JPH07268122A - 発泡性アクリル樹脂組成物、これを用いた発泡成形品及び金属鋳造物の製造法 - Google Patents

発泡性アクリル樹脂組成物、これを用いた発泡成形品及び金属鋳造物の製造法

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JPH07268122A
JPH07268122A JP6083294A JP6083294A JPH07268122A JP H07268122 A JPH07268122 A JP H07268122A JP 6083294 A JP6083294 A JP 6083294A JP 6083294 A JP6083294 A JP 6083294A JP H07268122 A JPH07268122 A JP H07268122A
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JP
Japan
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methacrylic acid
acid ester
resin composition
acrylic resin
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JP6083294A
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English (en)
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Yuji Kobayashi
雄二 小林
Yoshiyuki Kato
芳行 加藤
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 環状構造を有するメタクリル酸エステルを含
むメタクリル酸エステルを主成分とし、さらにスチレン
を含む単量体混合物を共重合して得られる共重合体中
に、発泡剤が含浸されてなる発泡性アクリル樹脂組成
物、これを用いた発泡成形品及び金属鋳造物の製造法。 【効果】 従来よりも高発泡性でかつ発泡成形品の収縮
がなく、得られる発泡成形品の外観が良好となる。ま
た、この発泡成形品を消失模型として用いた金属鋳造物
は、浸炭による鋳物欠陥がなく、高クロム鋼や高ニッケ
ル鋼等の浸炭による鋳物欠陥を嫌う低炭素鋼用途の消失
模型鋳造法に工業上極めて有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属鋳造用の消失模型
に有用な発泡性アクリル樹脂組成物、これを用いた発泡
成形品及び金属鋳造物の製造法に関する。特に高クロム
鋼、高ニッケル鋼等の、浸炭による鋳物欠陥を嫌う低炭
素鋼の鋳造に適した消失模型に有用な高発泡性アクリル
樹脂組成物、これを用いた発泡成形品及び金属鋳造物の
製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂の発泡体を鋳造用模型に使用す
ることは、消失模型鋳造法として知られている。その
他、合成樹脂状物を鋳造用に使用する方法としてロスト
ワックス鋳造法が知られている。ロストワックス鋳造法
は原型をワックスで作り、表面を耐火物で被覆したの
ち、ワックスを溶出除去して鋳型を作る方法であるが、
ワックスの溶出と型の乾燥に手間を要し、大型鋳造品を
得る方法としては不適当であり、専ら比較的小さな鋳造
品にその用途が限定されている。一方の消失模型鋳造法
は、ポリスチレンなどの発泡体で模型を作成し、これを
砂の中に埋め、そのままの状態で溶湯を注入すること
で、溶湯の熱によって前記の合成樹脂の発泡体が分解消
失し、その空洞部分に溶湯が入って鋳物が得られる方法
である。従って消失模型鋳造法は模型の製作から鋳物作
業までの工程が著しく簡素化された鋳造法である。
【0003】ところで消失模型鋳造法では、従来の合成
樹脂の発泡体を用いた模型は、鋳造する時に多量のスス
(カーボン状物質)並びにガスを発生し、鋳肌を汚す、
鋳物内部にピンホールを生じる等の欠陥が指摘されてい
る。これらの欠点を改良した消失模型として、特公昭4
0−24146号公報に記載される過塩酸アンモンを消
失模型に含有させるもの、特公昭41−16925号公
報に記載される解重合用の触媒を含有させるもの等が提
案されている。しかし、これらの方法を詳細に検討する
と、模型製作の作業が意外と困難であり、その割に効果
が小さいという欠点がある。
【0004】このため、合成樹脂の発泡体において、特
にポリマーの面から種々の提案がなされている。特に、
メタクリル酸エステルを主成分にした以下のような発泡
体が提案されている。特公昭49−23458号公報に
は熱分解性の良いメタクリル酸イソブチルを主成分と
し、メタクリル酸メチルを共重合成分とする発泡体が記
載されている。また、メタクリル酸メチルを主成分とし
た発泡体も提案されている。一般に、メタクリル酸メチ
ルの重合体を使用する場合には、発泡剤を充分に含浸さ
せても、得られる発泡粒子は発泡倍数が低いものであっ
た。さらに、成形性が劣り、成形品の機械的強度が低い
という欠点があった。
【0005】このため、発泡特性を向上させる目的で特
公昭51−24307号公報にはメタクリル酸メチル8
0重量%〜95重量%とスチレン20重量%〜5重量%
を共重合する方法が提案されている。また、特公昭50
−40160号公報には発泡特性の向上の目的でメタク
リル酸メチルの重合時に副成分としてα−メチルスチレ
ンを添加し、共重合させる方法が記載されている。特公
昭52−5072号公報にはメタクリル酸イソブチルと
メタクリル酸メチルを主成分とし、これに1重量%〜1
0重量%のα−メチルスチレンと0.02重量%〜1.
