JPH05154880A - プラスチックレンズの成形金型及び成形方法 - Google Patents

プラスチックレンズの成形金型及び成形方法

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JPH05154880A
JPH05154880A JP32284791A JP32284791A JPH05154880A JP H05154880 A JPH05154880 A JP H05154880A JP 32284791 A JP32284791 A JP 32284791A JP 32284791 A JP32284791 A JP 32284791A JP H05154880 A JPH05154880 A JP H05154880A
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JP
Japan
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cavity
plastic lens
molding
temperature
heated
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Application number
JP32284791A
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English (en)
Inventor
Masao Takagi
正雄 高木
Hisao Inage
久夫 稲毛
Norio Yatsuda
則夫 谷津田
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/72Heating or cooling
    • B29C45/73Heating or cooling of the mould
    • B29C2045/7356Heating or cooling of the mould the temperature of the mould being near or higher than the melting temperature or glass transition temperature of the moulding material

Landscapes

  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】プラスチックレンズの光学性能の向上と成形サ
イクルの短縮を図る。 【構成】レンズ面を賦形するキャビティ表面に薄い熱抵
抗層を設け、しかも成形金型全体を室温近傍の低温に設
定する。溶融樹脂の充填に先立ち、加熱エアー等により
該キャビティ表面を加熱し、溶融樹脂が流動しやすいよ
うにした。 【効果】ウエルドラインや内部歪のない、光学性能の優
れたプラスチックレンズ、特に凹レンズを容易に成形す
る事ができる。さらに前記優れたプラスチックレンズ
を、従来技術の成形サイクルの約1/2で成形する事が
でき、生産性の向上とともに大幅な製作費の削減を実現
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビデオカメラ用ズーム
レンズなどのプラスチックレンズの成形方法、及びその
実施に使用される成形金型に係り、特に、プラスチック
レンズの性能向上を指向したプラスチックレンズ成形方
法及びその成形金型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラスチックレンズは、成形金型のキャ
ビティ形状の転写によって、複雑な光学面を有するレン
ズが得られるという利点がある。それ故、球面収差のな
い非球面レンズを容易に成形することができ、その成形
技術は、多方面たとえばビデオカメラ用ズームレンズな
どへ適用されつつある。
【0003】しかしながら、レンズ中心部と周辺部との
肉厚の差があるレンズ、たとえば凹レンズの成形におい
ては、溶融樹脂をキャビティ内へ充填するとき、その充
填状態がきわめて複雑になる。このため、キャビティ内
