JPH0511747A - 鍵盤装置 - Google Patents

鍵盤装置

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JPH0511747A
JPH0511747A JP3262629A JP26262991A JPH0511747A JP H0511747 A JPH0511747 A JP H0511747A JP 3262629 A JP3262629 A JP 3262629A JP 26262991 A JP26262991 A JP 26262991A JP H0511747 A JPH0511747 A JP H0511747A
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white key
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key body
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JP3262629A
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English (en)
Inventor
Iwao Tomita
巌 富田
Yoneaki Arai
米秋 新井
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Casio Computer Co Ltd
Original Assignee
Casio Computer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 鍵盤装置において、簡単な構造で、部品点数
が増えることなく、薄肉のヒンジ部に大きな力が加わら
ないようにして、ヒンジ部の破損を防止することができ
るようにする。 【構成】 ヒンジ部41が形成された白鍵本体40の後
端部の下面に「し」字状のフック44を一体に形成し、
このフック44の先端を鍵盤シャーシ60の開口部62
を通して下方に突出させ、この突出したフック44の先
端を開口部62の近傍の鍵盤シャーシ60の下面に隙間
sをもって係合させたので、白鍵本体40を強く押鍵し
たり、あるいは押鍵後さらに押鍵したりしても、ヒンジ
部41を湾曲させようとする強い力をフック44と鍵盤
シャーシ60の下面とで受け止め、ヒンジ部41に異常
な力が作用するのを阻止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は鍵盤装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】電子ピアノなどの電子鍵盤楽器に用いら
れる鍵盤装置には、鍵を合成樹脂で1個ずつ射出成形し
て鍵盤シャーシにそれぞれ回動自在に取り付けた構造の
もの、あるいは複数個の鍵を一体成形して一度に鍵盤シ
ャーシに取り付けた構造のものなどがある。前者の鍵盤
装置は比較的高価格のものに使用され、後者の鍵盤装置
は比較的低価格のものに使用されている。この発明で
は、後者の低価格の鍵盤装置に関する。
【0003】この鍵盤装置の一例を図12に示す。この
鍵盤装置では、複数個の鍵(図では1個の白鍵のみを示
す)1、これらの鍵1の後端部に形成された薄肉のヒン
ジ部2、およびこれらヒンジ部2の後端部を連結する連
結部3を合成樹脂で一体成形することにより、一つの鍵
ユニット4を形成し、この鍵ユニット4の連結部3を鍵
盤シャーシ5にビスなどで取り付けた構造となってい
る。鍵1はヒンジ部2の弾性力により鍵盤シャーシ5の
上方にほぼ水平に保持され、通常は鍵1の先端側下部に
垂設されたほぼL字状のストッパ片6が鍵盤シャーシ5
に形成されたバカ孔7を通して鍵盤シャーシ5の下面に
設けられた帯状のフェルト8に当接することにより、所
定の初期位置(鍵1の上位置)に位置決めされている。
ストッパ片6の下方における鍵盤シャーシ5の上面に
は、鍵1の下限位置を規制するための帯状のフェルト9
が設けられている。また、鍵1の下面中央部には平面ほ
