JPH047897B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、接着剤層と短繊維層（フロツク）と
から成るフロツク加工された多孔性の繊維面成形
物を製造するための方法に関するものである。接
着剤層が支持面によつて付着しないように引受け
られ、そして静電的にフロツク加工されるように
繊維面成形物が製造される。この面成形物は乾燥
され、引続いて固定されるものである。清浄にさ
れた状態でこの成形物は支持面から分離され、そ
して自己保持する繊維製品として次に使用するよ
うになつている。

接着剤と短繊維とから成る面成形物を支持面上
に製造することは、西ドイツ特許公報第1081857
号により公知である。その際低粘性のプラスチツ
ク、樹脂、ゴム又は混合重合体から成る同一形状
で連続する接着剤フイルムは揮発性で有機の溶媒
液の形で支持面上にもたらされ、フロツク加工さ
れ、フロツク加工後に乾燥され、その結果溶媒が
蒸発されるものである。そうして得た繊維面成形
物は軽く多孔性であり、且つビロードの様な表面
を示すものである。接着剤及び毛羽層を用いた付
加的処理段階で前記成形物はまた毛羽立つた表面
とすることも出来る。

基体と接着剤と短繊維とから成り、ビロードの
様な表面を有する繊維面成形物を製造することは
西ドイツ特許公報第832112号で知られている。こ
れらの繊維はその際所定の個所で空気流を当てる
処置に従つて傾倒することによつてその傾き具合
が変えられるものである。それによつてビロード
状表面におけるより明るくなる且つより暗くなる
効果が達成されることになる。

短繊維（フロツク）の設けられている繊維面成
形物は、イー・ワグナー著のハンドブツク「繊維
原料」1981年第６版、159頁に、スエードとか、
ビロードとか、フラシテンとか、毛皮とかのイミ
テーシヨンとして、ベロア紙、人造皮革、とりわ
け毛羽製品として製造されるものである。その際
布地、織物又は紙の形をした基体が接着剤及びフ
ロツクを担持する製品構造体として役立つもので
ある。

本発明の目的とするところはフロツク層を備え
基体のない繊維面成形物を製造することで、当該
成形物はそれを使用するのに適するという点に鑑
みて改良された特性を備え且つ更にその繊維表面
に関し、フランネル状の性質を備えた洗練加工を
した外見を維持すべきものである。

本発明は、繊維面成形物を市販の接着剤及び短
繊維で製造し、その際上記出発材料により且つ更
に別の処理手段において洗練加工することにより
所望の特性を簡単に且つ低コストで得られるとい
うことを課題とするものである。

本発明によればこの課題は次のようにして解決
される、即ち水性でポリマーの気泡状分散体及び
短繊維（フロツク）とから得られる面成形物がフ
ロツク加工後に付加的にカレンダー処理されるこ
とにより解決される。支持面上の薄層に連続的に
付与される気泡状で水性の分散接着剤はフロツク
加工段階で短繊維でフロツク加工され、そして乾
燥された面成形物で、且つほぼ直立した繊維から
なる濃密なフロツク層と結合され、まだ硬化して
いない繊維面成形物としてカレンダーのロール間
隙を通して移動され、そしてその際所定の選択可
能な厚さに押圧されるものである。実質的にその
際フロツクの均質の表面加工が達成されることに
なる。

カレンダー処理された面成形物は引続いて固定
され且つ縮合され、次に過剰なフロツクが洗浄さ
れそして支持面から分離されるものである。その
様にして得た繊維製品は軽く、通気性があり且つ
両方にしなやかである。その製品は細かなフラン
ネルに匹敵する表面を備えている。この洗練され
た外見はカレンダー処理されることによつて得ら
れる。更に手ざわりが軟かく、そして実際よりも
見た目がふつくらとして見える。更に汚れにくい
ものである。

この特性のためにこの繊維製品は広い領域でよ
り有利に使用されうるものである。例えば内張り
材料として鞄やケースに、織物の壁掛け代用品と
して室内に、そして内装として自動車に使用しう
るものである。装飾的にはほとんど設けられない
材料としてこの製品は自動車内、例えば筆記用機
械、他のオフイス機器又は掃除機の如き機械ケー
シング内に遮音材料として使用されうるものであ
る。室内で使用する場合にはこの製品は断熱性が
あり吸音性もある。

