JPH0518432Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、電子計算機やオフイスオートメーシ
ヨン機器等を設置する部屋の床面（浮床）を形成
する二重床構造における、床パネルの支持脚に関
する。

（従来の技術） 従来、この種二重床構造における床パネルの支
持脚として、貫通孔を開穿したパネル本体の裏面
に、その貫通孔と連通する螺子孔を備えたナツト
体を固定し、このナツト体に高さ調整ボルトを進
退自在に螺合せしめ、貫通孔からドライバー等の
工具を差し込んでその高さ調整ボルトを進退させ
ることにより床パネルのレベル出しを行なうもの
が知られている（例えば実開昭59−30450号公報、
実開昭58−171430号公報等）。

これらの先行技術は、外周に突条を備えた筒状
部をナツト体に連設し、その筒状部をパネル本体
の貫通孔に強制的に挿入することにより、前記突
条が貫通孔内周に圧接してナツト体を係止し、そ
の仮止め状態でナツト体をビス止めする（前者）、
ナツト体自体を構成する筒状部を貫通孔に圧入
し、その仮止め状態でナツト体をビス止めする
（後者）、といつた手段によりナツト体をパネル本
体に固定するようになつている。

また従来においては、床パネルのレベル出しを
行なつた後の高さ調整ボルトの緩みを阻止する為
に、前記ナツト体の下位に螺合せしめた緩止めナ
ツトを上昇させてナツト体に衝合せしめる緩止め
手段が、専ら採用されていた。

（考案が解決しようとする課題） しかし乍ら上記従来の支持脚によれば、筒状部
に設ける突条の外径或いは筒状部自体の外径が、
貫通孔の内径とほぼ同一か僅かに小径でなければ
ナツト体が係止されず、換言すれば突条或いは筒
状部の成形時において所定の精度を必要とし、ナ
ツト体の作製に手間がかかるばかりか、その分だ
けコストも高くつくといつた欠点があつた。

また、ナツト体の仮止めの際に、筒状部と貫通
孔を位置合わせしたうえで筒状部を強制的に挿入
し、さらにその後、ビス止め作業を行うので、取
付け作業が面倒である問題点を有していた。

さらに、高さ調整ボルトの緩止め専用のナツト
を別途用いるので、床パネルのレベル出し作業、
特に一旦レベル出しした後の再調整作業が面倒な
欠点を有していた。

本考案はこのような従来事情に鑑みてなされた
ものであり、その目的とするところは、ナツト体
のパネル本体への取付けを極めて簡単な作業で行
えると共に、高さ調整ボルトの緩止めを簡単・確
実に防止でき、しかも支持脚全体の構造・製作も
極めて簡単な二重床構造における床パネルの支持
脚を提供することにある。

（課題を解決する為の手段） 上記の目的を達成するために、本考案の支持脚
は、 貫通孔を開穿したパネル本体のコーナー裏面に
取付けるナツト装置と、そのナツト装置のナツト
体に進退自在に螺合せしめた高さ調整ボルトとか
らなり、 上記ナツト装置を、前記貫通孔と連通する通孔
を備えた四隅保護プレートと、前記通孔に螺子孔
を連通させて四隅保護プレート下面に固定するナ
ツト体とから形成し、 且つ前記四隅保護プレートにおける通孔をパネ
ル本体の貫通孔より小径に形成すると共に、該通
孔口縁にバーリング加工を施して四隅保護プレー
トから僅かに立上がる係止縁部を起設し、その係
止縁部を前記貫通孔下端に緩嵌して四隅保護プレ
ートをパネル本体裏面に接着固定し、 さらに上記ナツト装置のナツト体と、高さ調整
ボルトとの螺合部に硬化後の強度が20〜60Kgcmの
接着剤を充填したことを特徴とする。

（作用） 前述の構成によれば、予め接着剤を塗布した四
隅保護プレートの上面をパネル本体裏面の貫通孔
付近に押当て、且つその状態で四隅保護プレート
を僅かに摺り動かすだけで、四隅保護プレートに
おける通孔口縁の係止縁部がパネル本体の貫通孔
に緩嵌するをもつて同プレートの位置合わせが行
え、同時に、予め塗布した接着剤により同プレー
トがパネル本体裏面へ固定される。よつて、従来
品のようにナツト体の筒状部とパネル本体の貫通
孔とを位置合わせしながら、その貫通孔へ筒状部
を強制的に挿入し、その後ナツト体をビス止め固
定するものに比べ、その取付けを極めて容易な作
業で行い得る。

