JPH079075A - 発泡性樹脂組成物、鋳造用消失性模型及び鋳造法 - Google Patents

発泡性樹脂組成物、鋳造用消失性模型及び鋳造法

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JPH079075A
JPH079075A JP15778393A JP15778393A JPH079075A JP H079075 A JPH079075 A JP H079075A JP 15778393 A JP15778393 A JP 15778393A JP 15778393 A JP15778393 A JP 15778393A JP H079075 A JPH079075 A JP H079075A
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Japan
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casting
weight
model
resin composition
foaming
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JP15778393A
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Yoshiyuki Kato
芳行 加藤
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Showa Denko Materials Co Ltd
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 発泡性及び成形性が良好であり、しかも鋳造
時のカーボンの発生を少なくし、表面状態の良好な鋳造
品が得られる、消失模型鋳造法に用いる発泡性樹脂組成
物を提供する。 【構成】 メタクリル酸ベンジル及び炭素数1〜4のア
ルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステルを必須
成分とし、メタクリル酸ベンジルを重合性単量体の総量
に対して1〜50重量%使用して共重合させて得られ、
重量平均分子量が5〜30万である共重合体に、ペンタ
ンを含む発泡剤を含浸させてなる発泡性樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は発泡性樹脂組成物、これ
を用いて得られる鋳造用消失性模型、さらにこれを用い
る鋳造法に関する。
【0002】
【従来の技術】発泡ポリスチレンのような発泡熱可塑性
の模型は、溶融金属(溶湯ともよばれる)の鋳造法とし
てフルモールド法及び消失模型法(ロストフォーム法と
もいう)が知られているが、これらの方法では、先ず、
製造される金属鋳造物及び湯道(スプルー)に対応する
1つ又はそれ以上の消失模型並びにモールドランナーシ
ステムを、耐火性塗料(塗型剤ともよばれる)で被覆し
た後、これらを鋳型を構成する鋳枠中に入れ、砂で囲
む。次いで、溶融金属がその鋳型に注がれる。このと
き、消失模型は溶融金属の熱により分解し、金属によっ
て置き換えられる。金属が固化した後、消失模型の形状
に対応する鋳造物が取りだされる。
【0003】従来、前記消失性模型としては発泡ポリス
チレン成形体等の発泡熱可塑性成形体が使用される。特
に、発泡ポリスチレン成形体は、揮発性発泡剤を含むポ
リスチレンビーズを加熱して予備発泡した後熟成するこ
とによって得られる一次発泡ポリスチレンビーズを、ア
ルミニウム等からなる金型を用いて通常蒸気により加熱
することにより発泡成形(二次発泡)して製造される。
この二次発泡において、原料となる一次発泡ポリスチレ
ンビーズは、発泡と共にビーズ同士が充分に融着するこ
とが重要である。
【0004】ポリスチレン発泡成形体を消失性模型とし
て使用した場合、鋳造時に多量のスス(カーボン状物
質)並びにガスを発生するため、鋳肌を汚したり鋳物内
部にピンホールが生じることによる鋳物の外観不良、機
械的強度の欠陥が指摘されている。
【0005】そこで、これらの欠点を改良するために、
消失性模型として種々の発泡熱可塑性樹脂成形体が提案
されている
【0006】例えば、特開平1−500736号公報に
はポリメタクリル酸メチルの発泡成形体を消失模型とす
ることが提案されている。しかし、ポリメタクリル酸メ
チルを樹脂成分とする発泡性熱可塑性樹脂から一次発泡
性粒子を得るためには特殊な真空式発泡機を使用しなけ
れば発泡倍数が低く、従って、低密度の発泡成形品が得
られない。更に、この発泡性熱可塑性樹脂の成形には、
ポリスチレン発泡体を得る場合に比較して高い蒸気圧が
必要であり、消失性模型の生産性に劣るという欠点があ