分散接着剤はプラスチツクハンドブツクポリウ
レタン第７巻（ジー・エールテル著、第２版1983
年）により周知である。第591頁参照、例えば水
性ポリウレタン分散体からなる接着剤。またセク
シヨン11.7.4衣服工業、特に布地及び織物を有す
る化合物、他の場所では全平面的フロツク加工用
の項、そしてセクシヨン11.7.5車両構造、特に車
両部品、例えば装飾的フロツク加工に関するグロ
ーブボツクスの項参照。

本発明の製造方法によれば分散接着剤は以下の
様にフロツク層と結合されるものである、即ち接
着剤内に入り込む短繊維が接着層を保持し且つ強
化すると共に、それが厚さ全部にわたつて存在し
ほぼ直立している短繊維自体によつて支持される
ように結合されるものである。その接着剤層領域
でまだ可塑性で凝縮されておらず、最終的に網状
になつておらず、大細胞状のこの発泡剤組成物と
フロツク領域の短繊維とはカレンダーロール間隙
内で押圧され且つそこでは実質的にフロツク表面
は全面に渡り充分な非常に均質な表面加工が得ら
れるものである。その表面はこれによりフランネ
ル状で不均質な外見を与えることになる。

カレンダーにより処理されたこの面成形物は乾
燥及び固定の後非常に軽い一定幅製品を生じ、こ
れは通気性が良く、限られてはいるが両方に弾力
性があり且つ前に述べた種のフロツク表面を具備
するものである。

更に別の形態のものによれば繊維面成形物はカ
レンダー処理した後凹凸を付す段で予め与えられ
選択可能に適用される凹凸付け補助手段により装
飾的模様が得られうるものである。この面成形物
は例えば田舎風の織物意匠のものが得られる。カ
レンダー処理する段及び凹凸付け段における処置
は、平坦布地とフランネルとから組合さつたもの
に類似の特性を有する繊維面成形物が生ずること
になる。

本発明による方法とその方法で得られる繊維面
成形物は実施例に基づいて詳細に説明される。

図面はフランネルの外見を有するフロツク加工
された一定幅の繊維を製造するための手段の構造
を略示したものである。

ポリウレタン又はアクリレートからなる100〜
500ｇ／の発泡体重量を有する水性でポリマー
の発泡性接着剤分散体はドクタ１を通り支持面２
上に付着しない耐熱性のエンドレスベルトの形で
100〜1000μｍの任意の厚さの気泡にして付与さ
れるものである。フロツク加工段内、即ち静電的
に構成された領域で例えば1.7〜3.3dtexの細かさ
で且つ約0.6〜1.0mmの長さのポリアミドの如き静
電的に調整された周知の種の短繊維は接着層内に
フロツク加工され、その結果短繊維はその端部で
接着剤材料によつて少くとも部分的に取り囲まれ
ることになる。接着剤層は比較的大細胞の様にな
つており、そして層の厚さは非常に薄くなつてい
る。接着する発泡剤は厚さの全部にわたりフロツ
ク加工された短繊維と結合し、その際両者は相互
に保たれ且つ繊維は幾分接着剤を強化するもので
ある。スクレーピングやフロツク加工は室温で行
われる。フロツク加工段を出て行くフロツク加工
された一定幅の繊維は軟かく、可塑性で粘弾性が
あり且つまだ硬化していない。この繊維は次に第
一の乾燥領域４において選定された発泡性接着剤
の種類に応じて加熱処置かさもなくば温熱処理に
よつて乾燥され、その際接着剤発泡体から脱水が
行われる。

この一定幅の繊維は次にカレンダー５のロール
間隙を通つて導びかれ、ここで平面押圧を受け、
それにより短繊維は押圧及び／または屈曲するよ
うに応力が加えられる。その結果均質で、フラン
ネル状の又はフエルトになつたフランネル状の外
見を有する表面が生ずることになる。その外見は
全表面に単一的に生じ、そして毛織布地において
比較的装備コストを高くして初めて得られるよう
な新規な洗練処理と見なされることになる。

発泡性接着剤が凝縮する前に中間段６において
別の表面洗練加工が行われうる。例えば凹凸付け
又は部分凹凸付けが行われうるものである。これ
は必要に応じて繊維の表面成形物を後で使用する
のに向いている。適用領域は例えば乗物（自動
車、舟、飛行機等）工業とか壁張り材料や袋物材
料を加工する分野である。