ぼ十字状のスイッチ押圧部10が設けられており、この
スイッチ押圧部10の下方にはゴムスイッチ11が配置
されている。ゴムスイッチ11は鍵盤シャーシ5の下面
に設けられた回路基板12上に設けられ、鍵盤シャーシ
5に形成されたバカ孔13を通して上方に突出されてい
る。ゴムスイッチ11は第1と第2のスイッチ部14、
15を備え、鍵1が押鍵されたときに鍵1の押鍵速度に
対応した時間差をもって第1と第2のスイッチ部14、
15が順次スイッチングするようになっている。
【0004】このような鍵盤装置では、鍵1が押鍵され
ると、鍵1はヒンジ部2を中心に下方に向けて回動し、
鍵1のスイッチ押圧部10がゴムスイッチ11を押圧し
て第1と第2のスイッチ部14、15を順次スイッチン
グした後、鍵1の下面がフェルト9に当接して鍵1の下
方への回動が阻止される。また、離鍵時にはヒンジ部2
およびゴムスイッチ11の復元力により、鍵1は上方に
向けて回動し、鍵1のストッパ片6がフェルト8に当接
することにより、元の初期位置に戻る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな鍵盤装置においては、鍵1を速い速度で強く押鍵し
たり、あるいは押鍵後さらに鍵1を押鍵したりすると、
鍵1の下限位置を規制するフェルト9またはゴムスイッ
チ11を中心に鍵1が回動しようとするため、本来鍵1
の回動中心である薄肉のヒンジ部2に異常な力、つまり
ヒンジ部2を逆向き(上向き)に湾曲させようとする大
きな力が加わり、ヒンジ部2が破損し易いという問題が
ある。特に、アコースティックピアノの鍵タッチ感に近
似した鍵タッチ感を得ることができるようにした鍵盤装
置では、鍵盤シャーシ5に回動自在に設けられた所定の
重量を有するハンマーアームがそれ自身の重量に抗して
鍵1の押鍵動作に伴って回動変位することにより、鍵1
に所定のアクション荷重を付与するようになっているの
で、上述したように鍵1を速い速度で強く押鍵したり、
あるいは押鍵後さらに鍵1を押鍵したりすると、鍵1の
下部に当接するハンマーアームの接触点を中心として鍵
1が回動しようとするため、上述と同様に鍵1のヒンジ
部2に異常な力が加わり、ヒンジ部2が破損し易いとい
う問題がある。この発明は、上記のような事情に鑑みて
なされたもので、簡単な構造で、部品点数が増えること
なく、薄肉のヒンジ部に大きな力が加わらないようにす
ることのできる鍵盤装置を提供することを目的としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明は、上述した目
的を達成するために、押鍵操作される複数の鍵本体、こ
れら鍵本体の後端部に形成された薄肉のヒンジ部、およ
びこれら薄肉のヒンジ部の後端同志を連結する連結部を
一体成形した鍵ユニットを、連結部を介して鍵盤シャー
シに固定した鍵盤装置において、薄肉のヒンジ部が形成
された鍵本体の後端部に第1係合部を一体に形成すると
ともに、鍵盤シャーシに第1係合部と係合する第2係合
部を一体に形成したことを特徴とする。
【0007】
【実施例】以下、図1〜図6を用いてこの発明の第1実
施例を詳細に説明する。この第1実施例に用いられる鍵
は1オクターブ分の鍵盤部が3つの鍵ユニットから構成
されている。すなわち、図3に示すように黒鍵ユニット
20と、第1の白鍵ユニット21と、第2の白鍵ユニッ
ト22とから1オクターブ分の鍵盤部が構成されてい
る。
【0008】黒鍵ユニット20は、断面がコ字状の5個
の黒鍵本体(図3では2個のみを示す)23を備えてい
る。各黒鍵本体23の後端部には薄肉のヒンジ部24が
連続して一体に形成されており、ヒンジ部24の後端部
には細長い帯状の連結部25が各ヒンジ部24と連続し
て一体に形成されている。黒鍵本体23の後端部には図
4および図5に示すように、断面T字状の補強用のリブ
26がヒンジ部24の基端部上に亘って一体的に形成さ
れている。黒鍵本体23の後端部の下面には図4および
図6に示すように、後方に向かって「し」字状に形成さ
れたフック(第1係合部)27がほぼ垂直下方に突設さ
れている。また、黒鍵本体23の後端部の裏面には黒鍵
