JP2004506484A - 身体障害者のためのベッドの構成、およびこの構成を有するベッド - Google Patents

Abstract

本発明は、身体障害者用のベッド（１）の構成に関するものであり、この構成は、マットレスを支持する水平方向に回転可能なマルチセクション・ベッド・ベース部分（３ａ、３ｂ）であって、シート部分（３ｂ）および背もたれ部分（３ａ）としても使用可能なベース部分（３ａ、３ｂ）と、固定されたベッド・ベース部分（３ｃ）とを有している。本発明は、この構成が、マットレスを支持する回転可能ベッド・ベース部分（３ａ、３ｂ）に接続された持上げ機構（２ａ）をさらに有していること、およびこの機構（２ａ）が、例えば障害者が着用する持上げ帯に接続可能な安全フック（Ａ）に動作可能に接続されていることを特徴とする。

Description

【０００１】
本発明は、身体に障害を持った人のためのベッドの構成に関するものであり、より詳細には、障害者をベッドに下ろすこと、およびベッドから持ち上げることができる構成、およびこの構成を有するベッドとに関するものである。
【０００２】
身体障害者（麻痺患者や高齢者）は、ベッドに入る際、およびベッドから出る際に苦労することは明らかである。したがって、そのような障害者がベッドから出ること、およびベッドに入ることを助けるのは、親類や看護スタッフにとっての日々の仕事である。そのような持上げは、介助者（１人または複数）の介助姿勢が多くの場合、支える荷重応力に関して非常に悪いものであるため、怪我の危険が高い。
【０００３】
障害者が家庭環境の中で生活し、活動していけるようにすることには大きな利点がある。同様に、他人の個人的な介助を受けずにできる限りのことをやれることは、コスト面だけでなく、純粋に患者の個人的な観点からも望ましい。身体の不自由な人が、受け入れることができる生活の質を維持しながら家庭で生活し、物事に対処していけるようにするには様々な技術的な補助がしばしば不可欠である。
【０００４】
ＵＳ−Ａ−５，４４４，８８３は、障害者がベッドに入ること、およびベッドから出ることを容易にする、回転可能なマットレス部分を備えたベッドを開示している。しかし、この周知のベッドは、ベッドに座った姿勢から介助を必要とせずに起き上がり、車椅子に座り、あるいは立ち姿勢をとるのに十分なだけ障害者の腕が動き、また強さを有していることを前提とする。
【０００５】
本発明の主な目的は、ベッドから起き上がるとき、またはベッドに入るときの補助として使用することができ、上述した大変な持上げ作業の問題を解決し、重度の障害者でさえ独力でベッドに入ること、およびベッドから起き上がることが容易となるベッドの構成を提供することにある。
【０００６】
本発明によれば、この目的は、ベッドの構成が、特許請求の範囲で特定した特徴を有することによって達成される。
【０００７】
本発明の別の利点は、ベッドに入るプロセスおよびベッドから出るプロセスを、各個人に対して調整することができ、修正された運動パターンが、マットレス部分に関連したベッド・ベースの回転可能部分を動力制御することによってのみならず、一体化された持上げ機構をも動力制御することによって容易に達成可能であることである。本発明のさらに別の利点は、非常に重い人でさえも、ベッドが転倒する危険がなく、例えば車椅子からベッド内外に安全に持ち上げることができることである。
【０００８】
次に、本発明を、添付図面に示す例示実施形態に関連して記述する。
【０００９】
図１は、背もたれ部分／ヘッド端部３ａ、４ａが下がった位置にある状態での、本発明によるベッド１の構成２の簡略側面図である。この構成２は、持上げ機構２ａと、持上げ帯（スリング）を接続するための持上げフック２ｂとを有する（さらに図７に関連する説明を参照されたい）。特別に設計された、分割されているマットレス４ａ〜ｃも図１に示してある。下側マットレス部分４ｃは、ベッド・ベース部分３ｃに対して不動であり、湾曲した縁部分（図では見えない）を介して、回転可能なマルチセクション・ベッド・ベース部分３ａにより支持されているマットレス部分４ｂに接続されている。マットレス部分４ａは、マジックテープ（登録商標）（Ｖｅｌｃｒｏ　ｔａｐｅ）などによってベッド・ベース部分３ａに適切に固定されている。参照番号５はベッドサイド・テーブルに関するものであり、このテーブルは、ベッド１の近傍に可動に配置されて、脇に押しやることができ、また必要であれば、患者を持ち上げてベッドを整える際に低くしておくこともできる。
【００１０】
図２は、背もたれ部分／ヘッド端部３ａ／４ａが上がった位置にある、図１によるベッド１の側面図であり、ベッド１での直立座位が可能になっている。
【００１１】
