JPH0517241B2 - - Google Patents

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JPH0517241B2
JPH0517241B2 JP4398384A JP4398384A JPH0517241B2 JP H0517241 B2 JPH0517241 B2 JP H0517241B2 JP 4398384 A JP4398384 A JP 4398384A JP 4398384 A JP4398384 A JP 4398384A JP H0517241 B2 JPH0517241 B2 JP H0517241B2
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Yasuo Yamazaki
Takehiko Suzuki
Isoo Shimizu
Yasuo Matsumura
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Nippon Petrochemicals Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明はヨードニウム塩の処理方法に関する。
更に詳しくは、たとえばポリスチレン中のベンゼ
ンカン環を一方の置換基とするアリールヨードニ
ウム塩の処理方法に関する。 ベンゼン環を有するポリマーの代表的なものと
してポリスチレンがある。ポリスチレンの改質、
たとえば水溶化や、化学反応性の付与のためにス
ルホン酸基やハロゲン基の導入が提案されてい
る。 しかるに、ポリスチレンの後処理となるような
方法でベンゼン環に官能基を導入する方法では、
導入される官能基の種類が限られているので広く
使用される方法ではない。一方、特公昭55−
12042号公報および特公昭56−28256号公報などに
開示されているように、官能基が置換したスチレ
ンモノマーをコモノマーとしてスチレンと共重合
させることにより、結果としてベンゼン環の官能
基が導入されたポリスチレンを得る方法がある。
しかし、コモノマーの有する官能基が反応性の高
い場合は、コモノマーの合成それ自身が困難であ
り、また、共重合反応も困難であるという欠点が
ある。 また、化学反応において、反応原料と反応生成
物の分離が容易でない場合がある。たとえば、蒸
留により精製をするのに反応原料と反応生成物の
沸点が近接している場合や、再結晶により精製を
しなければならないのに反応原料と反応生成物の
両方とも溶解性が強く結晶しがたい場合などであ
る。化学反応の一手段として低分子量のジアリー
ルヨードニウム塩を処理する場合でも、同様であ
つて、たとえば対イオンである陰イオンの種類や
アリール基の種類などによつては、処理後、反応
生成物同士の分離、精製が困難なことがある。 本発明の目的の一つは、上述の事情に鑑み、高
分子量のたとえばポリスチレン鎖を有するヨード
ニウム塩を特定の条件で処理することにより、反
応性の高い官能基が導入されたポリスチレンを得
ることであつて、他の目的は、処理による反応生
成物との分離を容易ならしめることである。 すなわち、本発明は下記一般式()であらわ
されるヨードニウム塩を、遷移金属触媒および塩
基の存在下、溶媒中で後記する(A)〜(C)のいづれか
の活性付加剤により処理することを特徴とするヨ
ードニウム塩の処理方法に関する。 (ここで、Yは反応に不活性なポリマー鎖であ
り、Arは置換基を有することのあるアリール基
であり、またX は反応に不活性を陰イオンであ
る。) 以下に本発明を説明する。 一般式()において、Yなる反応に不活性な
ポリマー鎖は、スチレン、α−メチルスチレンな
どのベンゼン環を有するモノマーのホモ重合体ま
たは共重合体から誘導される。これらの重合体の
例としては、ポリスチレン、ポリ−α−メチルス
チレン、スチレン−イソブチレン共重合体、スチ
レン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソブレ
ン共重合体などである。重合体の重合度は本発明
には本質的ではなく、オリコマー程度の重合度か
ら含むことができる。 なお、Yなるポリマー鎖からなるポリマー中に
含まれるべきヨードニウムイオン単位の割合は、
特に限定されず、処理の効率や、活性付加剤によ
り処理する際の溶媒へのポリマーの溶解性、その
ほかにより適宜に選択できる。 本発明の上記()式の高分子量のヨードニウ
ム塩は、前記のホモ重合体または共重合体から製
造することができる。たとえば特開昭53−101331
号、特公昭57−53767号およびイギリス特許第
1114950号などに記載された方法や、J.Am.
