JPH0517986B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 発明の目的 （産業上の利用分野） この発明は車両における自動変速機のギアポジ
シヨンスイツチの故障検出方法に関するものであ
る。

（従来技術） 従来、自動変速機を備えた車両においては、そ
の各変速段がギア切換駆動手段にて切換えられる
とともに、その各ギア位置がギアポジシヨンスイ
ツチにて検出され、このギアポジシヨンスイツチ
からの信号により各変速段におけるギア切換えが
確実に行なわれたか否かを判断するようになつて
いた。

（発明が解決しようとする問題点） ところが、ギアポジシヨンスイツチに断線等の
故障が発生すると、同ギアポジシヨンスイツチは
目標ギアに切換わつたにも拘らず切換わつたこと
を示す信号を出力しないためギア切換え終了を判
断できないという問題があつた。

この発明の目的は上記問題点を解消し、自動変
速機のギアポジシヨンスイツチの故障を検出し、
その後は自動変速機のインプシヤフトとアウトプ
ツトシヤフトの回転数の比から変速状態を判断
し、引続き走行可能な車輌を提供することにあ
る。

発明の構成 （問題点を解決するための手段） この発明は上記目的を達成すべく、変速機の各
変速段がギア切換駆動手段にて切換えられ、その
各ギア位置がギアポジシヨンスイツチにて検出さ
れる自動変速機において、 ギア切換え動作開始後予め定めた時間が経過し
た時ギア切換え後の目標ギア位置を検出するギア
ポジシヨンスイツチからオン信号を出力しない場
合には、ギア切換え前の元ギア位置に戻すべくギ
ア切換駆動手段にてギア切換え動作させ、そのギ
ア切換え動作開始後予め定めた時間が経過した
時、再び前記目標ギア位置に切換えるべくギア切
換駆動手段を動作させるリトライ動作を予め定め
た回数を実行してギアがかみ合わなかつた場合
に、前記目標ギア位置を検出するギアポジシヨン
スイツチが故障していると判定し、この判定によ
りギアポジシヨンスイツチからの信号を無効化す
るとともに、自動変速機のインプツトシヤフトと
アウトプツトシヤフトの回転数の比から変速ギア
位置を判断し、引続き走行可能な状態としたもの
である。

（作用） 上記手段により、ギア切換え動作開始後予め定
めた時間が経過した時ギア切換え後の目標ギア位
置を検出するギアポジシヨンスイツチからオン信
号を出力しない場合には、ギア切換え前の元ギア
位置に戻すべくギア切換駆動手段にてギア切換え
動作させ、そのギア切換え動作開始後予め定めた
時間が経過した時、再び前記目標ギア位置に切換
えるべくギア切換駆動手段を動作させるリトライ
動作を予め定めた回数以上実行するとき前記目標
ギア位置を検出するギアポジシヨンスイツチが故
障していると判定し、ギアポジシヨンスイツチか
らの信号を無効化するとともに、自動変速機のイ
ンプツトシヤフトとアウトプツトシヤフトの回転
数の比から変速状態を判断し、車輌を引続き走行
可能な状態とする。

（実施例） 以下、この発明をフオークリフトに具体化した
一実施例を図面に従つて説明する。

第１図はフオークリフトの駆動系の機構を示
し、エンジン１の出力は乾式単板クラツチ２を介
して自動変速機３に伝達され、自動変速機３は差
動歯車機構４を介して走行用駆動輪５を所定の変
速比でもつて前後進させるようになつている。前
記エンジン１の出力を入り切りさせる乾式単板ク
ラツチ２はクラツチ制御用アクチユエータ６の駆
動に基づいて伸長するロツド６ａのストローク量
に相対して同クラツチ２の接続状態が調整され
る。

前記自動変速機３はギア切換駆動手段としての
変速切換用アクチユエータ７の駆動にて１速（低
速）と２速（高速）とにギア切換えされ変速する
とともに、前後進切換用アクチユエータ８の駆動
にて自動変速機３のギア位置を前進、ニユートラ
ル、後進の３位置に切換わるようになつている。

前後進位置検出器９は複数のリミツトスイツチ
からなり、前記前後進切換用アクチユエータ８の
ロツド８ａの位置を検出して前進、ニユートラ
ル、後進の３位置を検出する。変速位置検出器１
０は複数のギアポジシヨンスイツチとしてのリミ
ツトスイツチからなり、前記変速切換用アクチユ
エータ７のロツド７ａの位置を検出して１速、２
速の２位置を検出する。そして、本実施例ではこ
の変速位置検出器１０は１速状態のギア位置を検
出する第１のリミツトスイツチ１０ａと、２速状
態のギア位置を検出する第２のリミツトスイツチ
１０ｂとから構成されている。

