JPH05117427A - 農業用塩化ビニル系樹脂フイルム - Google Patents

農業用塩化ビニル系樹脂フイルム

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JPH05117427A
JPH05117427A JP3284863A JP28486391A JPH05117427A JP H05117427 A JPH05117427 A JP H05117427A JP 3284863 A JP3284863 A JP 3284863A JP 28486391 A JP28486391 A JP 28486391A JP H05117427 A JPH05117427 A JP H05117427A
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JP
Japan
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film
vinyl chloride
chloride resin
weight
coating
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JP3284863A
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Kazuya Kinoshita
一也 木下
Masanori Kanayama
賢教 金山
Atsushi Obayashi
厚 大林
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Mitsubishi Kasei Vinyl Co
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Vinyl Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 防塵性及び耐久性にすぐれた農業用塩化ビニ
ル系樹脂フィルムの提供。 【構成】 紫外線吸収剤を含有する塩化ビニル系樹脂フ
ィルムの少くとも片面に、特定のアクリル系単量体混合
物を重合させて得られる、重量平均分子量が25〜40
万のアクリル系樹脂の被膜を形成した農業用フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は農業用塩化ビニル系樹脂
フィルムに関する。更に詳しくは屋外での展張時にひき
起こされる変色、脆化、防塵性の低下などの好ましくな
い現象を防止し、耐久性を改良した農業用塩化ビニル系
樹脂フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、農業用ハウス又はトンネルの被覆
資材として使用される塩化ビニル系樹脂フィルムの、太
陽光線などによる光劣化現象を防止する目的で、基体の
塩化ビニル系樹脂に紫外線吸収剤及び/又は酸化防止剤
を添加配合し、フィルム化する技術が広く採用されてい
る(例えば、特公昭48−37459号公報、特公昭5
3−47383号公報等を参照)。この方法によれば、
フィルムの劣化を促進する有害な光線が、フィルムを透
過する際に、入射側から反対側に進むに従って、徐々に
吸収され、弱められる。この際、フィルムの光線が入射
する側は有害光線により害を受けることになり、フィル
ムの耐候性を充分に改良することができないという欠点
があった。
【0003】一方、従来の経験からすると、農業用に使
用される軟質塩化ビニル系樹脂フィルムは、展張使用さ
れる地域、場所等によって程度の差はあるが、使用を開
始してから2年も経過すると、ハウスまたはトンネルの
外側に位置している面の防塵性が著しく低下し、使用に
耐えられなくなる。上記欠点を排除する方法として、特
公昭47−28740号公報、特公昭50−31195
号公報、特開昭56−99237号公報、特公昭56−
99665号公報等に記載されているように、特定のア
クリル系樹脂の被膜を、基体の塩化ビニル系樹脂フィル
ムの片面又は両面に形成する方法がある。さらに、特開
昭51−70282号公報には、紫外線吸収剤を配合し
た特定組成のアクリル系樹脂の被膜を、基体のフィルム
表面に形成する手法が記載されている。しかし、これら
手法に用いられる組成のアクリル系樹脂は、特に夏季の
外気温が高い時期に基体フィルムに配合されている添加
剤が被膜を通して表面に移行し、流し去られ消失してし
まうのを、完全に抑制することは困難であり、フィルム
を長期間屋外で展張して使用するには未だ問題があっ
た。
【0004】そこで、さらに上記欠点を改良するため
に、特開昭56−53070号公報、特開昭57−70
031号公報、特開昭57−163568号公報等に記
載されているように、塩化ビニル系樹脂フィルムの少な
くとも一方の表面を、カチオン重合系のエネルギー線硬
化性樹脂組成物で被覆する方法が提案されている。しか
し、この方法に従ってカチオン重合系のエネルギー線硬
化性樹脂組成物として好ましく使用されるエポキシ系樹
脂組成物は、これから形成される被膜が耐候劣化をうけ
やすく、充分に所期の目的を達し得ないという欠点があ
った。
【0005】又、特開昭61−215630は、アクリ
ル系樹脂の分子量及び分子量分布に着目したものであ
り、実施例によれば12ケ月程度迄の展張においては初
期性能がほぼ維持されており、前記した各種のフィルム
に比べれば優れていると考えられるが、更に長期の展張
を行った場合には諸性能が低下し、未だ十分満足し得る
ものではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らはかかる状
