JPH05175491A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体装置及びその製造方法

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JPH05175491A
JPH05175491A JP3338205A JP33820591A JPH05175491A JP H05175491 A JPH05175491 A JP H05175491A JP 3338205 A JP3338205 A JP 3338205A JP 33820591 A JP33820591 A JP 33820591A JP H05175491 A JPH05175491 A JP H05175491A
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semiconductor
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    • H01L29/7455Gate-turn-off devices with turn-off by field effect produced by an insulated gate structure

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 特性を悪化させることなく、最大可制御電流
の増大、保持電流の減少を図った半導体装置及びその製
造方法を得る 【構成】 N- エピタキシャル層2上のゲート電極5,
5間に、トランジスタ形成領域3、P拡散領域15がそ
れぞれ絶縁膜4を介して選択的に形成される。トランジ
スタ形成領域3において、P拡散領域11上にN+ 拡散
領域12が形成され、N+ 拡散領域12上にP拡散領域
13が形成され、P拡散領域13の表面にN+ 拡散領域
14が選択的に形成される。そして、P拡散領域13、
+ 拡散領域14及びP拡散領域15上にカソード電極
7が形成され、P+ 基板1の他方主面上にアノード電極
8が形成される。 【効果】 電極7,8間の電流増加によってもラッチア
ップ現象は生じない等の構造的特徴により、最大可制御
電流の増大、保持電流の減少が図れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はEST(Emitter Swit
ched Thyristor)等の制御電極に電圧を付与することに
より動作する半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図18は従来のESTの構成を示す断面
図である。同図に示すように、P+ 基板51の一方主面
上にN- エピタキシャル層52が形成され、N- エピタ
キシャル層52の表面にP拡散領域53が形成され、P
拡散領域53の表面にN+ 拡散領域54a,54b及び
54cがそれぞれ選択的に形成される。
【0003】そして、N- エピタキシャル層52,N+
拡散領域54a間のP拡散領域53上に絶縁膜56を介
してゲート電極55aが形成され、拡散領域54b,5
4c間のP拡散領域53上に絶縁膜56を介してゲート
電極55bが形成される。これらのゲート電極55a及
び55bはポリシリコンからなる。また、アルミ・シリ
コンで形成されたカソード電極57が、N+ 拡散領域5
4b、54c及びN+ 拡散領域54b,54c間のP拡
散領域53上に直接形成され、金属のアノード電極58
がP+ 基板51の他方主面上に直接形成される。
【0004】図19は、図18で示したESTの動作説
明用の模式断面図である。以下、同図を参照してEST
の動作の説明を行う。
【0005】カソード電極57とゲート電極55(55
a及び55b)とを同電位にして、アノード電極58の
電位を上昇させると、P拡散領域53とN- エピタキシ
ャル層52とのPN接合から空乏層のびて、電圧を保持
する。
【0006】この状態において、カソード電極57に対
するゲート電極55の電圧を上昇させると、ゲート電極
55a及び55b直下のP拡散領域53の表面領域53
a及び53bがそれぞれN反転する。その結果、破線矢
印で示すように、電子がN+ 拡散領域54aからN-
ピタキシャル層52に流れ出すとともに、実線矢印で示
すように、P+ 基板51からホールがN- エピタキシャ
ル層52を介してP拡散領域53に注入される。
【0007】P拡散領域53に流れ込んだホールのう
ち、N+ 拡散領域54b,54c直下のP拡散領域53
に流れ込んだホールは、実線矢印で示すように、P拡散
領域53内を横にながれカソード電極57に達する。こ
の時、N+ 拡散領域54c直下のP拡散領域53による
抵抗R1により、N+ 拡散領域54c直下のP拡散領域
53の電位がカソード電極57に対して上昇する。一
方、N+ 拡散領域54cがN+ 拡散領域54b及びN反
転したP拡散領域53bを介してカソード電極57と電
気的に接続されるため、N+ 拡散領域54cのゲート電
極57に対する電位上昇はかなり小さい。
【0008】したがって、P拡散領域53を流れるホー
ルが増大してくると、N+ 拡散領域54cとP拡散領域
53との間が順バイアスされ、電子がP拡散領域53を
通ってN- エピタキシャル層52に注入されてくる。そ
の結果、N+ 拡散領域54c、P拡散領域53、N-
ピタキシャル層52及びP+ 基板1で構成されるサイリ
スタが動作状態となりサイリスタ動作に入る。このサイ
リスタ動作によりESTのオン状態でのオン抵抗値を十
分低くすることができる。また、サイリスタ動作が動作
状態になるように、抵抗R1の抵抗値は十分大きな値に
設定される。
【0009】次に、カソード電極57に対するゲート電
極55の電圧を下降させると、P拡散領域53a及び5
3bのN反転状態が解消されるため、N- エピタキシャ
ル層52に注入されたホールはN- エピタキシャル層5
2内での再結合、P拡散領域53への流入で消滅しオフ
状態となる。
【0010】ここで、N+ 拡散領域53b下のP拡散領
域53の抵抗R2の抵抗値は十分低く設計されている
が、オン状態でP拡散領域53に注入されるホール電流
がさらに増大すると、抵抗R2による電位上昇によりN
+ 拡散領域54bとP拡散領域53との間が順バイアス
され、N+ 拡散領域54b、P拡散領域53、N- エピ
タキシャル層52及びP+ 基板51で構成される寄生サ
イリスタが動作状態となり、サイリスタ動作に入ってし
まう。一度、寄生サイリスタが動作してしまうと、ゲー
ト電極55で、電極57,58間に流れる電流をオフさ
せることが不可能なラッチアップ状態となる。
【0011】図20は、図18及び図19で示したES
Tの等価回路を示す回路図である。同図において、T1
