JPH08319395A - エマルジョンの増粘方法 - Google Patents

エマルジョンの増粘方法

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JPH08319395A
JPH08319395A JP15232195A JP15232195A JPH08319395A JP H08319395 A JPH08319395 A JP H08319395A JP 15232195 A JP15232195 A JP 15232195A JP 15232195 A JP15232195 A JP 15232195A JP H08319395 A JPH08319395 A JP H08319395A
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JP
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emulsion
pva
acetic acid
weight
parts
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JP15232195A
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Inventor
Tetsuo Yanaka
鉄男 谷中
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Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Synthetic Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 エマルジョンの効果的な増粘方法を提供す
る。 【構成】 アルカリ金属の酢酸塩を2重量%以下、酢酸
を5重量%以下含有し、かつアルカリ金属の酢酸塩/酢
酸の重量比が0.01〜100であるアセト酢酸エステ
ル基含有ポリビニルアルコール系樹脂をエマルジョンに
添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アセト酢酸エステル基
含有ポリビニルアルコール系樹脂(以下、AA化PVA
と略記する)を増粘剤としてエマルジョンに添加する、
エマルジョンの増粘方法に関する。
【0002】
【従来の技術】天然ゴム系、ポリイソプレン系、ポリブ
タジエン系、クロロプレン系、ポリスチレン−ブタジエ
ン系、ポリメチルメタクリレート−ブタジエン系等から
なるエマルジョンラテックスやポリアクリル酸エステル
系エマルジョン等に代表されるエマルジョンは接着剤、
塗料、繊維、織物加工、紙・皮革の加工、各種材料のバ
インダー、セメント・モルタル用混和剤等の広汎な用途
を有している。かかるエマルジョンは目的、用途に応じ
ては、粘度や構造粘性の適度のものが作業性、機械適
性、仕上がり状態、接着性等に優れた効果を示すことか
ら、エマルジョンが本来有する性能を何ら損なうことな
く容易に上記の要求物性を満足させる手段として、一般
的に各種エマルジョンの増粘剤としてポリビニルアルコ
ール系樹脂(以下、PVAと略記する)が用いられてい
る。具体的には、PVAを乳化剤に用いて単量体を乳化
重合して生成されたエマルジョン中に該PVAを共存さ
せたり、あるいは界面活性剤等やPVA以外の他の乳化
剤を用いて製造したエマルジョンにPVAを後添加する
方法が広く用いられており、本特許出願人も該PVAと
して、AA化PVAを用いることを提案した。(特公昭
59−28588号公報)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のAA化PVAを
エマルジョンに添加することにより、以前に比べエマル
ジョンの増粘を行うことは容易となったが、近時の市場
要求においては、さらなる増粘効果の向上が望まれてい
るのである。つまり、各種エマルジョンを所望の粘度に
増粘すべく増粘剤を添加する場合、その増粘剤の種類や
添加量によりエマルジョン本来の特性(放置安定性、皮
膜形成速度、生成皮膜物性、接着性、耐水性等)に影響
を及ぼすことが少なくなく、該増粘剤の条件として、少
量の添加量でもその増粘効果が大きいことが望まれるこ
とは言うまでもない。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者等は、エ
マルジョンのさらなる増粘効果の向上を目的として種々
検討を重ねた結果、驚くべきことにアルカリ金属の酢酸
