JP4090911B2 - 農業用合成樹脂フィルム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、農業用樹脂フィルムに関し、詳しくは、耐候性、耐汚れ性、耐塵埃付着性に優れ、長期間にわたって使用しても汚れが付着し難い、耐久性を有する農業用樹脂フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、農業用のトンネルハウス、簡易温室等のハウス用被覆材として、ポリ塩化ビニルに代表される塩化ビニル系樹脂からなる農業用フィルムが広く用いられている。ところで、最近の農業従事者の高齢化現象に伴い、さらにはコスト軽減化を図るために、農業用フィルムを長期間にわたって展張して置く傾向が強い。そのために、フィルム外面に被膜を設け、汚れを付着しにくくし、長期間使用し得る農業用フィルムが登場してきている。
【0003】
フィルム面に塵埃等が付着するのを防止するために設けられるそのような被膜としては、ケイ素化合物を含有する組成物からなる被膜が提案されており、例えば、アクリル系樹脂にテトラアルコキシシランを加えた組成物からなる被膜を施したもの(特許文献1)、アクリル系モノマーと反応性ケイ素含有基を有するモノマーとの共重合体からなる組成物の被膜を施したもの(特許文献2)などが提案されている。またさらに、アクリル系樹脂に反応性ケイ素化合物としてトリアルコキシシリケートモノマーを重合させ、さらにこれに低級アルコールを配合した組成物からなる被膜を施したもの(特許文献3)などが登場している。
【0004】
【特許文献1】
特開平1−184130号公報
【特許文献2】
特開平1−131271号公報
【特許文献3】
特許第3181082号掲載公報
【0005】
これらの被膜をフィルム面に形成させる場合に、例えば、特許文献1における被膜では、初期の効果を達成させるためにはアクリル系樹脂とテトラアルコキシシランの混合物を熱処理しなければならないものであり、操作が煩雑になるといった問題がある。また、特許文献2における被膜では、得られる共重合体が比較的脆いものであり、被膜がフィルム面から剥がれやすいといった問題がある。一方、特許文献3に開示される被膜は耐候性に優れ、耐久性もある程度満足するものである。しかしながら、長期にわたる使用では、フィルム面から被膜の剥離が生じやすい傾向にあり、農業従事者からの要望として、さらに耐久性に優れ、汚れの付着が少ないフィルムが求められているのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
したがって本発明は、農業樹脂フィルムに被覆する被膜について、その組成を検討し、耐久性に優れると共に、より一層の耐塵性、耐汚れ性を有し、長期間の使用によっても塵埃などの付着を防止し得る、農業用樹脂フィルムを提供することを課題とする。
【0007】
かかる課題を解決するべく検討した結果、アクリル系樹脂に反応性ケイ素化合物としてトリアルコキシシリケートモノマーを用い、その他のモノマーと共重合させて得た共重合体、および架橋性化合物として分子内に−NCO基を有する化合物を主成分とする被膜組成物が、フィルム面に被覆する被膜組成として、上記の各問題点を解決し、優れた耐久性、耐塵性、耐汚れ性を発揮するものであることを新規に見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】
しかして、上記の課題を解決するためになされた本発明は、合成樹脂フィルムの少なくとも片面に、
(A):下記一般式(I):
【化3】
(式中、R1は水素原子またはメチル基を、R2は直接結合または2価の有機残基を、R3はアルキル基を表わす)
で表わされる重合可能なトリアルコキシシリケート単量体11〜30重量%、ヒドロキシアルキル基を含む(メタ)アクリルエステル単量体21〜30重量%、および他の共重合可能な単量体40〜70重量%から得られる共重合体100重量部、および
(B)分子中に−NCO基を1個以上含有する架橋性化合物1〜50重量部、
を主成分とする被覆組成物よりなる被膜を設けたことを特徴とする農業用合成樹脂フィルムである。
【0009】
すなわち、本発明の農業用合成樹脂フィルムは、フィルム面に被覆する被膜組成物として、上記式(I)で示される反応性のトリアルコキシシリケート単量体を用い、これにアクリルエステルモノマー、および他のモノマーと共重合させ、さらに該共重合体に分子中に−NCO基を1個以上含有する架橋性化合物を配合することにより、フィルム面に対する被膜の密着性と強靭性を確保し、その結果フィルムに良好な耐塵性、耐汚れ性、耐塵埃性を発揮する点に特徴を有するものである。
【0010】
本発明においては、そのような分子中に−NCO基を1個以上含有する架橋性化合物としては、具体的には以下の化合物(1)〜(3)から選択させる少なくとも1種が使用されるのが好ましい。
【0011】
【化4】
化合物(1)
【0012】
【化5】
化合物(2)
【0013】
【化6】
化合物(3)