はN+ 拡散領域54c、P拡散領域53及びN- エピタ
キシャル層52からなるNPNバイポーラトランジス
タ、T2はP+ 基板51、N- エピタキシャル層52及
びP拡散領域53からなるPNPバイポーラトランジス
タ、T3はN+ 拡散領域54b、P拡散領域53及びN
- エピタキシャル層52からなるNPNバイポーラトラ
ンジスタである。また、Q1はN+ 拡散領域54a、P
拡散領域53a、N- エピタキシャル層52及びゲート
電極55aからなるNMOSトランジスタ、Q2はN+
拡散領域54b、P拡散領域53b、N+ 拡散領域54
c及びゲート電極55bからなるNMOSトランジスタ
である。
【0012】NMOSトランジスタQ1及びQ2はES
Tをオン,オフさせるためのトランジスタである。トラ
ンジスタQ2はバイポーラトランジスタT1及びT2か
らなるサイリスタに直列に接続されており、このサイリ
スタはトランジスタQ1がオンすることにより動作状態
となる。また、バイポーラトランジスタT3は寄生トラ
ンジスタであり、活性状態とならないように抵抗R2で
ベース−エミッタ間をショートしているが、抵抗R2を
流れる電流が大きくなりすぎると、バイポーラトランジ
スタT2及びT3からなる寄生サイリスタが動作状態と
なり、ラッチアップする。
【0013】図21はカソード電極57に対するゲート
電極55の電圧V(以下、「制御電圧」という。)に対
する電極57,58間を流れる電流量I(以下、「導通
電流」という。)を示すグラフである。ただし、導通電
流Iは対数表示である。同図に示すように、導通電流I
が電流値I1を越えるとラッチアップ状態となり、制御
電圧Vでは制御不能となる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】従来のESTは以上の
ように構成されており、導通電流Iを大きくするとラッ
チアップしてしまい、制御電圧Vで導通電流Iを制御す
ることができなくなるという問題点があった。このラッ
チアップ現象のため、制御電圧Vで制御可能な導通電流
Iの最大電流量である最大可制御電流が制限を受けてい
た。
【0015】また、最大可制御電流を大きくするために
は、N+ 拡散領域53b下のP拡散領域53の濃度をさ
らに高め、抵抗R2の抵抗値はさらに低くしラッチアッ
プ現象を抑制する方法が考えられるが、N+ 拡散領域5
4b下のP拡散領域53の濃度を不必要に高めることに
より、N+ 拡散領域54b及び54cをソース、ドレイ
ン領域としたNMOSトランジスタQ2の閾値電圧VTH
に影響を与えてしうため、抵抗R2の抵抗値を低下させ
ることは限界がある。このため、十分に最大可制御電流
を増大させることはできないという問題点があった。
【0016】また、サイリスタ動作を維持するために必
要な最小電流である保持電流IK(図21参照)を下げ
るべく、N+ 拡散領域54c直下のP拡散領域53が長
くなるようにP拡散領域53及びN+ 拡散領域54cを
形成して、抵抗R1の抵抗値を大きくする方法が考えら
れるが、この方法を行うと単位面積あたりのNMOSト
ランジスタQ2のチャネル幅が小さくなり、サイリスタ
動作時のオン抵抗が大きくなってしまい、抵抗R1の抵
抗値を上昇させることには限界がある。このため、十分
に保持電流を減少させることができないという問題点が
あった。
【0017】この発明は上記問題点を解決するためにな
されたもので、特性を悪化させることなく、最大可制御
電流の増大、保持電流の減少を図った半導体装置及びそ
の製造方法を得ることを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】この発明にかかる請求項
1記載の半導体装置は、一方主面と他方主面とを有する
第1の導電型の半導体基板と、前記半導体基板の一方主
面上に形成された第2の導電型の第1の半導体層と、前
記第1の半導体層上に選択的に形成された第1の導電型
の第1の半導体領域と、前記第1の半導体領域上に形成
された第2の導電型の第2の半導体領域と、前記第2の
半導体領域上に形成された第1の導電型の第3の半導体
領域と、前記第3の半導体領域の表面に選択的に形成さ
れた第4の半導体領域と、前記第1の半導体層と前記第
2の半導体領域との間の前記第1の半導体領域の側面上
に形成された第1の絶縁膜と、前記第1の絶縁膜上に形
成された第1の制御電極と、前記第2の半導体領域と前
記第4の半導体領域との間の前記第3の半導体領域の側
面上に形成された第2の絶縁膜と、前記第2の絶縁膜上
に形成された第2の制御電極と、前記第3及び第4の半
導体領域上に、前記第1及び第2の制御電極とは独立し
て形成された第1の主電極と、前記半導体基板の他方主
面上に形成された第2の主電極とを備えて構成されてい
る。
【0019】また、この発明にかかる請求項2記載の半
導体装置の製造方法は、一方主面と他方主面とを有する
第1の導電型の半導体基板を準備するステップと、前記
第1の半導体基板の一方主面上に第2の導電型の第1の
半導体層を形成するステップと、前記第1の半導体層上
に第1の導電型の第2の半導体層を形成するステップ
と、前記第2の半導体層の表面に、下層の前記第2の半
導体層の部分を第1の半導体領域として規定する、第2
の導電型の第2の半導体領域を選択的に形成するステッ
プと、前記第2の半導体領域の表面に第1の導電型の第
3の半導体領域を選択的に形成するステップと、前記第
3の半導体領域の表面に第4の半導体領域を選択的に形
成するステップと、前記第1〜第4の半導体領域を含む
第2の半導体層の表面から前記第1の半導体層の表面に
かけて選択的に溝を形成するステップと、前記溝の内周
に、前記第1の半導体領域の側面と接して第1の絶縁膜
を形成するステップと、前記溝の内周に、前記第3の半
導体領域の側面と接して第2の絶縁膜を形成するステッ
プと、前記第1の絶縁膜上に第1の制御電極を形成する
ステップと、前記第2の絶縁膜上に第2の制御電極を形
成するステップと、前記第3及び第4の半導体領域上
に、前記第1及び第2の制御電極とは独立して第1の主
電極を形成するステップと、前記半導体基板の他方主面
上に第2の主電極を形成するステップとを備えて構成さ
れている。
【0020】
【作用】この発明における請求項1記載の半導体装置あ
るいは請求項2記載の製造方法で製造されたの半導体装
置は、半導体基板、第1の半導体層、第1の半導体領域
及び第2の半導体領域によりサイリスタ構造を有してい
る。
【0021】第1及び第2の制御電極の電位を所定レベ
ルにし、第1及び第2の絶縁膜下の第1及び第3の半導
体領域の側面の導電性を第2の導電型に反転させること
より上記サイリスタはオン状態になる。
【0022】上記サイリスタがオン状態になっても、第
1の半導体領域から第2の半導体領域に注入されたキャ