塩と酢酸を特定量含有するAA化PVAが、従来のAA
化PVAに比べてエマルジョンの増粘効果の向上が著し
いことを見いだし本発明に至った。即ち、アルカリ金属
の酢酸塩を2重量%以下、酢酸を5重量%以下含有し、
かつアルカリ金属の酢酸塩/酢酸の重量比が0.01〜
100、更にはアルカリ金属の酢酸塩を0.5重量%以
下、酢酸を5重量%以下含有し、かつアルカリ金属の酢
酸塩/酢酸の重量比が0.01〜10であるAA化PV
Aを含有するエマルジョンは非常に粘性特性に優れ、特
に該AA化PVAがエマルジョン中の樹脂固形分100
重量部に対して0.02〜50重量部含有されていると
き、その増粘効果が遺憾なく発揮されるのである。以
下、本発明について詳述する。
【0005】本発明におけるAA化PVAの製造方法は
特に限定されるものではなく、任意の方法で製造される
が、好ましくはPVAとジケテンとを反応して得られ
る。例えばPVAを酢酸溶媒中に分散させておき、これ
にジケテンを添加する方法、PVAをジメチルホルムア
ミド、またはジオキサンなどの溶媒にあらかじめ溶解し
ておき、これにジケテンを添加する方法である。また、
酢酸等を吸収させたPVAにジケテンガスまたは液状ジ
ケテンを直接接触させてAA化PVAを得る方法も採り
得る。AA化PVAを得る際に用いられるPVAは特に
限定されないが、残存酢酸基0.1〜20モル%、平均
重合度50〜6000(より好ましくは200〜300
0)、平均ケン化度80〜99.9モル%の範囲が好ま
しい。
【0006】また、AA化PVAのAA化度は0.1〜
20モル%、より好ましくは1〜15モル%の範囲が適
当である。AA化度が0.1モル%未満ではエマルジョ
ンの増粘効果が不十分であり、逆にAA化度が20モル
%を越えると不溶化して水分散性が低下して好ましくな
い。本発明では、上記の如き従来のAA化PVAにアル
カリ金属(ナトリウム、カリウム等)の酢酸塩を2重量
%以下(好ましくは0.1〜0.5重量%)、酢酸を5
重量%以下(好ましくは0.5〜2重量%)含有させ
て、かつ該アルカリ金属の酢酸塩と酢酸の重量比(アル
カリ金属の酢酸塩/酢酸)を0.01〜100(好まし
くは0.01〜10)の範囲にコントロールされたAA
化PVAを用いることを最大の特徴とするもので、アル
カリ金属の酢酸塩が2重量%を越えると、乳化分散性が
低下し、酢酸が5重量%を越えると、エマルジョンの安
定性が低下して好ましくない。また、アルカリ金属の酢
酸塩/酢酸の重量比が0.01より小さいときは、増粘
効果がなくなり、逆に該重量比が100を越えると、増
粘速度が速く可使時間が短くなり保存安定性も不良とな
って好ましくない。なお、上記のアルカリ金属の酢酸塩
の定量は、AA化PVAを灰化した後、灰分を塩酸水溶
液に加温下に溶解した溶液について原子吸光法による。
また、酢酸の定量法としては、試料を水溶液として、ガ
スクロマトグラフィー/質量分析法(GC/MS法)に
よって求める。
【0007】本発明では、用いられるAA化PVA中に
含有されるアルカリ金属の酢酸塩及び酢酸の量が上記の
如くコントロールされていればよく、そのコントロール
の方法は任意である。例えば、原末のPVAを製造する
時のケン化時のアルカリ触媒の量を調節したり、PVA
製造後アルカリ金属の酢酸塩を追加したり、除去したり
いずれも任意である。酢酸量もPVA製造後に酢酸を添
加したり、又多量に酢酸が含まれるPVAを洗浄、乾燥
したりしても良い。又原末処理にとどまらず、AA化P
VAの製造中又は製造後で、アルカリ金属の酢酸塩を添
加したり、除去したり、酢酸を除去したり添加して、コ
ントロールを行っても良い。工業的にはAA化PVA製
造後、アルカリ金属の酢酸塩及び酢酸の除去を行う方法
が実用的で、該アルカリ金属の酢酸塩を取り除くには、
具体的にはアルコール洗浄等の方法が挙げられ、該アル
コールとしてはメタノール、エタノール、n−プロパノ
ール,イソプロパノール等が挙げられるが、好ましくは
メタノールが用いられる。このアルコール洗浄は、通常
PVAの1〜15倍重量のアルコールを使用し、5〜6
0℃で0.5〜2時間の条件で1〜3回程度洗浄され
る。
【0008】また、酢酸を取り除くには、減圧留去、メ
タノール洗浄、乾燥処理、濾過、遠心分離等の方法でA
A化PVAを処理する方法が挙げられ、これらの処理は
同時又は別々のいずれでも良いが、好ましくは、乾燥処
理が採用される。該乾燥処理の条件は装置により異なり
一概に言えないが、30〜80℃で10時間程度行えば
良く、好ましくは、40〜70℃で6時間程度行う。
