JP2739383B2 - 湿し水不要感光性平版印刷版 - Google Patents

湿し水不要感光性平版印刷版

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JP2739383B2
JP2739383B2 JP3019768A JP1976891A JP2739383B2 JP 2739383 B2 JP2739383 B2 JP 2739383B2 JP 3019768 A JP3019768 A JP 3019768A JP 1976891 A JP1976891 A JP 1976891A JP 2739383 B2 JP2739383 B2 JP 2739383B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は湿し水を用いないで印刷
が可能な湿し水不要平版印刷版の製造に適した湿し水不
要感光性平版印刷版に関する。
【0002】
【従来の技術】湿し水を用いないで平版印刷を行うため
の湿し水不要平版印刷用の湿し水不要感光性平版印刷版
については種々のものが提案されている。それらの中で
も基板上に感光性樹脂層とシリコーンゴム層とを順次塗
設したものが極めてすぐれた性能を有しており、例えば
特公昭54−26923号や特公昭55−22781号
公報に記載されているものを挙げることが出来る。
【0003】これら湿し水不要感光性平版印刷版に用い
られるシリコーンゴム層は通常ポリシロキサンを主たる
骨格とする高分子重合体を、架橋剤を用いて部分的に架
橋したものが用いられている。そのシリコーンゴム層の
硬化方法としては、通常下記の2つの方法が用いられて
いる。 (1)縮合型:両末端水酸基のオルガノポリシロキサン
を、ケイ素原子に直接結合した加水分解性官能基を有す
るシランもしくはシロキサンにより架橋してシリコーン
ゴムとする方法。 (2)付加型:≡Si−H基を有するポリシロキサンと−
CH=CH−基を有するポリシロキサンを付加反応させ
ることによりシリコーンゴムとする方法(特開昭61−
73156号公報、特願平1−301568号明細書等
に記載されている)。
【0004】感光性樹脂層としては、ポジ型平版印刷版
の場合、露光によって硬化する光重合型感光性組成物が
用いられてきた。この層構成を有する感光性平版印刷版
の画像形成法としては、一般的には露光によって感光性
樹脂層を硬化させ、場合によってはその最上層のシリコ
ーンゴム層との界面で光接着させ、両層間を強固に結合
させ、現像液による浸透及びそれに伴う感光性樹脂層の
溶出を防止して、シリコーンゴム層よりなる非画像部を
形成させる。一方、画像部はシリコーンゴム層を通して
現像液を浸透させ、未硬化状態の感光性樹脂層の一部あ
るいは全部を溶解せしめた後に、物理的な力でその上の
シリコーンゴム層を除去して形成される。この様にして
画像形成される訳であるが、この際シリコーンゴム層の
硬化が不十分ならば、印刷時にシリコーンゴム層が摩耗
するか、密着力が低下して十分な耐刷力が得られない。
又、シリコーンゴム層の硬化が進みすぎたり、感光層と
の密着力が強くなりすぎた場合は良好な画像再現性は得
られない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、シリ
コーンゴム層の硬化度及びシリコーンゴム層と感光層と
の密着力が適切に制御された、画像形成性及び耐刷性に
優れた湿し水不要感光性平版印刷版を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、基板上に感
光性樹脂層、シリコーンゴム層の順に積層してなる湿し
水不要感光性平版印刷版の感光性樹脂層に、特定の光重
合性モノマーを含有させることにより、画像形成性及び
耐刷性に優れた湿し水不要感光性平版印刷版が得られる
ことを見い出し、この知見に基づいて本発明を完成する
に至った。
【0007】すなわち、本発明は、基板と、該基板の上
に設けられた感光性樹脂層と、該感光性樹脂層の上に設
けられたシリコーンゴム層とからなる湿し水不要感光性
平版印刷版において、該感光性樹脂層が以下の成分を含
むことを特徴とする湿し水不要感光性平版印刷版であ
る。 (1)少くとも1種の下記一般式(I)のモノマー、 CH2 =C(R1)-CO-O-(CH2CH(R2)-O-) n -R3 (I) 〔式中、R1 及びR2 は水素原子又はメチル基であり、
各々は同じであっても異なっていてもよい。R3 は水素
原子、メチル基、エチル基、置換又は未置換のフェニル
基、−CO−C(R1) =CH2 又は-p-C6H4-C(CH3)2-p-C6H4-O
-(CH2CH(R2)-O) m -CO-C(R1)=CH2 である。nは6〜46
の整数であり、(n+m)は6〜46の整数である。但し
3 がエチレン性不飽和基を含有しない場合、nは6〜
23の整数である。〕、 (2)光重合開始剤、及び (3)フィルム形成能を有する高分子化合物。
【0008】以下、本発明について詳述する。本発明の
湿し水不要平版印刷版は通常の印刷機にセット出来る程
度のたわみ性と印刷時にかかる荷重とに耐えるものでな
ければならない。従って、代表的な基板としては、コー
ト紙、アルミニウムのような金属板、ポリエチレンテレ
フタレートのようなプラスチックフィルム、ゴムあるい
はそれ等を複合させたものを挙げることが出来る。これ
らの基板の表面にはハレーション防止及びその他の目的
で更にプライマー層などをコーティングすることも可能