5重量%のポリエチレングリコールジメタクリレートを
共重合成分とする発泡体が記載されている。さらに、特
開昭60−184447号公報にはメタクリル酸メチル
とα−メチルスチレンの共重合体を消失模型に使用する
こと、特開平5−112665公報にはスチレン55〜
85重量%とメタクリル酸エステル45〜15重量%か
らなり重量平均分子量が15万〜35万の共重合体を消
失模型に使用することが記載されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記メタクリ
ル酸イソブチルを主成分とし、メタクリル酸メチルを共
重合成分とする発泡体は、ガラス転移温度がポリスチレ
ン発泡体に比べて極めて低く、ポリスチレン発泡体用の
一次発泡装置及び成形装置を用いると一次発泡粒子及び
成形品の収縮度が大きくなる欠点がある。また、メタク
リル酸メチルを主成分とし、スチレン又はα−メチルス
チレンを共重合成分とする発泡体でも、一次発泡粒子及
び成形品の収縮度が大きくなる欠点があり、一次発泡倍
数を高くすることと成形時の収縮を小さくすることを両
立させることが困難であった。メタクリル酸イソブチル
とメタクリル酸メチルを主成分とし、これに1重量%〜
10重量%のα−メチルスチレンと0.02重量%〜
1.5重量%のポリエチレングリコールジメタクリレー
トを共重合成分とする発泡体では発泡速度がポリスチレ
ンと比較すると格段に劣るため、発泡時に多量の発泡剤
が含有されている必要があるが、発泡剤量が多いほど発
泡剤の逸散性が早くなるために製品の製造後から発泡成
形までのライフサイクルが非常に短いという問題点があ
った。さらに特開平5−112665公報に記載される
方法では、浸炭率が高く、高クロム鋼や高ニッケル鋼用
としては用いることができない。本発明は、これらの課
題を解決するものであり、発泡性及び成形性を損なうこ
となく、消失模型鋳造法による鋳造時にススの発生や浸
炭による鋳物欠陥がなく、容易に重合が可能で特に高ク
ロム鋼や高ニッケル鋼用として適した発泡性アクリル樹
脂組成物、発泡成形品及び金属鋳造物の製造法を提供す
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、環状構造を有
するメタクリル酸エステルを含むメタクリル酸エステル
を主成分とし、さらにスチレンを含む単量体混合物を共
重合して得られる共重合体中に、発泡剤が含浸されてな
る発泡性アクリル樹脂組成物、この発泡性アクリル樹脂
組成物を加熱発泡成形してなる発泡成形品及びこの発泡
成形品を消失模型として使用し金属を鋳造することを特
徴とする金属鋳造物の製造法に関する。
【0008】まず、発泡性アクリル樹脂組成物について
以下に説明する。本発明の発泡性アクリル樹脂組成物に
おいては、原料である単量体成分として環状構造を有す
るメタクリル酸エステルを含むメタクリル酸エステルを
主成分とする。環状構造を有するメタクリル酸エステル
としては、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメ
タクリレート、イソボルニルメタクリレート、シクロペ
ンタジエニルメタクリレート、テトラヒドロフルフリル
メタクリレート、グリシジルメタクリレート等の脂環式
炭化水素、芳香族炭化水素、複素環式化合物等の置換基
を有するメタクリル酸エステルを挙げることができる。
これらの中で、高発泡性及び成形品強度の点からシクロ
ヘキシルメタクリレート又はベンジルメタクリレートが
好ましい。環状構造を有するメタクリル酸エステルを用
いない共重合体の場合には発泡粒子の収縮及び発泡成形
品の収縮が生じる。特に発泡粒子の発泡倍数が40倍以
上ではこの収縮が顕著になり消失模型として使用できな
くなる。環状構造を有するメタクリル酸エステルの配合
量は、全単量体に対して2重量%〜20重量%が好まし
い。より好ましくは3重量%〜10重量%である。環状
構造を有するメタクリル酸エステルが2重量%未満では
発泡粒子及び発泡成形品の収縮を抑える効果が低下する
傾向にあり、20重量%を越えると消失模型の表面状態