Chem.Soc.,81,342(1952)に示されている
Beringerらの方法などによつても製造できるし、
また、Die Makromolekularare Chimie,152
153(1972)に記載された方法によつても容易に製
造できる。 これらの方法はいずれも、各種の置換基を有す
ることのあるアリール化合物を重合体の有するベ
ンゼン環にヨウ素原子を介してカツプリングさせ
るものである。アリール化合物としては、ベンゼ
ンもしくはナフタレンまたはこれらの誘導体があ
る。 好ましい上記()のヨードニウム塩は下記式
()であらわされる。 ここでYの定義は前記式()と同一である。
またRは水素原子、C1〜C12のアルキル基、シク
ロヘキシルなどのシクロアルキル基、フエニルな
どのアリール基、クロロメチルなどのハロゲノア
ルキル基、ハロゲン原子、カルボキシル基、メト
キシカルボニル、エトキシカルボニルなどのアル
コキシカルボニル基、メトキシ、エトキシなどの
アルコキシ基、ニトロ基、セチルアミノ、スクシ
ンイミドなどのアシルアミノ基などである。nは
0〜3の整数である。 ここで、ポリスチリル−フエニルヨードニウム
塩の例にとり上記式のヨードニウム塩の製法を説
明する。 すなわち、ニトロベンゼンを溶媒としてヨウ
素、五酸化ヨウ素とを硫酸触媒によりポリスチレ
ンと反応させ、ヨウ素化し、次に過酢酸によりア
セテート化し、ポリスチリルヨードアセテートを
得たのちベンゼンとカツプリングさせることによ
りポリスチリル−フエニルヨードニウム塩を得る
ことができる。 このほか、より直接的な合成法として、ヨウ化
アリールたとえばヨウ化ベンゼンを、酢酸などの
溶媒中で、過酢酸によりフエニルヨードリアセテ
ートとし、次にこれをポリスチレンと硫酸触媒に
よりカツプリングさせることによつてもポリスチ
リル−フエニルヨードニウム塩が得られる。 ここで示した方法で得られるヨードニウム塩は
対イオンX として重硫酸イオンを有している。 しかしながら、本発明の処理方法においては、
重硫酸イオンを反応に不活性な任意の陰イオンに
イオン交換することもできる。 これらイオン交換できる陰イオンの例として
は、塩素、臭素、ヨウ素などのハロゲンイオン、
テトラハロゲン化金属イオンやヘキサハロゲン化
金属イオンがある。イオン交換の方法は、上記陰
イオンを有する塩の水性溶媒中にポリスチリルヨ
ードニウムの重硫酸塩を加えて攪拌、混合するこ
とにより容易におこない得る。これら塩のうち、
ハロゲンイオンを与える塩として塩化ナトリウ
ム、臭化カリウム、ヨウ化カリウムなどのハロゲ
ン化アルカリ、および塩化アンモニウム、臭化ア
ンモニウム、ヨウ化アンモニウムなどのアンモニ
ウム塩がある。またハロゲン化金属イオンを与え
る塩として、テトラフルオロホウ酸ナトリウム、
テトラジルコン酸アンモニウム、テイトラクロロ
パラジウムカリウムなどのテトラハロゲン化金属
塩、およびヘキサフルオロケイ酸マグネシウム、
ヘキサフルオロ錫酸カリウムなどのヘキサハロゲ
ン化金属塩などがある。 低分子量のジアリールヨードニウムの塩の処理
においては、対イオンX の種類によつてはヨー
ドニウム塩の溶解性が高く、そのため再結晶によ
る分離、精製が困難であるので実際上、使用でき
る対イオンは限られる。 しかしながら、本発明においては高分子量のヨ
ードニウム塩により処理をおこなうために、分離
が容易である。したがつて、既に述べたように実
際上も、対イオンは反応に不活性である限り任意
の陰イオンでよい。 触媒として用いる遷移金属は、周期律表中第
族金属であつて、例えばパラジウム、ロジウム、
ルテニウム、白金、イリジウム、オスミウムなど
である。 特にパラジウム系触媒が好ましい。これらの遷
移金属は種々の形態で触媒として用いることがで
きる。すなわち、その酸化数や錯体のいかんにか
かわらず使用することができる。パラジウムを例
にとると、アルミナや活性炭に担持されたパラジ
ウム、塩化パラジウムなどのハロゲン化パラジウ
ム、酸化パラジウム、酢酸パラジウムなどの低級
脂肪酸のパラジウム塩などの2価のパラジウム、
