JP2010082995A - 樹脂成形金型及び射出成形機 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、型面側における温度ムラを低減し、金型が型締めによって変形することを抑えることによって、高精度の転写を可能にする樹脂成形金型。
【解決手段】型板73がキャビティ部71及び温調部72の基材よりも熱伝導率が高い材料を基材とするので、温調部72によって形成された温度ムラを均一化してキャビティ部71に伝達することができ、成形面における温度ムラを抑えることができる。つまり、全体としての厚みを増加させないで成形面の温度をより均一に保って高精度の成形を可能にする。また、上記型板73が、キャビティ部71及び温調部72の基材よりも剛性が高い材料を基材とするので、型板73が支持体となって、樹脂射出、保圧、型締め等の影響でキャビティCVに発生する変形を低減することができ、成形品の形状精度を向上させることができ、バリ等の外観不良が発生することを防止できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学部品等を成形するための樹脂成形金型、並びに、かかる樹脂成形金型を組み込んだ射出成形機に関する。
射出成形機として、固定盤と可動盤との間に固定金型と可動金型とを挟持して型締めを行うものが存在する。この種の射出成形機では、オイルヒータ等によって固定金型や可動金型の温度を調節するとともに、固定盤や可動盤を低線膨張係数の材料で形成して成形精度の向上を図っている(例えば特許文献1参照)。
特開2006−272558号公報
しかし、上記のようにヒータによって固定金型や可動金型の温度を調節すると、各金型の型面側に温度ムラが現れて、成形品の品質のバラツキを発生させる可能性がある。極端な場合、成形品において、局所的にヒケやソリが形成され、充填不良、転写不良といった成形不良が発生してしまう。
また、固定金型や可動金型の基材を一般的な材料であるステンレス鋼で形成した場合、樹脂の射出及び保圧の影響でキャビティ内が高圧になることに起因し、或いは、型締め時に両金型が高圧で締付けられることに起因して、金型の型面が変形し、成形品の寸法精度や転写面の品質が劣化するとともにバリ発生等の外観不良の原因となる。
そこで、本発明は、金型の型面側における温度ムラを低減し、かつ、金型が射出成形や型締めによって変形することを抑えることによって、高精度の転写を可能にする樹脂成形金型及びかかる樹脂成形金型を組み込んだ射出成形機を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る樹脂成形金型は、(a)樹脂を成形するための成形面を有するキャビティ部と、(b)キャビティ部の温度を調整する温調部と、(c)キャビティ部と温調部との間に介在して配置され、キャビティ部及び温調部の双方の基材よりも熱伝導率及び剛性が高い材料を基材とする型板とを備える。
上記樹脂成形金型では、キャビティ部と温調部との間に介在して配置される型板が、キャビティ部及び温調部の双方の基材よりも熱伝導率が高い材料を基材とするので、温調部によって形成された温度ムラを均一化してキャビティ部に伝達することができ、成形面及びその近傍における温度ムラを抑えることができる。つまり、金型の厚みを増加させないで成形面の温度をより均一に保って高精度の成形を可能にする。また、上記型板が、キャビティ部及び温調部の双方の基材よりも剛性が高い材料を基材とするので、型板が支持体となって、樹脂射出、保圧、型締め等の影響でキャビティ部に発生する変形を低減することができ、成形品の形状精度を向上させることができ、バリ等の外観不良が発生することを防止できる。
本発明の具体的な態様によれば、上記樹脂成形金型において、型板が、熱伝導率が50W/m・K以上であって剛性としてのヤング率が300GPa以上の材料で形成されている。この場合、型板をあまり厚くしないで、成形面の温度ムラを低減でき、キャビティ部に発生する変形を低減できる。
本発明の別の態様によれば、型板が、WC(タングステンカーバイド)を50%以上含む材料で形成されている。WCは、熱伝導率及び剛性の観点で優れており、成形面の温度ムラを抑えることができ、キャビティ部の変形を低減するようにキャビティ部を十分な強度で支持する型板を提供できる。
