JPH0518394A - 歯車伝動式ターボコンプレツサ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 〔目 的〕 優れた効率と十分な可調節性を有し、高い
圧力比で運転されるようにした歯車伝動式ターボコンプ
レッサの提供を目的とする。 〔構 成〕 歯車伝動式多段ターボコンプレッサには中
間歯車（５）を有する２段の歯車伝動装置が設けられて
おり、中間歯車（５）は１つのユニットを形成している
第１と第２の歯車（５１、５２）から構成されている。
第１の歯車（５１）のモジュールは第２の歯車（５２）
のモジュールより大きく設定されており、第１の歯車
（５１）は第１のコンプレッサ段のピニオン・シャフト
（３、４）を駆動する中心にある駆動歯車（２）と噛み
合っている。第２の歯車（５２）は別のコンプレッサ段
のピニオン・シャフト（６、７、８）と噛み合ってい
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、請求項１の前文に記載
されている特徴に従って構成された歯車伝動装置を介し
て駆動される多段ターボコンプレッサ、すなわち歯車伝
動式多段ターボコンプレッサに関する。

【０００２】

【従来の技術】当初に挙げた種類の公知のターボコンプ
レッサ（ディゥベル著、機械設計ハンドブック、１９８
１年発行第１４版、９２０ページと９２１ページを参照
されたい）は４つのコンプレッサ段を備えており、各コ
ンプレッサ段の羽根車は対をなして２つのピニオン・シ
ャフト上に配設されていて、１段より成る歯車伝動装置
の中心にある駆動歯車を介して駆動されるようになって
いる。

【０００３】ターボコンプレッサのコンプレッサ段の効
率は流入量と回転数と圧送すべきヘッドに左右される。
高い効率を確保するためには、出口圧力Ｐ_Ａ最終圧力Ｐ
_Ｂとの圧力比、すなわち、Ｐ_Ａ／Ｐ_Ｂが６０を上回る場
合、７つのコンプレッサ段が必要であり、圧力比が８０
より大きい場合、少なくとも８つのコンプレッサ段が必
要である。流量は段から段にかけて大幅に変動する。適
切な運転状態を確保するためには、２つの段それぞれに
応じて回転数を適切に高めることが必要である。適切な
圧縮を実現するために必要な駆動軸の回転数と最後の段
のピニオン・シャフトの回転数は非常に異なっているの
で、通常の歯車伝動装置で１：２４より大きい変速比を
実現することはできない。

【０００４】最大圧力比Ｐ_Ａ／Ｐ_Ｂが４０より低い場
合、歯車伝動装置を備えたターボコンプレッサはこれま
で５段または６段に設計されている。従来の１段より成
る歯車伝動装置は３本より少ないピニオン・シヤフトを
備えている。ピニオン・シャフトはそれぞれ、該ピニオ
ン・シャフトに直接取り付けられた２つの羽根車を駆動
し、該羽根車は２つのコンプレッサ段を形成している。
６段のコンプレッサであって、１段当たりの平均圧力比
が１：８である場合、３４の圧力比Ｐ_Ａ／Ｐ_Ｂを得るこ
とができる。各段の負荷を高めて、１段当たりの平均圧
力比を２：０とすれば、６４の全圧縮比Ｐ_Ａ／Ｐ_Ｂが得
られることになる。このようなコンプレッサはほとんど
が調節を行うことができず、マッハ数が高いために好ま
しいものではない。

【０００５】可調節性や高い全効率のごとき重要な特性
を確保しておかなければならない場合、７段または８段
のコンプレッサ段を採用することにより６０より高い圧
力比を得ることができる。ターボコンプレッサに使用さ
れる公知の歯車伝動装置で実現可能な最大の変速比が約
１：２０であることから、これまで最も高い効率に到達
するには至っていない。このことは、４極モーターを使
用してたこかい性能と駆動力を確保するには最後のピニ
オン・シャフトの最大回転数を毎分３００００回に設定
しなければならないことを意味する。このような最大回
転数を考慮するば、最初の段の圧送ヘッドを最後の段の
圧送ヘッドより大幅に高く設定しなければならないか
ら、流量が毎時６００００立方メートルより少なくて圧
力比が６０より高いターボコンプレッサすべてについ
て、均一で適切な効率を確保することはもはや不可能で
ある。最初の段のマッハ数が高いことは避けることがで
きないので、最初の段の最高エネルギー密度はそこそこ
の効率をもってしか実現することができない。例えば、
流量が毎時５５０００立方メートルでかつ圧力比Ｐ_Ａ／
Ｐ_Ｂが６４である７段のターボコンプレッサの場合、７
段目の回転数は毎分３５０００回であることが必要であ
る。ターボコンプレッサに使用される従来の歯車伝動装
置については、毎分２８０００回の回転数しか実現する
ことができない。したがって、全効率は納得できるもの
でなくなる。しかも、４番目のピニオン・シャフトに８
つの圧縮段を設けなければならない可能性がある。しか
し、基本的な問題点は、上述の結果に鑑みて回転数を制
限しなければならないことである。