である。
【0009】プライマー層としては、基板と感光性樹脂
層間の接着性向上、ハレーション防止、画像の染色や印
刷特性向上のために種々のものが利用される。例えば、
特開昭60−22903号公報に開示されているような
種々の感光性ポリマーを感光性樹脂層を積層する前に露
光して硬化せしめたもの、特開昭62−50760号公
報に開示されているエポキシ樹脂を熱硬化せしめたも
の、特開昭63−133151号公報に開示されている
ゼラチンを硬膜せしめたもの、更に特願平1−2822
70号や特願平2−21072号明細書に開示されてい
るウレタン樹脂を用いたもの等を挙げることができる。
この他、カゼインを硬膜させたものも有効である。更
に、プライマー層を柔軟化させる目的で、前記のプライ
マー層中に、ガラス転移温度が室温以下であるポリウレ
タン、ポリアミド、スチレン/ブタジエンゴム、カルボ
キシ変性スチレン/ブタジエンゴム、アクリロニトリル
/ブタジエンゴム、カルボン酸変性アクリロニトリル/
ブタジエンゴム、ポリイソプレン、アクリレートゴム、
ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピ
レン等のポリマーを添加してもよい。その添加割合は任
意であり、フィルム層を形成出来る範囲内であれば、添
加剤だけでプライマー層を形成してもよい。また、これ
らのプライマー層には前記の目的に沿って、染料、pH指
示薬、焼き出し剤、光重合開始剤、接着助剤(例えば、
重合性モノマー、ジアゾ樹脂、シランカップリング剤、
チタネートカップリング剤やアルミニウムカップリング
剤)、白色顔料やシリカ粉末等の添加剤を含有させるこ
とも出来る。一般に、プライマー層の塗布量は乾燥重量
で0.1〜20g/m2 の範囲が適当であり、好ましくは
1〜10g/m2 である。
【0010】本発明に用いる感光性樹脂層は、(1)少
なくとも1種の下記一般式(I)のモノマー、 CH2 =C(R1)-CO-O-(CH2CH(R2)-O-) n -R3 (I) 〔式中、R1 及びR2 は水素原子又はメチル基であり、
各々は同じであっても異なっていてもよい。R3 は水素
原子、メチル基、エチル基、置換又は未置換のフェニル
基、−CO-C(R1)=CH2又は-p-C6H4-C(CH3)2-p-C6H4-O-(CH
2CH(R2)-O)m -CO-C(R1)=CH2 である。nは6〜46の整
数であり、(n+m)は6〜46の整数である。但しR3
がエチレン性不飽和基を含有しない場合、nは6〜23
の整数である。〕、(2)光重合開始剤、及び(3)フ
ィルム形成能を有する高分子化合物を含む。更に、必要
に応じて、(4)一般式(I)で示されるモノマー以外
のエチレン性不飽和基含有モノマー又はオリゴマーを添
加してもよい。成分(I):一般式(I)のモノマー 一般式(I)のモノマーの具体例としては、
【0011】
【化1】
【0012】
【化2】
【0013】等を挙げることができるがこれに限定され
るわけではない。画像再現性に対しては、単官能より2
官能モノマーの方が好ましい。n又は(n+m)が5以
下になると、親水性が低下するため、シリコーンゴム層
塗布溶剤に溶解しやすくなり、シリコーン層の硬化性を
低下させる。一方、n又は(n+m)が47以上になる
と、同じ重量比で添加した場合、不飽和基数が減少する
ため、感材としての感度が低下する。n又は(n+m)
は8〜40が好ましい。
【0014】一般式(I)のモノマーはある程度の分子
量分布を有するものであり、従って、上記のn又は(n
+m)は平均値を意味する。これらモノマーは単独で用
いても組み合わせて用いてもよい。これらモノマーの合
成は "UV & EB Curing Formulation for PrintingInks,
Coatings & Paints ", p19−44,Selective Industrial
Training Associates LTD, (1984)又は“紫外線硬化シ
ステム”加藤清視著p172〜173に記載されている
ような方法で行なう。
【0015】一般式(I)のモノマーの全感光性組成物
中の含有量は1〜80重量%であり、好ましくは20〜
70重量%である。成分(2):光重合開始剤 本発明で用いられる光重合開始剤としては、米国特許第
2,367,660号明細書に開示されているビシナールポ
リケタルドニル化合物、米国特許第2,367,661号及
び第2,367,670号明細書に開示されているα−カル
ボニル化合物、米国特許第2,448,828号明細書に開
示されているアシロインエーテル、米国特許第2,722,
512号明細書に開示されているα位が炭化水素で置換
された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3,046,1
27号及び第2,951,758号明細書に開示されている
多核キノン化合物、米国特許第3,549,367号明細書
に開示されているトリアリールイミダゾールダイマー/
p−アミノフェニルケトンの組合せ、米国特許第3,87
0,524号明細書に開示されているベンゾチアゾール系
化合物、米国特許第4,239,850号明細書に開示され
ているベンゾチアゾール系化合物/トリハロメチル−s
−トリアジン系化合物及び米国特許第3,751,259号
明細書に開示されているアクリジン及びフェナジン化合
物、米国特許第4,212,970号明細書に開示されてい
るオキサジアゾール化合物、米国特許第3,954,475