その他、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジ
ウムなどの錯体も使用できる。ロジウムではカル
ボニル錯体なども使用できる。 遷移金属触媒の使用量はヨードニウム塩の1モ
ルに対して0.1〜10モル%である。好ましくは1
〜5モル%である。 本発明で使用する塩基は、遷移金属触媒を賦活
させるものであつて、反応を抑制しない塩基、す
なわち、触媒としての遷移金属に配位などして該
触媒を不活性にしない塩基であつて、使用する溶
媒に溶解するものであれば任意の塩基を使用する
ことができる。例えばトリエチルアミン、トリプ
ロピルアミン、トリブチルアミン、ジメチルアニ
リン、ジエチルアミリンなどの第三級アルキルア
ミン、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、ギ酸ナト
リウム、ギ酸カリウムなどの低級脂肪酸のアルカ
リ金属塩、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ
金属の炭酸または重炭酸塩などがある。 塩基の使用量は、反応するポリスチレンヨード
ニウム塩の対イオンを中和させるに足る量であれ
ばよい。したがつて、その使用量が化学量論量以
下のときは、目的とする処理の効率が低下するに
ずぎない。したがつてその量は適宜選択すること
ができる。 また、使用する触媒は、ヨードニウム塩を少し
でも溶解させ、かつ反応に関与しない不活性な溶
媒ならばいずれのものも使用できる。たとえば、
メタノール、エタノールなどの低級アルコール、
アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン、ジ
メトキシエタン、ジオキサンなどのエーテルのほ
かジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスル
ホオキシド(DMSO)、アセトニトリル、テトラ
ヒドロフランなど種々の極性溶媒が適宜選択でき
る。 なお、使用する塩基が溶媒ともなり得るときは
特に溶媒を用いる必要はない。 本発明の処理の反応は、温和ですみやかに進行
するもので、反応圧力、反応温度は出発原料など
に応じて、適宜選択できる。すなわち、反応圧力
は通常、常圧で充分であり、特に加圧する必要は
ない。しかしながら溶媒や、使用するアルコール
などの活性付加剤の沸点が低い場合には蒸発損失
を防ぐ目的で、また、活性付加剤が一酸化炭素な
どの気体状である場合には吸収を早めて処理効率
を向上させる目的で加圧することは差しつかえな
い。反応温度は常温〜100℃の範囲にあればよく、
使用する溶媒の沸点以下の反応温度であることが
好ましい。また、反応時間は、ヨードニウム塩の
溶媒への溶解度にもよるが通常は0.5〜20時間程
度で十分である。 本発明においては、上記の反応条件下で活性付
加剤により前記式()のヨードニウム塩を処理
する。 ここで活性付加剤は処理により芳香族環に付加
する化合物であつて、これをαであらわすと、次
の反応式(イ)、(ロ)またはその両方の反応が生じるこ
とによりヨードニウム塩の処理がなされることに
なる。 すなわち、反応式(イ)なる反応が生ずるならば、
ポリマー鎖にαが導入され、その結果、該ポリマ
ーの変性がなされる。また、反応式(ロ)なる反応
が、処理により生ずるならば、αが付加したアリ
ール化合物が得られる。このとき、ポリマーは反
応試剤となり、処理後は再びヨードニウム塩に変
換し得るので繰り返し使用することができる。な
お、反応式(イ)で生成したヨウ化アリールもまた、
ヨードニウム塩の変換するのに使用し得る。 より具体的なαなる活性付加剤は次の(A)不飽和
アルコール、(B)オレフインおよび(C)一酸化炭素お
よび水もしくは飽和脂肪族アルコールである。 (A):CHR1=CR2−CH2OH ……() (ここで、R1およびR2は水素またはC1〜C12
アルキル基である。) (B):CHR3=CR4−Z ……() (ここで、Zは水素、C1〜C12のアルキル基、