況にあって屋外での展張によって引き起こされる変色、
脆化、防塵性の低下などの好ましくない劣化現象が大幅
に改善され、耐久性を向上させた農業用塩化ビニル系樹
脂フィルムを提供することを目的として鋭意検討した結
果、本発明を完成するに至ったものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の問題点は、本発明
に係る農業用塩化ビニル系樹脂フィルムを使用すること
により解決される。すなわち、本発明の要旨は紫外線吸
収剤を含有する塩化ビニル系樹脂フィルムの少なくとも
片面に、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート化合
物5〜40重量%、分子内に少くとも1個のカルボキシ
ル基を有するα,β−不飽和カルボン酸化合物0.1〜
15重量%、及びこれら化合物と共重合可能な他のビニ
ル系化合物を含む単量体混合物を共重合して得られる、
重量平均分子量25万〜40万のアクリル系樹脂の被膜
が形成されてなることを特徴とする農業用塩化ビニル系
樹脂フィルムに存する。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて塩化ビニル系樹脂とは、ポリ塩化ビニルのほか、
塩化ビニルが主成分を占める共重合体を含む、塩化ビニ
ルと共重合しうる単量体化合物としては、塩化ビニリデ
ン、エチレン、プロピレン、アクリロニトリル、マレイ
ン酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビ
ニル等があげられる。これら塩化ビニル系樹脂は、乳化
重合法、懸濁重合法、溶液重合法、塊状重合法等の従来
公知の製造法のうち、いずれの方法によって製造された
ものであってもよい。
【0009】上記基体となる塩化ビニル系樹脂には、柔
軟性を付与するために、この樹脂100重量部に対し
て、20〜60重量部の可塑剤が配合される。可塑剤の
配合量を上記範囲とすることにより、目的の塩化ビニル
系樹脂フィルムに、すぐれた柔軟性と機械的性質を付与
させることができる。可塑剤としては、例えば、ジーn
−オクチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレ
ート、ジベンジルフタレート、ジイソデシルフタレー
ト、ジドデシルフタレート、ジウンデシルフタレート等
のフタル酸誘導体;ジオクチルフタレート等のイソフタ
ル酸誘導体;ジ−n−ブチルアジペート、ジオクチルア
ジペート等のアジピン酸誘導体;ジ−n−ブチルマレー
ト等のマレイン酸誘導体;トリ−n−ブチルシトレート
等のクエン酸誘導体;モノブチルイタコネート等のイタ
コン酸誘導体;ブチルオレエート等のオレイン酸誘導
体;グリセリンモノリシノレート等のリシノール酸誘導
体;その他、トリクレジルホスフェート、トリキシレニ
ルホスフェート等のリン酸エステル系可塑剤、エポキシ
化大豆油、エポキシ樹脂系可塑剤等があげられる。
【0010】本発明に係わる農業用塩化ビニル系樹脂フ
ィルムには、紫外線吸収剤を配合する。使用しうる紫外
線吸収剤は、特に種類は問わないがベンゾフェノン系紫
外線吸収剤又はベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が好
ましく、具体的には次のようなものがあげられる。
【0011】ベンゾフェノン系紫外線吸収剤──2−ヒ
ドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒ
ドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オ
クトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキ
シ−2′−カルボキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒ
ドロキシ−4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、2−
ヒドロキシ−4−ベンゾイルオキシベンゾフェノン、
2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノ
ン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホンベン
ゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベ
ンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4,4′−ジ
メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−5−クロル
ベンゾフェノン、ビス−(2−メトキシ−4−ヒドロキ
シ−5−ベンゾイルフェニル)メタン。
【0012】ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤──2
−(2′−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベン
ゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチ
ルフェニル)−5−カルボン酸ブチルエステルベンゾト
リアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフ
ェニル)−5,6−ジクロルベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)−5−エ
チルスルホンベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロ
キシ−5′−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾ
トリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−t−ブ
チルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒド
ロキシ−5′−アミノフェニル)ベンゾトリアゾール、
2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジメチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−
3′,5′−ジメチルフェニル)−5−メトキシベンゾ
トリアゾール、2−(2′−メチル−4′−ヒドロキシ
フェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ステアリ
ルオキシ−3′,5′−ジメチルフェニル)−5−メチ
ルベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5−
カルボン酸フェニル)ベンゾトリアゾールエチルエステ
ル、2−(2′−ヒドロキシ−3′−メチル−5′−t
−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−
ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル)−
5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキ
シ−3′−t−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−
クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−
5′−メトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−
(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェ
ニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−
ヒドロキシ−5′−シクロヘキシルフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−4′,5′−ジ
メチルフェニル)−5−カルボン酸ベンゾトリアゾール
ブチルエステル、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′
−ジクロルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′
−ヒドロキシ−4′,5′−ジクロルフェニル)ベンゾ
トリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−
ジメチルフェニル)−5−エチルスルホンベンゾトリア
ゾール、2−(2′−ヒドロキシ−4′−オクトキシフ
ェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ
−5′−メトキシフェニル)−5−メチルベンゾトリア
ゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニ
ル)−5−カルボン酸エステルベンゾトリアゾール、2
−(2′−アセトキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾ
トリアゾール。
【0013】上記紫外線吸収剤の基体フィルムへの配合
量は、基体の塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、
0.02〜8重量部の範囲とする。0.02重量部より
少ないときは、農業用塩化ビニル系樹脂フィルムの耐候
性が、充分に優れたものとならないので好ましくない。
他方、8重量部より多いときは、フィルム使用時に他の
樹脂添加物とともにフィルム表面に噴き出したりすると
いう問題がおこり、好ましくない。上記範囲のうち、
0.1〜3重量部の範囲が特に好ましい。
【0014】また、前記塩化ビニル系樹脂には、上記可
塑剤、紫外線吸収剤のほかに、必要に応じて、農業用フ
ィルムに通常配合される公知の樹脂添加物、例えば、防
曇剤、防霧剤、光安定剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑
剤、界面活性剤、顔料、無機フィラー、染料等を配合す
ることができる。これら樹脂添加物は、通常の配合量、
例えば塩化ビニル系樹脂100重量部に対し、10重量
部以下で使用することができる。
【0015】基体となる塩化ビニル系樹脂に、紫外線吸
収剤、可塑剤、または必要に応じて上記の樹脂添加物を
配合するには、通常の配合または混合技術を採用すれば
よい。具体的には、例えばリボンブレンダー,バンバリ
ーミキサー,スーパーミキサーまたはその他の配合機も
しくは、混合機を使用する方法を採用することができ
る。
【0016】このようにして得られた軟質塩化ビニル系
樹脂の組成物から基体フィルムを製造するには、通常行
なわれているフィルム製造法、例えばカレンダー成形
法、押出成形法、インフレーション成形法などを適宜採
用することができる。基体フィルムの厚さは、余り薄い
と強度が不充分となるので好ましくなく、逆に余り厚す
ぎるとフィルム化作業、その後の取り扱い等に不便をき
