JPH0511099Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は例えばFMS（フレキシブルマニフア
クチヤリングシステム）において、自動倉庫と
NC工作機械との間をワーク・工具等を組付けた
パレツトを積載して移動搬送する自送式の物品搬
送台車に関する。

〔従来の技術〕

上記のようなシステムでは、ワーク、工具、治
具等の搬送物品を総てパレツト上に組付け、台車
にて移送せしめるが、パレツト上に組付け難い小
物ワーク、小物品等の場合は通常バケツトやカー
トン内に収容する。固定位置決めの困難性等から
直接該台車上に積載できない該バケツトやカート
ンは作業者が別途の移送手段、コンベア等にて搬
送する。あるいは該バケツトやカートンをまとめ
てパレツト上に組付け固定し、そのようにしたパ
レツトを新ためて搬送台車上に積載するかの方法
が行われる。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところが、上記バケツトやカートンによる移送
量が多くなつた場合や、該バケツト、カートンの
移送経路が台車によるパレツトの移送経路と略同
様の場合には、やはり台車上に積載して搬送せし
めることが都合よく、かつ望ましい。また、上記
FMSのようなシステムの機能性を高める上でも
台車上に様々の形態の物品（パレツト、バケツ
ト、カートン等）を積込めることが望ましい。

この考案は、上記従来技術の不都合を解消した
物品搬送台車の提供を目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本考案による物品搬送台車は、台車本体に昇降
自在な昇降枠を設け、この昇降枠上に、少なくと
もローラコンベア、チエーンコンベア、スライド
フオーク等の物品移載装置を設けるとともに、前
記昇降枠上であつて、前記物品移載装置の両側
に、物品受面が前記物品移載装置上に積載された
物品の上面より上方に位置する一対の物品受部材
を設けたものである。

〔実施例〕

以下、図面に基づいて先ず実施例を説明する。

すなわち、この実施例の物品搬送台車は車体１
中央部に左右一対の駆動軸２を備え、該駆動軸２
の各前後には接地する方向に付勢され垂直軸のま
わりに回動自在に支承された従動軸３を備えて、
左右の駆動軸２の同一方向への回転により前後に
直進し、左右で回転数を異ならせることにより旋
回し、左右の駆動軸２の回転方向を逆にすること
により同一地点で自転して方向転換できるように
なつている。４は走行コースの床面下に埋設され
た誘導線５を検知するアンテナであり、該アンテ
ナ４により検知した誘導線５の位置にしたがつ
て、該台車に搭載したコンピユータ（図示せず）
を介して上記駆動輪２が制御されて所定の走行コ
ースを走行し、車体下面の近接スイツチ６が停止
位置の床面上に固定した鉄片７を検出して停止す
るようになつている。

停止位置の床面上には位置決め用の円錘体８が
固設してあり、該円錘体８と同一形状の凹面９ａ
を形成した台車上の昇降体９が、台車停止後に下
降して上記円錘体８と嵌合することにより正確な
位置決めがなされるようになつている。１１は板
ばねを略長円形状にして形成した前後のバンパー
である。

そして、この実施例では上記車体１内に油圧シ
リンダ１２を垂直に立設し、該シリンダ１２のロ
ツド端に昇降枠１３を固定して該昇降枠１３上
に、パレツトＰ移載用の受台１４とバケツトＢ移
載用の物品移載装置の一例であるローラコンベア
装置１５とを搭載してある。

すなわち、受台１４は前記昇降枠１３から垂直
に立設した前後一対の門形の受部材１６からな
り、受部材１６上部は幅広１６ａになしてある。
１７はフレームから突設した昇降枠１３のガイド
ロツド、１８は昇降枠１３側に設けたガイドスリ
ーブである。

次にローラコンベア装置１５について説明する
と、該ローラコンベア装置１５は前記昇降枠１３
上に支持せしめた多数のローラ１９と、ローラの
駆動装置２１と、昇降自在な前後のストツパ装置
２２と、ローラ１９上のバケツトＢを左右からク
ランプする装置２３とから構成され、各装置は
夫々次のようになつている。