車速センサ１１は自動変速機３のアウトプツト
シヤフト１２の回転を検出し、回転数に比例した
信号を出力する。インプツトシヤフト回転数セン
サ１３は自動変速機３のインプツトシヤフト１４
の回転を検出し、回転数に比例した信号を出力す
る。

次に、上記のように構成したフオークリフトの
電気的構成について説明する。

第２図においてアクセル開度センサ１５はポテ
ンシヨメータよりなり、運転席に設けたアクセル
ペダル１６の踏込み量を検出する。そして、その
信号はＡ／Ｄ変換器１７にてデジタル信号に変換
されるようになつている。

レバー位置検出器１８は複数のリミツトスイツ
チからなり、運転席に設けた前後進レバー１９の
切換え状態（前進、ニユートラル、後進の３位
置）を検出する。

中央処理装置（以下、CPUという）２０は前
記各検出器及びセンサからの検出信号を入出力イ
ンターフエイス２１を介して入力する。CPU２
０は読み出し専用のメモリ（ROM）よりなるプ
ログラムメモリ２２に記憶された制御プログラム
に基づいて動作する。又、作業用メモリ２３は読
み出し及び書替え可能なメモリ（RAM）であつ
て、CPU２０の演算結果を一時記憶するように
なつている。

CPU２０は前記前後進位置検出器９からの検
出信号に基づいてその時の自動変速機３のニユー
トラル等のギア位置を割出すとともに、前記変速
位置検出器１０の第１及び第２のリミツトスイツ
チ１０ａ，１０ｂからの検出信号に基づいてその
時の自動変速機３の変速ギア位置を割出すように
なつている。

又、CPU２０は前記車速センサ１１からの検
出信号に基づいてその時のフオークリフトの走行
速度を割り出すとともに、インプツトシヤフト回
転数センサ１３からの検出信号に基づいてその時
の自動変速機３のインプツトシヤフト１４の回転
数を割出すようになつている。

CPU２０はアクセル開度センサ１５からの検
出信号に基づいてその時のアクセルペダル１６の
踏込み量を割出すとともに、レバー位置検出器１
８からの検出信号に基づいてその時の前後進レバ
ー１９の操作位置を割出すようになつている。

又、CPU２０は入出力インターフエイス２１
を介してアクチユエータ駆動回路２４に制御信号
を出力し、前記各アクチユエータ６〜８を駆動制
御するようになつている。この駆動制御はプログ
ラムメモリ２２に記憶された制御プログラムに記
憶されている。そして、走行時には第３図に示す
ように車速に対するアクセルペダル１６の踏込み
量によつて自動変速機３の変速状態を１速、２速
のいずれか一方の状態にすべくアクチユエータ駆
動回路２４を介して変速切換用アクチユエータ７
を駆動制御するとともに、この切換え時にクラツ
チ制御用アクチユエータ６を駆動制御するように
なつている。

CPU２０はこのギア切換えの際に変速位置検
出器１０の第１及び第２のリミツトスイツチ１０
ａ，１０ｂからの検出信号に基づいて目標ギヤに
切換えられたことを判断する。すなわち、例え
ば、１速から２速にギア切換えが行なわれた時、
第１のリミツトスイツチ１０ａがオフとなり、第
２のリミツトスイツチ１０ｂがオンとなつた時、
目標の２速のギア位置への切換え動作が終了した
と判断する。

又、CPU２０は常に現在の変速ギア位置を前
記作業用メモリ２３に記憶させるようになつてお
り、目標ギア位置への切換え動作が終了したと
き、そのギア位置データを書換え動作するように
なつている。

さらに、CPU２０はタイマを内蔵していて、
第３図の変速マツプに基づくギア切換え動作を開
始、後記するリトライ動作の際のギア切換え前の
元ギア位置に戻すためのギア切換え動作を開始、
及び、リトライ動作の目標ギアへの切換え動作を
開始すると、同タイマのタイマ動作を開始させる
ようになつている。

そして、CPU２０は変速マツプに基づくギア
切換え動作開始後予め定めた時間が経過した時ギ
ア切換え後の目標ギア位置を検出する変速位置検
出器１０の第１あるいは第２のリミツトスイツチ
１０ａ，１０ｂからオン信号を出力しない場合に
はリトライ動作（ギア切換え前の元ギア位置に戻
すべくギア切換え動作させ、次にその元ギアへの
ギア切換え動作開始後予め定めた時間が経過した
時、再び目標ギア位置に切換えるべく動作）させ
る。

CPU２０はこのリトライ動作の回数Ｎをカウ
ントするカウンタを内蔵しており、同リトライ動
作を予め定めたリトライ動作回数、本実施例では
３回実行しても目標ギア位置を検出する変速位置
検出器１０の第１あるいは第２のリミツトスイツ
チ１０ａ，１０ｂからオン信号を出力しない場合
には目標ギア位置を検出するリミツトスイツチが
断線故障していると判定する。