号、特開昭53−133428号、米国特許第4,189,
323号、特開昭60−105667号、特開昭62−
58241号、特願昭61−227489号公報に開示
されている発色団基を有するトリハロメチル−s−トリ
アジン系化合物、特開昭59−197401号、特開昭
60−76503号公報に開示されているベンゾフェノ
ン基含有ペルオキシエステル化合物等を挙げることがで
きる。これらは単独で用いてもよく、組み合わせて用い
てもよい。
【0016】これらの光重合開始剤の添加量は全感光性
組成物に対して0.1〜30重量%、より好ましくは5〜
20重量%である。成分(3):フィルム形成能を有する高分子化合物 本発明に好ましくは用いられるフィルム形成能のある高
分子化合物としてはメタクリル酸共重合体、アクリル酸
共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、
部分エステル化マレイン酸共重合体、酸性セルロース誘
導体、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイ
ド、アルコール可溶性ナイロン、ポリエステル、不飽和
ポリエステル、ポリウレタン、ポリスチレン、エポキシ
樹脂、フェノキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビ
ニルホルマール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコー
ル、部分アセタール化ポリビニルアルコール、水溶性ナ
イロン、水溶性ウレタン、ゼラチン、水溶性セルロース
誘導体等を挙げることが出来る。
【0017】更に、フィルム形成能を有する高分子化合
物として、側鎖に光重合可能な又は光架橋可能なオレフ
ィン性不飽和二重結合基を有する高分子化合物を使用す
ることができる。このような高分子化合物としては、特
開昭59−53836号公報に記載されているようなア
リル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/必要
に応じてその他の付加重合性ビニルモノマー共重合体、
及びそのアルカリ金属塩又はアミン塩;特公昭59−45
979号公報に記載されているヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/アルキル(メ
タ)アクリレート共重合体及びそのアルカリ金属塩又は
アミン塩に(メタ)アクリル酸クロライドを反応させた
もの;特開昭59−71048号公報に記載されている
ような無水マレイン酸共重合体にペンタエリスリトール
トリアクリレートを半エステル化で付加させたもの及び
そのアルカリ金属塩又はアミン塩;スチレン/無水マレ
イン酸共重合体にモノヒドロキシアルキル(メタ)アク
リレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリ
レートやポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリ
レートを半エステル化で付加させたもの及びそのアルカ
リ金属塩やアミン塩;(メタ)アクリル酸共重合体やク
ロトン酸共重合体のカルボン酸の一部にグリシジル(メ
タ)アクリレートを反応させたもの及びそのアルカリ金
属塩やアミン塩;ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ
ート共重合体、ポリビニルホルマール、ポリビニルブチ
ラールに無水マレイン酸や無水イタコン酸を反応させた
もの及びそのアルカリ金属塩やアミン塩;ヒドロキシア
ルキル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重
合体に2,4−トリレンジイソシアネート/ヒドロキシ
アルキル(メタ)アクリレート=1/1付加物を反応さ
せたもの及びそのアルカリ金属塩やアミン塩;特開昭5
9−53836号公報に記載されている(メタ)アクリ
ル酸共重合体の一部をアリルグリシジルエーテルで反応
させたもの及びそのアルカリ金属塩又はアミン塩;(メ
タ)アクリル酸ビニル/(メタ)アクリル酸共重合体及
びそのアルカリ金属塩又はアミン塩;(メタ)アリルア
クリレート/スチレンスルホン酸ナトリウム共重合体;
(メタ)アクリル酸ビニル/スチレンスルホン酸ナトリ
ウム共重合体、(メタ)アリルアクリレート/アクリル
アミド−1,1−ジメチルエチレンスルホン酸ナトリウ
ム共重合体、(メタ)アクリル酸ビニル/アクリルアミ
ド−1,1−ジメチルエチレンスルホン酸ナトリウム共
重合体、2−アリロキシエチルメタアクリレート/メタ
クリル酸共重合体、2−アリロキシエチルメタアクリレ
ート/2−メタクリロキシエチル水素サクシネート共重
合体等を挙げることが出来る。これらは単独で用いても
よく、組み合わせて用いてもよい。
【0018】高分子化合物は、全感光性組成物に対して
10〜95重量%、好ましくは20〜80重量%で含む
ことができる。成分(4):一般式(I)で示されるモ
ノマー以外のエチレン性不飽和基含有モノマー又はオリ
ゴマー本発明に必要に応じて用いられる一般式(I)で
示されるモノマー以外のエチレン性不飽和基含有モノマ
ー又はオリゴマーとしては、1個以上の光重合可能な
(メタ)アクリレート基又はアリル基を有するモノマー
又はオリゴマーなどが挙げられる。これらの具体例とし
ては、(A)アルコール類(例えばエタノール、プロパ