った。これを解決するためには、ポリメタクリル酸メチ
ルの分子量を比較的低くする必要があるが、この場合
は、成形品(消失性模型)の収縮しやすいという欠点が
ある。すなわち、発泡能力と成形品の耐収縮性を同時に
解決することが困難である。また、ポリメタクリル酸メ
チルは、鋳造時の熱分解ガスの発生量が多く、その圧力
により、特に大容積もしくは肉厚の鋳造物を作製すると
き、鋳物に熱分解ガスが巻き込まれやすく、さらに、溶
湯が吹き返される危険性がある。
【0007】さらに、消失性模型の原料となる発泡性樹
脂組成物の樹脂成分として、特開昭60−184447
号公報にはメタクリル酸メチルとα−メチルスチレンの
共重合体、特開平2−182733号公報にはメタクリ
ル酸メチル、スチレン及びα−メチルスチレンの共重合
体、特開平4−283209公報にはメタクリル酸メチ
ル、特定のメタクリル酸エステル、スチレン及びα−メ
チルスチレンの共重合体が提案されている。しかし、メ
タクリル酸メチル及びα−メチルスチレンを含む重合性
単量体の重合速度は非常に遅く、共重合体の製造におい
て生産性に劣る。また、これらの重合体を含む発泡性樹
脂組成物においても前記と同様、発泡能力と成形品の耐
収縮性を同時に解決することが困難である。
【0008】また、特開平2−501660号公報に
は、一次発泡したポリメタクリル酸メチル粒子と一次発
泡したポリスチレン粒子の混合物を発泡成形して得られ
る消失性模型が提案されているが、ポリメタクリル酸メ
チルを充分発泡させるためにはその分子量を比較的小さ
くする必要があり、このため発泡成形体(消失性模型)
が収縮しやすいという欠点がある。
【0009】本発明は、これらの問題点を解決するもの
であり、発泡性能及び発泡体の耐収縮性が良好であり、
消失性模型としたときに鋳造時にススの発生がなく、し
かも樹脂成分の合成が容易である発泡性樹脂組成物、こ
れを発泡成形してなる鋳造用消失性模型並びにこれを用
いる鋳造法を提供するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明における発泡性樹
脂組成物は、メタクリル酸ベンジル及び炭素数1〜4の
アルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステルを必
須成分とし、メタクリル酸ベンジルを重合性単量体の総
量に対して1〜50重量%使用して共重合させて得ら
れ、重量平均分子量が5〜30万である共重合体に、ペ
ンタンを含む発泡剤を含浸させてなるものである。
【0011】本発明における発泡性樹脂組成物の樹脂成
分である共重合体の成分となるメタクリル酸アルキルエ
ステルにおける、炭素数1〜4のアルキル基としては、
メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、secブチル基、tert−ブチル
基、イソブチル基等が挙げられる。
【0012】前記共重合体の一例は、メタクリル酸ベン
ジル1〜50重量%及びメタクリル酸アルキルエステル
99〜50重量%を重合させて得られるものである。ま
た、メタクリル酸ベンジル1〜50重量%、メタクリル
酸アルキルエステル90〜30重量%及びスチレン、α
−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物20重量%以
下を全体が100重量%になるように配合し、重合させ
て得られる共重合体も前記共重合体の一例である。前記
共重合体としては、好ましくは、メタクリル酸ベンジル
2〜30重量%及びメタクリル酸アルキルエステル98
〜50重量%及び芳香族ビニル化合物0〜20重量%を
共重合させて得られる共重合体が好ましい。
【0013】前記共重合体においてメタクリル酸アルキ
ルエステルを使用することにより、本発明に従って得ら
れる消失性模型は、鋳造時にススの発生が少なく、欠陥
の少ない鋳物が得られるが、メタクリル酸アルキルエス
テルが99%重量%を超えると一次発泡度が低下し、発
泡成形品の収縮度が大きくなる。メタクリル酸ベンジル
を使用することにより、発泡性能及び発泡体の耐収縮性
が向上するが、メタクリル酸ベンジルが50重量%を超
えると発泡成形体の収縮性が大きくなりやすく、メタク
リル酸ベンジルが1重量%未満のときは発泡性能及び成
形品の耐収縮性を改善することができない。前記共重合
体において芳香族ビニル化合物、特にスチレンの使用に
より発泡特性を改善することができるが20重量%を超
えると、本発明に従って得られる消失性模型を使用して
鋳造したとき、共重合体の分解度が低下し、スス(カー
ボン状物質)を発生し、鋳肌を汚す。
【0014】本発明においては得られる共重合体の重量
平均分子量(Mw)は5〜30万の範囲に調節すること
