JPH06298982A - 発泡性樹脂組成物、消失模型及び鋳造法 - Google Patents

発泡性樹脂組成物、消失模型及び鋳造法

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JPH06298982A
JPH06298982A JP8371593A JP8371593A JPH06298982A JP H06298982 A JPH06298982 A JP H06298982A JP 8371593 A JP8371593 A JP 8371593A JP 8371593 A JP8371593 A JP 8371593A JP H06298982 A JPH06298982 A JP H06298982A
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JP
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casting
vanishing
vanishing model
copolymer
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Application number
JP8371593A
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English (en)
Inventor
Yoshiyuki Kato
芳行 加藤
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 発泡性及び成形性が良好であり、しかも消失
模型を用いる鋳造においてカーボンの発生を少なくし表
面状態の良好な鋳造品が得られる消失模型の成形に適し
た発泡性樹脂組成物を提供する。 【構成】 重合体粒子の存在下に重合性単量体を懸濁
重合させることにより得られる共重合体であって、この
共重合体全体の原料組成がスチレン1〜80重量%、炭
素数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキル
エステル98.5〜20重量%及び化1〔一般式
(I)〕 【化1】 (但し、式中R1は水素又はメチル基であり、R2は二価
の有機基であり、R3は炭素数6〜20の脂環式炭化水
素基であり、nは0又は1である)で表わされる重合性
単量体0.5〜25重量%を全体が100重量%になる
ように配合されたものであり、重量平均分子量が5〜3
5万である共重合体に、発泡剤を含浸させてなる発泡性
樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、発泡性樹脂組成物、こ
の発泡性樹脂組成物を用いて得られる消失模型及びこの
消失模型を用いる鋳造法に関する。
【0002】
【従来の技術】合成樹脂の発泡体を鋳造用模型に使用す
る消失模型鋳造法は公知である。また、合成樹脂状物を
鋳造用に使用することに関しては、古くはロストワック
ス鋳造法、新しいものとしては前記の消失模型鋳造法に
その例が見られる。
【0003】ロストワックス鋳造法は原型をワックスで
作り、表面を耐火物で被覆したのち、ワックスを溶出除
去して鋳型を作る方法であるが、ワックスの溶出と型の
乾燥に手間を要し、大型鋳造品を得る方法としては不適
当であり、専ら比較的小さな鋳造品にその応用が限定さ
れている。
【0004】一方の消失模型鋳造法は、ポリスチレンな
どの発泡体で模型を作成し、これを砂の中に埋め、その
ままの状態で溶湯を注入し、溶湯の熱によって前記のプ
ラスチック発泡体の模型を分解消失させ、その空洞部分
に溶湯を入れて鋳物を得る方法である。この消失模型に
よれば模型の製作から鋳物作業までの工程が著しく簡素
化される。
【0005】消失模型法では、従来のプラスチック発泡
体を用いた模型は、鋳造する時に多量のスス(カーボン
状物質)及びガスを発生し、鋳肌を汚す、鋳物内部にピ
ンホールを生じる等の欠陥が指摘されている。
【0006】これらの欠点を改良した消失性模型とし
て、特公昭40−24146号公報に記載される過塩酸
アンモンを消失模型に含有させるもの、特公昭41−1
6925号公報に記載される解重合用の触媒を含有させ
るもの等が提案されている。しかし、これらの方法を詳
