JPH0144912Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案はガス燃焼器具のダイレクト着火方式
等の点滅器において、その緩点火動作と緩点火か
ら定常燃焼への移行を鋭敏確実としてその安全性
を高めたガス燃焼器具の緩点火装置に関する。

従来、点火操作時のみメインバーナから噴出す
るガス量を少なくし、このガスにパイロツト炎等
にて点火するとともに、緩点火後は通常どおり全
ガス量を供給して定常燃焼に移行する緩点火装置
は、例えば実公昭55−46843号公報、実開昭54−
101535号公報等に見られるように種々公知であ
る。しかし、実公昭55−46843号公報又はこれに
類するものは手動操作によりガス弁を開閉操作し
てパイロツトバーナへの点火とメインバーナへの
緩点火又はメインバーナへの直接点火等を連続的
に行うものであり、また、実開昭54−101535号公
報又はこれに類するものは緩点火用電磁弁等を特
別に設けて緩点火に供するようにしているため一
連の点火機構を含む全体の構造が極めて複雑化し
コスト高は勿論、その緩点火動作にも確実性がな
いために安全性に欠けるものであつた。

この考案はかかる欠点の解消を目的としてなさ
れたもので、プツシユ式ソレノイドのプランジヤ
ーにて主ガス通路に設けたリセツト弁とバイパス
ガス通路に設けた緩点火切替弁とを交互に開閉す
るように連動させるとともに、該リセツト弁と緩
点火切替弁の動きを挺子式レバーを介して熱電気
式電磁安全弁の安全弁と関連せしめプツシユ式ソ
レノイドがオンしてリセツト弁が閉じ、緩点火切
替弁が開のとき、該挺子式レバーにより安全弁を
押圧開放する構造としてガス燃焼器具の緩点火と
緩点火から定常燃焼への移行が安全、確実に行い
うるガス燃焼器具の緩点火装置を安価に提供する
ものである。