が好ましい。重量平均分子量が30万を超える場合に
は、基材としては強度が上がるが、一次発泡や二次発泡
(発泡成形)においてポリスチレン発泡体と同等のスチ
ーム加熱条件では充分な発泡、成形融着が得られないこ
とがある。また、重量平均分子量が5万未満の場合に
は、一次発泡時のブロッキング、発泡成形時の金型高温
部での表皮溶解(いわゆるケロイド状)の原因となるこ
とがあるとともに消失性模型の収縮率が大きくなり、適
当な成形条件の設定が困難となる。上記重量平均分子量
は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー法に
より測定し、標準ポリスチレンで換算した値である。
【0015】前記共重合体は溶液重合、乳化重合、懸濁
重合等の任意の方法で得ることができる。共重合体の重
合に際して、使用される重合開始剤としては、例えばラ
ウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、
t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)、
t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオ
キシピバレート等の一官能性有機過酸化物、1,1−ジ
−t−ブチルパーオキシ3,3,5−トリメチルシクロ
ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオコシヘキサヒドロテレ
フタレート、ジ−t−ブチルパーオキシトリメチルアジ
ペート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート等の
二官能性有機過酸化物などの有機過酸化物、アゾビスイ
ソブチロニトリルやアゾビスジメチルバレロニトリル等
のアゾ化合物などが用いられる。上記重合開始剤は、重
合容器内に単量体を加える前に加えても、単量体を加え
た後に加えても、単量体と共に加えてもなんら差し支え
ない。重合開始剤は得られる樹脂の分子量が5〜30万
になるように調節すれば良いが、単量体の総量に対して
0.01〜2重量%使用されるのが好ましい。また、共
重合体の分子量を調節するために、n−ドデシルメルカ
プタン、n−オクチルメルカプタン、n−ブチルメルカ
プタン、tert−ブチルメルカプタン等を使用するこ
とができる。これらは、好ましくは、単量体に対して1
モル%以下使用する。重合温度は0〜150℃の間で適
時選択する。
【0016】本発明における発泡性樹脂組成物に含有さ
せる発泡剤としては、常温常圧下で液体であり、かつ、
上記重合体を溶解しない易揮発性有機化合物としてペン
タンが必須成分として用いられる。ペンタンとしては、
n−ペンタン、i−ペンタン、ネオペンタン、シクロペ
ンタン等が使用できる。発泡剤の保持性の面と経済性の
面からはi−ペンタンを含浸させるのが好ましい。
【0017】本発明においては、発泡剤として、常温常
圧下で液体または気体であって前記共重合体を溶解しな
いペンタン以外の易揮発性有機化合物を併用することが
できる。このようなものとしては、例えばプロパン、ブ
タン、ヘキサン石油エーテル等の脂肪族炭化水素、シク
ロヘキサン等の環状炭化水素、塩化メチレン、トリクロ
ロトリフロオロエタン、ジクロロジフルオロエタン等の
ハロゲン化脂肪族炭化水素などがあげられる。これらの
ペンタン以外の発泡剤は発泡剤総量に対して90重量%
以下の範囲で用いるのが好ましい。本発明における発泡
性樹脂組成物は、発泡剤を前記共重合体に対して1〜1
5重量%以下、好ましくは3〜10重量%で用いるのが
好ましい。
【0018】発泡剤を重合体に含浸させるには、重合体
の製造方法として懸濁重合を採用するときには、その重
合の後半又は重合後に、重合系に発泡剤を添加するこ
と、好ましくは圧入することにより行うことができる。
ここで重合の後半とは、重合転化率が50重量%以上、
好ましくは70重量%以上の時点をいう。別の方法とし
ては、共重合体の球状またはパレット状の粒子を水性媒
体中に懸濁させ、これに発泡剤を添加する方法がある。
懸濁下での発泡剤の含浸は20〜130℃で行うのが好
ましい。さらに別の方法として、共重合体と発泡剤を溶
融混合してもよい。この場合主に、押し出し機が使用さ
れる。
【0019】前記共重合体への発泡剤の含浸時には、可
塑剤を存在させることができる。可塑剤としては、前記
共重合体を溶解または膨潤させることができる有機溶剤
が使用でき、その沸点が、重合体の軟化点よりも約10
℃低い温度以上でかつ150℃以下のものが好ましい。
可塑剤としては、エチルベンゼン、トルエン、スチレ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素、1,2−ジクロロプ