ノール、ヘキサノール、オクタノール、シクロヘキサノ
ール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエ
リスリトールなど)のアクリル酸またはメタクリル酸エ
ステル、(B)アミン類(例えばメチルアミン、エチル
アミン、ブチルアミン、ベンジルアミン、エチレンジア
ミン、ヘキシレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヘ
キサメチレンジアミン、キシリレンジアミン、ジメチル
アミン、ジエチルアミン、エタノールアミン、ジエタノ
ールアミン、アニリンなど)とアクリル酸グリシジル、
アリルグリシジルまたはメタクリル酸グリシジルとの反
応生成物、(C)カルボン酸(例えば酢酸、プロピオン
酸、安息香酸、アクリル酸、メタクリル酸、コハク酸、
マレイン酸、フタル酸、酒石酸、クエン酸など)とアク
リル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アリルグ
リシジル、又はテトラグリシジルメタキシリレンジアミ
ンとの反応生成物、(D)アミド誘導体(例えばアクリ
ルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリル
アミド、メチレンビスアクリルアミドなど)、(E)エ
ポキシ化合物とアクリル酸またはメタクリル酸との反応
物、などを挙げることができる。
【0019】更に具体的には、特公昭48−41708
号、特公昭50−6034号、特開昭51−37193号
各公報に記載されているようなウレタンアクリレート
類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191
号、特公昭52−30490号各公報に記載されている
ポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)
アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多
官能のアクリレートやメタクリレート、米国特許第45
40649号明細書に記載のN−メチロールアクリルア
ミド誘導体を挙げることができる。更に、日本接着協会
誌Vol.20、No.7、300〜308ページに光硬化性モ
ノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用
することができる。
【0020】又、多官能モノマーにおいて、不飽和基は
アクリル、メタクリル、アリル基が混合して存在しても
よい。これらは単独で用いてもよく、組み合わせて用い
てもよい。成分(1)と成分(4)のモノマー及びオリ
ゴマーは、全感光性組成物に対して1〜80重量%、好
ましくは20〜70重量%で含むことができる。成分
(1)と成分(4)の重量比は1:10〜10:1が適
当である。その他の成分 以上の他に更に熱重合防止剤を加えておくことが好まし
く、例えばハイドロキノン、p−メトキシフェノール、
ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−
ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス
(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′
−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノー
ル)、2−メルカプトベンゾイミダゾール、フェノール
樹脂等が有用であり、場合によっては感光性樹脂層の着
色を目的として染料もしくは顔料や焼き出し剤としてpH
指示薬やロイコ染料を添加することもできる。目的によ
っては更に感光性樹脂層中に少量のポリジメチルシロキ
サン、メチルスチレン変性ポリジメチルシロキサン、オ
レフィン変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変
性ポリジメチルシロキサン、シランカップリング剤、シ
リコーンジアクリレート、シリコーンジメタクリレート
等のシリコーン化合物を添加してもよい。塗布適性を向
上させるためにシリコーン系界面活性剤、フッ素系界面
活性剤やフッ素系表面配向剤を添加してもよい。更に感
光性樹脂層とプライマー層との間の接着性を改善させる
ためにジアゾ樹脂を添加してもよい。これらの添加剤の
添加量は通常全感光性組成物に対して10重量%以下で
ある。場合によってはシリコーンゴム層との接着性を強
化するために、シリカ粉末や表面を(メタ)アクリロイ
ル基やアリル基含有シランカップリング剤で処理した疎
水性シリカ粉末を全感光性組成物に対して50重量%以
下の量で添加してもよい。
【0021】上述の如き感光性組成物は、例えば2−メ
トキシエタノール、2−メトキシエチルアセテート、プ
ロピレングリコールメチルエチルアセテート、乳酸メチ
ル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエー
テル、メタノール、エタノール、メチルエチルケトン、
水などの適当な溶剤の単独又はこれらの混合溶媒に溶解
して、基板上に設けられ、その被覆量は乾燥後の重量で
約0.1〜20g/m2 の範囲が適当であり、好ましくは
0.5〜10g/m2 のである。
【0022】本発明において用いられる架橋を行ったシ
リコーンゴム層は、部分的にあるいは全面的に架橋した