本発明のさらに別の態様によれば、型板が、SiC(炭化珪素、シリコンカーバイド)を50%以上含む材料で形成されている。SiCは、熱伝導率及び剛性の観点で優れており、成形面の温度ムラを抑えることができ、キャビティ部の変形を低減するようにキャビティ部を十分な強度で支持する型板を提供できる。
本発明のさらに別の態様によれば、キャビティ部と温調部とが、ステンレス鋼を基材とする。ここで、ステンレス鋼とは、鉄を主成分として、これにクロムやニッケルを含有させた合金鋼であって、特にクロムを約11%以上含有させた鋼を意味するものとする。この場合、キャビティ部と温調部との加工性を確保することができ、これらの設計の自由度を確保することができる。
本発明のさらに別の態様によれば、キャビティ部と型板と温調部とを積層した金型ユニットのうち背面側に位置する温調部と、金型を支持するための取付盤との間に断熱板を配置する。この場合、金型ユニットの保温が容易となり、成形面の効率的な温調が可能になる。
本発明のさらに別の態様によれば、キャビティ部と型板と温調部とを積層した金型ユニットの側面に対向して断熱壁体を配置する。この場合、金型ユニットの保温が容易となり、成形面の効率的な温調が可能になる。
本発明に係る射出成形機は、上述の樹脂成形金型を備え、樹脂成形金型によって形成されるキャビティ内に樹脂材料を射出することによって成形を行う。
上記射出成形機では、キャビティ部と温調部との間に配置される型板によって、成形面及びその近傍における温度ムラを抑えることができ、樹脂射出、保圧、型締め等の影響でキャビティ部に発生する変形を低減することができる樹脂成形金型を組み込んでいる。これにより、成形品の形状精度を向上させることができ、バリ等の外観不良が発生することを防止できる。
以下、本発明の一実施形態に係る樹脂成形金型及びこれを組み込んだ射出成形機について、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態の射出成形機10を説明する正面図である。射出成形機10は、第1金型である固定金型41と第2金型である可動金型42とで構成される樹脂成形金型40を備えており、この樹脂成形金型40中に射出装置16からの樹脂を注入して硬化させる射出成形を行うことにより、例えばレンズアレイ等の光学素子である成形品(不図示)を作製する。
射出成形機10は、固定盤11と、可動盤12と、開閉駆動装置15と、射出装置16と、制御装置20とを備える。射出成形機10は、可動盤12と固定盤11との間に固定金型41と可動金型42とを挟持して両金型41,42を型締めすることにより型空間なわちキャビティCV(図2参照)を形成し、かかるキャビティCVを利用した射出成形を可能にする。ここで、射出成形機10は、樹脂成形金型40の型開き及び型閉じが横方向すなわち水平方向となっている。なお、縦方向に型開き及び型閉じするタイプの射出成形機に上記樹脂成形金型40を組み込むこともできる。
固定盤11は、支持フレーム14の中央側上面に固定された厚板状の取付盤であり、固定盤11の内側は、固定金型41を着脱可能に支持している。可動盤12は、後述する開閉駆動装置15によって固定盤11に対して進退移動可能に支持された厚板状の取付盤である。可動盤12の内側は、可動金型42を着脱可能に支持している。なお、可動盤12には、エジェクタ45が組み込まれている。このエジェクタ45は、型開き時に可動金型42に残される成形品を可動金型42内から固定金型41側に押し出して離型するためのものである。
開閉駆動装置15は、リニアガイド15aと、動力伝達部15dと、アクチュエータ15eとを備える。リニアガイド15aは、可動盤12を支持しつつ、固定盤11に対する進退方向に関して可動盤12の滑らかな往復移動を可能にしている。動力伝達部15dは、アクチュエータ15eからの駆動力を受けて伸縮する。これにより、支持フレーム14上に固定された型締め盤13に対して可動盤12が近接したり離間したりと自在に変位し、結果的に、可動盤12と固定盤11とを互いに近接するように型閉じすることができ、所望の型締め力で両者を締め付けることができる。
