JPH05142762A - 湿し水不要感光性平版印刷版および製版方法 - Google Patents

湿し水不要感光性平版印刷版および製版方法

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JPH05142762A
JPH05142762A JP30437591A JP30437591A JPH05142762A JP H05142762 A JPH05142762 A JP H05142762A JP 30437591 A JP30437591 A JP 30437591A JP 30437591 A JP30437591 A JP 30437591A JP H05142762 A JPH05142762 A JP H05142762A
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water
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JP30437591A
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Tsumoru Hirano
積 平野
Tatsuji Azuma
逹治 東
Mitsunori Ohata
光則 大畑
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 支持体上にプライマー層、光重合性感光層お
よびインキ反撥層をこの順に積層してなる湿し水不要感
光性平版印刷版において、該光重合性感光層が水溶性高
分子化合物を含有することを特徴とする湿し水不要感光
性平版印刷版。 【効果】 本発明の水無し平版印刷版は、画像部の現像
性が良好であり、安価で危険性の少ない現像液で、調子
再現性に優れた平版印刷版を安定に製造することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の技術分野】本発明は支持体上にプライマー
層、光重合性感光層およびインキ反撥層をこの順に積層
してなる湿し水不要感光性平版印刷版およびその製版方
法に関する。
【0002】
【従来技術】湿し水を用いないで平版印刷を行うための
湿し水不要感光性平版印刷版(以後、水無し感光性平版
印刷版と称す)に関しては種々のものが提案されてい
る。その中でも支持体上にプライマー層、感光層および
インキ反撥層をこの順に塗設したものが極めて優れた性
能を有している。インキ反撥層としてシリコーンゴムを
用いたものが例えば、特公昭54−26923号、特公
昭55−22781号、特公昭56−23150号およ
び特開平2−236550号公報等に、弗素樹脂を用い
たものが例えば、特開昭58−215411号および特
開平2−103047号公報等に記載されている。
【0003】感光層としては、ポジ型平版印刷版の場
合、露光によって硬化する光重合型感光性組成物が用い
られてきた。この層構成を有する感光性平版印刷版で
は、露光によって感光層を硬化し、その上層のインキ反
撥層との界面で光接着し、それにより両層間を強固に結
合させ、現像液による浸透およびそれに伴う感光層組成
物の溶出を防止して、インキ反撥層からなる非画像部を
形成させ、一方、未露光部では、未硬化状態の感光層組
成物の一部を現像液により溶解せしめた後に、物理的な
力でその上のインキ反撥層を除去して画像部を形成する
のが一般的である。
【0004】よって、画像部の形成においては、未露光
部におけるインキ反撥層の完全な除去が課題となり、現
像時における画像部のインキ反撥層と感光層界面におけ
る接着力が大きな支配因子となる。これらの水無し感光
性平版印刷版の現像方法としては、特公昭56−231
50号、特開昭57−13448号、特開昭59−14
6054号および特開昭63−52145号公報等に開
示されているものがある。しかしながら、これらの現像
方法では処理液の主成分が有機溶剤であるため、高価で
あり、引火の危険性等から取扱に特別の配慮を必要とし
た。この問題点を解決するために特開平1−59644
号公報では水を主成分とする現像液が開示されている。
しかし、この現像液は水溶性の低い有機溶剤を界面活性
剤で可溶化させるという複雑な構成となっているため、
現像液組成のわずかな変動によって、現像能力が変動し
易いという欠点を有していた。水を主成分とし、液組成
変動によって現像能力が変動しにくい現像液であるため
には、有機溶剤等の現像剤が水に安定に溶解している必
要がある。このためには現像液は水または水溶性の有機
溶剤の水溶液から選ばれることが望ましい。しかし、特
公昭54−26923号、特開昭50−50102号お
よび特開平2−236550号公報等に開示されている
水無し感光性平版印刷版は、いずれも水または水溶性有
機溶剤の水溶液を現像液として現像しても満足な画像を
得ることができない。
【0005】一方、感光性樹脂層およびインキ反撥層の
間に中間層を設ける技術としてはシランないしはケイ酸
粒子を含有するケイ酸ゾルを用いた中間層が西独特許第
2,350,211号、特開昭63−73253号および
特開昭63−88556号公報等に記載されているが、
その目的は感光性樹脂層とインキ反撥層との接着性向上
であり、露光により可溶となる層を有するネガ型水無し
感光性平版印刷版において特に有用である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
第一の目的は、画像部の現像性が良好な水無し感光性平
版印刷版を提供することである。本発明の第二の目的
は、調子再現性が良好な水無し感光性平版印刷版を提供
することである。本発明の第三の目的は、安価で危険性
の少ない現像液を用いて水無し感光性平版印刷版を製版
する方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、支持体
上にプライマー層、光重合性感光層およびインキ反撥層
をこの順に積層してなる水無し感光性平版印刷版におい
て、該光重合性感光層が水溶性高分子化合物を含有する
こと特徴とする水無し感光性平版印刷版、および、該水
無し感光性平版印刷版を活性光線で画像露光後、水また
は水を主成分とする水溶性有機溶剤の水溶液に浸漬し、
光重合性感光層の一部を溶解または膨潤せしめ、該水ま
たは水を主成分とする水溶性有機溶剤の水溶液に浸漬し
つつ、またはその後に、インキ反撥層を除去することを
特徴とする水無し平版印刷版の製造方法により達成され
る。
【0008】本発明の目的はまた、支持体上にプライマ
ー層、光重合性感光層、水溶性高分子化合物を主成分と
する中間層およびインキ反撥層をこの順に積層してなる
こと特徴とする水無し感光性平版印刷版、および、該水
無し感光性平版印刷版を活性光線で画像露光後、水また
は水を主成分とする水溶性有機溶剤の水溶液に浸漬しつ
つ、またはその後に、インキ反撥層および水溶性高分子