ポリジオルガノシロキサンであり、次のような繰返し単
位を有する。 −Si(R)2−O− ここで、Rはアルキル基、アリール基、アルケニル基又
はこれらの組み合わされた一価の基を表わし、これらの
基はハロゲン原子、アミノ基、ヒドロキシ基、アルコキ
シ基、アリーロキシ基、(メタ)アクリロキシ基、チオ
ール基などの官能基を有していてもよい。なお、シリコ
ーンゴム層には、必要に応じてシリカ、炭酸カルシウ
ム、酸化チタンなどの無機物の微粉末、前記のシランカ
ップリング剤、チタネート系カップリング剤やアルミニ
ウム系カップリング剤などの接着助剤や光重合開始剤を
添加してもよい。
【0023】上記ポリシロキサンを主たる骨格とする高
分子重合体(シリコーンゴム)の原料としては分子量数
千ないし数十万で末端に官能基を有するポリシロキサン
が使用され、これを次に示すような方法で架橋硬化して
シリコーンゴム層が形成される。即ち、具体的には両末
端にあるいは片末端に水酸基を有する上記ポリシロキサ
ンに、次のような一般式で示されるシラン系架橋剤を混
入し、必要に応じて有機金属化合物、例えば、有機スズ
化合物、無機酸、アミン等の触媒を添加して、ポリシロ
キサンとシラン系架橋剤とを加熱し、又は常温で縮合硬
化することにより形成される。
【0024】RnSiX4-n ここで、nは1〜3の整数、Rは先に示したRと同様の
置換基であり、Xは−OH、−OR2 、−OAc 、−O−N=
CR2R3 、−Cl、−Br、−Iなどの置換基を表わす。ここ
で、R2 、R3 は、先に説明したRと同じ意味であり、
2 、R3 はそれぞれ同一でも異なっていてもよい。ま
た、Acはアセチル基を表わす。
【0025】また、末端に水酸基を有するオルガノポリ
シロキサンと、ハイドロジェンポリシロキサン架橋剤と
必要に応じて上記のシラン系架橋剤とを縮合硬化させる
ことによってシリコーンゴム層を形成してもよい。ま
た、≡SiH 基と−CH=CH−基との付加反応によって架橋
させた付加型シリコーンゴム層も有用である。付加型シ
リコーンゴム層は硬化時比較的湿度の影響を受けにく
く、その上高速で架橋させることが出来、一定の物性を
容易に得ることが出来るという利点がある。
【0026】ここで用いる付加型シリコーンゴム層は、
多価ハイドロジェンオルガノポリシロキサンと、1分子
中に2個以上の−CH=CH−結合を有するポリシロキサン
化合物との反応によって得られるもので、望ましくは、
以下の成分: (1)1分子中にケイ素原子に直接結合したアルケニル基(望ましくはビニル基 )を少なくとも2個有するオルガノポリシロキサン 100重量部 (2)1分子中に少なくとも≡SiH結合を2個有するオルガノハイドロジェンポ リシロキサン 0.1〜1000重量部 (3)付加触媒 0.00001〜10重量部 からなる組成物を硬化架橋したものである。成分(1)
のアルケニル基は分子鎖末端、中間のいずれにあっても
よく、アルケニル基以外の有機基としては、置換もしく
は非置換のアルキル基、アリール基である。成分(1)
には水酸基を微量含有させてもよい。成分(2)は成分
(1)と反応してシリコーンゴム層を形成するが、光重
合性感光層に対する接着性の付与の役割を果たす。成分
(2)の水素基は分子鎖末端、中間のいずれにあっても
よく、水素以外の有機基としては成分(1)と同様のも
のから選ばれる。成分(1)と成分(2)の有機基はイ
ンキ反発性の向上の点で総じて基数の60%以上がメチ
ル基であることが好ましい。成分(1)及び成分(2)
の分子構造は直鎖状、環状、分枝状いずれでもよく、ど
ちらか少なくとも一方の分子量が1,000を超えること
がゴム物性の面で好ましく、更に成分(1)の分子量が
1,000を超えることが好ましい。
【0027】成分(1)としては、α,ω−ジビニルポ
リジメチルシロキサン、両末端メチル基の(メチルビニ
ルシロキサン)(ジメチルシロキサン)共重合体などが
例示され、成分(2)としては、両末端水素基のポリジ
メチルシロキサン、α,ω−ジメチルポリメチルハイド
ロジェンシロキサン、両末端メチル基の(メチルハイド
ロジェンシロキサン)(ジメチルシロキサン)共重合
体、環状ポリメチルハイドロジェンシロキサンなどが例
示される。
【0028】成分(3)の付加触媒は、公知のもののな
かから任意に選ばれるが、特に白金系の化合物が望まし
く、白金単体、塩化白金、塩化白金酸、オレフィン配位
白金などが例示される。これらの組成物の硬化速度を制
御する目的で、テトラシクロ(メチルビニル)シロキサ
ンなどのビニル基含有のオルガノポリシロキサン、炭素
−炭素三重結合含有のアルコール、アセトン、メチルエ
チルケトン、メタノール、エタノール、プロピレングリ
コールモノメチルエーテルなどの架橋抑制剤を添加する
ことも可能である。
【0029】これらの組成物は、3成分を混合した時点
において付加反応が起き、硬化が始まるが、硬化速度は
反応温度が高くなるに従い急激に大きくなる特徴を有す
る。故に、組成物のゴム化までのポットライフを長く
し、かつ層上での硬化時間を短くする目的で、組成物の
硬化条件は、基板、光重合性感光層の特性が変らない範
囲の温度条件で、かつ完全に硬化するまで高温に保持し
ておくことが、光重合性感光層との接着力の安定性の面
で好ましい。
【0030】これらの組成物の他に、アルケニルトリア
ルコキシシラン、
【0031】
【化3】
【0032】
【化4】
【0033】などの公知の接着性付与剤を添加すること
や、縮合型シリコーンゴム層の成分である水酸基含有オ
