞を破壊する
ことなく細胞支持体から容易に剥離、回収することが可
能である。
この方法によれば、トリプシン、EDTAのような蛋白
分解酵素、化学薬品による処理を経ずに細胞培養支持体
から培養した細胞を剥離・回収することができるので、
■処理工程が簡略化される、■不純物等の混入の可能性
が完全になくなる、■増殖した細胞が化学的処理により
細胞膜が障害され細胞本来の機能が損なわれることがな
い、■剥離した細胞が集合状態を保持している等の顕著
な特徴を獲得することが可能である。
(実施例) 以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれ
ら実施例に限定されるものではない。
実施例1,2.3.4 細胞培養支持体基材として、ベクトン・デイキンラン0
ラブウエア(Becton Dickinson La
bware)社製ファルコン(FALCON)3002
ペトリデイツシユを用い、培養する細胞としては、ウシ
大動脈血管内皮細胞を採用した。N−イソプロピルアク
リルアミド(七ツマ−又はポリマー)を表−1に示す濃
度で、イソプロピルアルコールに溶解して、ペトリディ
ッシュに0.35m(l添加後、各々表=1に示すマス
ク(ステンレス製網)を用い、電子線を照射することに
より、ペトリディッシュ表面にポリ−N−インプロピル
アクリルアミドを微細なパターンとして被覆した。電子
線照射終了後、イオン交換水によりペトリディッシュを
洗浄し、残存上ツマ−およびペトリディッシュ表面に結
合していないポリ−N−イソプロピルアクリルアミドを
取り除き、クリーンベンチ内で乾燥して、細胞培養支持
体を得た。
得られた細胞培養支持体表面上の被覆率は、X線光電子
分光法(XPS)を用い、入射角30度の分析値より下
式に従って求めた。得られた結果を表−2に示す。
また、得られた細胞培養支持体材料は、細胞培養前にエ
チレンオキサイドガスで滅菌し、十分に脱気した。
ウシ大動脈血管内皮細胞の培養は、得られた細胞支持体
上にて、ウシ胎児血清(Fe2)を10%含むダルベツ
コ−改変イーグル培地(DMEM)を培地として、5%
二酸化炭素中、37℃で行った。
十分、細胞が増殖したのを確認後、5℃に冷却し、放置
して、付着培養細胞を剥離させ、増殖細胞剥離回収率を
下式に従って求めた。結果を表−2に示す。
総数 実施例5.6 被覆物質としてN−イソプロピルアクリルアミドの代わ
りに、N、N−ジエチルアクリルアミドを使用する点以
外は、実施例1.2と同様にして、細胞培養支持体を得
、被覆率を求め、さらに、細胞培養し、これを剥離、回
収し、増殖細胞剥離回収率を求めた。結果を表−2に示
す。
比較例1 細胞培養支持体として、ベクトン・ディキンソン・ラブ
ウェア社製ファルコン3002 ベトリゾイソシュを用
い、表面処理を全く行わずに、実施例と同様の実験を行
った。結果を表−2に示す。
比較例2 細胞培養支持体として、細胞付着性のないベクトン・デ
ィキンソン・ラブウェア社製、一般細菌用フアルコン1
007 ペトリディッシュヲ用′い、表面処理を全く行
わずに、実施例と同様の実験を行った。結果を表−2に
示す。