へ充填完了するまでの間に、溶融樹脂の温度がその流動
可能温度以下に低下する部分が生じる。特に周辺部分に
ある溶融樹脂が合流する部分には、溶融樹脂が完全に融
合しないウエルドライン等の成形欠陥が発生しやすい。
また、キャビティ表面近傍を流動する溶融樹脂の樹脂温
度が低下するため、プラスチックレンズに内部歪が発生
し、前記ウエルドラインと相まってプラスチックレンズ
の光学性能を低下させる要因となっている。
【0004】ところで、これらの成形欠陥の発生を防止
する方法として、熱媒体等により金型全体を所定の温度
まで加熱し、この昇温した成形金型へ溶融樹脂を充填す
る方法が知られている。この種の手段として関連するも
のには、たとえば、特開昭63−293028号公報が
挙げられる。
【0005】またその他の対策手段として、溶融樹脂を
成形金型に充填する直前に、キャビティ表面を直接加熱
する方法が知られている。この種の手段として関連する
ものには、たとえば、特開昭63−42829号公報及
び特開昭63−120624号公報が挙げられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記した熱媒体等によ
り金型全体を所定の温度まで加熱し、この昇温した成形
金型へ溶融樹脂を充填する方法は、成形金型の温度を成
形工程に応じて正確に制御しなければならない。このた
め、成形金型内部の複雑な温調流路と大容量でしかも高
性能な成形金型温度制御装置が必要である。従って、成
形金型の製作費用及び成形設備に大きな投資が必要とな
る。しかも、成形金型全体を成形工程に応じて加熱、冷
却するため、成形サイクルの短縮が困難になる問題点が
ある。
【0007】上記したキャビティ表面を直接加熱する方
法は、成形金型を構成する型材の熱伝導率が大きいた
め、キャビティ表面の熱が成形金型内部へ拡散し、キャ
ビティ表面の温度が上昇し難い。またキャビティ表面を
溶融樹脂の流動に効果が現れる程度にまで昇温させる
と、成形金型全体の温度が高くなり成形サイクルが長く
なる問題点がある。
【0008】本発明は、上記した従来技術の問題点を解
決して、ウエルドラインや内部歪のない、光学性能の優
れたプラスチックレンズ、特に凹レンズを容易に成形す
ることができるプラスチックレンズ成形方法、及びその
実施に直接使用される、構造が簡単な成形金型を提供す
る事を、その目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的は、溶融樹脂の
充填直前に、レンズ面を賦形するキャビティ表面を加熱
し、該キャビティ表面を前記溶融樹脂の流動可能温度ま
で昇温させることにより達成される。
【0010】本発明では、レンズ面を賦形するキャビテ
ィ表面に薄い熱抵抗層を設け、しかも成形金型全体を室
温近傍の低温に設定する。溶融樹脂の充填に先立ち、加
熱エアー等により該キャビティ表面を加熱し、溶融樹脂
が流動しやすいようにした。
【0011】
【作用】加熱エアーの熱は熱抵抗層に蓄熱され、キャビ
ティ表面近傍が一時的に高温に加熱される。表面が加熱
されたキャビティ内へ射出充填された溶融樹脂は、流動
状態を維持したままでキャビティ末端まで充填される。
流動状態にあるため、溶融樹脂には内部歪が発生するこ
とがない。またゲートの反対側で溶融樹脂が接合する箇
所においては、接合する樹脂が流動状態にあるため完全
に一体化され、ウエルドラインの発生も防止することが
できる。
【0012】また冷却工程においては、熱抵抗層の層厚
が薄いため、溶融樹脂と成形金型との熱交換に支障とな
らず、成形サイクルが長くなる問題点は生じない。
【0013】
【実施例】以下、本発明を実施例によって説明する。
【0014】図1及び図2は、本発明のプラスチックレ
ンズ成形金型の第一の実施例を示す略示構成図である。
図1は成形金型の断面構造の説明図であり、図2はパー
ティング面(11)から固定型(5),可動型(6)を
分離した可動型(6)の平面の説明図である。
【0015】図1において、1はプラスチックレンズ
(23)を賦形するためのキャビティであり、固定入駒
(3)と可動入駒(4)によって形成されている。前記
固定入駒(3),可動入駒(4)は、熱伝導率:80.