この故障の判定に基づき、CPU２０は変速位
置検出器１０の第１及び第２のリミツトスイツチ
１０ａ，１０ｂからの信号を無効化し、変速ギア
の切換えが行なわれたか否かを車速センサ１１と
インプツトシヤフト回転数センサ１３からの信号
に基づいて判断する。すなわち、自動変速機３の
インプツトシヤフト１４の回転数とアウトプツト
シヤフト１２の回転数との比を割出すことにより
現状の変速状態を判断するようになつている。

又、CPU２０は変速位置検出器１０の第１あ
るいは第２のリミツトスイツチ１０ａ，１０ｂの
故障を判定すると入出力インターフエイス２１を
介して変速位置検出器故障警告灯（以下、故障警
告灯という）２５に信号を出力し同警告灯２５を
点灯させる。

これら一連のCPU２０による変速位置検出器
１０の第１及び第２のリミツトスイツチ１０ａ，
１０ｂの故障検出及び処理動作はプログラムメモ
リ２２の制御プログラムにより行なわれる。

次に、上記のように構成したフオークリフトの
作用について第４図に基づいて説明する。

今、前後進レバー１９を前進側に操作し（自動
変速機３を前進側ギヤ位置に設定）、アクセルペ
ダル１６を踏込まない車両停止状態においては、
CPU２０は変速位置検出器１０の第１のリミツ
トスイツチ１０ａから自動変速機３の変速ギア位
置が１速に入つていることを示す信号を入力して
いる。そして、CPU２０はアクセルペダル１６
が踏込まれ乾式単板クラツチ２が接続され車速が
増加すると、車速とペダル開度から第３図に示す
変速マツプに基づいて当初低速でのギア位置であ
る１速領域から高速でのギア位置である２速領域
に入つたことを判断しギア切換え動作を開始させ
る。

CPU２０はクラツチ制御用及び変速切換用ア
クチユエータ６，７を駆動制御して１速から目標
ギア位置である２速に変速すべくギア切換え動作
させて、変速位置検出器１０の第１のリミツトス
イツチ１０ａがオフし第２のリミツトスイツチ１
０ｂがオンすると自動変速機３が１速のギア位置
から２速に入つてギア切換え動作が終了したと判
断するとともに作業用メモリ２３に記憶させてい
るギア位置データを１速から２速に書替え動作す
る。そして、CPU２０はクラツチ制御用アクチ
ユエータ６を駆動制御して乾式単板クラツチ２を
つなぐ。

なお、CPU２０は２速への切換え動作開始後、
予め定めた所定時間が経過しても変速位置検出器
１０の第２のリミツトスイツチ１０ｂがオンしな
い、すなわち目標ギア位置に入つたことを示す信
号を入力しない時には、リトライモードを設定す
るとともにそのリトライ動作回数Ｎを「１」と設
定する。さらに、CPU２０は作業用メモリ２３
のギア位置データを呼出しギア切換え前の元ギア
位置である１速に戻すべく変速切換用アクチユエ
ータ７を駆動制御してリトライ動作を開始させ
る。

そして、CPU２０はこのギア戻し動作により
１速に戻つたことを示す信号を入力するか（変速
位置検出器１０の第１のリミツトスイツチ１０ａ
がオン）、あるいは、ギア戻し動作開始後予め定
めた所定時間が経過すると、変速切換用アクチユ
エータ７を駆動制御して再び当初の目標ギア位置
である２速へのギア切換え動作を開始させる。
CPU２０はこの目標ギアへの切換え動作開始後、
予め定めた所定時間が経過しても２速に切換わつ
たことを示す変速位置検出器１０の第２のリミツ
トスイツチ１０ｂからオン信号を入力しないとき
は、リトライ動作回数Ｎを１加算して「２」にし
た後、同様の２回目のリトライ動作を行なわせ
る。CPU２０はこの２回目のリトライ動作でも
目標ギア位置である２速に切換わつたことを示す
信号を入力しないときには、さらに、リトライ回
数Ｎを１加算して「３」にした後、３回目のリト
ライ動作を行なわせる。

そして、CPU２０は３回目のリトライ動作を
行なつても（Ｎ＝３となつているとき）変速位置
検出器１０の目標ギア位置を検出する第２のリミ
ツトスイツチ１０ｂからオン信号を入力しない場
合には同第２のリミツトスイツチ１０ｂが断線故
障していると判定する。

CPU２０は故障検出に基づき変速位置検出器
１０からの信号を無効化し、ギア切換えが行なわ
れたか否かの判断を自動変速機３のインプツトシ
ヤフト１４の回転数とアウトプツトシヤフト１２
の回転数との比を割出し引き続きギヤ切換え制御
可能な状態を保持する。又、CPU２０は同時に
故障警告灯２５を点灯させることによりその短絡
故障の発生を運転者に知らせる。