比較例3.4 細胞培養用支持体として、細胞付着性のないベクトン・
ディキンソン・ラブウェア社製、一般細菌用フアルコン
l 007  ベトリゾイソシュを用い、実施例1,2
と同様にして、細胞培養支持体を得、被覆率を求め、さ
らに、細胞培養し、これを剥離、回収し、増殖細胞剥離
回収率を求めた。
結果を表−2に示す。
比較例5 細胞培養用支持体として、ベクトン・ディキンソン・ラ
ブウェア社製 ファルコン3002 ベトリゾイソシュ
を用い、被覆物質として、N−イソプロピルアクリルア
ミドさらに、架橋剤として、N、N−メチレンビスアク
リルアミド(対N−イソプロピルアクリルアミドQ、5
wt%)を用い、マスクを用いずに電子線を照射するこ
とにより支持体表面全体にポリマーを被覆し、細胞支持
体を得、被覆率を求め、さらに、細胞培養し、これを剥
離、回収し、増殖細胞剥離回収率を求めた。結果を表=
2に示す。
表−1 表−2 表−3 なお、実施例、比較例とも支持体の親・疎水性をmべる
ために、フェース(FACE)接触角計(CA −D型
)[協和界面科学株式会社製]および付属品として、三
態系測定装置を用い液滴法で接触角を測定した。結果を
表−3に示す。
以上の実施例および比較例の結果より、細胞付着性基材
表面上にN−イソプロピルアクリルアミドまたはN、N
−ジエチルアクリルアミドで表面、処理を行った実施例
1.2.3.4.5.6では、表−3に示されるように
、支持体材料周囲の温度を37℃から5℃に下げること
で接触角が減少しており、これは、微細なパターンとし
て被覆されたポリN−イソプロピルアクリルアミドまた
はポリN、N−ジエチルアクリルアミドにより、支持体
材料表面が疎水性から親水性へと変化していることを示
している。このような材料を使用した実施例1.2.3
.4.5.6の場合、表−2に示されるように、温度を
低下させると、付着細胞は、培養支持体から良好に剥離
し、回収することが可能であった。
一方、比較例1のように、細胞付着性基材上に表面処理
を施さない場合は、表−3jこ示されるように、周りの
温度を下げても接触角はほとんど変化せず、支持体材料
表面は疎水性のままであった。
この支持体材料では、表−2に示されるように、温度を
低下させても付着細胞の剥離現象は観察されなかった。
また、比較例2のように、細胞付着性の認められない基
材を用いた場合、表−2に示すように、細胞は付着/増
殖ともに認められず、また、この表面に比較例3.4の
ように、実施例1.2と同様にポリマーを被覆しても、
細胞の付着は認められなかった。
さらに、比較例5のように、細胞付着性基材表面全体に
、ポリマーを被覆した場合においても、表−2で示す通
り、細胞は付着しなかった。
実施例7 細胞培養支持体基材として、ベクトン・ディキンソン・
ラブウェア社製 ファルコン3002ペトリディッシュ
を用い、その表面に、N−イソプロピルアクリルアミド
3Qwt%イソプロピルアルコール溶液を0.1mΩ噴
霧後、20Mradの電子線を照射し、ベトリディッシ
ュ表面にポリ−Nイソプロピルアクリルアミドを微細な
パターンとして被覆した。後の操作は、実施例L 2.