すなわち、上記多数のローラ１９の下方前後端
に配設したスプロケツト２４，２５と中央のスプ
ロケツト２６，２７および油圧モータ２８の軸２
９に嵌着したスプロケツト３１に巻回して無端チ
エーン３２を設けてあり、該無端チエーン３２に
各ローラ１９軸端のスプロケツト３３を夫々嵌合
して、油圧モータ２８を回せばローラ１９が一勢
に回転するようになつている。ストツパ装置２２
は上記ローラ１９の下方に水平方向に支持したシ
リンダ３４と、一端を該シリンダ３４の上方で軸
支３５した側面Ｌ字状の揺動レバー３６とからな
り、揺動レバー３６の他側にはバケツトＢが衝突
する緩衝部材３６ａが取付けてあると共に、揺動
レバー３６中間部から回動自在に垂設したつつぱ
りレバー３７の中間部を前記シリンダ３４のロツ
ドに連結３８してあり、シリンダ３４が第３図実
線のように伸長すれば、つつぱりレバー３７が前
方へ移動して揺動レバー３６先端がローラ上に上
昇し、この状態ではバケツトＢが前記緩衝部材３
６ａに強く衝突しても、衝撃がつつぱりレバー３
７を介して受板３９上へ伝達するのみでシリンダ
３４へは伝達しないようになつている。シリンダ
３４を収縮すると揺動レバー３６、つつぱりレバ
ー３７が第３図鎖線位置へと移動し前記緩衝部材
３６ａがローラ１９下へ没する。

４１はつつぱりレバー３７下端のローラ、４
２、４３は夫々ブラケツトであり、前記受板３９
の端部３９ａはローラ１９止め用に上方へ屈曲し
てある。

なお、上記ストツパ装置２２はローラ１９の前
後に同一構造のものが配設されている。

クランプ装置２３は前記昇降枠１３に固定４４
した固定ガイド板４５と、ローラ１９を挟んで他
側の移動ガイド板４６と、該移動ガイド板４６の
駆動装置４７とからなり、移動ガイド板４６は前
記昇降枠１３に、前後各２本の平行リンク４８を
介して平行移動自在に支持されていて、２カ所に
取付けた係合板４９の裏面の係合溝４９ａが後述
の駆動装置４７の揺動レバー５１，５２に係合し
駆動される。第４図において５３は平行リンク４
８の移動ガイド板４６への取付ブラケツト５４に
設けたドツグ、５５は前記受部材１６側面に設け
たリミツトスイツチである。

駆動装置４７は、受部材１６の横梁１６ｂに一
端を支持５６，５７せしめた一対の揺動レバー５
１，５２と、上記横梁１６ｂと上記揺動レバーの
一方のレバー５２間に架設したシリンダ５８と、
上記一対の揺動レバー５１，５２の中間部同士を
連結し、該一対の揺動レバー５１，５２を平行リ
ンクになす連結ロツド５９とからなつており、シ
リンダ５８のロツド５８ａが進退することにより
揺動レバー５１，５２が同一角度ずつ揺動し、係
合溝４９ａを介して前記移動ガイド板４６が平行
に進退するようになつている。６１は前記係合溝
４９ａに係合する各揺動レバー５１，５２端のロ
ーラである。

この実施例の物品搬送台車は車体１上に、以上
のような構造のパレツト移載用受台１４とバケツ
ト移載用のローラコンベア装置１５を搭載してい
るので、次のようにしてパレツトＰおよびバケツ
トＢを移載しうる。

すなわち、パレツトＰの受取り時には、前記シ
リンダ１２を予め収縮して受台１４を下降位置に
しておいた上で、パレツトＰを積載した走行路両
側の架台Ｔ間へと台車１を進入して停止し、その
後受台１４を上昇してパレツトＰを持ち上げ、架
台Ｔ上面から受台１４へと移載し、パレツト受渡
し時には、上記とは逆に、上昇している受台１４
上にパレツトＰを積載した台車が架台Ｔ位置へと
走行してきて停止した後、受台１４を下降して該
受台１４上のパレツトＰを架台Ｔ上へと移載す
る。

したがつて、受台１４の上面高さは、もちろん
上昇位置では台車両側の架台Ｔ上面高さより高
く、下降位置では低くなるようになしてあり、該
受台１４および架台Ｔの上面高さを上記関係を保
つて適当な高さになすことにより、該受台１４上
に積載したパレツトＰに緩衝することなく、ロー
ラコンベア装置１５上に１個あるいは複数のバケ
ツトＢを積載することができる（第１図）。バケ
ツトＢの受取り時には、床上のバケツト積載ステ
ーシヨンＳ側のストツパ装置２２を前述のように
してローラ１９下に没し、他側のストツパ装置２
２の緩衝部材３６ａをローラ１９上に突出せしめ
ておくと共に、クランプ装置の移動ガイド板４６
を後退せしめてローラ１９上のバケツト進入間口
を大きく開口しておき（第２図実線）、当該移載
ステーシヨンＳ上の図示しないローラコンベア
と、台車上のローラ１９を一勢に回転駆動してバ
ケツトＢをローラ１９上へと移載するのであり、
バケツトＢが他側のストツパ装置２２に衝突停止
した後、前記シリンダ５８を収縮して移動ガイド
板部材４６を前進移動し、固定ガイド板部材４５
との間でバケツトＢを確実に挟持せしめる。