図３は、図２のものに対応する構成２およびベッド１の図であり、しかしここでは、斜視図になっており、マットレスを有しておらず、ベッド・ベース部分３ａ、３ｂの回転を開始する前の、マットレスを支持する回転可能なマルチセクション・ベッド・ベース部分の様々な部分３ａ、３ｂおよび３ｃを示す。したがって、ここでは、ベッド・ベース部分が、互いに可動関係にある２つの部分、すなわち底部固定部分３ｃと、中央部分３ｂおよび上部分３ａとに分割して示されている。柱脚２’が開いたスロット２ａを有しており、ベッド・ベース部分の上部セクション３ａが、このスロット内で摺動できるように案内される。そのために、マットレス部分４ａ〜４ｃはベッド・ベース部３ａ〜３ｃの形状に対応する形状を有しており、このことは、マットレス部分４ａおよび４ｂと、ベッド・ベース部分３ａおよび３ｂとが、マットレス４ｃおよびベッド・ベース部分３ｃに関して可動であり、旋回可能であり、または回転可能である場合に重要な必須条件である。また、図３からわかるように、ベッド・ベース部分３ｂは、参照番号５の位置で部分的にベッド・ベース部分３ａに連節されており、しかしまた、互いに回転可能な２つの部分３ｂ’および３ｂ”を有するように参照番号６の箇所でも連節されている。
【００１２】
図４は、ベッド・ベース部分３ｂがどのように分割されているかをより詳細に示している。実際、前側部分３ｂ”は、上方向に揺動可能に設計されており、患者の大腿部に対する支持を形成し、１つには、患者が座った状態でベッド・ベース部分３ａ、３ｂが回転されるときにより高い安全性を提供し、しかしまた、マットレス部分４ｃに対する下腿部の圧力を最小限に抑えるように患者の下腿部を持ち上げ、ベッド・ベース部が９０度回転してベッドから出るための位置になるときに下腿部および脚の横方向旋回を可能にするという目的も有している。
【００１３】
図５は、人がベッドに入り、またベッドから出ることができるようにする位置に９０度回転した後の、マットレスを支持する回転可能マルチセクション・ベッド・ベース部分３ａ、３ｂを示す。ここで、前側ベッド・ベース部分３ｂ”は、水平のリクライニング姿勢で示されており、例えばベッドから起き上がって、あるいは出て、車椅子に下りるのを容易にする。患者が持上げ帯で懸架されている時間を最小限に抑え得ることは明らかに有利であり、短い持上げ時間は、循環器系に関する危険の問題のためだけでなく、純粋に快適さの観点からも好ましい。図５はまた、転倒を防止するように設計されたベッド１の脚の底部の構成要素７を示す。これらの支持構成要素７は、ベッド１の転倒を防止するモーメント・アームを高める。前記支持７は、使用する必要がない場合には、ベッドの下に簡単に回転させることができる。
【００１４】
図６は、回転可能ベッド・ベース部分３ａおよび３ｂと、伸縮機構８との下からの図であり、ここで伸縮機構８は、完全に短縮された姿勢で示されている。伸縮機構８は、ベッドが図１に示される姿勢、すなわちベッドの睡眠姿勢にあるときに完全に伸長した姿勢をとる。原則的には、ベッド・ベース部分３ａを直立姿勢に調節する目的と、伸縮機構８を短縮姿勢に調節する目的との両方が１つの直線調節デバイスで満たされる。これは、ベッド・ベース部分３ａの上部が摺動し、柱脚３ｃのスロット２ａ内で案内されるためである。図６はまた、ベッド・ベース部分３ａ、３ｂと伸縮部分とをベッド・フレーム内に配置する方法を示す。支持軌道リング９がベッド・フレーム内に固定されている。ベッド・ベース部分３ａ、３ｂおよび伸縮部分８が、軸受ハウジング１０ａ〜１０ｄによって前記リング上に支持され、軸受ハウジングは、支持軌道リングの上側を走る支持ローラを有する。外側ギア歯プロフィルが支持軌道リング９の片側に適切に接続され、このギア歯プロフィルには、１つまたは複数の大歯車が、ベッド・ベース部分３を回転させるために係合している。好ましい実施形態では、歯付きベルト（図示せず）が軌道リング９の外側に固定され、このベルトは、ベッド・フレームに固定された２つの張力ホイール、およびモータ駆動式の歯付きベルト用小歯車に掛かり得るような長さを有しており、それによって軌道リングおよびベッド・ベース部分３ａ、３ｂの回転をもたらす。軌道リング９上のリミット・スイッチが、起こり得る回転を制限する。
【００１５】
最後に、図７は、設備の端部からの略図を示しており、ここで、ベッドは、ベッドへの出入りのために人を持上げ帯１１に固定している。
【００１６】
本発明は、上述した例示実施形態に限定されず、頭記の特許請求の範囲の範囲内の修正形態にも適合する。
【図面の簡単な説明】
【図１】低くされた位置での本発明によるベッドの構成の簡略側面図である。
【図２】患者が直立して座っている姿勢での構成およびベッド部分の図１に対応する概略側面図である。
【図３】図２に対応する斜視図であり、しかしマットレスを有さず、ベッド・ベース部分の回転を開始する前の、マットレスを支持する回転可能マルチセクション・ベッド・ベース部分の様々な部分を示す図である。
【図４】４５度回転後のマットレスを支持する回転可能マルチセクション・ベッド・ベース部分を示し、このベース部分の前側セクションが、患者を安全に保持するように直立に角度を付けて示されている図である。
【図５】人がベッドに入り、かつベッドから出ることができるようにする位置へ９０度回転した後の、マットレスを支持する回転可能マルチセクション・ベッド・ベース部分を示す図である。
【図６】本発明による構成の下からの図であり、マットレスを支持する回転可能マルチセクション・ベッド・ベース部分が、伸縮式に折り畳み可能な台座構成要素に動作可能に接続されている様子を示す図である。
【図７】構成の端部からの略図であって、ベッドに出入りするために人を持上げ帯に固定しているベッドの図である。

