JPH0511976B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、カツプに取り付けるカツプホルダー
に関する。

〔従来の技術〕

従来より、紙製やプラスチツク製等のカツプの
ように把手のないカツプを持ちやすくするため
に、ホルダーを取り付けることが知られている。

このホルダーとして、把手に容器保持輪を設
け、この保持輪内にカツプを入れて保持する入れ
込み式のホルダー（実公昭50−2201号公報参照）
や、カツプ周壁に段差を設け、この段差部を含む
カツプ外壁に連続的に接触する把手と、カツプ内
壁に連続的に当接するとともに下端に段差部に係
合する凸部を有する挟持片とで、カツプを挟持す
る周壁挟持式ホルダー（実公昭61−40220号公報
参照）等が用いられていた。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかし、入れ込み式のホルダーでは、カツプ底
部の直径が容器保持輪の直径より小さく、かつ、
カツプ上部の直径が容器保持輪の直径より大きく
なければならないので、このホルダーを利用でき
るカツプの大きさが限定されるという問題点があ
つた。

また、周壁挟持式ホルダーは、カツプ自体の成
形が複雑になり、かつ、このホルダーを利用でき
るのは、周壁に段差を有するカツプに限定される
という問題点があつた。

本発明の目的は、あらゆる大きさのカツプに利
用できるとともに、カツプへの取り付けおよび取
り外しが容易にでき、さらに、カツプに液体を満
たしても安定して保持できるカツプホルダーを提
供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

このため本発明は、一般的なカツプ、特に使い
捨て用の紙カツプ等の開口部にはフランジ部が設
けられていることに着目し、このフランジ部を収
納する収納部と、前記カツプの内壁に当接する当
接部と、前記カツプのフランジ部下側の外壁に当
接して前記フランジ部を係止する係止部と、前記
フランジ部下方の外壁に接触する接触部と、手を
係止する把手部とを備えるとともに、弾性的性質
を有する樹脂により前記当接部、把手部、接触
部、係止部の順で連続するように一体成形され、
かつ前記接触部から係止部までの長さが前記当接
部の長さよりも長くされて弾性変形により前記当
接部および係止部間の間隔が変更可能とされてい
ることを特徴とするカツプホルダーである。

この際、前記接触部から係止部間には把手部側
に膨らんだ円弧状の弾性部が形成されていること
が好ましい。

また、前記接触部が把手部よりも下方まで突出
されて形成されているカツプホルダーであること
が好ましい。

〔作用〕

このような本発明において、カツプホルダーを
カツプに取り付けるには、例えば、カツプのフラ
ンジ部がホルダーの係止部および当接部の間に位
置するように、カツプのフランジ部の幅に合わせ
て係止部および当接部間の間隔を広げながら、ホ
ルダーおよびカツプを配置し、さらに、ホルダー
の係止部がフランジ部下側の外壁に当接してフラ
ンジ部を係止するまで、ホルダーまたはカツプ、
あるいは、ホルダーおよびカツプを動かして取り
付ける。この際、接触部はフランジ部下方の外壁
に接触し、カツプを支える。特に、カツプ内に水
等の液体を入れカツプの重量が増えると、接触部
がカツプの外壁を強く支持し、カツプは外れ難
い。

一方、カツプホルダーをカツプから取り外すに
は、弾性変形によりホルダーの係止部および当接
部間の間隔をフランジ部の幅より大きくした状態
で、ホルダーまたはカツプ、あるいは、ホルダー
およびカツプをそれぞれ離れる方向に動かして取
り外す。この際、接触部から係止部までの長さを
当接部よりも長く形成しているので、通常係止部
側が弾性変形によつて移動して係止部および当接
部間の間隔が変更される。このため、係止部がカ
ツプのフランジ部に引つ掛かることがなく、ホル
ダーは簡単にかつ確実にカツプに着脱される。

また、ホルダーは弾性的性質を有する樹脂によ
り当接部、把手部、接触部、係止部が連続するよ
うに一体成形されているので、構成が簡易となつ
て生産も容易となり、低コストで生産される。

