JPH08269875A - 皮革様シート状物およびその製造方法 - Google Patents

皮革様シート状物およびその製造方法

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JPH08269875A
JPH08269875A JP10169195A JP10169195A JPH08269875A JP H08269875 A JPH08269875 A JP H08269875A JP 10169195 A JP10169195 A JP 10169195A JP 10169195 A JP10169195 A JP 10169195A JP H08269875 A JPH08269875 A JP H08269875A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 天然皮革に酷似した外観および感触を有する
のみならず、通気性および透湿性をも付与した皮革様シ
ート状物を提供する。 【構成】 繊維基材、ポリウレタン樹脂層、および表面
仕上げ層を有する皮革様シート状物において、ポリウレ
タン樹脂層が、繊維基材上に平均粒径5〜50μmのポ
リエチレン微粉末を含有するポリウレタン樹脂溶液を含
浸および/または塗布し、湿式凝固して得られるポリウ
レタン樹脂層であることを特徴とする皮革様シート状
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、靴胛材、靴裏中敷材、
衣料等の素材として好適に用いられる通気性および透湿
性に優れた皮革様シート状物およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、靴胛材、靴裏中敷材、衣料等
の素材として、天然皮革を模した皮革様シート状物、即
ち、繊維基材にポリウレタン樹脂の湿式多孔質層、乾式
多孔質層、あるいは乾式発泡層を形成した後、天然皮革
の銀面に相当する表面層をラミネート法、スプレー法、
グラビア法等の手段にて形成した皮革様シート状物が多
く使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の皮革様
シート状物は、その製法上および構造上、通気性および
透湿性に劣るものであった。従って、このような皮革様
シート状物を靴胛材、靴裏中敷材等に使用すると、着用
時において足が蒸れるなどの問題が生じていた。本発明
は、上記の欠点を解決するためになされたものであっ
て、天然皮革に酷似した外観および感触を有するのみな
らず、通気性および透湿性をも付与した皮革様シート状
物を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
になされた本発明の皮革様シート状物は、繊維基材、ポ
リウレタン樹脂層、および表面仕上げ層を有する皮革様
シート状物であって、該ポリウレタン樹脂層が、繊維基
材上に平均粒径5〜50μmのポリエチレン微粉末を含
有するポリウレタン樹脂溶液を含浸および/または塗布
し、湿式凝固して得られるポリウレタン樹脂層であるこ
とを特徴とするものである。
【0005】また、上記課題を解決するためになされた
本発明の皮革様シート状物の製造方法は、繊維基材に平
均粒径5〜50μmのポリエチレン微粉末を含有するポ
リウレタン樹脂溶液を含浸および/または塗布する工
程、ポリウレタン樹脂溶液を含浸および/または塗布し
た繊維基材を非溶剤中に浸漬してポリウレタン樹脂を湿
式凝固、脱溶媒、水洗を施した後、乾燥して表面に微細
な気孔を有するポリウレタン樹脂多孔質層を形成する工
程、表面仕上げする工程、とからなることを特徴とする
ものである。
【0006】本発明で使用される繊維基材としては、例
えば、単糸繊度が2デニール以下の繊維で作られた編
布、織布あるいは絡合不織布等が挙げられる。上記の絡
合不織布は、ニードルパンチや高速流体流により絡合処
理された不織布であり、必要に応じてポリウレタン樹脂
や合成ゴム等の弾性重合体が付与されているものであ
る。また、繊維基材として編布あるいは織布を使用する