ロパン、トリクロロエチレン、パークロロエチレン等の
ハロゲン化炭化水素などがある。可塑剤は共重合体に対
して0〜5重量%使用されるのが好ましい。さらに、本
発明における発泡性樹脂組成物には、帯電防止剤等の公
知の添加剤を含有させてもよい。
【0020】本発明における発泡性樹脂組成物の発泡成
形は広く工業的に行われているスチレン系樹脂の発泡、
成形方法がそのまま適用できる。発泡は常圧または加圧
あるいは減圧下でスチーム等の気体による加熱により行
われる。例えば、発泡性樹脂組成物が粒子の場合には水
蒸気による一次発泡を行った後、成形金型中でさらに水
蒸気で発泡成形し、成形品を得ることができる。また押
し出し発泡機を用いて発泡体を得ることもできる。本発
明における発泡性樹脂組成物の発泡倍率は、低倍率から
高倍率まで任意に選択することができる。
【0021】以上のような方法により得られた消失模型
は、これを砂中に埋め、消失模型部に溶湯を注入し、こ
の溶湯の熱で消失模型を分解消失させるとともに消失部
分に溶湯を入れて鋳物を得る工程を含む消失模型鋳造法
に用いられる。本発明における鋳造法では、前記消失性
模型を使用すること以外は、常法に従うことができる。
この消失性模型は、前記したフルモールド法、消失模型
法に使用することができる。特に、ステンレス(耐酸、
耐腐食鋼)、ニッケルクローム鋼(耐熱鋼)、鋳鋼など
の低炭素鋼の鋳造にとって有用である。
【0022】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。なお、以下、「部」および「%」は重量基準であ
る。
【0023】実施例1〜9および比較例1〜8 表1又は表2に示す配合量の単量体の混合溶液に、重合
開始剤としてラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパ
ーオキサイド。t−ブチルパーオキシベンゾエートなら
びに分子量調節剤としてn−オクチルメルカプタンを表
1に示す配合量で溶解し、窒素でバブリングを行い溶存
酸素を1ppm以下とした。別に、3Lオートクレーブ
中の水1500gにリン酸三カルシウム5g、ドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5%水溶液6g、お
よび硫酸ナトリウム0.5gを分散または溶解した水溶
液を窒素でバブリングを行い溶存酸素を1ppm以下と
した。この水系の中に、300回転/分の回転撹拌下に
単量体系を添加し、さらにオートクレーブ器内の雰囲気
を窒素で置換した。ついで80℃まで昇温し、そのまま
の温度で10時間撹拌した時点で表1に示す量のペンタ
ンおよびトルエンを添加した。ついで120℃まで昇温
し、同温度で5時間撹拌した。その後、冷却し、発泡性
樹脂粒子を取り出し、塩酸洗浄および水洗脱水して乾燥
した。
【0024】得られた発泡性樹脂粒子の平均粒子径、総
揮発成分量及びペンタン含有量を測定し表1に示した。
なお、本発明において平均粒子径は、得られた発泡性樹
脂粒子をふるい分けし、ふるい分けられた粒子を小粒子
径の粒子から逐次、粒子径に対して累積重量をプロット
した曲線を作成し、累積重量が50%に値する粒子径を
示したものである。また、総揮発分量はサンプル2gを
アルミ皿にとり、180℃で10分間加熱して重量を測
定し、{(加熱前のサンプル重さ)−(加熱後の重
さ)}/(サンプルの重さ)×100%で表した。さら
に、得られた発泡性樹脂粒子の発泡剤量を前記総揮発成
分量からトルエンと残存モノマーの合計量を差し引くこ
とにより求めた。ただし、トルエンと残存モノマーは発
泡性樹脂粒子をジメチルホルムアミドに溶解し、これを
試料として、また、シクロペンタノールを内部標準物質
としてガスクロマトグラフ法により測定した。発泡剤と
してペンタンとブタンを併用している場合、得られた発
泡性樹脂粒子を密閉容器中にで590℃に加熱し、気化
した物質をガスクロマトグラフ法により測定し、ペンタ
ンとブタンのガスクロマトグラムの面積比に基づき、そ
れらの量を求めた。得られた発泡性樹脂粒子の樹脂成分
の重量平均分子量を表1又は表2に示す。
【0025】前記で得られた発泡性樹脂粒子を粒径が
0.3〜0.6mmの粒径のものに篩い分けし、これを
100℃の沸騰水中に表1及び表2に示す加熱時間浸漬
して一次発泡粒子を得た。この一次発泡粒子の比容積を
測定し、表1又は表2に示した。比容積は、容量100
0mlのメスシリンダーに一次発泡粒子をつめて、その
重量を測定し、容積/重量によって求めた。また、発泡
粒子の収縮の有無を目視で評価し、容積/重量さらに、
この一次発泡粒子を25℃の空気中で24時間熟成し、
成形用金型に入れ、テーブル式オートクレーブ中で1.