本体23を横断する突条29が形成されており、補強用
のリブ26の近傍におけるヒンジ部24の基端部には図
5および図6に示すようにフック27を射出成形すると
きに金型の中子によってできる開口部28が形成されて
いる。細長い帯状の連結部25には後述する固定用のね
じ61が挿入する透孔30が3個形成されており、連結
部25の裏面には他の白鍵ユニット21、22との間で
位置決めを行うための突起31が形成されている。連結
部25の後端縁には後述する鍵盤シャーシ60に対して
黒鍵ユニット20を位置決めするための複数個の突起3
2が突設されている。黒鍵本体23の前端部にはL字状
の一対のストッパ片33が下方に向かって垂設されてい
る。これら一対のストッパ片33は後述するように黒鍵
本体23の上限位置と下限位置とを規制するものであ
る。以上のような構造を有する黒鍵ユニット20は合成
樹脂を射出成形することにより一体に成形されている。
【0009】第1の白鍵ユニット21は、4個の白鍵本
体(図3では2個のみを示す)40を備えている。白鍵
本体40は黒鍵本体23と同様に形成されている。すな
わち、白鍵本体40の後端部には薄肉のヒンジ部41が
連続して形成されており、ヒンジ部41の後端部には細
長い帯状の連結部42が各ヒンジ部41と連続して一体
に形成されている。白鍵本体40の後端部には断面T字
状の補強リブ43がヒンジ部41の基端部上に亘って一
体に形成されている。白鍵本体40の後端部の下面には
後方に向かって「し」字状に形成されたフック(第1係
合部)44がほぼ垂直下方に突設されている。また、白
鍵本体40の後端部の裏面には突条46が白鍵本体40
を横断して形成されており、補強リブ43の近傍におけ
るヒンジ部41の基端部には金型の中子によってできる
開口部45が形成されている。連結部42には固定用の
ねじ61が挿入する透孔47、および黒鍵ユニット20
の連結部25の突起32が挿入する位置決め用の透孔4
8がそれぞれ形成されている。連結部42の後端縁には
鍵盤シャーシ60に対して第1の白鍵ユニット21を位
置決めするための突起49が突設されている。白鍵本体
40の中間における裏面にも、L字状の一対のストッパ
片50が垂直に下方に向かって突設されている。これら
のストッパ片50は白鍵本体40の上限位置と下限位置
とを規制する。上述したような構造を有する第1の白鍵
ユニット21も合成樹脂を射出成形することにより一体
に成形されている。
【0010】第2の白鍵ユニット22は3個の白鍵本体
(図3では2個のみを示す)51を備えている。これら
の白鍵本体51は第1の白鍵ユニット21の各白鍵本体
40と平面形状が異なる以外は全く同じ構造となってい
る。このため、ここでは第1の白鍵ユニット21と同一
部分に同一符号を付し、その説明は省略する。
【0011】つぎに、図1および図2を参照して、上述
した黒鍵ユニット20、第1および第2の白鍵ユニット
21、22を用いた鍵盤装置について説明する。
【0012】これらの図において、60は板金製の鍵盤
シャーシである。この鍵盤シャーシ60の後端部上に
は、黒鍵ユニット20、第1および第2の白鍵ユニット
21、22が各連結部25、42、42を上から順に重
ね合わせた状態でねじ61によって取り付けられてい
る。すなわち、固定用のねじ61は、黒鍵ユニット2
0、第1および第2の白鍵ユニット21、22に形成さ
れた透孔30、47、47内を挿通してその先端が鍵盤
シャーシ60に螺合されている。この結果、各鍵ユニッ
ト20、21、22の各鍵本体23、40、40は、そ
れぞれヒンジ部24、41、41の弾性力により鍵盤シ
ャーシ60の上方にほぼ水平に配置され、且つヒンジ部
24、41、41を中心に上下方向に回動可能に保持さ
れている。
【0013】このように鍵盤シャーシ60に取り付けら
れた各鍵ユニット20、21、22の各鍵本体(ただ
し、図1および図2では第1の白鍵ユニット21の白鍵
本体40のみについて説明する。)は、そのフック44
が鍵盤シャーシ60に形成された開口部(第2係合部)
62内に挿入されて鍵盤シャーシ60の下側に突出し、
この突出したフック44の先端が開口部62の近傍の鍵