【0009】本発明においては、かかるAA化PVAを
水性エマルジョンに添加するのであるが、エマルジョン
の粘度の安定性等を考慮すれば、該AA化PVAの4%
水溶液のpHを3〜6.5、好ましくは4〜5に調節し
ておくことが好ましい。該pHを調節する方法として
は、特に限定されず、本発明の効果を阻害しない範囲に
おいて、例えば原末のPVAを製造する時のケン化時の
アルカリ触媒の量を調節したり、PVA製造後酢酸を追
加したり、除去したりいずれも任意である。
【0010】また必要に応じ塩酸、硫酸、リン酸等の鉱
酸又は、プロピオン酸、マレイン酸等の有機酸又は、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、
第一アミン、第二アミン、第三アミン、第四級アンモニ
ウム塩等の添加によりpHの調整を行っても良い。又原
末処理にとどまらず、AA化PVAの製造中又は製造後
で、上記のようなpH調整を行っても良く、工業的には
AA化PVA製造後、酢酸の除去を行う方法が実用的で
ある。
【0011】次に、かかる本発明のAA化PVA(以
下、単にAA化PVAと記すことがある)を用いたエマ
ルジョンの増粘方法について具体的に説明する。本発明
の対象となるエマルジョンとしては、特に限定されず、
そのエマルジョンの調製方法も、特に限定されるもので
はないが、PVA、セルロース等の水溶性高分子及び
乳化剤あるいは保護コロイドとして必要に応じ各種界面
活性剤等の分散剤を併用して、単量体を乳化重合する方
法、合成樹脂の溶液あるいは溶融液をPVA等や各種
界面活性剤等の存在下で後乳化する方法、天然ゴム等
の天然物のエマルジョンやラテックスをそのまま用いる
方法等が挙げられる。以下、上記の方法について具体的
に説明する。
【0012】乳化重合による方法 この方法は通常ビニル系化合物の重合体エマルジョンを
製造する場合に好適に実施される。乳化重合に際して
は、水、PVA等の水溶性高分子および重合触媒の存在
下にビニル系化合物を一時又は連続的に添加して、加
熱、撹拌する如き通常の乳化重合において、PVAを乳
化重合体(樹脂)固形分100重量部に対して0.1〜
30重量部、好ましくは2〜20重量部程度が適当であ
る。2重量部未満では充分な増粘効果が得られず、20
重量部を越えても増粘効果の向上は見られない。PVA
はエマルジョン重合の開始時、途中、終了後のいずれの
時点においても添加可能であるが、通常は重合の開始
時、又は途中で添加される。該PVAとしては、AA化
PVAを用いることも有り得る。
【0013】本方法で用いられるビニル系化合物として
は、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリル酸エス
テル、メタクリル酸エステル、塩化ビニル、塩化ビニリ
デン、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル、スチ
レン、エチレン、プロピレン、グリシジルアクリレー
ト、グリシジルメタクリレート、グリシジルジビニルエ
ーテル、グリシジルビニルエーテル等のグリシジル基含
有化合物、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロ
ールメタクリルアミド等のメチロール基含有化合物及び
それらのアルコキシ基含有誘導体、アクリルアミド、メ
タクリルアミド等のカルボン酸アミド、アクリル酸、メ
タクリル酸等のカルボン酸、ジビニルアジペート、ジビ
ニルサクシネート、トリアリルシアヌレート、ジアリル
フマレート、トリアリルシトレート、ジアリルマレー
ト、ビニルバーサテートなどが挙げられ、これらの単独
重合あるいは共重合である。なかんずく酢酸ビニル単独
あるいは酢酸ビニルを主体とした共重合が好適である。
【0014】乳化重合触媒としては通常の乳化重合に用
いられる触媒を用いる。特にレドックス触媒が好まし
く、具体的に例示すると過酸化水素水、過硫酸アンモニ
ウム、過硫酸カリウム各々の単独あるいはメタ重亜硫酸
ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄、ジメチ
ルアニリン、ホルムアルデヒド亜鉛スルホキシレートあ
るいはホルムアルデヒドナトリウムスルホキシラートと
の組合わせが挙げられる。またノニオン界面活性剤、イ
オン界面活性剤もPVAと併用しうる。更に他の乳化
剤、例えばセルロース誘導体(カルボキシメチルセルロ
ース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース
など)、ポリアクリル酸誘導体、(無水)マレイン酸−
ビニルエーテル共重合体、(無水)マレイン酸−酢酸ビ
ニル共重合体、酢酸ビニル−(メタ)アリルスルホン酸
(塩)共重合体ケン化物なども適宜併用できる。その他
通常の乳化重合で用いられる種々の添加剤、調製剤など
も適宜使用できる。
【0015】かかる方法で得られる代表的なエマルジョ
ンとしては、スチレン/ブタジエン系エマルジョン、ス
チレン/アクリル系エマルジョン、シス−1,4ポリイ
ソプレンエマルジョン、クロロプレンエマルジョン、ア
クリロニトリル/ブタジエンエマルジョン、ビニルピリ
ジンエマルジョン、メチルメタクリレート/ブタジエン
エマルジョン、ポリウレタンエマルジョン、アクリルエ
ステル系エマルジョン、酢酸ビニル系エマルジョン、エ
チレン/酢酸ビニル系エマルジョン、塩化ビニル系エマ
ルジョン、ポリスチレンエマルジョン、ポリエチレンエ
マルジョン、シリコーンエマルジョン、ポリブテンエマ
ルジョン、チオコールエマルジョンなどが挙げられる。
【0016】後乳化による方法 この方法は、乳化重合によっては製造しづらい合成樹脂
エマルジョンを調製する場合に好適に実施される。この
方法は、PVAや界面活性剤を水に溶解し、これに溶液
状あるいは溶液状の樹脂を滴下し撹拌するか、溶融状態
の樹脂中にPVAや界面活性剤の水溶液を滴下し撹拌す
ればよい。エマルジョン化に当たり加熱等の必要は特に
ないが、必要であれば45〜85℃程度に加熱すれば良
い。乳化する物質には特に限定はなくウレタン樹脂、尿
素−ホルマリン初期縮合物、フェノール−ホルムアルデ
ヒド初期縮合物、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、
ケテンダイマー、シリコン樹脂、ワックス、ポリプロピ
レン、ポリエチレン等が挙げられる。その他無機物や有
機物等の各種粉体を水中に分散させたエマルジョンも含
まれる。
【0017】PVAの使用量としては要求されるエマル
ジョンの樹脂分等によって多少異なるが、通常乳化対象
重量部100部に対して0.1〜30重量部、好ましく
は1〜25重量部程度の範囲から選択される。必要とあ
れば該樹脂と共にポリオキシエチレン−アルキルエーテ
ル型、ポリオキシエチレン−アルキルフェノール型、多
価アルコールエステル型等の非イオン性活性剤、又は高
級アルキルアミン塩等のカチオン性活性剤を適宜併用す
ることもできる。又これらの活性剤は乳化対象物の方に
混合しておくことも可能である。
【0018】天然物等のエマルジョンをそのまま用い
る方法 天然ゴム等の天然物を上記のの方法に準じて、PVA
や界面活性剤等を用いてエマルジョン化したもので、天
然ゴムラテックスが代表的なものである。上記の〜
等で得られたエマルジョンにAA化PVAを添加して増
粘を行う場合、該AA化PVAを水溶液として添加する
方法と粉末等の固形状で添加する方法とが考えられる
が、前者の方法においては、エマルジョンを室温にて、
撹拌しながらこれに該水溶液を添加することができ、後
者の方法においては、エマルジョンを撹拌しながら該粉
末を添加した後50〜85℃に加温することにより短時
間で均一な混合が終了するので好ましい。
【0019】かかる方法により、本発明のエマルジョン
の増粘が行われる訳であるが、上記の〜等で得られ
たエマルジョンを任意の方法により得られた他のエマル
ジョンと混合することももちろん可能である。いずれの
場合も、AA化PVAの含有量は、エマルジョン中の樹
脂分100重量部に対して0.02〜50重量部、好ま
しくは1〜20重量部の範囲で、該含有量が0.02重
量部未満では、増粘効果に乏しく、逆に50重量部を越
えた範囲では添加量に応じた増粘効果を期待することが
できない。
【0020】本発明で使用するエマルジョンの樹脂分含
量はその用途によって変動するので一概には規定できな
いが通常30〜60重量%の範囲が適当である。また、
かかるAA化PVA含有水性エマルジョンはpHを3〜
9、好ましくは4〜7.5に調節する必要があり、pH
が3未満又は9を越える場合は長期の放置安定性を得る
ことができない。かくして本発明の方法で得られたエマ
ルジョンは、優れた粘性特性を有しており、長期にわた
って放置しても増粘、ゲル化の恐れは全くなく極めて放
置安定性に優れており、そのままあるいは必要に応じて
更に可塑剤、高沸点溶剤等の造膜助剤、クレー、炭酸カ
ルシウム、カオリン、珪藻土等の体質顔料、酸化チタン
等の有色顔料、防腐剤、防虫剤、防錆剤、消泡剤、小麦
粉・木粉等の増量剤を適宜配合されて、接着剤、コーテ
