JPH07275298A - 起伏型福祉寝台 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 足腰の不自由な療養患者が押ボタンスイッチ
により臥床状態と座位姿勢状態が容易に得られ、付属装
置とも合わせ介護人の人手を省き患者に便利な寝台を提
供する。 【構成】 主として起伏する背もたれ７と、腰部座席の
下部固定枠２と、水平の腰部座席８と、この座席の前部
に継がって起伏する足置台垂下り部１５と、足置台１６
で構成し、腰部座席８の下にベルト１１を固着し、その
下部に前後一対のローラー９，１０を上記ベルトの両端
に固着し、背もたれ７と後部ローラー１０との回転中心
及び足置台垂下り部１５と前部ローラー９との回転中心
をそれぞれ同一として一体化し、前後のローラーにそれ
ぞれアーム１２ａ，１２ｂを設け、その先端付近をリン
ク１３で結合し、アームには駆動装置１４を取付け、足
置台垂下り部の前部を回転中心とする足置台１６を取付
け、足置台アーム１７と固定アーム１８との間にリンク
１９設けて、水平状態の一水平面から背もたれが起き足
置台が下がった状態に回動できるように構成されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、足腰の不自由な療養
患者に最適な寝台で、駆動装置により臥床部を座位姿勢
に屈折せしめる構造を有し、足置台に食卓等の台を備
え、合わせて水平回転ができるようにした起伏型の介護
用寝台に関する。

【０００２】

【従来の技術】背もたれ部と腰部座席と足受け垂下り部
が、臥床状態の同一平面の水平状態から、起上った状態
になる三つ折れ状態となる寝台はよく知られており、特
開昭５９−１６０４５２に開示されているものがあっ
た。また足置台を伴った四つ折れ状態となる寝台も特開
平４−６７８１３及び特開平４−６７８１４に開示され
ている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、特開昭５９−
１６０４５２に開示されている寝台は、電動によって背
もたれの起上りと連動して足受け垂下り部が下方へ屈折
するものの、起上ったときの姿勢を安定させる足置台が
なく、また腰部座席が固定のため、足を床面につけさせ
る補助動作も起こらないので、今一度介護人の手が必要
となるという問題がある。また特開平４−６７８１３、
特開平４−６７８１４は足置台があって四つ折り構造と
なっており、腰部座席の持上りによって人の立上りの補
助をしているが、リンク構造が複雑になっており高価に
なるという問題がある。更に上記いずれの寝台も起上っ
て食事をしたり、台の上で何らかの用事をしたい等のと
きは別置の台を介護人によって移動させねばならないと
いう問題点がある。そこで本発明は、患者が独自の操作
で寝台を起伏させたり、水平の向きを変えたり、更に臥
床時は患者の邪魔にならず起上ったとき食事や用事がで
きる食卓が適切な位置まで移動するという介護人の人手
を大幅に省き得る寝台を提供することを目的とする。

【０００４】

【問題を解決するための手段】この発明は、上述の問題
点を解決するため、主として起伏する背もたれと、水平
の腰部座席と、その前部の足置台垂下り部とそれにつな
がる足置台とで寝台を構成し、上記の腰部座席の下にベ
ルトを固着し、その下側に前後一対のローラーをそれぞ
れベルトの両端に固着して腰部座席の下部固定枠に取付
け、この後部ローラーと上記背もたれが一体として回動
自在とし、前部ローラーは上記足置台垂下り部と一体と
して回動自在となるようにし、上記前後一対のローラー
にはそれぞれアームを取付け、その先端をリンクで結合
して背もたれと足置台垂下り部の同時回動を確実とし、
このアームには駆動装置を取付けている。更に上記足置
台垂下り部の先端が回動中心となる足置台を設け、この
足置台の回動中心よりやや前方に足置台アームを取付
け、一方上記足置台垂下り部の回動中心付近に固定アー
ムを取付け、このアームの先端と上記足置台アームとの
先端にリンクを取付けて、足置台垂下り部の回動に連動
して足置台が水平状態のまま上下するようにした。

【０００５】また、上記足置台の先端に食卓等の台を取
付けるようにし、更に、腰部座席の下部固定枠の中央部
に駆動装置を備えた旋回軸を取付けて、寝台が水平回転
できる装置も取付けられるようにし、患者が介護人の手
を借りずに容易に姿勢を変え、且つ食事その他の用事が
できるようにしたことを特徴とする。

【０００６】

【作用】この発明によれば、療養患者が水平状態の寝台
で臥床姿勢から起上るときは、起上りスイッチを押すこ
とで、腰部座席の下の後部ローラーに取付けられたアー
ムに接続された駆動装置が働き、背もたれが起上り同時
に足置台垂下り部が水平状態から先端が下方へ回動し、
それに従って足置台が水平状態のまま下降し、背もたれ
の角度と足底の位置が適切な状態になる。また、腰部座
席は前後一対のローラーに固定されたベルトが前方へ移
動するのに従って前方へ移動し、足底が足置台に接触す
るのを補助するようになっている。