更に別の処理段階７においては乾燥され、洗練
された一定幅の繊維製品は場合によつて上側及び
下側で異なつた熱処理を行なう乾燥及び固定プロ
セスを受けることになる。ここでは一定幅の製品
は所望の構造安定性及び必要な品質を得る。この
最後の処理段に引続いて繊維面成形物は過剰の材
料の残りが除かれてきれいになる、例えば吸取り
装置８によりきれいになる。次に上記面成形物は
支持面２から分離され、そして巻き上げられる。
全プロセスに要する時間は約５〜６分である。巻
き上げられた一定幅の製品は比較的ソフトで弾性
に豊んでおり、毛皮の手ざわりがあり、約120〜
150g／m²の重さがある。この巻取りは９で示さ
れ、フロツク加工され基体のない一定幅の繊維は
１０で示されている。

本発明の方法により得られる繊維面成形物は (a) 機械的に発泡され且つ大細胞構造に基づく良
好な自己安定性と同時に良好な通気性とを備え
た前述した水性の分散体の発泡性接着剤と (b) 市販されているフロツク構造から成るフロツ
ク層とから出来ている。

この基体のない一定幅製品は自己保持性があ
り、その際接着剤内の短繊維は特にカレンダーを
通すことにより固定し易く、そしてその際繊維は
接着剤を強化するものである。フロツク供給の厚
さはこの結合を良いものにする。凝縮された発泡
性接着剤の厚さは予定して適用領域に応じて0.1
〜１mmの間の厚さにしうる。

この方法で高い呼吸能動性と通気性とが達成さ
れることになる。空気の封入を高めると軽い一定
幅製品に重要に対応する湿気の吸収を与えること
になる。見た目でふつくらとした製品の形態は実
際にそうであるよりももつと重たい製品であるよ
うに表面的には見えるものである。得られた両方
向弾性は製品を25％までのカツピング（tiefzieh）
能を有する。

この方法は乗物製造にも使用しうる。いわゆる
自動車の天蓋を製造する場合製品が例えば薄板や
プラスチツクの如き支持体構造の上にその成形の
前に貼り付けられ、次にこれと一緒に成形及び穿
孔が行われる。これは多くの長所を生ずることに
なる。

こうすると自動車の天蓋に何ら水の凝結が起ら
ない。それは遮音性があり且つ断熱性がある。こ
れは流行に従つて所望の色にすることができ、変
色もせず、褪色もせず且つ洗浄し易いものであ
る。繊維面成形物を使用する場合同じく自動車の
ドア、仕切り及び物を置く所には内側にこの製品
をモダンなデザインにして低価格に設けうるもの
である。これらの長所は自動車の天蓋の長所と同
じである。遮音部材として筆記用機械（タイプラ
イター等）及び他のオフイス機械のケーシングに
はこの繊維製品を装備することが出来る。音の伝
達はその際本質的に低下される。

更にこの繊維製品を有する鞄やトランクは全て
所望のデザインにして好ましく、洗浄し易く且つ
擦り切れにくく被いうるものである。

繊維面成形物は更に部屋を形成するために長所
を持つており、会議室、コンサートホール、劇場
等の部屋用のコストの低い張り物材料として適す
るものである。それは遮音性があり且つ音の反射
が少ない。これは高価な織物の張り換えがすぐ行
える。色とか模様の形は望みに応じて行なうこと
が出来る。同時に上述したようなフランネル状の
表面の見かけはまた凹凸形にして簡単に製造しう
るものである。

【図面の簡単な説明】

図面はフランネルの外見を有するフロツク加工
を施した一定幅の繊維を製造するための手段の構
造を略示したものである。 図中参照番号、１……ドクタ、２……支持面、
３……フロツク加工段、４……乾燥領域、５……
カレンダー、６……中間段、７……処理段、８…
…吸出し装置。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 接着剤層と短繊維層（フロツク）とから成る
   フロツク加工され多孔性で可撓性の繊維面成形物
   を製造するための方法にして、薄い接着剤層が支
   持面によつて付着しないように引受けられ且つ静
   電的に調整された短繊維が接着剤層にフロツク加
   工を施され、そうして得た面成形物は乾燥され、
   固定され、その後清浄され、支持面から分離され
   るような方法において、水性でポリマーの気泡状
   接着分散体とフロツクとから得られる面成形物が
   フロツク加工の後付加的にカレンダー処理される
   ことを特徴とする方法。 ２ フロツク加工の後、乾燥された面成形物がカ
   レンダー処理されることを特徴とする特許請求の
   範囲第１項に記載の方法。 ３ 上述の様にして得られたカレンダー処理され
   た面成形物が乾燥及び固定プロセスの前に表面に
   凹凸が付けられることを特徴とする特許請求の範
   囲第１項又は第２項に記載の方法。