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明が提供する農業用合成樹脂フィルムとしては、従来から農業用フィルムとして用いられているものを、いずれも使用することができる。そのようなフィルムの材質としては、例えば、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリエステルフィルム、アクリル樹脂系フィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリウレタンフィルム等を挙げることができる。これらの農業フィルムにあっては、防曇性、防滴性の性質を有するフィルムであってもよい。
【0015】
本発明において、フィルムの少なくとも片面に設けられる被膜組成物として、(A)成分の共重合体を構成する式(I)で表わされる重合可能なトリアルコキシシリケート単量体として、式中R2で示される2価の有機残基、R3で示されるアルキル基の組み合わせにより、具体的には、例えば以下のものを挙げることができる。CH2=CHSi(OCH3)3、CH2=CHCOOCH2CH2Si(OCH3)3、CH2=C(CH3)COO(CH2)2Si(OCH3)3、CH2=C(CH3)COO(CH2)3Si(OCH3)3、CH2=CHCH2S(CH2)3Si(OCH3)3、CH2=CHCH2NH(CH2)3Si(OCH3)3、CH2=CHSi(OC2H5)3、CH2=CHSi(OCOCH3)3、CH2=CHSi(OCH2CH2OCH3)3、CH2=CHSi(OCH(CH3)2)3、
【0016】
【化7】
【0017】
これらのトリアルコキシシリケート単量体は、その1種を用いてもよいし、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。その使用割合は(A)成分の共重合体として11〜30重量%の範囲から選択される。11重量%未満であると、耐塵性、耐汚れ性の効果が少ないものとなり、また30重量%を超える場合にはそれ以上の効果が得られず、不経済であるばかりでなく、被膜の伸びが減少し、フィルムに折れシワの跡が目立つようになる。
【0018】
また、ヒドロキシアルキル基を含む(メタ)アクリルエステル単量体としては、上記のトリアルコキシシリケート単量体と架橋反応し得るものであり、具体的には以下のようなものを挙げることができる。ヒドロキシメチルアクリレート、ヒドロキシメチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、2−ヒドロキシペンチルアクリレート、2−ヒドロキシペンチルメタクリレート、6−ヒドロキシヘキシルアクリレート、6−ヒドロキシヘキシルメタクリレート等である。
【0019】
これらの単量体は、その1種を用いてもよいし、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。その使用割合は、(A)成分の共重合体として21〜30重量%の範囲から選択される。21重量%未満であると、耐塵性、耐汚れ性の効果が少ないものとなり、また30重量%を超える場合には基材との密着性が悪くなり、農業用フィルムとしての性能が欠けたものとなる。
【0020】
さらに、(A)成分の共重合体を形成するその他の重合可能な単量体としては、例えばアクリル酸あるいはメタアクリル酸のエステル類を挙げることができ、これらはフィルム上に被覆する被膜に適切な堅さを付与するために配合される。そのようなものとしては、具体的に以下のものを挙げることができる。
【0021】
メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルアクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルアクリレート、イソブチルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、デシルアクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルアクリレート、ドデシルメタクリレートなどのアクリル酸またはメタクリル酸の炭素数1〜22のアルキルエステル類などである。
【0022】
さらにアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、アコニット酸、クロトン酸などの分子内に1個または2個以上のカルボキシル基を含むα,β−不飽和カルボン酸等、またこれらの単量体に少量のスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリルアミド、メタクリルアミド、n−ブトキシアクリルアミド、n−ブトキシメタクリルアミドなどを配合させたもの。
【0023】
これらの単量体は、その1種を用いてもよいし、また2種以上を組み合わせて使用してもよい。その使用割合は、(A)成分の共重合体として40〜70重量%の範囲から選択される。40重量%未満であると、被膜の伸びが悪くなり、耐水性が悪く、農業用フィルムとしての性能が欠けたものとなる。また70重量%を超える場合には、耐塵性効果が不十分であり、好ましいものではない。