盤シャーシ60の下面に固定された緩衝材63の下面か
ら僅かな隙間sだけ離れて配置されている。また、白鍵
本体40の突条46は鍵盤シャーシ60の上面に固定さ
れた緩衝材64から上方に隙間hだけ離れて配置されて
いる。
【0014】白鍵本体40は後述するハンマーアーム7
0の作用により上方に付勢されているが、通常は、その
白鍵本体40の中間に設けられたL字状の一対のストッ
パ片50が鍵盤シャーシ60に形成されたバカ孔66を
通って鍵盤シャーシ60の下面に設けられた帯状のフェ
ルト67に当接することにより、所定の初期位置(上限
位置)に位置決めされている。また、ストッパ片50の
下方における鍵盤シャーシ60の上面には、白鍵本体4
0の下限位置を規制するための帯状のフェルト68が設
けられている。さらに、鍵盤シャーシ60の手前側の端
部には白鍵本体40の左右の横ぶれを阻止するための白
鍵ガイド69が垂直に突設されている。
【0015】白鍵本体40の下面中央部の下方にはハン
マーアーム70が配置されている。このハンマーアーム
70は鍵盤シャーシ60に形成された開口部71を通っ
て上側に延びる第1のリンクレバー72と、この第1の
リンクレバー72に連動して回動する第2のリンクレバ
ー73とで構成されている。
【0016】第1のリンクレバー72は、そのほぼ中間
が鍵盤シャーシ60に固定された支持部材74に軸75
を介して回動自在に軸承されている。この第1のリンク
レバー72は、鍵盤シャーシ60の開口部71を通して
上方に延びた上端部に白鍵本体40の側板の下端縁に当
接するパッド76が設けられ、このパッド76が押鍵時
に開口部71の側縁に設けられた緩衝材77に当接する
ことにより、押鍵時の回動量が規制されている。また、
第1のリンクレバー72の下端には軸78が設けられて
おり、この軸78の上方における第1のリンクレバー7
2の上面には十字状に形成された一対のスイッチ押圧部
79が形成されている。このように、第1のリンクレバ
ー72は、支持部材74の軸75から下側の長さが上側
の長さより長く、軸75よりも下側の方が重くなってい
るので、時計方向への回動習性が与えられている。
【0017】第2のリンクレバー73は、鍵盤シャーシ
60の下方に配置され、その中間部が鍵盤シャーシ60
の下面に垂下して設けられた支持部材80に軸81を介
して回動自在に軸承されている。この第2のリンクレバ
ー73の先端部には第1のリンクレバー72の下端部の
軸78が摺動可能に挿入する長孔82が形成されてい
る。また、第2のリンクレバー73の後端部には支持軸
83が後方に突出して設けられている。この支持軸83
には錘84が摺動自在に嵌合されており、支持軸83の
後端部にはストッパリング85が固定ねじ86によって
位置調整可能に固定されている。そして、錘84とスト
ッパリング85との間には錘84を第2のリンクレバー
73の回動支点である軸81に向けて付勢するコイルば
ね88が設けられている。この第2のリンクレバー73
は、錘84があっても押鍵されない状態では時計方向へ
の回動習性が与えられている第1のリンクレバー72に
よってほぼ水平状態に保たれている。
【0018】さらに、第1のリンクレバー72のスイッ
チ押圧部79の上方にはゴムスイッチ90が配置されて
いる。ゴムスイッチ90は、鍵盤シャーシ60の上面に
ねじ91により固定されたプリント基板92の下面に設
けられ、鍵盤シャーシ60に形成されたバカ孔を通して
鍵盤シャーシ60の下方に突出されている。このゴムス
イッチ90は第1および第2のスイッチ部93、94を
有し、白鍵本体40が押鍵されると、これらスイッチ部
93、94が白鍵本体40の押鍵速度に対応した時間差
をもって順次スイッチングし、これにより発生されるべ
き楽音の音量を指示するためのイニシャルタッチデータ
が得られるようになっている。
【0019】つぎに、以上のように構成された鍵盤装置
の動作について説明する。
【0020】非押鍵時においては図1に示すようにスト
ッパ片50がフェルト67に当接して、鍵本体40は上
限位置にある。また、第1のリンクレバー72は時計方