リアは第2の半導体領域で再結合するため、第1の導電
型の第3の半導体領域に達するキャリアはほとんどなく
なる。
【0023】したがって、第1の導電型の第3の半導体
領域を流れるキャリアにより第3の半導体領域と第4の
半導体領域との間が順バイアスされるレベルの電位差は
生じることはないため、第2、第3及び第4の半導体領
域からなる寄生トランジスタが活性状態になることはな
い。
【0024】また、第1の半導体領域の側面が第2の導
電型に反転することにより、第1の半導体層、第1の半
導体領域及び第2の半導体領域からなるトランジスタの
電流増幅率が向上する。
【0025】
【実施例】図1はこの発明の第1の実施例であるEST
の構成を示す鳥瞰図であり、図2がそのA−A断面図で
ある。図1及び図2に示すように、P+ 基板1の一方主
面上にN- エピタキシャル層2が形成される。そして、
- エピタキシャル層2の表面領域上に絶縁膜4を介し
て、ポリシリコンからなる埋め込み型のゲート電極5が
選択的に形成される。
【0026】このゲート電極5,5間のN- エピタキシ
ャル層2上に、トランジスタ形成領域3あるいはP拡散
領域15が選択的に形成され、トランジスタ形成領域3
及びP拡散領域15はそれぞれ絶縁膜4を介することに
より、ゲート電極5とは絶縁される。
【0027】トランジスタ形成領域3において、P拡散
領域11上にN+ 拡散領域12が形成され、N+ 拡散領
域12上にP拡散領域13が形成され、P拡散領域13
の表面にN+ 拡散領域14が選択的に形成される。
【0028】そして、絶縁膜6がゲート電極5の全面を
覆って形成され、絶縁膜6が形成されていないP拡散領
域13、N+ 拡散領域14及びP拡散領域15上に、ア
ルミ・シリコンからなるカソード電極7が形成される。
また、P+ 基板1の他方主面上に金属からなるアノード
電極8が形成される。
【0029】図3は、図1及び図2で示したESTの動
作説明用の模式断面図である。以下、同図を参照してE
STの動作の説明を行う。
【0030】カソード電極7とゲート電極5とを同電位
にして、アノード電極8の電位を上昇させると、P拡散
領域11及び15とN- エピタキシャル層2とのPN接
合から空乏層がのびて、電圧を保持する。
【0031】この状態において、カソード電極7に対す
るゲート電極5の電圧を上昇させると、ゲート電極5と
絶縁膜4を介して対面するP拡散領域11及び13の側
面領域11a及び13aがそれぞれN反転する。その結
果、破線矢印で示すように、カソード電極7からの電子
がエピタキシャル層2に流れ出すとともに、P+ 基板1
とN- エピタキシャル層2との間に順バイアスが加わ
り、実線矢印で示すように、P+ 基板1からホールがN
- エピタキシャル層2を介してP拡散領域11及び15
に注入される。
【0032】P拡散領域11に流れ込んだホールがN+
拡散領域12に注入されるに伴い、点線矢印に示すよう
に、N+ 拡散領域12からP拡散領域11に電子が注入
される。そして、アノード電極8,カソード電極7間の
電流が増加すると、N+ 拡散領域12、P拡散領域1
1、N- エピタキシャル層2及びP+ 基板1で構成され
るサイリスタがオン状態となりサイリスタ動作に入る。
【0033】この構造ではP拡散領域11の側面領域1
1aがN反転しているため、N+ 拡散領域12、P拡散
領域11及びN- エピタキシャル層2からなるNPNバ
イポーラトランジスタの電流増幅率hFEが大きくなる。
また、P拡散領域11が電気的にフローティング状態で
ある。これらの理由により、サイリスタ動作を維持する
ための最小電流(保持電流)をより小さくすることがで
きる。
【0034】また、サイリスタ動作状態において、P拡
散領域11からN+ 拡散領域12に注入されるホールは
+ 拡散領域12内でほとんど再結合するため、P拡散
領域13の抵抗R12にはほとんど電流が流れない。し
たがって、N+ 拡散領域14とP拡散領域13との間に
順バイアスが加わることはなく、N+ 拡散領域14、P
拡散領域13及びN+ 拡散領域12からなるNPNバイ
ポーラトランジスタがオン状態になることはなく、ラッ
チアップ状態にはならない。したがって、最大可制御電
流を増大させることができる。
【0035】次に、カソード電極7に対するゲート電極
5の電圧を下降させると、P拡散領域13aのN反転状
態が解消されるため、サイリスタ動作は停止し、P+
板1からN- エピタキシャル層2に注入されたホールは
- エピタキシャル層2内での再結合、P拡散領域15
への流入で消滅しオフ状態となる。また、カソード電極
7に対するゲート電極5の電圧の下降度合いを高め、N
+ 拡散領域12の側面領域12aをP反転させて、N-
エピタキシャル層2に注入されたホールをP拡散領域1
1からP拡散領域13へと流してオフさせることもでき
る。
【0036】なお、P拡散領域15の形成面積が大きす
ぎるとN- エピタキシャル層2に注入されたホールがほ
とんどP拡散領域15に流れ込むため、サイリスタ動作
を維持するための保持電流が増加するが、P拡散領域1
5を適切に形成することにより、ターンオフ時間の短縮
化を図りつつ、保持電流を最小限に抑えることができ
る。
【0037】図4は第1の実施例のESTの等価回路を
示す回路図である。同図において、T11はN+ 拡散領
域12、P拡散領域11及びN- エピタキシャル層2か
らなるNPNバイポーラトランジスタ、T12はP+
板1、N- エピタキシャル層2及びP拡散領域11から
なるPNPバイポーラトランジスタ、T3はN+ 拡散領
域14、P拡散領域13及びN+ 拡散領域12からなる
NPNバイポーラトランジスタである。また、Q11は
+ 拡散領域12、P拡散領域11、N- エピタキシャ
ル層2及びゲート電極5からなるNMOSトランジス
タ、Q12はN+ 拡散領域12、P拡散領域13、N+
拡散領域14及びゲート電極5からなるNMOSトラン
ジスタである。
【0038】NMOSトランジスタQ11及びQ12が
同時にオンすることにより、バイポーラトランジスタT
11及びT12からなるサイリスタがオン状態となり、
NMOSトランジスタQ12がオフすることによりサイ
リスタ動作がオフ状態となる。
【0039】また、バイポーラトランジスタT3は寄生
トランジスタであり、P拡散領域13内の抵抗R12で
ベース−エミッタ間をショートしており、前述した理由
で抵抗R12を流れるベース電流が大きくなることはな
いため、ベース−エミッタ間を順バイアスするだけの電
圧が発生しない。したがって、バイポーラトランジスタ
T11〜T13からなる寄生サイリスタが動作状態とな
ることはなく、第1の実施例のESTはラッチアップ状
態にならない。
【0040】図5〜図11は第1の実施例のESTの製
造方法を示す断面図である。以下、これらの図を参照し