射出装置16は、シリンダ16a、原料貯留部16b、射出ノズル16d、及び駆動部16eを備える。射出装置16は、先細りの射出ノズル16dから温度制御された液体状で硬化前の樹脂を吐出することができる。射出装置16は、シリンダ16aの射出ノズル16dを、固定盤11に設けた開口を介して固定金型41のスプル部分SP(図2参照)に対して分離可能に接続することができ、固定金型41と可動金型42とを型締めした状態で形成されるキャビティCV(図2参照)中に溶融樹脂を所望のタイミングで供給することができる。なお、シリンダ16aは、原料貯留部16bに接続されており、この原料貯留部16bから適当なタイミング及び量で樹脂の供給を受ける。また、図示を省略するが、駆動部16eは、シリンダ16a内に組み込まれたスクリュ16fを回転させる回転駆動機構と、スクリュ16fを軸方向に進退させる直動駆動機構とを有する。スクリュ16fを回転させることで、シリンダ16a内の液体状の樹脂を撹拌等することができ、スクリュ16fを前進させることで、シリンダ16a内の液体状の樹脂を射出ノズル16dから所望の圧力及び流量で射出させることができる。
制御装置20は、射出装置制御部22と、型温度制御部24と、開閉制御部25と、エジェクタ制御部27とを備える。
射出装置制御部22は、駆動部16e等を動作させることによって、原料貯留部16bからシリンダ16aに導入された樹脂を撹拌等するとともに、両金型41,42間に形成されたキャビティCV(図2参照)中に所望の射出率で溶融樹脂を供給する。つまり、射出装置制御部22の制御下で駆動部16eによる樹脂の押し出し量や温度を調整することができる。
型温度制御部24は、樹脂成形金型40を構成する両金型41,42に内蔵されたヒータ72d(図2参照)等に接続されており、成形に際して両金型41,42の内部温度を適切に保つ。
開閉制御部25は、開閉駆動装置15の動作を制御しており、両金型41,42の開閉タイミングや型閉じの圧力を調整する。
エジェクタ制御部27は、可動盤12に組み込まれたエジェクタ45の動作を制御しており、型開き時に一方の可動金型42に残る成形品を可動金型42内から押し出して離型し、例えば複数の回折レンズを有する成形品の射出成形機10外への搬出を可能にする。
図2(A)及び2(B)は、樹脂成形金型40の構造を概念的に説明する拡大断面図である。なお、図2(A)は、型閉じ又は型締め状態の樹脂成形金型40を示し、図2(B)は、型開き状態の樹脂成形金型40を示す。
まず、固定盤11に支持された固定金型41は、金型ユニット61と、断熱板63と、断熱壁体65とを備える。金型ユニット61は、成形面を有するキャビティ部71と、キャビティ部71の温度を調整する温調部72と、キャビティ部71と温調部72との間に介在して配置される型板73とで構成される。この際、キャビティ部71と型板73とは平坦面FS1を介して密着し、温調部72と型板73とは平坦面FS2を介して密着する。キャビティ部71は、型板73上に固定される胴型71aと、胴型71aに埋め込まれた多数のレンズ面形成用のコア型78とを備える。つまり、コア型78は、胴型71aの適所に形成された多数のコア挿通孔71dに裏側から埋め込むようにして固定されている。この際、コア型78の裏面は、平坦面FS1において型板73に密着して支持されている。胴型71aと型板73には、樹脂導入用のスプル部分SPが形成されており、スプル部分SPの入り口は、射出装置16に設けた射出ノズル16dの先端が嵌合するような形状を有する。断熱板63と温調部72には、射出ノズル16dを通すための貫通孔63a,72aが形成されており、この貫通孔63a,72aは、固定盤11に形成された開口11aに接続されて外部に開放されている。温調部72の適所に形成された挿入孔には、複数のシーズヒータ72dと、複数の温度センサ72eとが挿入されて固定されている。シーズヒータ72dや温度センサ72eは、図1の型温度制御部24の制御下で動作しており、温調部72を所望の温度に略均一な状態で保持する。つまり、熱電対等構成される温度センサ72eからの検出出力に基づいてシーズヒータ72dに対する通電量が調整され、温調部72の基材が定常的に加熱され、略一様な温度に維持される。温調部72で発生した熱は、型板73を介してキャビティ部71に伝搬し、キャビティ部71を対応する温度に加熱する保持する。この際、型板73が高い熱伝導度を有するので、型板73が熱的な緩衝材となってキャビティ部71に温度ムラが発生することを効率的に防止する。また、型板73が高い剛性を有するので、型締めの応力によってキャビティ部71が変形することを防止する。