【０００６】

【発明が解決しよとする課題】本発明の課題は、優れた
効率と十分な可調節性を有し、高い圧力比で運転される
よう構成された歯車伝動装置を備えたターボコンプレッ
サを提供することである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、請求項１の特徴項に記載されているよう構成された
当初に挙げた種類の歯車伝動装置を備えたターボコンプ
レッサが本発明に従って提供されたのである。

【０００８】

【作用と効果】本発明によれば、低段のコンプレッサ段
に適当な回転数が使用されるとともに、高段のコンプレ
ッサ段に非常に高い回転数を実現することができ、しか
も中心にある駆動歯車の歯数が高い段のコンプレッサ段
に設けられたピニオンの歯数に左右されないよう構成さ
れたターボコンプレッサに使用される歯車伝動装置が、
歯のモジュールが異なったダブル・ギヤとして設計され
ている中間歯車を使用することにより提供されたのであ
る。この場合、歯が受ける力が大きくて低い回転数を実
現するためには、歯の幅を広くし、歯のモジュ−ルを大
きくすることが必要であり、したがって歯が受ける力が
小さくて高い回転数を実現するためには、歯のモジュー
ルが小さい幅の狭い歯車が必要となる。また、モジュー
ルの異なった中間歯車を使用すれば、ターボコンプレッ
サ用の２つの独立した歯車伝動装置をケーシング内で組
み合わせることができるとともに、４０より低い変速比
を実現することができる。したがって、高い圧縮比に使
用される歯車伝動装置を備えたターボコンプレッサの場
合でも適切な効率を確保することが可能である。全効率
の改善は５％を上回っている。このことは、エネルギー
・コストを大幅に節約することができることを意味する
ものである。

【０００９】

【実 施 例】以下、本発明の実施例を図解した添付図
面を参照しながら本発明を詳細に説明する。

【００１０】図示されている歯車伝動装置は多段ターボ
コンプレッサを駆動するために使用されるものであっ
て、駆動シヤフト１に接続された中心にある駆動歯車２
を備えている。該駆動歯車２は、ピニオン・シャフト
３、４に配置された２つのピニオンと噛み合っている。
ターボコンプレッサの第１段の羽根車と第２段の羽根車
がピニオン・シャフト３の両端に配置されている。第３
段の羽根車と第４段の羽根車（図示せず）がピニオン・
シャフト４の両端に担持されている。羽根車はすべてう
ず巻ケーシング内で回転している。

【００１１】ダブル・ギヤとして構成されていて、第１
の歯車５１と第２の歯車５２とから成る中間歯車５が駆
動歯車２に後設されている。第１の歯車５１と第２の歯
車５２は互いに結合されていて、共通のシャフト上に配
置されている。第１の歯車５１は駆動歯車２と噛み合っ
ており、第２の歯車５２は別のピニオン・シャフト６、
７、８のピニオンと噛み合っている。ピニオン・シャフ
ト６、７、８はそれぞれ両端に羽根車を担持しており、
該羽根車はうず巻ケーシング内で回転している。ピニオ
ン・シャフト６は第５の圧縮段と第６の圧縮段に対応し
て配置されたものであり、ピニオン・シャフト７は第７
の圧縮段と第８の圧縮段に対応して配置されたものであ
り、また、ピニオン・シャフト８は第９の圧縮段と第１
０の圧縮段に対応して配置されたものである。