ィング剤、あるいは繊維加工剤、塗料、セメント混和
剤、成型用素材等に適しており、特に本発明の方法によ
り得られたエマルジョンは接着力においても優れている
ので耐水段ボール、合板などはもとより、紙、木材、プ
ラスチックス、繊維などの接着剤、バインダー等の用途
に有効である。また、かかるエマルジョンを接着剤とし
て使用する場合には更に種々の架橋剤を併用することも
可能である。
【0021】かかる架橋剤としては、ホルムアルデヒ
ド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチル
アルデヒド、グリオキシル酸等のモノアルデヒド類、グ
リオキザール、マロンジアルデヒド、スクシンジアルデ
ヒド、グルタルジアルデヒド、マレインジアルデヒド、
フタルアルデヒド等のジアルデヒド類、澱粉等の多価ア
ルデヒド類、ヘキサメチレンテトラミン、エチレンジア
ミン、トリメチレンジアミン、フェニレンジアミン等の
ジアミン類、ポリアミドアミン樹脂、ポリエチレンイミ
ン、ジヒドラジド化合物、トリレンジイソシアネート、
トリメチロールプロパン、トリフェニルメタントリイソ
シアネート、キシレンジイソシアネート等のイソシアネ
ート系化合物、アルキル化メチロール尿素、アルキル化
メチロールメラミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナ
ミンとホルムアルデヒドとの縮合物、などのアミノ−ホ
ルムアルデヒド樹脂、更にジルコニウム、亜鉛、マグネ
シウム、カルシウム、アルミニウムなどのアルカリ金属
又はアルカリ土類金属の多価金属塩及びその酸化物が挙
げられる。
【0022】
【作 用】本発明では、エマルジョンの増粘に特定のA
A化PVAを用いているため、増粘効果が大きく、得ら
れたエマルジョンはチクソ性、放置安定性等の粘性特性
に優れ、各種用途に利用することができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
する。尚、実施例中「部」、「%」とあるのは、特にこ
とわりのない限り重量基準を表す。 (AA化PVAの製造)下記の方法によって、AA化P
VA(PVA−I〜VIII)を製造した。 [PVA−I]酢酸ナトリウムを0.3%含有するPV
A粉末(ケン化度99.4モル%、重合度1200、平
均粒径100メッシュ)をニーダーに100部仕込み、
これに酢酸60部を入れ、膨潤させ、回転数20rpm
で撹拌しながら、60℃に昇温後、ジケテン25部と酢
酸2部の混合液を4時間かけて滴下し、更に30分間反
応させた。反応終了後の反応分散液をメタノール500
部のメタノールで洗浄した後70℃で、6時間乾燥し、
酢酸ナトリウム0.05%、酢酸0.1%を含有する
(酢酸ナトリウム/酢酸の重量比=0.5)AA化度6.
0モル%のAA化PVAを得た。また、かかるAA化P
VAの4%水溶液のpHは4.5であった。
【0024】[PVA−II]酢酸ナトリウムを0.3%
含有するPVA粉末(ケン化度88モル%、重合度13
00、平均粒径200メッシュ)をニーダーに100部
仕込み、回転数60rpmで撹拌しながら、液状ジケテ
ン15部を室温で30分間にわたって噴霧添加した後、
60℃に昇温して3時間反応させた。反応後、50部の
メタノールで3回洗浄してから、酢酸ナトリウムを0.
05部添加した後、60℃で、8時間乾燥し、酢酸ナト
リウムを0.05%、酢酸0.01%を含有する(酢酸
ナトリウム/酢酸の重量比=5)AA化度3.3モル%
のAA化PVA組成物を得た。また、かかるAA化PV
Aの4%水溶液のpHは4.8であった。
【0025】[PVA−III]酢酸ナトリウムを0.3
%含有するPVA粉末(ケン化度88モル%、重合度1
300、平均粒径100メッシュ)をニーダーに100
部仕込み、回転数 20rpmで撹拌しながら、1時間
にわたって90℃に昇温しながら、蒸発器で発生させた
ジケテンガス8部を反応器内に流入させた。90℃に昇
温後、さらに30分間撹拌後、水5部と酢酸10部を噴
霧して混合し、減圧下(100mmHg)60℃で8時
間乾燥させ、酢酸ナトリウムを0.1%、酢酸2%を含
有する(酢酸ナトリウム/酢酸の重量比=0.05)A
A化度3.1モル%のAA化PVAを得た。また、かか
るAA化PVAの4%水溶液のpHは3.5であった。
【0026】[PVA−IV]上記のPVA−Iの製造に
おいて、メタノール500部での洗浄をさらに1回追加
し、乾燥条件を減圧下(100mmHg)70℃で6時
間に変更した他は同様に製造し、酢酸ナトリウムを0.