が悪化する傾向にある。
【0009】上記以外のメタクリル酸エステルとしては
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、nープ
ロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、
n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレー
ト、t−ブチルメタクリレート等のメタクリル酸アルキ
ルエステル(特に炭素数1〜4のアルキル基を有するも
の)が好ましいものとして挙げられる。その他のメタク
リル酸エステルとしては、ラウリルメタクリレート、2
−エチルヘキシルメタクリレート、トリデシルメタクリ
レート、ステアリルメタクリレート、ジメチルアミノエ
チルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレ
ート、アリルメタクリレート等を用いることもできる。
これらの中で特にメチルメタクリレートがスチームによ
る発泡成形性と成形品強度のバランスの点から好まし
い。
【0010】また、本発明の発泡性アクリル樹脂組成物
では、嵩密度が20g/リットル以下の高発泡性が可能
となる点から、単量体としてスチレンを必ず使用する。
その他、本発明においては、メチルアクリレート、エチ
ルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキ
シルアクレート等のアクリル酸アルキルエステル、シク
ロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、イソ
ボルニルアクリレート、シクロベンタジエニルアクリレ
ート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、グリシジ
ルアクリレート等の環状構造を有するアクリル酸エステ
ル、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、(ポリ)
エチレングリコールジメタクリレート又はジアクリレー
ト等のビニル基を2以上有する単量体などを併用するこ
ともできる。なお、共重合体成分としてα−メチルスチ
レンは使用しない方が好ましい。α−メチルスチレンは
耐熱性を向上させる効果をもつ反面、重合反応速度を著
しく低下させるだけでなく、ポリマーの骨格が剛直とな
るために樹脂の流動性が低下し発泡速度が著しく低下さ
せることがあるからである。
【0011】単量体の配合は、メタクリル酸エステルを
主成分とするが、具体的には全単量体に対してメタクリ
ル酸エステルを95重量%〜50重量%及びスチレン5
重量%〜50重量%を用いるのが好ましく、メタクリル
酸エステル90重量%〜70重量%及びスチレン10重
量%〜30重量%を用いるのがより好ましい。また、環
状構造を有するメタクリル酸エステルは、前記のように
全単量体に対して2重量%〜20重量%、特に5重量%
〜10重量%用いるのが好ましい。メタクリル酸エステ
ルが95重量%を超えると、発泡性が低下し、発泡粒子
の収縮及び成形品の収縮が起こりやすく、一方50重量
%未満では、表面仕上がりの良好な鋳物を得ることが難
しい。また、スチレンが5重量%未満では発泡性、成形
品の表面平滑性及び強度が低下する傾向にあり、一方5
0重量%を超えると浸炭による鋳物欠陥が生じる傾向に
ある。
【0012】本発明における共重合体は、ガラス転移温
度(Tg)が80℃〜105℃になるようにするのが成
形性、発泡性等の面から好ましい。共重合体の重量平均
分子量(Mw)は150,000〜300,000、さ
らには170,000〜230,000に調整するのが
好ましい。Mwが150,000未満では一次発泡粒子
及び成形品の収縮が生じ易く、Mwが300,000を
超えると通常の発泡や成形時のスチーム加熱条件では十
分な発泡、成形融着が得られにくい。また、重量平均分
子量と数平均分子量の比であるMw/Mnは2.3〜