【００１２】中間歯車５の第２の歯車５２の直径は駆動
歯車２と噛み合っている第１の歯車５１の直径より大き
く寸法ぎめされているので、ピニオン・シャフト６、
７、８が受ける歯圧は第２の歯車５２の歯圧より大き
い。また、第１の歯車５１は第２の歯車５２と比べて歯
数は少なく、第１の歯車５１のモジュールは第２の歯車
５２のモジュールより大きく設定されている。

【００１３】上述のように中間歯車５が中心部で噛み合
いを行うよう配置されているので、モジュールを変更す
ることによって駆動技術的には全く後段とかかわりなく
最初の４つの段を駆動させることが可能である。ピニオ
ン・シャフト４に必要な変速比は約１０：５である。ピ
ニオン・シャフト４のピニオンの歯数Ｚ２に２５が選択
されているとともに、駆動歯車２の歯数ＺＯに２６３が
選択されている。したがって、歯のモジュールを６に設
定した場合、上述の選択に基づいて直径ＤＯは１５７５
ｍｍに寸法ぎめされ、歯の噛合速度は１２２ｍ／ｓとな
る。ターボコンプレッサに使用される従来公知の歯車伝
動装置について通常行われているように、第１と第２の
コンプレッサ段のうず巻ケーシングの直径はピニオン・
シャフト３、４の軸間距離に合わせて設定されており、
駆動歯車２の直径が１５９６ｍｍ、歯数ＺＯが２６６で
ある図示の実施例の場合、軸間距離は１８００ｍｍとな
る。

【００１４】回転数を毎分３０００回に決定したとき、
駆動歯車２と噛み合っている中間歯車５の第１の歯車５
１のは数Ｚ５１は１３２に設定されるとともに、直径は
７９０ｍｍに寸法ぎめされる。

【００１５】８段式のコンプレッサの場合、ピニオン・
シャフト７の毎分回転数は３４７３０回となる。この場
合、歯数Ｚ４を２４に設定したとき、第２の歯車５２の
歯数Ｚ５２は２４３となる。また、歯のモジュールを４
に設定したとき、直径は９７２ｍｍに寸法ぎめされると
ともに、歯の噛合速度は１５０ｍ／ｓとにとせっていさ
れる。このように直径が大きく寸法ぎめされているか
ら、伝達モーメント全体を大きくすることができるの
で、歯車伝動装置に後設されている駆動モーターは駆動
シャフトを問題なく始動させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図面は本発明の一実施例に従って構成された歯
車伝動装置を備えた多段ターボコンプレッサを図解した
斜視図である。

【符号の説明】 １ 駆動シャフト ２ 駆動歯車 ３ ピニオン・シャフト ４ ピニオン・シャフト ５ 中間歯車 ６ ピニオン・シャフト ７ ピニオン・シャフト ８ ピニオン・シャフト ５１ 第１の歯車 ５２ 第２の歯車

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 コンプレッサ段の羽根車がピニオン・シ
   ャフト（３、４、６、７、８）の両端に配設されてい
   て、中心に歯車伝動装置の駆動歯車（２）を備えている
   多段ターボコンプレッサにおいて、歯車伝動装置が２段
   から構成されていて、中間歯車（５）を備えており、該
   中間歯車（５）がダブル・ギヤとして構成されていて、
   第１の歯車（５１）と第２の歯車（５２）より成ること
   と、第１の歯車（５１）が中心にある駆動歯車（２）と
   噛み合っていて、該駆動歯車（２）により駆動され、第
   １の歯車（５１）のモジュールが第２の歯車（５２）の
   モジュールより大きく設定されていることと、第２の歯
   車（５２）が第１の歯車（５１）と協働して固定的に結
   合されたニユットを形成していて、第２の歯車（５２）
   のモジュールが第１の歯車（５１）のモジュールより小
   さく設定されていることと、第１のピニオン・シャフト
   （３、４）が中心にある駆動歯車（２）により直接駆動
   されているとともに、その他のピニオン・シャフト
   （６、７、８）が中間歯車（５）の第２の歯車（５２）
   とだけ噛み合っていて、前記その他のピニオン・シャフ
   ト（６、７、８）の各ピニオンのモジュールが第２の歯
   車（５２）のモジュールに等しいこととを特徴とするタ
   ーボコンプレッサ。
2. 【請求項２】 中間歯車（５）の第１の歯車（５１）の
   直径が第２の歯車（５２）の直径より小さく寸法決めさ
   れていることを特徴とする請求項１記載のターボコンプ
   レッサ。