JPH05112664A - 発泡用樹脂組成物、これを用いた消失模型及び消失模型鋳造法 - Google Patents

発泡用樹脂組成物、これを用いた消失模型及び消失模型鋳造法

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JPH05112664A
JPH05112664A JP26370991A JP26370991A JPH05112664A JP H05112664 A JPH05112664 A JP H05112664A JP 26370991 A JP26370991 A JP 26370991A JP 26370991 A JP26370991 A JP 26370991A JP H05112664 A JPH05112664 A JP H05112664A
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model
weight
foaming
casting
molten metal
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JP26370991A
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Yoshiyuki Kato
芳行 加藤
Hideaki Shibata
英昭 柴田
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 発泡性及び成形性が良好であり、しかも鋳造
時のカーボンの発生を少なくし、表面状態の良好な鋳造
品が得られる、消失模型法に用いる発泡用樹脂組成物を
提供する。 【構成】 スチレン55〜85重量%及び一般式(I) 【化1】 (但し、式中R1は水素又はメチル基であり、R2は二価
の有機基であり、R3は炭素数6〜20の脂環式炭化水
素基であり、nは0又は1である)で表わされる重合性
単量体45〜15重量%を含む単量体混合物を共重合し
て得られる重量平均分子量が15〜35万である共重合
体に、ペンタンを共重合体に対して1〜10重量%含浸
させて得られる発泡用樹脂組成物を、加熱発泡成形して
消失模型とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は消失模型鋳造法に有用な
発泡用樹脂組成物、これを用いた消失模型及び消失模型
鋳造法に関する。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂の発泡体を鋳造用模型に使用す
る消失模型鋳造法は公知である。また、合成樹脂状物を
鋳造用に使用することに関しては、古くはロストワック
ス鋳造法、新しいものとしては前記の消失模型鋳造法に
その例が見られる。
【0003】ロストワックス鋳造法は原型をワックスで
作り、表面を耐火物で被覆したのち、ワックスを溶出除
去して鋳型を作る方法であるが、ワックスの溶出と型の
乾燥に手間を要し、大型鋳造品を得る方法としては不適
当であり、専ら比較的小さな鋳造品にその応用が限定さ
れている。
【0004】一方の消失模型鋳造法は、ポリスチレンな
どの発泡体で模型を作成し、これを砂の中に埋め、その
ままの状態で溶湯を注入し、溶湯の熱によって前記のプ
ラスチック発泡体の模型を分解消失させ、その空洞部分
に溶湯を入れて鋳物を得る方法である。この消失模型に
よれば模型の製作から鋳物作業までの工程が著しく簡素
化される。
【0005】消失模型法では、従来のプラスチック発泡
体を用いた模型は、鋳造する時に多量のスス(カーボン
状物質)及びガスを発生し、鋳肌を汚す、鋳物内部にピ
ンホールを生じる等の欠陥が指摘されている。
【0006】これらの欠点を改良した消失性模型とし
て、特公昭40−24146号公報に記載される過塩酸
アンモンを消失模型に含有させるもの、特公昭41−1
6925号公報に記載される解重合用の触媒を含有させ
るもの等が提案されている。しかし、これらの方法を詳
細に検討すると、模型製作の作業が以外と困難であり、
その割に効果が小さいという欠点がある。
【0007】このため、プラスチック発泡体において、
特にポリマーの面から種々の提案がされている。特に、
メタクリル酸エステルを主成分とした以下のような発泡
体が提案されている。特公昭49−23458号公報に
は熱分解性の良いメタクリル酸イソブチルを主成分と
し、メタクリル酸メチルを共重合成分とする発泡体が記
載されている。更に、メタクリル酸メチルを主成分とし