3.4.5.6と同様に細胞培養支持体を得、被覆率、
接触角を求め、さらに細胞を培養、これを剥離、回収し
て、増殖細胞剥離回収率を求めI;。結果を表−4に示
す。
実施例8 被覆物質として、N−イソプロビルアクリルアミドの代
わりに、N  n−プロピルアクリルアミドを使用する
点以外は、実施例7と同様に細胞支持体を得、被覆率、
接触角を求め、さらに細胞を培養し、これを剥離、回収
して増殖細胞剥離回収率を求めた。結果を表−4に示す
実施例9 細胞培養支持体基材として、ベクトン・ディキンソン・
ラブウェア社製 ファルコン3002ベトリディッシュ
を用い、その表面に、N−イソプロピルアクリルアミド
結晶微粉末10g(平均粒径IOμ)をヘキサン50g
中に分散させ、その懸濁液をペトリディッシュに0 、
1 m12添加後、15Mradの電子線を照射し、ペ
トリディッシュ表面にポリ−N−イソプロピルアクリル
アミドを微細なパターンとして被覆した。後の操作は、
実施例1.2.3.4.5.6と同様に細胞培養支持体
を得、被覆率、接触角を求め、さらに細胞を培養し、こ
れを剥離、回収して、増殖細胞剥離回収率を求めた。結
果を表−4に示す。
実施例10 被覆物質として、N−イソプロピルアクリルアミドの代
わりに、N−イソプロピルメタクリルアミドを使用する
点以外は、実施例9と同様に細胞支持体を得、被覆率、
接触角を求めた。次にこのものに対しては45℃で細胞
を培養し、以下は実施例9と同様にこれを剥離、回収し
て、増殖細胞剥離回収率を求めた。結果を表−4に示す
実施例11 細胞培養支持体基材として、ベクトン・ディキンソン・
ラブウェア社製 ファルコン3002ベトリゾイソシュ
を用い、その表面に、N−イソプロピルアクリルアミド
55wt%イソプロピルアルコール溶液を0.35m(
2添加後、25Mradの電子線を照射する。その際、
照射部付近の温度を40℃とし、さらにその部分へ窒素
ガスを毎時91R3導入した。イソプロピルアルコール
溶液は、照射中に突沸し、ペトリディッシュの表面は見
かけ上、ポリ−N−イソプロピルアクリルアミドが発泡
、乾燥した状態で得られた。その後、イオン交換水によ
り、洗浄し、残存モノマーおよびペトリディッシュ表面
に結合していないポリ−N−イソプロピルアクリルアミ
ドを取り除き、クリーンベンチ内で乾燥することにより
ポリ−N−イソプロピルアクリルアミドが微細なパター
ンとして被覆した細胞培養支持体を得た。後の操作は、
実施例1.2.3.4.5.6と同様に、被覆率、接触
角を求め、さらに細胞を培養し、これを剥離、回収して
、増殖細胞剥離回収率を求めた。結果を表−4に示す。
実施例12 被覆物質として、N−イソプロピルアクリルアミドの代
わりに、N−エトキシエチルアクリルアミドを使用する
点以外は、実施例11と同様に、細胞支持体を得、被覆
率、接触角を求め、さらに細胞を培養し、これを剥離、
回収して増殖細胞剥離回収率を求めた。結果を表−4に
示す。
実施例13 細胞培養支持体基材として、ベクトン・ディキンソン・
ラブウェア社製 ファルコン3002ペトリディッシュ
を用い、その表面に、N−イソプロピルアクリルアミド
50wt%イソプロピルアルコール溶液をO、l rt
rQ添加後、26℃クリーンベンチ内で40分間放置し
、溶解しているN−イソプロピルアクリルアミドを部分
的に結晶析出させた後、15Mradの電子線を照射し
、ペトリディッシュ表面にポリ−N−イソプロピルアク
リルアミドを微細なパターンとして被覆した。後の操作
12.3.4.5.6と同様にして、細胞培養支持体を
得、被覆率、接触角を求め、さらに細胞を培養し、これ
を剥離、回収して、増殖細胞剥離回収率を求めた。結果
を表−4に示す。
比較例6 クリーンベンチ内の放置時間を4時間とし、ペトリディ
ッシュ表面全体に、N−イソプロピルアクリルアミドを
結晶析出させる点以外は、実施例13と同様にして、ベ
トリディッシュ表面全体にポリ−N−イソプロピルアク
リルアミドが被覆された細胞培養支持体を得、被覆率、
接触角を求め、さらに細胞を培養し、これを剥離、回収
して、増殖を細胞剥離回収率を求めた。結果を表−4に
示す。
実施例14 細胞培養支持体基材として、ベクトン・デイキンソン・
ラブウェア社製 ファルコン3002ペトリディッシュ
を用い、その表面にN−イソプロピルアクリルアミド4
5wt%イソプロピルアルコール溶液を0.2mQ添加
後、20Mrad電子線を照射し、その後、イオン交換
水中で超音波洗浄を30分間行い、残存上ツマ−および
ペトリデイツシュ表面に結合していない、ポリ−N−イ
ソプロピルアクリルアミドを取り除き、クリーンベンチ
内で乾燥することにより、ポリ−N−イソプロピルアク
リルアミドが微細なパターンとして被覆した細胞培養支
持体を得た。後の操作は、実施例1.2.3.4.5.