なお、温調部72は、締結具41cにより、断熱板63とともに固定盤11に締め付けられて固定される。また、キャビティ部71は、締結具41dにより、型板73とともに温調部72に締め付けられて固定される。
断熱壁体65は、金型ユニット61の側面を覆うように筒状に設けられており、根元側で固定盤11に固定されている。結果的に、金型ユニット61は、断熱壁体65によって側面側の断熱が行われ、断熱板63によって根元側の断熱が行われるので、周囲から熱的に遮蔽された状態となり、キャビティ部71の温度管理が容易になる。
以上において、キャビティ部71は、ステンレス鋼(例えばHPM38)を基材とするものであり、この場合、胴型71aもコア型78も、ステンレス鋼を母材とする。ただし、コア型78の光学転写面には、例えばNiメッキによる被覆が施されている。なお、胴型71a等の実施例の作製で使用したステンレス鋼は、例えば熱伝導率が約20W/m・Kでヤング率が210GPaのものであった。
温調部72は、ステンレス鋼(例えばHPM38)を基材とする。つまり、温調部72は、シーズヒータ72dや温度センサ72e等に対応する付属品を除いた本体がステンレス鋼で形成されている。温調部72の実施例の作製で使用したステンレス鋼は、例えば熱伝導率が約20W/m・Kでヤング率が210GPaのものであった。なお、温調部72をキャビティ部71と同一の材料で形成することにより、線膨張係数の差による金型の変形を回避できる。
型板73は、例えば超硬を基材とする。つまり、型板73は、スプル部分SPの入り口等に対応する付属品を除いた本体が超硬で形成されている。ここで、超硬とは、タングステンとカーボンとを略1:1の原子数で含み、5〜10%の割合の原子数でコバルト(Co)を含有する合金である。型板73の実施例の作製で使用した超硬は、例えば熱伝導率が約120W/m・Kでヤング率が590GPaのものであった。このように型板73の熱伝導率を高めることで、キャビティ部71に対する熱輸送量を簡易に増加させることができるので、温調の応答速度を早め、温度が安定化するまでの時間を短縮することができる。結果的に、成形処理のスループット等を高めることができる。
なお、型板73は、例えばシリコンカーバイド(SiC)を基材とするものとできる。つまり、型板73は、スプル部分SPの入り口等に対応する付属品を除いた本体をSiCで形成することもできる。型板73の実施例の作製で使用したSiCは、例えば熱伝導率が約160W/m・Kでヤング率が270GPaのものであった。
断熱板63は、例えば6−4Ti等を基材とする。一方、断熱壁体65は、6−4Tiのような金属材料とすることもできるが、強度が要求されないので、各種の無機系、有機系の材料で形成することができる。
以上において、キャビティ部71と温調部72との間に介在して配置される型板73がキャビティ部71及び温調部72の双方の基材よりも熱伝導率が高い材料を基材とするので、温調部72によって形成された温度ムラを均一化してキャビティ部71に伝達することができ、成形面(例えばコア型78の光学転写面)における温度ムラを光学素子に要求されるレベルとして例えば1℃以下に抑えることができる。つまり、全体としての金型ユニット61の厚みを増加させないで成形面の温度をより均一に保って高精度の成形を可能にする。また、上記型板73が、キャビティ部71及び温調部72の双方の基材よりも剛性が高い材料を基材とするので、型板73が支持体となって、樹脂射出、保圧、型締め等の影響でキャビティCVに発生する変形を低減することができ、成形品の形状精度を向上させることができ、バリ等の外観不良が発生することを防止できる。例えば、型板73の剛性が低いと、樹脂の射出時に加熱された樹脂の影響でキャビティCVが膨張して、成形面が変形することもある。なお、キャビティ部71と温調部72とは、超硬等で形成されていないが、これは、設計の自由度とコスト低減を図ったものである。つまり、温度ムラ防止や剛性確保の観点では、キャビティ部71と温調部72とを超硬等の高熱伝導率及び高剛性の材料で形成することも考えられるが、キャビティ部71や温調部72は一般に複雑な構造を有し、加工性を確保する必要がある。よって、キャビティ部71と温調部72とは、相対的に低熱伝導率及び低剛性の材料であるステンレス鋼を使用して作製されている。