〔実施例〕

以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図〜第４図には、カーリング状に形成され
たフランジを有するカツプに本発明を適用した第
１実施例が示されている。

第１図に示すように、カツプ１は、底２と周壁
３とで構成される。この周壁３は開口側が大径の
テーパー状に形成され、上端は外側に巻かれ、フ
ランジ部４が形成されている。

カツプホルダー５は、全体として正面略Ｄ字状
に形成されており、カツプ１の内壁３Ａに当接す
る当接部６と、この当接部６に連続して形成され
る把手部７と、この把手部７に連続して形成さ
れ、カツプ１の外壁３Ｂに接触する接触部８と、
この接触部８に連続し、かつ、カツプ１の外側の
方向に膨らんだ円弧状に形成されるとともに、フ
ランジ部４下側の外壁３Ｂに当接してフランジ部
４を係止する係止部９を先端に有する弾性部１０
と、この弾性部１０と当接部６との間に形成され
る収納溝１１と、この収納溝１１に連続して形成
され、かつ、フランジ部４を収納する収納部１２
とで構成される。

第２図に示すように、係止部９は、フランジ部
４の下面に当接する面９Ａおよび外壁３Ｂに当接
する面９Ｂの交差角が鋭角に形成され、フランジ
部４が外れ難くなつている。

このカツプホルダー５は、例えばポリプロピレ
ンのような弾性的性質を有する樹脂を原料とし
て、第３図に示すように、射出成形により断面略
Ｈ型に一体成形される。また、Ｈ型の上下の溝内
には、第２図にも示すように、複数の補強用リブ
１３が設けられている。

また、第４図に示すように、カツプホルダー５
の幅は、カツプ１側が広く、把手部７側が狭く形
成されており、手で持ちやすくなつている。

このような構成の本実施例において、カツプホ
ルダー５をカツプ１に取り付けるには、ホルダー
５の収納溝１１にカツプ１のフランジ部４を差し
込み、ホルダー５を下方に押す。この際、ホルダ
ー５は弾性的性質を有するポリプロピレン等で成
形されており、かつ当接部６の長さに比べて接触
部８から弾性部１０を介して係止部９までの長さ
のほうが長くされているため、係止部９を有する
弾性部１０はカツプ１の内壁３Ａから外壁３Ｂに
向かう方向、つまり、把手部７の方向に移動す
る。従つて、収納溝１１の幅はフランジ部４の幅
に合わせて広がる。

さらに、ホルダー５を下方に押して、フランジ
部４を収納部１２に収納し、ホルダー５をカツプ
１に取り付ける。この際、係止部９を有する弾性
部１０は、樹脂の弾性により当接部６側に復元移
動するので、係止部９は外壁３Ｂに当接して周壁
３を当接部６とで挟持するとともに、フランジ部
４を係止する。

一方、カツプホルダー５をカツプ１から取り外
すには、ホルダー５の弾性部１０を把手部７側に
移動させ、収納溝１１の幅をフランジ部４の幅よ
り広げた状態で、ホルダー５を上方に動かして取
り外す。

このような本実施例によれば、カツプ１のフラ
ンジ部４を係止部９で係止し、カツプ１の周壁３
をカツプホルダー５の当接部６および係止部９を
有する弾性部１０で挟持し、かつ、カツプ１の外
壁３Ｂを接触部８で支えることによりホルダー５
をカツプ１に取り付けているので、カツプ１の大
きさ（カツプ１の直径や高さ等）に関係なくホル
ダー５を強固に取り付けることができ、液体を満
たしても安定して保持できる。

ホルダー５は、フランジ部４を有するカツプ１
であれば取り付けることができる。このため、カ
ツプ１には段差等の特別な形状が必要なく、ま
た、フランジ部４は本実施例のようなカーリング
状に形成されたものだけでなく、ストレート状に
形成されたストレートフランジ等の様々な形状の
フランジ部４でもよい。従つて、ホルダー５は、
フランジ部４を有するあらゆるカツプ１に取り付
けることができる。