0W/(m・K)の銅合金により構成されるとともに、
断熱材(7)によって固定型(5),可動型(6)から
熱的に遮断されている。また前記固定入駒(3),可動
入駒(4)には金型温調流路(16)が設けられ、外部
の金型温度制御装置(図示せず)により固定型(5),
可動型(6)に対して独立して温度制御されている。
【0016】キャビティ(1)には、溶融樹脂を充填す
るためにスプルー(8),ランナー(9),ゲート(1
0)が接続されている。前記キャビティ(1),スプル
ー(8),ランナー(9),ゲート(10)の表面は、
層厚:0.6mm,熱伝導率:0.5W/(m・K)の
セラミックからなる熱抵抗層(2)により構成されてい
る。
【0017】図2において、13は加熱エアー供給孔、
21は加熱エアー排出孔である。前記加熱エアー供給孔
(13)は、加熱エアー供給ポート(12)に接続され
るとともに、供給孔開閉ブロック(14)を介してキャ
ビティ(1)に連結されている。同様に加熱エアー排出
孔(21)は、加熱エアー排出ポート(20)に接続さ
れるとともに、排出孔開閉ブロック(22)を介してキ
ャビティ(1)に連結されている。さらに前記加熱エア
ー供給ポート(12)及び加熱エアー排出ポート(2
0)は、キャビティ温調コントローラ(17)に連結さ
れている。すなわちキャビティ温調コントローラ(1
7)を中心に、加熱エアー供給ポート(12),加熱エ
アー供給孔(13),供給孔開閉ブロック(14),キ
ャビティ(1),排出孔開閉ブロック(22),加熱エ
アー排出孔(21),加熱エアー排出ポート(20)か
ら成る加熱エアーの閉循環回路が形成されている。
【0018】また前記供給孔開閉ブロック(14)は、
図1に示されるように、供給孔ブロック駆動部(15)
に連結され、前記キャビティ温調コントローラ(17)
によりその動作が制御されている。同様に排出孔開閉ブ
ロック(22)は、排出孔ブロック駆動部(図示せず)
に連結され、前記キャビティ温調コントローラ(17)
によりその動作が制御されている。
【0019】図1において、18は温度センサーであ
り、キャビティ(1)に構成されている熱抵抗層(2)
の温度情報をキャビティ温調コントローラ(17)に伝
達し、キャビティ(1)の温度制御の入力装置となって
いる。
【0020】次にこのように構成したプラスチックレン
ズ成形金型を使用して、本発明のプラスチックレンズ成
形方法の第1の実施例を説明する。
【0021】この実施例は、アクリル樹脂をレンズ材料
として、図3に示す凹メニスカスレンズを成形するもの
である。前記プラスチックレンズは、そのレンズ面が曲
率半径85mm,55mm,の球面で構成され、中心肉
厚12mm,外径60mmの形状寸法を有している。
【0022】射出成形機(19)の成形開始信号により
可動型(6)が前進し、固定型(5)とパーティング面
(11)で一致し、成形金型(27)の型締め動作が完
了する。この時点で射出成形機(19)は、キャビティ
温調コントローラ(17)へ型締め完了の信号を出力す
る。
【0023】これを受けてキャビティ温調コントローラ
(17)は、供給孔ブロック駆動部(15)及び排出孔
ブロック駆動部に信号を送り、供給孔開閉ブロック(1
4)及び排出孔開閉ブロック(22)を摺動させる。こ
れによりキャビティ温調コントローラ(17)を中心
に、加熱エアー供給ポート(12),加熱エアー供給孔
(13),供給孔開閉ブロック(14),キャビティ
(1),排出孔開閉ブロック(22),加熱エアー排出
孔(21),加熱エアー排出ポート(20)から成る加
熱エアーの閉循環回路が形成される。キャビティ温調コ
ントローラ(17)は、該閉循環回路に250℃に加熱
された加熱エアーを供給する。キャビティ(1),ラン
ナー(9),ゲート(10)を構成する熱抵抗層(2)
は、前記加熱エアーとの熱交換により約20秒で220
℃まで加熱される。加熱エアーの加熱効果は前記熱抵抗
層(2)の範囲に蓄熱される。このため固定入駒
(3),可動入駒(4)本体の銅合金部材は、加熱エア