向への回動習性が与えられており、第2のリンクレバー
73は第1のリンクレバー72により反時計方向への回
動習性が与えられ、ほぼ水平状態にある。そして、第1
のリンクレバー72の上端のパッド76が鍵本体40の
下面に接し、鍵本体40を上方に押し上げている。この
状態では錘84はコイルばね88のばね力により第2の
リンクレバー73の回動支点に最も近い位置にある。
【0021】この状態で、白鍵本体40が弱く押鍵され
ると、白鍵本体40はヒンジ部41を少したわませて下
降し、パッド76が白鍵本体40と接したまま第1のリ
ンクレバー72が軸75を中心に図中反時計方向に回動
し、これに伴って第2のリンクレバー73は軸82を中
心として時計方向に回動する。この弱い押鍵時には、白
鍵本体40がヒンジ部41を少したわませて回動するの
で、ハンマーアーム70の第1のリンクレバー72は白
鍵本体40とともにゆっくり回動する。このため、ハン
マーアーム70側からの反力は小さく、白鍵本体40の
パッド76を回動中心とした図1中反時計方向の回動力
は小さく、ヒンジ部41を上方に向かって湾曲させる力
も小さい。このときには、ヒンジ部41の破損を防止す
るためのフック44は、ほとんど機能することがない。
このように第1のリングレバー72が回動してスイッチ
押圧部79がゴムスイッチ90を押圧すると、スイッチ
部93、94は白鍵本体40の押鍵速度に対応した時間
差をもって順次スイッチングし、イニシャルタッチデー
タを出力する。このようにゴムスイッチ90が押圧され
てストッパ片50が下限位置を規制するフェルト68に
当接した後、さらに白鍵本体40が押鍵された場合に
は、白鍵本体40がストッパ片50のフェルト68に対
する当接部、またはスイッチ押圧部79のゴムスイッチ
90に対する当接部、あるいは白鍵本体40に当接する
第1のリンクレバー72のパッド76のいずれかを中心
として、白鍵本体40が反時計方向に回動しようとする
が、このときには、フック44の先端が緩衝材71を介
して開口部62の近傍の鍵盤シャーシ60の下面に係合
するため、ヒンジ部41を湾曲させようとする強い力を
フック44と鍵盤シャーシ60の下面とで受け止め、ヒ
ンジ部41が湾曲するのを阻止し、ヒンジ部41の破損
を防止する。
【0022】なお、この弱い押鍵時には第1および第2
のリンクレバー72、73は低速で回動されるため、錘
84に作用する遠心力は小さく、かつ錘84がコイルば
ね88により付勢されて軸82に最も接近した状態で第
2のリンクレバー73が時計方向に回動される。したが
って、軸82から錘84の重心までの距離は短く、第2
のリンクレバー73が回動されても、錘84の存在によ
る慣性モーメントは小さい。この慣性モーメントが第1
のリンクレバー72を介して白鍵本体40の回動に対し
て抵抗力となって伝わり、これが白鍵本体40に対する
荷重となる。この結果、指先には軽い鍵タッチ感が得ら
れる。また、離鍵時には錘84は第2のリンクレバー7
3の回動支点である軸82に近い位置にあるため、振り
子の紐が短いときと同じ原理で、第2のリンクレバー7
3は速く戻り、第2のリンクレバー73と連動関係にあ
る第1のリンクレバー72および白鍵本体40も速く戻
る。
【0023】一方、強く押鍵した場合には、白鍵本体4
0の下端面が第1のリンクレバー72の上端のパッド7
6を強い力で押圧することになる。このときには、第2
のリングレバー73の錘64の自重により、ハンマーア
ーム70はその静止位置に引き続き停止していようとす
るため、瞬間的ではあるが、白鍵本体40がパッド76
と白鍵本体40の下端面との当接部分を中心として、図
1中反時計方向に急激に回動されることとなる。このと
き、ヒンジ部41にはこれを上側に湾曲させようとする
強い力が加わろうとするが、フック44の先端が緩衝材
71を介して開口部62の近傍の鍵盤シャーシ60の下
面に係合するため、ヒンジ部41を湾曲させようとする
強い力をフック44と鍵盤シャーシ60の下面とで受け
止め、ヒンジ部41が湾曲するのを阻止し、ヒンジ部4
1の破損を防止する。
【0024】なお、この強い押鍵時には、第1および第
2のリンクレバー72、73が高速度で回動されるた