化合物を主成分とする中間層を除去することを特徴とす
る水無し平版印刷版の製造方法により達成される。
【0009】本発明の水無し感光性平版印刷版において
は、光重合性感光層または中間層に含まれる水溶性高分
子化合物が、画像露光後、現像時において、水または水
を主成分とする水溶性有機溶剤の水溶液からなる現像液
の光重合性感光層への浸透を促進するために、未露光部
のインキ反撥層を容易に除去することができ、しかも良
好な調子再現性が得られ、上記目的が達成されるもので
ある。
【0010】以下に、本発明を詳しく説明する。本発明
の水無し平版印刷版は通常の印刷機にセットできる程度
のたわみ性を有し、同時に印刷時にかかる荷重に耐える
ものでなければならない。従って、代表的な基板として
は、コート紙、アルミニウムのような金属板、ポリエチ
レンテレフタレートのようなプラスチックフィルム、ゴ
ムあるいはそれらを複合させたものを挙げることができ
る。
【0011】次に本発明に用いられるプライマー層とし
ては、基板と光重合性感光層間の接着性向上、ハレーシ
ョン防止、画像の染色や印刷特性向上のために種々のも
のを使用することができる。例えば、特開昭60−22
903号公報に開示されているような種々の感光性ポリ
マーを感光性樹脂層を積層する前に露光して硬化せしめ
たもの、特開昭62−50760号公報に開示されてい
るエポキシ樹脂を熱硬化せしめたもの、特開昭63−1
33151号公報に開示されているゼラチンを硬膜せし
めたもの、更に特願平2−81896号や特願平2−2
1072号明細書に記載されているウレタン樹脂を用い
たもの等を挙げることができる。この他、ゼラチンまた
はカゼインを硬膜させたものも有効である。更に、プラ
イマー層を柔軟化させる目的で、前記のプライマー層中
に、ガラス転移温度が室温以下であるポリウレタン、ポ
リアミド、スチレン/ブタジエンゴム、カルボキシ変性
スチレン/ブタジエンゴム、アクリロニトリル/ブタジ
エンゴム、カルボキシ変性アクリロニトリル/ブタジエ
ンゴム、ポリイソプレン、アクリレートゴム、ポリエチ
レン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等の
ポリマーを添加しても良い。その添加割合は任意であ
り、フィルム層を形成できる範囲内であれば、添加剤だ
けでプライマー層を形成しても良い。また、これらのプ
ライマー層には前記の目的に沿って、染料、pH指示薬、
焼き出し剤、光重合開始剤、接着助剤(例えば、重合性
モノマー、ジアゾ樹脂、シランカップリング剤、チタネ
ートカップリング剤やアルミニウムカップリング剤)、
顔料やシリカ粉末等の添加物を含有させることもでき
る。一般に、プライマー層の塗布量は乾燥重量で0.1
〜20g/m2の範囲が適当であり、好ましくは1〜1
0g/m2である。
【0012】本発明において、中間層を設けない場合、
光重合性感光層は少なくとも(1)水溶性高分子化合
物、(2)少なくとも1個の光重合可能なエチレン性不
飽和基を有するモノマー、オリゴマーまたはマクロモノ
マー、(3)フィルム形成能を有する水不溶性高分子化
合物および、(4)光重合開始剤を含む。成分(1) :水溶性高分子化合物 本発明に用いることのできる水溶性高分子化合物は分子
量が5,000〜1,000,000のもの、より好まし
くは、8,000〜500,000のものであり、100
gの水に対して、25℃において1g以上溶解するもの
である。具体的には「水溶性高分子 水分散型樹脂の最
新加工・改質技術と用途開発 総合技術資料集」(経営
開発センター出版部、1981年)、「水溶性高分子」
(化学工業社、1987年)、「新・水溶性ポリマーの
応用と市場」(シーエムシー、1988年)等に記載さ
れているポリアクリル酸ソーダおよびその共重合体、ポ
リアクリルアミドおよびその共重合体、ポリビニルアル
コール、ポリエチレンオキシド、水性ウレタン樹脂、水
性アクリル樹脂、水溶性ポリエステル、水溶性エポキシ
化合物、セルロース誘導体、天然水溶性高分子等が挙げ
られる。より好ましくは、ポリオキシエチレン(メタ)
アクリレートを主成分とする水性アクリル樹脂、水性ポ
リウレタン、ポリエチレンオキシドが挙げられるがこれ
に限定されるものではない。
【0013】水溶性高分子化合物は全感光性組成物に対
して、1〜40重量%、好ましくは2〜30重量%で含
有させることができる。成分(2) :少なくとも1個の光重合可能なエチレン
性不飽和基を有するモノマー、オリゴマーまたはマクロ
モノマー 本発明に用いることのできる上記モノマー、オリゴマー
またはマクロモノマーとしては、例えば (A)アルコール類(例えば、エタノール、プロパノー
ル、ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、シクロヘ
キサノール、グリセリン、ヘキサンジオール、トリメチ
ロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトー
ル、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール等)のアクリル酸または
メタクリル酸エステル (B)アミン類(例えば、エチルアミン、ブチルアミ
ン、ベンジルアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレ
ンジアミン、ジエチレントリアミン、キシリレンジアミ
ン、エタノールアミン、アニリン等)とアクリル酸グリ
シジル、メタクリル酸グリシジルまたはアリルグリシジ
ルとの反応生成物、 (C)カルボン酸類(例えば、酢酸、プロピオン酸、安
息香酸、アクリル酸、メタクリル酸、コハク酸、マレイ
ン酸、フタル酸、酒石酸、クエン酸等)とアクリル酸グ
リシジル、メタクリル酸グリシジルまたはアリルグリシ
ジルとの反応生成物、 (D)アミド誘導体(例えば、アクリルアミド、N−メ
チロールアクリルアミド、t−ブチルアクリルアミド、
メチレンビスアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミ
ド等)、などを挙げることができる また、特公昭48−41708号、特公昭50−603
4号、特開昭51−37193号公報に記載されている
ようなウレタンアクリレート類、特開昭48−6418
3号、特公昭49−43191号、特公昭52−304
90号公報に記載されているポリエステルアクリレート
類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエ
ポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタ
クリレート、米国特許第4,540,649号明細書に
記載のN−メチロールアクリルアミド誘導体を挙げるこ
とができる。さらに、日本接着協会誌Vol.20、No.