なお、以上の実施形態では、型板73の基材の一例として超硬を用いているが、タングステンカーバイド(WC)を含む各種材料で型板73を作製することができる。一般的には、WCを50%以上含む材料で型板73を形成することにより、熱伝導率及び剛性の観点で優れる型板73を提供でき、成形面の温度ムラを抑えることができ、キャビティCVの変形を低減できることを実験的に確認している。また、本実施形態では、型板73の基材の別の例としてSiCを用いているが、SiCを含む各種材料で型板73を作製することができる。一般的には、SiCを50%以上含む材料で型板73を形成することにより、熱伝導率及び剛性の観点で優れる型板73を提供でき、成形面の温度ムラを抑えることができ、キャビティCVの変形を低減できることを実験的に確認している。具体的には、可動金型42も以下に説明するように固定金型41と同様の構造を有するものとした実験例では、キャビティCVの表面の温度分布が当初5℃程度あったものが1℃未満になり、固定金型41の昇温時間も20分から10分に短縮された。
次に、可動盤12に支持された可動金型42は、金型ユニット81と、断熱板83と、断熱壁体85とを備える。金型ユニット81は、成形面を有するキャビティ部91と、キャビティ部91の温度を調整する温調部92と、キャビティ部91と温調部92との間に介在して配置される型板93とで構成される。この際、キャビティ部91と型板93とは平坦面FS1を介して密着し、温調部92と型板93とは平坦面FS2を介して密着する。キャビティ部91は、型板93上に固定される胴型91aと、胴型91aに埋め込まれた多数のレンズ面形成用のコア型98とを備える。つまり、コア型98は、胴型91aの適所に形成された多数のコア挿通孔91dに裏側から埋め込むようにして固定されている。この際、コア型98の裏面は、平坦面FS1において型板93に密着して支持されている。型板93からは、固定金型41に向けて突起部PPが形成されている。この突起部PPは、対向する型板93等に形成されたスプル部分SPに挿入されてスプル部分SPの容積を調整する。温調部92の適所に形成された挿入孔には、複数のシーズヒータ72dと、複数の温度センサ72eとが挿入されて固定されている。シーズヒータ72dや温度センサ72eは、図1の型温度制御部24の制御下で動作しており、温調部92を所望の温度に略均一な状態で保持する。温調部92で発生した熱は、型板93を介してキャビティ部91に伝搬し、キャビティ部91を対応する温度に加熱する保持する。この際、型板93が高い熱伝導度を有するので、型板93が熱的な緩衝材となってキャビティ部91に温度ムラが発生することを効率的に防止する。また、型板93が高い剛性を有するので、型締めの応力によってキャビティ部91が変形することを防止する。
なお、温調部92は、締結具42cにより、断熱板83とともに可動盤12に締め付けられて固定される。また、キャビティ部91は、締結具42dにより、型板93とともに温調部92に締め付けられて固定される。
断熱壁体85は、金型ユニット81の側面を覆うように筒状に設けられており、根元側で可動盤12に固定されている。結果的に、金型ユニット81は、断熱壁体85によって側面側の断熱が行われ、断熱板83によって根元側の断熱が行われるので、周囲から熱的に遮蔽された状態となり、キャビティ部91の温度管理が容易になる。
以上において、キャビティ部91は、ステンレス鋼(例えばHPM38)を基材とするものであり、この場合、胴型91aもコア型98も、ステンレス鋼を母材とする。ただし、コア型98の光学転写面には、例えばNiメッキによる被覆が施されている。
温調部92は、ステンレス鋼(例えばHPM38)を基材とする。つまり、温調部92は、シーズヒータ72dや温度センサ72e等に対応する付属品を除いた本体がステンレス鋼で形成されている。なお、温調部92をキャビティ部91と同一の材料で形成することにより、線膨張係数の差による金型の変形を回避できる。