た発泡体も提案されている。
【0008】しかし、メタクリル酸メチルの重合体を使
用する場合には、発泡剤を充分に含浸させることができ
ず、得られる発泡性粒子は発泡倍数が低いものであっ
た。更に、成形性が劣り、成形品の機械的強度が低いと
いう欠点があった。
【0009】このため、発泡特性を向上させる目的で特
公昭51−24307号公報にはメタクリル酸メチルと
スチレンを共重合する方法が提案されている。また、特
公昭50−40160号公報には発泡特性の向上の目的
でメタクリル酸メチルの重合時にα−メチルスチレンを
添加し、共重合させる方法が記載されている。更に、特
公昭60−184447号公報にはメタクリル酸メチル
とα−メチルスチレンの共重合体の発泡体を消失性原型
に使用することが記載されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記メタクリ
ル酸イソブチルを主成分とし、メタクリル酸メチルを共
重合成分とする発泡体は、ガラス転移温度が、ポリスチ
レン発泡体に比べて極めて低く、ポリスチレン発泡体用
の一次発泡及び成形装置を用いると一次発泡粒子及び成
形品の収縮度が大きくなる欠点がある。
【0011】また、メタクリル酸メチルを主成分とし、
スチレンまたはα−メチルスチレンを共重合成分とする
発泡体でも、一次発泡粒子及び成形品の収縮度が大きく
なる欠点があり、一次発泡倍数を高くすることと成形時
の収縮度を小さくすることを両立させることが困難であ
った。
【0012】一方、鋳造工程において、発泡性ポリスチ
レンを用いた鋳造物は炭素欠陥及び湯じわ欠陥となり、
外観及び鋳造物の強度が低下する欠点がある。発泡性ポ
リメタクリル酸メチルは炭素欠陥及び湯じわ欠陥はない
が鋳込み時の模型分解ガス圧が高いという欠点がある。
この場合、注湯時の熱分解ガスの発生量が多く、その圧
力により、特に高温下での大容積物、厚肉品の場合、溶
湯が吹き返されることがあり、作業が危険である。
【0013】本発明は、これらの問題点を解決するもの
であり、発泡性及び成形性を損うことなく、鋳造時に炭
素欠陥及び湯じわ欠陥の発生がなく、容易に重合が可能
な発泡用樹脂組成物、この組成物を用いた消失模型及び
消失模型鋳造法を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、スチレン55
〜85重量%及び一般式(I)
【化2】 (但し、式中R1は水素又はメチル基であり、R2は二価
の有機基であり、R3は炭素数6〜20の脂環式炭化水
素基であり、nは0又は1である)で表わされる重合性
単量体45〜15重量%を含む単量体混合物を共重合し
て得られる重量平均分子量が15〜35万である共重合
体に、ペンタンを共重合体に対して1〜10重量%含浸
させた発泡用樹脂組成物、この発泡用樹脂組成物を加熱
発泡成形してなる消失模型並びにこの消失模型を使用す
る消失模型鋳造法に関する。
【0015】まず共重合体について説明する。一般式
(I)におけるR1は水素又はメチル基であるが、メチ
ル基のもののほうが、良好な発泡特性を示すので好まし
い。一般式(I)におけるR2は二価の有機基である
が、炭素数1〜12のアルキレン基、炭素数1〜12の
オキサアルキレン基等が好ましい。ここで、オキサアル
キレン基とは、2つ以上のアルキレン基のおのおのの間
に酸素原子が結合した二価の有機基であり、−R4−O
−R5−、−R6−O−R7−O−R8−、−R9−O−R
10−O−R11−O−R12−(但し、R4、R5、R6
7、R8、R9、R10、R11及びR12はアルキレン基で
ある)等で表わされる基である。
【0016】R2としては、具体的には、−CH2−、−
24−、−C36−、−C48−、−C510−、−
24−O−C24−、−C36−O−C36−、−C
24−O−C24−O−C24−等があげられる。一般
式(I)におけるnは0または1であるが、より良好な
発泡特性、一般式(I)で表わされる単量体の製造の容
易性、経済性等から、nが0のものが好ましい。一般式
(I)におけるR3は、炭素数6〜20の脂環式炭化水
素基である。炭素数が6未満では発泡性が低下する。ま
た、炭素数が20を越えると、重合体の機械的強度が低
下する。
【0017】一般式(I)で表わされる単量体は、公知
の方法によって製造される。例えば、一般式(I)にお
いてnが0の場合は、構造式が、R3OH(但しR3は一
般式(I)におけるR3とおなじである)で表わされる
脂環式炭化水素モノオールと、酸又はアルカリ触媒の存