7、300〜308ページ(1984年)等に光硬化性
モノマーおよびオリゴマーとして記載されているもの、
P.Dreyfuss & R.P.Quirk, Encycl.Polym.Sci.Eng., 7,
551 (1987), 化学工業、38,56(1987)、高
分子加工、35,262(1986)等に記載されてい
るマクロマモノマーも使用することができる。ただし、
これらに限定されるものではなく、多官能モノマーにお
いて、不飽和基はアクリル、メタクリル、アリル、ビニ
ル基等が混合して存在していてもよい。また、これらは
単独で用いてもよく、組み合わせて用いてもよい。その
使用量は全光重合性感光層組成物に対して、5重量%〜
80重量%、好ましくは30重量%〜70重量%であ
る。成分(3) :フィルム形成能を有する水不溶性高分子
化合物 本発明に用いられるフィルム形成能を有する水不溶性高
分子化合物としては、分子量が5,000〜1,000,
000のもの、より好ましくは、8,000〜500,0
00のものから選ばれる。具体的には、例えばポリエス
テル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル
樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹
脂、(メタ)アクリレート系共重合体、(メタ)アクリ
ルアミド系共重合体、ポリウレタン樹脂、および酢酸ビ
ニル系共重合体、ポリスチレン、フェノキシ樹脂、ポリ
塩化ビニル、ナイロン等を挙げることができる。
【0014】更に、フィルム形成能を有する高分子化合
物として、側鎖に光重合可能な又は光架橋可能なオレフ
ィン性不飽和二重結合基を有する高分子化合物を使用す
ることができるが、これに限定されるものではない。水
不溶性高分子化合物は全光重合性感光層組成物に対し
て、10〜80重量%、好ましくは25〜65重量%で
含有させることができる。成分(4) :光重合開始剤 本発明に用いられる光重合開始剤の代表的な例として次
のようなものをあげることができる。
【0015】a)ベンゾフェノン誘導体、例えば、ベン
ゾフェノン、ミヒラー氏ケトン、キサントン、アンスロ
ン、チオキサントン、アクリドン、2−クロロアクリド
ン、2−クロロ−N−n−ブチルアクリドン、2,4−
ジエチルチオキサントン、フルオレノン等 b)ベンゾイン誘導体、例えば、ベンゾイン、ベンゾイ
ンメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル等、 c)キノン類、例えば、p−ベンゾキノン、β−ナフト
キノン、β−メチルアントラキノン等 d)イオウ化合物、例えば、ジベンジルジサルファイ
ド、ジ−n−ブチルジサルファイド等 e)アゾあるいはジアゾ化合物、例えば、2−アゾビス
イソブチロニトリル、1−アゾ−ビス−1−シクロヘキ
サンカルボニトリル、p−ジアゾベンジルエチルアニリ
ン、コンゴーレッド等 f)ハロゲン化合物、例えば、四臭化炭素、臭化銀、α
−クロロメチルナフタリン、トリハロメチル−s−トリ
アジン系化合物等、 g)過酸化物、例えば、過酸化ベンゾイル等を挙げるこ
とができる。
【0016】これらは単独で用いてもよく、組み合わせ
で用いてもよい。これらの光重合開始剤の添加量は全光
重合性感光層組成物に対して0.1〜25重量%、好ま
しくは3〜20重量%である。その他の成分 以上の他に更に熱重合防止剤を加えておくことが好まし
く、例えばハイドロキノン、p−メトキシフェノール、
ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−
ブチルカテコール、4,4’−チオビス(3−メチル−
6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス
(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メル
カプトベンゾイミダゾール等が有用であり、場合によっ
ては光重合性感光層の着色を目的として染料もしくは顔
料および焼きだし剤としてpH指示薬やロイコ染料を添
加することもできる。目的によっては更に光重合性感光
層中に少量のポリジメチルシロキサン、メチルスチレン
変性ポリジメチルシロキサン、オレフィン変性ポリジメ
チルシロキサン、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキ
サン、シランカップリング剤、シリコーンジアクリレー
ト、シリコーンジメタクリレート等のシリコーン化合物
を添加してもよい。塗布性向上のためにシリコーン系界
面活性剤、フッ素系界面活性剤を添加してもよい。更に
光重合性感光層とプライマー層との接着性を改善させる
ためにジアゾ樹脂を添加してもよい。その他、塗膜に柔
軟性を付与するための可塑剤(例えば、ポリエチレング
リコール、燐酸トリクレジル等)、安定剤(例えば、燐
酸等)を添加してもよい。これらの添加剤の添加量は通
常全光重合性感光層組成物に対して10重量%以下であ
る。場合によっては(メタ)アクリロイル基やアリル基
含有シランカップリング剤で処理した疎水性シリカ粉末
を全光重合性感光層組成物に対して10重量%以下の量
添加してもよい。
【0017】本発明に用いる上述の光重合性感光層組成
物は、例えば、2−メトキシエタノール、2−メトキシ
エチルアセテート、プロピレングリコールメチルエチル
アセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、プロピレングリ
コールモノメチルエーテル、エタノール、メチルエチル
ケトン、N,N−ジメチルアセトアミド等の適当な溶剤
の単独又はこれらの混合溶媒に溶解して、基板上に塗布
される。その塗布重量は乾燥後の重量で0.1〜20g
/m2の範囲が適当であり、好ましくは0.5〜10g
/m2の範囲である。