この際、前記ストツパ装置２２が前述のよう
に、揺動レバー３６中間部からつつぱりレバー３
７を垂設した構造なので、バケツトＢの衝突が直
接シリンダ３４に伝わらずシリンダ３４の寿命が
長くなると共に、ガイド板部材４５，４６の両端
が外方へ開いた傾斜面４５ａ，４６ａになしてあ
るので、台車の停止位置決めが多少の誤差を伴つ
ていても、バケツトＢの移載が迅速かつ円滑に行
なえる。

バケツトの受渡し時には、上記と逆の動作、つ
まり、台車が移載ステーシヨンＳ位置に停止した
ならば、前記クランプ装置２３を解除してバケツ
トＢをローラ１９上で移動自在になした後、該ロ
ーラ１９および移載ステーシヨン上のローラコン
ベアを一勢に回転駆動してバケツトを移載ステー
シヨンＳ上へと受渡すのである。

上記実施例では、車体上に以上のようなパレツ
ト移載用受台１４とバケツト移載用ローラコンベ
ア装置１５を搭載したので、上記のように架台Ｔ
との間でパレツトＰを確実かつ円滑に移載できる
と共に、ステーシヨンＳとの間でバケツトＢを確
実かつ円滑に移載でき、しかも移送時にバケツト
の荷崩れ、落下等のおそれが全くないものである
が、ローラコンベア装置１５に替えてチエーンコ
ンべアを設けてもよく、第５図示のようにスライ
ドフオーク装置６２を搭載してもよく、その他異
なつた機能を有する移載装置を上記例におけるロ
ーラコンベア装置１５に替えて搭載してもよく、
これらを駆動式の物品移載装置と総称する。

なお、第５図において６３，６４，６５は、
夫々スライドフオーク装置を構成する、トツプ、
ミドル、ベースの各ブロツクであり、トツプ６３
はミドル６４に対し、ミドル６４はベース６５に
対し、夫々ローラ６６でもつて滑動自在に連結さ
れていて、図示しない油圧モータあるいは油圧シ
リンダにより、トツプ６３およびミドル６４が台
車側方へと突出しうるようになつている。６７は
トツプ６３上でのバケツトＢの位置を固定するた
めの係止突起である。

〔考案の効果〕 以上の実施例の説明からも明らかな様に、本考
案の物品搬送台車によれば次の効果が期待でき
る。

物品受部材と物品移載装置という移載形態並
びに許容できる物品寸法の異なる二つの移載手
段を、物品移載レベルを変えて設けているの
で、例えば、大きな荷を扱うためのパレツト
と、小物品を扱うバケツトやカートンを、夫々
に適した移載手段を使用して搭載できる。した
がつて、バケツトやカートン等の小物品専用の
移送手段、例えばコンベア等を物品搬送台車と
は別に設けなくともよく、FMSに用いれば搬
送物品の種類を簡単に増大できてシステムの機
能を高め得る。

しかも、上記物品受部材と物品移載装置とを
同一の昇降枠上に設けているので、受部材によ
る物品の授受動作、及び物品移載装置の移載レ
ベル調整を１つの昇降手段で兼用でき、より簡
単な構造にできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は一実施例としての物品搬送台車の側面
図、第２図は同平面図、第３図はローラコンベア
装置部分の側面図（断面は第２図の−線）、
第４図はクランプ装置の側面図（断面は第２図の
−線）、第５図は他の実施例における物品搬
送台車の側面図である。 １……台車本体、１３……昇降枠、１５……ロ
ーラコンベア装置、１６……物品受部材、６２…
…スライドフオーク装置。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 台車本体に昇降自在な昇降枠を設け、この昇降
   枠上に、少なくともローラコンベア、チエーンコ
   ンベア、スライドフオーク等の物品移載装置を設
   けるとともに、前記昇降枠上であつて、前記物品
   移載装置の両側に、物品受面が前記物品移載装置
   上に積載された物品の上面より上方に位置する一
   対の物品受部材を設けたことを特徴とする物品搬
   送台車。