また、この取り付けは、収納溝１１にフランジ
部４を入れ、ホルダー５を下方に押すだけでよい
ので、容易に取り付けることができる。この際、
弾性部１０は把手部７側に円弧状に膨らんで形成
されているので、フランジ部４の挿入が容易であ
るとともに、係止部９のフランジ部４下側の外壁
３Ｂへの当接が強くなり、カツプ１を外れ難くで
きる。

カツプ１内に水等の液体等を入れた際には、液
体の重量により接触部８に周壁３が圧接するが、
接触部８下部の把手部７との接続部が支点となつ
ており、この支点に近い点に力が加わることにな
るので、かなり大きな力が加わつても、係止部９
が把手部７側に動いてフランジ部４が外れること
はない。さらに、カツプ１に加わる重量は、フラ
ンジ部４に係止部９が喰い込むように作用するか
ら、係止部９の係止力はより強化され、フランジ
部４から外れることはない。

一方、ホルダー５を取り外すには、弾性部１０
を把手部７側に動かし、ホルダー５を上方に動か
せばよい。この際、弾性部１０は、接触部８と把
手部７との接続部（支点）から離れているので、
人の力であれば容易に動かすことができ、さら
に、円弧状に膨らんでいるので、弾性部１０が持
ちやすくなり、一層容易にホリダー５を取り外す
ことができる。

また、当接部６に比べて接触部８から係止部９
までの長さを長くするとともに、係止部９側に弾
性部１０を設けているので、通常係止部９側が移
動して当接部６および係止部９間の間隔が広くな
る。このため、ホルダー５をカツプ１に着脱する
際に係止部９がフランジ部４に引つ掛かるような
ことがなく、容易に着脱することができる。

ホルダー５は、取り付けおよび取り外しが容易
であるので、繰り返し使用することができ、大き
さも小さいので、持ち運びに便利で、かつ、保管
スペースを少なくできる。

ホルダー５は、当接部６、把手部７、接触部
８、弾性部１０、係止部９の順で連続するように
一体成形されているので、成形が容易で生産コス
トを低くできる。また、ホルダー５は、断面略Ｈ
型に成形されているので軽量にでき、かつ材料も
少なくできるので生産コストをより低くできる。
さらに、補強用リブ１３を設けたためにホルダー
５の肉厚を薄くできるので、成形時間を短くで
き、冷却時のヒケ、その他の変形も極めて少な
く、成形も容易となる。

原料にポリプロピレン等の弾性的性質を有する
樹脂を使用しているので、カツプ１への取り付け
および取り外し時の弾性部１０図の移動および復
元を弾性変形により容易にできる。

第５図および第６図には、本発明の第２実施例
が示されている。ここにおいて、前記第１実施例
と同一もしくは相当構成部分には同一符号を付
し、説明を省略もしくは簡略する。

第２実施例のカツプホルダー１５は、全体とし
て正面略Ｐ字形に形成されており、接触部８を、
把手部７と接触部８とが接続部する接続の上側だ
けでなく下側にも延長して、つまり把手部７より
も下方まで突出させて、カツプ１の外壁３Ｂに接
触する接触部８の長さを長くしたものである また、当接部６の下端には、弾性部１０側に膨
らんだ円弧状部６Ａが形成され、一方、カツプ１
のフランジ部４を収納する収納部１２には、突起
部１６が把手部７から突設されている。

このような構成の本実施例においても、前記第
１実施例とほぼ同様の作用、効果を奏することが
できる。また、本実施例によれば、接触部８を延
長したので、カツプ１の外壁３Ｂの下側まで支え
ることができる。このため、カツプ１内に液体等
を入れた際に、接触部８に掛かる力を広い範囲で
受けることができ、把手部７等に力が掛かること
がないので、カツプホルダー１５を使用した時の
安定性をより良くできる。