在下に、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸クロラ
イド、メタクリル酸クロライド等との縮合反応や、アク
リル酸メチル、メタクリル酸メチルとのエステル交換反
応によってえることができる。また、一般式(I)にお
いてnが1の化合物は、上記の脂環式炭化水素モノオー
ルとHO−R2−OH(但し、R2は一般式(I)におけ
るR2と同じである)で示されるジオール成分、例え
ば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール等をパラト
ルエンスルホン酸、ケイタングステン酸等の酸触媒の存
在下に縮合し、HO−R2−O−R3(但し、R2及びR3
は一般式(I)におけるR2及びR3とおなじである)と
した後、前記と同様の縮合反応またはエステル交換反応
によってえることができる。
【0018】構造式R3OHで表わされる脂環式炭化水
素モノオールとしては、シクロヘキサノール、2,2,
5−トリメチルシクロヘキサノール、シクロヘプタノー
ル、シクロオクタノール、シクロデカノール、シクロド
デカノール、イソボルネオール、ボルネオール、π−ボ
ルネオール、ω−ボルネオール、1−アダマンタノー
ル、2−アダマンタノール、3−メチル−1−アダマン
タノール、3,5−ジメチル−1−アダマンタノール、
3−エチルアダマンタノール、3−メチル−5−エチル
−1−アダマンタノール、3,5,8−トリエチル−1
−アダマンタノール、3,5−ジメチル−8−エチル−
1−アダマンタノール、フエンチルアルコール、2−メ
チルカンファノール、l−メントール、8−ヒドロキシ
−トリシクロ〔5.2.1.026〕デカン、9−ヒド
ロキシ−トリシクロ〔5.2.1.026〕デカン、
3,7,7−トリメチル−4−ヒドロキシ−ビシクロ
〔4.1.0〕ヘプタン、3−ヒドロキシ−2,6,6
−トリメチル−ビシクロ〔3.1.1〕ヘプタン等があ
げられる。従って、一般式(I)で表わされる単量体と
しては、これらに対応する構造をもつものがあげられ
る。
【0019】一般式(I)で表わされる単量体の中で、
特に良好な特性を示すものとして、メタクリル酸シクロ
ヘキシル、メタクリル酸シクロドデシル、アクリル酸ト
リシクロ〔5.2.1.026〕デカ−9イル、メタク
リル酸トリシクロ〔5.2.1.026〕デカ−8イ
ル、メタクリル酸トリシクロ〔5.2.1.026〕デ
カ−9イル、メタクリル酸ボルニル、メタクリル酸イソ
ボルニル、メタクリル酸ノルボルニル、メタクリル酸ノ
ルボルナンメチル、メタクリル酸l−メンチル、メタク
リル酸アダマンチル、メタクリル酸ジメチルアダマンチ
ル等が好ましい。
【0020】本発明の発泡用樹脂組成物において、主成
分である共重合体は、スチレン55〜85重量%、好ま
しくは60〜80重量%及び一般式(I)で表わされる
単量体45〜15重量%、好ましくは40〜20重量%
の単量体混合物を共重合して得られる共重合体である。
ここで、スチレンが85重量%を超えるとこれを消失模
型とし、鋳造した時における樹脂組成物の分解度が低下
し、スス(カーボン状物質)を発生し、鋳肌を汚す。一
方、一般式(I)で表わされる単量体が45重量%を超
えると一次発泡度が低下し、成形時に収縮度が大きいと
いう欠点がある。
【0021】本発明においては得られる共重合体の重量
平均分子量(Mw)は15〜35万の範囲に調節され
る。分子量がこの範囲を超える場合には、基材としては
強度が上がるが、通常の発泡や成形時のスチーム加熱条
件では充分な発泡、成形融着が得られない。また、この
範囲の分子量に達しない場合には、発泡時のブロッキン
グ、成形加工時の金型高温部での表皮溶解(いわゆるケ
ロイド状)の原因となる。
【0022】前記共重合体は溶液重合、乳化重合、懸濁
重合等の任意の方法で得ることができる。共重合体の重
合に際して、使用される重合開始剤としては、例えばラ
ウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、
t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)、
t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオ
キシピバレート等の一官能性有機過酸化物、1,1−ジ
−t−ブチルパーオキシ3,3,5−トリメチルシクロ
ヘキサン等の二官能性有機過酸化物などの有機過酸化
