JPH051005B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は寝台、特に病人や老人等のように、床
部に対する乗り降りを健康人と同様には自由に行
えない人が使用するのに適した寝台に関するもの
である。

（従来の技術及び発明が解決しようとする課題） 病人や老人等のように身体の自由が思うように
利かない人が床部に対して乗り降りを行う際に
は、本人のみならず介護者にとつても大きな労力
を強いる。例えば従来の通常の寝台に於いて床部
上に仰臥している人を降す場合には、介護者はま
ず仰臥している人の背中を持ち上げて起き上がつ
た状態とし、しかる後、身体の向きを変えて足を
床部の横側に向けてやらなければならない。かか
る背中の持ち上げは背床を回動昇降可能に構成し
た従来の寝台でも自動的に行うことができるが、
身体の向きの変更には介護が必要で、介護者の負
担が大きい。

本発明は以上の課題を解決し、病人や老人等が
自分自身で、あるいは簡単な介護だけで床部に対
して乗り降りを行えるようにすることを目的とす
るものである。

（課題を解決するための手段） 前述の課題を解決するための手段を実施例に対
応する図面を参照して説明すると、本発明の寝台
は、 背床１と腰床２を支持する第１の床部支持フレ
ーム３と、足床４を支持する第２の床部支持フレ
ーム５を着脱自在に構成し、背床１の腰床２側及
び腰床２の足床４側の夫々を前記第１の床部支持
フレーム３に回動自在に支持すると共に、該第１
の床部支持フレーム３に背床１及び腰床２の夫々
に対応して支持軸６，７を回動自在に固定し、該
支持軸６，７の夫々に前記背床１及び腰床２を押
し上げ支持可能な支持腕８，９を突設すると共
に、背床１側の支持軸６には腰床２を支持可能な
第２の支持腕１０を突設し、また夫々の支持軸
６，７には連動腕１１，１２を突設して、連動腕
１１，１２間に連動リンク１３を連結すると共
に、前記背床１側の支持軸６に駆動腕１４を突設
し、該駆動腕１４と前記第１の床部支持フレーム
３間に進退駆動杆１５を連結すると共に、前記連
動リンク１３には、前記支持腕８，９の上昇方向
に対して腰床２側の支持軸７の駆動時点を、背床
１側の支持軸６よりも遅らせるための遊び手段１
６を設けたものである。

（作用） 以上の如く構成される本発明の寝台は第１の床
部支持フレーム３と第２の床部支持フレーム５を
取り付けた状態に於いて第４図ａ，ｂに示すよう
に通常の床板起伏式寝台と同様に使用することが
できる。即ち背床１は支持腕８に押し上げられ、
第１の床部支持フレーム３の回動支持部ｆを支点
として回動上昇して使用者の背中を持ち上げるこ
とができる。この際、腰床２は背床１の回動上昇
の初期には支持腕８と連動する第２の支持腕１０
に支持され、従つて回動支持部f′を支点として回
動下降し、使用者の腰部が若干下降する。従つ
て、背床１の上昇に際して使用者が足床４方向に
ずらされてしまうのを防止することができる。

次に寝台から降りる場合には、背床１が適当な
角度に回動上昇したら第１の床部支持フレーム３
に対して第２の床部支持フレーム５を外して離れ
た位置に移動すると、使用者は、足を病室等の床
面２７に着けることができ、第４図ｃ示すように
恰も椅子に座つた姿勢になる。

こうして背床１が所定角度以上回動上昇する
と、腰床２は、前記支持腕８に遅れて作動する支
持腕９に支持されるようになり、背床１の上昇に
連動して前記回動支持部f′を支点として回動上昇
する。かかる腰床２の上昇により、臀部が上方に
持ち上げられると共に背中が背中１により前方に
押されて、立ち上がりが補助されるので、使用者
は第４図ｄに示すように寝台のサイドレール２８
につかまつて自分自身だけで、あるいは介護者の
簡単な介護だけで容易に立ち上がることができ、
寝台から離れて歩くことができる。