0kg/cm2 ・G(120℃)のスチームで表1に示
す時間加熱し、発泡成形体を得た。得られた発泡成形体
について、収縮の有無、表面平滑性を目視で評価した
後、点火して黒煙およびススの発生について評価した。
これらの評価結果を表1又は表2に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】実施例10 実施例1〜9で得られた発泡性樹脂粒子を用いて消失模
型法により鋳造した。実施例1〜9で得られた発泡性樹
脂粒子を26メッシュ(0.60mm)から50メッシ
ュ(0.30mm)の範囲になるように篩い分けを行
い、45ml/gになるように一次発泡を行った。1昼
夜20〜25℃の温度下で熟成を行った後、水道配管の
接続部部品に使用する消失性模型の成形を行った。更に
この消失模型(成形品)を用いて鉄鋳造を行った。鋳造
はダクタイル鋳鉄(炭素3.55,珪素2.4,マグネ
シウム0.04,マンガン0,2%)を用い、1450
〜1470℃で行った。この鋳造は3回行った。
【0029】比較例8 実施例1〜9で得られた発泡性樹脂粒子の代わりに発泡
性ポリスチレン(日立化成工業株式会社製ハイビーズH
FC−5000)を用いること以外、実施例10に準じ
て消失模型法により鋳造した。
【0030】比較例8で鋳造して得られた鉄鋳物は3個
とも表面にカーボンの付着が認められ、また鉄の内部に
もカーボンを巻き込んでいた(炭素欠陥あり)。これに
対して、実施例10で鋳造して得られた鉄鋳物は3個と
も表面にカーボンの付着が認められず、また、鉄の内部
にもカーボンを巻き込んでいなかった(炭素欠陥な
し)。更に、得られた鋳物の表面を比較すると、比較例
8では鋳物の表面は凹凸(湯じわ欠陥あり)が著しいの
に対して、実施例10では鋳物の表面には凹凸がなく、
平滑であった(湯じわ欠陥なし)。比較例8における鋳
物表面の凹凸は樹脂が分解したガスまたはオリゴマーが
排気されずに表面に溜まるために鉄の溶湯が十分に充填
できなかった結果発生すると考えられる。実施例10に
おける消失性模型は、鋳造時における樹脂の熱分解性が
よいので、気化しやすく、樹脂の熱分解が起こると同時
に溶湯が容易に充填され、得られた鋳物の表面に凹凸が
できなかったと考えられる。実施例10においては、発
泡ポリメタクリル酸メチル成形体からなる消失性模型を
用いて鋳造するときに発生する熱分解ガスによる溶湯金
属の吹き返し現象はなく、分解ガスを鋳物に巻き込むガ
ス欠陥も認められなかった。
【0031】
【発明の効果】請求項1における発泡性樹脂組成物は、
発泡性能及びその発泡体の耐収縮性が良い。これを発泡
成形して得られる請求項2における鋳造用消失性模型
は、耐収縮性が良好である。また、これを用いる請求項
3の鋳造法にれば、溶湯金属の吹き出しがなく、ガス欠
陥のない金属鋳物が得られる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタクリル酸ベンジル及び炭素数1〜4
    のアルキル基を有するメタクリル酸アルキルエステルを
    必須成分とし、メタクリル酸ベンジルを重合性単量体の
    総量に対して1〜50重量%使用して共重合させて得ら
    れ、重量平均分子量が5〜30万である共重合体に、ペ
    ンタンを含む発泡剤を含浸させてなる発泡性樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の発泡性樹脂組成物を発泡
    成形して得られる発泡熱可塑性樹脂成形体からなる鋳造
    用消失性模型。 【請求項2】 消失模型を砂中に埋め、消失模型部に溶
    湯を注入し、この溶湯の熱で消失模型を分解消失させる
    とともに消失部分に溶湯を入れて鋳物を得る工程を含む
    消失模型鋳造法において、消失模型として請求項2記載
    の鋳造用消失性模型を使用することを特徴とする鋳造
    法。
JP15778393A 1993-06-29 1993-06-29 発泡性樹脂組成物、鋳造用消失性模型及び鋳造法 Pending JPH079075A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4632563B2 (ja) * 2001-03-08 2011-02-16 アキレス株式会社 消失模型用発泡樹脂ブロック製造用金型

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4632563B2 (ja) * 2001-03-08 2011-02-16 アキレス株式会社 消失模型用発泡樹脂ブロック製造用金型

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