たすので、0.03〜0.3mmの範囲、好ましくは
0.05〜0.2mmの範囲とするのがよい。
【0017】本発明に係る農業用塩化ビニル系樹脂フィ
ルムは、基体フィルムの片面または両面に重量平均分子
量が25万〜40万の特定のアクリル系樹脂の被膜が形
成されてなることを特徴とするものである。アクリル系
樹脂の重量平均分子量が25万未満ではこのような樹脂
から形成される被膜は、充分な防塵効果が発揮できない
ばかりか屋外での展張によってひき起こされる変色への
効果が不充分で好ましくない。又、逆にアクリル系樹脂
の重量平均分子量が40万を超えるとこのような樹脂か
ら形成される被膜は可撓性が充分でなく又、耐久性への
効果も充分発揮できないので好ましくない。
【0018】本発明において、ヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレート化合物は得られるアクリル系樹脂が有
機溶媒に溶け易くし、アクリル系樹脂と基体塩化ビニル
系樹脂フィルムとの密着性の向上に大きく寄与する成分
である。このヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート
類のアクリル系樹脂中で占める割合が5重量%より少な
い場合は有機溶剤との溶解性、基体フィルムとの密着性
を充分に発揮し得ないので好ましくない。逆に40重量
%より多い場合にはコスト高となりコスト上昇に比べて
得られる効果は大きくないので好ましくない。
【0019】α,β−不飽和カルボン酸化合物は、ヒド
ロキシアルキル(メタ)アクリレート類と併用するとア
クリル系樹脂と基体塩化ビニル系樹脂フィルムとの密着
性を向上し、更にはフィルム表面にしみ出てくる可塑剤
の移行性を抑制する作用に大きく寄与する成分である。
これら化合物の使用量が0.1重量%より少ない場合は
基体フィルムとの密着性及び可塑剤移行抑制効果を充分
に発揮し得ないので好ましくない。逆に15重量%を超
えるとフィルム同士が付着し合う性質が強化されるので
好ましくない。
【0020】ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート
類としては、ヒドロキシメチルアクリレート、ヒドロキ
シメチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリ
レート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒ
ドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピ
ルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレー
ト、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒド
ロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタ
クリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−
ヒドロキシブチルメタクリレート、2−ヒドロキシペン
チルアクリレート、2−ヒドロキシペンチルメタクリレ
ート、6−ヒドロキシヘキシルアクリレート、6−ヒド
ロキシヘキシルメタクリレート等があげられる。
【0021】分子内に1個もしくは2個以上のカルボキ
シル基を含むα,β−不飽和カルボン酸化合物として
は、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン
酸、アコニット酸、クロトン酸、α−メチレンクルタロ
酸等があげられる。前記化合物と共重合可能な他のビニ
ル系化合物としては、メチルアクリレート、エチルアク
リレート、n−プロピルアクリレート、1−プロピルア
クリレート、n−ブチルアクリレート、1−ブチルアク
リレート、シクロヘキシルアクリレート、2−エチルヘ
キシルアクリレート、デシルアクリレート、ドデシルア
クリレート、トリデシルアクリレート、ステアリルアク
リレート等のようなアクリル酸のC1 〜C22のアルキル
エステル類;メチルメタクリレート、エチルメタクリレ
ート、n−プロピルメタクリレート、1−プロピルメタ
クリレート、n−ブチルメタクリレート、1−ブチルメ
タクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−エ
チルヘキシルメタクリレート、デシルメタクリレート、
ドデシルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、
ステアリルメタクリレート等のようなメタクリル酸のC
1 〜C22のアルキルエステル類;スチレン、アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン
酸ビニル、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−ブ
トキシアクリロアミド、N−ブトキシメタクリロアミド
などをあげることができる。
【0022】塩化ビニル系樹脂フィルムの片面又は両面
に被膜を形成するためのアクリル系樹脂は、上記単量体
を所定量組み合せて有機溶媒とともに重合缶に仕込み、
重合開始剤、必要に応じて分子量調節剤を加えて、攪拌
しつつ加熱し、重合する。この際、使用しうる重合開始
剤としては、α,α−アゾビスイソブチロニトリル、ベ
ンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイ
ド等のラジカル生成触媒があげられ、分子量調節剤とし
てはブチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、
tert−ドデシルメルカプタン、β−メルカプトエタ
ノール等があげられる。
【0023】塩化ビニル系樹脂フィルムの片面又は両面
に形成するアクリル系樹脂の被膜は、アクリル系樹脂を
有機溶媒に溶解して塗布するのがよい。有機溶媒として
は、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノー
ル、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタ
ノール、tert−ブタノール、n−アミルアルコー
ル、イソアミルアルコール、tert−アミルアルコー
ル、n−ヘキシルアルコール、シクロヘキサノール等の
アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジイソブチルケ
トン等のケトン類、その他酢酸エチル、酢酸ブチル、テ
トラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジアセトン
アルコール、ヘキサン、トルエン、キシレン等があり、
これらは1種もしくは2種以上混合して使用することが
できる。
【0024】上記被覆組成物を塗布し軟質塩化ビニル系
樹脂基体フィルム表面に被膜を形成するには、一般に公
知の各種方法が適用される。例えば、溶液状態で被膜を
形成する場合は、ドクターブレードコート法、グラビア
ロールコート法、エヤナイフコート法、リバースロール
コート法、デイプコート法、カーテンロールコート法、
スプレイコート法、ロッドコート法等の塗布方法が用い
られる。また、溶液状態とせず上記被覆組成物を単独の
被膜として形成する場合は、共押出し法、押出しコーテ
ィング法、押出しラミネート法、ラミネート法が用いら
れる。
【0025】被膜形成法として、塗布方式を用いた場合
の溶剤の乾燥方法としては、例えば自然乾燥法、熱風乾
燥法、赤外線乾燥法、遠赤外線乾燥法等があるが、乾燥
速度、安全性を勘案すれば熱風乾燥法が有利である。こ
の場合の温度条件は50〜150℃の範囲とし、時間は
10秒〜15分の間で選ぶのがよい。上記被覆組成物を
軟質塩化ビニル系樹脂基体フィルムの表面に塗布して被
膜とする場合の塗布量は、塗布方式で、乾燥固化後の量
として、0.1g/m2 〜10g/m2 の範囲とするの
が好ましい。0.1g/m2 より少ないと、軟質塩化ビ
ニル系樹脂フィルム中の可塑剤の表面移行を防止する効
果が不充分である。また、10g/m2 以上であると、
被覆量が多過ぎて、経済的に不利となり、フィルム自体
の機械的強度が低下することがある。したがって、通常
は、0.5g/m2 〜5g/m2 の範囲が最も好まし
い。
【0026】なお、上記被覆組成物を被覆する前に、軟
質塩化ビニル系樹脂フィルムの表面を予め、アルコール
または水で洗浄したり、プラズマ放電処理、あるいはコ
ロナ放電処理したり、他の塗料あるいはプライマーを下
塗りする等の前処理を施しておいてもよい。本発明に係
る農業用塩化ビニル系樹脂フィルムを実際に農業用に使
用するにあたっては、被膜が片面のみに形成されている
ときは、この被膜の設けられた側を、ハウスまたはトン
ネルの外側となるようにして使用する。
【0027】本発明のフィルムに用いるアクリル系樹脂
は、原料モノマーの組成は特開昭61−215630の
フィルムの実施例に類似しているが、分子量の点で異な
る。この相異により、フィルムの柔軟性維持の面ではほ
ぼ同等であるものの、他の諸性能維持の面では、殊に2
年のような長期展張の場合に大きな差が出る。この理由
は必ずしも審かではないが、防塵性の低下や外観不良の
原因となる、可塑剤及びその他の各種配合剤のフィルム
表面への拡散、浸出は、ポリマー分子のからみ合いの状
況により大きく影響を受けるものであり、このからみ合
いの状況が、本発明のような原料モノマー組成を有する
特定のアクリル系樹脂においては、分子量20万程度の
場合と25万以上の場合とで相当に異なるためではない
かと推察される。かかる相異によって、分子量25万以
上の場合には配合剤の表面への拡散が、20万程度の場
合に比べて顕著に抑制され、結果として、より長期の防
塵性と耐候性が得られるのではないか、と考えられる。
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例にもとづいて詳細に説
明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の例
に限定されるものではない。 実施例1〜5、比較例1〜5基体フィルムの調製 ポリ塩化ビニル(P=1400) 100重量部 ジオクチルフタレート 50 〃 エピコート828(エポキシ化合物、 米国シェル社製商品名) 1 〃 トリクレジルホスフェート (リン酸エステル系可塑剤) 5 〃 Ba/Zn系複合安定剤 1.5 〃 ステアリン酸バリウム(安定剤) 0.2 〃 ステアリン酸亜鉛 0.4 〃 ソルビタンモノパルミテート 1.5 〃 よりなる樹脂組成物を準備し、第1表に示した種類及び
量の紫外線吸収剤を配合した。ただし、比較例3にあっ
ては、配合しなかった。各配合物を、スーパーミキサー
で10分間攪拌混合したのち、180℃に加温したミル
ロール上で混練し、厚さ0.15mmの基体フィルムを
調製した。
【0029】アクリル系樹脂の調製 温度計、攪拌機、還流冷却器および仕込用ノズルを備え
た反応器にアクリル系化合物を第1表に示した種類及び
量で加え、更にベンゾイルパーオキサイド1重量部、イ
ソプロピルアルコール150重量部を加えて、窒素ガス
