JP2020172584A - 改質高分子の製造方法 - Google Patents

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【課題】本発明は、新規な改質高分子の製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】本発明の改質高分子の製造方法は、主鎖に芳香環を有する高分子、アリール化合物、及び反応触媒を混合すること、並びに前記高分子の芳香環の水素を、前記アリール化合物のアリール基に置換する反応を行って、改質された高分子を得ること含む。【選択図】なし

Description

本発明は、改質高分子の製造方法に関する。特に、本発明は、主鎖に存在する芳香環の水素をアリール基に置換することを含む、改質高分子の製造方法に関する。
高分子の改質は、通常の高分子にはない性質を高分子に与える手段として有用である。例えば、高分子の改質としては、反応点として利用可能なビニル基、ハロゲン基等の官能基を有する高分子に対して有機反応を行う官能基変換反応、化学的な刺激及び/又は熱・光等の物理的な刺激によって高分子の化学結合の切断を伴う分解反応等が知られている。
従来の改質方法では多くの場合、あらかじめ反応点を持つモノマーを重合することで反応性高分子を合成しているため、反応点が耐えられる重合条件を設定するか、反応点を保護した状態で重合する等の制限がある。
高分子主鎖に含まれる芳香環の水素を他の官能基に置換する手法として、芳香族求電子置換反応がある。例えば、このような反応としては、フリーデルクラフツアシル化、アルキル化、スルホン化、ニトロ化、ブロモ化等を挙げることができる。この種の反応は、位置選択性の制御が難しく、また官能基が導入される芳香環が電子豊富である必要がある。
低分子化合物を対象に、C−H結合の直接変換反応が知られている。この反応では、例えば遷移金属触媒を用いてC−H結合を活性化して、C−H結合の事前の官能基化をすることなく、水素の置換反応を行う。このような反応では、アミド基、エステル基等を配向基として使用し、芳香環の水素を、オルト位選択的にアリール化、アルキニル化、ヘテロ原子化することなどが可能である。例えば、非特許文献1では、フェノールエステルの芳香環の水素を、アリール基に置換している。
しかしながら、高分子の分野においては、C−H活性化機構に基づいて水素を他の官能基に置換する反応は報告されておらず、非特許文献2に記載のようなポリスチレンに対する直接ホウ酸化が知られているのみであった。
Bin Xiao, et al., "Pd(II)-catalyzed C-H activation/Aryl-Aryl Coupling of Phenol Esters", J. Am. Chem.Soc. 2010, 132(2), p.468-469 Ying Chang, et al., "Aromatic lonomers with Highly Acidic Sulfonate Groups: Acidity, Hydration, and Proton Conductivity", Macromolecules, 2011, 44, p.8458-8469
本発明は、新規な改質高分子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、以下の態様を有する本発明により、上記課題を解決できることを見出した。
《態様1》
主鎖に芳香環を有する高分子、アリール化合物、及び反応触媒を含有する混合体において、前記高分子の芳香環の水素を、前記アリール化合物のアリール基で置換することを含む、改質高分子の製造方法。
《態様2》
前記混合体が、溶媒を含む、態様1に記載の製造方法。
《態様3》
前記芳香環を有する高分子が、−X−Ar−(ここで、Xは、酸素原子、硫黄原子、エステル基、アミド基、又はカルバメート基であり、Arは前記芳香環である)部分を含む繰り返し単位を有する、態様1又は2に記載の製造方法。
《態様4》
前記芳香環を有する高分子が、ポリカーボネートである、態様1〜3のいずれか一項に記載の方法。
《態様5》
前記置換反応によって置換される前記高分子の芳香環の水素が、芳香環のオルト位にある水素である、態様1〜4のいずれか一項に記載の方法。
《態様6》
前記アリール化合物が、ハロゲン化アリール化合物である、態様1〜5のいずれか一項に記載の方法。
《態様7》
前記ハロゲン化アリール化合物が、ジアリールヨードニウム塩である、態様6に記載の方法。
《態様8》
前記触媒が、遷移金属触媒である、態様1〜7のいずれか一項に記載の方法。
《態様9》
前記芳香環を有する高分子が、ポリカーボネートであり;前記アリール化合物が、ジアリールヨードニウム塩であり;前記触媒が、パラジウム系触媒である、態様1に記載に製造方法。
《改質高分子の製造方法》
本発明の改質高分子の製造方法は、主鎖に芳香環を有する高分子、アリール化合物、及び反応触媒を含有する混合体において、高分子の芳香環の水素を、アリール化合物のアリール基で置換することを含む。
本発明者らは、主鎖に芳香環を有する高分子であれば、非特許文献1に記載の反応と同様の反応によって、主鎖の芳香環の水素をアリール基に置換することができることを見出した。高分子の反応においては立体障害が発生しやすく、低分子において進む反応が、高分子に実質的な悪影響を与えずに、その高分子で同様に進められるという点は予想外であった。これにより得られる改質高分子は、改質前の高分子よりも、例えばガラス転移温度が高くなり、それにより耐熱性を向上させることができる。