アルキル基、アルキルカルボニル基、アルコキシ
カルボニル基またはホルミル基であり、R3およ
びR4は水素またはC1〜C12のアルキル基である。) (C):一酸化炭素および水または飽和脂肪族アルコ
ール (A)の不飽和アルコールにより処理するときは次
の(イ−A)、(ロ−A)またはその両方の反応が
生ずる。 不飽和アルコールとしてはアリルアルコールや
メタルアリルアルコールが例示される。 したがつて、ポリスチリル−クメニルヨードニ
ウム塩をメタリルアルコールで処理すると式(ロ
−A)によればシクラメンアルデヒドが得られ
る。式(イ−A)ではポリスチレンに、ホルミル
プロピル基が導入される。 また、(B)のオレフイン(前記式())により
処理するときは、次の(イ−B),(ロ−B)また
はその両方の反応が生ずる。 ここで、式()のオレフインとして、具体的
には、アクロレイン、メタアクロレインなどの
α,β−不飽和アルデヒド、アクリル酸、アクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチ
ルヘキシル、メタアクリル酸、メタアクリル酸メ
チル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸ブ
チル、メタアクリル酸イソブチル、メタアクリル
酸2−エチルヘキシルなどのα,β−不飽和カル
ボン酸、もしくはそのエステルがある。さらに、
スチレン、α−メチルスチレン、B−メチルスチ
レン、ビニルトルエンなどのスチレン類や、イゾ
ブチレンなどのアクケンも例示される。 したがつて、ポリスチリル−フエニルヨードニ
ウム塩を処理する場合を例にとると、スチレンで
処理するならば、(イ−B)の式からはフエニル
ビニル基の導入されたポリスチレンが、また式
(ロ−B)からはスチルベンがそれぞれ得られる。 式(ロ−B)のみに着目すれば、アクロレイン
からは柱皮アルデヒドが、アクリル酸からは桂皮
酸が、またアクリル酸エステルからは桂皮酸エス
テルがそれぞれ得られる。 式(イ−B)を見ると、アクリル酸エステルで
は、アルコキシカルボニルビニル基がポリスチレ
ンに導入されることになる。この変性ポリスチレ
ンは、特公昭56−28256号に示されているように、
光重合性を有し、光によりそれ自身架橋するので
光記録用樹脂として有用である。 さらに、(C)として一酸化炭素と水により処理す
るときには、次の(イ−C)、(ロ−C)またはそ
の両方の反応が生じる。 したがつて、ポリスチレン−フエニルヨードニ
ウム塩を処理する場合を例にとると、式(イ−
C)からはカルボキシル基がベンゼン環に導入さ
れた変性ポリスチレンが得られる。 一方、式(ロ−C)の経路からは安息香酸が得
られる。 なお、一酸化炭素で処理するときには、水のか
わりに飽和脂肪族アルコール、たとえばR−OH
(ここで、RはC1〜C12のアルキルまたはシクロア
ルキル基である)であらわされるアルコールを使
用できるが、このときは、上の式(イ−C)また
は(ロ−C)において、カルボキシル基が該アル
コールでエステル化されたエステルが得られる。 次に実施例による本発明を詳述する。 (ヨードニウム塩の合成) (合成例 1〜3) ポリスチレン(105g)、ヨウ素(102g)、五酸
化ヨウ素(39g)を四塩化炭素(100ml)とニト
ロベンゼン(1.5)との混合溶媒に加え、90℃
に加温し50%硫酸を約30分で消加した。 その後90℃で40時間攪拌し反応させる。反応終
了後、メタノール中に注ぎ入れヨウ素化ポリスチ
レンを沈澱させた。 得られた沈澱をロ過し、四塩化炭素−メタノー
ル溶媒で洗浄し、淡黄色粉末であるポリスチレン
ヨー素化物60gを得た。 ポリスチレンヨー素化物20.4gと過酢酸400ml
を混合攪拌し室温で16時間反応させた、粉末をロ
別した後、メタノールで洗浄し粉末であるポリス
チレンヨードソアセテート26gを得た。 〔アリール化合物とのカツプリング〕 ポリスチレンヨードソアセテート 4.7g アリール化合物(下の表) 60g 酢酸 300ml の混合物を0〜5℃で混合し、濃硫酸下の表で示