め、錘64は遠心力によりコイルばね88を圧縮させて
軸62から離れる方向に移動し、この錘64の移動と共
に第1および第2のリンクレバー72、73が回動され
る。このため、慣性モーメントが増大し、白鍵本体40
に作用する荷重は増大する。この結果、押鍵の初期段階
で指に受ける荷重が急激に重くなると言うアコースティ
ックピアノに近似した鍵タッチ感が得られる。また、離
鍵時には、コイルばね88の力により錘68が第2のリ
ンクレバー73の回動支点である軸62に最も近い位置
に戻されるので、第1および第2のリンクレバー72、
73は速く元に戻る。これにより、白鍵本体40も、ヒ
ンジ部41の弾性力により元の静止位置まで戻り、白鍵
本体40に形成したストッパ片50が上限ストッパ43
に当接して停止される。
【0025】なお、上述した動作説明は、第1の白鍵ユ
ニット22の白鍵本体40についてのみ説明したが、黒
鍵ユニット20の黒鍵本体23および第2の白鍵ユニッ
ト22の白鍵本体40の動作についても全く同様であ
る。
【0026】このように、上述した鍵盤装置では、ヒン
ジ部41が形成された白鍵本体40の後端部の下面に
「し」字状のフック44を一体に形成し、このフック4
4の先端を鍵盤シャーシ60の開口部62を通して下方
に突出させ、この突出したフック44の先端を開口部6
2の近傍の鍵盤シャーシ60の下面に隙間sをもって係
合させたので、特殊な別部材を用いずに、既存の部品の
みで、ヒンジ部41に異常な力が作用するのを阻止する
ことができ、構造が極めて簡単である。また、この鍵盤
装置では、白鍵本体40の先端部の裏面に白鍵本体40
を横断する突条56が形成されているので、白鍵本体4
0の基端部の上面に異常に強い力が加わった場合には、
突条56が鍵盤シャーシ60の上面に緩衝材72を介し
て押し当たるため、ヒンジ部41を下方に向かって押し
曲げようとする力を阻止することができ、ヒンジ部41
の破損を防止できる。
【0027】つぎに、図7および図8を参照して、この
発明の第2実施例を説明する。この第2実施例はハンマ
ーアーム70を備えていない構造の鍵盤装置である。こ
の鍵盤装置の鍵盤部は上述した第1実施例と同様に黒鍵
ユニット、第1および第2の白鍵ユニットの3つの鍵ユ
ニットによって構成されている。各鍵ユニットは鍵本体
の形状が異なる以外はほぼ同じ構造となっており、ここ
では第1の白鍵ユニット100についてのみ説明する。
【0028】白鍵ユニット100は断面がコ字状の白鍵
本体101を複数個(図7では1個のみ示す。)備えて
いる。白鍵本体101の後端部には薄肉のヒンジ部10
2が後方へ突出して形成されているとともに、後端部に
おける下面には矩形状の係合枠(第1係合部)103が
ほぼ垂直下方に向けてされて形成されている。ヒンジ部
102の後端部には細い帯状の連結部104が各ヒンジ
部102と連続して一体に形成されている。また、白鍵
本体101の前端側下部にはL字状の一対のストッパ片
105が下方に向けて垂設されている。白鍵本体101
の上限位置と下限位置とを規制するためのものである。
さらに、白鍵本体101の中間における下面には十字状
の一対のスイッチ押圧部106が垂設されている。この
ような構造の白鍵ユニット100は合成樹脂を射出成形
することにより一体に形成されている。
【0029】上述した白鍵ユニット100は板金製の鍵
盤シャーシ110上に黒鍵ユニットおよび第2の白鍵ユ
ニットと共に取り付けられる。すなわち、鍵盤シャーシ
110の後端部上には、第1の白鍵ユニット100の連
結部104が黒鍵ユニットおよび第2の白鍵ユニットの
各連結部と重ね合わされた状態で配置されたうえ、ねじ
111によって取り付けられている。この場合、白鍵ユ
ニット100の鍵本体101は、ヒンジ部102の弾性
力により鍵盤シャーシ110の上方にほぼ水平に配置さ
れ、且つヒンジ部102を中心に上下方向に回動可能に
保持されている。なお、黒鍵ユニットの黒鍵本体および
第2の白鍵ユニットの白鍵本体も同様に保持されてい
る。
【0030】このように白鍵ユニット100が取り付け
られる鍵盤シャーシ110の後端部側の立上り部には、