ルガノポリシロキサン、末端がトリメチルシリル基であ
るジメチルポリシロキサンよりなるシリコーンオイル、
末端がトリメチルシリル基であるジメチルポリシロキサ
ン、フェニルメチルポリシロキサン共重合体よりなるシ
リコーンオイル、加水分解性官能基含有シラン(もしく
はシロキサン)を添加してもよい。また、ゴム強度を向
上させるために、シリカなどの公知の充てん剤を添加し
てもよい。
【0034】本発明におけるシリコーンゴム層は印刷イ
ンキ反発層となるものであり、厚さが小さいとインキ反
発性の低下、傷が入りやすいなどの問題があり、厚さが
大きい場合、現像性が悪くなるという点から、厚みとし
ては0.5〜5g/m2 が好適であり、好ましくは1〜3
g/m2 である。ここに説明した湿し水不要感光性平版
印刷版において、シリコーンゴム層の上に更に種々のシ
リコーンゴム層を塗工してもよい。また、光重合性感光
層とシリコーンゴム層との間の接着力を上げる目的、も
しくはシリコーンゴム組成物中の触媒の被毒を防止する
目的で、光重合性感光層とシリコーンゴム層との間に接
着層を設けてもい。
【0035】更に、シリコーンゴム層の表面保護のため
に、シリコーンゴム層上に、透明なフィルム、例えばポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩
化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンテ
レフタレート、セロファン等をラミネートしたり、ポリ
マーのコーティングを施してもよい。これらのフィルム
は延伸して用いてもよい。更に、このフィルムには、画
像露光時の焼枠における真空密着性を改良するため、マ
ットを施してもよい。
【0036】本発明による湿し水不要感光性平版印刷版
は透明原画を通して露光した後、画像部(未露光部)の
感光性樹脂層の一部あるいは全部を溶解あるいは膨潤し
うる現像液、あるいはシリコーンゴム層を膨潤しうる現
像液で現像される。この場合、画像部の感光性樹脂層及
びその上のシリコーンゴム層が除去される場合と画像部
のシリコーンゴム層のみが除去される場合があり、これ
は現像液の強さによって制御することができる。
【0037】本発明において用いられる現像液として
は、湿し水不要感光性平版印刷版の現像液として公知の
ものが使用できる。例えば、脂肪族炭化水素類 (ヘキ
サン、ヘプタン、“アイソパーE,H,G”(エッソ化
学(株)製脂肪族炭化水素類の商標名)あるいはガソリ
ン、灯油など)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレ
ンなど)、あるいはハロゲン化炭化水素(トリクレンな
ど)に下記の極性溶媒を添加したものや極性溶媒そのも
のが好適である。 ・アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ベンジルアルコール、エチレングリコールモノフェ
ニルエーテル、2−メトキシエタノール、2−エトキシ
エタノール、カルビトールモノエチルエーテル、カルビ
トールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモ
ノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエ
ーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジ
プロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、トリエチレングリコー
ル、テトラエチレングリコール) ・ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン) ・エステル類(酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、
乳酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル
アセテート、カルビトールアセテート、ジメチルフタレ
ート、ジエチルフタレート) ・その他(トリエチルフォスフェート、トリクレシジル
フォスフェート) また、上記有機溶剤系現像液に水を添加したり、上記有
機溶剤を界面活性剤等を用いて水に可溶化したものや、
更にその上にアルカリ剤、例えば炭酸ナトリウム、モノ
エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミン、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、ホウ酸ナトリウム等を添
加したものや、場合によっては単に水道水やアルカリ水
を現像液として使用することが出来る。
【0038】また、クリスタルバイオレット、ビクトリ
アピュアブルー、アストラゾンレッドなどの染料を現像
液に加えて現像と同時に画像部の染色化を行なうことが
出来る。現像は、例えば上記のような現像液を含む現像
用パッドで版面をこすったり、現像液を版面に注いだ後
に水中にて現像ブラシでこするなど、公知の方法で行な
うことが出来る。これにより画像部のシリコーンゴム層
と感光層が除かれ、基板又はプライマー層の表面が露出
し、その部分がインク受容部となるか、あるいは画像部
のシリコーンゴム層のみが除かれ感光層が露出しその部
分がインク受容部となる。
【0039】
【発明の効果】本発明による湿し水不要感光性平版印刷