細に検討すると、模型製作の作業が以外と困難であり、
その割に効果が小さいという欠点がある。
【0007】このため、プラスチック発泡体において、
特にポリマーの面から種々の提案がされている。特に、
メタクリル酸エステルを主成分とした以下のような発泡
体が提案されている。特公昭49−23458号公報に
は熱分解性の良いメタクリル酸イソブチルを主成分と
し、メタクリル酸メチルを共重合成分とする発泡体が記
載されている。更に、メタクリル酸メチルを主成分とし
た発泡体も提案されている。
【0008】しかし、メタクリル酸メチルの重合体を使
用する場合には、発泡剤を充分に含浸させることができ
ず、得られる発泡性粒子は発泡倍数が低いものであっ
た。更に、成形性が劣り、成形品の機械的強度が低いと
いう欠点があった。
【0009】このため、発泡特性を向上させる目的で特
公昭51−24307号公報にはメタクリル酸メチルと
スチレンを共重合する方法が提案されている。また、特
公昭50−40160号公報には発泡特性の向上の目的
でメタクリル酸メチルの重合時にα−メチルスチレンを
添加し、共重合させる方法が記載されている。更に、特
公昭60−184447号公報にはメタクリル酸メチル
とα−メチルスチレンの共重合体の発泡体を消失性原型
に使用することが記載されている。
【0010】さらに、従来、重合性単量体を懸濁重合さ
せた場合、得られる重合体粒子の粒径分布は一般に広
く、従って用途に適した粒径に篩い分けして使用され、
また、懸濁重合法において粒径分布の狭い重合体粒子を
得る工夫が種々なされている。消失模型の製造におい
て、その原料である発泡性樹脂粒子の粒径分布が広い
と、発泡成形して得られる消失模型の成形外観にバラツ
キがあるという欠点の原因になる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記メタクリ
ル酸イソブチルを主成分とし、メタクリル酸メチルを共
重合成分とする発泡体は、ガラス転移温度が、ポリスチ
レン発泡体に比べて極めて低く、ポリスチレン発泡体用
の一次発泡及び成形装置を用いると一次発泡粒子及び成
形品の収縮度が大きくなる欠点がある。
【0012】また、メタクリル酸メチルを主成分とし、
スチレンまたはα−メチルスチレンを共重合成分とする
発泡体でも、一次発泡粒子及び成形品の収縮度が大きく
なる欠点があり、一次発泡倍数を高くすることと成形時
の収縮度を小さくすることを両立させることが困難であ
った。
【0013】一方、鋳造工程において、発泡性ポリスチ
レンを用いた鋳造物は炭素欠陥及び湯じわ欠陥となり、
外観及び鋳造物の強度が低下する欠点がある。発泡性ポ
リメタクリル酸メチルは炭素欠陥及び湯じわ欠陥はない
が鋳込み時の模型分解ガス圧が高いという欠点がある。
この場合、注湯時の熱分解ガスの発生量が多く、その圧
力により、特に高温下での大容積物、厚肉品の場合、溶
湯が吹き返されることがあり、作業が危険である。
【0014】本発明は、これらの問題点を解決するもの
であり、発泡性及び成形性を損うことなく、鋳造時に炭
素欠陥及び湯じわ欠陥の発生がなく外観のバラツキが少
なく、容易に重合が可能な発泡性樹脂組成物、この組成
物を用いて得られる消失模型及びこの消失模型を用いる
消失模型鋳造法を提供するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明における発泡性樹
脂組成物は、重合体粒子の存在下に重合性単量体を懸濁
重合させることにより得られる共重合体であって、この
共重合体全体の原料組成がスチレン1〜80重量%、炭
素数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキル
エステル98.5〜20重量%及び化2〔一般式
(I)〕
【化2】 (但し、式中R1は水素又はメチル基であり、R2は二価
の有機基であり、R3は炭素数6〜20の脂環式炭化水
素基であり、nは0又は1である)で表わされる重合性
単量体0.5〜25重量%を全体が100重量%になる
ように配合されたものであり、重量平均分子量が5〜3
5万である共重合体に、発泡剤を含浸させてなるもので
ある。
【0016】まず、前記共重合体について説明する。共
重合体の成分となる前記メタクリル酸アルキルエステル
におけるアルキル基炭素数1〜4のアルキル基として