Claims (8)

1. マットレスを支持する水平に回転可能なマルチセクション・ベッド・ベース部分（３ａ、３ｂ）であって、シート部分（３ｂ）および背もたれ部分（３ａ）に変換可能なベース部分（３ａ、３ｂ）と、
   固定ベッド・ベース部分（３ｃ）とを有する身体障害者用のベッド（１）の構成において、
   マットレスを支持する前記回転可能ベッド・ベース部分（３ａ、３ｂ）に接続される持上げ機構（２ａ）をさらに有しており、該機構（２ａ）は、例えば前記障害者が着用する持上げ帯に接続可能な安全フック（Ａ）に動作可能に接続されていることを特徴とするベッドの構成。
2. 前記動作可能な接続が、ベルトあるいはひも（Ｂ）からなることを特徴とする請求項１に記載のベッドの構成。
3. 前記ベッド・ベースの背もたれ部分（３ａ）が摺動可能に支承される垂直柱脚（２’）を有することを特徴とする請求項１に記載のベッドの構成。
4. 前記垂直柱脚（２’）が、電動ウィンチ機構（２ａ）を収容した水平ビーム部分（２”）を頂部に有しており、該電動ウィンチ機構（２ａ）は、前記水平ビーム部分（２”）に沿って往来することができるように配置されていることを特徴とする請求項３に記載のベッドの構成。
5. 前記垂直柱脚（２’）が、伸縮機構（８）によって水平方向に移動可能であり、該機構（８）は、前記マルチセクション・ベッド・ベース部分（３ａ、３ｂ）と共に回転可能であることを特徴とする請求項３に記載のベッドの構成。
6. 前記ベッド・ベース部分（３ａ、３ｂ）を回転させるため、および前記ベッド・ベース部分を背もたれ部分（３ａ）とシート部分（３ｂ）とに変換するための複数の補助モータを有しており、該補助モータの動作が、水平面内でのベッド・ベース部分（３）の回転位置に応じて、前記ベッドに入るため、および前記ベッドから出るための補助モータの運動パターンに関連したプログラム制御によって制御されることを特徴とする請求項１に記載のベッドの構成。
7. 操作制御ユニットによって使用者が直接操作可能であることを特徴とする請求項６に記載のベッドの構成。
8. 転倒を防止する働きをする少なくとも１つの横向きのモーメント吸収支持（７）がいずれかの脚に配置されていることを特徴とする、請求項１から請求項７までのいずれかに記載の構成を有する身体障害者用ベッド（１）。