【0024】
本発明で使用する(A)成分としての共重合体を得るには、重合可能な上記のの各成分を容器にとり、必要に応じ適宜他の成分を加え、重合開始剤とともに重合することにより得ることができる。重合開始剤としては、例えば、α,α−アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイドなど一般的な重合開始剤を使用することができる。
【0025】
上記の共重合体成分(A)は、本発明が提供する樹脂フィルムに被覆するための被膜組成物とするために、(B)成分である分子内に−NCO基を1個以上有する架橋性化合物と混合され使用される。かかる分子内に−NCO基を1個以上有する架橋性化合物は、上記した化合物(1)〜(3)から選択させる少なくとも1種が使用される。この架橋性化合物を一緒に使用することにより、フィルム面への被膜の密着性が著しく向上し、また被膜の強度がより強固なものとなるものである。
【0026】
その使用量は、共重合体成分(A)100重量部に対して1〜50重量部の範囲で使用するのがよい。1重量部未満であると目的とする被膜とフィルムの密着性が得られず、また、50重量部を超えて使用してもより以上の効果が得られず、かえって不経済である。
【0027】
なお、本発明の被膜組成物には、必要に応じて他の成分を配合することもでき、そのような成分としては、例えば、酸化防止剤、中和剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、無機系滑剤、有機系滑剤、顔料、染料、界面活性剤などを挙げることができる。
【0028】
酸化防止剤としては、2,6−t−ブチル−p−クレゾールなどのモノフェノール系、2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)などのビスフェノール系、または高分子型フェノール系の酸化防止剤、トリフェニルフォスファイト等のリン酸系酸化防止剤の各種を挙げることができ、中和剤としては、酸、アルカリの各種中和剤を挙げることができる。また、紫外線吸収剤としては、一般的に使用されているベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチル酸エステル系、シアノアクリレート系等の紫外線吸収剤が挙げられ、その1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0029】
光安定剤としては、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート等のヒンダートアミン系光安定化剤が挙げられ、帯電防止剤としては、ポリオキシエチレンアムキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン系帯電防止剤、アルキルベンゼンスルホネート等のアニオン系帯電防止剤等を挙げることができる。
【0030】
滑剤としては、ステアリン酸、イソステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸系滑剤、ステアリン酸アミド、メチレンビスステアロアミド、エチレンビスステアロアミド等の脂肪酸アミド系滑剤、ブチルパルミテート、ブチルステアレート等のエステル系滑剤、バリウムイソデシルホスフェート、カルシウムオクタデシルホスフェート等の有機リン酸金属系滑剤、ポリエチレンワックス、流動パラフィン等を挙げることができる。
【0031】
また、顔料、染料、界面活性剤等は、一般的に使用されている各種の顔料、染料、界面活性剤等を挙げることができる。
【0032】
本発明においては、上記の被膜組成物は、合成樹脂フィルムの表面に塗付されることにより被膜が形成される。この被膜形成には、一般的な公知の方法を採用することができ、例えば、組成物を適当な有機溶媒に分散または溶解させ、溶液状態として、ドクターブレードコート法、グラビアコート法、ナイフコート法などのコート法による塗付方法で行うことができる。
【0033】
そのような有機溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール等の低級アルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、その他ジメチルホルムアミド、ジアセトンアルコール、ヘキサン、トルエン、キシレンなどの溶媒を挙げることができる。これらの溶媒は1種単独、または複数種組み合わせて使用することができる。
【0034】
また、溶液状態とすることなく、被膜組成物を押出コーティング法、押出ラミネート法、ラミネート法等で塗付することもできる。
【0035】
フィルム面に対する被膜形成のための被膜組成物の塗工量は、塗付方法により一概には限定し得ないが、組成物量としては固形分量としてほぼ0.5〜20g/m2になる様に塗工するのがよい。