は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブ
チル基、イソブチル基等が挙げられる。
【0017】前記共重合体の成分である一般式(I)で
表される重合性単量体のうち前記一般式(I)において
1がメチル基である重合性単量体の方が、R1が水素で
ある重合性単量体よりも、良好な発泡特性を示すので好
ましい。一般式(I)におけるR2は二価の有機基であ
るが、炭素数1〜12のアルキレン基、炭素数1〜12
のオキサアルキレン基等が好ましい。ここで、オキサア
ルキレン基とは、2つ以上のアルキレン基のおのおのの
間に酸素原子が結合した二価の有機基であり、−R4
O−R5−、−R6−O−R7−O−R8−、−R9−O−
10−O−R11−O−R12−(但し、R4、R5、R6
7、R8、R9、R10、R11及びR12はアルキレン基で
ある)等で表わされる基である。R2としては、具体的
には、−CH2−、−C24−、−C36−、−C48
−、−C510−、−C24−O−C24−、−C36
−O−C36−、−C24−O−C24−O−C24
等があげられる。一般式(I)におけるnは0または1
であるが、より良好な発泡特性、一般式(I)で表わさ
れる単量体の製造の容易性、経済性等から、nが0のも
のが最も好ましい。一般式(I)におけるR3は、炭素
数6〜20の脂環式炭化水素基である。炭素数が6未満
では発泡性が低下する。また、炭素数が20を越える
と、重合体の機械的強度が低下する。
【0018】一般式(I)で表わされる単量体は、公知
の方法によって製造される。例えば、一般式(I)にお
いてnが0の場合は、構造式が、R3OH(但しR3は一
般式(I)におけるR3とおなじである)で表わされる
脂環式炭化水素モノオールと、酸又はアルカリ触媒の存
在下に、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸クロラ
イド、メタクリル酸クロライド等との縮合反応や、アク
リル酸メチル、メタクリル酸メチルとのエステル交換反
応によってえることができる。また、一般式(I)にお
いてnが1の化合物は、上記の脂環式炭化水素モノオー
ルとHO−R2−OH(但し、R2は一般式(I)におけ
るR2と同じである)で示されるジオール成分、例え
ば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール等をパラト
ルエンスルホン酸、ケイタングステン酸等の酸触媒の存
在下に縮合し、HO−R2−O−R3(但し、R2及びR3
は一般式(I)におけるR2及びR3とおなじである)と
した後、前記と同様の縮合反応またはエステル交換反応
によってえることができる。
【0019】構造式R3OHで表わされる脂環式炭化水
素モノオールとしては、シクロヘキサノール、2,2,
5−トリメチルシクロヘキサノール、シクロヘプタノー
ル、シクロオクタノール、シクロデカノール、シクロド
デカノール、イソボルネオール、ボルネオール、π−ボ
ルネオール、ω−ボルネオール、1−アダマンタノー
ル、2−アダマンタノール、3−メチル−1−アダマン
タノール、3,5−ジメチル−1−アダマンタノール、
3−エチルアダマンタノール、3−メチル−5−エチル
−1−アダマンタノール、3,5,8−トリエチル−1
−アダマンタノール、3,5−ジメチル−8−エチル−
1−アダマンタノール、フエンチルアルコール、2−メ
チルカンファノール、l−メントール、8−ヒドロキシ
−トリシクロ〔5.2.1.026〕デカン、9−ヒド
ロキシ−トリシクロ〔5.2.1.026〕デカン、
3,7,7−トリメチル−4−ヒドロキシ−ビシクロ
〔4.1.0〕ヘプタン、3−ヒドロキシ−2,6,6
−トリメチル−ビシクロ〔3.1.1〕ヘプタン等があ
げられる。従って、一般式(I)で表わされる単量体と
しては、これらに対応する構造をもつものがあげられ
る。
【0020】一般式(I)で表わされる単量体の中で、
特に良好な特性を示すものとして、メタクリル酸シクロ
ヘキシル、メタクリル酸シクロドデシル、アクリル酸ト
リシクロ〔5.2.1.026〕デカ−8−イル(以
下、TCD−AAと略称す)、メタクリル酸トリシクロ
〔5.2.1.026〕デカ−8イル(以下、TCD−
MAと略称す)、メタクリル酸トリシクロ〔5.2.
