JPH05140405A - 水性エマルジヨンの安定化方法 - Google Patents

水性エマルジヨンの安定化方法

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JPH05140405A
JPH05140405A JP33240491A JP33240491A JPH05140405A JP H05140405 A JPH05140405 A JP H05140405A JP 33240491 A JP33240491 A JP 33240491A JP 33240491 A JP33240491 A JP 33240491A JP H05140405 A JPH05140405 A JP H05140405A
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aqueous
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藤 義 明 伊
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Abstract

(57)【要約】 【目的】十分な接着力を有しながら、エマルジョンの粘
度を安定化して長期保存を可能にしたアセトアセチル基
含有ポリビニルアルコールを含有した水性エマルジョン
を提供する。 【構成】アセトアセチル化ポリビニルアルコールを含ん
でなるエマルジョンに(A)オキシカルボン酸及び(B)亜
硫酸塩、重亜硫酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩から
選ばれた1種又は2種以上を含有させることを特徴とす
る水性エマルジョンの安定化方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はアセトアセチル化ポリビ
ニルアルコール系樹脂(以下、AA化PVAと略記す
る)を含む水性エマルジョンの安定化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】天然ゴム系、ポリイソプレン系、ポリブ
タジエン系、クロロプレン系、ポリスチレン−ブタジエ
ン系、ポリメチルメタクリレート−ブタジエン系等から
なるエマルジョンラテックス、ポリアクリル酸エステル
系エマルジョン等に代表されるエマルジョンは接着剤、
塗料、繊維、織物加工、紙・皮革の加工、各種材料のバ
インダー、セメント・モルタル用混和剤等の広汎な用途
を有している。かかるエマルジョンは目的、用途に応じ
ては、粘度や構造粘性の適度のものが作業性、機械適
性、仕上がり状態、接着性等に優れた効果を示すことか
ら、エマルジョンが本来有する性能を何ら損なうことな
く容易に上記の要求物性を満足させる手段として、AA
化PVAを乳化剤に用いて単量体を乳化重合したり、あ
るいはエマルジョンに保護コロイドや粘度調整剤として
AA化PVAを後添加する方法が広く用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、一般の
エマルジョンには重合反応時の副生成物としてあるいは
安定剤、防カビ剤等としてアルデヒド化合物、アミン化
合物及び金属塩等が含有されており、かかる薬剤はアセ
トアセチル基(以下AA基と略称する)と架橋反応を起
こし易く、従ってエマルジョンにAA化PVAを上記の
目的で使用した際に短期間でゲル化が起こるかあるいは
粘度が経時的に上昇するため、エマルジョンを長期保存
するには細心の注意が必要であり、実際の使用にあたっ
ては極めて不便である。かかる解決策として、例えば特
公昭60−36218号公報にはAA化PVA含有酢酸
ビニルエマルジョンに亜硫酸塩、重亜硫酸塩、メタ重亜
硫酸塩、チオ硫酸塩から選ばれた1種又は2種以上を含
有させることにより該エマルジョンの粘度を安定化させ
るという記載がある。しかしながら、かかる方法におい
ては経時的粘度上昇は軽減できるものの、該エマルジョ
ンを接着剤又はバインダー等の用途に用いた際に基材と
の耐水接着力が非常に低下するという欠点を生じ、該エ
マルジョンの使用用途が非常に限定されるという新たな
弊害が発生した。
【0004】そこで本発明者等はかかる欠点を解決すべ
く種々検討を重ねた結果、イソシアネート系化合物又は
イソシアネート重合物を含有するポリビニルアルコール
系水性エマルジョンにオキシカルボン酸を含有させるこ