ーの影響を受けることなく金型温調流路(16)で制御
された成形金型温度:20℃を維持する。
【0024】キャビティ温調コントローラ(17)は、
前記熱抵抗層(2)の加熱状況を温度センサー(18)
により監視し、前記熱抵抗層(2)が所定の200℃ま
で加熱された時点で、前記閉循環回路に加熱エアーの供
給を停止する。さらに供給孔ブロック駆動部(15)及
び排出孔ブロック駆動部に信号を送り、供給孔開閉ブロ
ック(14)及び排出孔開閉ブロック(22)を摺動さ
せ、前記加熱エアーの閉循環回路を閉塞させる。これに
よりプラスチックレンズ(23)のキャビティ(1)が
構成される。この時点でキャビティ温調コントローラ
(17)は、射出成形機(19)へ射出準備完了の信号
を出力する。
【0025】これを受けて射出成形機(19)は、23
0℃に加熱、溶融されたアクリル樹脂を成形金型(2
7)へ射出充填する。成形金型(27)へ射出充填され
た溶融樹脂は、スプルー(8),ランナー(9),ゲー
ト(10)を通過してキャビティ(1)へ充填される。
キャビティ表面温度がアクリル樹脂の流動可能温度以上
であるため、該溶融樹脂は溶融状態を維持したままでキ
ャビティ(1)の末端部へ到達する。キャビティ(1)
内部でゲート(10)に対向する位置で溶融樹脂が合流
し接続するが、キャビティ表面に接触している樹脂及び
流動の中心にある樹脂ともに溶融状態にあるので、これ
らの樹脂は完全に一体化されて、ウエルドラインの発生
を防止することができる。また、充填される溶融樹脂に
は温度分布がほとんど発生せず、均一な溶融状態を実現
できているため、内部歪の発生を防止することもでき
る。
【0026】一方、キャビティ(1)を構成する固定入
駒(3),可動入駒(4)に穿設された金型温調流路
(16)には、20℃の熱媒体が連続して供給されてい
る。このため、キャビティ(1)に充填された溶融樹脂
は、前記固定入駒(3),可動入駒(4)との熱交換に
より冷却され、所望のプラスチックレンズが得られる。
【0027】以上説明した実施例によれば、溶融樹脂の
射出充填の直前に、キャビティ成形面を、プラスチック
レンズ成形材料の流動可能温度以上に加熱するようにし
たので、キャビティへ充填された樹脂は、溶融状態を維
持したままキャビティの末端部まで到達する。このた
め、従来発生していた内部歪を効果的に防止できると共
に、ウエルドラインの発生をも防止することができ、プ
ラスチックレンズの光学性能を向上できる効果が得られ
た。
【0028】以上説明した実施例の効果を、成形状態で
ある成形金型温度及びプラスチックレンズの成形温度に
より具体的に説明する。
【0029】図4は、本発明の実施例における成形状態
である成形金型温度及びプラスチックレンズの成形温度
の時間的な変動状況を示した図である。図4において、
(24)はプラスチックレンズ中心部温度、(25)は
プラスチックレンズ表面から中心方向へ約1.0mmの
位置におけるプラスチックレンズ表面部温度、(26)
はキャビティ表面温度の時間的な変動状況を示してい
る。また横軸の時間は、溶融樹脂が成形金型内部に充填
開始された時点を基準とし0点としている。
【0030】溶融樹脂は充填開始後10秒以内でキャビ
ティ(1)の末端部分まで到達する。従って充填工程
は、充填開始後10秒以内に完了する。図4に示す本実
施例においては、充填開始後10秒の時点でキャビティ
表面温度(26):121℃,プラスチックレンズ表面
部温度(25):210℃である。アクリル樹脂は21
0℃以上においては溶融状態にあり、キャビティへ充填
された樹脂が溶融状態を維持したままキャビティの末端
部まで到達することが確認される。またキャビティ表面
温度(26)は、充填完了時点においても120℃以上
でアクリル樹脂の熱変形温度より高い温度を維持してい
る。従って、レンズ面が本格的に賦形される充填工程に
続く保圧工程において、キャビティ表面の良好な賦形・
転写が実現できる。
【0031】また冷却工程において、プラスチックレン