1.026〕デカ−9イル、メタクリル酸ボルニル、メ
タクリル酸イソボルニル、メタクリル酸ノルボルニル、
メタクリル酸ノルボルナンメチル、メタクリル酸l−メ
ンチル、メタクリル酸アダマンチル、メタクリル酸ジメ
チルアダマンチル等が好ましい。
【0021】前記共重合体全体の成分でとしては、スチ
レンは1〜80重量%、好ましくは3〜60重量%使用
され、メタクリル酸アルキルエステルは98.5〜20
重量%、好ましくは96〜40重量%使用され、さらに
一般式(I)で表わされる重合性単量体は0.5〜25
重量%、好ましくは1〜20重量%、特に好ましくは3
〜20重量%使用される。ここで、スチレンの使用は発
泡性樹脂組成物の発泡性能並びに一次発泡体及び発泡成
形体の耐収縮性の改善に効果があるが、少なすぎるとそ
の改善効果がなく、多すぎると発泡成形体を消失模型と
し、鋳造した時における樹脂組成物の分解度が低下し、
スス(カーボン状物質)を発生し、鋳肌を汚す。メタク
リル酸アルキルエステルが多すぎると一次発泡度が低下
し、成形時に収縮度が大きいという欠点がある。一般式
(I)で表される重合性単量体の使用は一次発泡体及び
発泡成形体の耐収縮性の改善に項かがあるが、少なすぎ
るとその効果がなく、多すぎると一次発泡度が低下し、
成形時に収縮度が大きいという欠点が生じる。
【0022】本発明においては得られる共重合体全体の
重量平均分子量(Mw)は5〜35万の範囲に調節され
る。分子量が大きすぎると、基材としては強度が上がる
が、通常の発泡や成形時のスチーム加熱条件では充分な
発泡、成形融着が得られない。また、この範囲の分子量
が小さすぎると、発泡時のブロッキング、成形加工時の
金型高温部での表皮溶解(いわゆるケロイド状)の原因
となる。
【0023】前記共重合体は重合体粒子の存在下に重合
性単量体を懸濁重合させて得ることができる。重合体粒
子と重合性単量体の比率は、前者5〜90重量%、特に
10〜80重量%に対し、後者95〜10重量%、特に
90〜20である重量%であることが好ましい。重合体
粒子が少なすぎると、得られる発泡性樹脂粒子の粒径分
布を狭い範囲に調製することが困難になり、多すぎると
粒径分布が狭い範囲に調製された発泡性樹脂粒子の生産
性が劣る。重合体粒子の粒径は、0.1〜2mmの範囲
で選ぶことが好ましいが、特に0.2〜0.5mmの範
囲内に分布するものを使用することは、消失模型の原料
として特に有用な粒径である0.3〜0.6mmの範囲
内に分布する発泡性樹脂粒子を収率良く製造する上で好
ましい。上記の懸濁重合は、重合体粒子を水性媒体中に
分散させ、これに重合性単量体を添加して重合させるこ
とにより行うことができるが、このとき、重合体粒子に
重合性単量体を充分に含浸させることが好ましい。懸濁
重合は、従来公知の懸濁剤及び必要に応じ懸濁助剤を存
在させる従来公知の方法を採用することができる。
【0024】前記懸濁重合に際して、使用される重合開
始剤としては、例えばラウロイルパーオキサイド、ベン
ゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ(2−エ
チルヘキサノエート)、t−ブチルパーオキシベンゾエ
ート、t−ブチルパーオキシピバレート等の一官能性有
機過酸化物、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン等の二官能性有機過
酸化物などの有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリ
ルやアゾビスジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物な
どが用いられる。
【0025】上記重合開始剤は、重合容器内に重合性単
量体を加える前に加えても、重合性単量体を加えた後に
加えても、重合性単量体に溶解して加えてもよいが、合
性単量体に溶解して加えることが好ましい。重合開始剤
は得られる樹脂の重量平均分子量が5〜35万になるよ
うに調節すれば良いが、単量体の総量に対して0.01
〜2重量%使用されるのが好ましい。
【0026】また、共重合体の分子量を調節するため
に、n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプ
タン、n−ブチルメルカプタン、tert−ブチルメル
カプタン等を使用することができる。これらは、好まし
くは、単量体に対して1モル%以下使用する。重合温度
は0〜150℃の間で適宜選択することができる。
【0027】本発明に使用する発泡剤としては、常温常
圧下で液体であり、かつ、上記重合体を溶解しない易揮
発性有機化合物としてペンタンを用いることが好まし
い。ペンタンとしては、n−ペンタン、i−ペンタン、
ネオペンタン、シクロペンタン等が使用できる。含浸さ
せた発泡剤の保持性の面と経済性の面からはi−ペンタ
ンが好ましい。常温常圧下で液体または気体であり、か
つ、上記重合体を溶解しないペンタン以外の易揮発性有
機化合物も発泡剤として使用することができる。このよ
うなものとしては、例えばプロパン、ブタン、ヘキサ
ン、石油エーテル等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン
等の環状炭化水素、塩化メチレン、トリクロロトリフル
オロエタン、ジクロロジフルオロエタン等のハロゲン化