主鎖に芳香環を有し、その芳香環に側鎖としてアリール基を有する高分子を、モノマーの重合のみによって製造しようとすると、モノマーが高融点となったり、溶媒への溶解性が低くなったりする結果、生産が困難になることが多い。それに対して、本発明の方法によれば、容易に入手できる原料から比較的容易にそのような高分子を製造することができるため、有利である。例えば、本発明の方法によれば、比較的低温で原料の高分子を溶媒に溶解させて反応させ、そして改質高分子を製造することができる。
本発明の方法によって得られる改質高分子は、事前の官能基化をすることなく、一段階の反応で、高分子の主鎖の芳香環にアリール基を導入することができ、例えば芳香環のオルト位やメタ位、好ましくはオルト位に選択的にアリール基を導入することができる。その結果、ランダムな位置に導入するよりも、得られる改質高分子の品質を制御しやすくすることができ、またガラス転移温度をより向上させることができる。
本発明の方法によって得られる改質高分子では、その改質前の原料の高分子と比較して、島津製作所製示差走査熱量計DSC−60を使用して、窒素雰囲気下、昇温速度:20℃/分の条件下で測定した場合に、ガラス転移温度が、5℃以上、10℃以上、又は15℃以上高くすることができ、例えば3℃以上50℃以下の範囲、又は5℃以上30℃以下の範囲で高くすることができる。
本発明の方法によって得られる改質高分子の重量平均分子量は、その改質前の原料の高分子の重量平均分子量と比較して、JASCO製PU−2080型インテリジェントポンプ、昭和電工製のShodex K−804とShodex K−805とを連結したカラムを使用して、クロロホルムを移動相(0.85ml/min)に30℃の条件下で測定した場合に、0.2倍以上、0.3倍以上、0.5倍以上、0.7倍以上、又は0.9倍以上であってもよく、1.5倍以下、1.3倍以下、1.1倍以下、0.9倍以下、又は0.7倍以下であってもよく、例えば0.2倍以上1.5倍以下、又は0.3倍以上1.1倍以下の範囲であってもよい。
〈主鎖に芳香環を有する高分子〉
本発明の方法において原料として用いられる高分子は、主鎖に芳香環を有する。そのような高分子としては、本発明の方法で用いられる反応が進む限り、特にその種類及び使用量は限定されない。本明細書において、芳香環は、単環式芳香環及び縮合環式芳香環を含み、反応が進む限り芳香環には置換基が存在していてもよい。
主鎖に芳香環を有する高分子としては、例えば、−X−Ar−(ここで、Xは、酸素原子、硫黄原子、エステル基、アミド基、又はカルバメート基であり、Arは芳香環である)部分を含む繰り返し単位を有する高分子を挙げることができる。このような高分子は、X基の存在に起因して、芳香環のオルト位の水素を置換することが容易となると考えられる。この場合、X基は、いわゆる配向基として機能することができる。
例えば、そのような高分子としては、芳香族ポリエーテル(例えば、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンエステル)、ポリフェニレンスルフィド、芳香族ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、ポリカーボネート、芳香族ポリアミド等を挙げることができる。
本発明の方法において原料として用いられる、主鎖に芳香環を有する高分子の重量平均分子量は、特に限定されないが、JASCO製PU−2080型インテリジェントポンプ、昭和電工製のShodex K−804とShodex K−805とを連結したカラムを使用して、クロロホルムを移動相(0.85ml/min)に30℃の条件下で測定した場合に、5,000以上、10,000以上、30,000以上、50,000以上、100,000以上であってもよく、1,000,000以下、500,000以下、300,000以下、200,000以下、100,000以下、50,000以下、20,000以下、又は10,000以下であってもよい。例えば、その重量平均分子量は、5,000以上100,000以下であってもよい。
〈アリール化合物〉
本発明の方法において高分子の芳香環の水素を置換するために用いられるアリール化合物としては、本発明の方法で用いられる反応を進めることができる、置換又は無置換のアリール基を有する化合物であれば、特にその種類及び使用量は限定されない。
そのようなアリール化合物としては、アリール基の一部がハロゲンで置換されている化合物を挙げることができる。そのような化合物は、芳香環の水素と、アリール基のハロゲンとが反応して、ハロゲン化水素を生成しながら、芳香環にアリール基を結合させることができる。
より具体的には、アリール化合物として、モノアリールヨードニウム、ジアリールヨードニウム塩などのハロゲン化アリール化合物が挙げられ、好ましくはジアリールヨードニウム塩を挙げることができる。塩としては、溶媒への可溶性を考慮した場合、トリフルオロメタンスルホナート、テトラフルオロホウ酸塩等を挙げることができる。
〈反応触媒〉
本発明の方法において用いられる反応触媒としては、高分子の主鎖の芳香環のC−H結合を活性化させることができ、それにより本発明の方法で用いられる反応を進めることができれば、特にその種類及び使用量は限定されず、本発明の方法において用いられる各成分に応じて選択することができる。