ズの取り出し温度の目安であるアクリル樹脂の熱変形温
度の120℃まで冷却されるのに要する時間(冷却時
間)は、プラスチックレンズ中心部温度(24):約3
00秒、プラスチックレンズ表面部温度(25):約9
0秒である。
【0032】一方図5は、従来技術における成形状態で
ある成形金型温度及びプラスチックレンズの成形温度の
時間的な変動状況を示した図である。図5に付けてある
記号は、図4のそれと同じものを示している。5図に示
した従来技術の成形条件は、熱抵抗層を有しない従来の
成形金型を用い、該成形金型温度をアクリル樹脂の熱変
形温度より15℃低い、105℃一定に保持して成形し
たものである。図5に示す従来技術においては、充填開
始後10秒の時点でキャビティ表面温度(26):11
1℃,プラスチックレンズ表面部温度(25):192
℃である。
【0033】また冷却工程において、プラスチックレン
ズの取り出し温度の目安であるアクリル樹脂の熱変形温
度の120℃まで冷却されるのに要する時間は、プラス
チックレンズ中心部温度(24):約600秒、プラス
チックレンズ表面部温度(25):約330秒である。
【0034】図4の本発明の実施例における成形状態
と、図5の従来技術における成形状態を比較するとわか
るように、本発明の実施例では、充填工程の溶融樹脂の
充填性能及び保圧工程のキャビティ表面の賦形・転写性
能が大幅に改善されている。さらに冷却時間の目安とな
る、プラスチックレンズ中心部の温度が、アクリル樹脂
の熱変形温度120℃まで冷却されるまでの所要時間
は、本発明の実施例では300秒であり、従来技術の約
600秒を丁度50%短縮する効果を得ることができ
た。
【0035】熱抵抗層(2)の熱伝導率は、低い値を有
する物質がより大きな効果を発揮することができる。し
かしながら熱抵抗層(2)は、成形金型(27)の構成
要素が必要とする、圧縮強度特性、硬度特性及び入駒表
面との密着強度特性を満足しなければならない。熱伝導
率の低い値を有する物質は、前記圧縮強度特性、硬度特
性及び密着強度特性が低下し、成形金型(27)の構成
要素としてその性能を満足することが困難となる傾向に
ある。本発明においては、熱伝導率:0.2W/(m・
K)〜3.0W/(m・K)のセラミックにより熱抵抗
層(2)を構成することにより、プラスチックレンズ性
能の改善及び成形サイクルの短縮効果を発揮することが
できる。
【0036】また熱抵抗層(2)の層厚さは、熱抵抗層
(2)を構成する物質によるが、層厚さが不十分である
と、キャビティ表面を加熱する際に蓄熱効果を発揮する
事ができない。しかしながら該熱抵抗層(2)の層厚さ
が必要以上に厚いと、冷却工程においてプラスチックレ
ンズと入駒との熱交換の障害となり、成形サイクルの短
縮効果を発揮することができない。本発明においては、
前記熱抵抗層(2)を構成する熱伝導率が0.2W/
(m・K)〜3.0W/(m・K)の範囲においては、
該熱抵抗層(2)の層厚さを0.5mm〜1.0mmに
設定することにより良好な効果を得ることができた。
【0037】また固定入駒(3),可動入駒(4)を構
成する成形金型材料の熱伝導率は、大きければ大きいほ
どより大きなサイクル短縮効果を発揮することができ
る。しかしながら前記熱抵抗層(2)と同様に、熱伝導
率が大きくなるにともない、圧縮強度特性、硬度特性及
び密着強度特性が低下し、成形金型(27)の構成要素
としてその性能を満足することが困難となる傾向にあ
る。本発明においては、熱伝導率:80.0W/(m・
K)〜120.0W/(m・K)の銅合金により構成さ
れ入駒を採用する事により良好な効果を得ることができ
た。
【0038】また溶融樹脂の充填工程の直前に、加熱エ
アーにより前記熱抵抗層(2)の表面を加熱する温度
は、高過ぎると熱抵抗層(2)の昇温時間が長くなるだ
けでなく、冷却工程における冷却時間が短縮できない問
題が発生する。一方低すぎると溶融樹脂の充填に際し
て、均一な流動性能を確保できず、内部歪の改善及びウ
エルドラインの発生防止の効果が得られない問題点があ