以下その一実施例を図面に基づき詳細に説明す
ると、図面はこの考案による緩点火装置をガス湯
沸器に適用した例であつて、Ａはプツシユ式ソレ
ノイドで、プツシユ式ソレノイドＡは点火用押釦
スイツチ等と接続されて、該スイツチをオン、オ
フすることによりその起動、停止が行えるように
なつており、そのプランジヤー１の先端に押圧軸
１２をプランジヤー１と同一軸線を保つて設ける
とともに、プランジヤー１を戻しばね１３により
図示上方向へ付勢せしめてソレノイドＡが起動励
磁されたときはプランジヤー１が戻しばね１３に
抗して図示下方へ前進突出し、その励磁が解かれ
たとき戻しばね１３の弾発力により図示上方へ移
動して元位置へ自動復帰するようになつている。
２はメインバーナ（図示せず）への主ガス通路
で、ガス供給通路１４と連通孔１５を介して連通
されている。３は主ガス通路２を開放連通又は閉
止遮断するためのリセツト弁で、連通孔１５に設
けた弁シート１６に接離可能に対設されている。
４はメインガスバーナへのバイパスガス通路で、
ガス供給通路１４から分岐し連通孔１７を介して
連通されている。５はバイパスガス通路４を開放
連通又は閉止遮断するための緩点火切替弁で、連
通孔１７に設けた弁シートに接離可能に対設され
ている。７は上記リセツト弁３を図示上端に、緩
点火切替弁５を図示下端に備えた弁軸で、ソレノ
イドＡのプランジヤー１と同一軸線を保つて設け
られ、発条６の弾発力によりリセツト弁３は開弁
方向（図示上方）に、緩点火切替弁５は閉弁方向
（図示上方）に付勢された状態のもとに保持され
てプランジヤー１と押圧軸１２を介して対向関連
されている。しかして、ソレノイドＡが励磁され
プランジヤー１が戻しばね１３に抗して図示下方
へ突出すると、リセツト弁３と緩点火切替弁５は
共に押圧軸１２で図示下方へ発条６に抗して押し
下げられ、リセツト弁３はその弁シート１６に圧
接してリセツト弁３を閉止せしめることで主ガス
通路２を遮断し、緩点火切替弁５はその弁シート
１８から離れて緩点火切替弁５を開放せしめるこ
とでバイパスガス通路４を連通し、ソレノイドＡ
の励磁が解かれると、プランジヤー１は戻しばね
１３の弾発力により元位置へ戻されるためリセツ
ト弁３と緩点火切替弁５のプランジヤー１による
下方への押圧が解かれ、リセツト弁３と緩点火切
替弁５は発条６により図示上方へ押し上げられて
リセツト弁３はその弁シート１６から離れてリセ
ツト弁３を開放せしめることで主ガス通路２を連
通し、緩点火切替弁５はその弁シート１８に圧接
して緩点火切替弁５を閉止せしめることでバイパ
スガス通路４を遮断するものである。また、Ｂは
熱電気式電磁安全弁で、ガス供給通路１４を連
通、遮断する安全弁８をその弁シート１９に接離
可能に対設し、該安全弁８の弁軸１０の他端には
吸着鉄片９を設け該吸着鉄片９を熱電対（図示せ
ず）と接続された電磁石２０の吸着面に吸着、離
脱するよう対設せしめ、安全弁８と吸着鉄片９は
発条２１により安全弁８は閉止方向に、吸着鉄片
９は離脱方向に付勢され、パイロツト炎等に臨ま
せた熱電対の熱起電力で安全弁８を開放保持する
とともに、熱起電力の消滅で安全弁８を閉止して
その安全を確保するようになつている。１１はそ
の略中心部を支軸２２で枢支して揺動自由とした
挺子式レバーであつて、挺子式レバー１１の一端
（図示右端）をソレノイドＡのプランジヤー１と
連動する弁軸７に枢軸２３で枢着し、他端（図示
左端）には熱電気式電磁安全弁Ｂの弁軸１０の下
端突出軸２４を対接してリセツト弁３と緩点火切
替弁５をもつ弁軸７と安全弁８を関連せしめてい
る。なお、図中２５は主ガス通路２に装備したダ
イヤフラム式ガス圧自動調節装置で、定常燃焼に
最適なガス量に自動制御するものである。２６は
バイパスガス通路４に装備したダイヤフラム式ガ
ス圧自動調節装置で、緩点火に最適なガス量に自
動制御するものである。２７はメインバーナ（図
示せず）へのガス供給管で、これに主ガス通路２
とバイパスガス通路４が接続されている。Ｃは給
水路２８に設けた水圧応動装置で、給水路２８を
流過する流水圧をダイヤフラム２９で検知してメ
インガスバーナへの供給ガス量を主ガス通路２の
出口に設けたガス調節弁３０によつて自動制御で
きるようになつている。Ｓは送風フアン用スイツ
チで、水圧応動装置Ｃの弁軸３１の動きを感知し
てオン、オフするようになしている。３２は水ガ
バナ弁である。