て、第1の実施例のESTの製造工程を説明する。
【0041】まず、図5に示すように、P+ 基板1上に
エピタキシャル成長法によりN- エピタキシャル層2を
形成し、N- エピタキシャル層2上に熱酸化膜を形成
後、熱酸化膜をマスクとしてP型の不純物を注入し、ア
ニールを行って、P拡散層31を形成する。
【0042】そして、熱酸化膜の除去後、図6に示すよ
うに、P拡散層31上の全面に下敷き酸化膜33を形成
後、下敷き酸化膜33上に窒化膜32を形成する。その
後、下敷き酸化膜33及び窒化膜32をパターニングし
不純物注入用の窓を開ける。この窓からN型の不純物を
注入し、アニールを行いN+ 拡散領域12を形成する。
このとき、同時に図示しない酸化膜が形成される。次
に、上記酸化膜をエッチングにより除去した後、再び下
敷き酸化膜を形成して、P型の不純物を注入し、アニー
ルを行いP拡散領域13を形成する。このとき、同時に
酸化膜34が形成される。
【0043】次に、図7に示すように、酸化膜34上に
レジスト35を塗布し、レジスト35のパターニング
後、レジスト35をマスクとして酸化膜34のエッチン
グ処理を行い、酸化膜32及び34をマスクとしてヒ素
を注入する。そして、図8に示すように、アニールを行
ってN+ 拡散領域14を形成する。このとき、同時に酸
化膜40が形成される。
【0044】そして、図9に示すように、酸化膜33,
40及び窒化膜32を除去し、改めて下敷き酸化膜36
及び窒化膜37を全面に形成する。その後、酸化膜36
及び窒化膜37のパターニングを行い、パターニングさ
れた酸化膜36及び窒化膜37をマスクとして、N-
ピタキシャル層2の表面にかけて深くエッチングし溝4
1を選択的に形成する。このエッチングはドライエッチ
ングでも他の異方性のエッチングでもよい。その結果、
エッチングされずに残ったP拡散層31のうち、上層に
+ 拡散領域12が形成された領域がP拡散領域11と
なり、上層に何も形成されなかた領域がP拡散領域15
となる。
【0045】次に、図10に示すように、溝41の内周
に酸化膜4を薄く形成後、溝41の内部を含む全面にポ
リシリコンをデポジッションし、エッチバックを行っ
て、溝41の内部のみポリシリコンを残すことによりゲ
ート電極5を形成する。その後、全面に、熱酸化法によ
り酸化膜38を形成する。
【0046】そして、窒化膜37上の酸化膜38の膜厚
の薄さを利用して、酸化膜エッチングを行い窒化膜37
だけで露出させ、さらに、窒化膜エッチングを行い窒化
膜37を除去する。そして、図11に示すように、酸化
膜36及び38をパターニングし、ゲート電極5の表面
全面を覆うように残す。その結果、残った酸化膜36及
び38が酸化膜6となる(図1〜図3参照)。なお、酸
化膜36及び38をパターニングを、酸化膜36が酸化
膜38より膜厚が薄いことを利用して、酸化膜36及び
38をそのままエッチングして、酸化膜38のみを残す
セルフアラインプロセスで行ってもよい。
【0047】その後、全面にアルミ・シリコンをスパッ
タ堆積しカソード電極7を形成する。そして、P+ 基板
1の他方主面上に金属を蒸着しアノード電極8を形成す
ることにより、第1の実施例のESTが製造される。
【0048】図12はカソード電極7に対するゲート電
極5の電圧V(以下、「制御電圧」という。)に対する
電極7,8間を流れる電流量I(以下、「導通電流」と
いう。)を示すグラフである。ただし導通電流Iは対数
表示である。同図から、保持電流IKを低く抑え、導通
電流Iを増大してもラッチアップ現象が生じないことが
わかる。
【0049】図13はこの発明の第2の実施例であるE
STの構成を示す鳥瞰図であり、図14がそのB−B断
面図である。図13及び図14に示すように、第1の実
施例のP拡散領域15の代わりに、カソード電極7から
- エピタキシャル層2にかけて形成されるP拡散領域
42をトランジスタ形成領域3に形成したことを特徴と
している。このP拡散領域42はP拡散領域11、13
及びN+ 拡散領域12と接するが、N+ 拡散領域14と
は接しないように形成される。
【0050】そして、P拡散領域11の抵抗R11の抵
抗値を十分に高くし、小量のホールがP拡散領域11か
らP拡散領域42に流れる時の電圧降下でもN+ 拡散領
域12とP拡散領域11との間のPN接合が順バイアス
され、N+ 拡散領域12からP拡散領域11へ電子が注
入されるようにしている。なお、他の構成は第1の実施
例と同様であるため説明は省略する。
【0051】このような構成において、カソード電極7
とゲート電極5とを同電位にして、アノード電極8の電
位を上昇させると、P拡散領域11及び15とN- エピ
タキシャル層2とのPN接合から空乏層のびて、電圧を
保持する。
【0052】この状態において、カソード電極7に対す
るゲート電極5の電圧を上昇させると、ゲート電極5と
絶縁膜4を介して対面するP拡散領域11及び13の側
面領域がそれぞれN反転する。その結果、第1の実施例
同様、カソード電極7からの電子がN- エピタキシャル
層2に流れ出すとともに、P+ 基板1とN- エピタキシ
ャル層2との間に順バイアスが加わり、P+ 基板1から
ホールがN- エピタキシャル層2を介してP拡散領域1
1、15及び42に注入される。
【0053】P拡散領域11に流れ込んだホールがN+
拡散領域12に注入されるに伴い、抵抗R11による電
圧降下でN+ 拡散領域12とP拡散領域11との間のP
N接合が順バイアスされることにより、N+ 拡散領域1
2からP拡散領域11に電子が注入される。そして、ア
ノード電極8,カソード電極7間の電流が増加すると、
+ 拡散領域12、P拡散領域11、N- エピタキシャ
ル層2及びP+ 基板1で構成されるサイリスタがオン状
態となり、サイリスタ動作に入る。以下の動作は第1の
実施例と同様であるため説明は省略する。
【0054】第2の実施例のESTにおいて、サイリス
タ動作を維持するために必要な最小電流である保持電流
IK(図12参照)を下げるべく、P拡散領域11を図
13のB−B方向に長く形成して抵抗R11を大きくす
ることが考えられる。この際、P拡散領域11の長さに
比例してN+ 拡散領域14もB−B方向に長く形成する
ことができるため、NMOSトランジスタQ12のチャ
ネル幅を十分長く形成することができ、抵抗R11の高
抵抗化に伴いサイリスタ動作時のオン抵抗が大きくなる
ことはない。したがって、抵抗R11の高抵抗化を図る
ことにより、他に支障を与えることなく、十分に保持電
流を減少させることができる。また、第1の実施例同
様、ラッチアップ現象が生じない構造であるため、最大
可制御電流の増大を図ることができる。
【0055】なお、第2の実施例のESTの製造方法
は、図5〜図11で示した第1の実施例の製造工程にお
いて、拡散領域12〜14の形成領域を第1の実施例よ