脂肪族炭化水素があげられる。これらのペンタン以外の
発泡剤は、特にペンタンと併用することが好ましい。
【0028】発泡剤の含浸量は共重合体に対して0.5
〜10重量%が好ましく、特に1〜10重量%であるこ
とが好ましい。発泡剤としては、ペンタンが共重合体に
対して0.5重量%以上、特に1.0重量%以上になる
ように含浸されていることが、一次発泡粒子及び発泡成
形体の耐収縮性並びに発泡成形体の表面平滑性を良好な
ものとする上でが最も好ましい。
【0029】易揮発性有機化合物を共重合体に含浸させ
るには、懸濁重合の後半に、重合系にペンタンを添加す
ること、好ましくは圧入することにより行うことができ
る。またはペンタンにその他の易揮発性有機化合物を併
用しても良い。ここで重合の後半とは、重合転化率が5
0重量%以上、好ましくは70重量%以上の時点をい
う。別の方法としては、共重合体の球状またはペレット
状の粒子を水性媒体中に懸濁させ、これに発泡剤を添加
する方法がある。懸濁下での発泡剤の含浸は20〜13
0℃で行うのが好ましい。さらに別の方法として、共重
合体と発泡剤を溶融混合してもよい。この場合主に、押
し出し機が使用される。
【0030】共重合体への発泡剤の含浸時には、可塑剤
を存在させることができる。可塑剤としては、重合体を
溶解または膨潤させることができる有機溶剤が使用で
き、その沸点が、重合体の軟化点よりも約10℃低い温
度以上でかつ150℃以下のものが好ましい。可塑剤と
しては、エチルベンゼン、トルエン、スチレン、キシレ
ン等の芳香族炭化水素、1,2−ジクロロプロパン、ト
リクロロエチレン、パークロロエチレン等のハロゲン化
炭化水素などがある。可塑剤は共重合に対して0〜5重
量%使用されるのが好ましい。さらに、本発明による発
泡性樹脂組成物には、帯電防止剤等の公知の添加剤を含
有させてもよい。
【0031】本発明による発泡用樹脂組成物を用いた消
失模型の発泡成形は広く工業的に行われているスチレン
系樹脂の発泡、成形方法がそのまま適用できる。発泡は
常圧または加圧あるいは減圧下でスチームとか気体によ
る加熱により行われる。例えば、樹脂が粒子の場合は水
蒸気による予備発泡を行った後、成形機中でさらに水蒸
気発泡し、成形品を得ることができる。また押し出し発
泡機を用いて発泡体を得ることもできる。本発明による
発泡用樹脂組成物の発泡倍率は、低倍率から高倍率まで
任意に選択することができる。
【0032】以上のような方法により得られた消失模型
は、これを砂中に埋め、消失模型部に溶湯を注入し、こ
の溶湯の熱で消失模型を分解消失させるとともに消失部
分に溶湯を入れて、鋳物を得る工程を含む消失模型鋳造
法に用いられる。本発明の消失模型鋳造法は、前記消失
模型を使用する以外は、常法に従うことができる。
【0033】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。なお、以下、「部」および「%」は重量基準であ
る。 実施例1〜9および比較例1〜8 撹拌機付きの3Lオートクレーブ中に、表1又は表2に
示す重合体粒子を表1及び2に示す配合量で、さらに2
%ポリビニルアルコール水溶液1200gを入れ、30
0回転/分の回転撹拌しながらオートクレープ内の雰囲
気を窒素で置換した。ついで80℃まで昇温した。表1
又は表2に示す配合量の単量体の混合溶液に、重合開始
剤としてラウロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオ
キサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエートならびに
分子量調節剤としてn−オクチルメルカプタンを溶解し
た。この溶液を、1回当たり単量体が50g以下になる
ように分割添加した。添加終了後、80℃で10時間撹
拌した。ついで、ついで120℃まで昇温し、そのまま
の温度で5時間撹拌した。この後、90℃まで冷却し、
表1または表2に示すペンタン(n−ペンタン/i−ペ
ンタン=8/2、重量比)、トルエン及びブタンを添加
し、90℃で5時間保温、撹拌した。その後、冷却し、
発泡性重合体粒子を取り出し、塩酸洗浄及び水洗脱水し
た後、乾燥した。上記で用いた重合体粒子は次のもので
ある。 重合体粒子A:ポリスチレン、重量平均分子量27.4
×104、粒径分布範囲0.22〜0.35mm、平均
粒子径0.25mm。 重合体粒子B:スチレン50重量%−メタクリル酸メチ
ル50重量%共重合体、重量平均分子量32.6×10
4、粒径分布範囲0.22〜0.35mm、平均粒子径
0.28mm。 重合体粒子B′:重合体粒子Bと同様であるが、平均粒
子径は0.25mm。 重合体粒子C:ポリメタクリル酸メチル、重量平均分子
量7.2×104、粒径分布範囲0.30〜0.42m
m、平均粒子径0.36mm。 重合体粒子C′:重合体粒子Cと同様であるが、粒径分
布範囲0.22〜0.35mm、平均粒子径は0.28
mm。 重合体粒子D:メタクリル酸メチル70重量%とTCD
−MA30重量%の共重合体、重量平均分子量8.6×
104、粒径分布範囲0.30〜0.42mm、平均粒
子径0.36mm。 重合体粒子E:ポリスチレン(重量平均分子量27.4
×104)200重量部とポリメタクリル酸メチル(重
量平均分子量7.2×104)140重量部の混合物、
粒径分布範囲0.22〜0.35mm、平均粒子径0.