物、アゾビスイソブチロニトリルやアゾビスジメチルバ
レロニトリル等のアゾ化合物などが用いられる。
【0023】上記重合開始剤は、重合容器内に単量体を
加える前に加えても、単量体を加えた後に加えても、単
量体と共に加えてもなんら差し支えない。重合開始剤は
得られる樹脂の重量平均分子量が15〜35万になるよ
うに調節すれば良いが、単量体の総量に対して0.01
〜2重量%使用されるのが好ましい。
【0024】また、共重合体の分子量を調節するため
に、n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプ
タン、n−ブチルメルカプタン、tert−ブチルメル
カプタン等を使用することができる。これらは、好まし
くは、単量体に対して1モル%以下使用する。重合温度
は0〜150℃の間で適宜選択することができる。
【0025】本発明に使用する発泡剤としては、常温常
圧下で液体であり、かつ、上記重合体を溶解しない易揮
発性有機化合物としてペンタンが用いられる。ペンタン
としては、n−ペンタン、i−ペンタン、ネオペンタ
ン、シクロペンタン等が使用できる。含浸させた発泡剤
の保持性の面と経済性の面からはi−ペンタンが好まし
い。ペンタンの含有量は上記共重合体に対して1〜10
重量%である。この範囲外では良好な発泡成形体は得ら
れない。
【0026】本発明においては、常温常圧下で液体また
は気体であり、かつ、上記重合体を溶解しないペンタン
以外の易揮発性有機化合物を併用することができる。こ
のようなものとしては、例えばプロパン、ブタン、ヘキ
サン、石油エーテル等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサ
ン等の環状炭化水素、塩化メチレン、トリクロロトリフ
ルオロエタン、ジクロロジフルオロエタン等のハロゲン
化脂肪族炭化水素があげられる。これらのペンタン以外
の発泡剤は、共重合体に対して0〜10重量%の範囲で
用いるのが好ましい。
【0027】易揮発性有機化合物を重合体に含浸させる
には、重合体の製造法として懸濁重合を採用するときに
は、その重合の後半に、重合系にペンタンを添加するこ
と、好ましくは圧入することにより行うことができる。
またはペンタンにその他の易揮発性有機化合物を併用し
ても良い。ここで重合の後半とは、重合転化率が50重
量%以上、好ましくは70重量%以上の時点をいう。別
の方法としては、共重合体の球状またはペレット状の粒
子を水性媒体中に懸濁させ、これに発泡剤を添加する方
法がある。懸濁下での発泡剤の含浸は20〜130℃で
行うのが好ましい。さらに別の方法として、共重合体と
発泡剤を溶融混合してもよい。この場合主に、押し出し
機が使用される。
【0028】重合体への発泡剤の含浸時には、可塑剤を
存在させることができる。可塑剤としては、重合体を溶
解または膨潤させることができる有機溶剤が使用でき、
その沸点が、重合体の軟化点よりも約10℃低い温度以
上でかつ150℃以下のものが好ましい。可塑剤として
は、エチルベンゼン、トルエン、スチレン、キシレン等
の芳香族炭化水素、1,2−ジクロロプロパン、トリク
ロロエチレン、パークロロエチレン等のハロゲン化炭化
水素などがある。可塑剤は共重合に対して0〜5重量%
使用されるのが好ましい。さらに、本発明による発泡用
樹脂組成物には、帯電防止剤等の公知の添加剤を含有さ
せてもよい。
【0029】本発明による発泡用樹脂組成物を用いた消
失模型の発泡成形は広く工業的に行われているスチレン
系樹脂の発泡、成形方法がそのまま適用できる。発泡は
常圧または加圧あるいは減圧下でスチームとか気体によ
る加熱により行われる。例えば、樹脂が粒子の場合は水
蒸気による予備発泡を行った後、成形機中でさらに水蒸
気発泡し、成形品を得ることができる。また押し出し発
泡機を用いて発泡体を得ることもできる。本発明による
発泡用樹脂組成物の発泡倍率は、低倍率から高倍率まで
任意に選択することができる。
【0030】以上のような方法により得られた消失模型
は、これを砂中に埋め、消失模型部に溶湯を注入し、こ
の溶湯の熱で消失模型を分解消失させるとともに消失部
分に溶湯を入れて、鋳物を得る工程を含む消失模型鋳造
法に用いられる。本発明の消失模型鋳造法は、前記消失
模型を使用する以外は、常法に従うことができる。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。なお、以下、「部」および「%」は重量基準であ
る。 実施例1〜9および比較例1〜8 表1及び2に示す配合量の単量体の混合溶液に、重合開