白鍵本体101の係合枠103内に挿入する突出部(第
2係合部)112が切り起こしによって形成されてお
り、この突出部112の下面には緩衝材113が係合枠
103の底部から僅かな隙間sだけ離れて設けられてい
る。また、鍵盤シャーシ110の前端側下面には、白鍵
本体101のストッパ片105が鍵盤シャーシ110の
バカ孔114を通して当接することにより、白鍵本体を
所定の初期位置(上限位置)に位置決めするフェルト1
15が設けられている。このフェルト115と対応する
鍵盤シャーシ110の上面には、押鍵された際に白鍵本
体101のストッパ片105が当接して白鍵本体101
の下限位置を規制するフェルト116が設けられてい
る。
【0031】白鍵本体101のスイッチ押圧部106の
下方にはゴムスイッチ120が配置されている。ゴムス
イッチ120は、鍵盤シャーシ110の上面にねじなど
によって固定されたプリント基板121の上面に設けら
れ、鍵盤シャーシ110に形成されたバカ孔117を通
して鍵盤シャーシ110の上方に突出されている。この
ゴムスイッチ120は第1および第2のスイッチ部12
2、123を有し、白鍵本体101が押鍵されると、こ
れらスイッチ部122、123が白鍵本体101の押鍵
速度に対応した時間差をもって順次スイッチングし、こ
れによりイニシャルタッチデータが得られるようになっ
ている。
【0032】このような鍵盤装置では、白鍵本体101
が押鍵されると、ヒンジ部102が撓んで白鍵本体10
1が下方に向けて回動し、スイッチ押圧部106がゴム
スイッチ120を押圧するので、第1、第2のスイッチ
部122、123が押鍵速度に対応した時間差をもって
順次スイッチングしてイニシャルタッチデータを出力す
る。このように白鍵本体101が押鍵された後、さらに
白鍵本体101が押鍵された場合には、ストッパ片10
5と下限位置を規制するフェルト116との当接部、ま
たはスイッチ押圧部106とゴムスイッチ120の当接
部のいずれかを支点として、白鍵本体101が回動しよ
うとするが、白鍵本体101は係合枠103の底部が鍵
盤シャーシ110の突出部112に緩衝材113を介し
て当接するため、ヒンジ部102に異常な力が加わるこ
とがなく、ヒンジ部103の破損を防止することができ
る。また、白鍵本体101を強く押鍵したときも同様
に、係合枠103の底部が鍵盤シャーシ110の突出部
112に緩衝材113を介して当接するため、ヒンジ部
102に異常な力が加わることがなく、ヒンジ部103
の破損を防止することができる。
【0033】なお、上述した第2実施例では、白鍵本体
101の後端部に矩形状の係合枠103を設け、鍵盤シ
ャーシ110に係合枠103内に挿入する突出部112
を設けたが、これに限らず、図9に示すように構成して
もよい。すなわち、ヒンジ部102が設けられた白鍵本
体101の後端部の下面に、第1実施例と同じ「し」字
状のフック44を垂直下方に突設し、鍵盤シャーシ11
0に第1実施例と同じ開口部118を形成し、この開口
部118内にフック107を上方より挿通して下側に突
出させ、この突出したフック107の先端を開口部11
8の近傍の鍵盤シャーシ110の下面に所定の隙間sを
もって当接可能に配置した構造となっている。このよう
な鍵盤装置においても、通常の押鍵時にはヒンジ部10
2が撓んで白鍵本体101が回動してスイッチングを行
うが、強く押鍵したり、あるいは押鍵後にさらに押鍵し
たりしたときには、ストッパ片105と下限位置を規制
するフェルト116との当接部、またはスイッチ押圧部
106とゴムスイッチ120の当接部のいずれかを支点
として、白鍵本体101が回動しようとすると、フック
107が開口部118の近傍の鍵盤シャーシ110の下
面に当接するので、ヒンジ部102に異常な力が加わる
ことがなく、ヒンジ部102の破損を防止することがで
きる。
【0034】また、この発明は上述した各実施例に限定
されるものではなく、例えば図10および図11示す第
3実施例のように構成してもよい。すなわち、この第3
実施例では、鍵盤シャーシ130に一対のフック(第2
係合部)131を形成し、鍵本体140に一対の切欠部