上記構成において、その作用を次に説明する
と、不使用時はプツシユ式ソレノイドＡに通電さ
れないためにリセツト弁３と緩点火切替弁５は発
条６により押し上げられてリセツト弁３は開、緩
点火切替弁５は閉の状態に保持され、かつこれら
と挺子式レバー１１を介して対接されている安全
弁８は熱電気式電磁安全弁Ｂの電磁石２０による
吸着力もないので発条２１によりその弁シート１
９に圧接されて閉止されている。（第１図の実線
及び第２図イ参照）。したがつて、ガス供給通路
１４は安全弁８で、遮断されているためメインガ
スバーナ等へのガスの供給は行われない。そこ
で、使用に際し、点火用押釦スイツチ等をオンし
てプツシユ式ソレノイドＡを起動励磁せしめると
そのプランジヤー１が戻しばね１３に抗して図示
下方へ突出し、プランジヤー１と一体の押圧軸１
２でリセツト弁３と緩点火切替弁５は弁軸７を介
してともに押し下げられ、リセツト弁３はその弁
シート１６に圧接されて閉止し、緩点火切替弁５
はその弁シート１８から離間して開放されるとと
もに、弁軸７と連動する挺子式レバー１１の他端
で安全弁８と吸着鉄片９を図示上方へ押し上げて
安全弁８を発条２１に抗して弁シート１９から離
間せしめて開放すると同時に弁軸１０の他端に有
する吸着鉄片９を電磁石２０の吸着面に押し当て
る（第１図の鎖線及び第２図ロ参照）。したがつ
て、ガス供給通路１４からのガスはバイパスガス
通路４のみに送られてガス自動調節装置２６で緩
点火に最適なガス量に調整してガス供給管２７を
介してメインガスバーナに供給され予め点火して
いるパイロツト炎によりこれに着火するものであ
る。メインガスバーナに緩点火した後、プツシユ
式ソレノイドＡの励磁を停止すると、そのプラン
ジヤー１は戻しばね１３の弾発力により上昇して
元位置へ戻るためリセツト弁３と緩点火切替弁５
はソレノイドＡによる押し下げが解かれ、リセツ
ト弁３と緩点火切替弁５は発条６の弾発力により
上方へ押し上げられリセツト弁３をその弁シート
１６から離間して開放し緩点火切替弁５はその弁
シート１８に圧接されて閉止するとともに、安全
弁８は熱電対の熱起電力で磁化されている電磁石
２０により吸着鉄片９を介して開放状態に吸着保
持されている（第２図ハ参照）。しかして、ガス
供給通路１４からのガスは主ガス通路２を通つて
ダイヤフラム式自動調節装置２５により定常燃焼
に最適なガス量に制御し、かつ、流水圧に応動し
てガス調節弁３０を開放し、ガス調節弁３０を介
してメインガスバーナへ所定のガス量として供給
しメインガスバーナをフルインプツト燃焼（定常
燃焼）に移行するものである。尚、このとき、強
制給排気用フアンでパイロツト点火の際に点火ミ
スがあつて少々の生ガスが漏れても直ちにこれを
排出するから危険性は全くないものである。

この考案は以上説明したように、プツシユ式ソ
レノイドを用いてリセツト弁と緩点火切替弁を安
全弁と連動させる構造としたから点火時における
緩点火と緩点火から定常燃焼への移行が安全、確
実に行えるとともに、従来のように緩点火用電磁
弁等を特別に設ける必要がないので構造の簡略化
と相まつてコストの低廉を図ることができ、ソレ
ノイドに緩点火時のみ通電すれば済むのでソレノ
イドの小型化、低廉化と省エネ効果が著しいもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す概略断面
図、第２図イ，ロ，ハは要部の動作説明図であ
る。 Ａ……プツシユ式ソレノイド、１……プランジ
ヤー、２……主ガス通路、３……リセツト弁、４
……バイパスガス通路、５……緩点火切替弁、６
……発条、７……弁軸、Ｂ……熱電気式電磁安全
弁、８……安全弁、９……吸着鉄片、１０……弁
軸、１１……挺子式レバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. プツシユ式ソレノイドＡのプランジヤー１にメ
   インガスバーナのガス調節弁３０に連通する主ガ
   ス通路２を連通、遮断するリセツト弁３とメイン
   ガスバーナへ連通するバイパスガス通路４を連
   通、遮断する緩点火切替弁５とをプツシユ式ソレ
   ノイドＡのオン、オフ動作によつて交互に開閉さ
   せるよう連設し、かつ該リセツト弁３及び緩点火
   切替弁５と熱電気式電磁安全弁Ｂの安全弁８とを
   挺子式レバー１１を介して関連せしめ、プツシユ
   式ソレノイドＡがオンしてリセツト弁３が閉じ緩
   点火切替弁５が開のとき、該挺子式レバー１１に
   より安全弁８を押圧開放するよう構成したことを
   特徴とするガス燃焼器具の緩点火装置。