場合にあっては、少なくともポリウレタン樹脂溶液を含
浸および/または塗布する面が起毛または立毛加工され
たものが好ましい。更に、繊維基材の重量は特に限定さ
れるものではなく、皮革様シート状物の用途によって適
宜選定される。例えば、靴用の素材として使用される場
合には、200〜400g/m2 程度の繊維基材が用い
られる。
【0007】繊維基材を構成する繊維としては、例えば
ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポ
リオレフィン、ポリビニルアルコール等の合成繊維、
綿、麻等の天然繊維、レーヨン、スフ、アセテート等の
再生繊維の単独あるいはこれらの混紡繊維や、少なくと
も一成分を溶解除去したり二成分繊維を分割したりする
ことによって極細繊維に変成された多成分繊維等を用い
ることができる。
【0008】上記の繊維基材は、得られる皮革様シート
状物の風合いを向上させる目的で、ポリウレタン樹脂溶
液を塗布および/または含浸に先立ってポリビニルアル
コールやシリコーン、あるいはこれらの混合物などを繊
維表面に固着させたものであってもよい。このときのポ
リビニルアルコール等の付着量としては、繊維基材に対
して1〜15重量%程度である。また、繊維基材は、得
られるシート状物の表面平滑性を向上させる目的で、面
平滑化加工したものであってもよい。
【0009】本発明に使用されるポリウレタン樹脂は、
平均分子量500〜3000のポリオール、例えばポリ
エステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポ
リエステル・エーテル系ポリオール、ポリカプロラクト
ン系ポリオール、ポリメチルバレロラクトン系ポリオー
ル、ポリカーボネート系ポリオール等から選ばれる一種
以上のポリオール成分;芳香族ジイソシアネート、脂肪
族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、環状基
を有する脂肪族ジイソシアネート等から選ばれる一種以
上のイソシアネート成分;および活性水素原子を少なく
とも二個有する低分子化合物、例えば、脂肪族ジオー
ル、脂環族ジオール、脂肪族ジアミン、脂環族ジアミ
ン、ヒドラジン誘導体などから選ばれる一種以上の鎖伸
長剤とを反応させて得られるものである。また、これら
のポリウレタン樹脂は、例えばアミノ酸、シリコーン、
フッ素等と反応させて得た変性ポリウレタン樹脂であっ
てもよい。上記のポリウレタン樹脂の組成は、皮革様シ
ート状物の指向する用途や目的に応じて適宜選定するこ
とができる。
【0010】上記のポリウレタン樹脂は、100%モジ
ュラスが10〜120kg/cm2のものが好ましい。
100%モジュラスが小さすぎると得られる皮革様シー
トの機械的強度が低下し、逆に100%モジュラスが大
きすぎると得られる皮革様シートの風合いが硬くなる。
【0011】上記のポリウレタン樹脂は、必要に応じて
各種添加剤、例えば凝固調節剤(界面活性剤)、着色
剤、充填剤、酸化防止剤、撥水・撥油剤等を添加し、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチ
ルピロリドン、ジメチルスルホキシド等の溶剤に溶解さ
れ、適宜濃度のポリウレタン樹脂溶液とされる。上記の
溶剤のうち、特にジメチルホルムアミドが好ましい。
【0012】本発明の皮革様シートにおいては、通気性
および透湿性を付与するために、上記のポリウレタン樹
脂溶液にポリエチレン微粉末が添加される。このポリエ
チレン微粉末を含有するポリウレタン樹脂溶液を塗布お
よび/または含浸させた後、ポリウレタン樹脂を湿式凝
固させることによって、ポリエチレン微粉末が脱離して
ポリウレタン樹脂層表面に適度な大きさの気孔、具体的
には径が5〜100μm径程度の気孔が形成され、皮革
様シートに通気性および透湿性が付与される。
【0013】本発明の皮革様シートでは、平均粒径5〜
50μm、好ましくは10〜30μmで、上記のポリウ
レタン樹脂の溶剤に不溶の低密度ポリエチレン微粒子が
使用される。平均粒径が5μm未満のポリエチレン微粉
末を使用すると、ポリエチレン微粉末の粒子が凝集して