0075%、酢酸0.001%を含有する(酢酸ナトリ
ウム/酢酸の重量比=7.5)AA化度3.1モル%の
AA化PVAを得た。また、かかるAA化PVAの4%
水溶液のpHは5.8であった。
【0027】[PVA−V]上記のPVA−Iの製造にお
いて、メタノール量を100部に変更し、乾燥条件を4
0℃で6時間に変更した以外は同様に行って、酢酸ナト
リウム0.2%、酢酸5.3%を含有する(酢酸ナトリ
ウム/酢酸の重量比=0.04)AA化度6.0モル
%、4%水溶液のpHが2.8のAA化PVAを得た。 [PVA−VI]上記のPVA−IのAA化PVAの製造
において、乾燥条件を減圧下(100mmHg)70℃
で6時間に変更した以外は同様に行って、酢酸ナトリウ
ム0.2%、酢酸0.001%を含有する(酢酸ナトリ
ウム/酢酸の重量比=200)AA化度6.0モル%、
4%水溶液のpHが5.8のAA化PVAを得た。
【0028】[PVA−VII]上記のPVA−IのAA化
PVAの製造において、(AA化)反応終了時に酢酸ナ
トリウム1.7部を加えて撹拌し、その後の乾燥条件を
減圧下(100mmHg)70℃で4時間に変更した以
外は同様に行って、酢酸ナトリウム2.2%、酢酸0.
25%を含有する(酢酸ナトリウム/酢酸の重量比=
8.8)AA化度6.0モル%、4%水溶液のpHが
5.3のAA化PVAを得た。 [PVA−VIII]酢酸ナトリウムを0.1%含有するP
VA粉末(ケン化度99.5%、重合度1200、平均
粒径200メッシュ)をニーダーに100部仕込み、こ
れに酢酸30部、アセト酢酸メチル30部及び硫酸2部
を加え80℃にて撹拌しながら8時間反応し、反応終了
後メタノール50部で洗浄し、60℃、4時間乾燥し、
酢酸ナトリウム0.02%、酢酸4%を含む(酢酸ナト
リウム/酢酸の重量比=0.005)AA化度6.0モ
ル%、4%水溶液のpHが2.5のAA化PVAを得
た。
【0029】実施例1 エチレン−酢酸ビニル共重合体エマルジョン(エチレ
ン:酢酸ビニル=21部:79部、樹脂分50%、粘度
530cps/30℃)100部に上記で得られたPV
A−Iを2.5部添加したところ1800cps/30
℃のエマルジョンが得られた。また、このエマルジョン
のチクソトロピック指数を測定したところ0.35であ
った。なお、粘度(cps)の測定は、B型回転粘度計
(10rpm)を用いて30℃で行い、チクソトロピッ
ク指数は、log(2rpmでの粘度測定値/20rp
mでの粘度測定値)より算出した。更に、得られたエマ
ルジョンの放置安定性を調べるために、40℃で30日
放置した後の粘度を上記と同様の方法にて測定して、放
置前の粘度との比(放置後の粘度/放置前の粘度)を調
べた。
【0030】実施例2〜12、比較例1〜4 表1に示される如くエチレン−酢酸ビニル共重合体エマ
ルジョン、酢酸ビニル樹脂エマルジョン等のエマルジョ
ンに上記のPVA−I〜VIIIを実施例1と同様に添加し
て、同様に粘度、チクソトロピック指数、放置安定性を
調べた。実施例及び比較例の評価結果を表1に併せて示
す。
【0031】
【表1】 エマルジョン AA化PVA 粘 度 チクソトロピック 放置安定性 の種類 種類 添加量 (cps/30℃) 指数 実施例1 Et−酢ビ PVA-I 2.5 1800 0.35 2.5 〃 2 Et−酢ビ PVA-II 2.0 1200 0.23 1.8 〃 3 Et−酢ビ PVA-III 1.5 800 0.18 1.5 〃 4 酢酸ビニル PVA-II 2.0 10000 0.21 2.2 〃 5 酢酸ビニル PVA-I 2.5 10800 0.32 2.0 〃 6 酢酸ビニル PVA-III 2.0 9200 0.20 1.8 〃 7 酢酸ビニル PVA-IV 1.5 9500 0.17 1.5 〃 8 BA−酢ビ PVA-I 1.5 8200 0.19 1.5 〃 9 SBR PVA-I 2.0 150 0.33 2.2 〃 10 EA−AA PVA-I 2.0 650 0.35 2.2 〃 11 PU PVA-I 2.0 2600 0.38 2.5 〃 12 MMA-St-BA PVA-I 2.0 180 0.28 2.3 比較例1 Et−酢ビ PVA-V 2.5 1500 0.28 4.6 〃 2 Et−酢ビ PVA-VI 2.5 1600 0.25 7.5 〃 3 Et−酢ビ PVA-VII 2.5 1500 0.27 4.2 〃 4 Et−酢ビ PVA-VIII2.5 1200 0.28 5.1 〃 5 酢酸ビニル PVA-V 2.0 8800 0.16 4.3 註)AA化PVAの添加量は、エマルジョン中の樹脂分100部に対する添加量 (部)を表す。 略号は、以下の通り。