【０００７】背もたれを起して患者が座った姿勢になる
とき、足置台の先端に取付けられた台は水平状態のまま
下降して、食事やその他用事がしやすい適切な位置まで
患者に近寄ってくるようになっている。また、寝台の向
きを変えたいときは、水平回転のスイッチを押すことで
腰部座席の下部にある旋回軸を駆動装置によって左右の
希望する方向へ回転することができる。

【０００８】患者が座った姿勢から臥床姿勢に戻したい
ときは、臥床スイッチを押すことにより、背もたれ、腰
部座席、足置台垂下り部、足置台共前記の動作とは逆の
回動となり水平状態の寝台に戻る。そのとき食卓等の台
は邪魔にならないよう患者から遠ざかるようになってい
るので、介護人の人手を大幅に省け、患者にとって極め
て便利な寝台を提供できる。

【０００９】

【実施例】本発明の実施例を図１〜図４に示す。図１は
全体構成を示す図であって（Ａ）は平面図であり、
（Ｂ）は正面図である。また図２はこの寝台の起伏動作
を詳細に説明した図である。これらの図において実線は
背もたれが起き患者が座れる状態を示し、２点鎖線は水
平の一平面となった臥床状態になれることを示してい
る。１は全体のベースとなる寝台基礎枠であり、その下
部には寝台が移動できるようにローラーキャスター２４
が４個取付けられている。この基礎枠１の上部には腰部
座席のための下部固定枠２が設けられ、この固定枠２に
寝台を水平回転させるための旋回軸６を取付け基礎枠１
と接続するようにしている。またその旋回軸６には例え
ば減速歯車列４と旋回用モーター５からなる旋回駆動装
置３が取付けられており、水平回転スイッチ２３により
寝台全体を左右の希望する方向に水平回転ができるよう
に構成されている。なお旋回駆動装置３の駆動機構を減
速歯車列４としたが、摩擦ローラー列等旋回用モーター
５の動力を伝達して旋回軸６を回転できるものであれば
何でもよい。

【００１０】前記下部固定枠２の前後には前部ローラー
９及び後部ローラー１０が回動自在に取付けられ、この
一対のローラーには上側の面が幅広く水平になり且つロ
ーラーのほぼ半周を巻くようにベルト１１が取付けられ
ている。このベルト１１の上に腰部座席８が固定されて
いる。上記後部ローラー１０には背もたれ７が、前部ロ
ーラー９には足置台垂下り部１５がそれぞれ一体として
取付けられ、また上記前後一対のローラー９，１０にア
ーム１２ａ，１２ｂがそれぞれ固定され、これらアーム
の先端付近をリンク１３で結合している。そして上記ア
ーム１２ａにはモーターシリンダーの駆動装置１４が接
続され、起伏駆動スイッチ２２の「起」側を押すとアー
ム１２ａ，１２ｂが左側へ回動し、同時にそれらと一体
となったローラー９，１０が右回転の方向へ回動するの
で、２点鎖線で示す水平状態から上記背もたれ７が起こ
され、足置台垂下り部１５が右回転して垂下った状態に
なる。上記起伏駆動スイッチ２２の「臥」側を押すと上
記と逆動作となり、背もたれ７及び足置台垂下り部１５
共水平状態に戻される。なお、上記駆動装置をモーター
シリンダー１４としたが、モーターとネジ及びナットを
用いた装置等上記アーム１２ａを左右に回動できるもの
であれば何でもよい。

【００１１】図３は本発明の背もたれと腰部座席の起伏
状態における位置関係を示す図であり、実線は背もたれ
が起きた状態で、２点鎖線は水平の一平面となった臥床
状態になれる状態を示している。図１〜図３において起
伏駆動スイッチ２２の「起」側を押すと後部ローラー１
０が右へ回動し、背もたれ７が起上る動作となるが、今
仮に背もたれ７が図３に示すように水平状態から直角に
近い状態まで起きると、後部ローラー１０はＡからＡ’
へ回動することとなり、同時に背もたれ７の前面最下部
ＢがＢ’へ回動することとなる。前述したように前後一
対のローラー９，１０には幅広のベルト１１が巻付けら
れて固定されているので、上記背もたれ７の起上りに応
じてベルト１１が前進し、その上部に固定された腰部座
席８の上面後端ＣがＣ’へ移動する。このＣ−Ｃ’の移
動距離はローラー１０がＡからＡ’に回動したときのベ
ルト１１の上面Ｄ−Ｄ’の距離と等しくなる。従って図
に示すように水平状態での腰部座席８は前方へ移動し、
そのため患者の腰部が前へ寄せられ足が足置台に接触す
るのを補助する動作となっている。

