JPH0512612Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、押ボタン等によつて操作される弁式
のガス制御装置に関する。点火から全開、閉止に
至る一連の操作を単一の押ボタン、謂ゆるワンボ
タンによつて操作し、特に点火時にはパイロツト
通路のみ開となり、点火後にメイン通路が開とな
るようにした自動点火用ガス制御装置に関する。

（従来の技術及び問題点） 風呂用の手動ガス制御弁においては、パイロツ
トバーナの点火時にはメイン弁は開かず、パイロ
ツト着火後にメイン弁が開くような構造とするこ
とが必要である。それは点火状態で点火しないで
押ボタンを押した場合にメイン弁が万一開いてい
れば多量のガスがバーナ部に流出して爆発着火の
危険性があるからである。

ところで、押ボタン操作により点火器の作動か
らメイン弁及びパイロツト弁を関連的に開くよう
にしたガス制御装置は、例えば特開昭58−221321
号公報等に示すように提案されている。又ワンボ
タン操作の自動点火用ガス制御装置も特開昭61−
231326号公報にみられるように本願人によつて提
案されている。

公知のワンボタン操作のガス制御装置は、第３
図に示すようにメインロツド３６に対し独立した
１つのメイン弁３３をカム３５によつて開くよう
にすると共に、パイロツド弁３７をメインロツド
の押入により開くようにした構成であり、従つて
メイン弁がガスの流れに対して逆方向閉弁とな
り、又パイロツト通路、及びメイン通路に対し
夫々パイロツト弁、メイン弁を必要とし弁のシー
ル性、気密性に対する管理が問題となり、構造的
にも機構が複雑でコスト高になるという問題があ
つた。

（技術的課題） 従つて本考案においては、パイロツト及びメイ
ンの両通路に対してメイン弁１つでシールを行え
るようにすると共に、メイン弁をガスの流れに対
し順方向閉弁使いにして操作力の低減を図り、且
つ機構の簡略化を図ることを技術的課題とする。

（問題を解決するための手段） 上記の技術的課題を解決するために本考案は、
押ボタン等によつて操作されるガス制御装置であ
つて、ガス入口２とガス出口３、及びパイロツト
出口４を有する弁本体１に、ばね５の附勢に抗し
てプツシユ．ブツシユ式に押入動作される１本の
メインロツド６と、そのメインロツドによつてガ
ス入口２に通ずる弁口７が押開かれる熱電気式安
全弁８と、メインロツド６の押入時にメイン弁口
９を開くようにメインロツド６に固設された第１
のメイン弁１０と、揺動自在に支持されたレバー
１１の遊端に設けられてガス出口３への通路を開
閉するように閉弁方向にばね１２を附勢した第２
のメイン弁１３、及びメインロツドの押入時にス
イツチインとなる点火スイツチ１４とを備え、前
記第２のメイン弁１３はメインロツドの点火動作
から復帰するときにメインロツドに設けたカム１
５によりレバー１１を押動して開弁するように設
定してなるものである。

（作用） 上記の技術的手段は次のように作用する。

第１図は始動前の消火の状態を示し、第１のメ
イン弁１０と安全弁８は閉止し、第２のメイン弁
１３は開いた状態にある。

この状態から押ボタン操作により押棒１６を介
しメインロツド６を点火位置Ａへ押入（矢印イ）
すると、ロツド端６ａで安全弁８が押開かれると
同時に第１メイン弁１０が開弁する。

又第２のメイン弁１３はメインロツド６に設け
たカム１５の移動で押圧が開放される為同時に閉
弁する。又メインロツド６の押入と同時にスイツ
チカム１７により点火スイツチ１４が押されてス
イツチオンとなり直ちに点火する。従つてガスは
ガス入口２から安全弁８、第１のメイン弁１０を
経てパイロツト出口４に通じパイロツトバーナが
点火される。安全弁８はパイロツトバーナ等に設
けられた熱電対が一定温度に加熱される為熱起電
力が発生して電磁力により吸着される。

次に手を離すと、ばね５の附勢によりメインロ
ツド６は燃焼位置Ｂまで復帰し点火スイツチ１４
はオフとなり、第２のメイン弁１０はレバー１１
がカム１５に押上げられて開の状態になる為ガス
はメイン弁口９から第２メイン弁口１８を経てガ
ス出口３へ通じメインバーナ（図示省略）が着火
される。この時パイロツト通路も開のままであ
る。

さらに押ボタンの操作によりメインロツド６が
元の消火位置Ｃへ復帰すると、第１のメイン弁１
０が閉止状態となり、メイン及びパイロツトの両
ガス出口３，４は遮断される。