しかも、四隅保護プレートに開穿する通孔を貫
通孔より小径とることで、その通孔にバーリング
加工を施すだけの極めて簡単な構成で、前述の如
き作業で四隅保護プレートの位置合わせを行い得
る係止縁部が形成でき、そのプレートにナツト体
を固定すればナツト装置を構成できる。

さらに、ナツト装置のナツト体と高さ調整ボル
トとの螺合部に接着剤を充填するだけで高さ調整
ボルトの緩みを阻止でき、且つその接着剤の結合
力はドライバー等で高さ調整ボルトを強制的に回
動操作すれば解除できる程度なので、一旦設定し
た床パネルの再度のレベル出し作業も何等支障な
く行え、従来のような緩止めナツトが不要にな
る。

（実施例） 次に、本考案に係る床パネルの支持脚の一実施
例を図面に基づいて説明する。

パネル本体Ａは、モルタル、G.R.C等の無機質
材料或いはその他の所望材料で平面方形に形成
し、その四隅コーナーに貫通孔a₁を夫々開穿した
ものや、図示するようにモルタル、G.R.C等の無
機質材料からなる芯体A′の裏面に貫通孔a₁と連
通する小孔a₂′を有し且つ上面に喰込用突部a₂″を
散在状に突出させた金属板a₂を裏打ちしたもので
あり、このパネル本体Ａの貫通孔a₁には支持脚Ｂ
が夫々設けられている。

支持脚Ｂは、上記パネル本体Ａの裏面に固定し
たナツト装置b₁と、そのナツト装置b₁のナツト体
b₁−１に螺合して貫通孔a₁内を上下に進退してパ
ネル本体Ａのレベル出しを行なう高さ調整ボルト
b₂と、そのナツト装置b₁と高さ調整ボルトb₂との
螺合部b₂−１に充填する接着剤１と、で構成す
る。

接着剤１は、硬化後の強度を20〜60Kgcmとする
低強度のもの、即ち、高さ調整ボルトb₂の緩みを
阻止し、且つ上方から貫通孔a₁内へ差し込まれる
ドライバー等の工具でその高さ調整ボルトb₂を強
制的に回動させることができる程度の結合力を螺
子相互間に発揮する市販品で、貫通孔a₁から螺合
部b₂−１部分に行き渉るように流し込んで充填せ
しめる。

ナツト装置b₁は図示の如く、ナツト体b₁−１
と、前記貫通孔a₁より一回り小さい通孔２′を開
穿した四隅保護プレート２とからなり、ナツト体
b₁−１の螺子孔b₁−２と通孔２′が連通するよう、
四隅保護プレート２の下面にナツト体b₁−１を一
体的に固定して構成される。

四隅保護プレート２はパネル本体Ａの四隅を補
強するもので、前記貫通孔a₁下端口縁と相対向す
る通孔２′口縁には係止縁部３が形成される。

係止縁部３は通孔２′口縁に周知のバーリング
加工を施して、前記貫通孔a₁に緩嵌可能に四隅保
護プレート２から僅かに立上がるよう起設され、
上面に強力瞬間接着剤４を塗布した四隅保護プレ
ート２をパネル本体Ａ裏面に接着固定する際に、
貫通孔a₁下端に緩嵌して四隅保護プレート２の位
置合せをするものである。

而して、以上の構成からなる本実施例の支持脚
Ｂをパネル本体Ａに取付ける場合は、予め強力接
着剤４を塗布した四隅保護プレート２の上面をパ
ネル本体Ａ裏面の貫通孔a₁付近に押当て、且つそ
の状態で四隅保護プレート２を僅かに動かすだけ
で、四隅保護プレート２における通孔２′口縁の
係止縁部３が貫通孔a₁に緩嵌するをもつて同プレ
ート２の位置合わせが行える。同時に、前記接着
剤４により同プレート２がパネル本体Ａ裏面へ固
定される。