【００１２】図４は本発明の足置台垂下り部と足置台の
起伏状態における位置関係を示す図であり、実線は背も
たれが起きた状態で、２点鎖線は水平の一平面となった
臥床状態になれる状態を示している。図１〜図２及び図
４において、前述のように背もたれ７が起上ると同時に
前部ローラー９が右回転の方向へ回動し、従ってこのロ
ーラー９及び前記アーム１２ａと一体となった足置台垂
下り部１５が右回転して水平状態から実線で示すように
垂下り状態となる。この足置台垂下り部１５の先端付近
に足置台軸２０を設け、この足置台軸を中心に足置台１
６が回動するように取付られ、上記足置台軸２０よりや
や前方の足置台１６側に足置台アーム１７を取付けてい
る。一方上記前部ローラー９の回動中心付近で前記下部
固定枠２にアーム１８を固定し、このアームの先端付近
と上記足置台アーム１７の先端付近とをリンク１９で結
合している。従って上記足置台１６は背もたれ７が起上
るに応じて足置台軸２０はＤからＤ’へ回動し、同時に
固定されたアーム１８の先端付近のＧを中心としてリン
ク１９が回動する。従ってリンク１９と足置台アーム１
７の結合部ＥはＥ’へ移動し、図に示すように足置台１
６は水平状態になる。なおこれらアーム及びリンクの寸
法は、上記背もたれ７の起上り状態と足置台１６の水平
度とが適切な関係となるよう決められている。

【００１３】図２において、患者が食事をしたりその他
用事ができるように前記足置台１６の先端に食事等の台
２１を取付けている。この台２１は臥床状態の水平状態
では２点鎖線で示すように患者から遠ざかるようになっ
ており、前記背もたれ７が起きるに従って実線で示すよ
うに足置台１６と共に上面が水平状態のまま下降して患
者に近寄るようになっている。勿論この食卓等の台２１
は患者の身体状況に合わせて高さを調節したり、前後の
位置を調節したり、更に左側を右側へ移動できるように
することは容易で当然である。またこの台が不要なとき
は取外してもよいが、逆にこの台があることで大変便利
であると言える。

【００１４】

【発明の効果】上述のような本発明によれば、身体の不
自由な療養患者が押ボタンスイッチにより容易に寝台を
起伏させて、臥床状態から足を足置台に置けるような座
れる状態にすることができ、そのとき上記足置台に足が
つき易いよう腰部座席を前進させて患者の動作を補助す
ることができる。その上食事その他の用事ができるよう
に食卓等の台が遠い位置から近寄ってくるようになって
おり、更に左右の希望する方向へ押ボタンスイッチによ
り回転することができるので、介護人の人手を大幅に省
けると同時に患者には極めて便利な寝台を提供できると
いう効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の全体構成を示す平面図（Ａ）及び正面
図（Ｂ）である。

【図２】本発明の寝台の起伏動作を示す図である。

【図３】本発明の背もたれと腰部座席の起伏状態におけ
る位置関係を示す図である。

【図４】本発明の足置台垂下り部と足置台の起伏状態に
おける位置関係を示す図である。

【符号の説明】

１ 寝台基礎枠 ２ 腰部座席の下部固定枠 ３ 旋回駆動装置 ４ 減速歯車列 ５ モーター ６ 旋回軸 ７ 背もたれ ８ 腰部座席 ９ 前部ローラー １０ 後部ローラー １１ ベルト １２ａ，１２ｂ アーム １３ リンク １４ モーターシリンダー １５ 足置台垂下り部 １６ 足置台 １７ 足置台アーム １８ 固定アーム １９ リンク ２０ 足置台軸 ２１ 食卓等の台 ２２ 起伏駆動スイッチ ２３ 水平回転スイッチ ２４ ローラーキャスター

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 起伏する背もたれと、水平の腰部座席
   と、この腰部座席の前部に継がって起伏する足置台垂下
   り部と足置台で構成された起伏型寝台において、腰部座
   席の下部にベルトを固着し、このベルトの下部に前後一
   対のローラーをベルトの両端に固着して腰部座席の下部
   固定枠に取付け、背もたれと後部ローラーとの回転中心
   及び足置台垂下り部と前部ローラーとの回動中心をそれ
   ぞれ同一として一体化し、上記前後一対のローラーには
   それぞれアームを設けその先端付近をリンクで結合し、
   上記アームには駆動装置を取付け、上記足置台垂下り部
   の前部を回動中心とする足置台を取付け、この回動中心
   よりやや前方に足置台アームを設け、一方足置台垂下り
   部の回動中心付近に固定アームを設け、この固定アーム
   の先端付近と上記足置台アームの先端付近とにリンクを
   取付け、背もたれが起きたときはローラーとベルトの回
   動により腰部座席が前方に水平移動し、同時に足置台垂
   下り部が回動して足置台が下降し、背もたれが伏したと
   きはローラーとベルトの逆回転により腰部座席が後方に
   水平移動し、同時に足置台垂下り部が逆回転して足置台
   が上昇し、背もたれ、腰部座席と共に水平になることを
   特徴とした起伏型福祉寝台。
2. 【請求項２】 足置台の先端に設けられた食卓等の台
   が、背もたれが起きたときは上面が水平の状態で下降し
   ながら腰部座席に近くなることを特徴とした請求項１。
3. 【請求項３】 腰部座席の下部固定枠のほぼ中央部に旋
   回駆動装置を備えた旋回軸を取付け、寝台が水平回転す
   ることを特徴とした請求項１又は請求項２。