り増やし、溝41の形成時に溝41,41間に、拡散領
域12〜14とともに、上層に拡散領域11〜14が形
成されないP拡散層31を一部残すようにする。なお、
他の工程は第1の実施例の製造工程と同様であるため、
説明は省略する。
【0056】図15はこの発明の第3の実施例を示す断
面図である。同図の断面は第1の実施例の図1のA−A
断面に相当する。同図に示すように、第1の実施例のP
+ 基板1が取り除かれ、N- エピタキシャル層2の他方
主面上にP+ 拡散領域21が選択的に形成される。そし
て、P+ 拡散領域21を含むN- エピタキシャル層2の
他方主面上にアノード電極8が形成される。なお、他の
構成は第1の実施例と同様であるため、説明は省略す
る。
【0057】以下、第3の実施例のESTの動作説明を
行う。
【0058】まず、カソード電極7とゲート電極5とを
同電位にして、アノード電極8の電位を上昇させると、
P拡散領域11及び15とN- エピタキシャル層2との
PN接合から空乏層のびて、電圧を保持する。
【0059】この状態において、カソード電極7に対す
るゲート電極5の電圧を上昇させると、ゲート電極5と
絶縁膜4を介して対面するP拡散領域11及び13の側
面領域がそれぞれN反転する。その結果、第1の実施例
同様、カソード電極7からの電子がエピタキシャル層2
を通ってアノード電極8に流れ込む。このとき、電子電
流密度がある程度大きくなると、P+ 拡散領域21間の
- エピタキシャル層2に電子が流れることによる電圧
降下でP+ 拡散領域21とN- エピタキシャル層2との
PN接合に順バイアスが加わり、ホールがP+ 拡散領域
21からN- エピタキシャル層2に注入される。
【0060】その結果、ホールがN- エピタキシャル層
2を介してP拡散領域11及び15に注入される。P拡
散領域11に流れ込んだホールがN+ 拡散領域12に注
入されるに伴い、第1の実施例同様、N+ 拡散領域12
からP拡散領域11に電子が注入される。そして、アノ
ード電極8,カソード電極7間の電流が増加すると、N
+ 拡散領域12、P拡散領域11、N- エピタキシャル
層2及びP+ 拡散領域21で構成されるサイリスタがオ
ン状態となりサイリスタ動作に入る。なお、他の動作は
第1の実施例と同様であるため説明は省略する。
【0061】この構造ではアノード電極8とN- エピタ
キシャル層2とが接しているため、ターンオフ時におい
て、P+ 拡散領域21間のN- エピタキシャル層2の領
域に電子が流れることによる電圧降下量が、P+ 拡散領
域21とN- エピタキシャル層2とのPN接合の順バイ
アスレベルを下回ると、アノード電極8からのホールの
注入が停止する。したがって、P+ 拡散領域21からN
- エピタキシャル層2へのホール電流の注入が、第1の
実施例のP+ 基板1からN- エピタキシャル層2へのホ
ール電流の注入に比べてより早く減少し、第1の実施例
よりターンオフ時間を向上させることができる。
【0062】このような構成の第3の実施例のEST
は、ターンオフ時間の向上に伴い保持電流が若干増大す
るが、第1の実施例同様、最大可制御電流の増大及び保
持電流の減少を図ることができる。
【0063】また、第3の実施例のESTの製造方法
は、図5〜図11で示した第1の実施例の製造工程にお
いて、P+ 基板1を用いることなく、N- エピタキシャ
ル層2(もしくは、これに相当するN- 層)の裏面にP
+ 拡散領域21を選択的に形成する工程を追加し、P+
拡散領域21を含むN- エピタキシャル層2の裏面上に
アノード電極8を設けるように変更すればよい。なお、
他の工程は第1の実施例の製造工程と同様であるため、
説明は省略する。
【0064】図16はこの発明の第4の実施例の構成を
示す断面図である。同図の断面は第1の実施例の図1の
A−A断面に相当する。同図に示すように、P+ 基板1
の他方主面上にN+ 拡散領域22が選択的に形成され
る。そして、N+ 拡散領域22を含むP+ 基板1の他方
主面上にアノード電極8が形成される。また、P+ 基板
1の一方主面上にN+ バッファ層23が形成され、N+
バッファ層23上にN- エピタキシャル層2が形成され
る。なお、他の構成は第1の実施例と同様であるため、
説明は省略する。また、第4の実施例のESTの動作は
第1の実施例の動作とほぼ同様であるため省略する。
【0065】以下、第4の実施例のESTの特徴を、第
1の実施例のESTの構成のP+ 基板1とN- エピタキ
シャル層2との間にN+ バッファ層23を介挿した場合
と比較して説明する。
【0066】第1の実施例のESTにN+ バッファ層2
3設けるとN- エピタキシャル層2を薄くしてもオフ状
態でのパンチスルーを防ぎ、かつオン状態時おいてホー
ルの注入をコントロールするのができることが一般的に
知られている。このとき、N+ バッファ層23の膜厚を
薄く、不純物濃度を低くするとオン抵抗は低くなるが、
電極7,8間に過大な電圧が加わると、電流が流れすぎ
て素子が破壊されやすくなる。逆にN+ バッファ層23
の膜厚を厚くし不純物濃度を高めると、電極7,8間に
過大な電圧が加わっても電流が流れすぎることはなくな
り素子が破壊されにくくなるが、オン抵抗は上昇する。
つまり、N+ バッファ層23の形成に基づく素子の耐久
性の向上とオン抵抗の低下とはトレードオフの関係にあ
るため、第1の実施例にN+ バッファ層23を設ける場
合、上記した効果を得ることができる反面、膜厚と不純
物濃度との調整は困難であった。同様のことが第2及び
第3の実施例にも当てはまる。
【0067】一方、第4の実施例の構成では、N+ 拡散
領域22の存在により、P+ 基板1に注入される電子電
流密度が所定レベル以上になると、N- エピタキシャル
層22とN+ 拡散領域22間のP+ 基板1の領域1a
が、そこを流れるホール電流による電圧降下で空乏化す
る。その結果、電子電流はN- エピタキシャル層2から
+ 拡散領域22に直接流れ込み、ホールは空乏領域と
なったP+ 基板領域1aからは注入されなくなり、P+
基板1からのホールの注入量が抑制される。以下、この
効果を空乏化電流抑制効果という。したがって、空乏化
電流抑制効果が電極7,8間の導通電流が定格電流以上
になると働くように、P+ 基板領域1aの厚み、N+
ッファ層23の膜厚、不純物濃度等を設計することによ
り、N+ バッファ層23の厚みを薄く不純物濃度を低く
することによりオン抵抗を低くした場合に電極7,8間
に過大な電圧が加わっても、定格電流を越えた場合は空
乏化電流抑制効果が働くため、電流が流れすぎることは
なくなり素子が破壊されにくくなる。その結果、N+
ッファ層23の形成に基づく素子の耐久性の向上とオン
抵抗の低下とのトレードオフの関係は向上されるため、
第4の実施例のN+ バッファ層23の膜厚と不純物濃度