とにより該エマルジョンのポットライフが延長する(特
公昭56−15418号公報)という知見のもとAA化
PVA含有エマルジョンにオキシカルボン酸を添加させ
てみた。ところがかかる方法においてはエマルジョンの
接着性更には粘度安定性いずれにおいても満足できる結
果は全く得られず、目的とするエマルジョンには適応し
難いものであった。
【0005】
【課題を解決するための手段】しかるに本発明者等は十
分な接着力を有したまま、粘度が安定となりゲル化が起
こり難いエマルジョンを得るべく更に鋭意研究を重ねた
結果、AA化PVA含有エマルジョンに(A)オキシカル
ボン酸及び(B)亜硫酸塩、重亜硫酸塩、メタ重亜硫酸
塩、チオ硫酸塩から選ばれた1種又は2種以上を含有さ
せた場合にかかる目的が達成できることを見出し本発明
を完成するに至った。本発明においては上記の如く(A)
及び(B)の両者をAA化PVA含有エマルジョンに配合
させた際、初めて十分な接着力を有したまま、更に該エ
マルジョンの粘度安定性を向上させるという優れた効果
を発揮するものであり、(A)又は(B)を単独で用いても
目的とするエマルジョンを得ることは不可能であり、実
用上非常に不利となる。以下、本発明について詳述す
る。
【0006】本発明におけるAA化PVAの製造方法は
特に限定されるものではなく、任意の方法で製造される
が、好ましくはPVAとジケテンとを反応して得られ
る。例えばPVAを酢酸溶媒中に分散させておき、これ
にジケテンを添加する方法、PVAをジメチルホルムア
ミド、またはジオキサンなどの溶媒にあらかじめ溶解し
ておき、これにジケテンを添加する方法である。またP
VAにジケテンガスまたは液状ジケテンを直接接触させ
てAA化PVAを得る方法も採り得る。AA化PVAを
得る際に用いられるPVAは特に限定されないが、残存
酢酸基0.1〜15モル%、平均重合度300〜260
0、平均ケン化度85〜99モル%の範囲が好ましい。
【0007】AA化PVAのAA化度は0.05〜20
モル%、より好ましくは0.05〜15モル%の範囲が
適当である。AA化度が0.05モル%未満のAA化P
VAではエマルジョンの耐水性寄与が少なく好ましくな
いし、一方AA化度が20モル%を越えたAA化PVA
では、分散系が破壊されて均質な乳濁状態が得られない
か、又は得られたエマルジョンは種々の安定性が劣り、
実用上の製品として好ましくない。
【0008】本発明におけるAA化PVA含有エマルジ
ョンを調製するには特に限定されるものではないが、
AA化PVAを乳化剤あるいは保護コロイドとして単量
体を乳化重合する、合成樹脂の溶液あるいは溶融液を
AA化PVAの存在下で後乳化する、任意の方法で得
られた合成樹脂エマルジョンにAA化PVAを添加して
より安定なエマルジョンを製造する、以上3つのケース
が挙げられる。以下、各ケースについて具体的に説明す
る。
【0009】乳化重合による方法 この方法は通常ビニル系化合物の重合体エマルジョンを
製造する場合に好適に実施される。乳化重合に際して
は、水、AA化PVAおよび重合触媒の存在下にビニル
系化合物を一時又は連続的に添加して、加熱、撹拌する
如き通常の乳化重合体固形分に対して0.1〜30重量
%、好ましくは2〜20重量%程度が適当である。2重
量%以下では充分な効果が得られず、20重量%以上で
は使用量の割りには効果が増大しない。該AA化PVA
はエマルジョン重合の開始時、途中、終了後のいずれの
時点においても添加可能であるが、通常は重合の開始
時、又は途中で添加される。
【0010】本方法で用いられるビニル系化合物として
は、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリル酸エス
テル、メタクリル酸エステル、塩化ビニル、塩化ビニリ
デン、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、スチ
レン、エチレン、プロピレン、グリシジルアクリレー
ト、グリシジルメタクリレート、グリシジルジビニルエ
ーテル、グリシジルビニルエーテル等のグリシジル基含
有化合物、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロ
ールメタクリルアミド等のメチロール基含有化合物及び
それらのアルコキシ基含有誘導体、アクリルアミド、メ
タクリルアミド等のカルボン酸アミド、アクリル酸、メ
タクリル酸等のカルボン酸、ジビニルアジペート、ジビ