る。本発明においては、前記熱抵抗層(2)の表面を加
熱する温度を200℃〜250℃に設定することによ
り、高性能なプラスチックレンズを得ると共に大幅な成
形サイクル短縮の効果を得ることができた。
【0039】以下、他の実施例について説明する。
【0040】図6は、本発明のプラスチックレンズ成形
方法の第2の実施例を示す略示構成図である。
【0041】この図6において、図1及び図2と同一番
号を付けたものは同一部分である。27は成形金型であ
り、図1及び図2において固定入駒(3),可動入駒
(4),固定型(5)及び可動型(6)で構成されてい
たものである。該成形金型(27)には、加熱エアー供
給ポート(12)及び加熱エアー排出ポート(20)が
連結され、第1の実施例と同様な加熱エアーの閉循環回
路が形成されている。前記加熱エアー供給ポート(1
2)には供給エアー温度センサー(28)が、また前記
加熱エアー排出ポート(20)には排出エアー温度セン
サー(29)がそれぞれ装備されている。該供給エアー
温度センサー(28)及び該排出エアー温度センサー
(29)は、閉循環回路を循環する加熱エアーの温度状
態を測定し、その情報を温度検出ブロック(35)を経
由してキャビティ温調コントローラ(17)に伝達して
いる。
【0042】加熱エアーは、加熱エアー送風源(3
3),加熱エアー流量制御ブロック(32),加熱エア
ーON/OFFブロック(31)および加熱エアー温度
制御ブロック(30)を経由して前記加熱エアー供給ポ
ート(12)に供給される。一方加熱エアー排出ポート
(20)に送られた排気エアーは、加熱エアー帰還タン
ク(34)へ回収される。キャビティ温調コントローラ
(17)は駆動アンプ(36)、加熱エアー流量制御ブ
ロック(32)を介して、循環回路の開度調整する事に
より加熱エアー送風源(33)から送られたエアーの流
量を制御している。またキャビティ温調コントローラ
(17)は、駆動アンプ(36),加熱エアー温度制御
ブロック(30)を介して、加熱エアー供給ポート(1
2)に供給されるエアーの加熱温度を制御している。さ
らにキャビティ温調コントローラ(17)は、駆動アン
プ(36)、加熱エアーON/OFFブロック(31)
を介して閉循環回路を循環する加熱エアーの流れを切り
替え制御している。
【0043】このように構成したプラスチックレンズの
成形装置を使用して、本発明のプラスチックレンズ成形
方法の第2の実施例を説明する。
【0044】この実施例は、溶融樹脂の射出充填工程の
直前の熱抵抗層(2)の加熱工程において、成形金型に
供給される加熱エアーと回収される排出エアーの温度差
を検出し、この検出された情報をもとにして加熱エアー
の温度及び流量を制御し、キャビティ(1),スプルー
(8),ランナー(9),ゲート(10)の表面温度を
適正に制御するようにしたプラスチックレンズの成形方
法である。そして、これに続く工程、すなわちキャビテ
ィ内への溶融樹脂の射出充填、該溶融樹脂の冷却は、前
記実施例と同様であり、同様な効果を奏するものであ
る。
【0045】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明によれ
ば、ウエルドラインや内部歪のない、光学性能の優れた
プラスチックレンズ、特に凹レンズを容易に成形する事
ができる。さらに前記優れたプラスチックレンズを、従
来技術の成形サイクルの約1/2で成形する事ができ、
生産性の向上とともに製作費の大幅な削減を実現でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すプラスチックレンズ成
形金型の断面図である。
【図2】本発明の一実施例を示すプラスチックレンズ成
形金型の平面図である。
【図3】本発明の第一の実施例としてのプラスチックレ
ンズの断面図である。
【図4】本発明の第一の実施例としてのプラスチックレ
ンズの成形状態の説明図である。
【図5】従来技術によるプラスチックレンズの成形状態
の説明図である。