最初の点火操作で安全弁８が吸着しなかつた場
合は、安全弁８が閉の状態になつた後に第２のメ
イン弁１３が開となる為メインのガス出口３にガ
スは流出しない。

（効果） 本考案は次のような特有の効果を有する。

押ボタン等の押入により点火時にはパイロツ
ト通路のみ開となり、点火後メイン通路が開と
なるように第２メイン弁がメインロツドの動き
におう応動してカムにより開弁する為動作が正
確で安全である。

メイン弁がガスの流れに対し順方向に閉弁設
定にすることができ、従つてメイン弁に対する
ばね圧をそれ程大きくする必要がない為操作力
の低減を図ることができる。

パイロツト及びメインの各通路に対しメイン
弁１つでシールを行い、パイロツト弁を設けな
い為気密性に対する管理が従来の２分の１にで
きる。

又第２のメイン弁に対しては第１メイン弁に
対する程シール性、気密性を考慮する必要がな
く、従つて弁板及びシール面の精度加工が容易
となる。

第２のメイン弁を開閉させるカムはメインロ
ツドに対し回転方向にフリーであり、機構の簡
略化を図り得る。

（実施例） 本考案の好ましい実施例を次に示す。

メインロツド６は押ボタン、又はレバー等の押
動装置によつて押棒１６を介して押動されるが、
押動装置にプツシユ．ブツシユ機構が備えられ、
１回押すと点火位置Ａまで押入されて停止し、そ
の状態で押入解除すると中間の燃焼位置Ｂまで復
帰し、さらにその中間位置でもう一度押すと元の
消火位置Ｃまで完全復帰するものである。

安全弁８は、弁板８ａをばね８ｂにて閉弁方向
に押圧され、メインロツド６にて押動されると弁
口７が開いて吸着保持されるが、失火時には吸着
しない為自動的に閉弁するようになつている。

第１のメイン弁１０はメインロツド６に一体的
に取付けられてこれと共に応動する。

第２のメイン弁１３は中間部を枢支ピン１１ａ
にて支持された揺動レバー１１の先端部にばね１
９を介して取付けられ、後端部に突子１１ｂを設
けてこれをカム１５にばね１２の附勢にて当接さ
せている。

カム１５は大径部１５ａと小径部１５ｂとから
なり、その接合部に傾斜部１５ｃを形成して小径
部１５ｂに突子１１ｂが臨んでいるときは第２メ
イン弁１３は閉止の状態であり、大径部１５ａに
乗り上げると開弁状態となる。

弁本体１内におけるスイツチ１４と前記カム１
５の間はベローフラム２０により気密的に区分さ
れるようにする。

点火スイツチ１４はスイツチカム１７にてスイ
ツチ片１４ａが１回押されると点火器が作動し、
押圧解除でスイツチオフとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は本考案プツシユ操作のガス
制御弁装置の縦断側面図、第３図は従来の装置の
断面図である。 １……弁本体、２……ガス入口、３……ガス出
口、４……パイロツト出口、５……ばね、６……
メインロツド、７……弁口、８……安全弁、９…
…メイン弁口、１０……第１のメイン弁、１１…
…レバー、１２……ばね、１３……第２のメイン
弁、１４……点火スイツチ、１５……カム、１６
……押棒。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 押ボタン等によつて操作されるガス制御装置
   であつて、ガス入口２とガス出口３、及びパイ
   ロツト出口４を有する弁本体１に、ばね５の附
   勢に抗してプツシユ．プツシユ式に押入動作さ
   れる１本のメインロツド６と、そのメインロツ
   ドによつてガス入口２に通ずる弁口７が押開か
   れる熱電気式安全弁８と、メインロツド６の押
   入時にメイン弁口９を開くようにメインロツド
   ６に固設された第１のメイン弁１０と、揺動自
   在に支持されたレバー１１の遊端に設けられて
   ガス出口３への通路を開閉するように閉弁方向
   にばね１２を附勢した第２のメイン弁１３、及
   びメインロツドの押入時にスイツチインとなる
   点火スイツチ１４とを備え、前記第２のメイン
   弁１３はメインロツドの点火動作から復帰する
   ときにメインロツドに設けたカム１５によりレ
   バー１１を押動して開弁するように設定してな
   ることを特徴とするプツシユ操作のガス制御弁
   装置。 (2) 前記第１、第２の各メイン弁１０，１３はガ
   スの流れに対し順方向に閉弁するように設定さ
   れた前記実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   プツシユ操作のガス制御弁装置。