した量を加え反応させ、氷水中に注ぎ沈澱物をロ
過した。ロ過して得られた粉末を、水−エタノー
ル混合溶媒で洗浄することにより黄色粉末を得
た。結果は次に示すが、赤外線吸収スペクトルに
よりポリスチリル−アリールヨードニウム塩が得
られたことが確認された。
【表】 * 原料のポリスチレンと比較し、
あらたに測定された吸収位
置。
(合成例 4) 合成例1で得られたポリスチリル−フエニルヨ
ードニウムの重硫酸塩2gを臭化カリウムの水性
飽和溶液20ml中で40℃×15時間攪拌し、ポリスチ
リル−フエニルヨードニウムプロミド1.8gを得
た。このものは新たに、1400cm-1、810cm-1およ
び540cm-1の赤外吸収が認められた。 実施例 1 完全に窒素で置換した攪拌機つき容器に合成例
1で得られたポリスチリル−フエニルヨードニウ
ム塩2.3g(10ミリモル)、塩基として酢酸ナトリ
ウム0.33g(1ミリモル)、及びアセトン溶媒30
mlを入れ混合し温度55℃にし、アリルアルコール
0.31g(5ミリモル)をアセトン5mlに溶媒した
ものを約30分で加えさらに4時間反応させた。 反応終了後、粉末をロ過によつて分離しメタノ
ール及び水で洗浄し乾燥後IRスペクトルによつ
てその構造を確認した。 赤外吸収スペクトルによれば原料であるポリス
チレン樹脂に比較して、1700cm-1、810cm-1、570
cm-1に新たな吸収がみとめられ、不飽和アルコー
ルであることを示す、3500cm-1、1660cm-1、990
cm-1が消滅している事からポリスチレンのp位に
アルデヒド基の導入された事が確認された。 一方、処理後、分離された反応液について、ガ
スクロマトグラフイーにより分析したところ、2
−フエニルプロパナールおよびヨウ化ベンゼンが
含まれることが確認された。 実施例 2〜11 合成例1のポリスチリル−フエニルヨードニウ
ム塩10ミリモル、塩基4ミリモル、遷移金属触媒
1ミリモル、および溶媒30mlを用いて、実施例1
と同様にして次の表に示す種類について処理を
おこなつた。 いずれの場合も、ロ過して得られた粉末につい
て赤外吸収スペクトルを測定すると、原料のポリ
スチレンと比較して、1700cm-1、810cm-1および
570cm-1の吸収が新たに認められたので、ポリス
チレンのベンゼン環のp−位にアルデヒド基が導
入されたことが確認された。
【表】 * 原料ポリスチレンと比較し、新たに認められた吸
収。
実施例 12 完全に窒素で置換した攪拌機つき容器に、合成
例1で得られたポリスチリル−フエニルヨードニ
ウム塩2.3g(10ミリモル)、塩基として酢酸ナト
リウム0.33g(4ミリモル)、遷移金属触媒とし
て酢酸パラジウム0.23g(1ミリモル)おびアセ
トン30mlを入れて混合し、55℃においてアクリル
酸メチル0.4g(4.6ミリモル)をアセトン5mlに
溶解した溶液を約30分で加えて、その温度でさら
に4時間反応させた。 反応終了後、ロ過して粉末を分離後、メタノー
ルおよび水で洗浄し、乾燥後赤外吸収スペクトル
によりその構造を確認した。 すなわち。IRスペクトルによると、原料のポ
リスチレンと比較し、1700cm-1、1660cm-1、1250
cm-1、1050cm-1、810cm-1および570cm-1に新たな
吸収が認められることにより、ポリスチレンのベ
ンゼン環のp−位に不飽和エステル基が導入され
たことが確認できた。 また、分離された反応液についてガスクロマト
グラフイーにより分析したところ桂皮酸メチルお
よびヨウ化ベンゼンの生成が確認された。 (光架橋の実験) 得られた粉末DMF溶媒に可溶であつたので、
DMF溶媒に溶解させ、この溶液をテフロンコー
ト板上に塗布した後、40℃の真空乾燥機中で乾燥
し、変性ポリスチレンの薄片を得た。 次に、この薄片を赤外線ランプの下で3時間照
射した後、再び沸とうしているDMF溶媒中に投
入したが、溶解することはなかつた。 また、この照射された薄片の赤外吸収スペクト
ルを測定したところ、1660cm-1の吸収が消滅して
おり、架橋されていることが確認された。 実施例 13〜24 ヨードニウム塩10ミリモル、塩基4ミリモル、