3.5に調整するのが高発泡性等に優れるので好まし
い。なお、本発明における分子量は、ゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィー法により測定し、標準ポリスチ
レン検量線を用いて換算した値をいう。
【0013】本発明において共重合体は、溶液重合、乳
化重合、塊状重合、懸濁重合等の任意の方法で得ること
ができる。共重合体の重合に際して、使用される重合開
始剤としては、例えばラウロイルパーオキサイド、ベン
ゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ(2−エ
チルヘキサノエート)、t−ブチルパーオキシベンゾエ
ート、t−ブチルパーオキシピバレート等の一官能性有
機過酸化物、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジ−t−ブチルパ
ーオキシヘキサヒドロテレフタレート、ジ−t−ブチル
パーオキシトリメチルアジペート、ジ−t−ブチルパー
オキシイソフタレート等の二官能性有機過酸化物などの
有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリルやアゾビス
ジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物などが用いられ
る。上記重合開始剤は、重合容器内に単量体を加える前
に加えても、単量体を加えた後に加えても、単量体と共
に加えてもなんら差し支えない。重合開始剤の調整によ
っても、得られる共重合体の分子量を上記範囲に調整す
ることができる。一般に重合開始剤は単量体の総量に対
して0.01重量%〜2重量%使用するのが好ましい。
また、共重合体の分子量を調節するために、n−ドデシ
ルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ブチ
ルメルカプタン、tert−ブチルメルカプタン等を使
用することができる。これらは、好ましくは、単量体に
対して1モル%以下使用する。重合温度は通常0℃〜2
00℃の間で適宜選択する。
【0014】本発明の発泡性アクリル樹脂組成物に使用
する発泡剤としては、常温常圧下で液体又は気体であ
り、かつ、上記共重合体を溶解しない易揮発性有機化合
物である、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、石
油エーテル等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン等の環
状炭化水素、塩化メチレン、トリクロロトリフルオロエ
タン、ジクロロジフルオロエタン等のハロゲン化脂肪族
炭化水素などを挙げることができるが、常温常圧下で液
体であり、発泡性の保持性に優れるペンタンを用いるの
が好ましい。また、この場合にペンタン以外の成分を併
用しても良い。ペンタンとしては、n−ペンタン、イソ
ペンタン、ネオペンタン、シクロペンタン等が使用でき
るが、発泡剤の保持性と経済性の面からイソペンタンを
用いるのが好ましい。発泡剤の含浸量は上記共重合体に
対して1重量%〜20重量%であるのが発泡特性上好ま
しい。ペンタンの場合は上記共重合体に対して1重量%
〜13重量%であるのが、良好な発泡成形体が得られる
ので好ましい。また、この場合ペンタン以外の発泡剤
は、共重合体に対して、0重量%〜10重量%の範囲で
併用するのが好ましい。
【0015】発泡剤を共重合体に含浸させる方法として
は、共重合体の製造法として懸濁重合を採用し、その重
合の後半に、重合系に発泡剤を添加すること、好ましく
は圧入することにより行う方法が好ましく、この場合発
泡性樹脂粒子を得ることができる。ここで重合の後半と
は、重合転化率が50重量%以上、好ましくは70重量
%以上の時点をいう。別の方法としては、共重合体の球
状またはペレット状の粒子を水性媒体中に懸濁させ、こ
れに、発泡剤を添加する方法がある。この場合、懸濁下
での発泡剤の含浸は20℃〜130℃で行うのが好まし