版によれば、基板上に感光性樹脂層、シリコーンゴム層
をこの順に積層してなる層構成を有し、その感光性樹脂
層として1分子中に6〜46個のエチレンオキサイド又
はプロピレンオキサイド基を有するモノマー、光重合開
始剤及びフィルム形成能を有する高分子化合物を用いて
いるため、シリコーンゴム層の硬化度、及びシリコーン
ゴム層と感光層との密着力についての制御性が改善さ
れ、優れた画像形成性及び耐刷性が得られる。
【0040】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。 実施例1〜19、比較例1〜9 通常の方法で脱脂した0.3mm厚のJIS A 1050材アル
ミ板をアミンシランカップリング剤であるKBM603
(信越化学(株)製)1%水溶液に浸漬させた後、室温
で乾燥させた。このアルミ板上に乾燥重量で5g/m2
となるように、下記のプライマー液を塗布し、140
℃、2分間加熱し乾燥硬膜させた。 oサンプレンIB1700D(末端水酸基含有熱可塑性ポリウレタン樹脂、 10重量部 メチルエチルケトン30%溶液、三洋化成(株)製) oタケネートD110N(多官能イソシアネート化合物、酢酸エチル75% 0.5重量部 溶液、武田薬品工業(株)製) oTiO2 0.1重量部 oMCF323(フッ素系ノニオン界面活性剤、メチルイソブチルケトン 0.03重量部 30%溶液、大日本インキ化学工業(株)製) oプロピレングリコールメチルエーテルアセテート 50重量部 o乳酸メチル 20重量部 上記プライマー層を塗設したアルミ板上に、下記組成の
光重合性感光液を、乾燥重量で3g/m2 となるように
塗布し、100℃、1分間乾燥させた。 oクリスボン3006LV(熱可塑性ポリウレタン、大日本インキ化学 1.5重量部 工業(株)製) oキシリレンジアミン1モル/グリシジルメタアクリレート4モル 0.6重量部 付加物 o表1に示すモノマー 0.9重量部 oエチルミヒラーズケトン 0.15重量部 o2,4−ジエチルチオキサントン 0.15重量部 oビクトリアピュアブルーBOH のナフタレンスルホン酸塩 0.01重量部 o MCF323(フッ素系ノニオン界面活性剤、メチルイソブチルケトン 0.03重量部 30%溶液、大日本インキ化学工業(株)製) oメチルエチルケトン 10重量部 oプロピレングリコールメチルエーテル 20重量部 次に、上記光重合性感光層上に、下記のシリコーンゴム
層用の組成液を乾燥重量で2.0g/m2 になるよう塗布
し、140℃、2分間乾燥させシリコーンゴム硬化層を
得た。 oα,ω−ジビニルポリジメチルシロキサン(重合度約700) 9重量部 o(CH3)3-Si-O-(Si(CH3)2-O)30-(SiH(CH3)-O)10-Si(CH3)3 1.2重量部 oポリジメチルシロキサン(重合度約8,000) 0.5重量部 oオレフィン−塩化白金酸 0.2重量部 o抑制剤 0.3重量部 oアイソパーG(エッソ化学(株)製) 140重量部 上記のようにして得られたシリコーンゴム層の表面に厚
さ12μmの片面マット化二軸延伸ポリプロピレンフィ
ルム(酸素透過率:4000cc/m2 /24hr/atm 、
20℃)をマット化されていない面がシリコーンゴム層
と接するようにラミネートし、湿し水不要感光性平版印
刷版を得た。
【0041】この印刷版に200線/インチの網点画像
を有するポジフィルムと光学濃度差0.15であるグレー
スケール(G/S)を重ね、ヌアーク社製 FT261V UDNS
ULTRA-PLUS FLIPTOP PLATE MAKER真空露光機を用い
て、30カウント露光した後、ラミネートフィルムを剥
離し、トリプロピレングリコールの40℃の液にプレー
トを1分間浸漬した後、水中で現像パッドによりこすっ
て、未露光部のシリコーンゴム層を除去し、湿し水不要
平版印刷版を得た。その際のグレースケール感度を評価
した。次いで、これらの版を用いて、湿し水供給装置を
はずしたハイデルベルグGTO印刷機にて東洋インキ
(株)製TOYO KING ULTRATUK アクワレスG墨インキで
印刷し、非画像部のシリコーンゴム層が破壊され、印刷
物が汚れてくるまでの印刷枚数(耐刷力)を評価した。
更に、グレースケール感度9段ベタ時の網点再現性(再
現可能な、ハイライトの網点面積乃至シャドーの網点面
積で表示)(単位:%)を評価した。結果を表2に示
す。
【0042】実施例4のモノマーは、ポリエチレングリ
コール(平均分子量1540、和光純薬工業(株)製)
と、エチルアクリレートを触媒(テトライソプロピルチ
タネート)存在下で反応させ合成し用いた。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】 表1より本発明のモノマーを用いることによって耐刷
力に優れ、かつ網点再現性に優れた湿し水不要平版印刷
版を得ることができることが判る。 実施例20 厚さ0.3mmの脱脂及びシリケート処理した JISA105
0材アルミニウム基板をP−ジアゾジフェニルアミン/
パラホルムアルデヒド縮合物のPF6 塩のメチルセロソ
ルブ1%溶液に浸漬させた後、液から引き出し空気中で
放置して乾燥させた。このアルミニウム基板上に乾燥重
量で4g/m2 となるように、下記組成の光重合性感光