始剤としてラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパー
オキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエートならび
に分子量調節剤としてn−オクチルメルカプタンを溶解
した。この溶液を、3lオートクレーブ中の水1500
gにリン酸三カルシウム5g、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム0.5%水溶液6g、および硫酸ナトリ
ウム0.5gを分散または溶解した水溶液中に、300
回転/分の回転撹拌下に添加し、さらにオートクレープ
器内の雰囲気を窒素で置換した。ついで80℃まで昇温
し、そのままの温度で10時間撹拌した後、ついで12
0℃まで昇温し、同じ温度で5時間保温、撹拌した。そ
の後、冷却し、重合体粒子を取り出し、塩酸洗浄及び水
洗脱水した後、乾燥した。得られた重合体の分子量はゲ
ル・パーミエーション・クロマトグラフィー法により測
定し、標準ポリスチレン換算した値であり、表1及び2
中の分子量は重量平均分子量を示す。得られた重合体の
熱分解温度はセイコー電子工業(株)製の熱分析装置T
G/DTA200を用い、TG(熱重量測定)により、
〔A〕分解減少量が5%時の温度、及び〔B〕分解速度
が最大時の温度(分解減少量では50%時に近似され
る)で示した。
【0032】ついで、発泡性共重合体を作成するため、
得られたこの共重合体を前記3lオートクレーブ中に入
れ、共重合体の合成と同様に、新たに水1500gを入
れ、リン酸三カルシウム5g、ドデシルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム0.5%水溶液6gを分散または溶解し
た。オートクレープ内の雰囲気を窒素で置換した後、3
00回転/分の回転撹拌下で、80℃まで昇温し、80
℃下で表1及び2に示す量のペンタン(n−ペンタン/
i−ペンタンの重量比が8/2)およびトルエンまたは
ブタンを添加した。ついで90℃まで昇温し、同温度で
5時間撹拌した。その後、冷却し、発泡用重合体粒子を
取り出し、塩酸洗浄および水洗脱水して乾燥した。得ら
れた発泡用共重合体粒子の平均粒子径および総揮発成分
量を測定し、表1及び2に示した。なお、本発明におい
て平均粒子径は重合により得られた粒子を各粒子径にふ
るい分け、ふるい分けられた各粒子を小粒子径の粒子か
ら遂次、粒子径に対して累積重量をプロットした曲線を
作成し、累積重量が50%に値する粒子径を示したもの
である。また、総揮発分量はサンプル2gをアルミ皿に
とり、180℃で10分間加熱して重量を測定し、
{(加熱前のサンプル重さ)−(加熱後の重さ)}/
(サンプルの重さ)×100で表わした。
【0033】この発泡性共重合体粒子を100℃の沸騰
水中に表1及び2に示す加熱時間浸漬して予備発泡粒子
を得た。この予備発泡粒子の比容積を測定し、表1及び
2に示した。また、発泡粒子の収縮の有無を目視で評価
し、合わせて表1及び2に示した。なお、比容積は、容
量1000mlのメスシリンダーに予備発泡粒子をつめ
て、その重量を測定し、容積/重量によって求めた。さ
らに、この予備発泡粒子を25℃の空気中で24時間熟
成し、成形用金型に入れ、テーブル式オートクレーブで
1.0kg/cm2・G(120℃)のスチームで表1
及び2に示す時間加熱し、発泡成形体を得た。得られた
発泡成形体について、収縮の有無、表面平滑性を目視で
評価した後、炭素欠陥の目安となるため、点火して黒煙
およびススの発生について評価した。これらの評価結果
は表1及び2に示す。
【0034】(消失模型鋳造法についての評価)表1の
実施例1〜9の発泡性樹脂粒子について消失模型鋳造法
についての試験を行った結果を下記に示す。比較とし
て、発泡性ポリスチレン(日立化成工業株式会社製ハイ
ビーズHFC−5000)を用いた。実施例1〜9のい
ずれかの発泡性樹脂粒子を26メッシュ(0.60m
m)から50メッシュ(0.30mm)の範囲になるよ
うに篩い分けを行い、45ml/g前後になるように予
備発泡を行った。1昼夜20〜25℃下で熟成を行った
後、図1に示す形状の水道配管の接続部部品に使用する
消失模型(168mm×168mm、体積520c
3)の成形を行った。更にこの消失模型(成形品)を
用いて鉄鋳造を行い比較した。鋳造は鋳鉄(炭素3.5
5、珪素2.4、マグネシウム0.04、マンガン0.