ニルサクシネート、トリアリルシアヌレート、ジアリル
フマレート、トリアリルシトレート、ジアリルマレー
ト、ビニルバーサテートなどが挙げられ、これらの単独
重合あるいは共重合である。なかんずく酢酸ビニル単独
あるいは酢酸ビニルを主体とした共重合が好適である。
【0011】乳化重合触媒としては通常の乳化重合に用
いられる触媒を用いる。特にレドックス触媒が好まし
く、具体的に例示すると過酸化水素水、過硫酸アンモニ
ウム、過硫酸カリウム各々の単独あるいはメタ重亜硫酸
ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄、ジメチ
ルアニリン、ホルムアルデヒド亜鉛スルホキシレートあ
るいはホルムアルデヒドナトリウムスルホキシラートと
の組合わせが挙げられる。
【0012】またノニオン界面活性剤、イオン界面活性
剤もAA化PVAと併用しうる。更に他の乳化剤、例え
ばPVA、セルロース誘導体(カルボキシメチルセルロ
ース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース
など)、ポリアクリル酸誘導体、(無水)マレイン酸−
ビニルエーテル共重合体、(無水)マレイン酸−酢酸ビ
ニル共重合体、酢酸ビニル−(メタ)アリルスルホン酸
(塩)共重合体ケン化物なども適宜併用できる。その他
通常の乳化重合で用いられる種々の添加剤、調製剤など
も適宜使用できる。
【0013】後乳化による方法 この方法は、乳化重合によっては製造出来にくい合成樹
脂エマルジョンを調製する場合に好適に実施される。こ
の方法はAA化PVAを水に溶解し、これに溶液状ある
いは溶液状の樹脂を滴下し撹拌するか、溶融状態の樹脂
中にAA化PVAの水溶液を滴下し撹拌すればよい。エ
マルジョン化に当たり加熱等の必要は特にないが、必要
であれば45〜85℃程度に加熱すれば良い。乳化する
物質には特に限定はなくウレタン樹脂、尿素−ホルマリ
ン初期縮合物、フェノール−ホルムアルデヒド初期縮合
物、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、ケテンダイマ
ー、シリコン樹脂、ワックス、ポリプロピレン、ポリエ
チレン等が挙げられる。
【0014】AA化PVAの使用量としては要求される
エマルジョンの樹脂分等によって多少異なるが、通常乳
化対象に対して0.1〜30重量%、好ましくは1〜2
5重量%程度の範囲から選択される。必要とあれば該樹
脂と共にポリオキシエチレン−アルキルエーテル型、ポ
リオキシエチレン−アルキルフェノール型、多価アルコ
ールエステル型等の非イオン性活性剤、又は高級アルキ
ルアミン塩等のカチオン性活性剤を適宜併用することも
できる。又これらの活性剤は乳化対象物の方に混合して
おくことも可能である。
【0015】後添加による方法 この方法は任意の方法で得られたエマルジョンにAA化
PVAを添加して、安定性をより向上させたり、増粘の
目的で実施される。対象となるエマルジョンには天然ゴ
ムラテックス、スチレン/ブタジエン系エマルジョン、
スチレン/アクリル系エマルジョン、シス−1,4ポリ
イソプレンエマルジョン、クロロプレンエマルジョン、
アクリロニトリル/ブタジエンエマルジョン、ビニルピ
リジンエマルジョン、メチルメタクリレート/ブタジエ
ンエマルジョン、ポリウレタンエマルジョン、アクリル
エステル系エマルジョン、酢酸ビニル系エマルジョン、
エチレン/酢酸ビニル系エマルジョン、塩化ビニル系エ
マルジョン、ポリスチレンエマルジョン、ポリエチレン
エマルジョン、シリコーンエマルジョン、ポリブテンエ
マルジョン、チオコールエマルジョンなどが挙げられ
る。
【0016】エマルジョンにAA化PVAを添加する場
合、該PVAを水溶液としてから添加する時にはエマル
ジョンを室温にて、撹拌しながらこれに該水溶液を添加
する。該PVAの粉末を添加する時には、エマルジョン
を撹拌しながら該粉末を添加し、50〜85℃に加温す
れば短時間で均一な混合が終了するので好ましい。又、
前記、で得られたAA化PVA含有エマルジョンを
任意の方法により得られたエマルジョンと混合すること
ももちろん可能である。AA化PVAの使用量はおよそ
エマルジョン固形分に対して1〜40重量%、好ましく
は2〜30重量%の範囲である。
【0017】かくして得られるAA化PVA含有水性エ
マルジョンはそのままあるいは適宜濃度調整を行う。本
発明で使用するエマルジョンの固形分含量はその用途に