【0018】本発明の水無し感光性平版印刷版が中間層
を有する場合、この中間層の主成分は上述の水溶性高分
子化合物である。中間層中の水溶性高分子化合物の含有
量は、40重量%以上、好ましくは60重量%である。
この中間層には場合によっては、エチレン性不飽和基を
少なくとも1個以上有する水溶性モノマーを添加するこ
とができ、着色を目的として染料もしくは顔料および焼
きだし剤としてpH指示薬やロイコ染料を添加すること
もできる。また、塗布性向上のために界面活性剤を添加
してもよい。
【0019】上述の中間層用組成物は、例えば、2−メ
トキシエタノール、2−メトキシエチルアセテート、プ
ロピレングリコールメチルエチルアセテート、乳酸メチ
ル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエー
テル、エタノール、メチルエチルケトン、N,N−ジメ
チルアセトアミド、水等の適当な溶剤の単独又はこれら
の混合溶媒に溶解して、光重合性感光層上に塗布され
る。
【0020】この中間層の塗布量は乾燥重量で0.05
〜5g/m2の範囲であり、好ましくは0.1〜2g/m
2である。本発明に用いられるインキ反撥層としては架
橋を行ったシリコーンゴム層を使用できる。本発明にお
いて用いられる架橋を行ったシリコーンゴム層は、部分
的にあるいは全面的に架橋したポリジオルガノシロキサ
ンであり、次のような繰返し単位を有する。
【0021】−Si(R)2−O− ここで、Rはアルキル、アリール、アルケニルまたはこ
れらの組み合わされた一価の基を表し、これらの基はハ
ロゲン原子、アミノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アリー
ロキシ、(メタ)アクリロキシ、チオールなどの官能基
を有していても良い。なお、シリコーンゴム層には必要
に応じて、シリカ、炭酸カルシウム、酸化チタンなどの
無機物の微粉末、シランカップリング剤、チタネート系
カップリング剤やアルミニウム系カップリング剤などの
接着助剤や光重合開始剤を添加しても良い。
【0022】上記ポリシロキサンを主たる骨格とするシ
リコーンゴムの原料として分子量数千〜数十万で末端に
官能基を有するポリシロキサンが使用され、これを次に
示すような方法で架橋硬化してシリコーンゴム層が形成
される。即ち、具体的には両末端にあるいは片末端に水
酸基を有する上記ポリシロキサンに、次のような一般式
で示されるシラン系架橋剤を混入し、必要に応じて有機
金属化合物(例えば、有機スズ化合物、無機酸、アミン
等)の触媒を添加して、ポリシロキサンとシラン系架橋
剤とを加熱し、叉は常温で縮合硬化することにより形成
される。
【0023】R1 nSiX4-n ここで、nは1〜3の整数、R1 は先に示したRと同様
の置換基であり、Xは−OH、−OR2、−OAc、−
O−N=CR23、−Cl、−Br、−Iなどの置換基
を表す。ここで、R2、R3は、先に説明したRと同じ定
義であり、R2、R3はそれぞれ同一でも異なっても良
い。また、Acはアセチル基を表す。
【0024】また、末端に水酸基を有するオルガノポリ
シロキサンと、ハイドロジェンポリシロキサン架橋剤と
必要に応じて上記のシラン系架橋剤とを縮合硬化させる
ことによってシリコーンゴム層を形成しても良い。ま
た、SiH基、−CH=CH−基との付加反応によって
架橋させた付加型シリコーンゴム層も有用である。付加
型シリコーンゴム層は硬化時比較的湿度の影響を受けに
くく、その上高速で架橋させることができ、一定の物性
を容易に得ることができるという利点がある。
【0025】ここで用いる付加型シリコ−ンゴム層は、
多価ハイドロジェンオルガノポリシロキサンと、1分子
中に2個以上の−CH=CH−結合を有するポリシロキ
サン化合物との反応によって得られるもので、望ましく
は、以下の成分: (1)1分子中にケイ素原子に直接結合したアルケニル基(望ましくはビニル基 )を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン 100重量部 (2)1分子中にSiH結合を少なくとも2個有するオルガノハイドロジェンポ リシロキサン 0.1〜1000重量部 (3)付加触媒 0.00001〜10重量部 からなる組成物を硬化架橋したものである。成分(1)
のアルケニル基は分子鎖末端、中間のいずれにあっても
よく、アルケニル基以外の有機基としては、置換もしく
は非置換のアルキル基、アリ−ル基である。成分(1)
には水酸基を微量含有させてもよい。成分(2)は成分
(1)と反応してシリコ−ンゴム層を形成するが、光重
合性感光層に対する接着性を付与する役割を果たす。成
分(2)の水素基は分子鎖末端、中間のいずれにあって
もよく、水素以外の有機基としては成分(1)と同様の
ものから選ばれる。成分(1)と成分(2)の有機基は
インキ反撥性の向上の点で総じて基数の60%以上がメ
チル基であることが好ましい。成分(1)及び成分
(2)の分子構造は直鎖状、環状、分枝状いずれでもよ
く、どちらか少なくとも一方の分子量が1,000を越
えることがゴム物性の面で好ましく、更に成分(1)の
分子量が1,000を越えることが好ましい。
【0026】成分(1)としては、α,ω−ジビニルポ
リジメチルシロキサン、両末端メチル基の(メチルビニ
ルシロキサン)(ジメチルシロキサン)共重合体などが
例示され、成分(2)としては、両末端水素基のポリジ
メチルシロキサン、α,ω−ジメチルポリメチルハイド
ロジェンシロキサン、両末端メチル基の(メチルハイド
ロジェンシロキサン)(ジメチルシロキサン)共重合
体、環状ポリメチルハイドロジェンシロキサンなどが例
示される。
【0027】成分(3)の付加触媒は、公知のもののな
かから任意に選ばれるが、特に白金系の化合物が望まし
く、白金単体、塩化白金、塩化白金酸、オレフィン配位
白金などが例示される。これらの組成物の硬化速度を制
御する目的で、テトラシクロ(メチルビニル)シロキサ