い。さらに別の方法として、共重合体と発泡剤を溶融混
合してもよい。この場合、主に押出し機が使用される。
【0016】共重合体への発泡剤の含浸時には、可塑剤
を存在させることができる。可塑剤としては共重合体を
溶解又は膨潤させることができる有機溶剤が使用でき、
その沸点が、共重合体の軟化点よりも約10℃低い温度
以上でかつ150℃以下のものが好ましい。可塑剤とし
ては、エチルベンゼン、トルエン、スチレン、キシレン
等の芳香族炭化水素、1,2−ジクロロプロパン、トリ
クロロエチレン、パークロロエチレン等のハロゲン化炭
化水素などがある。可塑剤は共重合体に対して0重量%
〜5重量%使用されるのが好ましい。さらに、本発明に
おける発泡性アクリル樹脂組成物には、帯電防止剤等の
添加剤を含有させてもよい。
【0017】本発明における発泡性アクリル樹脂組成物
の発泡成形は、広く工業的に行われているスチレン系樹
脂の発泡、成形方法がそのまま適用できる。発泡は常
圧、加圧又は減圧下、スチームや気体による加熱により
行われる。例えば、発泡性樹脂の形態が粒子の場合はス
チームによる予備発泡を行って予備発泡粒子とした後、
成形機中でさらにスチーム発泡し、発泡成形品を得るこ
とができる。また押出し発泡機を用いて発泡成形品を得
ることもできる。本発明における発泡性アクリル樹脂組
成物の発泡倍率は、低倍率から高倍率まで任意に選択す
ることができる。
【0018】以上のような方法により成形された発泡成
形品は消失模型として用いることができる。消失模型
は、これを砂中に埋め、ここへ溶湯を注入し、該溶湯の
熱で消失模型を分解消失させるとともに消失部分に溶湯
が入って、鋳物を得る工程を含む金属鋳造物の製造法
(消失模型鋳造法)に用いられる。なお、本発明の金属
鋳造物の製造法においては、前記消失模型を用いること
以外は、上記の通常の工程に従って行うことができる。
【0019】
【実施例】以下、実施例を説明する。「%」とあるのは
「重量%」である。 実施例1 4リットルのオートクレーブに懸濁重合の連続相として
イオン交換水1170g、0.5%ドデシルベンゼンス
ルフォン酸ソーダ(和光純薬工業(株)製)水溶液10
g、10%リン酸カルシウム水分散液(日本化学(株)
製、商品名:スーパータイト10)を20g入れ、さら
に分散相として重合開始剤ベンゾイルパーオキサイド
(日本油脂(株)製、商品名ナイパーBW)4.8g及
びt−ブチルパーオキシベンゾエート(日本油脂(株)
製、商品名パーブチルZ)0.36gと連鎖移動剤n−
オクチルメルカプタン(和光純薬工業(株)製)2.0
gを溶解したスチレン180g、メチルメタクリレート
900g、シクロヘキシルメタクリレート60g及びブ
チルメタクリレート60gを入れて撹拌し、窒素ガスを
毎分75cc流しながら74℃に昇温して懸濁重合を開始
した。約4時間で重合を終了し、更に110℃に3時間
保温した後100℃に保ち、ペンタン(n−ペンタン/
イソペンタンの重量比が8/2、以下同様)120gと
トルエン20gを圧入して5時間保温し冷却した。得ら
れた発泡性重合体粒子の重量平均分子量(Mw)は20
万で、重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/M
n)は2.5であった。揮発分8%で3分間予備発泡し
たところ予備発泡粒子の嵩密度は20g/リットルであ
った。嵩密度20g/リットルの予備発泡粒子を金型に
充填し、0.8kgf/cm2のスチーム圧力で成形したとこ
ろ表面平滑性の優れた成形品が得られた。
【0020】実施例2 4リットルのオートクレーブに懸濁重合の連続相として
イオン交換水1170g、0.5%ドデシルベンゼンス
ルフォン酸ソーダ(和光純薬(株)製)水溶液10g、
10%リン酸カルシウム水分散液(日本化学(株)製、
商品名:スーパータイト10)を20g入れ、さらに分
散相として重合開始剤ベンゾイルパーオキサイド(日本
油脂(株)製、商品名ナイパーBW)4.8g及びt−
ブチルパーオキシベンゾエート(日本油脂(株)製、商
品名パーブチルZ)0.6gと連鎖移動剤n−オクチル