よって変動するので一概には規定できないが通常30〜
60重量%の範囲が適当である。
【0018】上記の如く得られたAA化PVA含有エマ
ルジョンに(A)オキシカルボン酸及び(B)亜硫酸塩、重
亜硫酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩から選ばれた1
種又は2種以上である薬剤を配合させる。(A)として
は、脂肪族オキシカルボン酸である乳酸、グリコール
酸、オキシ酪酸、リシノール酸等のオキシモノカルボン
酸、リンゴ酸、酒石酸等のオキシジカルボン酸、クエン
酸等のオキシトリカルボン酸及び没食子酸、サリチル酸
等の芳香族オキシカルボン酸が挙げられる。これらは単
独で用いることも又二種以上混合して用いることも可能
である。(B)としては亜硫酸、重亜硫酸、メタ重亜硫
酸、チオ硫酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウ
ム塩又はアミン塩から選ばれた1種又は2種以上であ
る。
【0019】(A)の配合量はAA化PVA含有水性エマ
ルジョンの固形分100重量部に対して0.01〜5重
量部、好ましくは0.05〜3重量部が適当であり、
(B)の配合量はAA化PVA含有水性エマルジョンの固
形分100重量部に対して0.01〜5重量部、好まし
くは0.02〜2重量部である。(A)及び(B)の重量混
合比は(A)/(B)が1/10〜10/1、好ましくは1
/5〜5/1が適当である。
【0020】(A)及び(B)を配合する方法としては、A
A化PVA含有水性エマルジョンに(A)及び(B)を粉末
あるいは水溶液として添加撹拌し、均一に混合すれば良
いが、好ましくはAA化PVAとエマルジョンを混合す
る前に所定量の(A)及び(B)をAA化PVAとエマルジ
ョンのいずれか一方又は双方に予め配合しておくことが
粘度の安定性向上効果が顕著であり、特に(A)及び(B)
を予めエマルジョン側に添加混合しておくと極めて良好
な水性エマルジョンを得ることができる。かかるAA化
PVA含有水性エマルジョンはpHを3〜9、好ましく
は4〜7.5に調節する必要があり、pHが3未満又は
9を越える場合は長期の放置安定性を得ることができな
い。
【0021】かくして得られた水性エマルジョンは、優
れた接着力を有しており、更に長期にわたって放置して
も増粘、ゲル化の恐れは全くなく極めて放置安定性に優
れており、そのままあるいは必要に応じて更に可塑剤、
高沸点溶剤等の造膜助剤、クレー、炭酸カルシウム、カ
オリン、珪藻土等の体質顔料、酸化チタン等の有色顔
料、防腐剤、防虫剤、防錆剤、消泡剤、小麦粉・木粉等
の増量剤を適宜配合して使用され得る。
【0022】本発明において得られる水性エマルジョン
は接着剤、コーティング剤、あるいは繊維加工剤、塗
料、セメント混和剤、成型用素材等に適しており、特に
本発明による水性エマルジョンは接着力においても優れ
ているので耐水段ボール、合板などはもとより、紙、木
材、プラスチックス、繊維などの接着剤、バインダー等
の用途に有効である。かかる水性エマルジョンを接着剤
として使用する場合には更に種々の架橋剤を併用するこ
とも可能である。
【0023】かかる架橋剤としては、ホルムアルデヒ
ド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチル
アルデヒド、グリオキシル酸等のモノアルデヒド類、グ
リオキザール、マロンジアルデヒド、スクシンジアルデ
ヒド、グルタルジアルデヒド、マレインジアルデヒド、
フタルアルデヒド等のジアルデヒド類、澱粉等の多価ア
ルデヒド類、ヘキサメチレンテトラミン、エチレンジア
ミン、トリメチレンジアミン、フェニレンジアミン等の
ジアミン類、ポリアミドアミン樹脂、ポリエチレンイミ
ン、ジヒドラジド化合物、トリレンジイソシアネート、
トリメチロールプロパン、トリフェニルメタントリイソ
シアネート、キシレンジイソシアネート等のイソシアネ
ート系化合物、アルキル化メチロール尿素、アルキル化
メチロールメラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナ
ミンとホルムアルデヒドとの縮合物、などのアミノ−ホ
ルムアルデヒド樹脂、更にジルコニウム、亜鉛、マグネ
シウム、カルシウム、アルミニウムなどのアルカリ金属
又はアルカリ土類金属の多価金属塩及びその酸化物が挙
げられる。
【0024】