との調整は比較的容易になり、第4の実施例の構成によ
りはじめてN+ バッファ層23を形成する効果を存分に
発揮することができる。
【0068】図17は、N+ バッファ層23を設けた場
合の第1の実施例のESTと第4の実施例のESTそれ
ぞれの電極7,8間電圧V78と電極7,8間導通電流
I(対数表示)との関係を示すグラフである。同図にお
いて、I0が定格電流であり、L1が第1の実施例のE
STの特性、L4が第4の実施例のESTの特性を示
す。同図に示すように、第4の実施例のESTは第1の
実施例のESTに比べ、定格電流I0まではオン抵抗が
低く、定格電流I0を越えるとオン抵抗が高くなりた
め、良い特性であるといえる。
【0069】このような構成の第4の実施例のEST
は、第1の実施例同様、最大制御電流の増大及び保持電
流の減少を図りつつ、オン抵抗を低くしながら素子の耐
久性を向上させることができる。
【0070】また、第4の実施例のESTの製造方法
は、図5〜図11で示した第1の実施例の製造工程にお
いて、P+ 基板1の一方主面上にN+ バッファ層23を
形成する工程とP+ 基板の他方主面にN+ 拡散領域22
を形成する工程とを追加し、N+ バッファ層23上にN
- エピタキシャル層2を形成し、N+ 拡散領域22を含
むP+ 基板1の他方主面上にアノード電極8を製造する
ように変更すればよい。なお、他の工程は第1の実施例
の製造工程と同様であるため、説明は省略する。
【0071】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、請求項1記載の半導体装置あるいは請求項2記載の
製造方法で製造されたの半導体装置は、半導体基板、第
1の半導体層、第1の半導体領域及び第2の半導体領域
によりサイリスタ構造を有しており、このサイリスタ
は、第1及び第2の制御電極の電位を所定レベルにし、
第1及び第2の絶縁膜下の第1及び第3の半導体領域の
側面の導電性を第2の導電型に反転させることよりオン
状態に設定される。
【0072】サイリスタがオン状態になっても、第1の
半導体領域から第2の半導体領域に注入されたキャリア
は第2の半導体領域で再結合するため、第1の導電型の
第3の半導体領域に達するキャリアはほとんどなくな
る。したがって、第1の導電型の第3の半導体領域を流
れるキャリアにより第3の半導体領域と第4の半導体領
域との間が順バイアスされるレベルの電位差は生じるこ
とはないため、第2、第3及び第4の半導体領域からな
る寄生トランジスタが活性状態になることはない。 そ
の結果、第1の主電極,第2の主電極間の導通電流の増
大によっても、ラッチアップ状態は生じないため、最大
可制御電流が増大する効果がある。
【0073】また、第1の半導体領域の側面が第2の導
電型に反転することにより、第1の半導体層、第1の半
導体領域及び第2の半導体領域からなるトランジスタの
電流増幅率が向上するとともに、第1の半導体領域は電
気的にフローティング状態であるため、より少ない保持
電流でもサイリスタ動作を維持できる効果がある。
【0074】つまり、特性を悪化させることなく、最大
可制御電流の増大、保持電流の減少を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例であるESTの構成を
示す鳥瞰図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】第1の実施例のESTの動作説明用の模式断面
図である。
【図4】第1の実施例のESTの等価回路図である。
【図5】第1の実施例のESTの製造方法を示す断面図
である。
【図6】第1の実施例のESTの製造方法を示す断面図
である。
【図7】第1の実施例のESTの製造方法を示す断面図
である。
【図8】第1の実施例のESTの製造方法を示す断面図
である。
【図9】第1の実施例のESTの製造方法を示す断面図
である。
【図10】第1の実施例のESTの製造方法を示す断面
図である。
【図11】第1の実施例のESTの製造方法を示す断面
図である。
【図12】第1の実施例のESTにおける制御電圧と導
通電流との関係を示すグラフである。
【図13】この発明の第2の実施例であるESTの構成
を示す鳥瞰図である。
【図14】図13のB−B断面図である。
【図15】この発明の第3の実施例であるESTの構成
を示す断面図である。
【図16】この発明の第4の実施例であるESTの構成
を示す断面図である。
【図17】第4の実施例のESTの効果を説明するフラ
フである。
【図18】従来のESTの構成を示す断面図である。
【図19】従来のESTの動作説明用の模式断面図であ
る。
【図20】従来のESTの等価回路図である。
【図21】従来のESTにおける制御電圧と導通電流と
の関係を示すグラフである。
【符号の説明】 1 P+ 基板2 N- エピタキシャル層 3 トランジスタ形成領域 4 絶縁膜 5 ゲート電極 6 絶縁膜 7 カソード電極 8 アノード電極 11 P拡散領域 12 N+ 拡散領域 13 P拡散領域 14 N+ 拡散領域 15 P拡散領域 21 P拡散領域 22 N+ 拡散領域 23 N+ バッファ層 42 P拡散領域
【手続補正書】
【提出日】平成4年4月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】この状態において、カソード電極57に対
するゲート電極55の電圧を上昇させると、ゲート電極
55a及び55b直下のP拡散領域53の表面領域53
a及び53bがそれぞれN反転する。その結果、破線矢
印で示すように、電子がN+ 拡散領域54aからN-
ピタキシャル層52に流れ出すとともに、実線矢印で示
すように、P+ 基板51からホールがN- エピタキシャ
ル層52を介してP拡散領域53に流れ込む。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】したがって、P拡散領域53を流れるホー
ルが増大してくると、N+ 拡散領域54cとP拡散領域
53との間が順バイアスされ、電子がP拡散領域53を
通ってN- エピタキシャル層52に流れだす。その結
果、N+ 拡散領域54c、P拡散領域53、N- エピタ
キシャル層52及びP+ 基板1で構成されるサイリスタ
が動作状態となりサイリスタ動作に入る。このサイリス
タ動作によりESTのオン状態でのオン抵抗値を十分低
くすることができる。また、サイリスタ動作が動作状態
になるように、抵抗R1の抵抗値は十分大きな値に設定
される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】また、最大可制御電流を大きくするために
は、N+ 拡散領域53b下のP拡散領域53の濃度をさ
らに高め、抵抗R2の抵抗値はさらに低くしラッチアッ