(第1係合部)141を形成した構造である。一対のフ
ック131は鍵盤シャーシ130の一部を切り起こし、
この上端部を二股状に分けて、その各先端を後端側に向
かって直角に折り曲げた構造となっている。また、一対
の切欠部141は図10に示すようにT字状の補強用の
リブ142の個所におけるヒンジ部143の軸線方向に
沿った壁部の両側に形成されて、一対のフック131が
それぞれ下方より挿通して上方に突出し、この突出した
フック131の上端が切欠部141の近傍の上面に当接
可能に少し離れて設けられている。このような構造を採
用しても、前述した各実施例と同様にヒンジ部143に
異常な力が加わるのを防ぐことができ、ヒンジ部143
の破損を防止することができる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、薄肉のヒンジ部が形成された鍵本体の後端
部に第1係合部を一体に形成するとともに、鍵盤シャー
シに第1係合部と係合する第2係合部を一体に形成した
ので、簡単な構造で、部品点数が増えることなく、薄肉
のヒンジ部に大きな力が加わらないようにすることがで
き、ヒンジ部の破損を防止することができる。また、請
求項2記載の発明によれば、押鍵時にハンマーアームを
回動変位させる分、薄肉のヒンジ部にさらに大きな力が
加わった場合でも、そのヒンジ部の破損を未然に防止す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例の鍵盤装置を示す断面
図。
【図2】図1の鍵本体を押鍵した状態を示す断面図。
【図3】鍵盤部の分解斜視図。
【図4】白鍵本体の要部の斜視図。
【図5】図4の平面図。
【図6】図4の底面図。
【図7】この発明の第2実施例の鍵盤装置の断面図。
【図8】図7のA−A拡大断面図。
【図9】第2実施例の変形例を示す断面図。
【図10】この発明の第3実施例の要部を示す一部破断
側面図。
【図11】図10の分解斜視図。
【図12】従来の鍵盤装置を示す断面図。
【符号の説明】
20 黒鍵ユニット 21、100 第1の白鍵ユニット 22 第2の白鍵ユニット 23 黒鍵本体 24、41、102、143 ヒンジ部 25、42、104 連結部 27、44、107、131 フック 40、101 白鍵本体 60、110、130 鍵盤シャーシ 62、118 開口部 70 ハンマーアーム 103 係合枠 112 突出部 140 鍵本体 141 切欠部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 押鍵操作される複数の鍵本体、これら鍵
    本体の後端部に形成された薄肉のヒンジ部、およびこれ
    ら薄肉のヒンジ部の後端同志を連結する連結部を一体成
    形した鍵ユニットを、前記連結部を介して鍵盤シャーシ
    に固定した鍵盤装置において、 前記薄肉のヒンジ部が形成された前記鍵本体の後端部に
    第1係合部を一体に形成するとともに、前記鍵盤シャー
    シに前記第1係合部と係合する第2係合部を一体に形成
    したことを特徴とする鍵盤装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記鍵盤シャーシ上
    に、前記鍵本体の押鍵動作に伴って回動変位して前記鍵
    本体にアクション荷重を付与するためのハンマーアーム
    を備えていることを特徴とする鍵盤装置。
JP3262629A 1990-10-30 1991-09-17 鍵盤装置 Pending JPH0511747A (ja)

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JP11314790 1990-10-30
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102456338A (zh) * 2010-11-01 2012-05-16 卡西欧计算机株式会社 键盘装置
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