【作 用】本発明においてはAA化PVAを含有してな
る水性エマルジョンに(A)オキシカルボン酸及び(B)亜
硫酸塩、重亜硫酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩から
選ばれた1種又は2種以上を含有させることにより、十
分な接着力を有しながら更に該エマルジョン粘度が安定
となり、経時的粘度上昇が軽減できるため使用用途を限
定することなく、該エマルジョンを長期間保存すること
ができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実例を挙げ更に詳述する。
尚、例中「部」、「%」とあるのは特にことわりのない
限り重量基準である。 実施例1 スチレン−ブタジエン系ラテックス(#DL−612、
樹脂分48%、粘度40cps、旭化成工業(株)社製)
38部にタルク(#SW、日本タルク工業(株)社製)の
70%水分散物30部を混合した。これに酒石酸1.0
部(固形分換算)及び重亜硫酸ナトリウム0.5部(固
形分換算)を含む水溶液を添加して均一に混合した。か
かる混合液にAA化PVA(重合度1500、ケン化度
88モル%、アセトアセチル化度5.7モル%)の20
%水溶液35部を加え、全体を均一に混合して固形分4
3%の水性エマルジョンを得た。得られた水性エマルジ
ョンの放置安定性及び接着剤強度を測定した。結果をま
とめて表2で示す。
【0026】〈放置安定性〉 (イ)混合直後の粘度をB型回転粘度計(東京計器社
製)を用い25℃で測定した。 (ロ)一部を密栓して60±1℃の恒温水槽に7日間浸
漬し、7日後の粘度を(イ)と同様に測定した。 (ハ)一部を密栓して室内にて3ケ月放置した後の粘度
を(イ)と同様に測定した。
【0027】〈接着剤強度〉水性エマルジョン100部
に対しポリイソシアネート(ミリオネートMR、日本ポ
リウレタン(株)社製)を12部添加混合した接着剤を2
5×50×10mmの2片の樺材(日本標準テストパネル
社製)の両方の接着面に塗布量240g/m2(固形分)
になるように塗布し、両面を接触させ、10kgf/cm2
で3時間圧縮した後に解圧し、室温で1週間以上放置し
た。
【0028】(耐温水)前述の養生後、試験片を60±
3℃の温水に3時間浸漬した後、20℃の水中に冷える
まで浸し、ぬれた状態でJISK6806「水性高分子
−イソシアネート系木材接着剤」の圧縮せん断強さに準
拠して測定した。
【0029】(煮沸繰り返し)前述の養生後、試験片を
沸騰水中に4時間浸漬した後、60±3℃で20時間乾
燥し、再び沸騰水中に4時間浸漬した後、20℃の水中
に冷えるまで浸し、ぬれた状態でJISK6806「水
性高分子−イソシアネート系木材接着剤」の圧縮せん断
強さに準拠して測定した。
【0030】比較例1 実施例1において酒石酸及び重亜硫酸ナトリウムを添加
せずに以下同例に準じて実験を行ったところAA化PV
A水溶液を混合した直後からゲル化が始まり、粗粒も多
く全く均質な水性エマルジョンが得られなかった。 比較例2 実施例1において重亜硫酸ナトリウムを混合せずに以下
同例に準じて実験を行った。結果をまとめて表2に示
す。 比較例3 実施例1において酒石酸を混合せずに以下同例に準じて
実験を行った。結果をまとめて表2に示す。
【0031】実施例2〜4 実施例1において表1で示す薬剤を添加し、以下同例に
準じて実験を行った。結果をまとめて表2に示す。
【0032】
【表1】
【0033】実施例5 エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(エチレ
ン:酢酸ビニル=22:78(重量比)樹脂分50%、
粘度4500cps)50部に酒石酸0.5部(固形分換
算)及びメタ重亜硫酸カリウム0.5部(固形分換算)
を含む水溶液10部を加え均一に混合する。次いでかか
る混合液にAA化PVA(重合度1400、ケン化度9
6モル%、アセトアセチル化度6.1モル%)の20%
水溶液40部、及び炭酸カルシウム10部を添加したと
ころ固形分45%の均質な水性エマルジョンが得られ
た。得られた水性エマルジョンの放置安定性及び接着剤
強度を実施例1に準じて測定した。但し、接着剤強度の
測定においてポリイソシアネートに代えて硬化剤として
グリオキザール(有効成分40%、日本合成化学工業
(株)社製)を使用した。結果をまとめて表2に示す。
【0034】実施例6 AA化PVA(重合度1200、ケン化度96モル%、