又、CPU２０は減速時の２速から１速へのギ
ア切換えの際にも同様に作用する。すなわち、１
速に切換つた時、第１のリミツトスイツチ１０ａ
から同ギア切換え動作開始後所定時間内にオン信
号がなく、かつ、３回のリトライ動作を行なつた
にも拘らず同第１のリミツトスイツチ１０ａから
目標ギア位置である１速に切換わつたことを示す
信号がない時には、第１のリミツトスイツチ１０
ａが断線故障していると判定し、故障警告灯２５
の点灯、及び変速位置検出器１０からの信号の無
効化と、自動変速機３のインプツトシヤフト１４
の回転数とアウトプツトシヤフト１２の回転数と
の比によるギヤ切換え判断を行なう。

このように本実施例においては、ギア切換え動
作開始後所定時間内に目標ギア位置に入つたこと
を示す信号がなく、かつ３回のリトライ動作を行
なつても目標ギア位置に入つたことを示す信号が
ない場合には目標ギア位置にギアが切換わつたこ
とを検出するリミツトスイツチが断線故障したと
判定し、故障警告灯２５の点灯により知らせると
ともに同変速位置検出器１０によらず車速及び自
動変速機３のインプツトシヤフト１４とアウトプ
ツトシヤフト１２の回転数の比に基づき変速状態
（変速ギア位置）を検知し引続き走行可能な状態
とすることができる。

なお、この発明は上記実施例に限定されること
なく、上記実施例では３回リトライ動作を行なつ
ても目標ギア位置を検出する信号がないとギアポ
ジシヨンスイツチが故障していると判定したが、
その回数は３回に限らず適宜変更してもよい。
又、上記実施例では変速位置検出器１０にポジシ
ヨンスイツチとしてリミツトスイツチ１０ａ，１
０ｂを設置したが、他にも例えば近接スイツチ等
の無接点スイツチ等を使用してもよい。

さらに、上記実施例では前進側で２速に切換え
られるフオークリフトに具体化したが後進側で２
速に切換えられる車両に応用したり、３速以上の
変速段を持つ車両に具体化してもよい。又、上記
実施例では変速位置検出器１０に具体化したが前
後進位置検出器９に応用してもよい。さらに、上
記実施例のインプツトシヤフト回転数センサ１３
の代わりにエンジン１の出力軸２６の回転数を検
出するエンジン回転数センサ２７を設け（第１図
参照）、同センサ２７のエンジン回転数検出に基
づいて変速状態を検出するようにしてもよい。

発明の効果 以上詳述したように、この発明はギアポジシヨ
ンスイツチの断線等による故障を故障をどのスイ
ツチが故障したかまで正確に検出する。そしてこ
の検出が行われた後でも車輌が停止することがな
いので以後の作業に支障を来たすことがなく、
種々の対応が可能となり安全走行に資する処大な
るものである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明を具体化したフオークリフト
の駆動系の機構を示す機構図、第２図は同じくフ
オークリフトの電気ブロツク図、第３図は車速度
とアクセルペダルの踏込み量に対する自動変速機
の変速状態を示す図、第４図は作用を説明するた
めのフローチヤート図である。 自動変速機……２、変速切換用アクチユエータ
……７、変速位置検出器……１０、第１のリミツ
トスイツチ……１０ａ、第２のリミツトスイツチ
……１０ｂ、中央処理装置……２０、プログラム
メモリ……２２、作業用メモリ……２３。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 変速機の各変速段がギア切換駆動手段にて切
   換えられ、その各ギア位置がギアポジシヨンスイ
   ツチにて検出される自動変速機において、 ギア切換え動作開始後予め定めた時間が経過し
   た時ギア切換え後の目標ギア位置を検出するギア
   ポジシヨンスイツチからオン信号を出力しない場
   合には、ギア切換え前の元ギア位置に戻すべくギ
   ア切換駆動手段にてギア切換え動作させ、そのギ
   ア切換え動作開始後予め定めた時間が経過した
   時、再び前記目標ギア位置に切換えるべくギア切
   換駆動手段を動作させるリトライ動作を予め定め
   た回数を実行してギアがかみ合わなかつた場合
   に、前記目標ギア位置を検出するギアポジシヨン
   スイツチが故障していると判定し、この判定によ
   りギアポジシヨンスイツチからの信号を無効化す
   るとともに、自動変速機のインプツトシヤフトと
   アウトプツトシヤフトの回転数の比から変速ギア
   位置を判断し、引続き走行可能な状態とすること
   を特徴とする自動変速機のギアポジシヨンスイツ
   チの故障検出方法。 ２ 予め定めたリトライ動作回数は３回である特
   許請求の範囲第１項に記載の自動変速機のギアポ
   ジシヨンスイツチの故障検出方法。