【図6】本発明の第二の実施例としてのプラスチックレ
ンズの成形方法の説明図である。
【符号の説明】
1…キャビティ、2…熱抵抗層、3…固定入駒、4…可
動入駒下部側面入駒、5…固定型、6…可動型、7…断
熱材、8…スプルー、9…ランナー、10…ゲート、1
1…パーティング面、12…加熱エアー供給ポート(1
2)、13…加熱エアー供給孔、14…供給孔開閉ブロ
ック、15…供給孔ブロック駆動部、16…金型温調流
路、17…キャビティ温調コントローラ、18…温度セ
ンサー、19…射出成形機、20…加熱エアー排出ポー
ト、21…加熱エアー排出孔、22…排出孔開閉ブロッ
ク、23…プラスチックレンズ、24…プラスチックレ
ンズ中心部温度、25…プラスチックレンズ表面部温
度、26…キャビティ表面温度、27…成形金型、28
…供給エアー温度センサー、29…排出エアー温度セン
サー、30…加熱エアー温度制御ブロック、31…加熱
エアーON/OFFブロック、32…熱エアー流量制御
ブロック、33…加熱エアー送風源、34…加熱エアー
帰還タンク、35…温度検出ブロック、36…駆動アン
プ。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29C 45/78 7365−4F // B29L 11:00 4F

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラスチックレンズ(23)を成形するた
    めのキャビティ(1)を形成する固定入駒(3),可動
    入駒(4)及び溶融樹脂が流動するスプルー(8),ラ
    ンナー(9),ゲート(10)の表面が熱抵抗層(2)
    により構成されるとともに、キャビティ(1)の周辺部
    に供給孔開閉ブロック(14)、排出孔開閉ブロック
    (22)を装備し、溶融樹脂の充填工程の直前に加熱エ
    アーにより前記熱抵抗層(2)をプラスチックレンズ成
    形樹脂の流動可能温度まで加熱することを特徴とするプ
    ラスチックレンズの成形金型。
  2. 【請求項2】請求項1において、熱抵抗層(2)が層
    厚:0.5mm〜1.0mm及び熱伝導率:0.2W/
    (m・K)〜3.0W/(m・K)のセラミックにより
    構成されていることを特徴とするプラスチックレンズの
    成形金型。
  3. 【請求項3】請求項1において、プラスチックレンズ
    (23)を成形するためのキャビティ(1)を形成する
    固定入駒(3),可動入駒(4)が熱伝導率:80.0
    W/(m・K)〜120.0W/(m・K)の銅合金に
    より構成されるとともに、断熱材(7)により成形金型
    本体から断熱され、独立した金型温調流路(16)を有
    していることを特徴とするプラスチックレンズの成形金
    型。
  4. 【請求項4】プラスチックレンズ(23)を成形するキ
    ャビティ(1)、スプルー(8),ランナー(9),ゲ
    ート(10)の表面を熱抵抗層(2)により構成し、溶
    融樹脂の充填工程の直前に加熱エアーにより前記熱抵抗
    層(2)の表面を200℃〜250℃に加熱することを
    特徴とするプラスチックレンズの成形方法。
  5. 【請求項5】請求項4において、加熱エアーを成形金型
    に供給する加熱エアー供給ポート(12)と加熱エアー
    を回収する加熱エアー排出ポート(20)にそれぞれ供
    給エアー温度センサー(28)及び排出エアー温度セン
    サー(29)を装備し、成形金型に供給される加熱エア
    ーと回収される排出エアーの温度差を検出し、この検出
    された情報をもとにして加熱エアーの温度及び流量を制
    御し、キャビティ(1),スプルー(8),ランナー
    (9),ゲート(10)の表面温度を適正に制御するこ
    とを特徴とするプラスチックレンズの成形方法。
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