アセトアセチル化度5.7モル%)5部を乳化剤に用い
て乳化重合した酢酸ビニル樹脂エマルジョン(樹脂分4
5%)100部に対して、酒石酸0.2部(固形分換
算)及び重亜硫酸ナトリウム0.4部(固形分換算)を
含む水溶液を添加し均一に混合したところ固形分44%
の水性エマルジョンを得た。得られた水性エマルジョン
の放置安定性及び接着剤強度を実施例1に準じて測定し
た。結果をまとめて表2に示す。
【0035】比較例4 実施例6において重亜硫酸ナトリウムを混合せずに以下
同例に準じて実験を行った。結果をまとめて表2に示
す。 比較例5 実施例6において重亜硫酸ナトリウムを混合せずに以下
同例に準じて実験を行った。結果をまとめて表2に示
す。
【0036】実施例7 スチレン−アクリル系共重合体エマルジョン(ポリトロ
ンT−810、樹脂分52%、粘度2200cps、旭化
成工業(株)社製)55部にクエン酸0.2部(固形分換
算)及び重亜硫酸ナトリウム0.5部(固形分換算)を
含む水溶液を加え均一に混合した。
【0037】次にAA化PVA(重合度1300、ケン
化度96モル%、アセトアセチル化度4.5モル%)1
0部を乳化剤に用いて乳化重合した酢酸ビニル樹脂エマ
ルジョン(樹脂分45%、粘度15000cps)45部
を撹拌しながら混合し、固形分48%の水性エマルジョ
ンが得られた。得られた水性エマルジョンの放置安定性
及び接着剤強度を実施例1に準じて測定した。但し、接
着剤強度の測定においてポリイソシアネートに代えて硬
化剤としてジフェニルメタンジイソシアネートプレポリ
マー(コロネート3053、日本ポリウレタン(株)社
製)を用いた。結果をまとめて表2に示す。
【0038】
【表2】
【0039】
【発明の効果】本発明においてはAA化PVAを含有し
てなる水性エマルジョンに(A)オキシカルボン酸及び
(B)亜硫酸塩、重亜硫酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸
塩から選ばれた1種又は2種以上を含有させることによ
り、十分な接着力を有しながら、更に該エマルジョンの
粘度が安定となり、経時的粘度上昇が軽減できるため使
用用途が限定されることなく、該エマルジョンを長期間
保存することができるので工業的にみて非常に有利とな
る。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年11月16日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】本方法で用いられるビニル系化合物として
は、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリル酸エス
テル、メタクリル酸エステル、塩化ビニル、塩化ビニリ
デン、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、スチ
レン、エチレン、プロピレン、グリシジルアクリレー
ト、グリシジルメタクリレート、グリシジルジビニルエ
ーテル、グリシジルビニルエーテル等のグリシジル基含
有化合物、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロ
ールメタクリルアミド等のメチロール基含有化合物及び
それらのアルコキシ基含有誘導体、アクリルアミド、メ
タクリルアミド等のカルボン酸アミド、アクリル酸、メ
タクリル酸等のカルボン酸、ジビニルアジペート、ジビ
ニルサクシネート、トリアリルシアヌレート、ジアリル
フマレート、トリアリルシトレート、ジアリルマレー
ト、ビニルバーサテート、またアセトアセチル基を含有
する単量体、例えばアセトアセチル基を有するアリル、
ビニル、(メタ)アクリレート化合物などが挙げられ、
これらの単独重合あるいは共重合である。なかんずく酢
酸ビニル単独あるいは酢酸ビニルを主体とした共重合が
好適である。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】乳化重合触媒としては通常の乳化重合に用
いられる触媒を用いる。具体的に例示すると過酸化水素
水、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム各々の単独あ
るいはメタ重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、
ジメチルアニリン、酒石酸、アスコルビン酸との組合わ