6と同様に、被覆率、接触角を求め、さらに、細胞を培
養し、これを剥離、回収して、増殖細胞剥離回収率を求
めた。結果を表−4に示す。
実施例15 細胞培養支持体基材として、ベクトン・デイキンソン・
ラブウェア社製  ファルコン3002ペトリディッシ
ュを用い、その表面に、N−イソプロピルアクリルアミ
ド20wt%イソプロピルアルコール溶液をオフセット
印刷し、20 Mradの電子線を照射し、ペトリディ
ッシュ表面にポリ−N−イソプロピルアクリルアミドを
微細なパターンとして被覆した。後の操作は、実施例1
.2.3.4.5.6と同様に細胞培養支持体を得、被
覆率、接触角を求め、さらに、細胞を培養し、これを剥
離、回収して、増殖細胞剥離回収率を求めた。結果を表
−4に示す。
表−4 実施例7から15の結果より、ベトリデイツシュ表面上
に非被覆部として細胞付着性基材部分が微゛細なパター
ン状に存在していれば、増殖細胞剥離回収率は90%以
上の値が得られ、この現象を実現するt:めの方法は、
いずれの方法によっても可能であることが分かる。
また、比較例6においては、比較例5と同様、細胞付着
性基村上に被覆されているものの、ポリ−N−イソプロ
ピルアクリルアミドがペトリディッシュ表面上を95%
被覆しているため、細胞は付着せず増殖も認められなか
った。
実施例16 実施例1で得られた剥離細胞の損傷度合を確認するため
、これを遠心分離(600G、5分)により回収し、得
られた2X10’個の細胞をベクトンΦディキンソンO
ラブウェア社製 ファルコン3002 ペトリディッシ
ュ上で再び培養させた。
細胞の培養は実施例1と同様の方法を採用した。
結果を表−5に示す。
比較例7 比較例1で培養した付着細胞を0.05%トリプシン−
0,02%EDTA処理し、剥離させた細胞の損傷度合
を確認するため、これを遠心分離(600G15分)す
ることにより回収し、得られた2XlO’個の細胞をペ
クトン・デイキンソン・ラブウェア社製 ファルコン3
002 ペトリディッシュ上で再び培養させた。培養は
実施例1と同様の方法を採用した。結果を表−5に示す
表−5 実施例I6と比較例7の結果から、剥離回収細胞の損傷
度合については、表−5に示すように、実施例16では
培養開始時の10倍まで再増殖させることが可能である
が、比較例7では5倍までしか再増殖させることができ
なかった。このことは、本発明の剥離回収細胞は従来の
それよりも損傷度が小さいことを意味する。
(発明の効果) 本発明は、低温処理という簡便な操作で、不純物等を全
く混入させることなく、シかも、従来の方法と比較する
と細胞機能を十分に保持しながら、培養・回収の繰り返
し操作を行うことができる。
平成

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)細胞付着性基材表面上に、水に対する臨界溶解温
    度が0〜80℃の範囲にあるホモポリマーもしくはコポ
    リマーを被覆してなり、その総被覆率が5〜90%であ
    る細胞培養支持体材料。
  2. (2)細胞付着性基材表面上に、該ホモポリマーもしく
    はコポリマーが、規則的、或は不規則的な微細なパター
    ンとして被覆している請求記1載の細胞培養支持体材料
JP2210885A 1990-08-08 1990-08-08 細胞培養支持体材料 Pending JPH0494679A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009039138A (ja) * 2003-10-17 2009-02-26 Ikuo Morita 人工細胞組織の作成方法、及びそのための基材
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