しまうといった問題やポリエチレン微粉末が脱離しにく
く通気性および透湿性が充分に付与されないといった問
題があり、平均粒径が30μmを超えるポリエチレン微
粉末を使用すると、ポリウレタン樹脂層表面に形成され
る気孔が大きくなりすぎて耐水性が悪化するといった問
題がある。
【0014】上記のポリエチレン微粉末の添加量は、ポ
リウレタン樹脂100重量部に対して1〜40重量部程
度である。ポリエチレン微粉末の添加量が少なすぎる
と、通気性および透湿性が充分に付与されないといった
問題があり、逆にポリエチレン微粉末の添加量が多すぎ
るとポリウレタン樹脂層の機械的強度が悪化すると共
に、得られる皮革様シートの風合いが硬くなるといった
問題が生じる。
【0015】ポリウレタン樹脂層の表面に形成される表
面仕上げ層は、従来の皮革様シートと同様に、グラビア
ロールコーター等にて着色剤、各種添加剤を含有するポ
リウレタン樹脂溶液、ポリアミド樹脂溶液、アクリル系
樹脂溶液、ポリアミノ酸樹脂溶液、あるいはこれらの混
合溶液などの表面処理剤を塗布する等の手段にて形成さ
れる。尚、このとき使用される表面処理剤に使用される
溶剤として、ポリウレタン樹脂層を溶解して表面に形成
された気孔を塞がないような溶剤を選択して使用するこ
とは言うまでもない。
【0016】本発明の皮革様シート状物は、従来の皮革
様シートと同様、必要に応じて型押しロール等によるエ
ンボス加工や揉み加工などの二次加工を施すことも可能
である。
【0017】次に、本発明の皮革様シートの製造方法に
ついて説明する。
【0018】まず、必要に応じて起毛または立毛処理、
ポリビニルアルコール等の固着、あるいは面平滑化加工
した繊維基材に、上記のポリエチレン微粉末を添加した
ポリウレタン樹脂溶液を塗布および/または含浸させ
る。ポリウレタン樹脂溶液を塗布および/または含浸さ
せる手段としては、従来のものと同様、例えばディッピ
ング、ナイフコーター等による塗布等が挙げられる。
【0019】次いで、ポリウレタン樹脂溶液を塗布およ
び/または含浸させた繊維基材を水やポリウレタン樹脂
溶液で用いた溶剤の水溶液、好ましくはジメチルホルム
アミドの0〜20%水溶液等の非溶剤中に浸漬してポリ
ウレタン樹脂を凝固、脱溶媒した後、水洗、乾燥する。
このときのポリウレタン樹脂の凝固温度は、15〜40
℃の範囲で適宜選定されるのが好ましい。この工程によ
って、ポリウレタン樹脂溶液に添加したポリエチレン微
粉末が脱離してポリウレタン樹脂層表面に適度な気孔が
形成される。
【0020】更に、上記のポリウレタン樹脂層上に、従
来より行われているグラビアロールコーター等にて着色
剤、各種添加剤を含有するポリウレタン樹脂溶液、ポリ
アミド樹脂溶液、アクリル系樹脂溶液、ポリアミノ酸樹
脂溶液あるいはこれらの樹脂の混合溶液などの表面処理
剤を塗布し、表面仕上げ加工を施し、皮革様シート状物
を得る。また、従来の皮革様シート状物と同様に、得ら
れた皮革様シート状物に、型押しロール等によるエンボ
ス加工を施して皮革様シート表面に凹凸を付与したり、
揉み加工を施す等の二次加工を施すことも可能である。
【0021】
【作用】本発明の皮革様シート状物は、ポリウレタン樹
脂層を形成するポリウレタン樹脂中に、ポリウレタン樹
脂溶液の溶剤に不溶な特定粒径のポリエチレン微粉末を
添加し、かつポリウレタン樹脂溶液を湿式凝固させてポ
リウレタン樹脂層を形成してなるので、該ポリウレタン
樹脂層表面に適度な気孔が形成され、通気性および透湿
性を有するものとなる。
【0022】
【実施例】以下に具体的な実施例を挙げ、本発明を更に
詳細に説明するが、本発明は以下に示す実施例に限定さ
れるものではない。
【0023】〔実施例1〕ナイロン/ポリエステル(5
0/50)からなり、分割後の単糸繊度が0.2デニー
ル、繊維長が30〜40mmの分割型繊維の繊維ウェッ
ブをニードルパンチ加工した後、高速流体流加工して得
られた絡合不織布(重量200g/m2 、見掛け密度
0.22g/cm3 )に、シリコーン(ゲラネックスS
H:松本油脂社製)2重量部、ポリビニルアルコール
(ゴーセルールGL−05:日本合成社製)2重量部、