せが挙げられる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】後乳化による方法 この方法は、乳化重合によっては製造出来にくい合成樹
脂エマルジョンを調製する場合に好適に実施される。こ
の方法はAA化PVAを水に溶解し、これに溶液状の
脂を滴下し撹拌するか、溶融状態の樹脂中にAA化PV
Aの水溶液を滴下し撹拌すればよい。エマルジョン化に
当たり加熱等の必要は特にないが、必要であれば45〜
85℃程度に加熱すれば良い。乳化する物質には特に限
定はなくウレタン樹脂、尿素−ホルマリン初期縮合物、
フェノール−ホルムアルデヒド初期縮合物、アルキッド
樹脂、ポリエステル樹脂、ケテンダイマー、シリコン樹
脂、ワックス、ポリプロピレン、ポリエチレン等が挙げ
られる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】AA化PVAの使用量としては要求される
エマルジョンの樹脂分等によって多少異なるが、通常乳
化対象物に対して0.1〜30重量%、好ましくは1〜
25重量%程度の範囲から選択される。必要とあれば該
樹脂と共にポリオキシエチレン−アルキルエーテル型、
ポリオキシエチレン−アルキルフェノール型、多価アル
コールエステル型等の非イオン性活性剤、又は高級アル
キルアミン塩等のカチオン性活性剤を適宜併用すること
もできる。又これらの活性剤は乳化対象物の方に混合し
ておくことも可能である。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正内容】
【0027】〈接着剤強度〉水性エマルジョン100部
に対しポリイソシアネート(ミリオネートMR、日本ポ
リウレタン(株)社製)を15部添加混合した接着剤を2
5×50×10mmの2片の樺材(日本標準テストパネル
社製)の両方の接着面に塗布量240g/m2(固形分)
になるように塗布し、両面を接触させ、10kgf/cm2
で3時間圧縮した後に解圧し、室温で1週間以上放置し
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09J 129/04 JCT 6904−4J

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アセトアセチル化ポリビニルアルコールを
    含んでなるエマルジョンに(A)オキシカルボン酸及び
    (B)亜硫酸塩、重亜硫酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸
    塩から選ばれた1種又は2種以上を含有させることを特
    徴とする水性エマルジョンの安定化方法。
  2. 【請求項2】エマルジョンにアセトアセチル化ポリビニ
    ルアルコールを後添加することによりアセトアセチル化
    ポリビニルアルコール含有エマルジョンを製造するにお
    いて、アセトアセチル化ポリビニルアルコールを後添加
    する前に(A)及び(B)をアセトアセチル化ポリビニルア
    ルコールとエマルジョンのいずれか一方又は双方に予め
    配合しておくことを特徴とする請求項1記載の水性エマ
    ルジョンの安定化方法
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012180466A (ja) * 2011-03-02 2012-09-20 Oshika:Kk 一液型接着剤組成物
JP2013124318A (ja) * 2011-12-15 2013-06-24 Kuraray Co Ltd ポリビニルアルコール系重合体及びこれを用いた加水分解性セルロースの製造方法
JP2013181160A (ja) * 2012-03-05 2013-09-12 Asahi Kasei Chemicals Corp 水性接着剤組成物
JP2023505660A (ja) * 2020-04-09 2023-02-10 コーロン インダストリーズ インク タイヤコード用接着組成物、タイヤコードおよびタイヤ
JP2023505661A (ja) * 2020-04-09 2023-02-10 コーロン インダストリーズ インク タイヤコード用接着組成物、タイヤコードおよびタイヤ

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