ンなどのビニル基含有のオルガノポリシロキサン、炭素
−炭素三重結合含有のアルコ−ル、アセトン、メチルエ
チルケトン、メタノ−ル、エタノ−ル、プロピレングリ
コ−ルモノメチルエ−テルなどの架橋抑制剤を添加する
ことも可能である。
【0028】これらの組成物は、3成分を混合した時点
において付加反応が起き、硬化が始まるが、硬化速度は
反応温度が高くなるに従い急激に大きくなる特徴を有す
る。故に、組成物のゴム化までのポットライフを長く
し、かつ層上での硬化時間を短くする目的で、組成物の
硬化条件は、基板、光重合性感光層の特性が変わらない
範囲の温度条件で、かつ完全に硬化するまで高温に保持
しておくことが、光重合性感光層または中間層との接着
力の安定性の面で好ましい。
【0029】これらの組成物の他に、アルケニルトリア
ルコキシシラン、
【0030】
【化1】
【0031】
【化2】
【0032】などの公知の接着性付与剤を添加すること
や、縮合型シリコ−ンゴム層の成分である水酸基含有オ
ルガノポリシロキサン、末端がトリメチルシリル基であ
るジメチルポリシロキサン、フェニルメチルポリシロキ
サン共重合体よりなるシリコ−ンオイル、加水分解性官
能基含有シラン(もしくはシロキサン)を添加してもよ
い。また、ゴム強度を向上させるために、シリカなどの
公知の充填剤を添加してもよい。
【0033】本発明におけるインキ反撥層は、厚さが小
さいとインキ反撥性が低下し、傷が入りやすい等の問題
点があり、厚さが大きい場合、現像性が悪くなるという
点から、厚みとしては0.5〜5g/m2が好ましく、より
好ましくは1〜3g/m2である。ここに説明した水無し感
光性平版印刷版において、インキ反撥層の上に更に種々
のインキ反撥層を塗工しても良い。また、光重合性感光
層または中間層とインキ反撥層との間の接着力を上げる
目的、もしくはインキ反撥層組成物中の触媒の被毒を防
止する目的で、光重合性感光層または中間層とインキ反
撥層との間に接着層を設けても良い。
【0034】更に、インキ反撥層の表面保護のために、
インキ反撥層上に透明なフィルム、例えばポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビリニ
デン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンテレフタレ
ート、セロファン等をラミネートしたり、ポリマーのコ
ーティングを施しても良い。これらのフィルムは延伸し
て用いても良い。更に、このフィルムには画像露光時の
焼き枠における真空密着性を改良するため、マットを施
しても良い。
【0035】本発明による水無し感光性平版印刷版は透
明原画を通して露光した後、画像部(未露光部)の感光
層の一部を溶解あるいは膨潤しうる現像液で現像され
る。本発明において用いられる現像液としては水無し感
光性平版印刷版の現像液として公知のものが使用できる
が、水または水を主成分とする水溶性有機溶剤の水溶液
が好ましい。安全性および引火性等を考慮すると水溶性
溶剤の濃度は40重量%未満が望ましく、特に水のみに
よる現像が望ましい。公知のものとしては、例えば脂肪
族炭化水素類(ヘキサン、ヘプタン、”アイソパーE、
H、G”(エッソ化学(株)製)あるいはガソリン、灯
油等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、
あるいはハロゲン化炭化水素(トリクレン等)に下記の
極性溶媒を添加したものや極性溶媒そのもの、 ・アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノー
ル、イソプロパノール、ベンジルアルコール、エチレン
グリコールモノメチルエーテル、2−エトキシエタノー
ル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレング
リコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモ
ノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチル
エーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテ
ル、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコ
ール等) ・ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等) ・エステル類(酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸ブチル、
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、
ジエチレングリコールアセテート、ジエチルフタレート
等) ・その他(トリエチルフォスフェート、トリクレジルフ
ォスフェート等) また、上記有機溶剤系現像液に水を添加したり、上記有
機溶剤を界面活性剤等を用いて水に可溶化したものや、
更にその上にアルカリ剤(例えば、炭酸ナトリウム、ジ
エタノールアミン、水酸化ナトリウム等)を添加したも
のや単なる水(水道水、純水、蒸留水等)等が挙げられ
る。
【0036】また、クリスタルバイオレット、ビクトリ
アピュアブルー、アストラゾンレッドなどの染料を現像
液に加えて、現像と同時に画像部の染色を行うことがで
きる。現像は、例えば上記のような現像液を含む現像用
パッドで版面をこすったり、現像液を版面に注いだ後に
水中にて現像ブラシでこするなど、公知の方法で行うこ
とができる。現像は任意の温度でできるが、好ましくは
10℃〜50℃である。これにより画像部のインキ反撥
層が除かれ、その部分がインキ受容部となる。
【0037】このようにして得られた刷版は、その画像
形成性を確認するため露出画像部を染色液で染色し、検