メルカプタン(和光純薬(株)製)1.8gを溶解した
スチレン300g、メチルメタクリレート740g、ブ
チルメタクリレート40g及びベンジルメタクリレート
120gをいれて撹拌し、窒素ガスを毎分65cc流しな
がら77℃に昇温して懸濁重合を開始した。約4時間で
重合を終了し、更に110℃に3時間保温した後100
℃に保ち、ペンタン120gとトルエン20gを圧入し
て5時間保温し冷却した。得られた発泡性重合体粒子の
重量平均分子量(Mw)は22万で、重量平均分子量と
数平均分子量の比(Mw/Mn)は3.6であった。揮
発分8%で3分間予備発泡したところ予備発泡粒子の嵩
密度は18g/リットルであった。嵩密度18g/リッ
トルの予備発泡粒子を金型に充填し、0.7kgf/cm2
スチーム圧力で成形したところ表面平滑性の優れた成形
品が得られた。
【0021】比較例1 実施例1においてシクロヘキシルメタクリレート60g
をメチルメタクリレート60gに変更した以外は実施例
1と同様にして懸濁重合を行い発泡性重合体粒子を得
た。得られた発泡性重合体粒子の重量平均分子量(M
w)は200,000で、重量平均分子量と数平均分子
量の比(Mw/Mn)は2.5であった。揮発分8%で
3分間予備発泡したところ予備発泡粒子の嵩密度は30
g/リットルであった。次にビーズを20g/リットル
に予備発泡し、予備発泡粒子を金型に充填し、0.8kg
f/cm2のスチーム圧力で成形したところ変形収縮のある
成形品が得られた。また予備発泡粒子の嵩密度を約22
g/リットル以下にすると発泡粒子の収縮が生じた。
【0022】比較例2 4リットルのオートクレーブに懸濁重合の連続相として
イオン交換水1170g、0.5%ドデシルベンゼンス
ルフォン酸ソーダ(和光純薬(株)製)水溶液10g、
10%リン酸カルシウム水分散液(日本化学(株)製、
商品名:スーパータイト10)を20g入れ、さらに分
散相として重合開始剤ベンゾイルパーオキサイド(日本
油脂(株)製、商品名ナイパーBW)4.8g及びt−
ブチルパーオキシベンゾエート(日本油脂(株)製、商
品名パーブチルZ)0.6gと連鎖移動剤n−オクチル
メルカプタン(和光純薬(株)製)1.7gを溶解した
スチレン300g、メチルメタクリレート850g及び
ブチルメタクリレート50gをいれて撹拌し、窒素ガス
を毎分60cc流しながら74℃に昇温して懸濁重合を開
始した。約4時間で重合を終了し、更に110℃に3時
間保温した後100℃に保ち、ペンタン120gとトル
エン20gを圧入して5時間保温し冷却した。得られた
発泡性重合体粒子の重量平均分子量(Mw)は190,
000で、重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/
Mn)は3.4であった。揮発分8%で3分間予備発泡
したところ予備発泡粒子の嵩密度は26g/リットルで
あった。次にビーズを18g/リットルに予備発泡し、
予備発泡粒子を金型に充填し、0.8kgf/cm2のスチー
ム圧力で成形したところ変形収縮のある成形品が得られ
た。
【0023】比較例3 実施例1においてスチレン180gの代わりにα−メチ
ルスチレン60gとスチレン120gを使用し、連鎖移
動剤を除いた他は実施例1と同様に懸濁重合を行った。
約9時間で重合を終えた。更に110℃に3時間保温し
た後100℃に保ち、ペンタン120gとトルエン20
gを圧入して5時間保温し冷却した。得られた発泡性重
合体粒子の重量平均分子量(Mw)は190,000
で、重量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)
は2.6であった。揮発分8%で3分間予備発泡したと
ころ予備発泡粒子の嵩密度は35g/リットルであっ
た。ビーズを20g/リットルに予備発泡し、予備発泡
粒子を金型に充填し、0.8kgf/cm2のスチーム圧力で
成形したところ表面平滑性の劣る成形品が得られた。
【0024】比較例4 発泡性ポリスチレンビーズとしてHCF−5000(日