水96重量部からなる処理液に浸漬し、絞り率120%
で搾液して、熱風循環式乾燥機にて100〜130℃で
7分間乾燥した後、180℃に加熱したロールにて2分
間加圧圧着して面平滑加工を施し繊維基材を得た。
【0024】得られた繊維基材に、表1に示す配合から
なるポリウレタン樹脂溶液を、DIP−NIP法にて含
浸(目付量550g/m2 )させた後、表2に示すポリ
ウレタン樹脂溶液をナイフコーターを用いて均一に塗布
(目付量700g/m2 )した。
【0025】
【表1】 ポリエステル系ポリウレタン樹脂 *1 100重量部 ポリエチレン微粉末 *2 10重量部 アニオン系界面活性剤 0.5重量部 ノニオン系界面活性剤 0.5重量部 シリコーン系整泡剤 0.5重量部 着色剤 10重量部 ジメチルホルムアミド(溶剤) 125重量部 *1 クリスボン8006HV:大日本インキ化学工業社製 (100%モジュラス35kg/cm2 ,固形分30%) *2 フローセンUF1.5:住友精化社製 (平均粒径10〜20μm)
【0026】
【表2】 ポリエステル系ポリウレタン樹脂 *1 100重量部 ポリエチレン微粉末 *2 10重量部 アニオン系界面活性剤 1重量部 ノニオン系界面活性剤 1重量部 シリコーン系整泡剤 0.5重量部 着色剤 10重量部 ジメチルホルムアミド(溶剤) 58重量部
【0027】次いで、ジメチルホルムアミド12%水溶
液(液温25℃)中に、ポリウレタン樹脂を塗布・含浸
させた繊維基材を浸漬して、ポリウレタン樹脂を凝固さ
せた後、60℃の温水中で60分間脱溶媒、水洗すると
共に、ポリウレタン樹脂溶液に含有されるポリエチレン
微粉末を脱離させ、100〜130℃の熱風循環式乾燥
機にて10分間乾燥してポリウレタン樹脂層を形成し
た。得られたポリウレタン樹脂層表面には5〜20μm
径の気孔が多数形成されていた。
【0028】更に、ポリウレタン樹脂層上に、着色剤を
添加したポリウレタン樹脂表面処理剤を、80メッシュ
のグラビアロールにて4回塗布した後、表面に皮絞模様
のエンボスロールにて加熱加圧してエンボス加工を施
し、皮革様シート状物を得た。得られた皮革様シート状
物は、一体感があり、適度な腰とソフトな風合いを有し
ており、通気性、透湿性ならびに耐水性に優れるもので
あった。また、得られた皮革様シート状物の通気度、透
湿度、耐水度について、下記の方法にて試験した。結果
を表7に示す。
【0029】〔試験方法〕 (1)通気度 「JIS P 8117」に規定される方法に準じ、ガ
ーレのデンソメーターを使用して測定し、1時間当たり
通過する空気量(l/cm2 ・hr)に換算した。 (2)透湿度 「JIS Z 0208」に規定される条件Bの方法に
準じ、透湿度(g/m2 ・24hr)を測定した。 (3)耐水度 「JIS L 1092」に規定されるA法に準じ、耐
水圧水柱(mmH2 O)を測定した。
【0030】〔実施例2〕ナイロン/ポリエステル(5
0/50)からなり、分割後の単糸繊度が1.0デニー
ル、繊維長が30〜40mmの分割型繊維の繊維ウェッ
ブをニードルパンチ加工した後、高速流体流加工して得
られた絡合不織布(重量250g/m2 、見掛け密度
0.25g/cm3 )に、シリコーン(ゲラネックスS
H:松本油脂社製)2重量部、ポリビニルアルコール
(ゴーセルールGL−05:日本合成社製)2重量部、
水96重量部からなる処理液に浸漬し、絞り率120%
で搾液して、熱風循環式乾燥機にて100〜130℃で
10分間乾燥した後、180℃に加熱したロールにて2
分間加圧圧着して面平滑加工を施し繊維基材を得た。
【0031】得られた繊維基材に、表3に示す配合から
なるポリウレタン樹脂溶液を、DIP−NIP法にて含
浸(目付量750g/m2 )させた後、表4に示すポリ
ウレタン樹脂溶液をナイフコーターを用いて均一に塗布
(目付量800g/m2 )した。
【0032】