知しうるようにできる。現像液に露出画像部の染色のた
めの染料を含有しない場合には、現像後に染色液で処理
される。染色液を柔らかいパッドにしみこませ、画像部
を軽くこすることにより、感光層の露出した画像部のみ
が染色され、これによりハイライト部まで現像が十分に
行われていることを確認できる。染色液としては、水溶
性の分散染料、酸性染料および塩基性染料のうちから選
ばれる1種または2種以上を水、アルコール類、ケトン
類、エーテル類などの単独または2種以上の混合液に溶
解または分散せしめたものが用いられる。染色性を向上
させるために、カルボン酸類、アミン類、界面活性剤、
染色助剤、消泡剤等を加えることも効果的である。
【0038】染色液により染色された刷版は、次いで水
洗し、その後乾燥することが好ましく、これにより版面
のべとつきを抑えることができ、刷版の取扱性を向上さ
せることができる。また、このように処理された刷版を
積み重ねて保管する場合には、刷版を保護するために合
紙を挿入し挟んでおくことが好ましい。
【0039】以上のような現像処理と染色処理、叉はそ
れに続く水洗、乾燥処理は、自動処理機で行うことが好
ましい。このような自動処理機の好ましいものは、特開
平2−220061号公報に記載されている。
【0040】
【発明の効果】本発明の水無し感光性平版印刷版は、画
像部の現像性が良好であり、安価で危険性の少ない現像
液で、調子再現性に優れた水無し平版印刷版を安定に製
造することができる。
【0041】
【実施例】以下に、実施例により本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。 実施例1〜8、比較例1〜3 (プライマー層)通常の方法で脱脂した0.3mm厚の
JIS A 1050材アルミ板をアミノシランカップリ
ング剤であるKBM603(信越化学(株)製)1%水
溶液に浸漬させた後、室温で乾燥させた。このアルミ板
上に乾燥重量で4g/m2となるように、下記のプライ
マー層を塗布し、140℃、2分間加熱し乾燥させた。 ・サンプレンIB1700D(三洋化成(株)製) 10重量部 ・p−ジアゾジフェニルアミンとパラホルムアルデヒドとの 縮重合物のヘキサフルオロリン酸塩 0.1重量部 ・TiO2 0.1重量部 ・ディフェンサーMCF323(大日本インキ化学工業(株)製) 0.03重量部 ・プロピレングリコールメチルエーテルアセテート 50重量部 ・乳酸メチル 20重量部 ・純水 1重量部 その後、ヌアーク社製 FT261V UDNS ULTRA-PLUS FLIPTO
P PLATE MAKER 真空露光機を用いて、20カウント露光
した。
【0042】(感光層)上記プライマー層を塗設したア
ルミ板上に、下記組成の光重合性感光液を、乾燥重量5
g/m2となるように塗布し、100℃、1分乾燥し
た。 ・表−1に記載された種類および量の水不溶性高分子化合物 ・表−1に記載された種類および量の水溶性高分子化合物 ・A−600(新中村化学(株)製:ポリエチレングリコール ジアクリレート) 0.4重量部 ・キシリレンジアミン1モル/グリシジルメタクリレート 4モルの付加物 1.0重量部 ・エチルミヒラーズケトン 0.35重量部 ・2,4−ジエチルチオキサントン 0.10重量部 ・ビクトリアピュブルーBOHのナフタレンスルホン酸塩 0.01重量部 ・ディフェンサーMCF323(大日本インキ化学工業(株)製) 0.03重量部 ・メチルエチルケトン 10重量部 ・プロピレングリコールメチルエーテル 25重量部
【0043】(インキ反撥層)上記光重合性感光層上
に、下記のシリコーンゴム組成液を乾燥重量2g/m2
となるように塗布し、140℃、2分間乾燥した。 ・α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(重合度 約700) 9重量部 ・(CH3)3-Si-O-(Si(CH3)2-O)30-(SiH(CH3)-O)10-Si(CH3)3 1.2重量部 ・ポリジメチルシロキサン(重合度 約8,000) 0.5重量部 ・オレフィン−塩化白金酸 0.2重量部 ・抑制剤 0.3重量部 ・アイソパーG(エッソ化学(株)製) 140重量部 上記のようにして得られたシリコーンゴム層の表面に厚
さ9μmの片面マット化二軸延伸ポリプロピレンフィル
ムをマット化されていない面がシリコーンゴム層と接す
るようにラミネートし、本発明の水無し感光性平版印刷
版を得た。
【0044】 表−1 水不溶性高分子化合物 水溶性高分子化合物 種類 量(重量部) 種類 量(重量部) ─────────────────────────────────── 実施例 1 A 1.5 I 0.3 実施例 2 A 2.0 II 0.5 実施例 3 A 1.5 III 0.5 実施例 4 A 1.5 IV 0.4 実施例 5 B 2.0 V 0.2 実施例 6 B 1.5 I 0.3 実施例 7 C 1.5 VI 0.4 実施例 8 D 1.5 II 0.3 ─────────────────────────────────── 比較例 1 A 1.5 比較例 2 A 2.5 比較例 3 B 1.5 VII 0.3 ───────────────────────────────────
【0045】水不溶性高分子化合物 A : ポリウレタン樹脂(イソホロンジイソシアネー
ト/ポリエステル(アジピン酸/1,4−ブタンジオー
ル/エチレングリコール)/1,4−ブタンジオール/
イソホロンジアミン) B : ポリウレタン樹脂(イソホロンジイソシアネー
ト/ポリエチレングリコール/1,6−ブタンジオール
/イソホロンジアミン) C : ポリウレタン樹脂(イソホロンジイソシアネー
ト/ポリエステル(アジピン酸/1,6−ブタンジオー
ル/2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール)) D : サンプレンIB1700D(三洋化成(株)製