28mm。
【0034】得られた発泡性重合体粒子の樹脂成分であ
る共重合体の分子量をゲル・パーミエーション・クロマ
トグラフィー法により測定し、標準ポリスチレン換算し
た値を表1及び2に示す。また、この共重合体の熱分解
温度はセイコー電子工業(株)製の熱分析装置TG/D
TA200を用い、TG(熱重量測定)により、〔A〕
分解減少量が5%時の温度、及び〔B〕分解速度が最大
時の温度(分解減少量では50%時に近似される)で示
した。得られた発泡性重合体粒子の0.3〜0.6mm
の粒径のもの割合、平均粒子径および総揮発成分量を測
定し、表1及び表2に示した。なお、平均粒子径は重合
により得られた粒子を各粒子径にふるい分け、ふるい分
けられた各粒子を小粒子径の粒子から遂次、粒子径に対
して累積重量をプロットした曲線を作成し、累積重量が
50%に値する粒子径を示したものである。また、総揮
発分量はサンプル2gをアルミ皿にとり、180℃で1
0分間加熱して重量を測定し、{(加熱前のサンプル重
さ)−(加熱後の重さ)}/(サンプルの重さ)×10
0で表わした。さらに、得られた発泡性重合体粒子の発
泡剤量を、前記総揮発分量からトルエンと残存モノマー
の合計量を差し引くことにより求めた。ただし、トルエ
ンと残存モノマーは発泡性重合体粒子をジメチルホルム
アミドに溶解し、これを試料として、また、シクロペン
タノールを内部標準物質としてガスクロマトグラフ法に
より測定した。さらに、発泡剤のうち、ペンタンとブタ
ンを併用している場合、得られた発泡性重合体粒子を密
閉容器中で590℃に加熱し、気化した物質をガスクロ
マトグラフ法により測定し、ペンタンとブタンのガスク
ロマトグラムの面積比に基づき、前記発泡剤量から求め
た。
【0035】前記で得られた発泡性共重合体粒子を粒径
が0.3〜0.6mmの粒径のものに篩い分けし、これ
をを100℃の沸騰水中に表1及び2に示す加熱時間浸
漬して予備発泡粒子を得た。この予備発泡粒子の比容積
を測定し、表1及び表2に示した。比容積は、容量10
00mlのメスシリンダーに予備発泡粒子をつめて、そ
の重量を測定し、容積/重量によって求めた。また、発
泡粒子の収縮の有無を目視で評価し、合わせて表1及び
表2に示した。さらに、この予備発泡粒子を25℃の空
気中で24時間熟成し、成形用金型に入れ、テーブル式
オートクレーブで1.0kg/cm2・G(120℃)
のスチームで表1及び表2に示す時間加熱し、発泡成形
体を得た。得られた発泡成形体について、収縮の有無、
表面平滑性を目視で評価した後、炭素欠陥の目安となる
ため、点火して黒煙およびススの発生について評価し
た。これらの評価結果は表1及び表2に示す。
【0036】(消失模型鋳造法についての評価)表1の
実施例1〜9の発泡性樹脂粒子について消失模型鋳造法
についての試験を行った結果を下記に示す。比較とし
て、発泡性ポリスチレン(日立化成工業株式会社製ハイ
ビーズHFC−5000)を用いた。実施例1〜9のい
ずれかの発泡性樹脂粒子を26メッシュ(0.60m
m)から50メッシュ(0.30mm)の範囲になるよ
うに篩い分けを行い、45ml/g前後になるように予
備発泡を行った。1昼夜20〜25℃下で熟成を行った
後、図1に示す形状の水道配管の接続部部品に使用する
消失模型(168mm×168mm、体積520c
3)の成形を行った。更にこの消失模型(成形品)を
用いて鉄鋳造を行い比較した。鋳造は鋳鉄(炭素3.5
5、珪素2.4、マグネシウム0.04、マンガン0.