【0032】Et−酢ビ;エチレン−酢酸ビニル共重合
体エマルジョン(エチレン:酢酸ビニル=21部:79
部、樹脂分50%、粘度530cps/30℃) 酢酸ビニル;酢酸ビニル樹脂エマルジョン(樹脂分50
%、粘度7400cps/30℃) BA−酢ビ;ブチルアクリレート−酢酸ビニル共重合体
エマルジョン(ブチルアクリレート:酢酸ビニル=14
部:86部、樹脂分40%、粘度5000cps/30
℃) SBR;スチレン−ブタジエンゴムラテックスエマルジ
ョン(日本合成ゴム(株)製2180、樹脂分40%、
粘度40cps/30℃) EA−AA;エチルアクリレート−アクリル酸共重合体
エマルジョン(エチルアクリレート:アクリル酸=90
部:10部、樹脂分45%、粘度100cps/30
℃) PU;ポリウレタン系エマルジョン(保土ケ谷化学
(株)製S−1040、樹脂分53%、粘度1000c
ps/30℃) MMA-St-BA;メチルメタクリレート−スチレン−ブチルアクリレート共重合体エ
マルジョン(メチルメタクリレート:スチレン:ブチルアクリレート=65部:
10部:25部、樹脂分40%、粘度50cps/30
℃)
【0033】
【発明の効果】本発明では、エマルジョンの増粘に特定
のAA化PVAを用いているため、増粘効果が大きく、
得られたエマルジョンはチクソ性、放置安定性等の粘性
特性に優れ、各種用途に利用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/098 C08K 5/098

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ金属の酢酸塩を2重量%以下、
    酢酸を5重量%以下含有し、かつアルカリ金属の酢酸塩
    /酢酸の重量比が0.01〜100であるアセト酢酸エ
    ステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂をエマルジョ
    ンに添加することを特徴とするエマルジョンの増粘方
    法。
  2. 【請求項2】 アルカリ金属の酢酸塩を0.5重量%以
    下、酢酸を2重量%以下含有し、かつアルカリ金属の酢
    酸塩/酢酸の重量比が0.01〜10であるアセト酢酸
    エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂をエマルジ
    ョンに添加することを特徴とするエマルジョンの増粘方
    法。
  3. 【請求項3】 アセト酢酸エステル基含有ポリビニルア
    ルコール系樹脂の含有量がエマルジョン中の樹脂分10
    0重量部に対して0.02〜50重量部であることを特
    徴とする請求項1または2記載のエマルジョンの増粘方
    法。
  4. 【請求項4】 エマルジョン中の樹脂分濃度が30〜6
    0重量%であることを特徴とする請求項1〜3いずれか
    記載のエマルジョンの増粘方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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Cited By (2)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10040178A1 (de) * 2000-08-17 2002-03-07 Wacker Chemie Gmbh Verdickungsmittel auf der Basis von Vinylalkohol-Mischpolymerisaten
US6573326B2 (en) 2000-08-17 2003-06-03 Wacker-Chemie Gmbh Thickeners based on vinyl alcohol copolymers

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