2%)を用い、1450〜1470℃で行った。この鋳
造評価は実施例1〜9及び発泡性ポリスチレン(HFC
−5000)について、それぞれ3回ずつ行った。
【0035】その結果、発泡性ポリスチレン(HFC−
5000)を消失模型として鋳造した鉄鋳物は3個とも
表面にカーボンの付着が認められ、また、鉄の内部にも
カーボンを巻き込んでいた(炭素欠陥がある)。これに
対して、実施例1〜9の発泡性樹脂粒子を消失模型とし
て鋳造した鉄鋳物は、いずれの場合も3個とも表面にカ
ーボンの付着が認められず、また、鉄の内部にもカーボ
ンを巻き込んでいなかった(炭素欠陥がない)。更に、
できた鋳物の表面を比較すると、発泡性ポリスチレン
(HFC−5000)による鋳物の表面は凹凸が激しい
(湯じわ欠陥がある)のに対して、実施例1〜9による
鋳物の表面には凹凸がなく、平滑であった(湯じわ欠陥
がない)。この鋳物の表面の凹凸は樹脂が分解したガス
が溜るために鉄の溶湯が十分に充填できなかった結果発
生すると考えられる。実施例1〜9の発泡性樹脂粒子
は、発泡性ポリスチレンよりも鋳造時におこる樹脂の熱
分解性がよいので、気化しやすく、樹脂の熱分解が起こ
ると同時に溶湯が容易に充填していき、できた鋳物の表
面に凹凸ができなかったと考えられる。さらには発泡性
ポリメタクリル酸メチルから作成した消失模型を用いて
鋳造するときに特有の熱分解ガスによる溶湯の吹き返し
現象はなかった。
【0036】
【表1】
【表2】
【0037】
【発明の効果】本発明の発泡用樹脂組成物より得られる
消失模型を用いて、消失模型鋳造法により、鋳造時に炭
素欠陥、湯じわ欠陥等の発生がなく良好な表面状態の鋳
造品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施例で作成した水道配管の
接続部部品の消失模型及び鉄鋳造品の形状を示す斜視図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C08L 25:00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スチレン55〜85重量%及び一般式
    (I) 【化1】 (但し、式中R1は水素又はメチル基であり、R2は二価
    の有機基であり、R3は炭素数6〜20の脂環式炭化水
    素基であり、nは0又は1である)で表わされる重合性
    単量体45〜15重量%を含む単量体混合物を共重合し
    て得られる重量平均分子量が15〜35万である共重合
    体に、ペンタンを共重合体に対して1〜10重量%含浸
    させた発泡用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の発泡用樹脂組成物を加熱
    発泡成形してなる消失模型。
  3. 【請求項3】 消失模型を作成し、これを砂中に埋め、
    消失模型部に溶湯を注入し、この溶湯の熱で消失模型を
    分解消失させるとともに消失部分に溶湯を入れて鋳物を
    得る工程を含む消失模型鋳造法において、請求項2記載
    の消失模型を使用する消失模型鋳造法。
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