【表3】 ポリエステル系ポリウレタン樹脂 *3 100重量部 ポリエチレン微粉末 *4 5重量部 含フッ素ウレタン樹脂 1重量部 アニオン系界面活性剤 0.5重量部 ノニオン系界面活性剤 0.5重量部 シリコーン系整泡剤 0.5重量部 着色剤 10重量部 ジメチルホルムアミド(溶剤) 125重量部 *3 レザミンCU4310:大日精化社製 (100%モジュラス40kg/cm2 ,固形分26%) *4 フローセンUF−20:住友精化社製 (平均粒径20〜30μm)
【0033】
【表4】 ポリエステル系ポリウレタン樹脂 *3 100重量部 ポリエチレン微粉末 *4 5重量部 含フッ素ウレタン樹脂 1重量部 アニオン系界面活性剤 0.5重量部 ノニオン系界面活性剤 2重量部 シリコーン系整泡剤 1重量部 着色剤 10重量部 ジメチルホルムアミド(溶剤) 52重量部
【0034】次いで、ジメチルホルムアミド12%水溶
液(液温25℃)中に、ポリウレタン樹脂を塗布・含浸
させた繊維基材を浸漬して、ポリウレタン樹脂を凝固さ
せた後、60℃の温水中で60分間脱溶媒、水洗すると
共に、ポリウレタン樹脂溶液に含有されるポリエチレン
微粉末を脱離させ、100〜130℃の熱風循環式乾燥
機にて10分間乾燥してポリウレタン樹脂層を形成し
た。得られたポリウレタン樹脂層表面には5〜30μm
径の気孔が多数形成されていた。
【0035】更に、ポリウレタン樹脂層上に、着色剤を
添加したポリウレタン樹脂表面処理剤を、80メッシュ
のグラビアロールにて4回塗布した後、表面に毛穴絞模
様のエンボスロールにて加熱加圧してエンボス加工を施
し、更に揉み処理を行って皮革様シート状物を得た。得
られた皮革様シート状物は、一体感があり、適度な腰と
ソフトな風合いを有しており、通気性、透湿性ならびに
耐水性に優れるものであった。また、得られた皮革様シ
ート状物の通気度、透湿度、耐水度について、実施例1
と同様の方法にて試験した。結果を表7に示す。
【0036】〔実施例3〕ポリエステル繊維(1.2デ
ニール)とレーヨン繊維(1デニール)を混紡(重量比
65/35)して、綾織に織成した両面起毛布に、シリ
コーン(ゲラネックスSH:松本油脂社製)2重量部、
ポリビニルアルコール(ゴーセルールGL−05:日本
合成社製)2重量部、水96重量部からなる処理液に浸
漬し、絞り率100%で搾液して、熱風循環式乾燥機に
て100〜130℃で7分間乾燥した後、180℃に加
熱したロールにて2分間加圧圧着して面平滑加工を施し
繊維基材を得た。
【0037】得られた繊維基材に、表5に示す配合から
なるポリウレタン樹脂溶液を、DIP−NIP法にて含
浸(目付量500g/m2 )させた後、表6に示すポリ
ウレタン樹脂溶液をナイフコーターを用いて均一に塗布
(目付量800g/m2 )した。
【0038】
【表5】 ポリエステル/エーテル系ポリウレタン樹脂 *5 100重量部 ポリエチレン微粉末 *6 3重量部 アニオン系界面活性剤 1重量部 ノニオン系界面活性剤 1重量部 シリコーン系整泡剤 0.5重量部 着色剤 10重量部 ジメチルホルムアミド(溶剤) 130重量部 *5 クリスボンMP−145:大日本インキ化学工業社製 (100%モジュラス40kg/cm2 ,固形分30%) *6 フロービーズCL−2080:住友化学社製 (平均粒径10μm)
【0039】
【表6】 ポリエステル/エーテル系ポリウレタン樹脂 *5 100重量部 ポリエチレン微粉末 *6 3重量部 アニオン系界面活性剤 1重量部 ノニオン系界面活性剤 2重量部 シリコーン系整泡剤 1重量部 着色剤 10重量部 ジメチルホルムアミド(溶剤) 60重量部
【0040】次いで、ジメチルホルムアミド15%水溶
液(液温25℃)中に、ポリウレタン樹脂を塗布・含浸
させた繊維基材を浸漬して、ポリウレタン樹脂を凝固さ
せた後、60℃の温水中で60分間脱溶媒、水洗すると
共に、ポリウレタン樹脂溶液に含有されるポリエチレン
微粉末を脱離させ、100〜130℃の熱風循環式乾燥
機にて10分間乾燥してポリウレタン樹脂層を形成し
た。得られたポリウレタン樹脂層表面には5〜10μm
径の気孔が多数形成されていた。
【0041】更に、ポリウレタン樹脂層上に、着色剤を
添加したポリウレタン樹脂表面処理剤を、100メッシ
ュのグラビアロールにて4回塗布した後、表面に皮絞模
様のエンボスロールにて加熱加圧してエンボス加工を施