さらに、カツプ１の材質等によつては、カツプ
１内に熱い液体を入れた時にカツプ１が柔らかく
なつて変形することがあるが、接触部８を延長し
てカツプ１の外壁３Ｂに接触する面積を広くした
ので、カツプ１の変形を少なくできる。

当接部６の下端を弾性部１０側に膨らんだ円弧
状に形成したので、カツプ１のフランジ部４がホ
ルダー１５に入り易くなるとともに、カツプ１の
周壁３の挟持をより強固にできる。

収納部１２に突起１６を設けたので、カツプ１
のフランジ部４の収まりをより良くできる。

なお、本発明は、前記各実施例の構成に限底さ
れるものではなく、本発明の目的を達成できる範
囲の変形は本発明に含まれるものである。

例えば、弾性部１０の形状は、前記各実施例で
は、円弧状に膨らんだものであつたが、これに限
定されるものではなく、例えば、カツプ１の外壁
３Ｂに沿つた直線状に形成されたものでもよい。
但し、前記各実施例の方がカツプ１への係止部９
の当接がより強く、フランジ部４の係止が強固と
なる点で有利である。

また前記各実施例では弾性部１０を係止部９に
連続して形成して係止部９側を弾性変形により移
動するようにしていたが、弾性部１０を設けずに
接触部８から係止部９までの樹脂の弾性変形によ
り移動するようにしてもよい。この場合も当接部
６の長さに比べて接触部８から係止部９までの長
さが長くされているので通常係止部９側が移動し
て当接部６および係止部９間の間隔が変更され
る。

当接部６、把手部７、接触部８等の形状等も前
記各実施例に限定されるものではなく、他の形状
等でもよい。例えば、高さの高いカツプ１に合わ
て、カツプ１の上下方向に長い形状に形成した
り、趣味に応じた様々な形状等にしてもよい。

カツプホルダー５，１５の材質は、ポリプロピ
レンに限らず、ポリエチレン、ポリスチレン等の
弾性的性質を有する樹脂であればよい。

カツプホルダー５，１５の肉厚は、材質、形状
等に応じて設定すればよい。同様に、補強用リブ
１３も必要に応じて設ければよい。

〔発明の効果〕

前述のような本発明によれば、カツプホルダー
をあらゆる大きさのカツプに容易に取り付けおよ
び取り外しができるとともに、カツプに液体を満
たしても安定して保持できる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図には本発明の第１実施例が示さ
れ、第１図は第１実施例をカツプに取り付けた状
態を示す正面図、第２図は第１図の要部を拡大し
た正面図、第３図は第２図の−線の断面図、
第４図は第２図の上面図、第５図は本発明の第２
実施例の正面図、第６図は第５図の左側面図であ
る。 １……カツプ、３……周壁、４……フランジ
部、５，１５……カツプホルダー、６……当接
部、７……把手部、８……接触部、９……係止
部、１０……弾性部、１２……収納部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ フランジ部を有するカツプに取り付けるホル
   ダーであつて、前記カツプの内壁に当接する当接
   部と、この当接部に連続して形成される把手部
   と、この把手部に連続して形成されて前記フラン
   ジ部下方の外壁に接触する接触部と、この接触部
   に連続して形成されて前記フランジ部下側の外壁
   に当接して前記フランジ部を係止する係止部と、
   前記フランジ部を収納する収納とを備えて弾性的
   性質を有する樹脂により一体成形されているとと
   もに、前記接触部から係止部までの長さが前記当
   接部の長さよりも長くされて弾性変形により前記
   当接部および係止部間の間隔が変更可能であるこ
   とを特徴とするカツプホルダー。 ２ 特許請求の範囲第１項において、前記接触部
   から係止部間には把手部側に膨らんだ円弧状の弾
   性部が形成されていることを特徴とするカツプホ
   ルダー。 ３ 特許請求の範囲第１項および第２項におい
   て、前記接触部は把手部よりも下方まで突出され
   て形成されていることを特徴とするカツプホルダ
   ー。