（実施例） 次に本発明の実施例を説明する。

実施例に於いて、第１の床部支持フレーム３と
第２の床部支持フレーム５の着脱機構は、夫々の
フレーム３，５の隣接部位に形成した嵌合孔１
７，１７′と、該嵌合孔１７，１７′に夫々嵌合可
能な嵌合部１８，１８′を両端に設けると共に、
操作用つまみ部１９を設けた取付部材２０とから
構成している。かかる機構に於いては、嵌合部１
８，１８′を嵌合孔１７，１７′に嵌合した状態に
於いて夫々のフレーム３，５を一体とすることが
でき、これらを外すことにより夫々のフレーム
３，５を分離することができる。かかる構成の
他、着脱機構は適宜である。また、第２の床部支
持フレーム５は脚輪２１を設けて移動を容易に構
成しており、また第１の床部支持フレーム３は固
定式としている。勿論、第１の床部支持フレーム
３も脚輪を設けて必要に応じて移動可能とするこ
とまできる。更に実施例に於いては、第２の支持
腕１０は、支持腕８と一体に、その後方に突設し
ているが、別体も構成することができ、また連動
腕１１と駆動腕１４も一体に構成しているが、別
体にも構成することができる。背床１と腰床２の
夫々に於いて、支持腕８，９，１０により押し上
げ支持される個所には支持ローラー２２，２２′
を設けて円滑な動作を可能としている。一方、進
退駆動杆１５は、ねじシヤフト式の構成としてお
り、雌ねじを内蔵した移動筒体２３を駆動腕１４
に回動支在に支持すると共に、一端側を該雌ねじ
に螺合したねじシヤフト２４の他端側にモータ２
５を装置している。かかる進退駆動杆１５は油圧
シリンダ装置等で構成することもできる。また、
遊び手段１６は、連動リンク１３に形成した長溝
によつて構成しているが、ストツパーを設けた連
動棒と、該連動棒を摺動自在に支持する筒体等を
用いて適宜に構成することができる。

以上の構成に於いて、第１図ｂの一点鎖線また
は第３図ａに示す水平状態に於いて、モータ２５
によりねじシヤフト２４を回転して移動筒体２３
を図中左方に移動すると、駆動腕１４により支持
軸６が時計回りに回動し、支持腕８が回動上昇す
ると共に第２の支持腕１０が回動下降する。かか
る動作により、第１図ｂの実線で示すように背床
１はローラー２２個所を支持腕８に押し上げられ
て第１の床部支持フレーム３の回動支点部５を支
点として回動上昇すると共に、腰床２はローラー
２２′個所を第２の支持腕１０に支持されつつ、
その下降と共に回動支点部f′を支点として回動下
降する。かかる動作と同時に連動腕１１は連動リ
ンク１３を図中左方に移動するが、遊び手段とし
ての長溝１６が遊動するだけで、連動腕１２の連
動ピン２６に力を及ぼさないので、支持軸７はそ
のままの状態を維持する。

このようにして背床１が所定の角度まで上昇す
ると、連動リンク１３の長溝１６の端部が連動ピ
ン２６に当接するので、更に支持軸６が回動する
と連動腕１１は連動リンク１３、そして連動腕１
２を介して支持軸７を時計回りに回動するように
なり、支持腕９がその方向に回動上昇する。

尚、この時までには腰床２はローラー２２に於
ける第２の支持腕１０の支持から外れ、第３図ｂ
に示すように自体の回動下降の下限位置に至つて
いる。

こうして支持腕９は回動上昇により第３図ｂに
示す位置に至つてローラー２２′を支持するよう
になり、以降は腰床２を回動上昇させる。第３図
ｃの状態は、かかる上昇により腰床２が再び水平
状態に近くなつたことを表わしている。

このような状態に於いて、使用者または介護者
は取付部材２０の嵌合部１８，１８′を嵌合孔１
７，１７′から外し、そして第２の床部支持フレ
ーム５を離す方向に移動する。こうして使用者は
足を病室等の床面２７に着けることができ、恰も
椅子に座つている姿勢となる。