そのような反応触媒としては、C−H結合の直接変換反応において用いられる通常の反応触媒を用いることができ、例えば遷移金属化合物が挙げられ、好ましくは後周期遷移金属触媒を挙げることができる。より具体的には、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、または白金などの白金族元素系触媒をあげることができ、特にパラジウム系触媒、好適には2価のパラジウム系触媒を挙げることができる。
パラジウム系触媒としては、酢酸パラジウム、ピバル酸パラジウム、アセチルアセトンパラジウム、トリフルオロ酢酸パラジウム、テトラキス(アセトニトリル)パラジウムジトリフラート、塩化パラジウム等を挙げることができる。また、他の白金族元素系触媒として、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ロジウム(III)ジクロリドダイマー([Cp*RhCl)、(シメン)ルテニウムジクロリドダイマー([Ru(p−cymene)Cl)、トリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム(II)ジクロリド([Ru(PPhCl])、(ペンタメチルシクロペンタジエニル)イリジウム(III)ジクロリドダイマー([IrCp*Cl])等を挙げることができる。
これらの触媒は、多孔質担体、例えばシリカ、アルミナ等の無機酸化物の多孔質担体に担持されていてもよい。また、さらに反応を促進するために、酸触媒、例えばトリフルオロメタンスルホナートを追加して用いてもよい。
本発明の方法は、置換反応を行って改質された高分子を得た後に、反応触媒を除去する工程を含んでもよい。この場合、反応触媒の除去は、ろ過等によって行うことができる。
〈溶媒〉
本発明の方法においては、溶媒中に各成分を溶解又は分散させて反応を行うことができる。そのような溶媒としては、反応を効率的に進ませることができれば特にその種類及び使用量は限定されず、本発明の方法において用いられる各成分に応じて選択することができる。
そのような溶媒としては、有機溶媒を挙げることができ、例えばメチルエーテル、エチルエーテル、プロピルエーテル等のエーテル系溶媒;酢酸エチル等のエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキサノン、エチルイソブチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒;ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等のイミド系溶媒;トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;ノルマルヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;クロロホルム、四塩化炭素、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン系溶媒等を挙げることができる。
〈その他の成分〉
本発明の方法では、例えば反応が水分の影響を受けないようにして反応を促進するために、無水酢酸、無水ピバル酸、無水トリフルオロ酢酸、無水トリフルオロメタンスルホン酸等を添加することができる。ただし、これらの成分がなかったとしても反応は進むため、これらは反応系に添加されなくてもよい。
〈反応条件〉
本発明の方法では、反応温度、反応圧力、雰囲気等については、反応を効率的に進ませることができれば特に限定されず、本発明の方法において用いられる各成分に応じて選択することができる。
本発明の方法で行われる反応は、室温で進行させることもでき、例えば、0℃以上、5℃以上、10℃以上、20℃以上、又は30℃以上で反応させることができ、80℃以下、60℃以下、又は50℃以下で反応させてもよい。例えば、この反応を、5℃以上80℃以下、又は10℃以上60℃以下の温度で進行させることができる。
反応圧力は、常圧であってもよく、減圧下又は加圧下であってもよい。反応雰囲気は、不活性雰囲気であることが好ましく、例えば窒素雰囲気下、アルゴン雰囲気下で行うことができる。
本発明を以下の実施例でさらに具体的に説明をするが、本発明はこれによって限定されるものではない。
《製造例》
〈実施例1〉
反応触媒として0.05mmolの酢酸パラジウム(II)及び0.20mmolのトリフルオロメタンスルホナートと、アリール化合物として0.20mmolのビス(4−フルオロフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホナートと、芳香環を有する高分子として0.10mmolのポリカーボネート(Mn:8300、Mw/Mn:6.6)と、溶媒として1.0mlの1,2−ジクロロエタンとを用いて、50℃で3時間反応させることで、実施例1の改質ポリカーボネートを得た。この反応では、反応が水分の影響を受けないようにして反応を促進するために、0.20mmolの無水酢酸も添加した。
この反応は、以下の化学式で表すことができる:
Figure 2020172584
〈実施例2〜8〉
表1に記載のように各成分の添加量及び反応条件を変更して、実施例2〜7の改質ポリカーボネートを得た。また、反応触媒として、トリフルオロ酢酸パラジウム(II)を用いて、実施例8の改質ポリカーボネートを得た。
〈実施例9〜14〉