2%)を用い、1450〜1470℃で行った。この鋳
造評価は実施例1〜9及び発泡性ポリスチレン(HFC
−5000)について、それぞれ3回ずつ行った。
【0037】その結果、発泡性ポリスチレン(HFC−
5000)を消失模型として鋳造した鉄鋳物は3個とも
表面にカーボンの付着が認められ、また、鉄の内部にも
カーボンを巻き込んでいた(炭素欠陥がある)。これに
対して、実施例1〜9の発泡性樹脂粒子を消失模型とし
て鋳造した鉄鋳物は、いずれの場合も3個とも表面にカ
ーボンの付着が認められず、また、鉄の内部にもカーボ
ンを巻き込んでいなかった(炭素欠陥がない)。更に、
できた鋳物の表面を比較すると、発泡性ポリスチレン
(HFC−5000)による鋳物の表面は凹凸が激しい
(湯じわ欠陥がある)のに対して、実施例1〜9による
鋳物の表面には凹凸がなく、平滑であった(湯じわ欠陥
がない)。この鋳物の表面の凹凸は樹脂が分解したガス
が溜るために鉄の溶湯が十分に充填できなかった結果発
生すると考えられる。実施例1〜9の発泡性樹脂粒子
は、発泡性ポリスチレンよりも鋳造時におこる樹脂の熱
分解性がよいので、気化しやすく、樹脂の熱分解が起こ
ると同時に溶湯が容易に充填していき、できた鋳物の表
面に凹凸ができなかったと考えられる。さらには発泡性
ポリメタクリル酸メチルから作成した消失模型を用いて
鋳造するときに特有の熱分解ガスによる溶湯の吹き返し
現象はなかった。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【発明の効果】請求項1における発泡性用樹脂組成物
は、発泡性能がよく、一次発泡粒子及び発泡成形体の耐
収縮性に優れる。請求項1における消失模型は、耐収縮
性に優れ、燃焼時の黒煙、ススの発生がない。請求項3
における鋳造法により、鋳造時に炭素欠陥、湯じわ欠陥
等の発生がなく良好な表面状態の鋳造品を得ることがで
きる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合体粒子の存在下に重合性単量体を懸
    濁重合させることにより得られる共重合体であって、こ
    の共重合体全体の原料組成がスチレン1〜80重量%、
    炭素数1〜4のアルキル基を有するメタクリル酸アルキ
    ルエステル98.5〜20重量%及び化1〔一般式
    (I)〕 【化1】 (但し、式中R1は水素又はメチル基であり、R2は二価
    の有機基であり、R3は炭素数6〜20の脂環式炭化水
    素基であり、nは0又は1である)で表わされる重合性
    単量体0.5〜25重量%を全体が100重量%になる
    ように配合されたものであり、重量平均分子量が5〜3
    5万である共重合体に、発泡剤を含浸させてなる発泡性
    樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の発泡性樹脂組成物を加熱
    発泡成形してなる消失模型。
  3. 【請求項3】 消失模型を砂中に埋め、消失模型部に溶
    湯を注入し、この溶湯の熱で消失模型を分解消失させる
    とともに消失部分に溶湯を入れて鋳物を得る工程を含む
    消失模型鋳造法において、消失模型として請求項2記載
    の消失模型を使用することを特徴とする鋳造法。
JP8371593A 1993-04-12 1993-04-12 発泡性樹脂組成物、消失模型及び鋳造法 Pending JPH06298982A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011195628A (ja) * 2010-03-17 2011-10-06 Sekisui Plastics Co Ltd 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、その製造方法、予備発泡粒子及び発泡成形体
JP2011219711A (ja) * 2010-03-26 2011-11-04 Sekisui Plastics Co Ltd 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、その製造方法、予備発泡粒子及び発泡成形体

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JP2011195628A (ja) * 2010-03-17 2011-10-06 Sekisui Plastics Co Ltd 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、その製造方法、予備発泡粒子及び発泡成形体
JP2011219711A (ja) * 2010-03-26 2011-11-04 Sekisui Plastics Co Ltd 発泡性ポリスチレン系樹脂粒子、その製造方法、予備発泡粒子及び発泡成形体

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