立化成工業(株)製)を用いた。発泡性は、揮発分8%
で12g/リットルである。
【0025】消失模型の作成と評価 実施例1〜2及び比較例1〜5の発泡性ビーズを20g
/リットルに予備発泡し、100mm×100mm×40mm
の発泡体を作成してJIS13クロム鋼(クロム含有率
平均13重量%、SUS1)の鋳込み実験を行った。鋳
造法案は押し上げ方式で、鋳込温度は1580度であ
る。湯じわ欠陥及び表面平滑性は鋳物表面の観察により
評価し、浸炭率は鋳物表面からクロム鋼を削り取って燃
焼法で測定した。JIS13クロム鋼の浸炭率は0.1
5重量%以下であることが好ましい。結果を表1に示
す。
【0026】
【表1】
【0027】
【発明の効果】以上の実施例からも明らかなように、本
発明の発泡性アクリル樹脂組成物は従来よりも高発泡性
でかつ発泡成形品の収縮がなく、得られる発泡成形品の
外観が良好となる。また、この発泡成形品を消失模型と
して用いた金属鋳造物は、浸炭による鋳物欠陥がなく、
高クロム鋼や高ニッケル鋼等の浸炭による鋳物欠陥を嫌
う低炭素鋼用途の消失模型鋳造法に工業上極めて有用で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 33/12 LHV

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状構造を有するメタクリル酸エステル
    を含むメタクリル酸エステルを主成分とし、さらにスチ
    レンを含む単量体混合物を共重合して得られる共重合体
    中に、発泡剤が含浸されてなる発泡性アクリル樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 単量体混合物が、メタクリル酸エステル
    95重量%〜50重量%及びスチレン5重量%〜50重
    量%を含むものである請求項1記載の発泡性アクリル樹
    脂組成物。
  3. 【請求項3】 共重合体の重量平均分子量が15万〜3
    0万である請求項1又は2記載の発泡性アクリル樹脂組
    成物。
  4. 【請求項4】 単量体混合物が、メタクリル酸エステル
    90重量%〜70重量%及びスチレン10重量%〜30
    重量%を含むものである請求項1、2又は3記載の発泡
    性アクリル樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 単量体混合物が、環状構造を有するメタ
    クリル酸エステルを2重量%〜20重量%含むものであ
    る請求項1、2、3又は4記載の発泡性アクリル樹脂組
    成物。
  6. 【請求項6】 環状構造を有するメタクリル酸エステル
    がシクロヘキシルメタクリレート又はベンジルメタクリ
    レートである請求項1〜5のいずれかに記載の発泡性ア
    クリル樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれかに記載の発泡性
    アクリル樹脂組成物を加熱発泡成形してなる発泡成形
    品。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の発泡成形品を消失模型と
    して使用し金属を鋳造することを特徴とする金属鋳造物
    の製造法。
  9. 【請求項9】 鋳造する金属が、高クロム鋼又は高ニッ
    ケル鋼である請求項8記載の金属鋳造物の製造法。
JP6083294A 1994-03-30 1994-03-30 発泡性アクリル樹脂組成物、これを用いた発泡成形品及び金属鋳造物の製造法 Pending JPH07268122A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002143985A (ja) * 2000-11-15 2002-05-21 Achilles Corp 鋳造消失模型用発泡ブロック体

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