従つて、従来品のようにナツト体の筒状部とパ
ネル本体の貫通孔とを位置合わせしながら、その
貫通孔へ筒状部を強制的に挿入し、その後ナツト
体をビス止め固定するものに比べ、ナツト装置b₁
の取付けを極めて簡単な作業で行い得る。

また、固定されたナツト装置b₁のナツト体b₁−
１の螺子孔b₁−２に高さ調整ボルトb₂を螺合さ
せ、貫通孔a₁のパネル本体Ａ上面側から差し込む
ドライバー等の操作で高さ調整ボルトb₂の上下方
向に進退させてパネル本体Ａのレベル出しを行
う。

さらに調整後は、ナツト体b₁−１の螺子孔b₁−
２と高さ調整ボルトb₂との螺合部b₂−１に低強度
の接着剤１を充填して高さ調整ボルトb₂の緩みを
阻止する。また再度レベル出しを行う場合は、ド
ライバー等で高さ調整ボルトb₂を強制的に回動操
作すれば接着剤１による結合を解除でき、一旦設
定した床パネルの再度のレベル出し作業も何等支
障なく行える。

（考案の効果） 本考案に係る床パネルの支持脚は以上説明した
ように構成したので、以下に記載される効果を奏
する。

四隅保護プレートの通孔口縁に設けた係止縁部
の存在によつて、同プレートをパネル本体裏面の
貫通孔付近に押当て、且つその状態で僅かに摺り
動かすだけの極めて簡単な作業で、従来の如くナ
ツト装置の筒状部と貫通孔とを厳密に位置合せし
つつその筒状部を貫通孔に強制的に挿入するよう
な面倒且つ慎重な作業を採らずとも、ナツト装置
を所定位置にセツトしつつパネル本体裏面に固定
できる。

しかも、四隅保護プレートに開穿する通孔にバ
ーリング加工を施すだけの極めて簡単な構成で前
述の係止縁部が形成でき、且つそのプレートにナ
ツト体を固定すればナツト装置全体を構成でき
る。

さらに接着剤の使用で、緩止めナツトを用いず
とも高さ調整ボルトの緩みを阻止できるばかり
か、ドライバー等の工具で高さ調整ボルトを回動
させることにより再度のレベル出しも行なえ、そ
の後接着剤を再充填すれば高さ調整ボルトの緩み
を阻止できる。故に緩止めナツトを用いた場合の
ような面倒な作業を実施する必要なく、床パネル
のレベル出し／高さ調整作業が極めて簡単であ
る。

従つて、取付け作業、レベル出し作業が頗る簡
単で、構造、製作も極めて簡単・安価な、二重床
構造における床パネルの支持脚を供することが可
能になつた。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る床パネルの支持脚の一実施
例を示す使用状態の縦断正面図である。 尚、図中、Ａ……パネル本体、a₁……貫通孔、
Ｂ……支持脚、b₁……ナツト装置、b₁−１……ナ
ツト体、b₁−２……螺子孔、b₂……高さ調整ボル
ト、b₂−１……螺合部、１……接着剤、２……四
隅保護プレート、２′……通孔、３……係止縁部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 貫通孔を開穿したパネル本体のコーナー裏面に
   取付けるナツト装置と、そのナツト装置のナツト
   体に進退自在に螺合せしめた高さ調整ボルトとか
   らなり、 上記ナツト装置を、前記貫通孔と連通する通孔
   を備えた四隅保護プレートと、前記通孔に螺子孔
   を連通させて四隅保護プレート下面に固定するナ
   ツト体とから形成し、 且つ前記四隅保護プレートにおける通孔をパネ
   ル本体の貫通孔より小径に形成すると共に、該通
   孔口縁にバーリング加工を施して四隅保護プレー
   トから僅かに立上がる係止縁部を起設し、その係
   止縁部を前記貫通孔下端に緩嵌して四隅保護プレ
   ートをパネル本体裏面に接着固定し、 さらに上記ナツト装置のナツト体と、高さ調整
   ボルトとの螺合部に硬化後の強度が20〜60Kgcmの
   接着剤を充填したことを特徴とする床パネルの支
   持脚。