プ現象を抑制する方法が考えられるが、N+ 拡散領域5
4b下のP拡散領域53の濃度を不必要に高めることに
より、N+ 拡散領域54b及び54cをソース、ドレイ
ン領域としたNMOSトランジスタQ2の閾値電圧VTH
に影響を与えてしうため、抵抗R2の抵抗値を低下さ
せることは限界がある。このため、十分に最大可制御電
流を増大させることはできないという問題点があった。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】次に、カソード電極7に対するゲート電極
5の電圧を下降させると、P拡散領域13aのN反転状
態が解消されるため、サイリスタ動作は停止し、P+
板1からN- エピタキシャル層2に注入されたホールは
- エピタキシャル層2内での再結合、P拡散領域15
への流入で消滅しオフ状態となる。また、カソード電極
7に対するゲート電極5の電圧の下降度合いを高め、N
+ 拡散領域12の側面領域12aをP反転させて、N-
エピタキシャル層2に注入されたホールをP拡散領域1
1からP拡散領域13へと流してオフさせるように形成
する事も可能である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】まず、図5に示すように、P+ 基板1上に
エピタキシャル成長法によりN- エピタキシャル層2を
形成し、N- エピタキシャル層2上に熱酸化膜を形成
後、レジストをマスクとしてP型の不純物を注入し、ア
ニールを行って、P拡散層31を形成する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0042
【補正方法】変更
【補正内容】
【0042】そして、熱酸化膜の除去後、図6に示すよ
うに、P拡散層31上の全面に下敷き酸化膜33を形成
後、下敷き酸化膜33上に窒化膜32を形成する。その
、窒化膜32をパターニングし不純物注入用の窓を開
ける。この窓からN型の不純物を注入し、アニールを行
いN+ 拡散領域12を形成する。このとき、同時に図示
しない酸化膜が形成される。このN型の注入は深く、か
つ高濃度に形成する必要があるため、高エネルギーイオ
ン注入が利用できる。次に、上記酸化膜をエッチングに
より除去した後、再び下敷き酸化膜を形成して、P型の
不純物を注入し、アニールを行いP拡散領域13を形成
する。このとき、同時に酸化膜34が形成される。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】そして、窒化膜37上の酸化膜38の膜厚
の薄さを利用して、酸化膜エッチングを行い窒化膜37
け露出させ、さらに、窒化膜エッチングを行い窒化膜
37を除去する。そして、図11に示すように、酸化膜
6をパターニングし、ゲート電極5の表面全面を覆う
ように残す。その結果、残った酸化膜36及び38が酸
化膜6となる(図1〜図3参照)。なお、酸化膜36及
び38パターニングを、酸化膜36が酸化膜38より
膜厚が薄いことを利用して、酸化膜36及び38をその
ままエッチングして、酸化膜38のみを残すセルフアラ
インプロセスで行ってもよい。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0051
【補正方法】変更
【補正内容】
【0051】このような構成において、カソード電極7
とゲート電極5とを同電位にして、アノード電極8の電
位を上昇させると、P拡散領域11及び42とN- エピ
タキシャル層2とのPN接合から空乏層のびて、電圧
を保持する。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正内容】
【0052】この状態において、カソード電極7に対す
るゲート電極5の電圧を上昇させると、ゲート電極5と
絶縁膜4を介して対面するP拡散領域11及び13の側
面領域がそれぞれN反転する。その結果、第1の実施例
同様、カソード電極7からの電子がN- エピタキシャル
層2に流れ出すとともに、P+ 基板1とN- エピタキシ
ャル層2との間に順バイアスが加わり、P+ 基板1から
ホールがN- エピタキシャル層2を介してP拡散領域1
、42に注入される。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正内容】
【0054】第2の実施例のESTにおいて、サイリス
タ動作を維持するために必要な最小電流である保持電流
IK(図12参照)を下げるべく、P拡散領域11を図
13のB−B方向に長く形成して抵抗R11を大きくす
ることが考えられる。この際、P拡散領域11の長さに
比例してN+ 拡散領域14もB−B方向に長く形成する
ことができるため、NMOSトランジスタQ12のチャ
ネル幅を十分長く形成することができ、抵抗R11の高
抵抗化に伴いサイリスタ動作時のオン抵抗が大きくなる
ことはない。したがって、抵抗R11の高抵抗化を図る
ことにより、他に支障を与えることなく、十分に保持電
流を減少させることができる。またP拡散領域11がフ
ローティングする事による耐圧の低下を防ぐ事ができ
る。また、第1の実施例同様、ラッチアップ現象が生じ
ない構造であるため、最大可制御電流の増大を図ること
ができる。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正内容】
【0055】なお、第2の実施例のESTの製造方法
は、図5〜図11で示した第1の実施例の製造工程にお
いて、溝41の形成時に溝41,41間に、拡散領域1
2〜14とともに、上層に拡散領域11〜14が形成さ
れないP拡散層31を一部残すようにする。なお、他の
工程は第1の実施例の製造工程と同様であるため、説明
は省略する。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0058
【補正方法】変更
【補正内容】
【0058】まず、カソード電極7とゲート電極5とを
同電位にして、アノード電極8の電位を上昇させると、
P拡散領域11及び15とN- エピタキシャル層2との
PN接合から空乏層のびて、電圧を保持する。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0066
【補正方法】変更
【補正内容】
【0066】第1の実施例のESTにN+ バッファ層2
3設けるとN- エピタキシャル層2を薄くしてもオフ状
態でのパンチスルーを防ぎ、かつオン状態時おいてホー
ルの注入をコントロールできることが一般的に知られて
いる。このとき、N+ バッファ層23の膜厚を薄く、不
純物濃度を低くするとオン抵抗は低くなるが、電極7,
8間に過大な電圧が加わると、電流が流れすぎて素子が
破壊されやすくなる。逆にN+ バッファ層23の膜厚を
