JPH0512226Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は平行リンク機構を応用した荷重取扱装
置に関するものである。

〔従来の技術〕

従来、平行リンク機構としてパントグラフを利
用した荷重取扱装置は幾多のものが提案され、実
用に供されている。

この種装置にパントグラフが利用されているの
は、荷重を支持する負荷点の移動軌跡を、水平又
は垂直にとることができるからである。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし乍ら、パントグラフを利用した機構によ
る荷重取扱装置は、負荷点に水平，垂直の運動軌
跡をとらせるために、支点及び力点を水平、及
び、垂直ガイド機構に支持案内させなければなら
ないので、その分だけ構造が複雑になると共に、
支点，力点が移動するため、強度上の問題やアー
ム流れの問題が生じ易いという難がある。

一方、実際の荷重の取扱い態様において、荷重
を水平又は垂直に動かす態様は、特殊な場合を除
いて比較的少なく、従つて、一般的に汎用される
荷重取扱装置においては、構造を簡素化し、製造
コストの低減，メインテナンスの容易さ、或は、
強度上の問題の克服に着眼することがより有用性
に寄与する。

〔課題を解決するための手段〕

そこで、本考案にあつては、平行リンクを利用
するが、水平，垂直ガイドを排して構造を簡素化
する一方、簡素化されても使用性においてパント
グラフ機構を応用したものに殆んど遜色のない機
能を発揮できる荷重取扱装置を提供することを目
的としてなされたもので、その構成は、水平方向
において平行且つ同長の上部アームと下部アーム
の先端側を垂直方向のリンクで枢着すると共に、
上記平行なアームの後端側を、水平面内で旋回自
在に支柱に取付けたブラケツト等の機筐の定位置
に枢着し、上記垂直リンクにスラスト軸受部材を
設け、この軸受部材に、略クランク状をなし、か
つ、前記下部アームの下方で360度旋回できるよ
うな形状にしたクランク状の負荷アームを旋回自
在に取付け、この負荷アームの下端部に負荷点と
なる荷重の支持部を形成する一方、上記機筐に枢
着されたアーム後端側の枢着軸と同軸で当該アー
ム後端側に固着された入力軸に、前記機筐に設け
たモータの出力端に連結され、かつ、前記機筐の
外側に設けた伝動機構を介して回転力を伝達する
ように連結したことを特徴とするものである。

〔実施例〕

第１図は本考案装置の一例の一部を切截した正
面図、第２図は同じく平面図、第３図は同じく機
筐を支柱に取付けた状態を示す一部切截正面図で
ある。

これらの図に於て、１，２は水平な向きにおい
て平行且つ同長の上部アームと下部アーム、３は
上記アーム１，２の先端に枢着１ａ，２ａした垂
直リンク、４は上記の上，下アーム１，２の後端
を枢着１ｂ，２ｂしたブラケツト状の機筐、５は
上記垂直リンク３の前方側に設けた２個のスラス
ト軸受、６はこの軸受５に取付けたクランク状を
なす負荷アームで、下端部に荷重の掴み手段等に
よる負荷部６ａが形成されている。

この実施例に於て、上記アーム１，２は、第２
図に示すように、上部アーム１は１本、下部アー
ム２は２本が使用されているが使用するアームの
本数は、強度やコストを考慮して最適の本数が使
用できること勿論である。

而して、７は２本の下部アーム２の枢着点２ｂ
の間にアーム２の後端と一体化するように架着し
て設けた軸、８はこの軸に取付けた入力ギア、９
は前記ギア８にかみ合せて機筐４内に設けたピニ
オン、１０は前記ピニオン９と共軸一体で機筐４
の外側に設けた中間ギア、１１は該ギア１０にか
み合せた出力ピニオンで、このピニオン１１は機
筐４に設けたモータ１２の出力軸に取付けられて
いる。

〔作用〕 而して、モータ１２の正，逆回転は、歯車列１
１，１０，９を介して入力ギア８に伝達され、こ
のギア８が軸７を介して一体化されたアーム２を
当該軸７を中心に、時計方向又は反時計方向へ角
回転させる。

アーム２の角回転は、垂直リンク３を介してア
ーム１及び負荷アーム６を当該アーム２と一体に
角回転させる。

従つて、この運動により負アーム６の負荷点６
ａは、軸７を中心とした角回転上下動を行うの
で、荷重を昇降させることとなる。

ここで、負荷アーム６は、スラスト軸受５によ
り、この部分を中心に360°以上旋回できるので、
上記負荷点６ａは、水平面内での進退が可能であ
る。

機筐４は第３図に示したように水平面内で旋回
自在に支柱Ｐに取付けてあるので、上記負荷点６
ａの水平面内での進退範囲をより拡大できる。

尚、機筐４は、例えば貨物車輌の荷台の上部で
運転席或は助手席の背後側に取付けてもよい。

上記例に於て、負荷アーム６の上部と垂直リン
ク３とは、平行な姿勢で取付けているが、この装
置の負荷アーム６は常にそのような姿勢で設けな
ければならないものではない。

例えば、垂直リンク３と負荷アーム６の上部と
の間には、正テーパ状、又は逆テーパ状をなす角
度が形成されてもよい。

また、このアーム６の長さも任意に設定でき
る。

〔考案の効果〕

以上述べたように、本考案装置は、この種の荷
重取扱装置において一切の摺動ガイド機構を排し
たから機構が簡素ですみ、また、それゆえ、アー
ムの後端が機筐に直接固定的に枢着されるので、
上記摺動ガイド機構が不要であることと相俟つて
簡潔な構造で高強度を実現することができ、更
に、機筐は支柱等に水平面内で旋回自在に取付け
てあるためクランク状の負荷アームと相俟つて水
平面内において広範囲の荷重取扱作業ができるか
ら、汎用タイプの荷重取扱装置として、低コスト
でしかも、故障の少ないものを提供することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の一例の一部を切截した正
面図、第２図は同じく平面図、第３図は同じく機
筐を支柱に取付けた状態を示す一部切截正面図で
ある。 １……上部アーム、２……下部アーム、３……
垂直リンク、４……機筐、５……軸受、６……負
荷アーム、７……入力軸、８……入力ギア、９…
…ピニオン、１０……中間ギア、１１……出力ピ
ニオン、１２……モータ、Ｐ……支柱。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水平方向において平行且つ同長の上部アームと
   下部アームの先端側を垂直方向のリンクで枢着す
   ると共に、上記平行なアームの後端側を、水平面
   内で旋回自在に支柱に取付けたブラケツト等の機
   筐の定位置に枢着し、上記垂直リンクにスラスト
   軸受部材を設け、この軸受部材に、略クランク状
   をなし、かつ、前記下部アームの下方で360度旋
   回できるような形状にしたクランク状の負荷アー
   ムを旋回自在に取付け、この負荷アームの下端部
   に負荷点となる荷重の支持部を形成する一方、上
   記機筐に枢着されたアーム後端側の枢着軸と同軸
   で当該アーム後端側に固着された入力軸に、前記
   機筐に設けたモータの出力端に連結され、かつ、
   前記機筐の外側に設けた伝動機構を介して回転力
   を伝達するように連結したことを特徴とする荷重
   取扱装置。