液を塗布し、100℃、1分間乾燥させた。 oクリスボン3006LV(熱可塑性ポリウレタン、大日本インキ 1.5 重量部 化学工業(株)製) oキシリレンジアミン1モル/グリシジルメタクリレート4モ 0.7 重量部 ル付加物 oモノマー 0.7 重量部 [ CH2 =CHCO-O-(CH2CH2O)14-CO-CH=CH2 ] oエチルミヒラーズケトン 0.2 重量部 o2,4−ジイソプロピルチオキサントン 0.1 重量部 oMCF323(フッ素系ノニオン界面活性剤、メチルイソブチル 0.03重量部 ケトン30%溶液、大日本インキ化学工業(株)製) oメチルエチルケトン 10重量部 oプロピレングリコールメチルエーテル 20重量部 次に、上記感光層上に実施例1の付加型シリコーンを塗
布し、乾燥させた。その上に実施例1と同様に12μm
の片面マット化二軸延伸ポリプロピレンフィルムをラミ
ネートした後、ポジフィルムを重ね実施例1の真空露光
機を用いて真空状態で30カウント露光した後、カバー
フィルムを剥がして、実施例1と同一の現像液で現像
し、湿し水不要平版印刷版を得た。実施例1と同様に評
価すると、耐刷力:10万枚、G/S感度:9段、網点
再現性:2/97%が得られた。 実施例21 実施例20に示したアルミニウム基板上に乾燥重量で3
g/m2 となるように下記のプライマー液を塗布し、1
40℃で2分間加熱した。 oクリスボン3006LV(熱可塑性ポリウレタン、大日本イン 15重量部 キ化学工業(株)製) oP−ジアゾジフェニルアミン/パラホルムアルデヒド縮合 0.1重量部 物のPF6 塩 oTiO2 0.5重量部 oMCF323(フッ素系ノニオン界面活性剤、メチルイソブチル 0.3重量部 ケトン30%溶液、大日本インキ化学工業(株)製) oプロピレングリコールメチルエーテル 100重量部 oメチルエチルケトン 50重量部 o乳酸メチル 5重量部 o純水 2重量部 この様にして作製したプライマー層を塗設したアルミ基
板を実施例1に示した露光機で10カウント露光した。
次に実施例20と同様に感光層、付加型シリコーン層及
びカバーフィルムを設けて実施例1と同様に評価した。
耐刷力:12万枚、G/S感度:9段、網点再現性:2
/97%と優れた湿し水不要平版印刷版が得られた。 実施例22 実施例2で用いた付加型シリコーンゴムの代りに下記組
成よりなる縮合型シリコーンゴム液を乾燥重量で2.0g
/m2 となるよう実施例2の感光層上に塗布し、120
℃、2分間乾燥させ、カバーフィルムを設けて湿し水不
要感光性平版印刷版を得た。 o両末端に水酸基を有するジメチルポリシロキサン 9重量部 (重合度約700) oメチルトリアセトキシシラン 0.3重量部 oトリメトキシシリルプロピル−3,5−ジアリルイソシ 0.3重量部 アヌレート oジブチル錫ジオクタノエート 0.03重量部 oアイソパーG(エッソ化学(株)製) 160 重量部 この印刷版を実施例2と同様に露光、現像して評価した
ところ耐刷力10万枚、G/S感度(30カウント)9
段、網点再現性(G/S9段ベタ)2/97%であり、
耐刷力及び網点再現性に優れていた。 実施例23 実施例1と同じ方法で作製したプライマー層まで塗設し
たアルミニウム板上に、下記組成の光重合性感光液を乾
燥重量で、5g/m2 となるように塗布し、100℃、
1分間乾燥させた。 oクリスボン3006LV(熱可塑性ポリウレタン、大日本イン 1.5重量部 キ化学工業(株)製) oキシリレンジアミン1モル/グリシジルメタアクリレート 1.5重量部 4モル付加物 o表1、実施例3のモノマー(新中村化学(株)製 A1000) 0.15重量部 oエチルミヒラーズケトン 0.15重量部 o2,4−ジイソプロピルチオキサントン 0.15重量部 oビクトリアピュアブルーBOH のナフタレンスルホン酸塩 0.02重量部 oMCF323(フッ素系ノニオン界面活性剤、メチルイソブチル 0.03重量部 ケトン30%溶液、大日本インキ化学工業(株)製) oメチルエチルケトン 10重量部 oプロピレングリコールメチルエーテル 20重量部 次に上記光重合性感光層上に実施例1と同じシリコーン
ゴム層及びポリプロピレンフィルムを設け、湿し水不要
感光性平版印刷版を得た。実施例1と同様に評価したと
ころ、耐刷力11万枚、G/S感度8段、網点再現性2
/97%であり、耐刷力及び網点再現性に優れていた。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、該基板の上に設けられた感光性
    樹脂層と、該感光性樹脂層の上に設けられたシリコーン
    ゴム層とからなる湿し水不要感光性平版印刷版におい
    て、該感光性樹脂層が以下の成分を含むことを特徴とす
    る湿し水不要感光性平版印刷版。 (1)少くとも1種の下記一般式(I)のモノマー、 CH2 =C(R1)-CO-O-(CH2CH(R2)-O-) n -R3 (I) 〔式中、R1 及びR2 は水素原子又はメチル基であり、
    各々は同じであっても異なっていてもよい。R3 は水素
    原子、メチル基、エチル基、置換又は未置換のフェニル
    基、−CO−C(R1) =CH2 又は-p-C6H4-C(CH3)2-p-C6H4-O
    -(CH2CH(R2)-O) m -CO-C(R1)=CH2 である。nは6〜46
    の整数であり、(n+m)は6〜46の整数である。但
    しR3 がエチレン性不飽和基を含有しない場合、nは6
    〜23の整数である。〕 (2)光重合開始剤、及び (3)フィルム形成能を有する高分子化合物。
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