型板93は、例えば超硬を基材とする。つまり、型板93は、付属品を除いた本体が超硬で形成されている。なお、型板93は、例えばSiCを基材とするものとできる。つまり、型板93は、スプル部分SPの入り口等に対応する付属品を除いた本体をSiCで形成することもできる。
断熱板83は、例えば6−4Ti等を基材とする。一方、断熱壁体85は、6−4Tiのような金属材料とすることもできるが、強度が要求されないので、各種の無機系、有機系の材料で形成することができる。
以上において、キャビティ部91と温調部92との間に介在して配置される型板93がキャビティ部91及び温調部92の双方の基材よりも熱伝導率が高い材料を基材とするので、温調部92によって形成された温度ムラを均一化してキャビティ部91に伝達することができ、成形面(例えばコア型98の光学転写面)における温度ムラを1℃以下に抑えることができる。つまり、全体としての金型ユニット81の厚みを増加させないで成形面の温度をより均一に保って高精度の成形を可能にする。また、上記型板93が、キャビティ部91及び温調部92の双方の基材よりも剛性が高い材料を基材とするので、型板93が支持体となって、樹脂射出、保圧、型締め等の影響でキャビティCVに発生する変形を低減することができ、成形品の形状精度を向上させることができ、バリ等の外観不良が発生することを防止できる。例えば、型板93の剛性が低いと、樹脂の射出時にキャビティCVが膨張して成形面が変形することもある。なお、キャビティ部91と温調部92とは、ステンレス鋼を使用して作製されており超硬等で作製されていないが、これは、設計の自由度とコスト低減を図ったものである。
なお、以上の実施形態では、型板93の基材の一例として超硬を用いているが、タングステンカーバイド(WC)を含む各種材料で型板93を作製することができる。一般的には、WCを50%以上含む材料で型板93を形成することにより、熱伝導率及び剛性の観点で優れる型板93を提供でき、成形面の温度ムラを抑えることができ、キャビティCVの変形を低減できることを実験的に確認している。また、本実施形態では、型板93の基材の別の例としてSiCを用いているが、SiCを含む各種材料で型板93を作製することができる。一般的には、SiCを50%以上含む材料で型板93を形成することにより、熱伝導率及び剛性の観点で優れる型板93を提供でき、成形面の温度ムラを抑えることができ、キャビティCVの変形を低減できることを実験的に確認している。
以下、図1等に示す射出成形機10の動作の概要について説明する。まず、可動金型42と固定金型41とを成形に適する温度まで加熱する。次に、開閉駆動装置15を動作させ、可動金型42を固定金型41側に前進させて型閉じを行い、さらに、可動金型42と固定金型41とを必要な圧力で締め付ける型締めを行う。次に、射出装置16を動作させて、型締めされた可動金型42と固定金型41との間に形成されたキャビティ中に、射出装置16の射出ノズル16dから射出される樹脂をスプル部分SP等を介して注入する。キャビティ中に射出され充填された樹脂は、適当な温度に加熱されて固化する。つまり、この場合、成形用の樹脂としてエネルギー硬化性樹脂である熱硬化性樹脂を用いており、例えばシリコーン樹脂、アリルエステル、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド、ウレタン系樹脂等がこの熱硬化性樹脂に該当する。次に、開閉駆動装置15を動作させて、可動金型42を後退させ、可動金型42を固定金型41から離間させる型開きを行わせる。この結果、成形品は、例えば可動金型42に保持された状態で固定金型41から離型される。可動金型42に残った成形品は、例えばエジェクタ45によって押し出されて可動金型42から離型される。なお、両金型41,42から離型された成形品は、射出成形機10の外部に搬出される。
以上実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態では、エネルギー硬化性樹脂として熱硬化性樹脂を用いる場合について説明したが、熱硬化性樹脂の代わりに紫外線硬化性樹脂を用いて射出成形を行うこともできる。ここで、紫外線硬化性樹脂には、例えばシリコーン樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド、ウレタン系樹脂等が含まれる。なお、エネルギー硬化性樹脂以外の樹脂、例えば熱可塑性樹脂も、上記射出成形機10によって成形することができる。