【0036】
塗付後の乾燥としては、自然乾燥、熱風乾燥、赤外線乾燥、遠赤外線乾燥等の手段があるが、乾燥速度、安全性の面から熱風乾燥によるのがよい。その場合の加熱温度、乾燥時間は、一概に限定し得ないが、50〜150℃の範囲内、好ましくは80℃程度で、10秒〜15分程度行うのがよい。
【0037】
なお、本発明の農業用フィルムへの被膜の形成に際しては、少なくとその片面に被膜を施せばよく、この場合には、被膜が施されたフィルム面を農業用のトンネルあるいは簡易温室等のハウスなどの外側になるようにして使用すればよい。
【0038】
【実施例】
以下に具体的な実施例を挙げ、本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではない。
【0039】
〔実施例1〜9、比較例1〜9〕
合成樹脂フィルムとして防曇性農業用ポリ塩化ビニルフィルム(製品名:ノンキリーあすか;フィルム厚:0.1mm;アキレス社製)を使用した。下記表1および表2に示す配合からなる被膜組成物を、酢酸エチル/イソプロピルアルコール/トルエンが60/35/5である混合溶液に固形分が15%になるように調製し、上記の農業用フィルムに、グラビアコート法により10g/m2になる量で塗工した。次いで、85℃にて30秒間乾燥を行い、本発明の農業用ポリ塩化ビニルフィルムを得た。
得られたフィルムについて、被膜とフィルムの密着性と、耐汚れ性を評価し、その結果をあわせて表中に示した。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
*1:2−ヒドロキシエチルメタクリレート
*2:γ−メタクリロプロピルトリメトキシシラン
【0043】
*3:被膜の密着性の評価は、以下のようにして行った。
得られたフィルムの表面の塗工面にセロテープ(登録商標)を貼り、指で強く10回こすり、セロテープ(登録商標)を勢いよく剥がした時の被膜の剥がれ程度を以下の基準に従って評価した。
◎:被膜が全く剥がれない。
○:被膜表面が若干剥がれるが、問題はない。
□:被膜が1/3程度剥がれる。
△:被膜が1/2程度剥がれる。
×:被膜が全面剥がれる。
【0044】
*4:汚れ性の評価は、以下のようにして行った。
被膜面を外側にして30度の角度でフィルムを展張して15ヶ月野外に放置した後のフィルム面の汚れ程度を、展張後3ヵ月後の汚れ程度(各試験フィルムはほぼ同等汚れであった)と比較して、目視により以下の基準で評価した。
◎:両者に差が無い。
○:ほぼ同等であった。
□:汚れが多い。
△:かなり汚れている。
×:かなり汚れており、農業用フィルムとしての性能が発揮できない。
【0045】
上記した表1および2の比較から明らかなように、本発明の被膜組成物を被膜として形成したフィルムは、被膜のフィルム面に対する良好な密着性と耐汚れ性を発揮していることが理解される。
【0046】
【発明の効果】
以上記述したように、本発明の農業用塩化ビニル系樹脂フィルムは、フィルム面の少なくとも片面に、特異的な被覆組成物からなる被膜を形成したものであり、かかる被覆組成物は、反応性のトリアルコキシシリケート単量体、アクリルエステルモノマー、および他のモノマーと共重合して得た共重合体と、分子中に−NCO基を1個以上含有する架橋性化合物からなるものであり、その結果、フィルム面に対する被膜の密着性と強靭性を確保し、良好な耐塵性、耐汚れ性を発揮する利点を有している。
【0047】
したがって、フィルム面に対する汚れの付着がすくないことから、長期間にわたって農業用のトンネル、簡易温室等のハウスにフィルムを展張することが可能となり、農業従事者の要望に対応するものであると共に、資源の省力化が図れ、経費の節減につながる利点を有している。
Claims (2)
- 合成樹脂フィルムの少なくとも片面に、
(A):下記一般式(I):
で表わされる重合可能なトリアルコキシシリケート単量体11〜30重量%、ヒドロキシアルキル基を含む(メタ)アクリルエステル単量体21〜30重量%、および他の共重合可能な単量体40〜70重量%から得られる共重合体100重量部、および
(B)分子中に−NCO基を1個以上含有する下記化合物(1)〜(3):
を主成分とする被覆組成物よりなる被膜を設けたことを特徴とする農業用合成樹脂フィルム。 - 合成樹脂フィルムが、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルムである請求項1に記載の農業用樹脂フィルム。
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JP2003049522A JP4090911B2 (ja) | 2003-02-26 | 2003-02-26 | 農業用合成樹脂フィルム |
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2003
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