ポリウレタン)
【0046】水溶性高分子化合物 I : M−230G(新中村化学(株)製ポリエチレ
ンオキサイド(n=23)モノメチルエーテルメタクリ
レート)とメチルメタクリレートとの共重合ポリマー II : M−230G(新中村化学(株)製ポリエチレ
ンオキサイド(n=23)モノメチルエーテルメタクリ
レート)とヒドロキシエチルメタクリレートとの共重合
ポリマー III : M−230G(新中村化学(株)製ポリエチレ
ンオキサイド(n=23)モノメチルエーテルメタクリ
レート)とジアセトンアクリルアミドとアクリル酸との
共重合ポリマー IV : AM−90G(新中村化学(株)製ポリエチレ
ンオキサイド(n=9)モノメチルエーテルアクリレー
ト)とメチルメタクリレートとの共重合ポリマー V : ポリエチレングリコール(MW.20,00
0)(和光純薬(株)製) VI : 水溶性ポリウレタン樹脂(イソホロンジイソシ
アネート/ポリエチレングリコール(MW.5,00
0)) VII : ポリメチルメタクリレート
【0047】これら印刷版に300線/インチの網点画
像を有するポジフィルムと光学濃度差0.15であるグ
レースケール(G/S)を重ね、ヌアーク社製 FT261V
UDNSULTRA-PLUS FLIPTOP PLATE MAKER 真空露光機を用
いて、30カウント露光した後、ラミネートフィルムを
剥離した。 (現像処理 A)ジエチレングリコールモノエチルエー
テルの20%水溶液の40℃の液にプレートを1分間浸
漬した後、水中で現像パッドによりこすって、未露光部
のシリコーンゴム層を除去した。引き続き、下記組成の
染色液にて染色し、現像性を評価した。更に、グレース
ケール感度9段ベタ時の網点再現性(再現可能なハイラ
イトの網点面積、単位:%)を評価した。 (現像処理 B)プレートを35℃の水に浸漬しつつ、
現像パッドによりこすって、未露光部のシリコーンゴム
層を除去した。引き続き、下記組成の染色液にて染色
し、現像性を評価した。更に、グレースケール感度9段
ベタ時の網点再現性(再現可能なハイライトの網点面
積、単位:%)を評価した。
【0048】 (染色液) ・クリスタルバイオレット 0.1重量部 ・ジエチレングリコールモノエチルエーテル 15重量部 ・純水 85重量部 表−2より、本発明の水無し感光性平版印刷版は現像処
理Aおよび水だけによる現像処理Bにおいても、良好な
現像性および調子再現性が得られることが判る。
【0049】 表−2 現像処理 A 現像処理 B サンプル ────────────────────────── 現像性 網点再現性 現像性 網点再現性 ─────────────────────────────────── 実施例 1 ○ 2 ○ 2 実施例 2 ○ 3 ○ 3 実施例 3 ○ 2 ○ 2 実施例 4 ○ 2 ○ 3 実施例 5 ○ 3 ○ 3 実施例 6 ○ 2 ○ 2 実施例 7 ○ 2 ○ 2 実施例 8 ○ 3 ○ 2 比較例 1 × 7 × 10 比較例 2 × 15 × 20 比較例 3 × 10 × 15 ────────────────────────────────── 現像性 : ベタ部のシリコーンゴム残り ○ なし × 残り有
【0050】実施例9 実施例1で用いたシリコーンゴム層の代わりに、下記組
成よりなるシリコーンゴム液を乾燥重量2g/m2とな
るように実施例1の感光層上に塗布し、120℃、2分
間乾燥させ、カバーフィルムを設けて水無し感光性平版
印刷版を得た。 ・両末端に水酸基を有するジメチルポリシロキサン(重合度700) 9重量部 ・メチルトリアセトキシシラン 0.3重量部 ・トリメトキシシリルプロピル−3,5−ジアリルイソシアヌレート 0.3重量部 ・ジブチル錫ジオクタノエート 0.03重量部 ・アイソパーG(エッソ化学(株)製) 160重量部 この印刷版を実施例1〜8と同様に露光、現像して評価
したところ、現像処理A、現像処理Bともに現像性、ハ
イライト再現性良好で優れた水無し平版印刷版が得られ
た。
【0051】実施例10〜17、比較例4〜6 (プライマー層)通常の方法で脱脂した0.3mm厚の
JIS A 1050材アルミ板をアミノシランカップリ
ング剤であるKBM603(信越化学(株)製)1%水
溶液に浸漬させた後、室温で乾燥させた。このアルミ板
上に乾燥重量で4g/m2となるように、下記のプライ
マー層を塗布し、140℃、2分間加熱し乾燥させた。 ・サンプレンIB1700D(三洋化成(株)製) 10重量部 ・p−ジアゾジフェニルアミンとパラホルムアルデヒドとの 縮重合物のヘキサフルオロリン酸塩 0.1重量部 ・TiO2 0.1重量部 ・ディフェンサーMCF323(大日本インキ化学工業(株)製) 0.03重量部 ・プロピレングリコールメチルエーテルアセテート 50重量部 ・乳酸メチル 20重量部 ・純水 1重量部 その後、ヌアーク社製 FT261V UDNS ULTRA-PLUS FLIPTO
P PLATE MAKER 真空露光機を用いて、20カウント露光
した。
【0052】(感光層)上記プライマー層を塗設したア
ルミ板上に、下記組成の光重合性感光液を、乾燥重量5
g/m2となるように塗布し、100℃、1分乾燥し
た。 ・ポリウレタン樹脂(イソホロンジイソシアネート/ポリエステル (アジピン酸/1,6−ブタンジオール/2,2−ジメチルプロ パン−1,3−ジオール)) 1.5重量部 ・A−1000(新中村化学(株)製:ポリエチレングリコール ジアクリレート) 0.3重量部 ・キシリレンジアミン1モル/グリシジルメタクリレート 4モルの付加物 1.2重量部 ・エチルミヒラーズケトン 0.35重量部 ・2,4−ジエチルチオキサントン 0.10重量部 ・ビクトリアピュブルーBOHのナフタレンスルホン酸塩 0.01重量部 ・ディフェンサーMCF323(大日本インキ化学工業(株)製) 0.03重量部 ・メチルエチルケトン 10重量部 ・プロピレングリコールメチルエーテル 25重量部