また、温調部72,92に取り付けられるシーズヒータ72d等は、温調部72,92に埋め込まれるタイプのヒータとできる。さらに、シーズヒータ72dは、油や水を温調媒体として使用するタイプの温度調節機構に置き換えることができる。
また、固定金型41及び可動金型42で構成される射出成形金型に設けるキャビティの形状は、図示のものに限らず、様々な形状とすることができる。すなわち、樹脂成形金型40によって射出成形する成形品は、レンズアレイに限らず、様々な光学部品やそれ以外の樹脂製品とできる。
第1実施形態の射出成形機を説明する正面図である。 (A)、(B)は、第1実施形態の射出成形機に組み込まれる樹脂成形金型の構造を説明する拡大断面図である。
符号の説明
10…射出成形機、 11…固定盤、 12…可動盤、 15…開閉駆動装置、 16…射出装置、 16a…シリンダ、 16b…原料貯留部、 16d…射出ノズル、 16e…駆動部、 20…制御装置、 22…射出装置制御部、 24…型温度制御部、 25…開閉制御部、 27…エジェクタ制御部、 40…樹脂成形金型、 41…固定金型、 41c,41d…締結具、 42…可動金型、 42c,42d…締結具、 45…エジェクタ、 61…金型ユニット、 63…断熱板、 65…断熱壁体、 71…キャビティ部、 71a…胴型、 72…温調部、 72d…ヒータ、 72e…温度センサ、 73…型板、 78…コア型、 81…金型ユニット、 83…断熱板、 85…断熱壁体、 91…キャビティ部、 91a…胴型、 92…温調部、 93…型板、 98…コア型、 CV…キャビティ、 PP…突起部、 SP…スプル部分

Claims (8)

  1. 樹脂を成形するための成形面を有するキャビティ部と、
    前記キャビティ部の温度を調整する温調部と、
    前記キャビティ部と前記温調部との間に介在して配置され、前記キャビティ部及び前記温調部の双方の基材よりも熱伝導率及び剛性が高い材料を基材とする型板と、
    を備えることを特徴とする樹脂成形金型。
  2. 前記型板は、熱伝導率が50W/m・K以上であって、剛性としてのヤング率が300GPa以上の材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の樹脂成形金型。
  3. 前記型板は、WCを50%以上含む材料で形成されていることを特徴とする請求項1及び請求項2のいずれか一項に記載の樹脂成形金型。
  4. 前記型板は、SiCを50%以上含む材料で形成されていることを特徴とする請求項1及び請求項2のいずれか一項に記載の樹脂成形金型。
  5. 前記キャビティ部と前記温調部とは、ステンレス鋼を基材とすることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の樹脂成形金型。
  6. 前記キャビティ部と前記型板と前記温調部とを積層した金型ユニットのうち背面側に位置する前記温調部と、金型を支持するための取付盤との間に、前記金型ユニットを保温するための断熱板を配置したことを特徴とする請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の樹脂成形金型。
  7. 前記キャビティ部と前記型板と前記温調部とを積層した金型ユニットの側面に対向して、前記金型ユニットを保温するための断熱壁体を配置したことを特徴とする請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の樹脂成形金型。
  8. 請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の樹脂成形金型を備え、前記樹脂成形金型によって形成されるキャビティ内に樹脂材料を射出することによって成形を行うことを特徴とする射出成形機。
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