厚くし不純物濃度を高めると、電極7,8間に過大な電
圧が加わっても電流が流れすぎることはなくなり素子が
破壊されにくくなるが、オン抵抗は上昇する。つまり、
+ バッファ層23の形成に基づく素子の耐久性の向上
とオン抵抗の低下とはトレードオフの関係にあるため、
第1の実施例にN+ バッファ層23を設ける場合、上記
した効果を得ることができる反面、膜厚と不純物濃度と
の調整は困難であった。同様のことが第2及び第3の実
施例にも当てはまる。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0067
【補正方法】変更
【補正内容】
【0067】一方、第4の実施例の構成では、N+ 拡散
領域22の存在により、P+ 基板1に注入される電子電
流密度が所定レベル以上になると、N- エピタキシャル
層22とN+ 拡散領域22間のP+ 基板1の領域1a
が、そこを流れるホール電流による電圧降下で空乏化す
る。その結果、電子電流はN- エピタキシャル層2から
+ 拡散領域22に直接流れ込み、ホールは空乏領域と
なったP+ 基板領域1aからは注入されなくなり、P+
基板1からのホールの注入量が抑制される。以下、この
効果を空乏化電流抑制効果という。したがって、空乏化
電流抑制効果が電極7,8間の導通電流が定格電流以上
になると働くように、P+ 基板領域1aの厚み、+
散領域22の配置、+ バッファ層23の膜厚、不純物
濃度等を設計することにより、N+ バッファ層23の厚
みを薄く不純物濃度を低くすることによりオン抵抗を低
くした場合に電極7,8間に過大な電圧が加わっても、
定格電流を越えた場合は空乏化電流抑制効果が働くた
め、電流が流れすぎることはなくなり素子が破壊されに
くくなる。その結果、N+ バッファ層23の形成に基づ
く素子の耐久性の向上とオン抵抗の低下とのトレードオ
フの関係は向上されるため、第4の実施例のN+ バッフ
ァ層23の膜厚と不純物濃度との調整は比較的容易にな
り、第4の実施例の構成によりはじめてN+ バッファ層
23を形成する効果を存分に発揮することができる。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0068
【補正方法】変更
【補正内容】
【0068】図17は、N+ バッファ層23を設けた場
合の第1の実施例のESTと第4の実施例のESTそれ
ぞれの電極7,8間電圧V78と電極7,8間導通電流
I(対数表示)との関係を示すグラフである。同図にお
いて、I0が定格電流であり、L1が第1の実施例のE
STの特性、L4が第4の実施例のESTの特性を示
す。同図に示すように、第4の実施例のESTは第1の
実施例のESTに比べ、定格電流I0まではオン抵抗が
低く、定格電流I0を越えるとオン抵抗が高くな
め、良い特性であるといえる。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図17
【補正方法】変更
【補正内容】
【図17】第4の実施例のESTの効果を説明する
フである。
【手続補正17】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】
【手続補正18】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図13
【補正方法】変更
【補正内容】
【図13】
【手続補正19】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図17
【補正方法】変更
【補正内容】
【図17】
【手続補正20】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図19
【補正方法】変更
【補正内容】
【図19】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一方主面と他方主面とを有する第1の導
    電型の半導体基板と、 前記半導体基板の一方主面上に形成された第2の導電型
    の第1の半導体層と、 前記第1の半導体層上に選択的に形成された第1の導電
    型の第1の半導体領域と、 前記第1の半導体領域上に形成された第2の導電型の第
    2の半導体領域と、 前記第2の半導体領域上に形成された第1の導電型の第
    3の半導体領域と、 前記第3の半導体領域の表面に選択的に形成された第4
    の半導体領域と、 前記第1の半導体層と前記第2の半導体領域との間の前
    記第1の半導体領域の側面上に形成された第1の絶縁膜
    と、 前記第1の絶縁膜上に形成された第1の制御電極と、 前記第2の半導体領域と前記第4の半導体領域との間の
    前記第3の半導体領域の側面上に形成された第2の絶縁
    膜と、 前記第2の絶縁膜上に形成された第2の制御電極と、 前記第3及び第4の半導体領域上に、前記第1及び第2
    の制御電極とは独立して形成された第1の主電極と、 前記半導体基板の他方主面上に形成された第2の主電極
    とを備えた半導体装置。
  2. 【請求項2】 一方主面と他方主面とを有する第1の導
    電型の半導体基板を準備するステップと、 前記第1の半導体基板の一方主面上に第2の導電型の第
    1の半導体層を形成するステップと、 前記第1の半導体層上に第1の導電型の第2の半導体層
    を形成するステップと、 前記第2の半導体層の表面に、下層の前記第2の半導体
    層の部分を第1の半導体領域として規定する、第2の導
    電型の第2の半導体領域を選択的に形成するステップ
    と、 前記第2の半導体領域の表面に第1の導電型の第3の半
    導体領域を選択的に形成するステップと、 前記第3の半導体領域の表面に第4の半導体領域を選択
    的に形成するステップと、 前記第1〜第4の半導体領域を含む第2の半導体層の表
    面から前記第1の半導体層の表面にかけて選択的に溝を
    形成し、少くとも前記第1〜第4の半導体領域からなる
    半導体素子形成領域を設けるステップと、 前記溝の内周に、前記第1の半導体領域の側面と接して
    第1の絶縁膜を形成するステップと、 前記溝の内周に、前記第3の半導体領域の側面と接して
    第2の絶縁膜を形成するステップと、 前記第1の絶縁膜上に第1の制御電極を形成するステッ
    プと、 前記第2の絶縁膜上に第2の制御電極を形成するステッ
    プと、 前記第3及び第4の半導体領域上に、前記第1及び第2
    の制御電極とは独立して第1の主電極を形成するステッ
    プと、 前記半導体基板の他方主面上に第2の主電極を形成する
    ステップとを備えた半導体装置の製造方法。
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