【0053】(中間層)上記感光層上に、下記組成の水
溶性高分子化合物および比較例としての水不溶性高分子
化合物を、表−3に記載の乾燥塗布量となるように塗布
し、100℃、1分乾燥した。 ・表−3に記載の高分子化合物 ・ディフェンサーMCF323(大日本インキ化学工業(株)製) 0.03重量部 ・メチルエチルケトン 8重量部 ・プロピレングリコールメチルエーテル 20重量部
【0054】(インキ反撥層)上記中間層上に、下記の
シリコーンゴム組成液を乾燥重量2g/m2となるよう
に塗布し、140℃、2分間乾燥した。 ・α,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(重合度 約700) 9重量部 ・(CH3)3-Si-O-(Si(CH3)2-O)30-(SiH(CH3)-O)10-Si(CH3)3 1.2重量部 ・ポリジメチルシロキサン(重合度 約8,000) 0.5重量部 ・オレフィン−塩化白金酸 0.2重量部 ・抑制剤 0.3重量部 ・アイソパーG(エッソ化学(株)製) 140重量部 上記のようにして得られたシリコーンゴム層の表面に厚
さ9μmの片面マット化二軸延伸ポリプロピレンフィル
ムをマット化されていない面がシリコーンゴム層と接す
るようにラミネートし、本発明の水無し感光性平版印刷
版を得た。
【0055】 表−3 高分子化合物 種類 塗布量 ───────────────────────────── 実施例 10 I 0.2g/m2 実施例 11 I 0.5g/m2 実施例 12 II 0.3g/m2 実施例 13 II 0.8g/m2 実施例 14 III 0.2g/m2 実施例 15 IV 0.5g/m2 実施例 16 VI 1.0g/m2 実施例 17 VIII 0.3g/m2 ───────────────────────────── 比較例 4 C 0.2g/m2 比較例 5 VII 0.3g/m2 比較例 6 ─── ───── ───────────────────────────── VIII : 水溶性ポリウレタン樹脂(イソホロンジイソ
シアネート/ポリエチレングリコール(MW.8,00
0)) 実施例1と同様に現像処理AおよびBを行った。結果を
表−4に示す。表−4より、本発明の水無し感光性平版
印刷版は現像処理Aおよび水だけによる現像処理Bにお
いても、良好な現像性および調子再現性が得られること
が判る
【0056】 表−4 現像処理 A 現像処理 B サンプル ───────────────────────── 現像性 網点再現性 現像性 網点再現性 ─────────────────────────────────── 実施例 10 ○ 2 ○ 2 実施例 11 ○ 2 ○ 2 実施例 12 ○ 2 ○ 2 実施例 13 ○ 2 ○ 3 実施例 14 ○ 3 ○ 3 実施例 15 ○ 2 ○ 2 実施例 16 ○ 3 ○ 3 実施例 17 ○ 3 ○ 2 比較例 4 × 15 × 20 比較例 5 × 20 × 20 比較例 6 × 8 × 10 ─────────────────────────────────── 現像性 : ベタ部のシリコーンゴム残り ○ なし × 残り有
【0057】実施例18 実施例10で用いたシリコーンゴム層の代わりに、下記
組成よりなるシリコーンゴム液を乾燥重量2g/m2
なるように実施例10の中間層上に塗布し、120℃、
2分間乾燥させ、カバーフィルムを設けて水無し感光性
平版印刷版を得た。 ・両末端に水酸基を有するジメチルポリシロキサン(重合度700) 9重量部 ・メチルトリアセトキシシラン 0.3重量部 ・トリメトキシシリルプロピル−3,5−ジアリルイソシアヌレート 0.3重量部 ・ジブチル錫ジオクタノエート 0.03重量部 ・アイソパーG(エッソ化学(株)製) 160重量部 この印刷版を実施例10と同様に露光、現像して評価し
たところ、現像処理A、現像処理Bともに現像性、ハイ
ライト再現性良好で優れた水無し平版印刷版が得られ
た。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上にプライマー層、光重合性感光
    層およびインキ反撥層をこの順に積層してなる湿し水不
    要感光性平版印刷版において、該光重合性感光層が水溶
    性高分子化合物を含有することを特徴とする湿し水不要
    感光性平版印刷版。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の湿し水不要感光性平版
    印刷版を活性光線で画像露光後、水または水を主成分と
    する水溶性有機溶剤の水溶液に浸漬し、光重合性感光層
    の一部を溶解または膨潤せしめ、該水または水を主成分
    とする水溶性有機溶剤の水溶液に浸漬しつつ、またはそ
    の後に、インキ反撥層を除去することを特徴とする湿し
    水不要平版印刷版の製造方法。
  3. 【請求項3】 支持体上にプライマー層、光重合性感光
    層、中間層およびインキ反撥層をこの順に積層してなる
    湿し水不要感光性平版印刷版において、該中間層が水溶
    性高分子化合物を主成分として含有することを特徴とす
    る湿し水不要感光性平版印刷版。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の湿し水不要感光性平版
    印刷版を活性光線で画像露光後、水または水を主成分と
    する水溶性有機溶剤の水溶液に浸漬しつつ、またはその
    後に、インキ反撥層および水溶性高分子化合物を主成分
    とする中間層を除去することを特徴とする湿し水不要平
    版印刷版の製造方法。
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