遷移金属触媒1ミリモル、活性付加剤(4.6ミリ
モル)、溶媒(DMF:アセトン=1:1)30mlを
用いて実施例12と同様にして、表に示すそれぞ
れについて処理をおこなつた。 いずれの場合も、ロ過されて得られた粉末につ
いての赤外吸収スペクトルにより、ポリスチレン
のベンゼン環のp−位に不飽和結合の保持された
官能基が導入されたことが確認できた。
【表】 * 元のポリスチレンと比較し、新たに認められた吸
収。
実施例 25 合成例1で得られたポリスチリル−フエニルヨ
ードニウム塩2.3g(10ミリモル)、塩基として酢
酸ナトリウム0.33g(4ミリモル)、遷移金属触
媒として酢酸パラジウム0.23g(1ミリモル)
を、アセトンとエタノールの混合溶媒30mlと、完
全に窒素で置換した容器中で混合し、温度55℃に
保ちつつ、一酸化炭素を導入し、6時間反応させ
た。 反応終了後、粉末をロ過により分離し、メタノ
ールおよび水で洗浄、乾燥後、赤外吸収スペクト
ルを測定し、その構造を確認した。 すなわち、原料のポリスチレンの赤外吸収スペ
クトルと比較すると、1700cm-1、1100cm-1および
570cm-1に新たな吸収が認められるので、ポリス
チレンのベンゼン環にエトキシカルボニル基が導
入されたことが明らかである。 一方、分離された反応液について、ガスクロマ
トグラフイーにより分析したところ安息香酸エチ
ルと、ヨウ化ベンゼンが生成していることが確認
された。 実施例 26〜34 表に示す種類について、実施例25と同様にし
てポリスチリル−フエニルヨードニウム塩を処理
した。 得られた粉末について、赤外吸収スペクトルを
測定したところ、アセトン/エタノール混合溶媒
として、エタノールを用いて処理した場合には、
1700cm-1、1100cm-1および570cm-1に新たな吸収
が認められるので、カルボニル基とエステル結合
(−C−O−)のポリスチレンへの導入が確認さ
れた。 また、DMF:水=1:1の混合溶媒を用いた
場合には、さらに加えて3500cm-1の吸収もまた認
められたので、遊離のカルボキシル基がポリスチ
レンのベンゼン環へ導入されたことが確認され
た。
【表】 * 原料ポリスチレンと比較し、新たに認められた
吸収。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一般式() (ここで、Yは反応に不活性なポリマー鎖であ
    り、Arは置換基を有することのあるアリール基
    であり、X は反応に不活性な陰イオンである。)
    であらわされるヨードニウム塩を、遷移金属触媒
    および塩基の存在下、溶媒中で下記(A)〜(C)からな
    る群から選ばれる活性付加剤により処理すること
    を特徴とするヨードニウム塩の処理方法。 (A) 下記の不飽和アルコール CHR1=CR2−CH2OH ……() (ここで、R1およびR2は水素またはC1〜C12
    アルキル基である) (B) 下記のオレフイン CHR3=CR4−Z ……() (ここで、Zは水素、C1〜C12のアルキル基ア
    リール基アルキルカルボニル基、アルコキシカル
    ボニル基、またはホルミル基であり、R3および
    R4は水素またはC1〜C12のアルキル基である。) (C) 一酸化炭素ならびに水または飽和脂肪族アル
    コール。 2 前記遷移金属触媒がパラジウム系触媒である
    特許請求の範囲第1項記載のヨードニウム塩の処
    理方法。
JP4398384A 1984-03-09 1984-03-09 ヨ−ドニウム塩の処理方法 Granted JPS60188406A (ja)

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JP2020172584A (ja) * 2019-04-10 2020-10-22 帝人株式会社 改質高分子の製造方法

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