かかる状態に於いて、更に背床１を回動上昇さ
せると、第３図ｄ、第４図ｄに示すように腰床２
も連動し、背床１側が上方となるように上昇し、
こうして使用者の立ち上がりを補助することがで
きる。

（発明の効果） 本発明は以上の通り、 背床と腰床を支持する第１の床部支持フレーム
と、足床を支持する第２の床部支持フレームを着
脱自在に構成し、背床の腰床側及び腰床の足床側
の夫々を前記第１の床部支持フレームに回動自在
に支持して、夫々連動して回動昇降可能な構成と
したので、前記第１及び第２の床部支持フレーム
を取り付けて一体とした状態に於いて通常の床板
起伏式寝台と同様に使用して、仰臥している使用
者を背上げの姿勢にすることができ、この際背上
げの初期に於いては腰床が若干下降するので使用
者の足床方向へのずれを防止することができる。
そして本発明は、背床が適宜上昇した状態に於い
て、第２の床部支持フレームを外して離し、しか
る後に更に背床を回動上昇することにより、腰床
も連動して上昇し、使用者の立ち上がりを補助す
ることができ、こうして使用者は寝台のサイドレ
ール等につかまつて自分自身だけで、あるいは介
護者の簡単な介護だけで容易に立ち上がることが
できるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

全図共に本発明の実施例に対応するもので、第
１図ａは全体の外観説明的斜視図、第１図ｂは要
部説明的側面図、第２図ａ，ｂは着脱機構の説明
的斜視図、第３図ａ，ｂ，ｃ，ｄ並びに第４図
ａ，ｂ，ｃ，ｄは動作を表わした説明的側面図で
ある。 符号１……背床、２……腰床、３……第１の床
部支持フレーム、４……足床、５……第２の床部
支持フレーム、６，７……支持軸、８，９……支
持腕、１０……第２の支持腕、１１，１２……連
動腕、１３……連動リンク、１４……駆動腕、１
５……進退駆動杆、１６……遊び手段、１７，１
７′……嵌合孔、１８，１８′……嵌合部、１９…
…操作つまみ部、２０……取付部材、２１……脚
輪、２２，２２′……支持ローラー、２３……移
動筒体、２４……ねじシヤフト、２５……モー
タ、２６……連動ピン、２７……床面、２８……
サイドレール。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 背床と腰床を支持する第１の床部支持フレー
   ムと、足床を支持する第２の床部支持フレームを
   着脱自在に構成し、背床の腰床側及び腰床の足床
   側の夫々を前記第１の床部支持フレームに回動自
   在に支持すると共に、該第１の床部支持フレーム
   に背床及び腰床の夫々に対応して支持軸を回動自
   在に固定し、該支持軸の夫々に前記背床及び腰床
   を押し上げ支持可能な支持腕を突設すると共に、
   背床側の支持軸には腰床を支持可能な第２の支持
   腕を突設し、また夫々の支持軸には連動腕を突設
   して、連動腕間に連動リンクを連結すると共に、
   前記背床側の支持軸に駆動腕を突設し、該駆動腕
   と前記第１の床部支持フレーム間に進退駆動杆を
   連結すると共に、前記連動リンクには、前記支持
   腕の上昇方向に対して腰床側の支持軸の駆動時点
   を、背床側の支持軸よりも遅らせるための遊び手
   段を設けたことを特徴とする寝台。 ２ 第１項記載の第２の支持腕は、支持腕と一体
   に、その後方に突設したことを特徴とする寝台。 ３ 第１項記載の連動腕と駆動腕は一体に構成し
   たことを特徴とする寝台。 ４ 第１項記載の背床と腰床の夫々に於いて、支
   持腕により押し上げ支持される個所に支持ローラ
   ーを設けていることを特徴とする寝台。 ５ 第１項記載の第２の床部支持フレームには脚
   輪を設けたことを特徴とする寝台。