して皮革様シート状物を得た。得られた皮革様シート状
物は、一体感があり、適度な腰とソフトな風合いを有し
ており、通気性、透湿性ならびに耐水性に優れるもので
あった。また、得られた皮革様シート状物の通気度、透
湿度、耐水度について、実施例1と同様の方法にて試験
した。結果を表7に示す。
【0042】〔比較例1〕ポリエチレン微粉末を、表
1、表2に示すポリウレタン樹脂溶液に添加しない以外
は、実施例1と同様にして皮革様シート状物を得た。得
られた皮革様シート状物は、一体感があり、適度な腰と
ソフトな風合いを有していたが、通気性および透湿性に
劣るものであった。また、得られた皮革様シート状物の
通気度、透湿度、耐水度について、実施例1と同様の方
法にて試験した。結果を表7に示す。
【0043】〔比較例2〕表1、表2に示すポリウレタ
ン樹脂溶液に添加するポリエチレン微粉末の添加量を
0.5重量部に変える以外は、実施例1と同様にして皮
革様シート状物を得た。得られた皮革様シート状物は、
一体感があり、適度な腰とソフトな風合いを有していた
が、通気性および透湿性に劣るものであった。また、得
られた皮革様シート状物の通気度、透湿度、耐水度につ
いて、実施例1と同様の方法にて試験した。結果を表7
に示す。
【0044】〔比較例3〕表1、表2に示すポリウレタ
ン樹脂溶液に添加するポリエチレン微粉末を平均粒径が
180μmのものに変える以外は、実施例1と同様にし
て皮革様シート状物を得た。得られた皮革様シート状物
は、一体感があり、適度な腰とソフトな風合いを有して
おり、通気性および透湿性にも優れるものであったが、
耐水性に劣るものであった。また、得られた皮革様シー
ト状物の通気度、透湿度、耐水度について、実施例1と
同様の方法にて試験した。結果を表7に示す。
【0045】
【表7】
【0046】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明の皮革様
シート状物および本発明の皮革様シート状物の製造方法
によって得られる皮革様シート状物は、通気性および透
湿性に優れ、かつ耐水性にも優れるものであって、蒸れ
の発生が問題となる用途、例えば靴胛材、靴裏中敷材、
衣料等の素材として好適に用いられるものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 繊維基材、ポリウレタン樹脂層、および
    表面仕上げ層を有する皮革様シート状物において、ポリ
    ウレタン樹脂層が、繊維基材上に平均粒径5〜50μm
    のポリエチレン微粉末を含有するポリウレタン樹脂溶液
    を含浸および/または塗布し、湿式凝固して得られるポ
    リウレタン樹脂層である皮革様シート状物。
  2. 【請求項2】 繊維基材に平均粒径5〜50μmのポリ
    エチレン微粉末を含有するポリウレタン樹脂溶液を含浸
    および/または塗布する工程、 ポリウレタン樹脂溶液を含浸および/または塗布した繊
    維基材を非溶剤中に浸漬してポリウレタン樹脂を湿式凝
    固させ、脱溶媒、水洗を施した後、乾燥して表面に微細
    な気孔を有するポリウレタン樹脂多孔質層を形成する工
    程、 表面仕上げする工程、とからなる皮革様シート状物の製
    造方法。
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KR102047797B1 (ko) * 2018-08-20 2019-11-22 (주) 정산인터내셔널 원단에 패턴을 형성하는 습식우레탄 코팅 방법 및 그에 의해 제조된 패턴이 형성된 우레탄 원단

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KR102047797B1 (ko) * 2018-08-20 2019-11-22 (주) 정산인터내셔널 원단에 패턴을 형성하는 습식우레탄 코팅 방법 및 그에 의해 제조된 패턴이 형성된 우레탄 원단

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