気流中で攪拌しつつ80℃で反応時間を変えることで分
子量を調整しアクリル系樹脂溶液を得た。
【0030】被膜の形成 第1表に示した各々のアクリル樹脂溶液を固形分が20
重量%となるようにイソプロピルアルコールを加えて被
膜組成物を得た。前記の方法で調製した基体フィルムの
片面に、上記被膜組成物を、#5バーコーターを用いて
各々塗布した。塗布したフィルムを130℃のオーブン
中にて1分間保持して、溶剤を揮散させ、厚さ2ミクロ
ンの被膜を形成させた。
【0031】フィルムの評価 以下の方法によってフィルムの性能を評価し、その結果
を第2表に示す。 被膜の柔軟性 各フィルムを、幅5cm、長さ15cmに切断し、長さ
方向に対して直角の方向に、2cmの間隔で交互に折り
返した。この状態で、上から2kgの荷重をかけ、15
℃に保持した恒温槽内に24時間放置した。ついで、荷
重をとり、フィルムの折り目をのばして、被膜の外観を
肉眼で観察した。結果を、第1表に示す。この試験での
評価基準は、次のとおりである。 ◎・・・折り目部分の被膜に変化が全く認められないも
の。 △・・・折り目部分の被膜に、クラックが認められるも
の。 ×・・・折り目部分の被膜に、クラックが著しく認めら
れるもの。
【0032】屋外展張試験 10種類のフィルムを、三重県一志郡の試験圃場に設置
した屋根型ハウス(間口3m、奥行き5m、棟高1.5
m、屋根勾配30度)に、被膜を設けた面をハウスの外
側にして被覆し、平成1年6月から平成3年5月までの
2年間展張試験を行った。展張したフィルムについて、
以下の方法により、フィルムの外観試験、フィルムの伸
度保持率を測定し、展張試験中のフィルムについて、防
塵性を評価した。
【0033】 フィルムの外観・・・外観を肉眼で観察したもの。 評価基準は、次のとおりである。 ◎・・・変色等の外観変化が認められないもの。 ○・・・わずかな変色等の外観変化が一部認められるも
の。 △・・・変色等の外観変化がかなり認められるもの。 ×・・・全面に変色が認められるもの。 フィルムの伸度保持率・・・次式により算出した値を意
味する。 防塵性・・・次式により算出した値を意味する。 *波長555mμにおける直光線透過率(日立製作所
製、EPS−2U型使用)
【0034】測定結果の表示は、次のとおりとした。 ◎・・・展張後の光線透過率が展張前の90%以上のも
の。 ○・・・展張後の光線透過率が展張前の70〜89%の
範囲のもの。 △・・・展張後の光線透過率が展張前の50〜69%の
範囲のもの。 ×・・・展張後の光線透過率が展張前の50%未満のも
の。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】(註)*1 2−HEMAは、2−ヒドロ
キシエチルメタクリレートを意味する。 *2 2−HPAは、2−ヒドロキシプロピルアクリレ
ートを意味する。 *3 MAは、メタクリル酸を意味する。 *4 I−aは、イタコン酸を意味する。 *5 MMAは、メチルメタクリレートを意味する。 *6 n−BAはn−ブチルアクリレートを意味する。
【0038】
【発明の効果】以上、実施例からも明らかなように本発
明は、次のような効果を奏し、その農業上の利用価値
は、極めて大である。 (1)本発明に係わる農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
は、屋外に長期間、展張されても、変色や、物性の低
下、防塵性の低下の度合が少なく、長期間の使用に耐え
る。 (2)本発明に係わる農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
はその基体フィルム表面に形成された被膜が基体フィル
ムとの密着性に優れ、かつ、可撓性に富んでいるので、
被膜は剥離しにくく、長期間の使用に耐える。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紫外線吸収剤を含有する塩化ビニル系樹
    脂フィルムの少なくとも片面に、ヒドロキシアルキル
    (メタ)アクリレート化合物5〜40重量%、分子内に
    少くとも1個のカルボキシル基を有するα,β−不飽和
    カルボン酸化合物0.1〜15重量%及びこれら化合物
    と共重合可能な他のビニル系化合物、を含む単量体混合
    物を共重合して得られる、重量平均分子量25万〜40
    万のアクリル系樹脂の被膜が形成されてなることを特徴
    とする農業用塩化ビニル系樹脂フィルム。
  2. 【請求項2】 他のビニル系化合物が(メタ)アクリル
    酸のアルキルエステルである請求項1のフィルム。
  3. 【請求項3】 紫外線吸収剤がベンゾフェノン系化合物
    及び/又はベンゾトリアゾール系化合物である、請求項
    1のフィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN107266821A (zh) * 2017-07-21 2017-10-20 云南正邦科技有限公司 一种丙烯酸基乳液共聚物表面改性的聚氯乙烯树脂及其表面改性方法

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CN107266821A (zh) * 2017-07-21 2017-10-20 云南正邦科技有限公司 一种丙烯酸基乳液共聚物表面改性的聚氯乙烯树脂及其表面改性方法
CN107266821B (zh) * 2017-07-21 2020-07-10 云南正邦科技有限公司 一种丙烯酸基乳液共聚物表面改性的聚氯乙烯树脂及其表面改性方法

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