アリール化合物としてビス(4−フルオロフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホナートを、表2に記載のAr及びArをそれぞれ有するジアリールヨードニウムトリフルオロメタンスルホナート(Ar−I−Ar(TfO))に変更したこと以外は、実施例5と同様にして、実施例9〜14の改質ポリカーボネートを得た。
《評価》
〈アリール基導入数〉
H NMRを用いて、各例で得られた改質ポリカーボネートの繰り返し単位当たりのアリール基導入数(NAr)を算定した。
〈分子量〉
標準ポリスチレンを基準とし、UV検出器を有するGPC測定装置によって、JASCO製PU−2080型インテリジェントポンプ、昭和電工製のShodex K−804とShodex K−805とを連結したカラムを使用して、クロロホルムを移動相(0.85ml/min)に30℃の条件下で、実施例4〜7及び9〜14で得られた改質ポリカーボネート並びに原料のポリカーボネートの数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)及びピークトップ分子量(Mp)を測定した。測定前に、セライト(商標)を使用してろ過することによって、各改質ポリカーボネートからパラジウムを除去した。
〈5%熱重量減少温度〉
熱重量分析によって、10℃/分の昇温速度で窒素雰囲気下で、実施例4〜7及び9〜14で得られた改質ポリカーボネート並びに原料のポリカーボネートの5%熱重量減少温度(Td5)を測定した。測定前に、セライト(商標)を使用してろ過することによって、各改質ポリカーボネートからパラジウムを除去した。
〈ガラス転移温度〉
20℃/分の昇温速度で窒素雰囲気下で、島津製作所製示差走査熱量計(DSC−60)を用いて、実施例4〜7及び9〜14で得られた改質ポリカーボネート並びに原料のポリカーボネートのガラス転移温度(Tg)を測定した。この際には、冷却温度は60℃/分とし、測定を複数回行って、同一の結果が得られていたことを確認した。測定前に、セライト(商標)を使用してろ過することによって、各改質ポリカーボネートからパラジウムを除去した。
《結果》
結果を表1及び表2に示す。
Figure 2020172584
Figure 2020172584
実施例4〜7を比較すると、ポリカーボネートの繰り返し単位当たりのアリール基導入数が高いほど、重量平均分子量が低下する傾向があった。一方で、5%熱重量減少温度を参照すると、いずれの改質ポリカーボネートも、300℃程度までは安定であることがわかった。また、重量平均分子量等が低下しているにもかかわらず、アリール基導入数が高いほど、ガラス転移温度が、原料のポリカーボネートよりも高くなっており、耐熱性が向上していることが分かる。
重量平均分子量が低下した理由は明らかではないが、副反応で高分子主鎖を分解する反応が進行している可能性、主鎖にアリール基が導入されたことで高分子鎖が大きく屈曲し、高分子鎖の体積が減少したために見かけ上分子量が減少した可能性等が考えられる。
実施例9〜14を参照すると、全ての例の改質ポリカーボネートで、ガラス転移温度が、原料のポリカーボネートよりも向上していることが分かる。また、t−ブチルフェニル基を用いた実施例11は、分子量、5%熱重量減少温度及びガラス転移温度が、原料のポリカーボネートよりも向上していた。一方で、2,4,6−トリメチルフェニル基を用いる実施例12〜14ではアリール基導入数が低くなっていることが分かる。これは、2,4,6−トリメチルフェニル基の立体障害に由来していると考えられる。

Claims (9)

  1. 主鎖に芳香環を有する高分子、アリール化合物、及び反応触媒を含有する混合体において、前記高分子の芳香環の水素を、前記アリール化合物のアリール基で置換することを含む、改質高分子の製造方法。
  2. 前記混合体が、溶媒を含む、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記芳香環を有する高分子が、−X−Ar−(ここで、Xは、酸素原子、硫黄原子、エステル基、アミド基、又はカルバメート基であり、Arは前記芳香環である)部分を含む繰り返し単位を有する、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記芳香環を有する高分子が、ポリカーボネートである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記置換反応によって置換される前記高分子の芳香環の水素が、芳香環のオルト位にある水素である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記アリール化合物が、ハロゲン化アリール化合物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記ハロゲン化アリール化合物が、ジアリールヨードニウム塩である、請求項6に記載の方法。
  8. 前記触媒が、遷移金属触媒である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記芳香環を有する高分子が、ポリカーボネートであり;前記アリール化合物が、ジアリールヨードニウム塩であり;前記触媒が、パラジウム系触媒である、請求項1に記載に製造方法。
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